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1995-06-07 第132回国会 衆議院 規制緩和に関する特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年六月七日(水曜日)     午後一時開議 出席委員   委員長 塚田 延充君    理事 亀井 善之君 理事 橘 康太郎君    理事 斉藤 鉄夫君 理事 武山百合子君  理事 西川太一郎君 理事 五十嵐ふみひこ君       池田 行彦君    小杉  隆君       七条  明君    御法川英文君       岡田 克也君    小池百合子君       西村 眞悟君    吉田 公一君       松前  仰君    吉井 英勝君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総務庁長官) 山口 鶴男君  出席政府委員         総務庁行政管理         局長      陶山  晧君  委員外出席者         公正取引委員会         事務局取引部下         請課長     山木 康孝君         経済企画庁総合         計画局計画課長 高橋 祥次君         国土庁大都市圏         整備局総務課長 橋本 万里君         文部省高等教育         局企画課長   板橋 一太君         通商産業省産業         政策局流通産業         課長      斉藤  浩君         中小企業庁長官         官房総務課長  殿岡 茂樹君         中小企業庁計画         部下請企業課長 関  有一君         中小企業庁小規         模企業部小売商         業課長     蔵元  進君         運輸省鉄道局総         務課長     石川 裕己君         運輸省自動車交         通局旅客課長  藤井 章治君         運輸省自動車交         通局貨物課長  鈴木 久泰君         運輸省自動車交         通局技術安全部         技術企画課長  溝口 正仁君         運輸省自動車交         通局技術安全部         整備課長    下平  隆君         郵政省電気通信         局電気通信事業         部事業政策課長 森   清君         労働省労働基準         局賃金時間部労         働時間課長   石川  透君         労働省職業安定         局雇用政策課長 青木  功君         労働省職業安定         局民間需給調整         事業室長    森山  寛君         建設省建設経済         局宅地課長   尾見 博武君         建設省道路局道         路交通管理課長 大堀 一平君         建設省住宅局住         宅政策課長   山本繁太郎君         建設省住宅局住         宅生産課長   稗田 祐史君         建設省住宅局建         築指導課長   那珂  正君         特別委員会第三         調査室長    佐藤  仁君     ――――――――――――― 委員の異動 六月七日  辞任         補欠選任   西  博義君     吉田 公一君 同日  辞任         補欠選任   吉田 公一君     西  博義君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  規制緩和に関する件      ――――◇―――――
  2. 塚田延充

    塚田委員長 これより会議を開きます。  規制緩和に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小杉隆君。
  3. 小杉隆

    小杉委員 今回、規制緩和計画によって千九十一件の規制緩和が行われたわけですが、そのうち既にメニューに載っているものが三百六十七件、新規に手をつけるものは七百二十四件、そして各省の抵抗あるいはその他の理由で着手できないものは七百件ということであります。これは政府規制の大体一割ということでありまして、先般、この委員会で呼んだ参考人の中では、これでは五十センチしか進んでいないという厳しい批判もあったわけであります。  その後、この五カ年計画、三月三十一日に閣議決定された後、四月十四日に円高経済対策の一環として三年計画前倒ししてやる、こういうことが決定されたわけですが、五年間を三年間に縮めるというのですが、中には五年かけなければ実施ができないものも入っていると思うのですね。ですから、単に前倒しして済むのかどうか、やはり三年計画としてできるものできないものを仕分けして、きちっともう一度三年計画として体裁を整えなければいけないのではないかという点、いかがでしょうか。
  4. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  確かに四月十四日、決定をいたします際にはさまざまな意見がありましたが、しかしこの際、緊急円高経済対策を推進するという状況の中で非常な決意でひとつ五カ年計画前倒しして三カ年にしよう、したがって五年間で処理しようというものを三年以内に処理するという趣旨で閣議決定をいたした次第でございます。
  5. 小杉隆

    小杉委員 たしか、この計画は毎年毎年見直していく、ローリングしていくということだったと思います。そこで、一体五年を前倒しして三年にしてどういう姿になるのか、それはひとつ整理をして、できるだけ早く出されるべきだと思いますが、その点についていかがでしょうか。
  6. 陶山晧

    陶山政府委員 ただいま先生指摘のとおり、毎年度改定を続けていくという仕組みになっているところでございます。  したがって、三年間の計画として政府方針決定いたしましたので、当初の五カ年計画のうち、五年を三年に短縮するもの、あるいは五カ年間をかけて逐次計画的に実施していくという事項、それらを改めて点検をいたしまして、具体的には本年末までに見直し、今年度末に第一回の改定内容を改めてつくるということにいたしておるところでございます。
  7. 小杉隆

    小杉委員 つい最近、ブリタンEU委員長が来て、アメリカ自動車交渉で一方的に制裁関税を課することに関しては非常にけしからぬということを言ったわけですが、しかしその一方で、日本市場閉鎖性も同時に指摘をされているわけですね。  そこで、これはやはり私どもからいいますと、例えば外国から閉鎖性指摘されるというのはちょっと心外な面もあるわけです。例えば関税などは世界先進国で一番低いわけですし、今なかなか参入できないものはそれぞれの国の努力不足という面もあるわけですね。しかし、我々がこうやって努力しているにもかかわらず、依然としてアメリカからもヨーロッパからも日本市場は閉鎖的である、こう言われているのは一体何なんだろうか。特に、外国から閉鎖的だと言われている規制とは何なのだということをもうちょっと突き詰めてお答えいただきたいと思うのですけれども
  8. 山口鶴男

    山口国務大臣 三年間に前倒しをいたしましたが、その前の五カ年計画を策定する場合にも、昨年末でしたが、EU代表それから在日アメリカ商工会議所代表の方にもおいでをいただきまして、要望について率直に意見をお述べいただきました。さらに、在外公館等を通じましてEU及びアメリカの御意見も十分私ども承った上であの五カ年計画を策定いたしたわけでございまして、そういう意味では、EU例あるいはアメリカ側あるいはその他の国々の御要望も十分私ども踏まえて計画を策定したということだと思います。  同時に、規制緩和対象ばかりではなくて、我が国商習慣等でやや閉鎖的な部面もないではないと思います。ですから、そういう点はやはり民間の側でもっと改善の努力をやっていただくことはもとより必要だと思いますし、また、委員指摘の官と民との関係、すなわち規制緩和関係におきまして、今局長お答えいたしましたように、千九十一項目については行革委員会がさらに監視をして意見もお述べいただきたいと思いますし、それ以外の項目について、これはやるべきであるという御意見があれば、それも政府にきちっと勧告をいただく、これも行政改革委員会仕事になっておられるわけでございますので、私どもとしては、あらゆる場面を通じて内外の御意見を聞いてローリングに努めてまいる、年内に見直し年度末に改定という形で処理をいたしたいと存じます。
  9. 小杉隆

    小杉委員 これからはますますアメリカヨーロッパから規制緩和についての注文が厳しくなってくると思うのです。そこで、今まで千九十一項目というのは非常に御苦労であったと思いますし、それなりの努力について私は評価をするものでありますが、しかし、本当に実のある規制緩和であるかという点については、私はもっと努力をすべきところがたくさんあるのじゃないか。特に市場開放という側面から、そういう視野から見ていきますと、まだまだたくさん余地があるのじゃないか。そういう点ではやはりもう少し、総務庁は比較的応援団が少ない役所でありますし、むしろ国内利益とぶつかる面が非常に大きいわけなんで、大変な苦労があると思うのですが、総務庁としてももう少し、ただ何項目やったという数だけを問題にするよりも、むしろ中身で、本当に市場開放にとってこういう規制を和らげなければいかぬというような、もうちょっと重点化というのですか、そういう点で特にターゲット市場開放とかあるいは国民生活の面から内外価格差を是正するというような、ひとつメニューごと重点のテーマを絞ってやっていく。どちらかというと、今規制緩和は始まったばかりですから、手続面だとか形式面規制緩和の方がやや先行しているように思うのですが、私は、もっと質の、中身の面で本当に市場開放とかあるいは内外価格差を妨げているそういう規制について重点的に取り組んでいく、こういう姿勢が必要かと思うのですが、その見解を伺いたいと思います。
  10. 山口鶴男

    山口国務大臣 まさに委員指摘のとおりだろうと思います。例えば、具体的な例を挙げますと、石油の問題ですけれども石油業界で確かにいろいろ議論がございました。しかし、今回精製業者以外の業者の方も輸入を認めるという特石法の改正をいたしまして、そういう意味では内外価格差是正のための一歩をしるすこともできたのではないかと思っております。あるいはJIS、JASの問題にいたしましても、国際規格我が国規格を合わせるということで、これも当該の部面にはさまざまな議論もありましたけれども、それを乗り越えて、それを今回の千九十一項目の中にも織り込んだ次第でございます。  したがいまして、内外価格差解消そしてまた市場開放という意味で十分な理解をいただけるようた、ターゲットを絞って、これはやはりやるべきだという問題については、やはり総務庁といたしましても力を入れて対応するということがまさに必要であると思います。そういう立場でこれからも努力をいたしたいと存じます。
  11. 小杉隆

    小杉委員 それにはやはり各省庁の協力が不可欠だと思うのですね。  そこで、特にこれからの計画の中にそういう規制緩和という視点からの取り組みが重要にたってくると思うので、経済企画庁に伺いますが、現在の「生活大国五か年計画」にかわる新しい経済計画を現在検討中だと聞いておりますけれども、そういう規制緩和を中心とした経済構造改革とか活性化を目指す計画にすべきだと思うのですけれども、そういう計画の今の進行状況とかあるいはその検討項目とか、特に規制緩和という観点から、この新しい計画にそういう視点から取り組むという意思があるかどうか伺いたいと思います。
  12. 高橋祥次

    高橋説明員 お答えいたします。  今、委員指摘のとおりに、「生活大国五か年計画」にかわる新しい経済計画の策定を、本年一月に村山総理から経済審議会の方で諮問を受けました。その諮問内容は、二十一世紀に向け、地球社会の発展に寄与しつつ、自由で活力があり、国民が豊かに安心して暮らせるとともに、国内外に開かれた経済社会を創造する経済計画いかん、こういうものでございます。  特に、自由で活力があり、しかも国内外に開かれた経済社会、そういうことでございますので、幾つかの部会を設けてこのための施策経済審議会では御議論いただいているところでございます。特に、自由で活力がある経済社会の創造ということで、自由で活力のある経済社会部会というのを設けまして、特にその中の中心的な課題といたしまして規制緩和の問題を御議論いただいているところでございます。その中心的な課題といたしましては、今御指摘のありましたように、政府が決めました規制緩和推進計画、これについては着実に実施するとともに、さらに規制緩和実効あらしむるための方策はどうかということで、今御議論をいただいているところでございます。
  13. 小杉隆

    小杉委員 労働省に伺いますが、四月の完全失業率は過去最高の三・二%を記録しました。有効求人倍率低下をして、現在完全失業者数は二百十四万人ということで、今後、経済が低迷していく中で、一層進展するリストラとかあるいは産業空洞化に伴って、雇用情勢はますます厳しくなっていくと思います。  三月三十一日に決定された規制緩和計画でも、また、四月十四日、三年間に今度前倒しをするということも含む緊急円高経済対策においても、産業構造の転換を見据えた本格的な雇用流動化対策というのがはっきり読み取れないのですね。  そういう点で、私は、従来の雇用対策とはちょっと違った、新しい発想による労働政策というものが必要ではないかと思うのですが、まずその点から伺いたいと思います。
  14. 青木功

    青木説明員 御説明申し上げます。  雇用情勢現状は、ただいま先生お触れいただいたとおり、厳しい情勢であるというふうに認識をいたしております。そこで、今後の雇用対策ということで、現在私どもが心配をしている点が二つございます。  それは、今の円高というような中で、産業全体がこれから雇用を吸収するという意味で非常に不安感があるだろうというのが一つございます。そしてもう一つは、新規大学卒業生の皆さんに見られるようた、新しく職場に入っていかれる若い方々の問題、これがございます。またさらにそういう中で、これから産業構造が大きく変わっていくということも十分視野に入れる必要があるだろうと思います。  そういう中で、私ども、今国会におきまして、不況業種対策に係る法律改正をしていただきました。それによりますると、どちらかというと特定の企業の中で何とか雇用を維持していただきたい、それで政府もお手伝いをするというのが今まで大きなポイントでございました。今度の改正におきましては、そういった努力も続けていただきながらも、なお企業を越えて、いわば産業構造の変化に対応した労働移動をしなければならないケース、これがふえてくるだろうということで、経営者方々活動と、それからそこに対する国の援助というものをあわせまして、失業を経たいで次の職場に移るようなスキームを今回お認めをいただいたところでございます。  この法律は七月一日から施行になりますが、こういったものを運用することによって、ただいま先生お話しになりましたようなことにも対処してまいりたいというふうに存じます。
  15. 小杉隆

    小杉委員 規制緩和によって、いわゆる雇用喪失創出、同じような発言ですけれども全く意味が反対の、失う方の喪失と新しくつくり出す方の創出とあるわけですね。今まで日本経済構造の中で、規制があったおかげで雇用の場が確保されていたという部分があるわけですよね。そういうものは規制緩和に伴って、失う方の喪失になるわけですね。それから逆に今度、例えば新産業、新しいマルチメディアとかあるいは環境関連産業とかそういうところは、つくり出す方の創出が起こるわけですよ。しかし、失う方と新しくできる方とがうまくマッチすればいいのですが、タイムラグがありまして、ミスマッチというのが起こるわけですが、そういう規制緩和による雇用への影響という点では、どんな取り組みをやっているのか。  民間研究所とか、経済企画庁楽市楽座研究会では、規制緩和経済効果と同時に、規制緩和雇用への影響ということも研究しているやに聞いておりますけれども労働省としてもこういうふうなことに対してもっと積極的に取り組むべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  16. 青木功

    青木説明員 ただいま先生からお話がございました規制緩和雇用との関係でございますが、私ども、昨日公表をいたしましたが、雇用政策研究会という学識経験者のお集まりをいただいておりまして、先ほど経済計画についてのお話がございましたが、これとタイアップいたします雇用対策基本計画につながる御議論をいただいてまいりました。  その中でも、やはり規制緩和について、これが将来の雇用にどういうふうに影響を及ぼすかという御議論をいただきました。ただ、個々規制緩和というものが実際にどういうふうに雇用影響を与えるかというのは、個々規制について個別に研究をしなければならないだろうと思います。  ただ、トータルベースで申し上げれば、一つは、規制緩和そのものはやはり産業活動を活発にいたしますし、長期的には雇用の場をふやすという方向に働くということは、先生方、一致した御見解でございました。また一方、これも先生今お触れになりましたけれども、短期的には、規制を受けてその保護下にある産業といったところではやはり一時的に雇用影響が出てくるのではないかと思います。  そうしますと、やはり先ほどもお答え申し上げましたけれども、その中のタイムラグをできるだけ少なくし、そしてそこに必要な技能とか知識というものも少しずつ変わっできますけれども、そういったものをできるだけ労働者方々につけていくというような仕事を通じながら、間に失業という痛みを伴わずに労働移動をするような、この対策がやはり重要になってくるのではないだろうかと思われます。  また、個々規制緩和雇用の問題というのは個別問題ごとに私どもとしてもこれからも勉強してまいりたいと存じます。
  17. 小杉隆

    小杉委員 ちょっと細かい話になりますが、規制緩和推進計画では、有料職業紹介事業取扱職種範囲検討とか、労働者派遣事業適用対象業務範囲見直しとか、裁量労働制適用範囲の拡大の検討などが打ち出されていますが、どうも実施内容が明確でないし、テンポが遅いのではないかというふうに思うのです。もっとしっかりした雇用流動化対策を打ち出すべきではないかと思うのですが、その点について。
  18. 森山寛

    森山説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のように、有料職業紹介、それから民営の問題、これは規制緩和推進計画に含まれるわけでございますけれども、現在私ども鋭意その検討を進めているところでございます。もちろん、この規制緩和の問題につきまして見直すべきではないかということが強いということは、労働省十分に承知しているところでございます。  ただ、この検討に当たりましては、我が国労働力需給全体のあり方、それからまた労働者保護といったような、さまざまな観点からの御議論があるわけでございまして、現在、中央職業安定審議会の小委員会において、この派遣事業等につきまして鋭意検討を進めているところでございます。  労働省としましても、早急に御結論いただきますように、引き続き鋭意努力してまいりたいというふうに考えております。
  19. 小杉隆

    小杉委員 労働省の方は帰って結構です。  それでは次に、建設省の方に伺います。  けさかきのうの新聞でしたか、現在バブルの崩壊で四十兆円の不良債権があるという報道が行われております。景気対策の上からも土地流動化対策というのは非常に大切だと思いますが、これは国税庁の、長期譲渡益税制の問題もありますけれども建設省としてこの土地流動化政策についてどう考えているのか、お答えください。
  20. 尾見博武

