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福田委員 日本の
環境問題に対する
取り組み姿勢ということで、
一つの例として申し上げたわけでありますけれども、
日本は
環境問題については相当の努力をしているということは認めてもいいと思うのです。しかし、
ドイツなんかで
環境問題への
取り組み、これはかなり真剣なものがあるわけであります。
例えば、こういうことが最近ありました。
ドイツの
自動車工業連盟というのがありまして、その
連盟と
ドイツ政府は二〇〇五年までに
国産乗用車の燃費を平均二五%
向上させる
方針で
合意をした、こういうことなんですね。その
合意に至る経過は、もしこの
合意を
自動車メーカーの
工業連盟の方がのまなければ、その場合には
政府は業界に対して
特別課税をする、こういうふうに申し渡したわけです。その結果
メーカーの方も折れて、そして
政府の
方針をのんだ、こういうことなんでありますけれども、これは
政府の
環境問題に対するかなり強いリーダーシップというものがそういうところに見られるわけであります。私はそういうことを見ておりまして、
ドイツ政府はやはり本気でやっているな、こういうものを感じるわけであります。
実は今月ベルリンで
温暖化防止のための
気候変動枠組み条約、こういうものがございまして、CO2の
排出削減の
方向を打ち出そう、こういうふうなことが大きな
テーマだったのでありますけれども、この
会議において、
EUはそういう
排出削減の
方向を強く主張した。しかし
日本の場合には、
米国とかオーストラリアといったような
国々の意向を尊重しまして、実現不可能な
目標を掲げても無
意味であるというふうなことでもって
EUには同調しなかったというふうなことがあったわけであります。
ちょっと、
比較対照の
意味でそういう例を持ち出しましたけれども、
日本の
環境問題についても、本当に腹の据わった
方針というか、
実施の意欲を持つべきだろうというふうに私は思っています。
次に、一九九〇年の油による
汚染に係る
国際条約のことについて
お尋ねをいたします。
これはいわゆる
タンカー事故による
海洋の
汚染、沿岸の
汚染といったようなものの被害を極力とどめようというふうなことでもって国際的な
枠組みをつくろうということで、大変結構なことでございます。
石油そのものは、
世界の一次
エネルギーの四割を占めるというふうなことで、原子力とかほかの
エネルギーが増加しているにもかかわらず、その地位がなかなか変わらないというふうなことであります。この
石油を輸送する大宗が
タンカー輸送というふうなことでありまして、この
タンカーの
大型化ということとも相まって、一たび
事故を起こしますと大きな損害を与える、こういうことになるわけであります。古くは一九六七年のトリー・
キャニオン号というのが大変有名でございますけれども、最近ではスコットランドの
シェトランド諸島付近で起こった
フレアー号、また、その直後に
インドネシアの
スマトラ沖で
マースク・ナビゲーター号が
衝突事故を起こした、こういうことであります。
この
フレアー号の
座礁事故でもって九万五千キロリッターの
原油が流出をいたしました。これは、ちょうど九二年に
地球サミットが行われたというふうなことで、
世界の
環境に対する意識が非常に高まったときでありまして、そういう
事故のために
欧州各国は
大変衝撃を受けまして、早速いろいろなことをやったのですけれども、しかし、そういう
防止策をいろいろ
提案してみたものの、それが
実行に移されるというふうなところまでどうも行っていないような感じがするのです。なかなか難しい問題のようでございます。幸いにして最近はこの二年ほど大きな
事故がないというふうなこともあって
実施規則等がつくられていないのだというふうにも思いますけれども、そんなふうなことで、例えば
ダブルハル、二重船体ですね、これを早期導入しようとか、
タンカーの古いものは使わない、そういうふうなことをその際いろいろ提議をして、そしてこのことは
IMOでもいろいろ検討したというふうに言われておるわけであります。
IMOはそのときから今に至るまでどういうふうなことをしてきたのか、今現在
IMOで決定した
安全対策、これがございますか、もしありますれば、答弁してください。