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1995-02-17 第132回国会 衆議院 環境委員会 第4号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    平成七年二月十七日(金曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 阿部 昭吾君    理事 小泉 晨一君 理事 福永 信彦君    理事 山口 俊一君 理事 石破  茂君    理事 大野由利子君 理事 竹内  猛君    理事 宇佐美 登君       逢沢 一郎君    根本  匠君       野田 聖子君    浜田 靖一君       持永 和見君    渡辺美智雄君       斉藤 鉄夫君    田端 正広君       松沢 成文君    田中 昭一君       三野 優美君    山崎  泉君       岩佐 恵美君    中村  力君  出席国務大臣         国 務 大 臣 宮下 創平君         (環境庁長官)  出席政府委員         環境庁長官官房 大西 孝夫君         長         環境庁企画調整 石坂 匡身君         局長         環境庁企画調整 野村  瞭君         局環境保健部長         環境庁大気保全 大澤  進君         局長  委員外出席者         労働省労働基準         局安全衛生部環 尾添  博君         境改善室長         環境委員会調査 工藤 桂司君         室長     ───────────── 委員の異動 二月十四日  辞任         補欠選任   逢沢 一郎君     村田敬次郎君   岩佐 恵美君     不破 哲三君 同日  辞任         補欠選任   村田敬次郎君     逢沢 一郎君   不破 哲三君     岩佐 恵美君 同月十五日  辞任         補欠選任   逢沢 一郎君     越智 通雄君   金田 英行君     後藤田正晴君   斉藤斗志二君     原田  憲君   山崎  泉君     永井 哲男君 同日  辞任         補欠選任   越智 通雄君     逢沢 一郎君   後藤田正晴君     金田 英行君   原田  憲君     斉藤斗志二君   永井 哲男君     山崎  泉君 同月十七日  辞任         補欠選任   金田 英行君     浜田 靖一君   松岡 利勝君     根本  匠君 同日  辞任        補欠選任   根本  匠君     松岡 利勝君   浜田 靖一君     金田 英行君     ───────────── 本日の会議に付した案件  公害健康被害補償等に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出第三一号)      ─────◇─────
  2. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 これより会議を開きます。  内閣提出公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野由利子さん。
  3. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 本日、公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案ということで、主な改正点が二つございます。この法案改正点については賛成でございます。ある面では当然過ぎるほど当然の改正ではないか、このように思っております。ただし、法案全体について、幾つがこの際確認をさせていただきたい点がございますので、その面と、またきょうは阪神大震災からちょうど一ヵ月目に当たりまして、環境の分野で阪神の大復興に寄せていろいろと課題があろうかと思いますので、その点についての質問をきょうはさせていただきたい、このように思っております。  初めに、この法案の問題でございますが、第一の改正の中で、「災害その他やむを得ない理由により」当該認定有効期間の満了前に当該申請をすることができなかったときは、その者は、その理由のやんだ日から二月以内に限り、当該認定更新申請することができる」こととする、こういう改正がございますが、その「理由のやんだ日」というのはどういうことを指すのかについて明快にお願いをしたいと思います。  それで、阪神大震災に遭われた人の場合はどうなのか、一般の地震等に遭われた人の場合はどうなのか、交通事故に遭われた方は、事故に遭われた日なのか、退院された日を指すのか、それとも自分で歩けるようになった日を指すのか、その「理由のやんだ日」というのを明快に示していただきたいと思います。
  4. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 お答えをいたします。  「理由のやんだ日」についての御質問でございますが、これにつきましては、客観的に見まして、申請を行うことが可能な程度の状態に戻った日と考えております。  具体的に申し上げますと、地震等災害であれば、余震等災害が引き続き発生するおそれがなくなった日になろうかと思いますし、また、交通事故のことを御指摘になりましたけれども、その他急病のような個人的な事由の場合であれば、本人が申請書を提出できる程度病状が回復した日と言ってよかろうと思っております。いずれにいたしましても、それぞれのケースに即して個別に判断されるものと考えております。  なお、今回の震災の被災者につきましては、この法律の公布の日、それを起算日といたしまして、そこから数えて二ヵ月以内ということになっておるところでございます。
  5. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 今回の阪神大震災、五千三百名を超える死者、また二万六千人からの負傷者という大変な災害であったわけですけれども、現在認定更新期でありながら、遠方に、他府県に避難されて連絡がつかない、そういう方もいらっしゃるはずでございますが、そういう方は何人ぐらいいらっしゃるか、伺いたいと思います。
  6. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 認定患者方々は、神戸市内で約千七百人、それから尼崎市におきましては四千二百人ぐらいおられるわけでございますけれども、実際に今御質問になられたような、被災をされて避難所にどのくらいおられるかということにつきましては、今神戸市なり尼崎市、また私どもも応援をいたしまして調査をしておるところでございますけれども、なかなか正確な数が把握できていない状況にございます。
  7. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 他府県等に移転された方々はこの認定更新、大変な御苦労があろうかと思いますので、この辺は早急に転居先などいろいろ掌握をしていただいて、公布されて二カ月以内ということでございますので、この辺は大変努力をしていただきたいと思っておりますし、また、他府県に行かれた方も、申請はもとの住居地申請されるのだと思うのですが、指定疾病が継続をしているという審査を受ける必要があるのだろうと思いますが、それはそれぞれ近くの医療機関検査を受ければ十分なのだというような連絡徹底等を、一人一人の認定の方にぜひ漏れなくしていただきたい。被災地方々にはいろいろな形で、こういう「被災者皆さまへ」というぺーパーも出ていますので、この中に、第二号目にるる詳しく書いていただいていますので比較的伝わるのかなと思いますが、他府県に行かれた方に伝わらないのじゃないか、その辺を心配しておりますので、その点についてどうでしょうか。
  8. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 認定更新に当たりましては、事前に検査を受ける必要があるわけでございます。  今御指摘にもなりましたけれども、例えば神戸におきましては、これまで検査機関になっておりました神戸市立病院が機能が非常に低下をしておるということで、神戸市当局におきましても、この検査をどういうふうにやるかということについて今検討をいたしておるところでございますが、いずれにいたしましても、このような被災に遭われた方で認定更新をする必要があるという方々に対しましては柔軟に対応するよう私どもとしても指導をいたしておるところでございます。  また、先ほど政府広報の「今週の日本」についてのお話がございましたけれども、これは神戸市周辺は当然かなりの部数配布されるわけでございますが、これにつきましてはもちろん他府県にも配布されることになっておりますので、私どもとしては、これまで相談窓口についてこの「今週の日本」にも掲載をさせていただいたわけでございますが、今後必要に応じまして政府広報あるいは神戸市の広報等を通じまして、患者方々対応については配慮をしてまいりたいと考えております。
  9. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 次に、宮下長官に伺いたいわけでございますが、実はこの法律は、当初昭和四十八年の十月に公害健康被害補償法が制定されまして、公害による健康被害者の迅速かつ公正な保護を図ることを目的として成立したわけでございますが、昭和六十二年の九月に制度改正がされまして、第一種地域指定解除が行われ、新しい認定を行わない、そのようになって、公害健康被害補償等に関する法律というふうに法律が変わったわけでございます。  私も、当時議員ではなかったのですが、当時の議事録をいろいろ見てみますと、六十二年の八月二十五日に、当時の中曽根総理を迎えての環境委員会で、局地的に今後大気汚染による公害が著しく発生した場合は地域指定を再び行う用意があるかどうか、こういう質問に対して、何回も同僚議員が同じような質問をしておりますが、当時の中曽根総理は、客観的なデータによりまして必要ある場合にはもちろん再指定地域指定ということも含まれる、こういう答弁をしていらっしゃるわけでございます。総理のこの発言は、今日の政府もその方針に変わりがない、このように認識をしていていいかどうか、答弁をお願いいたします。
  10. 宮下国務大臣(宮下創平)

