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河野国務大臣 コズイレフ外相とは、今
議員御指摘のようにこの半年間ぐらいの間に三回ほどお目にかかってはおりますが、テーブルを挟んでじっくり話をしたということは初めてのことでございます。しかし一方、ロシアの
現状というものが、チェチェン問題というものがございまして、これはロシアの国内問題ではございますけれども、国内問題とはいえ人権上これは我々極めて強い懸念を持っている問題でございます。こうした問題を抱えてコズイレフ外相は訪日をされたわけでございまして、私としては、幾つか話し合わなければならない問題のうちの
一つはこのチェチェン問題だ。それは、チェチェンで一般市民を巻き込んだ戦闘状態が続いているということに対する懸念と同時に、ロシアの
政府がこうした問題解決のために力をもってするという政策あるいは意思決定を行っているという
状況はロシアの民主化というものにどうもブレーキがかかる、あるいは逆の
状況に行っているのではないか。我々は、ロシアというものが
世界の中で、ロシアの民主化というものが進んでいくことは
世界の平和とか安定のために非常に意味があると
考えてロシアの民主化に対して
支援をしているわけでございまして、もしその民主化に逆回転が起こるということであればこれは非常に問題だ、そういう
認識が
一つございます。
それから、日ロ二国間には、もうこれは言うまでもなく領土問題がございます。先ほどもちょっと御意見がありましたが、その領土問題の陰に
漁業問題もあるわけでございます。こうした二国間
関係についても十分話をしたい、こう思って臨んだわけでございます。
チェチェン問題にも相当時間をかけました。私は、OSCEの意思決定もあって、ロシアは平和的解決にもっとまじめに取り組んでもらいたい、もしロシアの政治というものが民主化と逆な
方向に行こうとするなら、我々は
支援できないということも申しました。それは、ただ単に我々の意思だけではなくて、恐らくG7はみんなそう思っているに違いないということも含めて申し上げまして、コズイレフ外相は、自分たちは民主化への
方向性を失ってはいないということをしきりに説明をされました。この説明について私は、態度で示してほしい、一日も早くチェチェンの問題を平和裏に解決をしてもらいたいということなどを申し上げたところでございます。
漁業の問題につきましては、
漁業の枠組み
交渉を十三、十四の二日間行おうということを決めさせていただいたわけでございますが、さらに四島
交流についても、その枠組みを拡大する
方向で、これは事務的に検討をしてほしいということなどを言いまして、相当
内容のある
議論が行えたと思っております。
残念ながら、領土問題が一遍で解決できるというわけにはまいりませんし、具体的に何が決まったかと言われれば、それはなかなか十分なことではありませんが、
両国の外相が忌憚のない
話し合いが十分できだということは次へ向かっての大きなステップではなかったか、こんなふうに思っております。