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1995-06-06 第132回国会 衆議院 運輸委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年六月六日(火曜日)     午前九時三十二分開議 出席委員   委員長 井上 一成君    理事 武部  勤君 理事 古屋 圭司君    理事 村田 吉隆君 理事 江崎 鐵磨君    理事 奥田 敬和君 理事 高木 義明君    理事 緒方 克陽君       大島 理森君    亀井 善之君       橘 康太郎君    林  幹雄君       堀内 光雄君    村岡 兼造君       横内 正明君    石井 啓一君       北橋 健治君    古賀 敬章君       坂本 剛二君   柴野たいぞう君       須藤  浩君    樽床 伸二君       二階 俊博君    米田 建三君       赤松 広隆君    寺前  巖君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 亀井 静香君  出席政府委員         運輸政務次官  細谷 治通君         運輸大臣官房長 黒野 匡彦君         運輸省運輸政策         局長      豊田  実君         運輸省運輸政策         局観光部長   荒井 正吾君         運輸省海上交通         局長      平野 直樹君         運輸省海上技術         安全局長    小川 健兒君         運輸省海上技術         安全局船員部長 加藤  甫君         運輸省港湾局長 栢原 英郎君         運輸省航空局長 土坂 泰敏君  委員外出席者         大蔵省主税局税         制第三課長   伏見 泰治君         運輸大臣官房審         議官      金丸 純一君         運輸省自動車交         通局技術安全部         長       樋口 忠夫君         自治省行政局行         政課長     川村 仁弘君         自治省税務局固         定資産税課長  板倉 敏和君         運輸委員会調査         室長      小立  諦君     ――――――――――――― 委員の異動 六月六日  辞任         補欠選任   福留 泰蔵君     石井 啓一君   志位 和夫君     寺前  巖君 同日  辞任         補欠選任   石井 啓一君     福留 泰蔵君     ――――――――――――― 五月十六日  ハイヤー・タクシーの免許制認可制の堅持、  諸施策充実に関する請願早川勝紹介)(  第一〇一五号)  成田空港構内救急医療体制整備に関する請  願(北橋健治紹介)(第一〇七八号)  同(緒方克陽紹介)(第一〇九六号)  同(大島理森紹介)(第一〇九七号) 同月二十三日  成田空港構内救急医療体制整備に関する請  願(村田吉隆紹介)(第一一一四号) 同月三十日  成田空港構内救急医療体制整備に関する請  願(江崎鐵磨紹介)(第一五七一号)  同(衛藤晟一紹介)(第一五七二号)  同(緒方克陽紹介)(第一五七三号)  同(武部勤紹介)(第一五七四号)  同(中島武敏紹介)(第一五七五号)  同(村田吉隆紹介)(第一五七六号) 六月一日  新幹線並行在来線支援に関する請願(井出  正一君紹介)(第一七二九号)  成田空港構内救急医療体制整備に関する請  願(荒井聰紹介)(第一七七五号)  同(古屋圭司紹介)(第一七七六号) 同月六日  成田空港構内救急医療体制整備に関する請  願(古賀敬章紹介)(第一八五七号)  同(田中秀征紹介)(第一九七四号)  気象事業整備拡充に関する請願石田祝稔君  紹介)(第一九二〇号)  同(穀田恵二紹介)(第一九七五号)  同(寺前巖紹介)(第一九七六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 五月九日  九州における新幹線網建設促進に関する陳情  書  (第二一二号)  日豊本線の高速化複線化及び活性化促進に  関する陳情書  (第二一三号)  四国への新幹線鉄道導入に関する陳情書  (  第二一四号)  港湾整備促進に関する陳情書  (第  二一五号)  九州地方における国際空港建設に関する陳情  書  (第二一六号)  徳島・東京線の増便に関する陳情書  (第二一七号  )  新石垣空港宮良牧白紙撤回に関する陳情書  (第二一  八号)  気象事業整備拡充に関する陳情書  (第二  一九号)  地震予知体制等充実強化に関する陳情書  (第二二〇  号) 六月六日  地震観測予知体制強化等に関する陳情書  (第二九〇号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  陸運に関する件  海運に関する件  航空に関する件  港湾に関する件  観光に関する件      ――――◇―――――
  2. 井上一成

    井上委員長 これより会議を開きます。  陸運海運及び航空に関する件等について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。緒方克陽君。
  3. 緒方克陽

    緒方委員 きょうは、まず最初に、阪神淡路大震災は大変な被害でありましたが、運輸省としてもその復旧に向けて今全力を挙げて努力をされているというふうに承知しております。特に鉄道局などからは、事態の進展ごと被災地域不通区間及び復旧見込みということで逐次御連絡もいただいておりますが、まだかなりの線区で不通があるという状況でもありますし、港湾などはかなりまた時間もかかるという状況にあろうかと思います。  この阪神淡路大震災におきまして被害を受けた地域においては、一刻も早い復旧と、そして復興を力強く推進をしていくということが必要であろうと思いますが、運輸省が現在進められております復興支援考え方方策についてお示しをいただきたいと存じます。
  4. 細谷治通

    細谷政府委員 お答えいたします。  阪神淡路大震災による被害は、運輸関連だけでも、港湾鉄道を初めといたしまして大変甚大な被害となっておりまして、推定被害総額は約一兆六千六百二十億円に達すると考えております。この対策といたしまして、平成六年度第二次補正予算平成七年度第一次補正予算を通じまして、復旧復興対策全力を挙げてまいりました。その間、特別立法財政支援措置等を行ってきたわけでございます。  具体的に、港湾では、被害の大きかった神戸港で被災をいたしました公共岸壁百五十バースのうち、現在では百七バース応急復旧を終えております。もちろん百五十のほかに耐震強化岸壁バースございましたが、これはもちろん大丈夫でございましたので、これを除いて百五十バースということでございます、うち百七バース応急復旧を終えておるということでございます。  鉄道につきましては、当初の不通区間六百三十八キロございましたけれども、現在では二十二キロを残すところに参っております。  政府全体の当面の復旧復興取り組み方針につきましては、四月二十八日に当面講ずべき施策というものが決定されております。港湾鉄道早期復旧耐震性向上対策等復旧復興施策が盛り込まれたところでございます。これによりまして、港湾では二年以内に、鉄道はことしの九月ごろまでにはおおむね復旧の見通しとなっているわけでございます。  いずれにいたしましても、一日も早く港湾鉄道とも復旧するという強い決意で取り組んでまいりたいと考えております。  今後は、県、市、町がそれぞれ主体になりまして、それぞれ復興十カ年計画を策定することになっております。運輸省といたしましても、地域と共同いたしまして、被災地域生活再建経済復興等を一層促進するという観点から、この動きを踏まえて、引き続き復興支援を行っていくこととしたいと考えております。  以上でございます。
  5. 緒方克陽