    尾見説明員 お答えをいたします。   先生指摘のように、我が国経済の着実な回復を図るという観点から、土地市場活性化を図って流動化促進するということは極めて重要だと思っております。ただ、その際に、あくまで土地有効利用に資するというような観点がまた重要かと思っております。  建設省といたしましては、これまで、土地有効利用促進を図るという観点から、幾つか挙げさせていただきますと、一つに、容積率等規制緩和の問題でありますとか、あるいは土地譲渡課税に係る優良な住宅宅地供給促進のための軽減税率、そういうものの拡充、さらには、再開発種地等先行取得に係る民間都市開発機構、これの活用というような施策実施してまいりまして、これらの施策土地流動化という側面においても一定の効果を果たしてきたのではないかというふうに考えております。  ただ、現在の経済情勢を見ますと、まだ極めて深刻な状況だというふうに考えておりますので、適切な土地流動化策が引き続き重要だというふうに認識をしておりまして、関係省庁とも密接な連携を図りながら、多角的な見地からその対応策を十分研究してまいりたい、かように考えております。
  21. 小杉隆

    小杉委員 国土庁が五月二十九日に発表した世界地価調査によりますと、一戸建ての住宅地の場合、一平方メートルの単価、東京杉並の成田東ですけれども、五十六万円で、ニューヨークは一万九千円、三十倍ということになっております。それから、東京都が五月二十九日にまとめた「東京土地一九九四」という資料では、公示価格が四年連続で下落をしている、地価低下傾向が続き、マンションの価格も下がってきている、しかし、依然として今、年収の七、八倍ということで、「生活大国五か年計画」で目標としている五倍にはまだほど遠い、ましてや建物を含めた住宅価格になりますと年収の十三倍、世界一取得しづらいというのが現状であります。  これには、今申されたとおり、税制の面あるいは建築のいろいろな規制、こういうものの緩和というのがもっともっと思い切って行われていかなきゃいけないと思います。  特に最近、定期借地権つき住宅というのがふえている、これはまだ発表になりませんが、土地白書などではそういう指摘があるようでございますが、こういう新しい制度を利用して、もっともっと住宅が取得しやすいような方策をやっていかなくちゃいかぬし、開発規制とか利用規制ももっと思い切った見直しが必要じゃないかと思うのですが、その点についてのお考えを伺いたいのです。
  22. 尾見博武

    尾見説明員 土地に関しでのさまざまな規制開発規制利用規制に対しての考え方をどう進めていくのかということについてお尋ねでございますので、お答えをいたします。  土地に関する開発規制利用規制の問題につきましては、基本的には、良好な市街地環境を形成していくための社会的規制というようなことで、経済的な規制とはおのずから性格を異にしているということでありますので、その緩和に当たっては、規制の本来目的の確保ということを十分図っていく必要があると思っています。  しかしながら、土地にかかわるこれらの規制が現在の経済社会のニーズに的確に対応しているかどうかという観点から、絶えず見直しが必要だというふうに考えておりまして、豊かさを実感できる住生活の実現を図るという観点から、低廉で良質た住宅宅地供給を図るために、例えば、関連公共施設整備というような問題とあわせまして、開発許可迅速化宅地開発指導要綱行き過ぎ是正等規制緩和を図るということが必要であると考えております。  お尋ね定期借地権につきましても、地価顕在化をさせないで比較的質のよいものを入手しやすい価格で提供できるということで、新しい事業手法として非常に有意義なものと思っておりますので、積極的に進めてまいりたいと思っております。
  23. 小杉隆

    小杉委員 去る五月二十四日の当委員会指摘された中で、住宅建設とか輸入住宅建設に当たってのいろいろな問題点があるわけですね。もうたくさんありまして、全部読み切れませんけれども建築基準法三十八条に基づく承認手続にかかる期間、費用の軽減とか、あるいは準防火地域での木造三階建て共同住宅建築規制緩和とか、その他たくさん、ここに数項目挙げられておりますが、その後、建設省として、これらについての考え方はどうですか。
  24. 山本繁太郎

    ○山本説明員 御説明させていただきます。  住宅とか土地についての規制でございますけれども住宅とか土地につきましては、それぞれの敷地の所有者とか住宅の所有者が精いっぱいいろいろ努力をしましても、住宅市街地全体にとりましてそれが良好な結果をもたらすとは必ずしも限らない。例えば、火事の問題とか町全体の景観の問題とか、いろいろございます。御指摘規制につきましては、そういう観点から、個別個別の努力のほかに、全体としてきちんとした住宅市街地ができ、保全されるようにという観点からたされているものでございます。  昨年度末に政府として策定いたしました規制緩和の推進計画、これをつくり上げます際に、建設省といたしましては、内外からのいろいろな御意見、御要望がございましたので、こういったものを踏まえまして、主として、できるだけ住宅コストを下げていくという観点から、海外の住宅の材料、資材とか部品、そういったものがスムーズに入ってくるようにするためにはどういう観点から合理化したらいいのか、これが第一点でございます。  それから第二点は、非常に大切な土地がうまくきちんと利用される、土地有効利用するという観点から、あるいは町並み全体として環境がよくなる、そういう観点から規制をどういうふうに合理化していったらいいのかということで一生懸命やりまして、計画の中に盛り込んだわけでございます。  これからも、この推進計画に沿いまして、住宅分野の規制緩和に積極的に取り組むという考え方で進めたいと思っております。
  25. 小杉隆

    小杉委員 郵政省に伺いますが、電電公社が民営化されて十年が経過をいたしました。その間に、第一種電気通信事業には百十社が参入して、長距離の電話料金も、例えば東京-大阪間が三分間四百円であったものが百七十円になり、大口の割引サービスの多様化も進展しております。ところが、競争の実態としては、NTTが九割の支配力を持っていて、ほかの会社が新たなサービスを行う場合には結局NTTの地域通信網に依存せざるを得ない状況であります。  私は、実効ある競争を促進してユーザーの利便にかなうサービスを提供するためには、いわゆる構造分離の問題がやはり非常に大事だと思うのですね。地域と長距離との構造分離の検討ということが必要だと思いますし、また、NTTのネットワークのオープン化とか相互接続条件の明確化、コスト算定の明示などを図るべきだと思いますが、その推進方法はどう考えているのか。  それから、時間がないからまとめてやりましょうか。ちょっと長くなりますが、今後のNTTの経営形態について伺いたいのです。  これについては今電気通信審議会で審議をされておりますけれども、審議会では、今言った構造分離、長距離と地域とに分けるというやり方とか、あるいは地域を分割するというようなことが検討されていると思いますが、仮に分割をするにしても、地域ごとに分離すると地域独占につながってしまうのではないか、規制緩和に逆行するのではないかというような指摘もあります。こういった点についてどう考えるのか。  そして、ちなみにアメリカではAT&Tが分割してかなり活性化したと聞いておりますけれども、その後の状況についてどう思うのか。  もう一つ、今後の情報通信産業のダイナミズムをどうつくり出していくか、これが非常に大きな課題だと思うのですね。現在、マルチメディア時代と言われておりますように、この分野は、雇用の面でもあるいは新しい産業創出という面でも、未来に非常に明るい展望のある分野ですけれども、しかし、今のままではいけない。やはりこの情報通信産業を、どうやったらもっともっとダイナミズムをつくり出せるかというのが非常に大事なことだと思います。  これら、ちょっと盛りだくさんなのですが、できるだけ短めにお答えをいただきたいと思います。
  26. 森清

    ○森説明員 お答えいたします。  まず最初の接続の問題について申し上げます。  先生指摘のように、我が国の電気通信市場の構造は、新しく参入した新規参入事業者がNTTの地域網に接続しないとサービスができない、こういう市場構造、いわば非常に特異な市場構造になっておるわけでございます。現実にこの接続問題をめぐりましては昨年いろいろ問題が起きまして、新規参入事業者の方から郵政省の方に接続命令の申し立てがなされるというような事態も生じたわけでございまして、円滑な接続を確保するということが非常に大きな課題になっております。  この問題も先生指摘になりました電気通信審議会の方でも検討がたされることになると思われますけれども、郵政省といたしましても、具体的にはことしの二月にNTTに対しまして、接続協議を行う際の基本的な手順をつくってほしい、あるいは接続費用の分担方法を明確にしてほしい、あるいは接続に必要な技術情報を開示してほしいというような項目について具体的な措置を講じるように行政指導を行いまして、これに対しましてNTTから報告がございましたが、今その案をさらに関係者に照会しておりまして、この結果を踏まえて適切な対応をしてまいりたいと考えておるところでございます。  それから二つ目の、審議会の検討の中でNTTの分割問題について、分割しても地域独占ではないかという御質問でございますが、現在、電気通信審議会でNTTのあり方について審議が始まったところでございますけれども、現在のところ、具体的に分割すべき云々の議論が行われているわけではございません。  御質問にございましたアメリカの例で申しますと、アメリカでは一九八四年にATTの分割というのが実際行われました。その場合、ATTの長距離会社を分離すると同時に、地域会社を七つに分割したわけでございます。それぞれの会社はそれぞれの地域で一応独占ではございますけれども、最近では競争が非常に活発に行われるようになってまいりまして、ある地域の電話会社が別の地域の電話会社のエリアの中で、例えばCATV事業でありますとか自動車電話事業に参入していく、要するに相互参入を行うという形態が非常に出てきております。  私ども、NTTの経営形態問題については現在全く白紙の立場でございますが、それで審議会で十分御議論いただくことになると思いますけれども、地域分割が即地域独占のままにとどまってしまうということでは必ずしもなくて、アメリカのような地域間の競争、あるいは日本でも電力会社とかJRのようだ間接的な競争というのはあり得るのではないかというふうに考えているところでございます。  それから、最後のダイナミズム、ダイナミックな競争という点につきましてはいろいろなことがございますけれども、私ども基本としましては、電気通信事業者だけではなくて、放送事業者とかソフトウエアの事業者、あるいは通信機器の事業者、そういった関係する人々すべてが巻き込まれた中で、競争というものを通じて創意工夫が発揮できる、そういう環境をつくっていくということが何よりも望まれるのではないかと考えておりまして、電気通信事業者を中心とした公正かつ有効な競争条件の整備、こういうことについて促進していくことがダイナミズムの発揮につながるのではないか、こう考えている次第でございます。
  27. 小杉隆

    小杉委員 現在の日本の通信の現状を見ますと、NTTが約七兆円の売り上げに対して、ほかの新しくできた通信会社は三千億円とか一千億円以下というのがほとんどでありまして、まさにガリバーとアリというような状況が続いております。それに対して米国は、ATTが四兆円の売り上げに対して、そのほかも結構、二兆円から一兆円以上というものが十社以上あるというようなことで、かなり競争が激しく行われているわけです。そういった現状を踏まえて、情報通信の分野のダイナミズムを発揮できるような新しい施策、あるいは規制緩和も含めてぜひひとつ考えていただきたいと思います。  それでは、時間がなくなりましたので、あと運輸分野にちょっと触れたいと思いますが、まず、建設省が残っておられますから、運輸に関して建設省にまず伺います。  例えば具体的な話ですが、海上コンテナでは、ISO、標準機構ですか、四十フィート、三十・四八トンとなっていますけれども日本では二十四トン、海外からISO基準のコンテナで運ばれてきた荷物を国内基準のコンテナに積みかえなければならなくて、コスト高につながっている、したがってISOの基準を適用すべきではないかといった問題。  あるいは、市街化調整区域におけるトラックターミナルの設置基準を緩和すべきではないか。  こういうことについての見解を伺いたいと思います。
  28. 大堀一平

    ○大堀説明員 海上コンテナ問題について御説明申し上げます。  先生指摘のとおり、ISO基準と私ども国内基準が異なっていることは事実でございます。これの解消のために、私どもといたしましても、平成九年度末を目途に、道路整備、特に物流上重要な路線につきまして道路整備を進めまして、ISO規格の四十フィートコンテナをフル積載した状態で通行できるようなネットワークをつくっていこうということで、特に重量車両に弱い部分が橋梁でございますが、現在全国の橋梁を中心として点検いたしまして、さらに補強をするという作業を進めまして、平成九年度末を目途に、物流上重要な路線についてフル積載可能とするような努力をしているところでございます。
  29. 小杉隆

    小杉委員 残念ながら時間がなくなりましたので、運輸省、通産省は省略をさせていただきます。担当の方には大変申しわけないと思います。  それで、最後にまた総務庁に返ってまいりますが、今度の国会で成立した百五十法律を見ますと、ほとんどサンセットの考え方、つまりある一定の期限が来たら見直すという条項が加えられておりまして、私はそれは高く評価するのです。しかし、中にははっきりと期限を明示したいもの、むしろその方が多いのかなと思いますが、私はかねてから法律にも寿命がある、その時代の変化に伴って役割を終えるというものだと思うのですね。したがって、特に経済規制などについては、今後新しく出される法律は、政府の方針もそうですけれども、ちゃんと年限を区切って、五年以内に廃止するとか十年以内に廃止するというふうに期限を設けるべきだと思うのですが、今度の国会で成立したものを見ますと、かなり前進ではありますけれども、具体的に期限を切っている法律というのは余りにも少ない。その点について、今後の取り組みの決意を伺いたいと思います。
  30. 陶山晧

    陶山政府委員 小杉先生のただいまの御意見は、かねてから私ども伺っているところでございます。御案内のように、今回の推進計画におきましても、規制の新設について厳格な審査を行うということとともに、法律によって新たな規制を新設する場合に、一定期間経過後当該規制を見直す旨の条項を盛り込むということを原則としたところでございます。  今後もこういう努力は続けてまいりたいと存じておりますが、小杉先生の御指摘は、恐らくすべての法律にこのサンセット規制を盛り込む……(小杉委員「いや、そうじゃなくて経済規制です」と呼ぶ)新規のものについて、ただいま申し上げましたようにできるだけの努力をしているところでございまして、今後ともそれは続けてまいりたいと思います。  ただ、先ほどの御指摘に関連して御説明申し上げるとすれば、あらかじめ一定の期限を付すということをすべてできるかどうかという観点で申し上げますと、内容によっては、必ずしも当初新設をいたしますときにきちんと期限がつけ切れないという内容のものもございます。また、政策遂行の継続性とか安定性という観点から、いろいろと議論を詰める必要のあるものもございます。しかしいずれにしろ、先生の御指摘の方向は、私どもも極力その方向で努力をしてまいりたいと考えております。
  31. 小杉隆

    小杉委員 終わります。ありがとうございました。
  32. 塚田延充

  33. 吉田公一

    吉田(公)委員 規制緩和五カ年計画ということで、国民規制緩和については大変注目をいたしているわけでございます。なかなか長い歴史があって規制が入り組んでおりまして、これを解きほぐして、そして国民経済効果を高めさせる、あるいはまた産業構造を改める、もって国民のプラスにするということが規制緩和の趣旨だと思います。  今まで規制緩和というのは、各省庁が自主的に規制緩和五カ年計画という趣旨の下でやってきたわけでありますが、規制緩和の取りまとめ役である総務庁が率先して各省庁に対してこういう規制緩和をやりなさいという、その指導性があるのかないのか、その点をまず長官にお尋ねをしたい、こう思います。
  34. 山口鶴男

    山口国務大臣 規制緩和に当たりまして、昨年、規制緩和に対する基本的な方針を閣議において決定をいたしまして、この基準に沿って各省庁とも全力を挙げてほしいということを要請をいたしました。またその後、行革推進本部におきまして、先ほどもお答えいたしましたが、内外要望等を承って、そしてこの要望を実現するためにひとつ各省庁全力を挙げてほしいということは、閣議においてあるいは閣議後の懇談におきまして、私はしばしば発言をいたしましたし、また総理もその趣旨で各省庁が全力を挙げてほしいということを指示をいたした次第でございます。  そういう中で、推進の五カ年計画、そして前倒しをして三カ年計画、しかもこれを毎年見直すという決定をいたしたということでございます。
  35. 吉田公一

    吉田(公)委員 つまり、具体的な指示というのは総務庁としてはしていないわけですね。一般的な規制緩和五カ年計画として、その趣旨に基づいて各省庁規制緩和をするようにということを長官から強く各閣僚に申し入れたということでございまして、具体的に総務庁が責任を持ってそれを指示、そして緩和をさせるということはできないものでしょうかね。
  36. 山口鶴男

    山口国務大臣 閣議におきまして示す基準はこういう基準でということでございますが、その基準にのっとりまして、あるいは内外要望に基づきましてこれを具体化するための個々規制のやり方につきましては、総務庁の行政管理局がそれぞれの省庁と具体的に話をいたしまして、これはひとつ内外要望にこたえてこの部分についてはきちっと規制緩和してください、すべきであるという具体的な話し合いをきちっと詰めまして、そして千九十一項目を確定をしたということでございます。  総務庁といたしましては、そういった各省庁との折衝の過程で具体的にその指示をいたしてこのような結果を生み出したということで御理解をいただきたいと存じます。
  37. 吉田公一