    宮下国務大臣 御承知のように、大都市地域中心とした窒素酸化物大気汚染状況が大きく影響しておりますが、この状況は必ずしもはかばかしくない状況にあると認識しておりますが、今委員の御指摘のように、局地的に特にまたその地域だけ問題になっておるというようなことも承知はいたしておりません。しかし、当時の法案の審議の中で中曽根総理がおっしゃられた点は、そういう状況が出れば当然また指定の見直しもあり得るということを申されたものだと、私もまだ議事録を見ておりませんが、申されたと思います。そういう状況が出れば、当然そういうことになると思います。  しかし、現状においては、今そういう状況はないというように存じております。
  11. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 私、どうしてこういう質問をするかと申しますと、実は今回の阪神大震災で今大変憂えるような状況が起こっているのではないか、そのように思うわけです。  解体撤去が必要な建物、兵庫県内でも十一万棟を超える、また瓦れき廃材が一千万トンを超える、そういう、もっともっと大きな数字が予想されたりしでおりますし、解体工事に伴い粉じんが大量に発生している。大気汚染をし、発がん性のおそれのあるアスベスト等大変飛散をしている。アスベストは、私先日予算委員会で取り上げさせていただきましたので、ここではちょっと省略いたしますが、粉じんもまるで火事の現場のような、煙がもうもうと起こっているというほど大変な状況でございますし、毎日毎日大変な、何十台というトラック幹線道路は渋滞が続いております。ディーゼルトラックによります排ガス等々もありますし、また、倒壊した家屋の大量の廃材を処分するために、廃棄物処理法違反を覚悟の上で自治体では野焼きをしている、そういう現状もありまして、プラスチックとかそうしたものも一緒に燃やすものですから、大変有害な塩化水素が発生して、目やのどとか、そういう痛みを来したり、猛毒のダイオキシンが発生している、そういう状況指摘をされている状況でございます。  そういった意味で、再び被災地が大変な状況被害を起こさないことが目的でございますので、私は、環境庁の役割というのは今とても大事な立場にあるのじゃないかなと思っているわけでございますが、環境モニタリング調査などによって大震災に伴う環境汚染の的確な把握というものが必要だと思いますが、どのようにやっていらっしゃるかについて伺いたいと思います。
  12. 宮下国務大臣(宮下創平)

    宮下国務大臣 今御指摘のような問題が発生いたしておりますから、例えば瓦れき処理粉じんあるいはアスベストの問題、先般委員からも御質問ございましたが、そういった問題については非常に配慮をしながら対応をやっております。  つまり、例えばそういう瓦れき処理等に関するものは公費で負担することになりますから、瓦れき処理業者が必ず特定できます、把握できます。そこで、なるべく水をかけて粉じん防止を図るとかアスベストの分離をやるとか、そういう指導をやるように、環境庁から県、市にもよく連絡をとらさせていただいております。  また、廃材野焼きという問題も確かにございますけれども、今のところダイオキシン等の発生は報告を受けておりません。一部学者が検知器を持って検査をされたという報道は承知しておりますけれども、今直ちにそういう状況にあるという報告ではなかったようでございます。  しかし、全般としてこうした問題は、復興へのテンポを速めるということと、それから同時に私ども環境配慮という面と、言うならばちょっと二律背反的なところもございますけれども、あとう限り人の健康を害しないようなことで予防措置も講ずると同時に、マスクも配布をいたしましたが、それにとどまらず、そういったいろいろもろもろの全般措置を講じて、そういうことが発生しないようにすると同時に、復興への足取りも確かなものとして進めていかなくてはならぬ、そういうはざまにあります。  環境庁としては、二月の初めから水と大気中心といたしましてモニタリング調査をいたしまして、今分析をしておりますが、おおよそのところをお聞きいたしますと、特に大きな問題があるというような報告は受けていないところでございます。  なお、詳細につきまして御必要であれば、答弁をさせます。
  13. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 今のところ心配はないというお答えであったわけですけれども、私は、これはいろいろないはずがないと思うのです。例えば野焼き等々、これはプラスチック類を常温で燃やして発生しないはずはないわけでして、大変な高温、少なくとも八百度以上、千五百度とか、そういう炉で燃やさなければダイオキシンが発生するシステムになっているわけですから、ですから、それは量がどの程度かということはあるかもしれませんが、普通の、炉を使わないで野焼きプラスチック類を燃やせばダイオキシンが発生して当然、そういうのはもう当たり前なわけですから、私は、こういうのはきっちりと、せめて分別して、きちっりと分けて処分をすべしだ、そういう徹底環境庁はしなければいけないのじゃないか、厚生省とこの辺はきちっと話し合われているのかどうか、伺いたいと思います。
  14. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 野焼きの問題につきましては、私どもももちろん強い関心を持ちまして、厚生省にも直ちに、緊急避難的な状況にあるにしても好ましくないので、所定の法律に基づいてきちんと指導するようにという要請をしております。  また、今回二月の六日から十二日まで緊急的なモニタリング調査をやっておるところでございますが、その際に、そのころについては必ずしも野焼きがどの程度であるか私どももはっきり掌握していなかったのですが、そのデータを取りまとめておりますから、これからそのデータの結果も見ながら、次の段階のモニタリングのときには、そういう状況があれば私どもも緊急的にモニタリング調査地点に選定して、野焼きからどういう排出ガスあるいはその他のものが出ているかチェックしていきたい、かように考えております。
  15. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 自治体がやっていることだから見過ごすというのではなくて、しっかりリーダーシップを発揮していただきたい、このように思っております。  それから、環境測定機器の破損が大変大きいのではないかと思っておりますが、何カ所、何件破損したかということについて伺いたいと思います。
  16. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 大気環境測定所あるいは測定機器等については、地震が発生した当初については相当数被害を受けたというようなお話が第一報で入ったのですが、その後よく調査したところ、予想したほど傷んではいないようでございますが、それにしても使用ができないとか、あるいは一部故障しているというような状況がございましで、必ずしもきちんと一台一台まだチェックが進んでいないわけでございますが、外見上からの判断も含めて概数を見ますと、測定局測定機器については約一割強が傷んでいるのじゃないか、それから公害研究施設研究所とかセンター、そこにおける測定機器については約五割強が損壊を受けているのじゃないか、こういう報告を受けております。  しかし、精密機器等も当然中に入っているわけでございまして、一見動いているようでもそれが正確かどうかということも十分チェックしなければならないところでございまして、専門家による支援も仰ぎながら、現在点検とか調整、修理の作業を全力を挙げて実施しでいるところでございます。
  17. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 兵庫県の大気汚染常時監視システムそのものもコンピューターがやられていたり、西宮市もやられでいたりで、全体のデータが今把握できていないという状況ではないか、そのように思うわけです。ですから私は、ある面では今のところ問題はありませんという回答は不正確なんじゃないかと思うんですね。そうじゃなくて、今のところ掌握できていませんというのが正確な回答なのではないかと思うんですが、今のところ問題ないんじゃなくで、今の回答にもありましたようにかなり破損していて、当然環境庁はよその、他府県から集めた機器もある程度持って調査していらっしゃる面はあるかと思いますが、十分な調査ができてないというのが正確な答弁ではないかと思うんですが、その点、長官、いかがでしょう。
  18. 宮下国務大臣(宮下創平)