    緒方委員 復興に向けての具体的な考え方をお示しをいただきましたが、ぜひ全力を挙げて御努力お願いしたいというふうに思います。  さて二点目に、我が日本の豊かな国土づくりのためには、国土の均衡ある発展と、そして地域活性化を図るということが必要であろうと思いますし、また同時に、国際社会におきましての日本の地位あるいは役割を維持をしていくということが必要であろうと思います。このためには運輸関連社会資本整備がどうしても不可欠であるというふうに考えるわけでありますが、この運輸関係社会資本整備にいかに取り組まれるのかということについてお尋ねをいたします。
  6. 細谷治通

    細谷政府委員 二十一世紀に向けて、国民一人一人が豊かさとゆとりを実感できる社会を実現していくために、運輸省といたしましても、当面、以下の四点に重点を置いて運輸関係社会資本整備推進してまいりたいというふうに考えております。  まず第一点は、国際化に対応するための国際空港、大水深コンテナターミナル等整備でございます。  第二点目は、国土の均衡ある発展地域活性化に資する整備新幹線等国内輸送網整備でございます。  第三点は、身体障害者等移動制約者にも、移動制約のある方々にも配慮いたしました都市鉄道など、人と環境に優しく、しかも災害に強い社会資本整備を図ることでございます。  四点目が、リニアモーターカー、それからテクノスーパーライナー等運輸関係技術開発推進ということでございます。  以上のような四点を柱にして、運輸関係社会資本整備を強力に推進していく必要があると考えております。  なお、それらに当たりまして、やはり陸海空の輸送モード機能分担やバランスというものをよく考える必要があると考えておりまして、従前以上に効率的、総合的な整備を図っていく必要があるというふうに考えております。  以上でございます。
  7. 緒方克陽

    緒方委員 ただいま四つの重点的な社会資本整備施策の見解を御披瀝をいただきましたが、その三番目に、言うなれば移動に大変不自由をされる方々高齢者あるいは身体障害者の問題についても重点的に取り上げていきたいという提起がございまして、大変喜んでいるわけでございます。  高齢者障害者自立をし、社会に参加していくということで、人に優しい交通ということをずっと言われてきておりますが、これらをどのように充実をしていくのかということと、昨年から政府交通に不自由を感じる方々に対してエレベーターとかあるいはエスカレーター整備をするのに初めて補助を出されて、アメニティ財団というものも設立をされたわけであります。この問題、私、国会でも質問いたしましたけれども、一体現状どういうふうになっているのか、これからどういう取り組みをしようとしているのかということについてもお答えをいただきたいと存じます。
  8. 細谷治通

    細谷政府委員 申すまでもなく、二〇二〇年には国民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者となるということが確実に予想されているわけでございまして、それに備えて障害者自立社会参加が強く要請されていることもございまして、運輸省といたしましても、こうした高齢者障害者方々移動ニーズに適切に対応していくことは極めて重要な課題であると認識をいたしております。  このため、高齢者障害者方々が安全でしかも身体的負担の少ない方法で公共交通機関により移動できますよう、鉄道駅等ターミナルにおけるエレベーターエスカレーター整備、低床それから広ドアバス導入等、人に優しい交通を実現するための施策を積極的に進めていく必要があるというふうに考えております。  お尋ねございました財団法人交通アメニティ推進機構は、関係方面の御支援、御協力を得まして、御承知のように昨年の九月三十日に設立をいたしたところでございます。設立後、六年度事業といたしまして、高齢者障害者方々公共交通機関を円滑に利用できるよう、鉄道駅のターミナルにおけるエレベーターエスカレーター整備及びリフトつきバス導入に対する助成を行うとともに、利用促進のための啓発、広報、情報提供事業等を行っているところでございます。  七年度からは、これらの事業に加えまして、もう少し総合的な観点から町づくりを進めていこうということで、福祉の町づくりに調和し、高齢者障害者等方々が安全かつ円滑に移動できる施設を整備するということで、例えばアメニティーターミナル整備推進事業、こうしたものに取り組んでまいりたいというふうに考えておりまして、今そのモデルとなるべき候補地について具体的に検討している、こういうことでございます。
  9. 緒方克陽

    緒方委員 アメニティ財団も昨年の九月に発足してやがて一年になるわけでありますが、少しずつ仕事もされているようでありますが、せっかく設立をされましたこの財団がやはり本当に人に優しい交通というものに役立つように、ぜひ運輸省としても今後とも御努力お願いしたいというふうに思う次第であります。  さて、あと二点御質問をいたします。  実は、昨年の十一月に本運輸委員会におきまして、私はクレーン車の税制について質問をいたしました。ホイールクレーン車というのが道路運送法上、通常道路は走行しないということで特殊自動車ということになっておりまして、しかも実際移動する場合には、ごく近くでの作業上の移動を除いては、いわゆる専用のキャリアで運ぶことが多いということで非課税であるということで、この制度がスタートしたときの大蔵省国税庁ですか、その解説の中にも明確に書いてあるということでお尋ねをし、大蔵省もそういうふうに御答弁をいただいたわけであります。  やはり税は公平でなければいけないということで、ぜひ政府としても、運輸省としても調査をしていただきたいということで、運輸省からは、最近における自動車技術進歩並びに交通環境変化等も踏まえて道路管理当局とも協議調査したいという回答をいただいておりますが、現在の調査状況といいますか、これからの作業というものはどういうふうになっていくのかということについて明らかにしていただきたいと思います。
  10. 樋口忠夫