    吉田(公)委員 今まで規制緩和のいろいろな法律改正等が行われましたが、具体的にこれはと思うのは余り出てこたいのですね。例えば狂犬病予防法だの寄生虫予防法だのなんて、戦後五十年もたってどうでもいいようなものだけよく出てくるけれども、これをやればいいというのがなかなか出てこない。たまたま今、自動車部品等で日米でやっておりますけれども、外圧でしょうがなくてやるとかそういうのが非常に多いような気がして、自主的に規制緩和をしていくというような姿勢というのはなかなか我々には見えない、こう思っているわけですね。  長官にお伺いしたいのですけれども、特に外圧でありますとかあるいは規制緩和によって一番困るのは中小零細企業であります。その影響を受ける中小零細企業について、対症療法がなかなかうまくいっていない。例えば米の自由化なんていったときには、二兆数千億円なんていうお金を日本の農業にぽかっと出す。これは各党とも全員賛成だなんて言う。ところが、規制緩和によって中小零細企業が困っているときにはなかなか対策が打てないというような感がしてならないのでありますが、規制緩和に伴って当然その痛みもあるわけですから、痛みを強く感じるところについては、米やオレンジや牛肉と同じように、やはり対策というものを考えていかないと切り捨て御免になっちゃう。そういうことについてまず長官の所信を伺っておきたい、こう思います。
  38. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたしますが、冒頭の狂犬病その他のお話でございますが、どうしても、一括法案ということになりますと、これはそういった事柄を寄せ集めまして一括法案として御審議をお願いするということになると思うのです。政策的な、基本的な規制緩和という問題になりますと、どうしても個別法でもって御議論をいただく。例えば、先ほどお答えいたしました石油の問題に関する特石法などは、これは特石法の改正として御審議をお願いするということになりますので、どうしても一括法というのはそういったものとは違ったものを御審議いただくということで御理解をいただきたいと存じます。  それから、もちろん規制緩和にも委員指摘のとおり光と形とがあることは、これは御案内のとおりだろうと思います。総務庁といたしましては、統計局がございまして、先ほど雇用お話もございましたが、労働力調査失業率の調査総務庁でいたしております。また、個人企業の実態調査につきましても、先日これを行いまして発表をいたしました。今、中小企業、わけても個人企業が、現在の経済情勢もございましょう、また大店法あるいは一部改正等によりまして、個人企業が大変な苦しい立場にあるということが総務庁の統計の上からもあらわれております。  したがいまして、具体的にこれに対処いたしますのは中小企業庁、通産省ということでございますが、私としましては、閣議後の懇談で、規制緩和に伴って光と影がある、これに対する対策は当該官庁において十分やっていただきたいということは絶えず強調いたしているところでございます。
  39. 吉田公一

    吉田(公)委員 次に、自動車の車検問題について個別に伺いたいと思うのであります。  日米自動車交渉で提案の補修部品についての規制緩和策ということで、これは記事にありますが、三年間で段階的に推進をしていく、分解整備二年以内、こういうことでありますが、定義全体はこれから見直していくというようなことを言っておられるようでありますが、その意味を説明していただきたいと思います。どういう意味なのか。
  40. 下平隆

    ○下平説明員 お答え申し上げます。  日米包括経済協議の自動車の協議の中におきまして、米国側は自動車の補修部品にかかわる規制についての緩和を求めてきておりまして、その議論の中の一つに、ただいま御指摘がございました自動車の分解整備の定義、いわゆる重要保安部品の削減というふうな御要望がございました。それに対します私どもの回答は、重要保安部品について米国側から具体的に指摘がありました二点の品目について削減をするということにあわせまして、今後分解整備の定義の全体の見直しを図りましょうという提案をしております。  これは、具体的に米国が補修部品の日本輸入に阻害があるというふうに指摘している個別の項目ではなくて、それ以外の、定義全体について今後見直すべき内容があるかどうかを網羅的に行いたい、こういう趣旨で提案をしてございます。
  41. 吉田公一

    吉田(公)委員 だから、それを受けて日本側は、車検問題を初めとして、アメリカの部品を輸入しやすくしてやるために国内のいろいろた法案を整備したり改正したり、あるいは認可したりするということなんですね、二年以内にやるということは。もう一回お願いします。そういう意味ですか。
  42. 下平隆

    ○下平説明員 米国が求めております補修部品の規制緩和ということと、実際に補修部品の輸入促進にそれがつながるかという点につきましては、私ども規制輸入の阻害になっていないというのが基本的な認識でございますけれども、協議全体を進めるということも一つ大切な観点でございますし、一層の規制的な緩和をするということも観点でございまして、今申し上げましたけれども、分解整備の定義というものを、さらに輸入促進観点規制緩和という観点から見直す部分があるかどうかというふうな見直しを行いたいという提案を行ったわけでございます。
  43. 吉田公一

    吉田(公)委員 そうすると、アメリカ側は、ショックアブソーバーだとかブレーキだとかそういうものを特別に直せるようなことをすれば、部品が売れると思っているのかね。だから、重要保安部品についてを強く迫っているのかね。どういう意味なんですかね。
  44. 下平隆

    ○下平説明員 日米の協議の全体について御説明を申し上げる必要があろうかと思いますけれども、自動車の協議で現在課題になっておりますのは、いわゆる車を売るディーラーの問題と補修部品の規制の問題とがございます。それ以外に米国が求めておりますのは、自動車メーカーが部品を計画的に購入する、その購入の量の上積みということを求めております。  協議全体で申し上げますと、補修部品の規制緩和の問題は、この五月のカナダにおきます協議で米国に私どもから回答した内容をもって米国側は私ども努力をかなり評価をしたというふうな感じに受けとめられた場面がございました。  しかしながら、ほかの問題でございますところの部品の購入計画の上積みという問題の合意がなければ協議全体の合意ができないというのがアメリカ側のスタンスでございまして、したがって、補修部品の規制緩和という問題もテーマではございますけれども重点はむしろそちらにあるというふうに考えております。
  45. 吉田公一

    吉田(公)委員 だから、アメリカが重要部品をもっともっと日本側は輸入しろと言って迫っているのは、やはり部品を売らそうとして言っているわけだよ、結論からいえば。売らさないためにそんたこと言うわけないんだから。だから、アメリカの部品を日本の自動車業界がもっともっと使ってもらいたいと。  そこで今度、重要部品、例えばブレーキならブレーキを取りかえるところ、それからショックアブソーバーたらショックアブソーバーを取りかえるところ、そういう簡単な、つまり整備士がいなくてもできるような特定の、まあ簡易工場みたいな、要するにそういうものを一部設けてそこでも直せると。これについての車検の問題だとかということは今後どういうふうにしていくのか。例えば、普通のタイヤ屋さんでも直せますよ、ガソリンスタンドでも直せますよ、あるいは自転車屋さんでもブレーキが直せますよ、こういうふうにしていく方向じゃないんですかね。その点ほどうなんですかね。
  46. 下平隆

    ○下平説明員 日米の協議の中で、ただいま御指摘がございました特定部品を専門にした整備事業というものを認めてほしいというアメリカの要求がございました。これに対して私ども、最終的な回答の中で、そのような事業形態を認めるということについて提案をしてございます。  これは、アメリカの国内では確かにブレーキとかあるいはショックアブソーバー、そういう部品に限った整備工場というものが見受けられますけれども日本におきましては、自動車、車を管理するユーザーの意識というものもアメリカと随分違いますので、そのような事業形態を認めたとしても、急速にそういう工場がふえるというふうなことはないかと思っております。  いずれにいたしましても、今ございます整備工場、総合病院的にあらゆる整備ができる工場に加えて、特定部品専門の整備事業というものを制度化するに当たりましては、今後十分に、そういう整備ニーズがあるのかどうか、あるいは適正な整備をするためにどうあるべきなのかというふうな調査も行いまして、また関係の皆様の御意見等も伺いながら、その制度化について検討してまいりたい、こう思っております。
  47. 吉田公一

    吉田(公)委員 その制度化については今後検討していくということでありますが、ブレーキなんというのは車検で一番うるさいところでしょう。ブレーキなんかどうでもいいなんという車検はないわけです。したがって、ブレーキだけを直す、そういうところができて、簡単にどこででもブレーキを直してくれる、それでそこにいる人は整備士の資格はない、それを車検場へ持っていくという義務づけもない。まあそこまで議論が行っているかどうかわからないけれども、しかし、日本は外圧に弱いんだから、もう外圧だ外圧だと言えば大騒ぎして。おれに言わせれば内政干渉だところもあるよ。内政干渉だよ、そんた。部品の、一々圧力をかけてきてさ。そういう内政干渉的な―生産緑地法なんという法律だってそうなんだ。これだって外圧たんだよ。後で質問しますけれども、労働時間の短縮だって一種の外圧だよ。そんなのに日本は大騒ぎしている。一々そんな外圧に大騒ぎして、すぐ国内法律整備をやるなんという、外圧があるとすぐ大騒ぎして法整備をやるとか、こう言っているわけでしょう。  部品なんという話はまさに内政干渉の話だよ、こんなの。だって、一番安くて一番丈夫な部品なら、万国共通なんだから、何もアメリカから買うことはないんで、日本の部品だって優秀な部品、いっぱいありますよ。だって、外車なんというのは壊れやすいんだから。それはもう国産車にはかなわない。我々が乗ったってそうなんだから。そんな危なっかしいような部品を圧力によって買わされて、その部品の流通経路まで何で日本整備してやらなければいけないのかね。その基本的なことについて伺いたいんだよ。
  48. 下平隆

    ○下平説明員 私どもアメリカ側に回答として提案をさせていただいた内容は、あくまで自動車の検査とか整備という、私どもの制度の目的は車の安全あるいは環境の保全ということにあるわけでございまして、これの後退にならないということが当然大前提でございまして、その範囲で提案をさせていただいたつもりでございます。先ほど、ブレーキの専門の整備工場のようなものも認めた場合に、果たして安全の確保ができるか、こういうお尋ねもございましたけれども、今後、制度については検討をいたしますが、もちろん、整備士を置かなければいけないとか、ある一定の整備機器が必要であるとかいうふうな、そういう要件についても検討しなければいけない、こう考えておりまして、安全の確保ができる範囲で今の制度についても考えてまいりたい、こう考えております。  それからもう一点、部品購入というものは、安くてよいものならばどこから買ってもいいじゃないか、こういうお話でございまして、私ども全く同様に考えさせていただいております。いろいろ整備工場あるいはユーザー等に対する調査もいたしておりますけれども整備工場におきましても、安くて品質がよくてしかもデリバーがしっかりしている、こういう部品であれば、国内部品であろうが外国製部品であろうが使いたい、こういうのが私ども調査に対する回答の結果でございます。したがいまして、冒頭に申し上げましたように、規制輸入の阻害になっているということはないというのが基本的な認識でございますけれども、しかしながら、日米協議・全体を進めるという観点から、安全あるいは環境の後退のない範囲での提案をさせていただいたということでございます。
  49. 吉田公一

    吉田(公)委員 まあ、アメリカの外圧によって、一番大事なブレーキだとかショックアブソーバーショックアブソーバーというのは、私ども運転しているけれども、即危険につながるわけじゃない。ただ、カーブしたら、復原力がなくたってしまうから危ないと言えば危ないんだけれども、ブレーキほどじゃたい。そういうことを考えて、そのために簡易工場を認めてやって、ブレーキだけ直しますなんという、そんなアメリカに屈服するような、部品まで何もアメリカの言うことを聞く必要はないんだよ。だから、それはそういうことでぜひきちっとやってくださいよ。いいものはいいんだから、日本の部品だっていいものはいいんだし、アメリカの部品だっていいものはいいんだ。それはユーザーが最終的に判断をすればいいことなんだよ。だけれどもアメリカのために一々、流通経路までこっちで親切に整備してやって、簡易工場制まで認めてやって。じゃ今まで運輸省が認定してきた指定工場だの認証工場なんて、どうしてしまうんだよ、これは。半分になってしまうと言っているよ、車検制度なんかが簡単にやられるようになると。  後で触れるけれども、亀井運輸大臣は、よくこう言っているらしいんだな。直接聞いたことないからわからないんだが、亀井運輸大臣が力説するように、安全と引きかえの規制緩和はすべきではない、こう言っているというのだね。それはそのとおりですよ、そのとおり。何でもかんでも規制を外してしまえばいいというのでは国家が成り立たないから、ある程度最終的な規制というのは大事だけれども、何もアメリカのために一生懸命流通整備までやってやる必要はない、私はそう思っているのです。  これは酒だってそうでしょう。酒屋さんの免許を持って、今酒屋さんが一生懸命やっている、親から代々続いて。今度はスーパーに売らせる、こう来ているんだよ。それじゃまるで中小零細企業つぶしのために規制緩和をやるようなもので、その人たちの長い間かかった歴史と生活権というのは、やはりある程度守ってあげなければね。スーパーで酒をうんと売ったからといって、一升飲んでいた人が急に二升になるわけないんだから、そんなの。スーパーで売っているからじゃ二升になろうたどという人はいないので、だから酒屋さんだって、別に不便しているわけでも何でもないんだよ。そういうものを、零細企業の生活権を剥奪して大手のためにやる規制緩和などというのは、それは絶対反対すべきなんです。そうでしょう。お米屋さんをぶっつぶしてスーパーで米を売るようにしろ、スーパーで米を売るようになったら、一日二合食っていた者が四合食うなんてことはないんだから、ぜひそういうことを基本に置いてお願いしたいとまず思います。  それから、車検代行者というのを今後認めていくのかどうか、車検代行。もう認めているのか、これは。どうなんですかね。
  50. 下平隆

    ○下平説明員 この七月から自動車の検査、点検整備制度の改正実施をされる予定でございます。  その改正一つの主要なポイントは、検査の前に定期点検整備を行うのか、あるいは検査の後に定期点検整備を行うのか、その実施の時期の選択をユーザーの皆様にお任せをするという問題がございます。これまでは、検査の前に定期点検整備を行うという指導がございまして、基本的には整備工場の皆様がユーザーにかわって車を検査場に持ち込んでいらした、こういうことが多かったわけでございますけれども、今後、検査を受けた後に定期点検整備を行うというふうな形があらわれてまいりますと、ユーザーにかわって車を検査場に持ち込むというふうなこともふえるのではないのかなというふうに考えられます。  したがいまして、いわゆる車検代行業というふうな、ユーザーにかわって車を持ち込むような方がふえるということは予想をいたしておりますけれども、私どもとしてそういう行為を認めるか認めないかということにつきましては、あくまで車の検査の受検をしなければいけないとされている者はユーザーでございまして、ユーザーにかわってそれを行うということにすぎないものですから、認めるとか認めないということではなくて、そういうふうなものが出てまいった場合には、車の検査をきちんとさせていただくということで対応してまいりたい、こう考えております。
  51. 吉田公一

    吉田(公)委員 そうすると、何で今までそれじゃ指定工場とか認証工場というのを運輸省で一々認可したの。つまり、車を安全に運行するために整備士資格試験だとか認証工場だの指定工場を設けたわけでしょう。そうやっておいて、今度は、だれでもいいから車検場へ持っていけば、ユーザーの代理ですといって持っていけばだれでも前車検が受けられて、外観だけの検査をして、それでおしまいということたんでしょう。じゃ、何で指定工場や認証工場なんて、あんなもの一々認めたの。
  52. 下平隆

    ○下平説明員 車の安全性あるいは公害防止にかかわる性能を維持するためには、日ごろ車をきちんと維持管理する必要がございます。維持管理をするためには、きちんとチェックを行って、必要な整備を行うということが必要でございまして、整備という仕事、これはいわゆる普通のユーザーではなかなかできないものですから、ユーザーの皆さんにかわってそれを事業として行う整備事業というものが必要であると思いますし、ユーザーにかわってきちんとした整備ができる事業を認めるという意味で認証工場というふうな制度を設けさせていただいているところでございます。  一方、今、検査との関係お話がございましたけれども、検査と申しますのは、ユーザーが日ごろ車をきちんと維持管理されているかどうかを国あるいは国にかわるような公的な者が確認をするということがその目的でございまして、今の点検し整備をするという役割と検査の役割は違うものであるというふうに思っております。したがいまして、今回の、この七月から実施をされます制度改正においても、この検査と整備という考え方をきちんと分けるということがその主たる考えということでございます。  したがいまして、お尋ねの点の整備事業、認証工場あるいは指定工場という工場を事業としてなぜ認めているのかという点につきましては、車というものは機械であり、摩耗し劣化をするわけでございますから、その整備が必要でございますので、ユーザーにかわったきちんと整備をするという意味の事業として認め、かつこれからもユーザーにかわった適正な整備をしていただきたい、こう考えているわけでございます。
  53. 吉田公一