    宮下国務大臣 御指摘のように、既存の観測機器等は、今大気保全局長答弁したとおり、かなりやられております。これをまず復元するということで補正予算にもその経費を計上してございますが、そういうものが機能しでいないということは、委員のおっしゃるように今までのような観測が完全に行われていないということを意味しておりますから、したがって、緊急モニタリング調査等をやっておるわけでございまして、その結果が判明しない限りは、正確に言えば調査中ということでございましょう。  しかし、これからもやはり委員の御指摘のように、これからが環境庁として非常に大きな注意を払わなければならない時期、現在もそうですが、時期だと思いますから、なお配慮を重ねでいきたいと思っております。
  19. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 被災者皆様に配っていただきましたこの第二号目に、「粉じんアスベスト対策について」ということで五行の告示記事が出ております。急に入れたもので、場所が少なくて十分な説明ができなかったという説明を伺いましたけれども、「外出時は、必要に応じマスクをする寺ご留意下さい。」最初に「粉じんアスベスト飛散防止のためこと書いてあるのですが、私これを読んでいますと、マスクをしていればアスベストが防げるような印象を受けるんですが、ちょっとこれはいかがでしょうか。
  20. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 マスクをする等の御留意ですが、その前段のところの粉じんとかアスベスト飛散防止のため、既に私ども地元の県、市等に、ビルの解体時あるいは撤去特等にはシートをかけるあるいは水を供給できるところは水をかける等して周囲に飛散しないようにという指導をかねてしているところでございます。しかし、それでもこういう緊急事態で大きな地震であるわけでございますから、なかなか思うように手が回らぬという場合もあろうかと思いますが、そういう場合には、やはりその辺を通る場合には十分注意してマスク等をしていただくというようなことで、ただ、非常に短い文章の中で十分そのお読みになった方に理解されるかどうかはまたあろうかと思いますが、私どもとしては、また次の機会に、地元の県の保健所とか市の保健所等とも十分御相談しで、きめ細かな御相談なり指導ができるように今地元と協議しているところでございますので、そういう中でもっと細かい、しかも行き届いた内容を盛り込んで市民皆さんにPRしていきたい、かように考えております。
  21. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 アスベストは太さが千分の一ミリという大変目にも見えないほどの太さでございますから、当然マスクは十分通り抜けてしまうという状況でございます。市民皆さんにいろんな心配をかけてはいけないという配慮もあってこういう文章になっているのかもしれませんが、私は、やはり市民に、住民に正確な情報をきちんとお知らせするということが大事なんじゃないか。そうすれば、市民の方はきちっとある程度自分自己防衛もできるわけでございますので、そういう意味で、やはりアスベストが有害な物質である、また、大変がんのおそれのある有害物質であるというふうなことをできる限り市民の側からも注意をする、予防する、やはりそういうことをきちっと文章に書かないと、業者指導しています、それはそれで大事ですけれども、現地へ行ってみれば、これはもう実際はほとんど守られていないという実態が多々あるわけですので、やはりいろいろな角度から努力をするということが必要ではないかと思います。この辺もっと正確に、次回はきちっとぜひ、「被災者皆さまへ」の中に市民皆様環境に対する配慮自分できちっと努力することによって相当自己防衛ができるんだということをもっと明確に、ぜひこれは注意喚起をしていただきたい、このように思っております。  それから、昭和六十二年のこの法改正のときに、地域指定を解除して新しい認定患者をつくらないというときに、同時に、あわせていろいろ大気汚染による健康影響に関する総合的研究をやろう、また大都市における気管支ぜんそくに関する研究とか大気汚染改善に資する調査研究をやろうということが約束になっております。おおむね五年の間に調査して結果を公表するということがこの昭和六十二年の法改正のときに約束されているわけでございますが、昭和六十三年から数えてことしは七年目に入っているわけです。まだ結果が公表されていないわけですが、これはどうなっているんでしょうか。
  22. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 御指摘になりました大都市における気管支ぜんそく等に関する調査と申しますのは、公害健康被害補償予防協会健康被害予防事業調査研究一つとして、昭和六十三年度から実施しているものでございまして、大都市地域におきまして新たに発症する気管支ぜんそく等につきまして臨床医学的なデータ、また生活環境データ等を収集し、また解析することによりまして、これらの疾病に関する病状でありますとか臨床像の解明、また原因の究明、さらには治療方法向上患者それぞれの健康管理なり生活保健指導等向上を図ることを目的として行っているものでございます。  補償予防協会におきましては、これまで精力的に調査を行ってきたところでございますけれども患者さん等のデータを収集するに当たりまして、医療機関の選定でありますとか患者さん方の協力の取りつけ等もございまして、この調査体制の整備ということにかなり時間がかかりまして、データの収集に五カ年を要したということが一つはおくれた理由でもございます。  また、患者さんのデータというのは千五百人以上に上っでおりまして、それぞれにつきましで百を超える、先ほども申し上げたような調査項目を設定いたしたために、得られたデータというのは非常に膨大な数に上った。そのためのチェックだとか解析に時間を要したということでおくれたわけでございますけれども、現在のところ、取りまとめに努力をいたしておりまして、結論を得るまでに至っておりませんけれども、来年度のできるだけ早い時期に公表できますように現在、補償予防協会指導しているところでございます。
  23. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 平成五年二月の環境委員会松田政府委員が、さまざまなデータはもう集め終わった、別のところでも、資料は、平成四年度じゅうにデータは集め終わった、そのように予防協会からいただいたパンフレットにも書いてありました。  平成五年度にデータの取りまとめに取りかかるということですが、間もなく中間報告ができるということを平成五年の環境委員会松田政府委員がおっしゃっている、答弁していらっしゃるわけですが、それ以来二年たっているわけですが、一体どうしでこんなにおくれたのでしょう。
  24. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 以前に松田前部長がここで答弁をいたしたとおりになっていないことにつきましては申しわけないと存じておりますけれども、おくれました理由は先ほど申し上げましたように、医療機関の選定、また患者さんの協力の取りつけ等に時間がかかった、またデータが大変膨大なものになって、その分析等に時間を要したということでございまして、前に、なるべく早急に努力をと申し上げて、それから二年もたったということについては私どもも反省をいたしまして、できるだけ来年度早期に公表できるような努力をいたしてまいりたいと考えております。
  25. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 平成五年も、早期に、間もなく発表できると言われながら二年たったわけでございますので、今、早期にと言われても、一体いつを指すのかということを明確にしていただきたい、このように思います。
  26. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 具体的に何月ということは申し上げられないわけでございますけれども、できるだけ早期に公表できるように補償予防協会指導してまいりたいと考えております。
  27. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 この通常国会に間に合うのでしょうか。今国会中、国会にぜひ報告をしていただきたい。
  28. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 そのように努力をさせていただきたいと思います。
  29. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 これは中間報告でしょうか、最終報告でしょうか。
  30. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 最終報告というように私どもとしては位置づけております。
  31. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 この平成五年のときは松田政府委員は、すぐ平成五年に、間もなく平成五年に中間報告を発表する、このようにおっしゃっているわけですが、じゃ、中間報告を飛ばした、そういうことでしょうか。
  32. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 一応中間報告を出す予定でございましたけれども、もうお約束の時間からかなりたっているということでもあり、最終的な報告として取りまとめさせていただきたいということでございます。
  33. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 中間報告を出す予定だったけれども、ちょっと先に延ばして最終報告にしたいということは、環境委員会でこれは御了解を得られたんでしょうか。
  34. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 委員会でそのような御了解をいただいているわけではございません。
  35. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 こういう場合は、委員長とうなんでしょう。環境委員会で正式に、公式に発言されたことが変更される、何の国会の場を経ないで変更されるということが許されていいものでしょうか。これは委員長に伺いたいんですが。
  36. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 これは私の私見ですけれども委員会において政府が一定の時間的なものを明快にしでおって、それが当委員会で何の連絡報告も協議もなしに変わっておりましたというのは適当じゃないと思うんです。  今後のことは、なおまた理事会等でよく協議をしたいというふうに思います。
  37. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 じゃ、先ほど御答弁がありましたように、今国会中にきちっと最終報告が出るということでございますので、委員長、この最終報告を聞く環境委員会をそのときにぜひ設定をしていただきたい、このように要望いたしますが、よろしくお願いをいたします。
  38. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 ただいまの大野由利子委員の御発言、委員長としては適切な御提起だろうと思います。したがって、具体的には理事会でさらに取り仕切りをしたい、こう思いますので、御了解願いたいと思います。
  39. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 では、いろいろこの法案ではSOxが大変問題になって、SOxが大分改善されてきたということでこの昭和六十二年の法改正がございました。  しかし、SOxは改善されたかもしれないけれども、NOxは依然として大変、改善が見られない。まだまだ、特に三大都市圏においてはNOxは非常に厳しい。また浮遊粒子状物質、SPMは、関東地方では過去数年間、全測定局の一〇%前後しか環境基準を達成していない、そういう状況がございます。東京を中心に、群馬、埼玉、千葉など周辺部に年々大変拡大している。ディーゼル排気微粒子でありますDEPにつきましても、これもぜんそく等々にやはり深い関連があるという、そういう研究データというものが示されているわけでございます。  こういった意味で今、大気汚染はSOxをメーンにNOxは別の法案でという状況ですけれども、私は、もっと大気汚染防止のために総合政策というものが必要なのじゃないか、環境庁はこれにどう取り組もうとされているのか、個別に多少取り組まれている様相はございますが、大気汚染というものに総合的にどう取り組んで、そして汚染の防止にどう取り組もうとされているのかということについて伺いたいと思います。
  40. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 今御指摘がありましたように、大気汚染環境基準を設定して、排出源、固定発生源あるいは移動発生源を含めて、いろいろな規制をして大気汚染の低減に取り組んでいるところでございますが、結果的にはSOx、一酸化炭素等は近年良好の状態に来ている、しかし窒素酸化物あるいは浮遊粒子状物質等については大変環境基準の達成率が低い、こんなことで、御承知のように、私ども大気汚染防止法に基づいて各種の施策をしてきているわけでございますが、なかなかそれでも改善が図れない。  特にそれは、大都市部あるいはその周辺において移動発生源である自動車を中心に、ディーゼル車がさらにその中でも特に汚染源として強い影響を持っておるわけでございますが、そういうことからして、いわゆる自動車NOx法というものも一昨年から施行されて、大都市部においては特に自動車に重点を置いてやっている。それ以外の地域においても、固定発生源についても従来の法規制あるいは基準に基づいてきちんと対応しているところでございますが、いずれにしましても、いわゆる自動車NOx法に基づく対応というのは、平成十二年を当面目途にして総量削減計画というものを当該都道府県において策定して、今鋭意取り組んで、今スタートしたばかりでございます。私ども、この総量削減計画を着実に実施して、低減に向かって努力していくということが最大の課題であると思います。  さらに、自動車については単体規制だけではなかなか思うように成果が上がらない。つまり、人の流れとか物の流れとか交通の構造といいますか、道路交通のシステム上の問題等、局所によっていろいろあると思います。そういうことももっと具体的にきちんと詰めなければいかぬというようなことで、七年度には、そういう環境保全の観点から見た道路交通対策というものについて専門家の意見も聞きながら検討していこうということで、予算もお願いしております。  いずれにしても、私どもとして今できることについては必要なことは着実にやらなければならないと思いますし、さらに、科学技術の進歩とか社会日常生活の変化等を踏まえて、生活環境の変化も踏まえて、的確な対応をすべく総合的に取り組んでまいりたいと考えております。
  41. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 昭和六十二年、そして平成五年、この衆議院環境委員会におきまして、この公健法の改正についていろいろ審議が行われたときの附帯決議の中に「主要幹線道路沿道等の局地的汚染については、その健康影響に関する科学的知見が十分でない現状にかんがみ、調査研究を早急に推進するとともに、必要に応じ、被害救済の方途を検討すること。」というのが、同じ附帯決議が二回決議をされているわけでございますし、こうした附帯決議、この環境委員会の意思というものをしっかり重視していただいて取り組んでいただきたい、このように思います。  ところで、この阪神大震災で、今までSOxを排出して公害健康被害の汚染負荷量賦課金を支払っていた企業、また、健康被害予防事業を実施するための予防協会に基金を拠出金として出していた企業は何件あるかについで伺いたいと思います。
  42. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 今回の地震に関係いたしまして国税の納付徴収の期限の延長が適用されている被災地がございますが、賦課金の関係で、私ども、先ほど御指摘いただきましたように、ばい煙施設等から補償予防協会が徴収しているわけでございますけれども、その工場、事業所数は二百五十カ所でございます。  それから、拠出の関係でございますが、同じく国税の納付徴収の期限の延長が適用される被災地における拠出事業所でございますが、三十カ所となっております。
  43. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 被害を受けられた工場で操業を中止、またいろいろ操業を縮小せざるを得ないところが多かったと思いますが、そういうところはこういう汚染負荷量賦課金とか拠出金というものを猶予するなり免除するなりが必要ではないか、このように思っておりますが、この点についていかがでしょう。
  44. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 御指摘の賦課金につきましては、これは法律によって定められているわけでございますが、国税徴収の例に倣いまして、個々の工場、事業所の被災状況等に応じまして一年ごとに納付を猶予できることになっておりまして、最大三年まで猶予が可能となっているところでございます。  私どもといたしましては、この仕組みを適用いたしまして、平成六年度の賦課金のうち今後納付期限が来るものがございますが、これだけではなく、平成七年度分の賦課金についても、個々の企業の被災の実態に応じまして納付を猶予することが可能でございまして、この仕組みを十分活用したいと考えております。  なお、拠出金の関係については、制度的に枠組みが違うわけでございますけれども、私どもとしては、この賦課金と同様な措置を講じたいと考えております。
  45. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 もう一度ちょっと阪神大震災について、最後締めくくりで伺っておきたいのですが、環境庁はこの大震災についで、一番最初にいつ調査隊を派遣されたのか、現地に行かれたのか、もう一回伺いたいと思います。
  46. 宮下国務大臣(宮下創平)