    樋口説明員 お答え申し上げます。  いわゆるホイールクレーン車につきましては、作業を行うことを主たる目的とした特殊な構造を有する自動車であるということもございまして、市街地を走行する機会は少ないという認識を我々持っていたところでございますが、昨年十一月の本委員会におきまして、先生からの御指摘をいただきました。その御指摘を受けまして、運輸省といたしましては、最近における自動車技術進歩交通環境変化等を踏まえまして、関係機関等協力を得つつ、ホイールクレーン車走行実態現状につきまして調査を進めてまいろうということを決めたところでございます。  具体的に申し上げますと、ホイールクレーン車は、これと同様にクレーンを有するトラッククレーンというのがございますが、このトラッククレーン車につきまして、あわせて例えば年間の使用日数、それから季節変動、さらには一日当たりの平均走行時間でありますとか距離、速度、こういった調査項目をセットいたしまして、現在調査を始めたところでございます。本年中を目途に集計、分析をいたしたいと考えております。  また、これと並行いたしまして、ホイールクレーン車あるいはトラッククレーン車構造上の特性等につきまして、自動車製作者を対象に調査を進めていきたいというふうに考えております。  運輸省といたしましては、これらの調査結果を踏まえまして、必要により追加調査を行うとともに、クレーン車使用者団体製造者団体からもヒアリングを実施いたしまして、ホイールクレーン等走行実態使用実態を把握していきたいというふうに考えております。
  11. 緒方克陽

    緒方委員 作業は正確に、また慎重にぜひお願いしたいというふうに思います。  最後になりますが、実は、当委員会で何回か身体障害者人たちの問題を取り上げる中で、直接請求の問題についてこの委員会で取り上げて、幸い昨年地方自治法が改正をされまして、いわゆる直接請求でも代理署名ができるということになったわけでありまして、この委員会で取り上げた結果でございます。  ところが実際には、大都市などではこの署名をやるのに、もうとにかく印鑑押しが大変。一カ月間の署名運動期間があるわけですが、私どもの経験では、四名の議員解職に対して何十万個という判こを押さなければならぬ。その作業だけで一週間かかったということで、実際に一カ月間ある署名運動期間が二十何日しかないということで、そういう制度、実際的に問題があるものについては簡素化なりあるいは見直しというものが必要ではないかということで、さきの委員会でも質問をしたわけでありますが、その後どう検討されているのか、今後の取り組みについて自治省の方からお答えをいただきたいと思います。
  12. 川村仁弘

    川村説明員 お答えいたします。  御承知のように、我が国の地方自治制度でございますが、基本的な仕組みとして、公選の長及び議会による代表民主制が採用されておりまして、これが原則とされているわけですが、補完的に直接請求制度が採用されているわけであります。  御指摘の直接請求制度見直しにつきましては、過去、第十六次の地方制度調査会の答申などでも言及されているところでありまして、住民参加充実のための課題の一つと考えております。同時に、一方で、ただいま申し上げました代表民主制原則との関連をどう考えていくかといったこともございまして、十分な検討が必要であると考えております。  直接請求制度につきましては、ただいまもお話がございましたように、例えば長の解職請求なんかにつきましては、現行制度では大都市地域では必要な署名数が集まりにくい、こういった御批判があったり、あるいは一方で、議員解職請求について、少数意見主張している議員を排除する、こういうことで、制度の乱用のおそれがあるんじゃないか、こんな指摘もあったりするわけであります。  直接請求制度につきましては、私どもとしても検討をいたしまして、改めるべきものは改めてきたわけでございますけれども、今後とも必要な検討を進めてまいりたいと考えております。  また、地方分権推進法が成立いたしまして、地方分権推進の第一歩が踏み出されたわけでございますけれども、そうした中で、今後、地方制度調査会におきましては、地方分権推進に伴う地方行政体制整備確立のための方策を中心として議論がなされることになっております。住民自治充実強化という点についてもここで議論されてくるのではないかと受けとめておりまして、そうした論議の状況も見ながら、今後検討していくべき課題ではないか、かように考えている次第でございます。
  13. 緒方克陽

    緒方委員 十分に検討すべき課題であるということでありまして、今言われましたように、少数意見あるいは少数代表がこれでリコールで罷免をされるのではないかという声もあるということですが、そういう意味じゃなくて、私が今言っているのは、実際的に、事務の簡素化といいますか、大変な作業量などになっている、そういうものについて検討すべきじゃないかと言っていることでありますので、きょうはもう時間がありませんので、また別途、委員会なりあるいは別の場でお話もしたいと思いますが、直接請求制度充実についても、これは地方分権推進地方自治確立という観点から必要なことだと思いますので、ぜひ御検討お願いいたしまして、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  14. 井上一成

  15. 村田吉隆

    村田(吉)委員 今通常国会もあと余すところ残り少なくなりましたけれども、今国会中におきましては、運輸省の所掌の仕事をめぐりまして、本当にいろいろな問題が次から次へと起こりました。あの震災もそうだったし、サリン事件もそうだったし、あるいは規制緩和、これについてもまだ継続中でございますが、この運輸委員会も色濃くかかわる問題として、引き続き熱心な御作業お願いをいたしたい。それから、日米自動車交渉におきましても、これもまた継続中でございますが、運輸省のかかわる問題として、大臣を初め運輸省皆さん方に大変お骨折りをいただいた。まだことしに改まってから数カ月しかなりませんが、本当に皆さん方よく頑張っていただいたという気持ちがしております。  ところで、きょうは与えられた時間も少ないわけなんで、一問だけ御質問さしていただきますが、かねてより私も何回かごの委員会で、日米航空協定交渉の問題について、その日米間の不平等性指摘しつつ、何とかして早く正常な関係に戻すような交渉促進するようにということを、再三再四この場でもお願いをしてまいったわけであります。  最近の新聞紙上を見ますと、先ほど申し上げた日米自動車交渉との並行みたいな形で制裁だの何だのという言葉がアメリカ側の意向として、かつてというか、数日前までは新聞を躍っておりまして、私など、アメリカから制裁を受けるような由来はないと思っていた人間からいたしますと、大変奇妙な関係になっているなと思っておりましたものですから、一言、今一体どういう状況になっているのか。直近のニュースでは制裁はないとかいうふうになっているようで、大臣もできるだけ円満な交渉継続したいというふうに発言をされているように私にも聞こえてまいるのですが、今どういう状況になっているのか、御質問をさしていただきたいと思います。
  16. 亀井静香