    吉田(公)委員 つまり車検代行が、これは整備士試験も何も取っていない人がユーザーの代理で車検場へ行って、そして後整備の保証がないまま、つまり外観だけオーケーであればそのまま車検が通るということになれば、それでは後整備しなくてそのまま代行で運送料、配送料だけで、そしてその自動車重量税を払って、そして少々のお金を払えばそれで済んでしまうということになって後で整備しないということになったら、どうするのですかね。
  54. 下平隆

    ○下平説明員 定期点検整備実施の時期を検査の前あるいは後を問わないようなことにいたした場合でございましても定期点検整備実施は必要でございますし、使用者に対する義務づけは残っでございます。もしユーザーあるいはユーザーにかわって車を持ち込まれる、代行をされる方が検査を受けに来られた場合であっても、従来どおり定期点検整備をきちんとされているかどうか、記録簿の提示を求めて、かつ定期点検整備実施をされていない場合には必要な指導を行うということもしてまいりたいというふうに思っております。  また、あわせて、日ごろ車の維持管理をする責任は自動車使用者にあるということが今回の法律改正法律の中に明示をされまして、日ごろの車の保守管理の責任があるということにつきまして使用者の意識を高めるようなそういう活動も現在も行っておりますけれども、これから継続的に行いまして、検査を受けてから後から定期点検を行う場合であってもきちんとした点検整備が行われるような措置を講じてまいりたい、こう考えております。
  55. 吉田公一

    吉田(公)委員 だから、自動車を安全に運行させるのは最終的にはユーザーの責任だという趣旨はよくわかっていますよ。そのユーザーの責任だから車検を受けているわけでしょう、危ないから。自分の車が安全に走行できるかどうか認証工場や指定工場へ行って、ブレーキは大丈夫ですか、ハンドルのききは大丈夫ですか、クラッチは大丈夫ですか、ガソリン漏れはありませんか、オイルは漏れていませんか、騒音防止でもって排気筒がおかしくなっていませんか、穴があいていませんか、そういうのを自分でわかるけれども直せない、わかっても直せないでしょう。だから、それは走行していれば、エンジンがノックすればエンジンの爆発がうまくいっていないたということはわかる、だれだって。たけれども、自分では直せないから、あ、これは危険だなと思うから、整備工場へ持っていってお金を払って安全にしてもらうのでしょう。ダンプカーだとかそういうでかいトラックなんというのは前検査でやって、外観さえよければいい、結局は事故起こしてみて初めてブレーキがきかないじゃないかということになるのじゃないの。その点どうなのですか。
  56. 下平隆

    ○下平説明員 ただいまの定期点検整備実施の時期を検査の前後を問わないということにいたした場合に、トラックとかバスとかそういう車についての安全の確保ができるのか、こういうお尋ねかと思いますけれども、今回の定期点検の実施の時期を検査の前後を問わないといたす目的は、一つは、自動車使用者の保守管理意識を高めていくためにはそうしなければいけないというのが一つの目的でございますし、もう一方で、従来のままですと、なかなか整備業者の皆様の意識も変わってこないという点がございまして、そのような措置を講じさせていただいておりまして、原則としてはその取り扱いはすべての車種ということになるというふうに考えてございます。  ところが一方、先生指摘のとおり、たくさんの人を運ぶバスであるとか重いものを運ぶトラック、こういうものはより高い安全性が求められるという点もございますので、そういう使用者に対しましては、あらゆる機会、例えば研修、講習等を通じまして定期点検整備の確実な実施が必要なことについて周知をし、指導してまいりたい、このように考えております。
  57. 吉田公一

    吉田(公)委員 その場合に、運輸省が指定をした認証工場、指定工場との前車検だとか後車検とはどういう関係にあるのですか、どうなるのですか。
  58. 下平隆

    ○下平説明員 お答え申し上げます。  ただいま申し上げております、いわゆる先生のお言葉をおかりしますと、前検査という状況になりますのは国の検査についてでございまして、国の検査場に持ち込む場合に、整備をしてから持ち込んでも、検査の後整備してもいい、こういう扱いにするということでございます。  一方、指定工場、いわゆる国にかわって検査を行うことができる工場のことでございますけれども、指定工場におきましては、その工場にユーザーが参りましたときにその車を整備をして検査をするということにいたしておりまして、これはユーザーの皆様がその車の検査を受ける場合に検査が適正に実施をされる必要がございますので、その適正な検査の実施を確保するという観点から今の、指定整備士制度と私ども呼んでおりますけれども、指定整備工場に係る制度については、整備をした卓について検査を行う、その整備のできばえとしての仕上がりを確認する行為を検査として、国の検査にかわるものとして取り扱っておりますけれども、この点につきましては、従来の基本的な考え方を踏襲しているということでございます。
  59. 吉田公一

    吉田(公)委員 要するに、運輸省としては車検というのは必ずしも安全を保証するものではない、そういう考え方に立っているのかどうか、お答えをいただきたいと思うのですよ。
  60. 溝口正仁

    ○溝口説明員 今御指摘の点につきましては、検査の時点で安全が確認されているということでございます。そういう意味で、その検査と検査の間でございます、例えば自家用乗用でございますと継続検査の間に二年ございますが、二年間の間の安全を保証したものではございません。
  61. 吉田公一

    吉田(公)委員 それじゃ、何だい、それは。お金を取られて、何のためにやっているのだよ。しかも、あのマークが張ってなければ、フロントガラスのところの左側に位置まで決めてあって、そこに張ってなければ、だって罰金取られたりなんかするじゃないの。
  62. 溝口正仁

    ○溝口説明員 これは例えが非常にわかりやすいかもしれませんが、人間の健康管理でいえば、いわゆる人間ドックというふうに御理解賜れば。それで、その間にもふぐあいというのですか、故障は起きます。それはそれでまたお医者さんに行くのと同様に整備工場に行っていただかなければならない、そういうことでございます。
  63. 吉田公一

    吉田(公)委員 そうすると、車検場なんというのは要らないよな、それじゃ。そのときさえ通過すればいいわけだから、指定工場に任せればいいじゃないか、それは。そうすると、指定工場の工場長なり社長が、つまり車を入れて分解整備してエンジンからブレーキからガソリン、燃料タンクからホースまで全部点検した、にもかかわらず事故を起こしたということになったら、それは認証工場や指定工場の責任にすればいいじゃない。車検場なんか要らないじゃないか、外観だけ見ているのじゃね、そうでしょう。何だ、こんな難しいこと言って重量税まで払わせておいて、車検と重量税なんか関係ないじゃないか。高い金払わされてさ。  しかも、高速自動車国道における車両故障の状況という統計が出ているのだよ。まず、オーバーヒートだというのだ。それからタイヤのホイール破損。それからその他、ヒューズ切れ、ワイパー故障。これはワイパーが故障したら、雨の中とても高速道路なんか走れない。私がいつか乗っていたクラウンが、おんぼろだけどヒューズが切れちゃった。そしたら、パワーハンドルだ。ヒューズが切れたらパワーハンドルもきかないよ。路側帯に寄せるのだって容易じゃない。やっとの思いで路側帯に、もう重たいハンドル寄せてやっと安全。だけれども、高速なんかでは追突されるのだ。それで死んだ人いっぱいいるのだよ、追突されて。そういうことなんだね。それから燃料系統の不良。それから動力伝達装置不良。それから燃料切れ、これは本人の不注意だよ。これはまさか車検じゃ関係ないや。始動点火系統不良。こういうものが高速自動車国道における車両故障の状況、こういうことになっているわけだ。もちろん本人の不注意と、安全走行については本人は全責任を持って車を運行しているのは当たり前の話だ、自分の安全もあるから。そんなこと人に言われなくたって、自分が危ないもの。  そうすると、車検場なんて要らないじゃないか、認証工場と指定工場だけにして。車検場なんというのは、それでは何のために外観だけ五分程度はっばと見ておしまいじゃないの。
  64. 溝口正仁

    ○溝口説明員 整備工場にも、先生御承知かと思いますけれども、指定工場はそういう意味でいわゆる継続検査ができるということでございますけれども、その規模に達しない認証工場においては、検査は国の検査に持ち込むことになってございます。  それから、なぜ国の検査場を廃止できないのかということについて若干御説明させていただきますけれども、具体的にアメリカの例で、アメリカの会計検査院報告というのがございます。九〇年七月に出てございます。これで、アメリカでインディアナ州とコロラド州において、民間整備工場に先生のおっしゃいますように検査の実施をゆだねた結果、整備工場自身は検査だけをゆだねますと営利目的化します。そういうことで、検査を具体的には実施しないで検査済みステッカーを張ってしまったというようなことで、具体的には検査制度が崩壊したというようなこともございます。それから、復帰前の沖縄においても検査指定人制度というのがございまして、やはり同様の状況になりました。  やはり、検査というもの、安全にとって定期的なチェックは非常に大事なものでございまして、公正中立な検査がなされているということが安全確保の上で非常に大事でございますので、国の検査場を廃止することはできないというふうに考えております。     〔委員長退席、斉藤(鉄)委員長代理着席〕
  65. 吉田公一

    吉田(公)委員 国の車検場の廃止の話をしているのじゃなくて、それなら要らないじゃないかという話をしているわけで、そんなもの絶対反対するに決まっているんだよ。  つまり、運輸省としては車検は安全を保証するものではない、最終的にはユーザーの責任だ、検査と整備というのは分けるんだ。そして、ブレーキならブレーキだけをやるような簡易工場みたいなものが出てくるよ。そして、前検査をやって後の検査というのはやらなくなったら、そのまま無整備車両が横行しているわけだよ。それでは車検場なんか要らないじゃないかという話をしただけ。  しかも、無資格の者が本人の代理と称して国の車検場へ行く。そして、前車検を受けて、外観だけ、ライトの上向きか下向きかそういうものを見て、ブレーキかどこか、下に潜ってトンカチで少したたいてみて、それでいいだろうなんて言って許可するわけでしょう。もともと指定工場や認証工場では、お客さんの安全を保つために、指定工場から整備頼みますよと言って頼んだ。五キロ走ったらブレーキがきかなくなっちゃった。だけれども、一応車検場へは持っていった、認証工場だから。指定工場は持っていかなくてもいいけれども、持っていった。ところが、ブレーキがきかなくなっちゃった。我々は、車検場へ文句言うわけにいかないんだよ。直した認証工場ヘブレーキがきかないじゃないか、きのう直したばかりじゃないか、こう言って苦情を言いに行くわけでしょうよ。  それでは、国の車検場というのは一体どこまで責任を持ってくれるんだ、ユーザーに対して。何のために車検場があるんだかわからないと思うんだよ。
  66. 溝口正仁

    ○溝口説明員 先ほど申し上げたとおり、車検というのは定期的なチェックでございまして、人間の健康に例えれば人間ドックでございまして、そういう意味で、その間の期間を保証したものではございませんが、今後さらに規制緩和等を進めていく段階で、やはりユーザーの管理責任というものがだんだん重くなります。そういたしますと、やはりユーザーというものは、必ずしも良好なユーザーばかりではございません。そういたしますと、定期的な安全チェックというのは非常に重要になってくるというふうに考えてございます。
  67. 吉田公一

    吉田(公)委員 ですから、ユーザーの認識が大事になってくるというのは何も今始まったことじゃないので、これからの問題じゃなくて、自分が運転して道路を走るわけだから、常に自動車が安全な状態で保てるというのは当たり前の話だ。だけれども、中には、まあいいや、この程度のブレーキのききなら、本当は三十キロのスピードで五メーターの距離でとまらなければいけないものを八メーターあった、しかしこれでいいよ、こういう人だってたくさんいるから車検制度なんというのを設けて安全をというのだけれども、それじゃそのときそのときだよ、車検場というのは。健康保険と同じで、要するに、診た、その後がんが一カ月後に発生した、だから、健康保険は、診てもらうのは、最終的にはがんが出ないよということを保証しているものじゃない。それはよくわかる。そのときそのときの話になってしまって、では、後まで責任を持たないというのなら、認証工場から持っていった車を何をどうしようというの、運輸省の車検場では。責任は持たない、最終的にはユーザーの責任じゃないか。自分たちが指定工場も認証工場も決めているなら、またいいじゃないか、任せておけば。そんなに責任を持たないといったら、車検場なんか要らないよ。今後車検場は廃止するように、答弁は要らない、だめだと言うに決まっているんだから要らないよ。要するに、車検場は今後廃止すべきということだけは申し上げておきますよ。  そして、営業車について、一年車検で一カ月点検をやっているわけだ。個人タクシーなんかそうじゃないかな。一カ月ごとに点検をしているんだ。一カ月点検というのは余りにも多過ぎるよな。一年間に十二回やっているわけだ。そこで、走行距離に変えたらいいと思うんだよ、営業車の車検を。走らなくたって一カ月、走っても一カ月、だから、走行距離に応じて一カ月点検するならするというような弾力的な運用をすべきだ、そう思っていますよ。  それから、無整備車両だよ。今みたいに前車検をやって、車検場へ持っていって外観だけ見て、後で事故を起こしてしまった。結局ブレーキがきかなかったということになったときに、それじゃその者に対する保険の自賠責なんかは一生懸命ちゃんとやっている人と同じかということになると、おかしいと思うんだな。自分の不注意でもって起こした、無整備車両によって引き起こした事故が、自賠責の保険なんか払う場合に同じことであってはおかしい、そう思うのですが、その点についてはどうですか。
  68. 下平隆

    ○下平説明員 第一点目のお尋ねの自動車の定期点検整備の中に車の走行距離によって点検をするタイミングというものを導入したらいかがか、こういうお尋ねでございますけれども、この七月から施行されます新しい定期点検整備制度におきまして、まさに御指摘のございました走行距離によって劣化をするようなそういう部位についての点検は距離によって点検をするという制度を導入をさせていただいております。車の悪くなる、劣化するあるいは摩耗するというのは、時間によって悪くなる部分と走ることによって悪くなる部分といろいろございます。したがいまして、走行距離に依存をして劣化をするという項目については、そのような新しい制度を導入させていただくということにいたしております。  それから、二点目でございますが、自動車使用者の日ごろの保守管理の意識を高めるためにも保険制度についても何らかの工夫ができないか、こういうお尋ねでございます。  私どもいろいろ検討をいたした結果でございますが、保険の中に自賠責保険というのがございますけれども、この自賠責保険につきましては、被害者救済ということがまず第一でございまして、きちんと保険給付がなされることが重要でございますし、また、整備不良という被害者の責任に帰さない理由で保険の給付について差を設けるということは難しいと思っておりますし、また、自賠責について料率に差を設けることにつきましても、保険契約の時点で本当に保険契約期間中に整備が確実になされるかどうかということを予見することも難しいという問題がございまして、こちらの面では大変に難しいと思っております。  一方で、任意保険がございますけれども、この任意保険につきましては、定期点検整備の励行促進という観点から何らかの工夫ができないだろうかということで関係者の皆様と調整をしてまいりましたけれども、現在関係の皆様がお集まりいただいて検討をいたしているところでございまして、その検討の結果を踏まえて必要な対応を図ってまいりたい、このように考えております。
  69. 吉田公一

    吉田(公)委員 それから、認証工場と指定工場が二通りあるわけです。指定工場の方はもう民間車検場と同じだから書類だけ提出すればいい。しかし、認証工場の方は整備をした車を車検場へ持っていかなければいけないわけだが、民間指定工場に認証工場が持っていけば車検場へ行かなくたって済むということは技術的には可能なわけだ。そういうことをしたいと思っても、省令で規制されていて現実には不可能だというのです。だから、認証工場と指定工場が連携強化をして、つまり、今言ったようにその場その場のいいかげんな車検場なんだから、本当は認証工場と指定工場の整備強化を図ればいいのだけれども、この省令改正というのはどういうことになりますか。
  70. 下平隆

    ○下平説明員 先ほど来御答弁を申し上げていることと同じことになりますけれども、まず検査というものは公正中立に実施されることが必要でございまして、原則としては国または国にかわるような公的な者が行うべきものというふうに考えておりまして、これは欧州においても全く同様でございます。  一方、ただいま民間車検場というお話がございましたけれども、しからば指定工場に検査をなぜ任せているのかという点につきましては、先ほどもお話がございましたけれども整備を行った車についての責任を伴うということから、その車について行う検査が公正中立に実施される蓋然性が非常に高いというところに着目してこの指定整備制度というものを設けているわけでございます。今のお尋ねの、認証工場で整備を行って、それを例えば指定工場で検査を行うということになりますと、今の指定整備制度の原則的考え方から外れるわけでございまして、これは省令ではございませんで、現在の法律の体系ではできないことでございます。  一方、ただいま御指摘をいただきました点につきましては、指定整備工場をなるべくふやしていく、民間の検査能力を活用していく、国がみずから行う検査を縮減していくということが必要であると思っておりまして、指定整備の拡大という施策に取り組んでおります。その一環として、指定工場になりやすくするために、みずからが検査施設を持たない場合であってもほかの者の検査施設でも利用しながら指定工場になれるというふうな制度も設けてその指定整備の拡大を図っているわけでございまして、その部分についてのお尋ねかと思いますけれども、現在こういう制度も設けられておりますので、ぜひこれを御活用いただきたい、こう思っております。
  71. 吉田公一