    宮下国務大臣 災害の発生後直ちに、二次災害の発生等を私は大変懸念をいたしまして、状況を当初の段階で把握をしておりましたけれども、とても踏み込める状況でもございませんでしたので、なるべく早期にということで、二十四日の日に準備をいたしまして六名の職員を派遣し調査に当たらせておりますが、同時に、二十二日から、これは自然公園の関係で収容の面等もございましたので、破損状況調査と同時に派遣をさせていただいております。そのほか、二十三日、二十六日から等々、何名かの方々を派遣し、私自身も現地に入りましてその状況の把握等もいたしたわけでございますが、その後引き続きモニタリング調査をやった、こういう状況でございます。
  47. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 今お話を伺いますと、一番早い方で二十二日、後二十三日、二十四日というふうに現地入りをなさったようでございますが、地震があったのは十七日でございます。私は、五日、六日、七日たって初めて現地入りをされたというのは環境庁としてはとても初動段階が遅かったのではないか、そのように思うのです。やはり、この長田区はケミカルシューズの製造工場がいっぱいあって、ゴムとか皮革製品、それぞれ有毒ガス等々、そういった発がん性の有毒ガスが発生しているんじゃないかという、そういういろいろな懸念もあったわけでございますので、私は、やはり環境庁としてももっと早くに、翌日なり翌々日なりにすぐさま環境汚染はないのかという対応というものが必要だったのではないか、このように思っておりますが、長官の御見解はいかがでしょうか。
  48. 宮下国務大臣(宮下創平)