    亀井国務大臣 御指摘のように、現在、フェデラル・エクスプレス社から十一路線にわたる以遠権の行使ということで日本許可申請が来ておる問題について、私どもとしては、これはアジアの空の貨物流通に対して大きな影響を与える許可に関することであるので、全般について十二条に基づく協議等をする中で個別問題は解決をしたいという基本的姿勢で現在まで臨んでおるわけでございます。  先日、モンデール大使が私の部屋においでになりまして、向こう運輸長官が電話で私と話をしたいと言っておるのでという申し出がありましたので、それは私、受けますよということで、土曜日、午前七時から九時まで二時間話をさしていただきましたけれども運輸長官の御主張というのは、七日までに申請をしていることをすべて認めてほしい、その後、八日から全般の問題について協議をすることはやぶさかではないというお話でございましたので、私の方から、やはりこれは、先ほども申し上げましたような視点から、まず七日までにすべてこれを認可をした後ということは現実的ではないということで、鶏が先か卵が先かみたいなことがあるけれども、我々としては別にかたくなな姿勢をとっているわけじゃないのでということを申し上げまして、この問題、まず次官クラスで実務的な詰めをやりましょうということを私の方から投げかけまして、あちらサイドで検討し、後ほど我々の方に連絡をいたしますということで、あの会談が終わっておるわけでございます。  そういうことでございますので、十日に私、APECの運輸サミット向こうへ参りますけれども、それまでにそうした実務者レベル協議が始まるのかあるいは始まらないのか、私がこの問題について長官会談をする場面があるのかないのかというのは、今のところは未定でございます。
  17. 村田吉隆

    村田(吉)委員 この問題については、新聞の書き方が、先ほど申しましたように、我々が制裁を受けるような立場ではないというふうに私はかねてより理解をしておりますから、先ほどの、向こう申請をきちんと解決してからでなければ我々の問題にいけないというのは逆転していますから、どうかそこはしっかりと交渉をしていただきたい。マスコミの方にも、そもそも問題のとらえ方が違っているのではないかということを私からも主張をいたしたいというふうに思います。  ともあれ、運輸交通にかかわる問題というのは、私は、さっきの規制緩和の問題でもそうなんですが、大変労働生産性が低くなって、まさに円高という局面でコストの中に占める人件費の割合も多いですから、いろいろな意味で流通関係交通問題というものを規制緩和を含めてどう日本の経済の中で改善をしていくかということを運輸省一丸となって、別途規制緩和の問題についてはそういう視点で、交通、流通がちゃんとならなければ日本の経済の効率化、風通しがよくならないのだという気持ちで、どうかひとつ大臣運輸省を督励して前に進むように御努力をいただきたい、最後にお願いをいたしたいと思います。  これで私の質問を終わります。
  18. 井上一成

    井上委員長 高木義明君。
  19. 高木義明

    ○高木(義)委員 新進党の高木でございます。  私は、時間の許す限り、海運、造船、港湾に関する課題について、大臣以下政府関係者にお尋ねをしたいと思います。  ことし、今国会におきまして、国民の祝日、海の日が制定をされました。いよいよ来年の七月二十日からそれが施行されるわけでございます。このことは、海洋国日本としての未来に向かった新たな選択が迫られる、そういう意義ある日だと位置づけております。  資源の少ない我が国としては、今日まで貿易立国ということからそれぞれの関係者の血のにじむような努力の中で経済大国に成長した。そして、国民生活の豊かさへつながっていった。そういうことから考えますと、まさにこれからも四面海に囲まれた我が国としては、その海に携わる、海とまさに共生をし、海に働く方々の職場というのも今後確保していく必要があろう、このように私は考えるわけであります。そういうことから、外航海運、そしてそれを支えておられる船員の皆さん方の使命と責任というのは、私は言うまでもない大きいものがあると思っております。  しかし、今日の円高基調あるいは国際的マーケットの中で、必ずしも我が国の海運は将来楽観できるものではないと思っております。今後我が国が国民生活を限りなく成熟化させ豊かにさせるためには切っても切れない海上輸送ということ、これは国の安全保障の見地から、いわゆる食糧、エネルギー、各種資源、こういった運搬等についても大切なことでありますし、また海運にかかわる海事関係の産業、雇用の維持という意味からも私は重要なことであろう。また国際的に見ましても、今地球環境等においての海洋における我が国の発言力、これからも我々はみずからの国として責任を持って日の丸を掲げられる日本籍船の確保と日本人船員の雇用というものは、私は国としてまさに危機管理ということを十分に踏まえて政策的にしっかりしたものをつくっていかなければならぬ、このように思うわけであります。  そこで、以下質問をいたしますが、最近では円高基調によりまして国際競争力はかなり低下をし、減収を余儀なくされました各海運会社は、いうところのフラッギングアウトあるいは外国人船員の混乗等を進めて、さまざまな合理化をしておる。これが今の現状でございます。そういう中で、例えば本社機能におきましても、シンガポールとか香港そして米国、こういったところにその機能も移転をしておる、こういう状況でございます。  今、日本人の船員の状況日本籍船の状況でございますが、昭和六十年には日本籍船が千二十八隻、日本人船員は三万十三人。これは海上交通局の資料でございますが、これが平成五年には日本籍船が三百四十隻、日本人船員は九千七百四十四人、こういう状態になっております。この状態を放置いたしますと、西暦二〇〇〇年には日本籍船は九十五隻、日本人船員は四千人を下回るのではないか、こういう状況が予想されております。まさに海運の会社機能は海外に出ていってしまうし、外国籍船と外国人船員に依存するいわゆる無国籍の企業の道を歩まなければならぬ、こういう憂慮すべき事態でございます。  そういう状況の中で、我が国政府として、今後海上輸送の確保の観点から、外航海運日本人船員が大体どのくらい必要なのか。あるいはまた、日本籍船は一定量の確保をしなければならないと思うわけですが、何隻ぐらいこれを維持すべきであると考えておるのか。私は、少なくとも今後一千隻の船舶には我が国の優秀な日本人の船長、機関長を配乗させるべきと考えております。この船長、機関長の配乗を維持するためには、例えば海技の伝承など後継者の育成を含めて考えますと、少なくとも私は六千五百人程度の船員が必要ではないか、こういうことを思っておるわけでございますが、こういうものを十分考慮されて、政府としての御認識をお伺いしておきたい。
  20. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のように、極めて私は海洋日本の将来、大変な危機にさらされておる、このように認識をいたしております。将来にわたって海上交通の手段について我が国の船籍がこれ以上減少し、また船員がいないという状況というのは、国家にとっても私はゆゆしき状況である、このように考えます。  では将来どの程度がいいかという御質問でございますけれども、私はこれは、もちろん国際的な自由競争、自由化の時代ではありますけれども、少なくとも現在の状況というのは望むべき状況から大幅に下回ってきておる、このように判断をいたしておるわけでございますので、今運輸省といたしましては、また委員会の御協力をいただくことになってくると思いますが、抜本的に税制面等を含めて国家のそうした海のいわば安全保障といいますか、もちろんこれは軍事的な意味ではございませんけれども、それを確保するという意味からも、従来とは違った視点からの思い切った助成措置が必要である、このように考えております。今後委員会皆さん方からもいろいろとお知恵も賜りたい、このように思っております。
  21. 高木義明