    吉田(公)委員 公正、安全、中立なんて言ったって、今の車検場を見ればわかるように、安全を保証するものではないと言っているのだからいいじゃないか、別に。要するに、認証工場が指定工場でも車検場でもどっちでも持っていけるようにした方がむしろ責任がきちっととれていいのではないか、そう思います。  ほかに質問がありますから、車検についてはこの程度にして、また改めてゆっくりやらせていただきます。  次に、小型運送事業について申し上げますが、事業区域に対する規制緩和を図ってほしいという要望があるわけです。特に首都圏についてあるいは大都市圏についてはそうだろうと思いますが、東京に限って言えば、東京、神奈川、千葉、埼玉しか営業区域が定められていない。栃木県、茨城県、山梨県は入っていないということでありますが、一都七県あるいは全国単位に緩和してもらいたいという要望があります。これについて簡単にひとつお答えくださいませんか。  それから、時間がありませんからついでに、架装減トン問題についてはかなり問題がありましたが、これらについては運輸省が大分努力をして小刻みにやるようにしたようでありますが、あわせて御答弁をいただきたい、こう思います。
  72. 鈴木久泰

    ○鈴木説明員 トラックの営業区域の拡大の問題につきまして答弁させていただきます。  トラック業界は、先生御承知のように全国で四万三千の事業所がございまして、そのうち大企業というのは百社ほどでございまして、ほとんどが中小企業でございます。したがいまして、過当競争等によりまして過積載とか過労運転等が発生しやすい状況にございます。  このような産業構造を踏まえまして、過労運転等を防止するため適切な運行管理を行っていただくというような観点から、営業の拠点であります営業所を含む地理的範囲として、原則として都道府県単位に営業区域を設定しております。しかしながら、近年の事業活動の広域化に対応いたしまして、運行管理に支障のない範囲で拡大営業区域というのを設定しておりまして、御質問の首都圏四県を一番最初に指定いたしましたが、これまで十一の拡大営業区域を設定しております。さらに、今般の規制緩和推進計画を踏まえまして、平成七年度にもまたこの拡大区域の新規設定あるいは区域拡大を図っていこうということで、現在いろいろ検討しているところでございます。     〔斉藤(鉄)委員長代理退席、委員長着席〕
  73. 溝口正仁

    ○溝口説明員 架装減トン問題でございますが、新車対策につきましては、軽量化を図るということで、特にアルミボディー等で燃料タンクの樹脂化とかそういうような対策を行った自動車の開発を要請してございまして、もう既に一部実用化されてございます。それから使用過程車につきましては、全日本トラック協会それから自動車工業会、運輸省の三者で架装減トン問題の検討を行いました。安全面に配慮しまして、比較的低コストで改造が可能となる標準改造マニュアルというものを平成七年一月に作成いたしました。二月から既にこれに基づいて簡便な手続で取り扱っているところでございます。  それから、あともう一点、それに際しまして最大積載量、実は御承知のとおり普通のトラックでございますと二百五十キロ刻みというふうになってございます。これももうちょっと細かい刻みであれば有効に積載量が使えるというようなことがございますので、私どもとしては、五トンまでは五十キロごと、それから五トンを超える場合は百キロ、これははかりの誤差のこともございますのでこういうような刻みになりましたけれども、平成七年二月から実施いたしました。  以上でございます。
  74. 吉田公一

    吉田(公)委員 自動車もよくなったしブレーキ性能もよくなったし、そんなに余り細かく言わなくても、最終的にはドライバー、運転者の責任の問題だし、注意力の問題だから、余りそういうところまで、行政がそんな自動車の、トラックに設備するようなことまで一々規制をする必要はたい、具体的には私はそう思っているわけです。  次に、労働時間。  最近、四十時間四十時間、こう言っていますが、私はこれは一つは外圧だと思っているのです。できるだけ日本人を働かせないようにして、だらっとさせておいて、生産力を低めて、外国製品をうんと売ってやろう、これ以上日本製品がふえたのでは世界経済も困る、日本製品ばかりふえてほかの国々の製品が売れたくなっては困る、こう言って、今東洋の、まさにアジアの、面積は小さいけれども力のある経済大国日本を何とかして圧力をかけて、日本製品ばかり世界に流通されたら困る、そういう思惑があって、私は時間短縮というのは来たと思うのです。  そして、時間短縮は、普通四十四時間というのは土曜日半ドンだ、だから、それ以内で労使関係で協調しながら労働時間を決めなさい。国が一々働く人の労働時間まで監督して、おまえ少し働き過ぎだ、いや、おまえはどうだなんという、それではまるで―休ませればいいというものじゃない、馬じゃないんだから。馬なら休ませればそれでほっとしたような顔をしているけれども、そうじゃないんだよ、人間なんだから。  政府提案に何だか格好のいいことを書いてあるんだ。「衣食足りて礼節を知ると言われてきましたが、我が国経済力が相当の水準となり、衣食がある程度満足できるところまできている今日では、生活の豊かさやゆとりを実感するために」、つまり週四十時間にして労働時間を短縮するんだ。本当にそうかね、実態は。働いている人から言わせれば、四十四時間、土曜日半ドンでいいじゃないか、あとは自分で判断しますよ、あるいは労使関係で話し合いながら判断しますよと。平成九年から何が何でも四十時間にしろと言っているのでしょう。  この間、労働基準監督署の署長というのが来て、何かそば屋さんの組合へ来て、できるだけ四十時間にしろとかなんとか言っていたよ。だけれども、ちょうど注文で、そばを食べたい人が入ってきて時間オーバーしてはいけないかという話になった。床屋さんなんかでも、トラ刈りでいいというわけにはいかないよ、途中、時間が来たから。  そんなことまで一々国がやる必要ないんだよ、労働時間まで。どう思いますかね、そんなことまで一々国が指示して里規制緩和の最たるものだよ、こんなの。一々、しかも法律で、おまえのところは四十時間やっているかなんて呼び出すぞなんていって書いてあるよ、ここに。そんなこと、必要があるのかね。それは、昔みにやぶ入りだといって職人さんなんかが奉公しているときに一年に一回しか休めない、炭鉱労働者なんか、あの石炭の穴の中へ入って、そして酸素不足のばいじんの中でもって二十時間も働かされたなんという話はよく聞いたけれども、それは極端な話なんだよ。何で四十四時間、弾力性持たせてそうしないの。  民間というのは、働いてお金をもらって初めてゆとりができるんだから。公務員の皆さんみたいに、土曜日休んじゃって四十時間にしたからって、給料減ったわけじゃないでしょう。ちゃんと昇給もしているし、ボーナスももらっているし。民間はそうはいかないんだよ。職人さんなんか、零細企業の人たちなんかそうはいかないんだよ。休ませるためにはどこかを切り詰めなければいけないわけだよ。そんなこど関係ないんだから、四十時間にすればすばらしい時代がやってくるとかなんとか言って、労働基準監督署の署長だか何か、この間も私がちょうど来賓で行っていたら労働基準監督署の監督官とかなんとかいて、言っていたよ、何だか知らないけれども、自分だけは大丈夫なものだから。自分は国家公務員だから大丈夫なんだよ。四十時間にしようと給料減るわけじゃないからいいんだけれども、言われた人はたまったものじゃない、そんなこと言って。  何でそんなことになっちゃったのかね。時間がないから、簡潔に、明瞭に答弁してもらいたい。何で国が一々人の、個々の人たちの働く時間まで制約しなければいけないの。人間じゃないじゃないか、そんなんじゃ。
  75. 石川裕己

    石川説明員 お答え申し上げます。  労働時間の短縮につきまして、労働時間といいますものは基本的な労働条件でございます。したがいまして、本来労使が自主的に話し合って決定すべきものというのは、先生おっしゃるとおりだというふうに考えております。  しかしながら、我が国におきましては、同業他社との競争関係あるいは経営者間の横並び意識、そういったものが強いこと、さらに、労働組合の組織率が特に中小企業において低いという実態がございまして、こういう実態にかんがみまして、労使の自主的な取り組みだけに任せていてはなかなか労働時間の短縮は進まないという実態がございました。  そこで、昭和六十二年、労働基準法を改正いたしまして、法律をもって労働時間短縮を進めようということで現在まで進めてきたところでございます。今後とも、労使の自主的努力が基本ではございますが、法律をもってその努力を支援し、かつ平成九年四月には四十時間、完全週休二日制に対応した労働時間法制にしたいというふうに考えているところでございます。
  76. 吉田公一

    吉田(公)委員 労働時間短縮支援センターなんというのをこれまたつくって。これ、何ですかね、労働時間短縮支援センターなんというのは。何か特別なことをやるのかね。  それからもう一つは、短縮した結果、景気は悪い、そして労働時間は短縮しちゃった、休みは多くなった、そういう零細企業に対する手当てとか対策とかというのをちゃんと持っていてやるんならいいよ。ただ休め、休め、休めで。公務員の人は休んだって構わない、別にどうってことないんだから。だけれども、零細企業の人たちなんか休みイコール所得が減るのだから、そういうことも考えてやってあげなきゃ。第一、自分が疲れたとか疲れないとか病気がちだとかそういうことは、まさに車検の話と同じで自分で気をつけるのだから、それを何で国が指定して人の、個々の働く時間まで制約しなければいけないのか、それが不思議でしょうがない。  労働時間短縮支援センターというのは、何ですかこれは。また天下り先かね、これは。
  77. 石川裕己

    石川説明員 労働時間短縮支援センターについてお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。  労働時間短縮の促進に関する法律というのが平成四年にできまして、それに基づきまして、本来労働時間短縮の支援、国の仕事でございますが、指定法人たります労働時間短縮支援センターに対しまして一定の事業を行わせ、特に中小企業に対しまして労働時間短縮のための助成金の業務を行わせようという目的で指定されたものでございます。  特に中小企業におきまして時間短縮が進みにくいという実態がございますので、こういった助成措置も講じながら、何とか平成九年までに四十時間を実現したいというふうに考えておるところでございます。
  78. 吉田公一

    吉田(公)委員 終わります。
  79. 塚田延充

  80. 武山百合子

    ○武山委員 早速質問に入ります。  対外経済摩擦についてお聞きしたいと思います。  日本の対外経済摩擦が激しさを増してきているわけですけれども、対米関係では自動車、同部品交渉で五十九億ドルもの対日制裁候補リストを突きつけられています。フィルム問題では日本の商い慣行を取り上げられ、また航空交渉では不平等な協定のままであります。さらに対欧州関係ではウイスキーの税額格差問題と、山積みなわけですけれども、そこで、このような対外経済摩擦をどのように受けとめているか、通産省に、規制緩和という点でお伺いしたいと思います。――総務庁にお伺いします。
  81. 山口鶴男

    山口国務大臣 先ほどから御議論があるわけでございます。もちろん規制緩和の問題につきましては、アメリカあるいはEUの国々から要望があることも事実でありますが、政府といたしましては、内外価格差の解消、国民生活の向上、さらには規制緩和によりましてベンチャービジネスを初めとして経済活性化するということを期待をいたしまして、みずからの問題として規制緩和する、官から民へという形で規制緩和する、これが政府の方針であるということから、規制緩和に取り組んでいるということで御理解を賜りたいと存じます。
  82. 武山百合子

    ○武山委員 次の質問に入ります。  昨年十一月、日米包括経済協議の規制緩和・競争政策部会要望が提出されましたけれども、どのように扱い、今どうなっていますでしょうか。
  83. 陶山晧

    陶山政府委員 ただいま武山先生から、外国政府との交渉案件についての御指摘がございましたが、まず、規制緩和計画の中でも、外国政府との交渉案件について具体的な内容を明記しておりますのは、「外国政府との交渉に係る案件については、交渉がまとまり次第早期に措置するとともに、計画改定の際に交渉の結果を追加する。」という内容計画の総論の部分に明記をしているところでございます。  なお、米国政府との関係でのお尋ねがございました。規制緩和推進計画の策定に当たりましては、米国を初め諸外国からの意見要望を踏まえて各省庁において十分検討を行い、現在、ただいま申し上げました交渉中に係るものを除いてできる限りの措置を講じたものでございます。米国政府からの要望につきましては、例えば特定石油製品輸入暫定措置法の廃止でございますとか、あるいは通関手続等の輸入に関連した手続の迅速化でございますとか、日本工業規格国際規格との整合化等々、要望に係る緩和措置を盛り込んだところでございます。  私どもの受けとめ方といたしましては、要望事項のうち大半はこの計画に掲上し、あるいは既に措置済みという整理をいたしておりますが、例えば食品の安全性等の観点から、要望の中にはありましても現時点では措置困難という理由で政府の推進計画には盛り込まれなかったというような事項もございます。
  84. 武山百合子

    ○武山委員 ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。  次に移ります。  本来、規制緩和、行政改革は、対外圧力によって計画をつくったりまたは実行するのではなく、日本国民の生活にとっての必要性、時代の変化に対応し、自主的、独自的に対処すべきと思いますけれども、その辺、どのようにお考えでしょうか。
  85. 陶山晧

    陶山政府委員 ただいまの武山先生の御指摘につきましては、考え方といたしましてそのとおりであろうと考えております。  いずれにしろ、行政を取り巻く内外情勢は大きく変化をしておりますし、国民の行政ニーズも極めて多様化しているという状況にあると思っております。規制緩和あるいは広く行政改革につきましては、行政の簡素化とか効率化という観点のみならず、まさしく国民のニーズや時代の変化に柔軟に対応していくために必要だという観点努力をしているところでございます。
  86. 武山百合子

    ○武山委員 先ほど新進党の吉田さんの質問の中にもありましたけれども、対外圧力に対して非常に日本は弱いんじゃないか、私も大変そう思っております。対外圧力に対して日本の国がどうするかという方法ももちろん考えなければいけませんけれども、そういうこととはまた別に、日本の国はどういう方向に行くんだという方向性をやはり政府を挙げて考えなければいけないと思っております。  次に移ります。  規制緩和推進五カ年計画について、本年、規制緩和策を盛り込んだ推進五カ年計画、まあ三年に前倒しされましたけれども経済規制の原則自申すなわち原則撤廃は、私から見ますと大変ほど遠く思うんですけれども、どのように感じていますでしょうか、総務庁長官
  87. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  対外圧力の問題につきましては先ほどお答えもいたしたわけですが、私どもとしては、そういった外国からの要望もございますけれども我が国といたしましてはやはり官から民へという形で、今やこれだけの経済的な大国にたったわけでございますし、外国規制のあり方と我が国規制のあり方が大変違うということは、これは問題だと思います。そういう意味で、みずからの問題として規制緩和を行っていく、そうすることが内外価格差を解消する道であり、また我が国経済をより活性化する道につながっていくということを私どもとしては確認をいたしまして、規制緩和を進めているところでございます。  そういう立場から、経済規制につきましては、原則自由という原則を確保いたしまして、各省庁に対しまして、何回も閣議におきまして議論をし、閣議として規制緩和の方針を決め、そうしてまたこの日程も決めまして、そうして内外からの要望を承る。そうして、その途中の作業におきましては中間報告も行う。在外公館の皆さん方にもお集まりをいただいて、我が国としてはこういう形の規制緩和を行いますという形で、いわば透明性も確保をいたしました中で、御指摘の五カ年計画前倒しをいたしまして三カ年計画を策定したということでございまして、私どもといたしましては、総務庁が各省庁に対していわばひざ詰め談判もいたしまして、各省庁に対してもできる限りの規制緩和を求めてまいった次第でございます。  千九十一項目では不十分だという御指摘もいただきました。私どももこれが万全だとは思っておりません。したがって、毎年これを見直すということにいたしておるわけでございまして、幸い行政改革委員会も設置をいただきました。そして行政改革委員会では小委員会も設置をいただきまして、千九十一項目が着実に実行されるかどうかを監視していただくと同時に、それ以外の問題についても、政府に対して勧告すべきものは勧告をいただく、御意見を賜ることについては賜るという形で、御指摘もいただく中で年内に見直しを行い、年度末にはさらに改定を行う、毎年そのような形で見直しを行っていくということで対処いたしている。御指摘の点については十分心して対応しているということで御理解をいただきたいと存じます。
  88. 武山百合子