    宮下国務大臣 委員のおっしゃるとおりだと存じます。ただし、あの状況では入り込んでも、そういう実態の環境面からのみの調査というわけになかなかまいらぬのではないか、そこで県と市に連絡をとらせましてその状況把握は即刻やるようにという指示をいたしまして、職員の派遣は二十二日からでありますが、それ以前にも情報収集その他連絡には十分当たらせておったところでございます。
  49. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 あの段階で現地入りは難しいということはあり得ないので、多くの人が即日また翌日に現地入りして本当に大変な救援活動を開始しているわけでございますし、現地の人たちは大変パニック状態で、やはりいかに水を確保するか、食糧を確保するかということで精いっぱいだったわけですから、環境まで手が回らない。それこそ私は、やはりこういう問題は環境庁が行って即座にやらなければ何にも手が打てないというのが現状ではないか、このように思っておりますが、今後これは大きな課題で、環境庁といたしましても、今後大きな災害が起きないことを願うばかりでございますが、何かあったときにはすぐ、環境汚染がどうかという段階でぜひ素早く予防のために行動をしていただきたい、このように要望をさせていただきたいと思っております。  ところで、公健法の予防事業の基金が平成六年度で五百億円を目標にしていたわけですが、平成六年度で積み上げの完了が見込まれているわけですが、拠出金とか出資金というのはやめるのでしょうか、伺っておきたいと思います。
  50. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 健康被害予防事業の基金の造成につきましては、平成五年度までに四百十六億円となっておりまして、平成六年度には予定の五百億円の基金が確保される見込みでございましで、各企業に拠出をいただいておるところでございます。したがいまして、先ほど申し上げたわけでございますけれども、今回の地震に関する被災地の企業についての猶予措置があるわけでございますが、これを除きましで、平成七年度以降、事業者から基金への拠出金は予定をしていないということでございます。
  51. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 大気汚染防止するためにさまざまな施策がこれから必要になってくると思います。と同時に、低公害車の導入、推進というものにこれから環境庁としてはもっともっと力を入れていかなければいけない、そのように思っておりますが、環境庁は間もなく低公害車の技術評価報告をまとめられるように伺っておりますが、どのような報告になるのか、伺いたいと思います。
  52. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 低公害車、御承知かと思いますけれども、今私ども、電気自動車、メタノール自動車、天然ガス自動車、ハイブリッド自動車、この四種類を大気汚染対策上低公害車として位置づけてその普及に努めているところでございますが、これらのいずれの車種も、現行といいますか、ガソリン車等の車に比べまして価格が高い、それから一充電当たりの走行距離が短いという問題はありますが、技術的な面については、私ども、以下の点について位置づけをしているところでございます。  電気自動車につきましては、軽自動車を中心に実用化されているところでございますが、大型のものにつきましては現在の電池の製造の実用化は非常に困難であると考えております。したがって、一回の充電で走行できるのは非常に距離が小さくなるという問題点があろうかと思います。  また、天然ガスにつきましては、排出ガス処理技術を除けば海外での実績がありますし、また、タクシーとして今普及しているLPG自動車のこの技術も応用できますので、技術上の課題というのはそれほどないのではないかと考えております。ただ、この天然ガスにつきましでも、一充てん距離というのは比較的短いという難点があろうかと思います。  それから、メタノール自動車につきましては、基本的には従来の内燃機関の技術が応用できるため、技術的にはほぼ問題はなかろうかと思いますが、しかし、メタノールそのものが持つ金属に対する腐食性等によりまして燃料系統が傷みやすいとか、あるいはメタノールが燃焼する過程でホルムアルデヒドという有害なものがそれなりに出るわけでございますが、そういう問題とか、それから、メタノールそのものは完全燃焼が必ずしもしない、一部未燃のメタノールが残るとか、そういうもので問題があろうかと思います。  それから、ハイブリッド自動車につきましては、これは電気とディーゼルエンジンを合体したものでございますが、基本的にはディーゼルエンジンを主体としたものであり、技術的な問題は比較的少ないのですが、そういうことで、今四つのものについては今のような、かなり総論的でございますが、そういうふうに評価しております。
  53. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 環境庁は、九五年度からこの低公害車の補助事業について、メタノール車の新規導入を補助金交付の対象から外す方針で自治体説明されているというような話をちょっと伺いましたけれども、これは事実かどうか、伺いたいと思います。
  54. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 そういう外す予定はございません。従来どおり補助の対象としていくことにしております。
  55. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 では、今後も低公害車、四種類あるわけですけれども環境庁としてはどの辺に重点を置こうとされているのか。順位というか、それぞれ目的が違うわけですからあれですが、環境庁としてはどういうふうに思っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
  56. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 先ほど四つの種類についで技術的な面について申し上げたのですが、それぞれについて特徴がございます。例えば電気自動車であれば、問題もあるわけですが、非常に、排出ガスがゼロだということで、いろいろな面ですぐれているわけでございますが、何しろ走行距離が伸びないというようなことで、こういう面については比較的短い距離を運搬するとか運ぶというものに適当ではないかと考えておりますし、一方、ハイブリッド自動車のようなものについては、電気とディーゼルの合体でございまして、頻繁にとまったり動いたりする場合に非常に有効になってくるというようなことで、市内の大型トラックとかバスとか、頻回にとまるような場合に非常に適当である。そういうことで、それぞれの低公害車が用途用途によって、価格の問題はちょっと別にしましても、特徴なり機能がございますので、それぞれの用途に応じた普及なり利用をしていただけるということで私どもはPRしているところでございます。
  57. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 環境庁としては、順位はもう全くないと。
  58. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 それはもう用途用途によって…
  59. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 全部同等、そういうことですか。
  60. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 そういうことでございます。
  61. 大野(由)委員(大野由利子)

