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北橋委員 日本の
国民の皆さんというのは、戦後いろいろな政変というのがありましたけれ
ども、ここまで大国になってきたのはやはり霞が関の人材が非常に優秀だ、こういう率直な思いがあるのだろうと思います。そういった意味で、今回の震災につきましても、初動態勢の立ちおくれにつきましては種々議論があったわけでございますが、私は、
運輸省あるいは自衛隊におきましても法令の範囲内におきましてぎりぎり最善の
努力をされたのではないか、そのように率直に評価をさせていただいている一人でございます。問題は、今回五千人を超える亡くなられた方が出たわけでございますけれ
ども、そういった大惨事を振り返るときに、やはり政治家のあり方ということが問われているのではないかと思うわけです。
くどくどと申し上げる気持ちはございませんが、総理が、何しろ初めてのことなので、何しろ早朝のことなのでという御発言をされました。しかしながら、私も友人や先輩の多くを失った一人といたしまして、こういった総理の発言には甚だ納得ができないわけであります。といいますのも、
アメリカのロサンゼルス大地震のときには神戸よりも一時間以上も早く起こっているわけです。しかも、早朝に起こったにもかかわらず、クリントン大統領は直ちに
アメリカの
国土庁に当たる行政機関と
連絡をとりまして、州知事に対しまして全面的な
支援態勢をとるように要請をされたと伝えられております。そのように、
アメリカの場合は、早朝であり、クリントンも初めてだったと思いますけれ
ども、それだけの態勢をとったわけであります。
ところが、
日本の場合はどうかといいますと、官邸にお入りになられたのが八時半ごろ、そこで最初にやられたことは経済
対策閣僚
会議でございます。これには
運輸大臣もお出になられたと思いますけれ
ども、重要な行事であることは
承知しておりますけれ
ども、果たしてそこでそのような経済
対策全般を論ずる余裕があったのだろうか。しかもその後地球
環境懇話会や、あるいは著名な文化人にお会いになる、あるいは政党人にお会いになる、このような決められた日程に従って総理は動いているわけです。この間、
運輸省につきましてはできる限りの
努力をどんどんされたと思うわけでございますが、その霞が関の
努力と反して、果たして永田町の情勢はどうだったのだろうか、そのことはやはり私
どもは決して忘れてはならない重要な反省事項ではないか、このように思っております。
また、救助犬が来る際あるいは海外の医師が
日本に来る場合にも、最初は御遠慮申し上げたり、
検討させてくれと申し上げたり、あるいは縮小して入国していただきたい、こういったことをやっておりまして、海外からは大変に厳しい論調というものが次々と寄せられました。そういった意味におきまして、霞が関の迅速な対応と反しまして永田町の村山政権自体にはやはり大変大きな問題点があったのではないかと私は感じております。それについて
大臣の見解をここで改めてということではございませんが、そういった意味では、今後、震災地の
復旧に際しまして、我々立法府の立場からも、あるいは
政府の立場からも相当程度の思い切ったことを続けなければならないのではないか、こう思っております。
過去において総理の一日の行事がどうであったかを論じてみても、亡くなられた
方々はもう一遍生まれ変わりはしないわけでございます。そういった意味におきまして、今回、例えば税について見ますと、
大蔵省の主税局あるいは
自治省税務局におきまして鋭意震災
対策をやっていただきました。特に私は大蔵
関係の方を新進党でやっておりました
関係で、まさに本当に驚くような、清水の舞台から飛びおりるような、過去の
通常の議論では到底実現できないような税制を実現したわけであります。その点は私も大蔵
委員会で議論したことがありますが、主計局で、例えば民間
バースの救済につきましては四〇%を開銀融資で見る、これも相当程度踏み込んだことだ、私有財産であるにもかかわらず、そこまでやることは異例のことなのだというやりとりがございました。私は、主税局、税務当局が決断した内容からいたしますと、主計局サイドでの議論というのはまだまだ不十分ではなかったか、こう思っております。
そこで、この件につきましては事前に文書でお届けしておりませんけれ
ども、要望ということで、もし御意見があれば後ほど御見解を聞かせていただければ幸いでございます。
今回、
運輸省がいろいろな
取り組みをされた中で、官民共同で民間
バースも
復興していくという発想をされました。これは私は率直に、この記事を見ましたときに、非常にいい知恵をお出しになられたと思いました。これはぜひ実施していってほしいのであります。
ただ、鉄鋼なんかの民間埠頭につきましては、あそこは
日本の鉄鋼業の中でも有力な
地域でございますけれ
ども、官民共同で
復興する場合には一定部分を公共の用に供しないとだめだという条件があるそうでございます。あくまでも私有財産でございますから、その条件がつくことはわかるのでありますが、そのためにそういった公道部分を設けようとしましても、やはり鉄鋼は大変危険な荷揚げ
作業を伴いますので、とてもそういう余裕がとれないのだそうであります。結局、現地の鉄鋼業を初め、さまざまなそういった業種につきましては自助
努力で、四〇%の開銀融資で対応していくということでございます。
これにつきましては、もう既に対応が一応決まっておりますので、ここで蒸し返してみても新たな答弁は出ないと思いますけれ
ども、過去におきまして、初動態勢においていろいろな問題があったわけでございますので、ぜひともこういった問題につきましても引き続き、
大臣はこの民間
バースにつきましても相当熱心に取り組んで、
運輸省に指示をして
対策をまとめていただいたと聞いておりますけれ
ども、なお残っております。私有財産であるがゆえに融資しか受けられない、こういったものにつきましても、今後、大変厳しいリストラ、不況の中で
努力をしておりますので、ぜひとも注目をしていただきまして、いろいろな機会に御援助をいただければ幸いだと思っております。