○松田
委員 いや、報道があっなかなかったかじゃなくて、実際に一体何を
お話しなさってきたのか、外務省の報告書を、メモをいただいても書いてないということを申し上げているのです。後で、いやこういうことを言ってきました、こういうことが出ました、何かありましたかね。ないですね。
さて、では個別の案件についていろいろ御
議論があった。それはいろいろ報道されています。そこで、じゃその個別の案件について
いろいろ議論したがどうだったのかな。先ほど
G7での武村大蔵大ほの
お話をいたしましたが、この中国についてもまた村山総理大臣の対応の仕方というものがいかにも不徹底、中国側に対していろいろ言っていただきたいことを思う存分、言っていただいていないところか、中国側に言っても中国側はこちらの言い分を余り聞いていてくれない、逆にこちらには中国側の言いたいことをどんどん言ってきておられる、こういう印象を持って受けとめさせていただく結果ではなかったか。
日中間に
考え方の違いがあるのは当然であります。
考え方の違いがあるなら、それをしっかりとこちらの
考え方を強く受けとめさせてくる。また、向こうの
考え方とこっちの
考え方が違う場合に、私
たちの
考え方ではこうですよということをしっかり申し上げてきていただく。向こうの
考え方が間違っていると思う場合には、あなた方の
考え方はこういうことで間違っていますよということをしっかり言っていただく、これがせっかく両首脳が会われたときの当然の行き方でありますが、そういう目で見ましても、今回の総理訪中というものは実にいいかげんなものであったのではないかな。最初にこんなことを言ってはいけませんが、一、二見させていただきますと。
北朝鮮の核疑惑問題へどう一緒になって対応していくのか。その点について
日本としては今一生懸命
アメリカ、韓国と
協力する中でやっております。このことはきょうは時間がありませんのでお聞きしませんが、大変な
関心を持って我々見守っておるわけです。中国はどうだ、一緒に入れと言ったら入らない、我々は
立場が違う、役割があればやらさせていただきますとただ言っている、それで終わりと。何とも私からすれば中途半端なことだな。中国に対して一体どんな御
協力をしていただくように申し上げ、そして中国がどういう約束をなさったのか。
一つ一つ聞きますと時間があれですから、全部内し上げまして、後で一括してお答えをいただきたいと思うのです。
先ほど、大臣が言われました円借款の債務負担増問題。今度正式に中国首脳が
日本側に、急速な円高で円借款の返済負担が膨らんでいることについて対策を求めた。これは正式に求めたのは今度が初めてだと、新聞によればそう書いてありますが、そういうことでしょうか。これに対して村山首相は何と述べられたのか、これも新聞報道です。「円高は
日本経済に甚大な
影響を及ぼしており、為替安定に
努力している」と述べた。これはわかりません、新聞報道ですから。ただ、それだけなのかな。しかし考えてみれば、先ほど申しましたとおりです。
私
どもドル高になったからといったって、ドルの返済、
日本の経済が弱かったときには、ドルが上がっていくということもあった、あるいは世界の国であちこちで為替レートが変わる、そのときに一々、レートが変わったから変わった分損したよ、何とかしろなんという話は私は今まで聞いたことがない。逆に、円の価値が上がってきたということならば、どうぞひとつ円を思う存分お持ちください。さっき申しましたとおりです。しっかりとこれは、円が上がったから過去の返済分の負担がふえた、いや持っておられる円の価値は上がっているのですよ、今持っておられる円のことは棚に上げて、過去の返済分だけ何とかしろとおっしゃるのは理に合いませんよ。あるいはまた、もっと円を持ってくださいと言うならまだ話はわかりますが、
日本も為替安定に
努力しておるとだけ言って帰ってこられた。何か向こうに、また円の負担増があるからということを思わせたのかな。負担増じゃありません、これは。現に持っておられる円の価値は一方で上がっているわけですから。中国の、例えば準備通貨の中で一体円の割合はどれくらいあるのか、これは公表しておりませんからわかりませんが。というようなことを思えば、何もこんなことは事柄の性質上我々の方で負担すべきものではないと私は思っているわけであります。そんなことについて
議論された前もない。
核実験の禁止、もうこれはこの前から私は何遍も言っておりますが、中国側は九六年の
合意達成、この全面禁止、
条約についても