    大野(由)委員 わかりました。  以上で終わります。ありがとうございます。
  62. 阿部委員長(阿部昭吾)

  63. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 私は、法案の個別、具体的な問題について伺ってまいりたいと思います。  まず、遺族補償費の支給について、現在まで確認された人数についてですけれども、いろいろあるようですが、私どもは十六名というふうに伺っておりますが、阪神大震災で亡くなられた認定患者方々、公健法による遺族補償費及び遺族補償一時金、これが支給されることになるのか、それとも災害救助法による災害弔慰金の対象になるのか、その辺についでまずお伺いをしたいと思います。
  64. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 今回の震災で亡くなられた方については、今御指摘になりましたが、災害救助法の関係の弔慰金は当然支給されるものと考えております。  ところで、公健法についてでございますが、公健法におきましては、遺族補償費等につきましては、被認定者が指定疾病によって死亡したときに遺族の請求に基づき支給されるわけでございますが、その際、交通事故指定疾病以外の原因によって死亡された方には支給されないこととなっております。  そこで、今回の地震の際亡くなられた方についてどうかということになるわけでございますが、これにはさまざまなケースがあろうかと現実的には考えられるわけでございますが、御遺族からその請求があった場合には、関係自治体におきまして、指定疾病に起因した死亡かどうかにつきまして個別に実施することとなっておりますが、個別の審査に当たりましては、でき得る限りの資料を収集するなどいたしまして、公害による健康被害の救済に遺漏なきを関係自治体指導してまいりたいと考えております。
  65. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 公害健康被害認定審査会が判断をするわけですけれども、今回の大震災のような特例の場合、地方の審査会だけでは判断が難しいだろうというふうに思います。国が一定の指針を出していく必要があるのじゃないかというふうに思います。  遺族補償の支給は、確かに法律の第二十九条で「指定疾病に起因して死亡したときは、死亡した被認定者の遺族の請求に基づきこと規定をしているわけですけれども、今回の大震災のような特例の場合、圧迫死とか窒息死とか焼死、こういう死に対して積極的な対応を示していく必要があるのじゃないかというふうに思います。神戸公害患者の会にお聞きしますと、三名の方はぜんそくの発作によって入院後亡くなられているということですけれども、あと残りの方々についてはよくわからないというような状況になっているようであります。  一九八八年の近鉄のトンネル火災の際には、窒息死した方に大阪の認定審査会が遺族補償費の給付を決定したことがあるようであります。これまで公害被害者に認定をされ補償給付されてきた方々が、被災で亡くなられて、一方は公健法による補償は受けられるけれども、一方は全く受けられない、先ほど言われたように、確かに災害救助法による災害弔慰金は受けられるかもしれないけれども、公健法の対象にはならないということになると、今まで苦しんでこられた方々が不測の事態で亡くなられで、その死因だけで差ができるというのはどうも不合理だというようなことを感じておられますし、また、私たちもこれは不合理だなというふうに思います。  大震災による特例措置を積極的に検討をされるように望みたいと思いますけれども、その辺、改めて伺いたいと思います。
  66. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 亡くなられた方への手当てにつきましては、それぞれの制度があるわけでございまして、制度の趣旨に沿って支給されるべきものと考えでいるわけでございますが、先ほど御指摘になりましたように、具体的なケースがどのようなものであるかにつきましては、神戸市を初め関係自治体において御判断されることでございますけれども対応に困難な、判断がつきにくいというような場合には、私ども相談に乗っで適切な対応を指示いたしたいと考えでおるところでございます。
  67. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 大臣、ちょっとその点について、地方自治体が判断が困難な場合ということだけではなくて、やはり今回の大震災で亡くなられた方や被災された方々、本当に大変な思いをされているわけですね。そういう状況ですので、積極的にそういう方々対応していかれるというような姿勢を環境庁としても何らかの形でお示しをされる、そういう方向をぜひ検討していただきたいというふうに思うのですけれども、大臣のその面についてのお考えをちょっと伺わせていただきたいと思います。
  68. 宮下国務大臣(宮下創平)

    宮下国務大臣 公健法二十九条の問題もございますから、その法律の枠外の措置というわけには、法律改正しないとできないと思いますね。しかし、制限的、抑制的にしないで、なるべくその実態を見ながら、こういう事態でもございますから、その法の趣旨から逸脱しない範囲内でできる限りの配慮はすべきものだというように私は考えております。
  69. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 このようなケースなのですけれども阪神大震災の場合だけではなくて、長年にわたって公害被害者として認定をされ補償給付を受けてこられた患者が、たまたま死亡時にその発作による心肺不全以外の死亡、例えば心不全だった場合は全く補償されないということであります。また、指定疾病の起因の度合いによって大幅に減額をされる、こういうケースがあるわけです。さらに、かかりつけの医療機関あるいは医師であれば死亡診断の際に指定疾病に起因するものかどうかということがわかるわけですけれども、全く初めての医療機関の場合には、心肺不全を心不全というふうに判断してしまう、こういうことがあるようです。そのときは、遺族の方から認定患者であったことを知らせるということですけれども、知らせがない場合にはそのまま心不全ということで処理をされ遺族補償が支給されないということになってしまいます。都道府県の公害健康被害認定審査会も、医療機関の書類によって審査をするということ、これは当然のことでありますけれども、そういうことですので、死亡診断の際の判断というのは非常に重要になってきているわけです。  長年にわたって公害被害者に認定されていた患者、この方が死亡した際には適切に判断される、そして遺族補償が受けられる、こういうような改善をきちんと検討をしていくべきだというふうに思いますけれども、その点についてお考えを伺いたいと思います。
  70. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 遺族補償費等の支給に当たりましては、審査会においで当該疾病が起因しているかどうかを判断するわけでございますけれども、その際には主治医からの診断書もつけられるわけでございます。  それから、心不全ということで離れるケースがあるのではないかという御指摘でございますけれども、そういう際にも、心不全が何によって起こったか、場合によってぜんそく等によって心不全を起こすことがあるわけでございますから、そういうこともきちんと調べた上で認定審査会で審査がされているというように考えております。
  71. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 次に、療養手当の問題です。  現在、診察、薬剤または治療を受けている認定患者は、その症状の程度に応じて療養手当が支給されているわけですが、その療養手当の支給を受けるためには、一カ月に四回以上の通院が必要です。今回の阪神大震災被災をされ、通常のような通院ができなかった認定患者がかなりおられるというふうに伺っているわけですが、これらの方々には弾力的な運用が図られる必要があると思いますけれども、その点について伺います。
  72. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 御指摘がございました療養手当につきましては、通院の場合は一カ月に四日以上通院されるということが要件となっておりますので、この要件を満たさない場合には療養手当が支給されないということになるわけでございます。  なお、今回の被災に関係してでございますけれども、当然、病院等にかかれない、行きたくても行けないということも想定されるわけでございます。これにつきましては、従来から往診を通院日数にカウントするなど弾力的な運用も行ってきたところでございますが、今回の場合でも、避難所に救護所等がかなり設けられているという状況下にございますので、救護所で指定疾病に関する医療を受けた場合も考慮するというようなことで、認定患者さん方の救済ということについては万全を期してまいりたいと考えております。
  73. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 この問題も、実は阪神大震災被災者だけの問題ではなくて、例えば東京の公害患者会の方からお聞きしますと、通常病院に行くと十四日分の薬が出るということで、月に二回の通院で済んでしまうというのが実態だと。また、自宅で吸入をやっていて一カ月に二回しか通院しない患者もおられる、あるいは副作用に耐えながらステロイドを使用して、発作を起こさないように自己管理をして、やはりこの場合も一カ月二回しか通院しない、あるいは重症になって、寝たきりになって通院できない、こういうさまざまな実態になっているといいます。  しかし、通院三回以下は療養手当が支給をされないということになっているわけで、療養手当の支給要件についても、実態に見合ったものにしでいく必要があるのではないかというふうに思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
  74. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 ただいまのお話につきましては、私ども患者会等からそのような要望をお聞きしているところでございます。  現在のところ、先ほど申し上げましたように、月四日以上通院するということになっておるわけでございますけれども、治療法の進歩でありますとか、あるいは在宅医療が最近特に重視をされているという状況下にもございますので、そのようなことも踏まえまして、今後認定患者さんの通院状態の実態等も十分把握をさせていただきまして、勉強をしてまいりたいと考えております。
  75. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 病院も大変込み合っておりますので、なかなか患者さんが月に四回行くというのが厳しい状況にもありますし、今も言われたように、いろいろ治療法の改良もあるわけですから、見直す場合は、できるだけ早くその点をやっていただきたいというふうに思います。  次に、公害被害者対策として緊急通報装置を設置してほしい、これが非常に切実な問題として寄せられでいます。東京の区役所では、身障者やひとり暮らしのお年寄りに、要望があれば緊急通報装置を設置をしているわけです。別に東京の区役所だけではなくて、全国的にそういうふうにしている市町村もあるわけですけれども公害認定患者について、特に夜中などに発作が起こった場合、大変危険な状態になります。要望があれば、緊急通報システム、これを国としても検討していく必要があるのじゃないかというふうに思いますけれども、この点についてのお考えを伺います。
  76. 野村(瞭)政府委員(野村瞭)