    ○武山委員 私は主婦の代表としまして国会に来たんですけれども、そもそも規制緩和は、例えば銀行など、この国会の中の大和銀行など夕方六時まではあいていまして、六時以降はまず自分のお金を出すのに費用もかかるわけですね。そういう、何というのでしょうか、生活者の疑問。それから車検など、先ほどお話に出ましたけれども、欧米などでは数千円で車検料が賄えるわけですね。なぜ日本は高いのか。そういう生活者の疑問を解消して、豊かさを実感できる暮らしを実現することが目的だったはずだと思っております。  その中で、今長官がお話しくださいましたように、計画を毎年見直し、毎年度改定していく方針だということですけれども、膨大な緩和策をどうフォローアップし、また今回手がつけられなかった規制緩和をどう新たに取り上げていくか。具体的な方策をもっと詳しく聞きたいということと、またその中で措置と検討という項目も多いわけですけれども、具体的な内容が不明確であるわけですね。もっと具体的に、どのような方向でどのように検討中なのか。それを具体的に記載すべきじゃないかと思っておりますけれども、どうお考えでしょうか。
  89. 陶山晧

    陶山政府委員 まず、御指摘の前段の部分でございますが、ただいま大臣から御答弁がありましたように、行政改革委員会規制緩和検討委員会は、現在週に一回のペースで精力的な審議を開始されたところでございます。いずれ政府に対して個別具体的な御指摘をちょうだいできることになろうと存じます。行革委員会の御意見については、当然のことながらそれを最大限尊重して政府として対応することになるわけでございまして、次回の計画改定の際に、それを生かして、御意見を取り入れた形の内容として計画内容をつくっていくことになろうと存じます。  なお、行革委員会の御意見のみならず、規制緩和の問題については各界から常にいろいろな御意見要望が出てまいっております。これは取りまとめ役である私どもとか内閣官房に対してのみならず、各省庁に対してそれぞれの主管行政に関係する業界団体等から常時御意見等が寄せられております。これらは、これは閣議決定の中でも今後の見直しの指針として明記しておりますように、常に各界の意見要望を聞きながら、それを取り入れながら改定内容をつくり上げていくということになっておりますので、それを十分にそんたくしながら検討をしていくということになるわけでございます。  後段の御指摘でございますが、今回の計画について措置と検討という項目がある、それらについての具体的な内容は不明確ではないかという御指摘であったと存じます。  御指摘の点につきましては、今回の政府計画をつくるに当たりまして極力、できるだけその措置内容を具体的なものにすること、かつ、その実施時期についてもできるだけ前寄せで対応すること、そういう方針で私ども調整取りまとめに当たったわけでございますけれども、この措置内容を詰めるに当たりまして、一つは、今後さらに専門、技術的な検討を要する、そういう事項、あるいは国際的に、各国政府との関係で協議、調整をさらに進める必要がある事項、そうしたものについて、現時点では必ずしも内容を特定できないというような事情から、これらのものについて検討をするとか見直すとかというふうな表現になったものであることは事実でございます。  しかし、これらにつきましても、閣議決定内容の中で、緩和に取り組む方向とかその見直し視点とか、これを明確にするように極力努力をした結果として計画をつくったつもりでございますが、これらについて、毎年度改定に当たって行革委員会からの御指摘ももちろんございますけれども、私どもの立場としても、さらにより一層の具体的な内容として規制緩和を進めていくように努力をいたしたいと考えております。
  90. 武山百合子

    ○武山委員 ぜひ生活者の視点に立って前向きにやっていただきたいと思います。  次に、個別の問題に入ります。輸入住宅について幾つか質問したいと思います。  日本住宅価格は、アメリカに比べて二倍と聞きますが、なぜだと思いますでしょうか。
  91. 稗田祐史

    ○稗田説明員 住宅建設コストの日米比較についてでございますけれども建設省が昨年五月に北米に派遣いたしました調査団の報告によりますと、日本住宅建設コストが米国に比べて、その時点での為替レートで約一・八二から一・九八倍、購買力平価で約一・〇八から一・一七倍という結果が出ております。  この理由でございますけれども、まず、我が国住宅というのは一般的には注文住宅で個別散在需要であるのに比較いたしまして、アメリカでは建て売り住宅の集団的建設が行われているということがございます。それから、住宅の生産性自体がやはり日本では低いということがございますし、地震、火災が多いために法的な規制が異なることと、流通の各段階においてやはり合理的でない部分がまだ存在しているということがございます。それから、消費者が細かいところまで丁寧な仕上げといいますか施工を求められる、そういったような諸点が指摘をされております。
  92. 武山百合子

    ○武山委員 状況はそのようなことだということで御説明いただきましたけれども、そのような日本の高い住宅事情に対して、ぜひ私は輸入住宅の完全自由化を政府にやっていただきたいと思いますけれども、まず、資材を輸入すると約四〇%は日本規格にひっかかると聞きますけれども、いわゆる五カ年計画前倒ししました三カ年計画における緩和策はどうなっておりますでしょうか。
  93. 那珂正

    ○那珂説明員 住宅等の建築物に係る規制としては建築基準法が中心であるわけでございますが、さきに決められました規制緩和推進計画のうち建築資材に係るものの中で、建築基準法関係につきましては、第一に建築資材に係る外国の試験データの受け入れの促進、第二に建築資材に係る相互認証制度の導入の促進、第三に、特にツーバイフォー工法の資材につきましては、諸外国規格基準に適合し、かつ我が国の要求水準も満たす建築資材の通則的受け入れの促進などが盛り込まれているところでございます。  私どもとしては、早速これらのうち試験データ受け入れに係る細目を定めるなど、国内体制の整備に着手するとともに、外国政府あるいは海外の関係機関との協議を開始したところでございます。今後とも海外の建築資材の輸入の円滑化のため、必要な措置を積極的に講じてまいりたいと存じます。
  94. 武山百合子

    ○武山委員 いわゆる日本住宅は高い、人件費も高い、資材も高いということで、やはり内外価格差の問題もありますし、外国から輸入住宅輸入した方がいいという流れですので、いろいろな障壁を取り除いて、安く国民の手に輸入住宅を提供したいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。  次に伺います。  建設技術なんですけれども日本は飛躍的な進歩を遂げましたけれども、一説に、私の目から見ますと、規制も倍以上になっているように思います。技術の進歩と比例して緩和されるべきだと思いますけれども、技術の進歩と比例してどのように緩和しますでしょうか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
  95. 那珂正

    ○那珂説明員 住宅などの建築物に係る規制としまして、建築基準法におきまして、国民の生命、健康及び財産の保護を図るという観点から、我が国の気候、風土の特性を踏まえ、建築物に関する最低限の基準を定めております。  一方で、先生指摘のように、建築技術に関する進歩も大変目覚ましいものがございます。そういう技術開発の進展などに応じて、不断にこの基準の内容見直し、合理化を図ってきているところでございます。  また、特に住宅に関連しまして、現在国際間でその調整がよく問題になります木材製品に関する建築基準についてでございますが、これについても我が国ではもちろん、国際間におきましても、大変技術開発が進んでおりまして、さまざまな技術的知見の蓄積がございます。  こういうことをベースに、国際基準の方も共通の物差してあります性能で表示しようという動きが活発でございまして、我が国におきましても、この必要な性能規定化について鋭意検討を進めているところでございます。今後とも建築基準の国際整合化を推進するという観点から、建築基準法について適時適切な見直しを進めてまいりたいと思います。
  96. 武山百合子

    ○武山委員 その点で二つお聞きしたいと思います。  まず、日本建築技術に対しての規制が数としてどのくらいあるのか。それから、いわゆる国際整合性の問題ですけれども、それはいつごろどのような形で行われていくか、その方向性といいますか、見通しをお聞きしたいと思います。
  97. 那珂正

    ○那珂説明員 まず、住宅に関する建築基準上の規制の数というお尋ねでございますが、建築基準法が今も申し上げましたような観点からさまざまな社会的規制を規定していることになっておりまして、その規定を数で数えるのはちょっと、どの単位で数えるかというようなことにもよりますので差し控えさせていただきますが、条文自体は百条を超える大部なものでございます。  また、性能規定等国際整合化を進めるということにつきましては、これもその建築基準のうちどの部分の規定を、通常との国でも大抵は仕様規定で、例えば厚さは何ミリとか、こういう材料を使いなさいとか、そういうふうに書かれているわけですが、これを例えば耐力は、何キログラム・パー、単位面積当たりの力のぐあいだとか、あるいは火事、防火性ということでいいますと耐火時間何分とか、こういうような性能規定化がお互いに物差しを共通にするために必要だという観点で進めているわけでございまして、国際的な例えばISOの作業状況等を勘案しながら、進めてまいりたいと思います。
  98. 武山百合子

    ○武山委員 言葉ではわかるのですけれども、もっと詳しく実は聞きたいのです。そういう話し合いを始めたということはわかるのですけれども、方向性としましては、どのような形でいつごろ一つ一つ片づけていくのか、その込もうちょっと詳しくお聞きしたいと思います。国際整合性の問題についてです。
  99. 那珂正

    ○那珂説明員 先ほど申し上げました規制緩和推進計画に挙げられている項目のうち、国際整合化に係る関連のものとしては相互認証制度などがあると思いますが、これにつきましては、当然各国、それぞれの国の関係機関との協議成立をしなければいけませんので、今ここで、いつまでということにはまいらないわけでございます。  また、建築資材、ツーバイフォー工法に関連して、ツーバイフォー工法に係る資材の受け入れにつきまして、海外のデータを受け入れる、海外の規格を受け入れるという事項に関連いたしましては、本年度着手いたしまして、これも各国、相手があるわけでございますので、早ければ来年度にも、国によってはさらに時間がかかるかもしれませんが、速やかに進めてまいりたいと思います。  それから、木材の性能規定化一般につきましては、これは先ほども申し上げましたが、これまでもISO等国際標準機関等、それから個別の二国間等の技術委員会等で研究しておりますが、これ自体、目標をどのように定めるか等につきましてもまだコンセンサスを得ておりませんので、今後なるべく早く各国と協議を進めてまいりたいと思います。
  100. 武山百合子

    ○武山委員 どうもありがとうございました。国際整合性の問題は、ぜひ積極的に日本が中心になって国際会議を開いていただきたいと思います。  また、この国際整合性の問題で、先日アメリカの方とお話ししましたら、文化の違い、歴史の違いを不もの議論としてやるのではなくて、やはり前向きにその不もの議論を乗り越えて、アメリカの方はそういうことを言いましたけれども日本輸入住宅を前向きに入れるという方向ですので、私もそういう方向で、輸入住宅国民に安く提供するという視点では、不もの議論を乗り越えて前向きに国際整合性の問題を検討していっていただきたいと思います。  次に移ります。  首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律がありますけれども、大学を設置する場合、教育研究上の必要性から、基本組織及び研究所、センター等の組織の規模それから内容、教員組織、施設設備等の現状、将来計画が設置基準等で示されています。さらに、都心の私立大学施設の新増設には工場等制限法が適用され、施設の拡充計画に支障があると聞いております。  大学の教育研究の振興の観点から、この問題について、文部省として関係機関に改善の働きかけをすべきだと思いますけれども、この点、文部省はどう思っておりますでしょうか。また、国土庁見解をお聞きしたいと思います。
  101. 板橋一太

    ○板橋説明員 お答えいたします。  国土の均衡ある発展及び地域社会の文化、産業の振興に資するという観点から、大学等の高等教育機関の地域配置の適正化を図るということは、地方における就学機会を確保する上からも重要でございます。この観点に立ちまして、従来から、いわゆる御指摘の工場等制限法に基づきまして、首都圏及び近畿圏の制限地域においては大学等の新増設が制限されてきております。  一方、大都市圏以外での大学等の新増設が進んでまいりました結果、首都圏への学生の集中や大学等の収容力の地域間格差は徐々に是正されてきているところでございます。  しかしながら、この点が御指摘の点でございますけれども、一方におきまして、工場等制限法の区域内においては、大学等の教室の新増設、これは一団地内における面積が千五百平米を超える場合についての規制でございますが、そういう教室の新増設が原則として禁止されておりまして、一定の要件に該当する場合のみ許可される取り扱いとなっております。そのために、学術研究の進展や新たな社会経済上の要請に対応した学部、学科あるいは大学院の新増設、改組といった、大学等における教育研究上必要なことが適切に行えないといったことがございまして、大学の活力ある発展あるいは我が国の新しい学問研究の発展が損なわれているのではないかという大学関係者からの指摘もあるところでございます。  このために、御指摘の大学の新増設等に係る工場等制限法の制限の問題につきましては、従来から、国土庁の方と連絡をとりまして協議を行ってきているところでございます。今後とも、この問題につきましては、大学の教育研究の振興及び高等教育機関の適正配置という観点から、国土庁と連絡を密にして問題解決に努めてまいりたいというふうに考えております。
  102. 橋本万里

    ○橋本説明員 工場等制限法には、大学、専門学校等の制限も原則として含まれるわけでございますが、我々国土庁といたしましては、均衡ある国土の発展、多極分散型国土の形成ということで、やはり、人口、産業が著しく集中し過ぎている区域につきましては、基本的には人口なり産業をこれ以上抑制するということが必要ではないかということでございまして、そういう意味では、基本的な枠組みは、今後ともやはり過密な状態が続いている限り必要ではないかと思っております。  しかしながら、人口増に直接つながらないもの等、このたび四月の末にもいろいろ工場等につきましては規制緩和をさせていただいたところでございますが、文部省さんの方からもいろいろ要望等も出てきておりますので、今後とも、そういう人口、産業の過密な集中につながらない限りにおきまして、弾力的に、文部省とも緊密に協議をしながら運用に努めてまいりたいというふうに思っております。
  103. 武山百合子

    ○武山委員 この法律は三十年前にできたと聞いておりますけれども、この間、運用の面で柔軟性を持った対応というのはあったのでしょうか。ちょっとお聞きしたいと思います。
  104. 橋本万里

    ○橋本説明員 昭和三十四年にできましたが、例えば大学の許可、先ほど文部省の方から御発言ございましたが、昭和六十二年以来ですからこの八年ぐらいの間に八件の許可をいたしております。いわゆる新設、増設の許可をいたしているわけでございます。そういうことで、先ほど申し上げましたように特例、いわゆるそういう人口増につながらない特例ということで運用につきましてはいろいろ弾力的にやっているところでございます。
  105. 武山百合子

    ○武山委員 許可は八件ということでしたけれども、申請はどのぐらいあったんでしょうか。
  106. 橋本万里

    ○橋本説明員 済みません。八年の間に六件の許可がございました。これにつきましては、いわゆる許可権者、これは公共団体が許可をいたしているわけでございますが、実態は事前に公共団体の方にかなり相談がございますので、全く法律に乗らないものというようなものは最初から申請がございませんので、申請があったものについては許可がおりているというふうに聞いております。
  107. 武山百合子

    ○武山委員 そうしますと、申請したものほとんどが許可されているという意味にとってよろしいんでしょうか。
  108. 橋本万里

    ○橋本説明員 申請があったものは許可いたしております。
  109. 武山百合子

    ○武山委員 どうもありがとうございました。  それでは、質問次に移ります。時間がもうありませんので、今度は総論の部分でお伺いしたいと思います。  まず、総務庁にお伺いしたいと思いますけれども規制緩和は何のための規制緩和が。規制緩和によって日本経済と社会をどのように構造改革をするのか。また、その具体的成果を上げることが必要だと思っておりますけれども、その辺を、何のために、そして日本経済と社会をどのように構造改革するのか、具体的成果を上げるためのそこの部分をお聞きしたいと思います。
  110. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  規制緩和は多く言えば国民生活を向上するために努力をするということ。さらには、経済活性化するということだと思います。それでその背景といたしましては、今や世界の体制が大きく変わりまして、従来のような東西の対立というような時代ではありません。世界も大きく対話、協調の時代でありますし、国境も大変低くなっている。いわばボーダーレスの時代です。したがって、国際的な規制我が国の国内の規制とが著しく差があるということはこれはまたいかがであるか。したがって、そういった問題については、先ほど来御質問もございましたが、これは改善をしていかなければならぬということで、外国からの要望等もございますけれども我が国のいわば国民生活の向上、我が国経済活性化、そしてボーダーレス時代に対応するという立場から、政府仕事としてこれは国民の期待にこたえて積極的に行うべきものというふうに認識をいたしている次第であります。
  111. 武山百合子

    ○武山委員 それでは次に移ります。  総務庁は行政相談委員制度によって五千人を相談委員として配置しているわけですけれども、まずどのような仕事をしているか、内容を御説明いただきたいと思います。  また、規制緩和、行政改革の監視及び相談にこの制度を活用できないかなと思っておりますので、その辺の見解もお聞きしたいと思います。
  112. 山口鶴男