    ○高木(義)委員 フラッギングアウトが進む大きな要因の一つに、税制によるコスト高が言われております。  私は、海上における過酷な環境の中で仕事をされる船員の方々の船員離れというのを非常に危惧をいたしております。こういった船員にかかわる税制の面においても、国際競争の中で開かれたマーケットといえども、危機管理、安全保障、我が国の将来を担う重要な仕事場でございますから、少なくとも何らかの手だてが必要ではないかと思っております。報道によりますと、運輸省におきましても国際船舶制度導入検討されておると考えておりますが、この制度確立については、やはり何といいましても国家的総合政策の中で、そういう位置づけの中で進めるべきと私は思っております。  きょうは大蔵、自治省からも来られておりますが、例えば欧州先進国、いわゆる海運国としてとられております例えば船舶の固定資産税について非課税にするとか、あるいは登録免許税の見直しをするとか、そういうことについて、現状と今後の御所見を賜りたい。
  22. 板倉敏和

    ○板倉説明員 固定資産税関係についてお答え申し上げます。  固定資産税は資産の価値に応じて課税をするという税金でございまして、本来特例は必要最小限にすべきと考えております。税制調査会でも新設、拡充は厳に抑制すべきというふうにされておるところでございます。  そういう中ではございますけれども事業の用に供することができる船舶のうち外航船舶につきましては、当該資産の性格にかんがみまして、その課税標準を価格の六分の一とする特例措置が講じられております。特に、外航船舶のうち主として外国貿易のために外国航路に就航する船舶にありましては、その当該額にさらに二分の一を乗じまして得た額、すなわち課税標準がその価格の十二分の一という大変低い率になるように特例が講じられておるところでございます。  このように、船舶に係る固定資産税につきましては既に十分な軽減措置が講じられているのではないかというふうに認識をしておりまして、さらにこれを拡充するということは適当ではないのではないかというふうに考えております。
  23. 伏見泰治

    ○伏見説明員 登録免許税の関係お話がございましたので、その関係お答えをさせていただきます。  登録免許税でございますが、船舶に関連いたしましては、これは重々御案内のことでございますが、船舶に関する財産権その他の権利の創設、移転変更等の登記を受けますことによりまして第三者に対する対抗要件を備える、権利関係が明確になる、権利として保護される利益を受ける者につきまして、船舶という資産の所有権の保存や移転等の登記の背後にあるいわば担税力、これに着目して課税をさせていただいているものでございます。  しからば、今さんざんお話がございましたが、船舶について単にそういう観点だけでいいのかということがあろうかと思いますけれども、いわゆる近代化船あるいはダブルハルタンカー、こういったものにつきましては、運輸省推進する一定の政策目的に沿う特定の外航船舶等に当たるということで、その税率を本則税率の二分の一あるいは四分の三に軽減するといった特別措置を講じているところでございます。そういう意味では相応の配慮をさせていただいているというふうに考えております。
  24. 高木義明

    ○高木(義)委員 今のお答えには不満でございます。  大臣、私どもは国にすべて依存をするという気持ちはさらさらないということの前提の上で、少なくとも我が国の将来の海運政策、あるいはもっと広く言いますと、我が国の国民生活を守る大きな課題として受けとめるならば、フラッギングアウトがされない、少なくとも欧州先進国並みの手だてはしていいのではないか、私はこのように考えております。もちろん所得税の還付等もその中の一項かと思っておりますが、この問題について、大臣の決意をお聞きしておきたいと思います。
  25. 亀井静香

    亀井国務大臣 今の役所の答弁に御不満ということであろうと思いますが、当然のことであろうと思います。当然というのは、答弁が当然と言っているのではなくて、あなたのお気持ちが当然だろうと私は申し上げているわけです。  ただ、現時点では役所としてはそういう答弁になろうかと思いますが、今後事態の深刻さについて、運輸省といたしましても大蔵、自治省に対して鋭意実態を説明し、そうした国家のまさに将来の命運にかかわることでありますから、今委員指摘の税制の問題を含めて今後精力的に協議をいたしたい、このように考えております。
  26. 高木義明

