○荒井(聰)
委員 そのとおりでございますね。最近の自治省の方針も、国際
交流センターを積極的につくっていくとか、あるいは地方自治体の職員を国の派遣法に準じた扱いで積極的に技術協力などで海外に派遣しようということをサポートしていこうという
体制がとられでいるように
思います。また、この
方向は自治省を中心に
政府全体として後押しをしていただけるようにお
願いをいたします。
ところで、私も
サハリンに行って、初めて四島の
人たち、四島のリーダー的な
人たちと話し合いをしたわけですけれ
ども、
最初、彼らは大変な危機感というかあるいは警戒感で私に接したわけですね。しかし、話を進めていくに従って、ああ
日本人というのは全部ウルトラコンサーバティブな男だけじゃないのだな、おまえみたいに親しいのも
日本にはいるのだなという話をされました。随分四島の
人たちは
北海道の人やあるいは
日本人というものを誤解しているのだなという
思いをいたしました。
また、四島の
人たちが
ビザなし
交流でたまたま札幌を訪ねたときに、私のところに来ました。そして、彼が歌を歌って遊んでいったのですけれ
ども、そのときに、荒井の家を見せると言うものですから、いいよど見せました。そうしたら、一番
最初に台所へ入って、台所の冷蔵庫を開けまして、おまえのところは余り冷蔵庫に物が入ってないな、荒井は余りお金がないのだな、こう言いますから、いや野菜や肉は全部そこのスーパーマーケットにあるから何も買わなくていいのだ、そう言いましたら、そうがな、
ロシアだったら、おまえぐらいの役目柄だとこのぐらい大きな冷蔵庫の中にびっちり食べ物が入っているのだというような話をしておりました。
それから、青少年
交流で
向こうから小学生が参りました。小学生が来で、
日本のスーパーマーケットとかそういうところを見せて歩いたわけです。そうしましたら、その子供が帰るときに、
日本は、
北海道は、私たちのために大変丁寧な歓待をしてくれた、スーパーマーケットを見せてもらって、この
地域のすべての物資をそこに集めでくれるというような大変な歓待をしてくれたという誤解をしているのですね。
向こうの
地域がいかに物がないか。歓待というのは、物を集めて、そこを見せてあげて、幾らでも買いなさいと言うことが最大の歓待だというふうに、小さな子供でさえも思っている。
そういうところの人が
日本に来たときに、自由
社会というのはこういう
社会なのか、
日本というのはこんなに自由な
社会なのかということを実感として島の
人たちが
感じ取るということは、これは今まで会話がなかっただけに、大変大きな効果があると思うのですね。
ですから、今
ビザなし
交流で、
向こうの
人たちが千人ぐらいと言っておりますけれ
ども、島のすべての
人たちに
ビザなし
交流で
北海道あるいは東京を見せてあげる、
日本人との間の
交流をさせてあげる、あるいは
子供たち同士で
交流をするということを進めていく、そういう地道な活動が最も効果があるし、また一番早い近道ではないかなというふうに私は思っている次第でございます。
ところで、私も
ビザなし
交流の実務を体験した観点から少し御
指摘させていただきますと、まず
ビザなし
交流を進める上で一番問題になりましたのが、四島から受け入れるときの交通機関というものが
向こうでは非常にないというのですね。第一回目のときは、今もそうかもしれませんけれ
ども、三十人から四十人運んでくるのに一万トンクラスの船を
サハリンからわざわざ回航してきて、それを使ってあの目の前の島から根室に着いた、そういうことをやっているわけです。
それから、
北海道の方でもまたそういう交通機関が非常になくて、小さなある民間の船をわざわざ東京から回航しで島へ行く。回航賃の方がうんと高いという
状況があるわけですね。
外務省は随分人道援助をされております。この四島に対する人道援助の中に適当な船、千トン未満の船で十分だと思うのです、あるいは中古船で十分だと思うのです、貨物船でも結構だと
思います、そういう船を先方に援助物資として与えて、それを使って
交流事業を進めていくということを考える時期に来ているのではないだろうかというふうに私は
思います。それが第一点でございます。
それから第二点目が、これはこちら側から行く場合の問題点なのですけれ
ども、こちら側から行く場合に、やはり
日本人の
生活レベルが上がっているものですから、トイレがないとかあるいは水道がないといったようなところでは、なかなか宿泊ができません。
向こうの
人たちは一生懸命民宿を勧めてくれて、ホームステイを勧めてくれるのですけれ
ども、なかなかそれがうまくいかないという例もございます。そのために、
日本はそろそろ
向こうに
交流のための施設を、これも援助の一環として施設をつくっていく、そういう時代に来たのではないだろうか、それが
交流事業を進めることにも、拡大をすることにもつながっていくのではないかというふうに思っております。このあたり、両
大臣、いかがでございましょうか。