    山口国務大臣 全国に五千人の方々総務庁としましては行政相談委員として御委嘱を申し上げております。本当にボランティアとして日夜御活動をいただいていることに心から感謝をいたしているところでございます。お仕事は、言うまでもなく国の行政の信頼を確保いたしますために、国の行政全般について苦情や意見要望等を受け付けまして、関係機関にこれをあっせんをいたしまして、その解決や実現のために努力をいたしているということでございます。一年間に実に十七万件もの苦情や意見要望等を受け付けて、そうしてこれが解決のために五千人の皆さん方が御努力をいただいているということでございます。  そうして、お尋ねのこれらの行政相談委員方々規制緩和の問題あるいは行政改革に活用できないかという御指摘でございますけれども、行政相談委員の皆さん方が取り上げました意見等、これを中央にも連絡をいただきまして、そうして行政苦情救済推進会議というのが中央にも地方にもございます、ここで議論をいたしまして、解決すべきものについては解決をいたしております。  例えば看護婦さんの資格がありますのが、三月三十一日ということではありませんで四月を超えてからこの資格が与えられる。そうしますと四月一日に、年度初めに病院が定数を確保するのにも、その方を採用いたしましても看護婦の資格がないということになる。それからまた、看護婦さんにしてみれば、年度初めに採用になっても看護婦さんとしての資格で採用にならない。病院も都合悪いし看護婦さんも大変不都合。この問題も、こういったルートを通じて明年度から解決をするという道も開かれました。  そういう点で全国の行政相談委員の皆さん方が非常な御努力、御活躍をいただいております。例えば岐阜県等では行政相談委員の皆さん方が規制緩和に対する要望等を各事業所その他の方々から募りまして、実に三百件以上の、こういった問題はひとつ規制緩和の対象で取り上げてほしいということを中央にも連絡をいただいております。  そういう形でこの行政相談委員の皆さん方、今までも規制緩和、行政改革について御提言もいただいておりましたし、これからもより積極的に御提言をいただいてまいりたい、かように考えております。
  113. 武山百合子

    ○武山委員 十七万件を新聞紙上に載せるわけにはいきませんけれども、それらの一部分でもマスコミを通すなり広報を通すなりして、こんな質問が出てこのように解決しましたというような国民にわかりやすい政治、国民にわかりやすい行政ということで、開かれた行政、政治ということでもっともっとわかりやすく説明するような方向に今後日本が行ってくれるように望んでおります。  次に質問移ります。  規制緩和の実行を監視する第三者機関を総理府の八条機関として行政改革委員会が設置されました。その後の活動状況を聞かせていただきたい。先ほど一カ月に一遍ということでしたけれども、その内容また方向性を聞かせていただきたいと思います。
  114. 山口鶴男

    山口国務大臣 行政相談委員の活躍の模様がなかなか報道されないということなんですが、確かに中央の版にはなかなか活動が報道されることは少ないのですが、例えば地方版には随分行政相談委員の皆さん方が御努力をいただいてこのような問題が解決をしたということが大きく報道されるケースが間々ございます。あるいは地方紙の場合はそういった問題も大きく取り上げていただいていると思います。委員指摘のように、それがさらに中央版にも載せていただくように総務庁としても各マスコミの皆さん方に御協力方をお願いしてまいりたいと思っている次第であります。  あとの問題は事務当局からお答えをさせていただきます。
  115. 陶山晧

    陶山政府委員 ただいま武山先生から御指摘のございました行政改革委員会は昨年十二月発足をいたしたところでございます。現在、規制緩和につきましては、本年四月十二日付でございますが、規制緩和委員会の設置が行われたところでございます。  この小委員会の構成員といたしましては、常勤委員でございます竹中委員を小委員長として、座長以下十五名、つまり小委員長以下十六名のメンバーが選任をされておりまして、私ども承知しておりますところでは、週に一回のペースで各種団体、これは、例えば経済関係の各種団体もございますれば、消費者団体、あるいは経済関係でも外国企業日本で団体をつくっていらっしゃいますけれども、そういうところを含めまして、極めて幅広い団体からいろいろな御意見を今聞いておられる。これからは主として各省庁のヒアリングが始まるというふうに承知をいたしております。  御案内のとおり、独立の事務局が設置されておりまして、この事務局が委員会活動を補佐しているわけでございますが、ある時点においてこの規制緩和に関する委員会としての最初の御意見政府に対して提示されるのではないかと考えております。  なお、具体的な今後のスケジュールについては、現段階では必ずしも確定したスケジュールが決まっているわけではないというふうに伺っております。
  116. 武山百合子

    ○武山委員 政府は、計画について固定せずに毎年度見直し、足りない部分を補うとしているわけですけれども、公正な第三者機関の役割が重要になってくるわけですけれども見直しについては、省庁の裁量に任せるだけでなく、行政改革委員会意見を十分取り入れてフォローしていただきたいと思います。その辺のことをちょっとお聞きしたいと思います。
  117. 山口鶴男

    山口国務大臣 昨年、行政改革委員会設置法を国会で成立をさせていただきまして、発足をいたして、活動状況は行政管理局長から今お答えがあったとおりであります。  あの法律には、行政改革委員会は監視をしまた政府に勧告できるという立派な権限を付与してございます。そうして、行政改革委員会の勧告に対しましては、政府はこれを尊重しなければならぬという規定もあるわけでございまして、そういう意味では、政府といたしましては、行政改革委員会の勧告を最大限尊重いたしまして、そして委員指摘のように、規制緩和に向かって努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
  118. 武山百合子

    ○武山委員 実は、なぜこれを伺ったかといいますと、先回の推進委員会、そこで皆さん、答申を出された部分で、公表になった部分で、意見を十分公表されなかったということで、意見を十分取り入れられなかったのじゃないかという疑問を持ったわけですからこの質問をしたのですけれども、ぜひ行政改革委員会意見を十分取り入れてフォローしていただきたいと思います。  次の質問に移ります。行政手続法のことでお聞きしたいと思います。  昨年十月一日施行されましたが、まず現在までの活用件数はどれくらいあるかお聞きしたいと思います。
  119. 山口鶴男

    山口国務大臣 先ほどの規制緩和委員会、これは規制緩和検討委員会のことだと思いますが、実は検討委員会行政改革委員会の中の規制緩和委員会とは別でございまして、委員指摘の点は検討委員会のことではないかと思います。  検討委員会で提起した問題が必ずしも十分でなかったという御意見が一部あったということは私も承っております。しかし、行政改革委員会規制緩和委員会でこれから議論をし、行政改革委員会として政府に勧告をされた問題は、これは法律に書いてございますように、政府としてはこれを尊重して対処するということになっておりますので、この点はひとつ別個の問題だということで御理解を賜りたいと存じます。
  120. 武山百合子

    ○武山委員 時間が来てしまいましたので、先ほどの行政手続法のお答えをひとついただきたいと思います。それに加えて、行政手続法の内容等を国民に知らせる方法はどのように行っているか、件数と国民に知らせる方法をお願いいたします。
  121. 陶山晧

    陶山政府委員 御指摘のございました行政手続法について、まず、ただいま先生から活用件数というお言葉がございましたが、御案内のとおり、手続法は行政処分に関するいわば事前手続のルールを定めたものでございます。  なお、行政指導についてのルールも定めたところでございますが、昨年十月に施行されたところでございまして、この法律の趣旨、目的に沿った運用がいかに定着をするか、させていくかということが極めて大きな、重要な課題であると考えております。そのためにできるだけの努力をしたいと考えておりますが、現在、この行政手続法の施行状況について、各省庁初め、都道府県とか指定都市、それから県庁所在の市の御協力をいただきまして施行状況調査実施中でございます。この調査の結果につきましては、手続法の施行一周年が本年十月一日でございますので、この一周年に当たる十月一日に調査結果の主要な部分だけでも公表いたしたいと考えておるところでございます。  また、国民一般に対して周知をどのようにしているのかというお尋ねがございました。  申し上げましたように、この手続法は、いかに一般の方々に御理解をいただき、いわば活用していただくか、行政庁及びこの対象である企業や一般個人の方々が趣旨、目的を理解しながら活用していただくということも極めて重要な要素であろうと考えております。したがいまして、政府広報はもとよりでございますけれども、私ども、全国各地でさまざまな団体に対して説明会の開催とかあるいはわかりやすい資料の刊行等々の努力をしてまいりました。今後ともこれは引き続き努力を続けていく必要があろうと考えております。  ちなみに、政府広報といたしましては、新聞それから雑誌、これに対して制度の説明広告を再々掲載させていただきましたが、各種団体への説明会とか研修会への出席につきましては、施行は平成六年十月でございますが、その一年前からこれらの説明会、研修会等への出席を続けておりまして、平成五年十月以降百二十数回の回数になっていると承知をいたしております。今後とも周知広報についてできるだけの努力をさせていただきたいと考えているところでございます。
  122. 武山百合子

    ○武山委員 どうもありがとうございました。  もっと国民にわかりやすく知らせる方法で進んでいるということですので、このわかりにくい行政側のための通達や行政指導が少なくなっていくはずだと思います。もっと広く国民に認知させるべく取り組んでいただいているということですので、ぜひ前向きに進んでいっていただきたいと思います。  質問を終わります。
  123. 塚田延充

    塚田委員長 吉井英勝君。
  124. 吉井英勝

    ○吉井委員 最後の質問者でございます。  この通常国会、予算委員会でもこの規制緩和委員会その他におきましても、私は、円高問題などについて随分やりとりしてまいりましたが、円高には三つの要因があるということなどもやってきました。もうそれはきょうは繰り返しません。こうした要因を取り除いて円高の是正そのものをやらないと、産業空洞化の問題など、日本は大変深刻な事態をもたらすことは明らかです。  ところが、円高そのものの是正でなく、規制緩和が最近叫ばれているというのが一つの特徴でありますが、当然、明治以来の古ぼけた、これは実態にそぐわないとかあるいは国民にとってマイナスになる規制を撤廃しなきゃいけない、これは当然のことでありますし、必要なものについては規制を強化しなきゃいけないというものもあります。  そこで、規制緩和が何をもたらすのかという私はそこのところをよく見きわめておくことが今非常に大事になってきておると思いますね。現在、円高産業空洞化で二十四歳以下の失業率は七・五%と、青年の失業問題は大変深刻な実態になっております。それから、五月の総務庁の速報で完全失業者は二百十四万人と。日経連の永野会長は、円高空洞化で二千万人の大失業時代の発生に直面することもあり得るということを指摘されたりとか、今、雇用失業問題というのは本当に深刻な事態になってきております。  そうした中で、経団連の報告によりますと、規制緩和を進めたら九百三十四万人の大量失業を予想しておりますし、楽市楽座報告では、規制緩和で五年間で新たに三百三十七万人の失業を予測と。いずれにしてもこれは大変な事態だと思うんですが、そこで、この規制緩和をやると、失業と、新規産業創出で新たな雇用も生まれるという話もあるわけですが、実際にはそれはどうなるかという点では、私はアセスメントと呼ぶべきものが必要だと思うんです。  先日の当委員会で、参考人質疑のときに田中直毅氏は、新しい分野に対して企業がチャレンジする、それで財やサービスを提供する、投資する、その投資で新しい仕事が生まれますから、「どの程度投資が生まれるか」にかかっているというそういうお話だけであって、ついにこのアセスメントの手法とか内容とかあるいは実施例についてのお答えはありませんでした。また、その前の参考人質疑のときに慶応大学の島田晴雄氏は、「政府が明快なアセスメントをすることが必要」だというお答えもありました。平岩研究会の報告書の中で規制緩和のデメリットについて述べているのは、「短期的には経済社会の一部に苦痛を与える」という一言だけなんですが、最大の弱点は、この規制緩和アセスメントあるいは雇用アセスメントといいますか、こういうものが全くないままに苦痛を与えることを当然視するようなところがあるということ。  そこで私は総務庁長官に、島田氏からは政府が明快なアセスをやるべきだという意見が出されているわけですが、規制緩和を行ったらどういう事態が生まれてくるのか、そもそもこのアセスメントというものを考えていらっしゃるのか、このことを最初に伺いたいと思います。
  125. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  総務庁は統計局を持っておりまして、労働力調査につきましても、また個人企業調査等につきましても、毎月あるいは毎年それぞれのケースによりまして調査をいたしております。労働力調査の結果は委員指摘のとおりでございまして、二・九から三・〇、そして四月は残念ながら三・二%、正確に言いますと三・ニハ%で、四捨五入して三・二%という数値でございますけれども、大変これは私どもとして残念な結果であると思っております。また、中小企業の動向につきましても、個人企業調査等によりまして、個人企業が大変苦しい立場にありますこともこれまた統計の数値で出ております。  したがいまして、私ども規制緩和をするに当たりましても、あるいは規制緩和のみならず、我が国経済全般の問題に対処するにつきましても、今申し上げた統計というものの数字は厳しく見詰めて、その上に立って一体政府としてどうするかということを真剣に考えていくことがまず必要であるというふうに認識をいたしております。  それで、一部御指摘のように、この規制緩和に伴いましてのアセスメントをやったらどうかという御意見があることは承知をいたしておりますが、総務庁といたしましてはそういったことを所管する立場にはございません。経済企画庁我が国経済の全体の状況につきましては把握をし、また計画を立てるという形になっておりまして、私どもといたしましては、これから規制緩和計画を推進していくに当たりまして、必要な場合には閣議等において発言もいたしまして、そしていずれにせよ、先ほど喪失創出という、同じ表現だけれども二つの意味があるということを委員が御指摘になりました。確かに、規制緩和によりまして雇用が失われる喪失の面があることは事実でしょう。また、ベンチャー企業その他によって新たな産業ができまして、企業が今度はつくり出すという意味での創出という形があることも事実だと思いますが、そういった両面を一体どのように把握をするかということは、これから政府として十分心していかなければならぬ課題であるということは認識をいたしている次第であります。
  126. 吉井英勝

    ○吉井委員 喪失の方の数字はよく出ているんです。創出の方ですね、シュツ、こちらについては、実のところほとんど規制緩和議論いろいろ読んでおりましてもないわけです、具体的なものは。  規制緩和先進国アメリカの例について見てみますと、一九七八年の航空自由法以降どうなったか。雇用がふえたのか、あるいは、新規産業で吸収された労働者雇用条件はどうなったのかということは、やはりこれは非常に大事な、参考になるところだと思うんです。  内橋克人氏らの「規制緩和という悪夢」の中でも紹介されておりますが、六〇年代に平均失業率四・七八%が、七八年の規制緩和以降、八〇年には七・一%、八一年七・六%、八二年九・七%とずっと失業率は高くなっていくんですね。一時期少し減少するんですが、八九年の五・三%をボトムにしてまた失業率が高くなって九三年で六・八%と。この間、五〇年代の全労働者の中の三三%が製造業従事者の比率だったのが、一七%に九一年は落ちている。つまり空洞化がうんと進んでしまっているんですね。新たなニュービジネスって何だと。言ってみれば、何だスーパーとハンバーガーショップなどそういうところじゃないか、しかもそれは不安定雇用のパートが中心だと。そうして、終身雇用制の終えん、中流生活からの没落、新規産業は低賃金、不安定雇用というまさに生活者に危機が訪れているというのが、これは厳しい指摘がなされております。  もちろん、反論の方も私も読みましたけれども、ことし一月十日の日本の針路研究会のシンポジウムでは、田中直毅氏を初めとして各パネラーが、規制緩和が何かすべてであるかのような論陣をずっと張っていらっしゃるのも読ませていただきました。  それで、その中で、例えば慶応の中条潮氏は、雇用条件が悪くなる、むしろ、痛みであるかもしれないけれども必要なことであるなどという主張もしているんです。この、雇用喪失されたり苦しみが出てもまあ当然だという主張が随分横行するんですが、私は、これは以前もここで取り上げたことがありますが、十八世紀、十九世紀の資本主義の発展期に、女性や少年に対する深夜、長時間労働の問題とか過酷な労働があり、無権利状態があり、それが一九一七年のロシア革命以降、八時間労働制、それから母性保護、男女平等といったこれは人権と労働条件の向上という大きな一歩が踏み出され、革命ロシアに対する対抗から今度はILOが生まれてきて、資本主義世界でも労働条件の改善が進んでいくという、日本でも、戦後労働関係法規がつくられ労働者の生活と権利が守られるようになってきたというのは、これは歴史的経過ですよ。それを、根底から覆すことが当然だと、痛みが必要で、苦痛を与えるんだというこの発想というのは、私は、やはり人類の進歩とか発展の歴史的成果を否定するものだというふうに思うわけです。  それだけに、大臣、この規制緩和なりあるいは雇用のアセスメントというものをきっちり行っていくということ、そして、働く者に犠牲や苦痛を与えることを当然とするこの発想というものは、やはり厳しく批判をするという立場が大臣として求められるんじゃないかと思いますが、改めて伺っておきたいと思います。
  127. 山口鶴男