    ○高木(義)委員 次に、造船問題でございます。  造船業も、海運とともに急激な円高の影響を受けておるわけでして、既に他社間協力によるグループ化とか、あるいは資材の海外調達はずっと前から、あるいは舶用品の標準化とか不採算部門の合理化、こういったことによって今日までしのいでおります。しかし、今船舶輸出の採算レートは一ドル百五円から百十五円、こういうことでありまして、今の一ドル八十円台ではますます経営状況は悪化をしておる。ことしの秋以降、特に輸出船が占める割合の多い造船業界は危機的状況が到来するのではないかと私は思います。  これもまた我々は、企業、産業の新しい構造改革、よく新産業の創出と言われておりますが、こういった見地から、これは現場を含めて最大の努力を今後も傾注していかなければならぬと私は思います。  同時に、何といいましても国際協調、そういう観点からも政府の力強い支援というのが必要ではないかと思っております。今マーケットはかなり需給関係が成熟化をしておると言われております。したがって、今後はOECDを中心とした国際協調が必要であります。OECDに対して、政府は今後造船業の安定のためにどういうふうに対応していかれるのか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
  27. 亀井静香

    亀井国務大臣 昨年の暮れにOECDの造船会議におきまして、政府の過剰介入、ダンピング防止についての大体二点を中心とした合意が成立をいたしまして、関係国が今批准に向けての努力をそれぞれいたしておるところでございます。そうした国際間の合意に基づいて、不当な競争等が行われない、また国際的なまさに協調のもとで世界的な海上物流というのが円滑に進行していくための努力日本もリーダーシップをとってやってまいりたい、このように考えております。今、批准に向けて我々も準備をいたしておるところでございます。
  28. 高木義明

    ○高木(義)委員 産業基盤の強化は、我が国にとっても非常に大切なことでございます。付加価値の高い製品を今後どんどん生産をしていく、新しい技術の開発に取り組んでいく、こういう努力は当然ながら企業、産業には課せられておるわけであります。  そこで、今運輸省を中心にいたしまして、テクノスーパーライナー、これが七年度予算でも計上されておりまして、いよいよその実用化に向けて旅立とうとしておる。また、新たな分野としまして超大型浮体式海洋構造物の研究費が、これまた七年度予算についておりますが、こういうものを活用しながら新たな産業の創出に努めていくべきだと私は思っております。  こういった海洋構造物の実用化に向けた対策、そして、少なくとも関西新空港の二期工事とか、あるいは今後出てくるであろう中部国際空港等にこういった新技術の採用ができるのではないかと私は期待をいたしておりますが、この点について現在の御所見をいただきたい。
  29. 亀井静香

    亀井国務大臣 テクノスーパーライナーにつきましては、御承知のように、先日、実験港の指定をいたしまして、いよいよ実験から実用化の中に入っていきます。  御承知のように、海上物流の従来の利点というのは、大量輸送という点で大変な利点があった。逆に、マイナスといいますと、スピードが遅い、効率的な面での問題点があったわけでありますが、テクノスーパーライナーは、そういう意味で、上海あるいは台湾を含めましてのアジアへの近距離等についても十分使用にたえるわけでもございますから、今後、そうした海上物流の高速化、これによって我が国の物流の流れが相当変わっていくという可能性があると私は思います。  そうして同時に、港湾は従来のような陸上物流と海上物流の接点の面で非常に非効率的な面が多々あるわけでございますので、それを思い切って、港湾整備の中でそういう面を積極的に解決をしていきたい、このように考えております。そのモデルケースといたしまして、神戸港の復興につきまして、そうしたことを積極的に取り入れてやっていきたい。また、なお、テクノスーパーの寄港地に予定されております港につきましては、そういう観点から思い切った効率化、近代化を図っていく所存でございます。  なお、メガフロートの点でございますが、これは既にメガフロートの研究組合が先日発足をいたしましたし、私ども、既に予算化もいたしておるわけでございます。  これにつきましては、今日本がいわゆる空洞化とかいろいろなことが言われておりますけれども、これを防ぐ方法というのは、やはり新しい技術革新をどんどん進めていくということしか基本的にはないわけでございまして、そういう意味では、他の国に先んじて、そうした問題に積極的に取り組んでまいりたい。  今御指摘の、関空あるいは中部新空港、また首都圏にも予定をさせていただく予定でございますけれども、首都圏がどこにやるかまだ決めておりませんけれども、誤解があっては困りますから丁寧に申し上げておきますが、新しい海上空港につきましては、従来のように、この国土の狭い日本で、山を削って、これで海を埋め立ててという環境破壊につながっていく可能性のあるそれのみを手段とすべきではない。  そういう意味では、関空、今全体構想を検討いたしておりますけれども、私も事務局に指示をいたしておりますのは、これも従来型の埋め立てでやるということに限定をしないで、メガフロートの研究成果を今後横にらみしながら、どういう工法でやるかということを検討しようということを指示をいたしておるわけでございますし、中部新空港等につきましても、同様な視点から、もちろんこれは航空の安全ということ、またコストの面もございますが、そういう点から、今委員指摘のメガフロートはそういう航空の分野についても十分視野に入れて推進をしたい、このように考えております。
  30. 高木義明

    ○高木(義)委員 それぞれ強力な取り組みお願いをしておきます。  最後の質問ですが、今港湾の問題が出ましたけれども、地方港湾整備も大変必要であろうと思っております。  例えば、私の居住しております長崎市は古くから港町として発展を遂げたわけでございますが、最近はかなり地盤沈下というのが、今非常に憂えておるわけでございますが、これを再開発をして、新しいアジアに向けた港湾都市をつくろう、アーバン・ルネッサンス二〇〇一構想というのを決めまして、旅客船ターミナル、あるいは緑地等臨海部の整備を図ることにいたしております。  運輸省といたしましても、これにはかかわっておられるわけでございまして、今後の支援策についてお伺いしたいと同時に、私は、神戸の震災を見ても、港湾の壊滅的打撃が地域社会地域経済に大きな影響を与えたことは事実でございまして、まさに港湾整備の必要性が認識されたのではないかと思っております。そういう意味で、長崎市も神戸市同様、今後その整備にかなりの力を注いていただきたいと思いますが、時間がございませんが、最後にひとつ大臣の御所見だけをお伺いしておきます。
  31. 亀井静香