合意達成を念頭に置いておる、わかった、すぐやろうなどとは一
NPT、これは今や一日二日の問題になってまいりました。今最後の御
努力をなさっておられる。時間がなくなりましたので、これも質問から除きますが、
日本は大変な
努力を今なさっておられる。何とかひとつ、唯一の被爆国としてNPT無期限延長ということで全会一致で通そうと大変な
努力をなさっておられることをかいま見ながら、この点はよく頑張っておられるかな、しかし、まだやることがないかということを聞きたかったんですが、それは今
お話ししたことによって質問にかえます。
このNPTについても、中国は順調な延長を支持するなんというようなことで、一体どっちなんですか、あなたは。もうあす、あさって決まるというようなことについてさえ中国はそんな言い方である。それを聞いたまま帰ってきておられる。
核実験の禁止については、すぐやめてください、いやいや、まあまあ、こういうことだ。従来の態度を繰り返すばかりであった。一体何をやられているのか。
日本の主張の矛先をていよくかわされてきただけだったというのが事実のようであります。事実でなければおっしゃってください。
中国の国防力、透明性を高めてください、もう何遍我々は言ってきたか。中国の国防力の、軍事費の増加がどれほどアジア・太平洋
地域の多くの
国々に脅威と不安を与えていることか、その中身をもっと透明にしてください、このこともこれまで何遍も訴えてまいりました。しかし、そのことについて一体どれほど強く総理は述べられたのか。どうも軍事費の増大については
懸念を直接述べられた気配がない、書類をどこをひっくり返してみても。透明性についてはあったようだが、軍事費の増大の
懸念については言及がなかった。何のことだと私には思える。
一方、
日本の軍国主義、これは新聞報道です。江沢民
国家主席が、戦争について、
日本国内に一部誤った見方をする人がいるが許されないと強調、李鵬首相も、軍国主義の存在を
指摘した上で、誤った傾向の抑制を
日本側に求めた、こういうふうにある。
しかし、考えてみれば、日中戦争の個々の史実や第二次大戦の性格をめぐって
日本国内に論争がある、歴史学者の間でもいろいろ
意見が違う。だからといって、
日本の軍国主義復活などということを言わしめておかせる、何のことだ。我々こうして最も民主主義の政治を実現し、我が
日本が軍国主義、そんなことになるなどとは私は夢にだって思わない、また、させるわけがない。こんなところで一人声を張り上げておってもしょうがないですけれ
ども、そう私は思っておる。皆さんもそうでしょう。なのに平気で、江沢民さんからも、李鵬さんからも、
日本に軍国主義復活のおそれありとか一部軍国主義がある。何のことだ。今日の我々の
日本の政治、社会構造から考えれば、そんな心配は一切要りませんとはっきり村山総理は言われたのかというと、言われたということも書いていない。
次の問題、中国の人権問題。人権問題は大事だ、
アメリカの友人に会うといつも言う。あなた方にとってはそれほど大事かと思うが、だんだん私も大事だと思うようになった。しかし、どうだった、今度。人民大会堂で開かれた李鵬首相主催の歓迎夕食会であいさつし、中国の人権問題について、これは新聞報道ですから、それぞれの国情があるが、人権は普遍的な問題なので中国も
努力してほしいと述べたにとどまった。人権問題については、この夕食会でのあいさつで言及しただけであった。まともな会談では一切言及しなかった。
まだたくさんあるんですけれ
ども、時間が来ましたので、この程度に私の気づいたことはとどめておきますが、日中前脳会談において、全体の、
日本と中国がアジア・太平洋の未来のために、世界の未来のために、一体何をなし遂げようかというメッセージも全く出なかった。一方、
日本と中国の間でいろいろしっかりと主張し合ってきていただきたいことについては、向こうに言われっ放し、こっちの言うことはまあちょろっと触れた程度か全然という
感じを今度の訪中で大変強く私は受けさせていただいたわけでありますが、今の見方について、どうですかなんて言うとまた時間がかかりますので、次に、
外務大臣の
クロアチア訪問に移らせていただくわけでありますが、後ほど一括して
外務大臣から御所見を賜りたく思うわけであります。
しかし、次のテーマに入ります前に、今の私が申しました総理の訪中について、それなりの成果もあったわけでありますけれ
ども、しかしもっと立派な訪中であってほしいと思う気持ちから、そういう目で、そういう気持ちで申し上げさせていただいたんですが、いかがでございますか。