    野村(瞭)政府委員 先生の御指摘は、ひとり住まい、あるいは介護の方が夜間におられないとか、そういう場合を想定されているというように私ども理解しているわけでございますが、現在、御指摘もございましたが、地方公共団体の中には、高齢者等の生活不安を取り除くことを目的といたしまして、ひとり暮らしの老人等の世帯に通信機器連絡装置等を設置いたしまして、病気、発作等が起こったときに緊急に対応できるようなシステムを実施しているところがあることは承知をしておるわけでございます。  そこで、ぜんそく等の認定患者さんについて、これらのシステムの対象とするかどうかということにつきましては、各自治体においで地域の実情に応じて各種の、ほかにも在宅の同じような患者さんあるいは障害者の方がおられるわけですから、そういう新制度の中で基本的に自治体で検討されるべきものと考えております。  国としてどうかということだろうと思いますけれども、私どもとしては、公健法独自で緊急連絡網を整備するということは困難と考えておりますけれども、高齢の認定患者さんの保護の充実を図っていくということは、これまでも私どもやってきておりますし、重要な課題と考えておりまして、今後とも関係自治体の意見も聞きながら、勉強させていただきたいと考えております。
  77. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 次に、大気汚染対策について伺いますが、先ほども議論があったところですけれども、昨年十二月に公表された環境庁大気測定調査結果を見ますと、ぜんそくなど慢性呼吸器疾患の原因として注目をされている浮遊粒子状物質、SPMが首都圏に集中して発生しています。これは、先ほども環境庁としても指摘をされたところであります。  環境基準を超えていたのが一般局で四一・七%、自排局で五九・五%に達しています。このほかり方自身もどうなのかというのもいろいろあると思いますけれども、いずれにしても、現状調査結果でもこういう水準に達している。ワーストテンを見ると、一般局では埼玉、千葉の二県、自排局では埼玉、神奈川、東京の三都県のみに集中をしているわけです。SPMが都心周辺部で多く確認されているわけですが、現行の自動車の排ガスや工場のばい煙に対する規制方法だけではSPM汚染は改善をしないというふうに思いますけれども、その点について環境庁のお考えを伺いたいと思います。
  78. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 浮遊粒子状物質対策について言いますと、従来から大気汚染防止法に基づいて、工場、事業場からのばいじん、粉じん、それからディーゼル自動車からの粒子状物質について排出規制を実施してきているところでございますが、御指摘のように、なかなか環境基準の達成状況がよろしくないということでございますが、この粒子状物質の原因物質としては、ばいじんや粉じん等の一次粒子に加えまして、工場、事業場の煙突や自動車から排出されますがスに含まれる硫黄酸化物、窒素酸化物等が大気中で複雑な化学変化を起こしまして、粒子化して生成される、いわゆる二次粒子というものが出でくるわけでございますし、そのほかにも自然起因のものも含まれております。したがって、この粒子状物質にかかわる大気環境濃度を改善するには、どうしても一次粒子に加えまして二次粒子対策というのが非常に重要だと考えておりまして、環境庁におきましては、現在特にその汚染が著しい関東とか関西の関係地方公共団体の連携協力を得、また専門家の御指導も得ながら、二次粒子の生成実態を含む浮遊粒子状物質による大気汚染の機構の解明、汚染予測手法の開発等の調査研究を六年度から開始しているところでございまして、私どもはこれらの検討結果を踏まえて、今後総合的な対策を推進したいと考えております。
  79. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 今お話があるように、SPMのうち一割から三割を占めると言われ、硫酸塩や硝酸塩などが空気中で反応しで発生する二次粒子の問題で、これが対象になっていないということが大変大きな問題でございます。アンモニウム塩の規制を急ぐ必要がある、こういう専門家指摘もございます。  この二次粒子などの新たな問題について規制対象にすることなど具体的な対策が必要だというふうに思いますけれども、何か七月にも専門家による総合対策検討会を設置をするというふうに伺っているのですけれども、その点はいかがなのでしょうか。
  80. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 先ほど申し上げましたように、これらの問題については非常に科学的、専門的にも十分検討していかなければいかぬ、あるいは汚染地の、厳しいところの実情も十分参考にしながら研究しなければいかぬということで、六年度の予算で検討を今開始をしたところでございます。もう既に六年度から研究、検討の開始をしているところでございます。
  81. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 そうすると、検討結果がいつごろまでに出て、どういうスケジュールでやるかなどということについても、ある一定のお考えがあるのでしょうか。
  82. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 失礼しました、七年度予算案です。七年度予算案に今お願いしておるところでございまして、七年度から研究会を発足させ、開始する。  これは最前もちょっと申し上げましたように、いろいろな二次粒子の要因なりその変化の過程とか大変難しい要素がたくさん含まれておりまして、私どもは、短期的に対応、検討できるものと中長期的に対応できるものに分けながら、短期的に答えの出るものはできるだけ早期に出し、中長期を要するものについては十分時間をかけて検討をして結論を出していきたい。したがって、今直ちに具体的に何年ごろというのはまだ申し上げる段階には至っておりません。
  83. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 次に、ちょっと話題を変えますけれども、全日本運輸一般労働組合トラック部会は、トラック労働者と国民の健康を守ろうという提言を発表しで、自動車排気ガスの実態調査をもとに対策の抜本的強化を求めています。全国約一千五百カ所での実態調査を測定場所の汚染度でいろいろ見ているわけですけれども、運転席が最高が〇・三九八ppm、それから最低でも〇・〇四八ppm。二割強がいわゆる環境基準を超えている。それから、ターミナルが最高で四・七八二ppm、最低で〇・〇八九ppmと、約四割が環境基準を超えでいる、こういう状況になっています。とりわけターミナルや営業所構内の汚染度、これは渋滞している道路わきや交差点並みの汚染という深刻なものになっているということです。  運輸一般では、この実態調査に基づいて、トラックの総量の規制、あるいは低公害車を普及して軽油の良質化をしてほしい、あるいは中小零細事業者への助成強化、さまざまな提言を行っているわけですけれども、とりわけ排ガスによる公害から住民と運輸労働者の健康を守るため、そのターミナル等の環境改善、そういう対策をとる必要があるだろうというふうに思っています。  ターミナルの汚染実態を個別具体的に調査をして、そして労働者の労働環境を守る、あるいは健康被害を防ぐ、そういう対策をとるべきだと思いますけれども、労働省、環境庁、それぞれお伺いしたいと思います。
  84. 尾添説明員(尾添博)