    亀井国務大臣 長崎が震災に遭っていないので力を入れないということはございませんので、長崎は伝統的に我が国にとって極めて重要な港である、このように認識をいたしておりますし、特に将来、中国、朝鮮半島、アジアを含めて日本との経済交流がますます盛んになってくるわけでございますから、まさに西の玄関としての意味が極めて重要であろうと思っておりますので、私どもとしては重要視いたしまして取り組んでまいることを申し上げておきたいと思います。
  32. 高木義明

    ○高木(義)委員 終わります。
  33. 井上一成

  34. 北橋健治

    北橋委員 おはようございます。新進党の北橋健治でございます。  昨年の六月二十九日に、首班指名におきまして村山総理が誕生されました。亀井先生におかれましては、村山政権の主要閣僚のお一人といたしまして、早くもこの一年間になろうとする激動のときにありまして、日夜御奮闘されてこられたと思います。  きょうは一般質問でございますし、また、運輸委員会におきまして大臣と御質疑をさせていただくチャンスはめったにございませんので、この一年間を振り返りまして、そしてまた今後の展望も含めまして、特に深い関心を寄せております問題につきまして、以下、質問させていただきたいと思っております。  まず第一に、私は、行政改革につきまして、運輸省取り組み、そしてまた政治家としての亀井大臣の今後の御抱負についてお伺いしたいと思っております。  この一年間の村山政権の仕事なりを振り返りまして、やはり最も大きな一つは税制改正ではなかったかと思っております。私も細川政権のときに税を担当しまして、羽田政権のときには大蔵政務次官を拝命いたしておりました。この間の非自民の連立政権におきましては、増税という問題に対してどのように合意を得るかということが最大の難問でございました。  その中で、やはり増税はやむを得ないのではないか。ただし、問題はその手順であって、やはりきちんとした行政改革をやる。そして行政機構もみずから自助努力を精いっぱいやりまして、血の出るような自助努力を行った上で、初めて国民の皆様方に新たな痛みをお願いできるのではないか。そういった意味では、この税制改正というのは、むしろ行政改革という前提となる議論が最も重要な問題ではないか、このように私は思っておりました。そういった意味で、村山総理におかれましても、この税制改正の論議を踏まえながら、今日に至るまで、内閣を挙げて行政改革に取り組むと公約をされてきたわけでございます。  その総理の方針を受けまして、運輸省にまずお伺いいたしますが、運輸省としてのこれまでの行政改革の取り組みにつきまして、そしてまた今後の具体的な進め方いかんにつきまして、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
  35. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 私ども運輸省は、かねてから行政改革には私どもなりに積極的に取り組んでまいったつもりでございます。もう今や昔の話になりましたが、国鉄改革あるいは物流二法の制定、さらには大幅な組織改正等、国会の御理解と御協力を得ながら進めてまいったわけでございます。中でも、かねてから問題になっております私ども認可に行政が縛られ過ぎるではないかということで、規制緩和につきまして積極的に進めてまいっておりまして、平成五年でございますが、運輸省独自に三年内に許認可を二割削減するという大きな目標をつくってございます。五年度末で千七百件で、約一三・五%の減までいっております。この二割削減という目標は十分達成できると思います。  また、今先生御指摘の村山内閣としての方針についてはどうかということでございますが、これにつきましては、ことしの三月三十一日に規制緩和推進計画を政府全体として策定いたしましたが、その中におきましても運輸省は、全体で千九十一事項のうちの二百十九事項を運輸省が占めるということで、積極的に規制緩和推進してまいっているつもりでございます。  もちろん、この中身につきましても、単なる数合わせではなくて、例えば、各種交通機関の営業政策的な割引運賃につきましてかなり弾力化するということで、現に航空等におきましては、利用者の皆さん方から大変好評をいただいております新たな割引運賃等が導入されております。また車検につきましても、六カ月点検の義務の廃止、あるいは定期点検項目の簡素化等、国民負担が現実に軽減する措置を進めてまいっているところでございます。  これから私どもといたしましては、この規制緩和につきましては大きく四つの柱を設けまして、一つは物流コストの削減、二番目は旅客輸送サービスの向上、三番目は国際輸送の競争力の確保、四番目は国際基準との調和という四つの柱を設けまして、引き続きこの規制緩和につきましては積極的に進めてまいりたい、かように考えているところでございます。  また、村山政権の大きな目標でございます特殊法人の整理合理化につきましても、私ども運輸省といたしましては、所管いたします十六法人すべてにつきまして点検をいたしまして合理化、組織の効率化を図ることにしておりますが、中でも船舶整備公団と鉄道整備基金の統合、さらには営団地下鉄の民営化の具体化等、積極的に推進してまいる方針を決めておるところでございます。
  36. 北橋健治