    山口国務大臣 お答えいたします。  文芸春秋が、アメリカの航空業界の規制緩和に伴いまして航空産業を中心としてどのような失業が起きたか、あるいは事故がどうなったか、それに対する規制緩和の光と影の問題を連載しておりましたのを私も拝見をいたしました。そういったケースもアメリカにおきましてあったことを、私ども事実として厳しく見詰めていかなければならないだろうと思います。  しかしまた同時に、アメリカがあの時代規制緩和をいたしまして、確かに当時は失業率が大変上がったということもあるでしょうが、その後企業のぜい肉がある程度落ちまして、そうして今アメリカが、一時下降ぎみでありました経済活力というものが再び盛り返しているという状況でありますことも、これまたいろいろな角度からの報道で我々が目にいたしているところであります。  そういう意味では、私は、規制緩和というものは決して光ばかりではない、またやみばかりではない、やはり両面あるということを私たちは十分見詰めて対処する必要があるというふうに思っている次第であります。  したがいまして、御指摘のございましたような、規制緩和をすることに伴いまして、労働力が失われる意味での喪失もあるし、また新しいベンチャー企業等で創出される、つくり出される面があることも私は事実だと思いますが、そういった両面を私どもは見まして、総務庁も先ほどお話し申し上げましたように統計局を持っておりまして、統計数字も絶えず出しているわけでございます。政府は、毎月、経済月例会議を開催いたしておりますが、そういう際にもこの総務庁の統計局の数字は絶えず発表いたしまして、そうして政府全体の関心も私は喚起をいたしているところでございます。  今後、必要とあらば、御指摘のように今後の規制緩和の推移の状況によりましては、総務庁がこれをするというわけにいきませんけれども政府部内として、どこでこの規制緩和に伴うところのアセスメントというものを担当すべきかということは、一つ課題として検討してみる必要はあるのではないかというふうには認識をいたしております。
  128. 吉井英勝

    ○吉井委員 一度失業率が上がってまた下がったと。しかし、そこは光じゃなくて、また失業率は上がっているのですね。これが現実ですし、それからベンチャービジネスのお話、よくあるのですけれども、じゃ、具体的にどういうものが生まれてどうなるかという話はさっぱりないのです。これはあくまでもベンチャービジネスが生まれるであろうという期待しかないというのが実態であるだけに、アセスメントというのは本当に大事な意味を持っているということを改めて指摘しておきたいと思います。  貿易黒字の解消策として内需拡大ということがよく挙げられるわけですが、内需の拡大というのは、雇用をふやして賃金が保障され、下請工賃が適正であってこそ、国民の消費購買力は高まって内需が拡大ということに行くわけです。規制緩和だということで、さっき出ていましたような大量の失業者が出る、新規産業は期待はするが簡単には出てこないということでは、内需は縮小して逆の道へ行ってしまうのですね。  実際、アメリカの例を大臣も出されましたが、アメリカ規制緩和空洞化が何をもたらしたか。これはいろいろなものが日本でも紹介されておりますが、大量の失業とホームレスと貧困者、麻薬、売春とか暴力とか、社会の病理現象を非常に深めてしまったアメリカ自身がここに頭を痛めているというのが、私はやはり重く受けとめるべき問題だと思うのです。  それだけに、五カ年計画前倒しということだけじゃなしに、やはり本当に規制緩和雇用のアセスメントというものを、少し一回目の答弁よりは考えようというお話になっていますけれども、大臣、これは私は本当に研究検討して進めていってもらわなければならぬことだと思うのですが、これは一言でいいですから、もう一遍聞いておきたいと思います。
  129. 山口鶴男

    山口国務大臣 私ども規制緩和をするに当たりましては、経済規制は原則自申そして社会的規制につきましては、これは必要最小限のものにするように、もちろん必要なものもあるわけでございますから、経済規制社会的規制とは区別をして対処をするということは申し上げてきているところでございます。  例えば、私ども決して一部の業界だけの意見を聞いてやっているわけではございません。例えば、日経連の前会長が、最低賃金制は撤廃すべきだ、規制緩和の対象としてこれはもう撤廃したらどうかというようなことを言われました。その後、経団連とか経済同友会の代表方々に私お目にかかる機会がありましたから、財界の皆さんあるいは経済界の皆さんから規制緩和要望がある、必要なものは私ども十分これをやっていかなければならぬと思っておりますけれども、しかし、例えば最低賃金制の撤廃というようなことをすれば、これは内需拡大どころか内需が冷えるわけでございまして、そういった意見というものは私どもとしてはとらざるところでありますということは、実は私は明確に申し上げておきました。  したがいまして、私ども規制緩和をいたします場合、何が何でもすべての規制緩和をやっていけというふうに考えているわけではございませんで、やはり一つ一つ規制につきまして吟味もし、検討いたしまして、そうして対処をしていく。その際には私どもとして、我が国が達成いたしました完全雇用、これは戦後の日本が実現したすばらしい一つのモニュメントではないかと私は思いますが、それが今若干影が生まれつつある。三・二%の失業率ということは大変残念なことである。したがって、これにつきましては、十分私どもその状況につきまして厳しく見詰め、それが対策というものを十分考えながらすべての施策をやっていく必要がある。そういう考え方の一環として規制緩和もあるのだということで考えております点は、御理解をいただきたいと存じます。
  130. 吉井英勝

    ○吉井委員 重ねて、アセスメントというものについては、本当にこれは厳しく、よく研究検討もしてもらいたいと申し上げておきたいと思います。  これまで、自動車とか電機が下請への極端な工賃切り下げと超過密労働で異常な輸出競争力を身につけて、これが貿易黒字を生み出して、円高を招いた一つの大きな要因となりました。これはほかの委員会でも取り上げたことがあります。ところが、厚かましいことなのですが、トヨタなどの自動車工業会が、規制緩和だとして下請代金支払遅延等防止法の適用の緩和を求めて、下請を泣かせるようなことをさらに進めようとする動きが出てきております。  ここにあるのは前川レポートや平岩研究会報告、産構審の報告や日経連、経団連などに共通している発想なのですが、それは、日本産業は効率部門と非効率部門が併存している、農業、中小企業などは非効率部門だとして切り捨てるという発想であります。しかし、本当にそれでいいのだろうか。日本の中小企業の位置と役割について、今改めてしっかり見詰めなければならぬときだと思うのです。  そこで、ちょっと数字を見てみますと、日本の中小企業というのは企業数の九九%を占めますね。そして、雇用の数の七六・五%を占めているのです。大体八割ですね。比較のため、アメリカを見ると、全産業の中で中小企業雇用されている人は五三・七%、ドイツが五三%でイギリスが四二・二%ですから、各国に比べても、日本の中小企業の位置と役割というのは、雇用の面でも、日本経済に果たしている貢献度でも非常に大きいものがあるのです。  そういうときに中小企業が切り捨てられるということになりますと、日本雇用問題をさらに深刻にすることは明らかだと思うのですが、この点についての大臣の見解を伺っておきたいと思います。
  131. 山口鶴男

    山口国務大臣 私どもは農業を切り捨てるとか中小企業を切り捨てるというようなことを考えていないことは、予算等を見ましてもよくおわかりいただけるだろうと思うのです。  例えば、ウルグアイ・ラウンド合意に伴いまして、私どもは今後六兆円を超える予算を農業対策に振り向ける、交付税を含めまして七兆一千億円もの経費を農業振興のためにつき込んでいくという方針を決定をいたしました。農業を切り捨てるというような考え方であるならば、このような計画を私どもが打ち立てる必要もないわけでございまして、そういう点は誤解に基づく御発言であるということで、ひとつその点は私どもが農業切り捨てなどということは毛頭考えていないということで確認をいただきたいものと思います。  中小企業の問題についても同様でございます。私ども、私総務庁でございますから、中小企業庁を所管している立場でございませんので、細かい点について述べることは控えたいと思いますが、しかし、ここ異常な円高が続きまして、緊急円高経済対策を確立をいたします前後の閣議におきまして、常に中小企業への対処をどうするのかということが円高問題あるいは経済空洞化対策等々と絡みまして議論になっておる状況でございます。  私もそういう立場から、先ほど申し上げた、総務庁が所管しております統計局が出しております数値等をもとにいたしまして、中小企業に対する対策を十分やっていただくことを閣議の席でも強調いたしているところでございまして、この点をひとつそういう立場で村山内閣は対処しているということを御確認をいただきたいものと思います。
  132. 吉井英勝

    ○吉井委員 大臣、よく聞いておいてほしいのですが、政府がこうやっているという話を今やっているのじゃないのです。自動車工業会が下請法の規制緩和を求めてきている事実とか、それから、前川レポートとか経団連その他の発想の根底にあるものがこうだということを指摘しているのです。その中で中小企業というものの置かれている重要性というものを、実際に非効率部門という扱い方をしてしまっているのですから、あなたがそう言っているという話じゃなくて、そこの重要性を私は今言っているわけです。  それで、中小企業日本経済に果たしている役割というのは本当に大きいのです。雇用の面で私は先ほど数字を挙げて指摘しましたが、NHKが三月十三日に放映した「クローズアップ現代」の中で、東京・蒲田の大友さんらの機械金属州工グループのことを紹介しました。大臣見られたかもしれませんが、何とHⅡロケットや原子力発電所の最も精密な加工を要するハイテク部品、これがここで生産されているわけですよ。  この蒲田のことについては、これは「中小企業の動向に関する年次報告」、この中でも触れられておりまして、「大田区に見られる集積は、高度な技術力を持った中規模企業を中核として、それを専門加工に特化した小規模企業独自の「ヨコの連携」が支えるという、多くの中小企業集積の中でもユニークな開発指向型ネットワークと言え、このネットワークが大企業の新製品開発における試作・開発機能を担っているしという紹介までしているのですね。そしてまた、「大企業におけるリストラ、海外展開等の影響もあり、大都市圏の中小企業を取り巻く環境は厳しくなっている。」という、そこが今大変深刻な事態に置かれているということを指摘しているわけなのです。  日本の技術開発力が空洞化で失われていくと、だから大変な事態になるのです。これではハンバーガーショップのようなパート労働者中心のニュービジネスは生まれたとしても、科学技術を背景にするような本当の意味での新規産業というのは期待できなくなってしまうのです。  そこで、私は中小企業というものについて、先ほど紹介いたしましたように、経団連その他のレポートなどの中に中小企業を非効率部門ということで切り捨て的に扱う発想というものがありますが、しかし、それは間違っているのだ、これはやはり育てていかなきゃならぬという、そういう考えというものを大臣お持ちかどうかということで、一言で結構ですが、それを伺っておきたいと思います。
  133. 山口鶴男

    山口国務大臣 経団連や経済同友会など、あるいは日経連等の経済団体からさまざまな御意見や御要望政府にあることは事実です。しかし、先ほど私が最低賃金制を例に挙げて申しましたとおり、私ども何もそういった経済界からの御要望をすべて丸のみにしようというような考え方であるわけではない。それぞれ問題別に吟味をいたしまして、とるべきものはとる、またこれはだめですよというものについては明確に意思表示もしているということを先ほど申し上げたわけでございまして、そういうことでお答えにかえさせていただきます。
  134. 吉井英勝

    ○吉井委員 それで、公取に来ていただいておりますので、先に少し聞いておきたいのですが、下請法による違反事例ですね。毎年調査件数の大体二四%くらいに上りますが、その中で、具体的な事例については報告を読ませていただいておりますから、もう時間がありませんので結構ですが、この下請法は、資本金規模で一部しかカバーできないことや、ピラミッド構造の頂点の責任を問えないといういろいろな不十分さは持っておりますが、それでも一定の役割を果たし得るものです。これが生きるも死ぬも、やはり取り組む姿勢ということにかかってまいります。  それで、公取が対象としている親企業と下請事業者の総数は約三十二万社、そのうち親が六万社で下請が二十六万社として、その半分を公取、残り半分を中小企業庁で検査しているわけですが、予算と人員の関係で、親事業所の三分の一、下請の二分の一しか調査できていないというのが実態だと思うのです。  このことを確認しておきたいのと、あわせて、調査した中での違反容疑の割合が毎年二四、五%もあるのですが、重要な仕事をしてもらっているのに、公取の下請取引検査官は、九〇年ごろ一度二、三名の増員があったものの、また減らされて、今、八五年と同じ三十九名になっていると思うのですが、この二つの点を確認したいと思います。
  135. 山木康孝

    ○山木説明員 私ども、昨今の厳しい経済情勢のもとで、下請事業者も非常に厳しい状況にあるという認識を持っておりまして、こういう状況も踏まえまして、公正な下請取引を確保するために、毎年、親子合わせまして約八万五千社以上の事業者について書面調査実施しているわけでございます。特に、資本金三千万円以上の親事業者については、毎年金数を調査させていただいておりまして、その点については、御理解を賜りたいというふうに思っております。(吉井委員「いや、私の指摘した数字。確認だけしてもらったらいいです」と呼ぶ)そういう先生おっしゃる点は、毎年会社やっているということではございません。それはおっしゃるとおりでございます。  それから、下請事業者についても、毎年調査をさせていただいているわけでございます。(吉井委員「検査官、指摘したとおりですね」と呼ぶ)検査官につきましては、検査官だけではございませんけれども、下請取引の公正化を担当する職員は、現在、本省本局では二十名、地方事務所、これは兼任も合わせまして十九名という数字で、ここ数年現状維持という形で体制的にはやってございます。
  136. 吉井英勝

    ○吉井委員 中小企業庁も来てもらったのだけれども、時間がありませんので質問をおいておきますが、いずれにしても、中小企業庁の方も実はこの仕事の半分を受け持っているのですが、下請代金検査官は、六年間、四十一名のまま昨年までずっと据え置かれてきているのです。  そこで、総務庁長官、この分野の仕事の成果というものはやはり評価して、そして人員増を行うべきだと思うのです。雇用面でも日本経済に果たす役割でも、中小企業は非常に大事な役割を果たしている。それに対して公取も中企庁もやってもらっているのだけれども、しかし、総定員抑制だ何だといってこれは抑えられたままですから、なかなか、この大事なときに大事な分野で人がふえていないというのが実態なのです。  増員というものを、大臣、やはりそこを進めていただきたいということで、この点についての大臣のお考えを伺っておきたい。  もう一点は、規制緩和推進計画の基本というのは自己責任原則と市場原理に立つ自由な経済社会の実現だということにしているのですが、さきに紹介したシンポジウムを掲載している経団連広報誌の中では、規制緩和の最終目標は社会経済構造の改革だとして、シンポジウムなんか見ておりますと、弱肉強食何が悪いかと言わんばかりの論法も展開されているのです。しかし、大企業と中小企業を同じ土俵で自由に競争させることなどできないのは、それは、そんなことをやろうというのは全くのむちゃな話なのですが、しかし現実には、弱肉強食何が悪いかという論も展開されておるわけです。  そこで、長官、自動車や電機産業の技術開発等低コスト部品の供給を担ってきた中小下請に対して、トヨタなど自動車工業会からは下請法の規制緩和を求めてきているわけですが、下請二法や分野確保法など、中小企業の育成と下請代金検査官の増員など、国の方で本当にこういうところに対策を強化するということ、これが私は今非常に大事だというふうに思うのです。  規制緩和というのは何のために、だれのためのものなのかということ。五月の二十四日の当委員会での参考人で来られた長谷川徳之輔さんもこれは繰り返し指摘しておられたところですが、規制緩和は何のため、だれのため、ここをいつも原点に立ち戻りながら考えながら、そして大臣としては、こういうところに力を本当に入れていってもらわなければならぬのではないかと思うのです。  この点、最後に大臣のお考えを伺って、時間が来たようですから質問を終わりたいと思います。
  137. 山口鶴男

    山口国務大臣 規制緩和は何のためか、これはもう当委員会で何回もお答えいたしました。国民生活の向上とそれから経済活性化を図る、これが目的で私どもはやっておりますというふうにお答えをいたしてまいりました。  そして、中小企業庁やあるいは公正取引委員会の定員の問題についてお尋ねがございました。  私どもは、規制緩和をいたしました場合公正な競争が的確に行われるということが必須条件だというふうに考えまして、平成七年度予算編成に当たりまして、公正取引委員会の定員につきましては公正取引委員会の御要望どおり増員を私どもは認めた次第でございます。  それから、通産省の中でどういう分野が必要であるかというようなことにつきましては、私がここで申し上げることは控えさせていただきたいと思います。通産省の中のいわば人員の配置につきましては、これはまさに通産大臣がお考えになることでございます。  ただ、私どもとして、通産省がこういった立場でこの部面の増員は必要であるということを申してまいりました場合に、総務庁といたしましては、その要望が適当であるかどうかということを吟味をいたしまして対処をいたします。例えば、平成七年度補正予算に際しまして、JIS、JASの問題に関して、特に通産省の方から定員の御要望がございました。この部分については補正予算におきまして通産省の要望を認めた次第であります。  したがいまして、通産省の中でどの部分をふやすかどうかということは通産省内部の問題として御検討いただく。そしてその検討した結果を総務庁に持ってまいりました場合は、総務庁としてその問題について必要であるかどうかを吟味した上で対処をする。公正取引委員会は、先ほど申し上げたような立場で、公正取引委員会要望を平成七年度においては満額認めたということであります。
  138. 塚田延充

    塚田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十四分散会