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吉田(公)
委員 まあしかし、事務次官
会議で大体了解がついたものは閣議で大体了解。しかし、高度の、
国民の
意見が二つに別れるようなもの、あるいは我が
日本の国策についての議論というものは、もちろん閣議でやってもらわなきゃ政治主導にならないわけですよね。だから、まず事務次官
会議とかなんとかというのはもうやめてしまう、それが基本だと私は思う。国会改革、国会改革などと言っていながら、そんな明治以来続いているような慣習を守ってきて、それで今のこの世界情勢の厳しい中で対応していこうなどということ自体がおかしい、そう思って、事務次官
会議の
会議のあり方についてぜひ直してもらいたい、まずそこが基本だと私は思います。
それから、官庁用語の
規制緩和でありますが、これは御答弁いただく
省庁はないのです。
「霞が関言葉」、イアン・アーシーという人が書いている。それを読みますと、私もそう思っていたんだけれ
ども、例えば、
平成元
年度運動場整備、
平成二
年度公園駐車場整備、二カ年で整備する。整備という言葉が三回入っているのです。整備という言葉を使わないと大蔵省で
予算をつけてくれないのかどうかわからないのだけれ
ども、何でも整備だ。
例えば海岸の整備。海岸の整備というのは何かというと、海岸をコンクリートで固めてしまおうということなんだよ。それから緑樹帯の整備。なに、道路に木を植えようという話なんだ。やたらに整備、整備と。
今問題になっている整備新幹線というのがある。整備新幹線というのは、私は
もともとよくわからなかった。要するに新幹線を早くつくってくれという話なんだ。そういうように、やたらに整備が出てくる。街路樹整備でしょう、今やっている。道路に木を植えることなんだ。
そういうように、整備というのは本当に文書にこれはよく入っている。
海底ケーブルの整備。こんなのは海の底にケーブルを敷くことなのだよ、何も整備なんという言葉を使わなくたって。
防衛力の整備というのは、長官、何ですか。だって、早い話が軍事力の整備、
強化でしょう。そういうように、整備がやたらに入っている。これは、整備と書くと、
国民の
皆さんはいろいろなとり方をするわけだよ。防衛力の整備というのは何ですかね。軍事力の
強化ととらえる人もいるわね。あるいは自衛官の待遇改善ととらえる人もいる。あるいは普通装備を
強化充実するという人も
考えられる。あるいは海軍を
強化するという
考え方の人もいるしね。潜水艦をもう一隻ふやそうじゃないかというのも軍事力の整備の一つなのです。
そういうように、整備と言うと何となくうまくごまかせるのだ。そういう
意味で、整備、整備と書かないで、やはりちゃんと一般の
国民にわかるようなきちっとした言い方をする必要があると思うのですよ。
それで、整備の種類というのはこれだけあると言うのだよ。体系的な整備、効率的な整備、先行的な整備、適切な整備、調和のとれた整備、まさに無尽蔵だと言うのだよ。風格のある、
国民に親しまれる、施設整備、整備充実、整備改善、整備育成、開発整備、収集整備、振興整備、法を整備、こうあると言うのだね。だから、役所で整備と書かなければ大蔵省で
予算をくれないのなら話は別だけれ
ども、整備という言葉はまことに紛らわしい言葉だ、どうにでも使える。海底の整備とかね。
農村の空閑地整備なんて、農村なんか
もともと空閑地じゃないですか。農村の空閑地整備なんて、何を言っているのだからっともわからない。
農地の整備。農地の整備というのは、要するに田んぼや畑をつくるということなのだよ。何も整備なんて言わなければ大蔵省が
予算をつけてくれないわけじゃないだろうと思うのだな。
したがって、これからやたらに整備、整備と出てくるものには
予算をつけない。そうしないと、
国民が惑わされやすいのです。
大臣、この官庁用語特有の整備という言葉について、もう少しきちっと、やるならやるというような言葉、そうでしょう。海岸の整備、護岸整備、河川の整備、何のことはない、河川をコンクリートで固めるという話なのだよ、川の整備なんというのは。だから、
大臣、こういう整備言葉について、官庁の、役所同士でなければわからないような言葉をもっと改めてもらうということでありますが、
大臣の御感想をひとつ。