    ○尾添説明員 御説明申し上げます。  一般的に、酸化窒素、NOxの有害性が指摘されているところは承知しているところでございますけれども、現在のところ、トラックターミナルにおける排ガスのNOxによる労働災害が発生しているというふうには私どもとしては承知をしてないところであります。しかし、労働省といたしましては、労働者の健康の確保という観点から、化学物質等その他の有害要因に係るいろいろな情報につきましては、必要に応じまして収集に努めているところでございます。このトラックターミナルの作業環境の情報につきましても、同様なことで収集に努めてまいりたいというふうに思っております。
  85. 大澤政府委員(大澤進)

    大澤政府委員 トラックターミナルの問題でございますが、この周辺の大気環境につきましては、御承知のように、全国自治体においてこれまで調査地点を決めて測定したデータが多数あるわけでございますが、私どもこれまでこのトラックターミナルに注目して必ずしもこれを細かく分析してこなかったという点がございますので、これらのデータを今後十分調査検討し、またさらに、今後自治体とも連携をとりながら、トラックターミナルの周辺の大気環境状況についても調査、監視の観点から的確に対応してまいりたいと考えております。
  86. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 最後に大臣にお伺いしたいと思います。  東京都内の公害認定患者数は、去年の十月には国の公健法認定患者三万一千二百九人、都条例の指定患者が三万九千四百十二人、合わせで七万人を超えました。総数としては七万五十二人であります。国の認定患者数は、公健法を改悪した八八年当時四万三千五百八十四人、九四年の十一月にはその患者数が三万一千二百九人に激減をしているのですが、東京都の認定患者数は八八年の一万八千八百二十二人が九四年十一月には三万九千四百十九人に急増しています。つまり、東京都の場合、この制度が始まった一九七八年から八八年の十年間で東京都の患者数は一・七二倍なのですが、これが八八年から九四年、この六年間で二・〇九倍になっている、そういうふうに東京都の患者が非常にふえているわけでありますが、一方、新しく認定しない国の患者数はうんと減っでいるということになっているわけです。十八歳を超えたことによって、東京都では十八歳まででありますから、年間六百人から七百人の公害患者が補助を打ち切られる、こういう状況になっているわけです。御承知のように、三大都市圏の環境汚染状況というのはこの十年間年々ひどくなっていて、何とか減らしますといってもふえる一方であるわけですね。そういう中で、患者が確実にふえていっている、こういう実態を本当に深刻に考えていかないと、新しい対策というのが打ち出されていかないというふうに私は思います。  先ほども議論がありましたけれども指定地域を解除しましたがひどい実態があれば新たに指定をしていく、こういうことがあるのだということを、この国会でも当時の総理大臣が答弁されておられるわけですから、積極的に実態調査をして、必要があればまた地域指定をしていくというようなことをされる必要があると思うのですが、この点、最後に大臣のお考えを伺わせていただきたいと思います。
  87. 宮下国務大臣(宮下創平)

    宮下国務大臣 窒素酸化物大気汚染等は、今御指摘のように、大都市中心にしてなおそう改善されていないということは私ども深刻に受けとめております。ただし、第一種地域の再指定をやるかどうかという問題は、これは当時の中曽根総理の御答弁のようでございますが、私はそれは基本的にはそのとおりだと思います。そういう状況が現出すれば当然地域的に指定をせざるを得ないと思いますが、今のところはその必要性がないというふうに私は判断をいたしておりますけれども、なお調査研究をして、委員の御指摘のような実態にあるかどうか、また窒素酸化物と病症との関係等、これも調査研究を進めていかなければならないと思っております。
  88. 岩佐委員(岩佐恵美)

    岩佐委員 終わります。
  89. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  90. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の皆さんの起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  91. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  92. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 次に、ただいま議決いたしました本案に対し、山口俊一君、石破茂君、竹内猛君、宇佐美登君及び岩佐恵美君から附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。石破茂君。
  93. 石破委員(石破茂)

    ○石破委員 私は、ただいま議決されました公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一 阪神・淡路大震災被災した被認定者が補償給付等を適切に受けられるよう、更新手続の周知徹底医療機関等関係者への指導等を行うこと。  二 環境モニタリング調査により、阪神・淡路大震災に伴う環境汚染状況の的確な把握を行うとともに、大震災により損壊した環境測定機器の早急な復旧整備を図ること。  三 阪神・淡路大震災復興に当たって、環境に影響を及ぼさないよう、事業者への指導、住民への啓発等適切な環境汚染防止対策を講じ、地域住民の健康を守ること。  四 被認定者に対する認定更新に当たっては、その保護に欠くことのないよう配慮するとともに、治癒によって制度を離脱した者についても、フォローアップに努めること。  五 主要幹線道路沿道等の局地的汚染については、その健康影響に関する科学的知見が十分でない現状にかんがみ、調査研究を一層推進するとともに、必要に応じ、被害救済の方途を検討すること。  六 大都市地域における窒素酸化物、浮遊粒子状物質等による複合的大気汚染については、地方公共団体から指摘されている状況を見ても改善は大幅に遅れており、早急に環境基準の達成を図るため、大気汚染防止対策を一層強化すること。  七 大気汚染の発生源として近年、自動車等の移動発生源がその寄与度を高めていることから、自動車による大気汚染改善するための総合的な自動車公害対策を推進すること。以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
  94. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の皆さんの起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  95. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。宮下環境庁長官
  96. 宮下国務大臣(宮下創平)

    宮下国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。     —————————————
  97. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  99. 阿部委員長(阿部昭吾)

    阿部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十六分散会