    北橋委員 運輸省取り組みにつきまして御説明をいただきました。  通常、この行革は総論賛成、各論反対とよく言われまして、時には霞が関の方からの相当強い抵抗なりいろいろな問題がよく派生するものと聞いておりますけれども、その中にありまして、この間運輸省としては精いっぱいの御努力を続けておられる、このように率直に評価をさせていただきたいと思っております。  ただ、国民の皆様方が、行政改革全般に取り組む村山政権の姿勢につきまして、果たして率直によくぞここまでやられたという評価をされているかどうかについてはまた別問題ではないか、このように思っております。  といいますのは、昨年の税制改正のときに税制改革特別委員会が設置されまして、私も改革を代表してそのメンバーの一人でございまして、武村大蔵大臣とこの問題については相当突っ込んで議論をさせていただきました。そのときに武村さんも、この問題はもう総理を先頭にして文字どおり内閣のすべてをかけながら取り組んでいこうということでありますので、それは信じていただきたい、厳しく見守っていただきたい、こういう御答弁をされておられました。それで、私の方から、やはり増税をやる前に行革のプランはきちっと出すべきではないのですかと申し上げましたところ、それは時間を与えてほしい、そう遠くなることではない、年度末には必ず出すから、それを見てもらった上での率直な評価をいただきたい、こういうことでございました。  そういうものを見ながら、村山政権全般としての行革の姿というものが今手元にあるわけでございますけれども、やはりアメリカやイギリス、例えば欧米先進国の一例をとりましても、クリントン大統領やゴア副大統領のこの間やっている行革というのは、およそ私ども政治家の立場にある者からいたしましても壮絶な内容でございまして、よくぞここまで踏み切ってやられたものだな。例えばクリントン・ゴア・プランといいますのは、五年間で二百十万人の連邦政府職員の一一%を縮小する、そして、連邦予算を二年度制に変えるという予算制度まで変えました。それによって約一千億ドルを上回る経費節減にこぎつけたい、これがアメリカのクリントン、ゴア副大統領のやっている行革でございます。  またイギリスの方も、何と局長級のポストを三割減らすということをやられておりまして、これなどは佐藤内閣のときの一省庁一局削減のときのあの霞が関の当時の実情を思い起こしますと、これはもう大変な意気込みで立法府の方から行革に取り組んでいることがはっきりとわかるわけでございます。  こういうふうに、アメリカやイギリスの行政改革の取り組みを見てまいりますと、本当に血のにじむような自助努力をやって、民間の皆様方の御期待にこたえるという姿勢国民の皆様方にも率直に伝わってくるのではないか。そういった意味では、運輸省としましてはこれまで大変な御努力をされていることはよく承知をいたしておりますが、この問題はこれで終わったのではなくて、さらに思い切ったものをしていかなければならない。特に増税はあのとき、二年後に見直しをした上に三年後にやるということになっておるわけでございまして、そのうち大変な痛みが国民の皆様方に伴うわけであります。  そういった意味で行革は緒についたばかりだと思っておりまして、今後は霞が関の問題ではなく、これはまさに永田町の問題だと思っております。亀井運輸大臣の一年間の話録をずっと拝聴いたしまして、整備新幹線の問題を初め、これは霞が関の論理ではなかなか前に進まない問題も勇猛果敢に取り組まれております。そういった意味では、私は亀井先生のこれからの行革についての御尽力についても率直に期待をしている一人でございますけれども、相当程度思い切ったことをされなければ不十分ではないかという印象は否めないと思うのですが、いかがでしょうか。
  37. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、基本的には委員のお考え、同感でございます。国民に対して負担を求める以上は、もちろんそういうことがない場合でも当然の話でございますが、行政というのは日々刻々と変化しておる現実に対して、きっちりと組織として、また執行力として対応できておるかということを常時検証をしていかなければならない問題であろうと思います。  委員にはちょっと当たるみたいで申しわけないのですが、国民福祉税があっという間についえ去ったというのも、やはり私は、国民に対してきっちりと行政改革をこれこれやるんだというメニューが前もって提示をされてなかったことも一つの原因であったのではねいか。我々としては他山の石として、やはりそうしたことをきちっとやるという中で税制改正はやらなければならないということは全く委員のおっしゃるとおりであろうと思います。  委員からある意味では非常に評価もいただきながら、一方では厳しい御批判も賜りました。肝に銘じたいと思いますが、ただ一つ御理解賜りたいのは、村山内閣は成立をいたしましてまだ一年たっていないわけでございますが、行政改革にいたしましても、特殊法人の整理一つをとりましても、大平内閣以来、数えてみますと七つ内閣が御承知のようにかわっております。その中でなし得なかった九法人の廃止を含めての見直し、あるいは四法人の組織形態の見直しを含めて、これは相当思い切ったことをやったわけでございまして、私もさっき言いましたように足らないと思いますが、しかし、やはりこれだけのことをやることについては相当な、従来の官僚組織の抵抗と言ったら言葉があれでございますけれども、いろいろな面からの批判もございますし、それをやはり乗り切ってやったということは、村山総理が閣議においてたびたび、私ども本当に閣議のたびに指示されたわけでございますが、首を覚悟しろとまでは、あの方は私のように乱暴じゃございませんからおっしゃいませんけれども、それに近い形で各閣僚の責任においてやれということでおやりになったということはぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。  今後このことについては、先ほど委員も述べられましたけれども、行政府はもちろん立法府も一体となって、また与党も野党も一体となって二十一世紀にきちっとたえる行政改革を断行しなければならないと思います。今やっておりますことはまさにその緒についたことである、緒についたそこだけ見ますれば、大きな目的から見れば現在はまだわずかなことしかやってないと言われてもこれは当然であろう、私はこのように受けとめさせていただきたいと思います。
  38. 北橋健治

    北橋委員 大臣の決意も伺いました。ぜひ運輸省におかれましても、先ほど御説明ございましたような基本方針に即しまして今後とも鋭意御活躍をいただきたい。  また行政改革につきましては、そのうちいよいよ増税の時期あるいは税率の見直しの時期が迫ってくるわけでございますので、徹底した行政改革が必要と新進党は考えております。この点につきましてはまた改めでいろいろな場所で議論させていただきたい、こう思っております。  続きまして、村山政権のこの間を振り返りまして、阪神大震災の問題でございます。私も高校時代までは兵庫県西宮に在住をした一人でございまして、実際に震災直後には、交通機関がございませんので、歩いて生まれ育った地域を見て回りました。大変悲惨な状況でございました。  この間、私は海外の論調を見ましたときに、こういったことを多くの新聞や雑誌が言っておりました。それは、日本の公務員は非常によくやっている、しかしながら、政治家はどうであったろうかという趣旨でございます。あれから相当程度、運輸省におかれましても被災地の復旧対策全力を挙げて取り組んでこられました。その連日連夜の御活躍につきましては心から敬意を表する一人でございます。  そこで、まず運輸省にお伺いをしたいと思っておりますけれども、今回の地震の対策を振り返りまして、初動態勢の取り組みを含めて、果たして今回の震災からどういう点を教訓として得られているか、またその教訓を今後の運輸行政についてどのように生かされようとしているのか、基本的な方針をまずお伺いしたいと思います。
  39. 亀井静香

    亀井国務大臣 このたびの震災につきましては、あれだけの多くの犠牲者を生んだわけでもございますし、我々が振り返ってみましても、もっと何かやることがあったのではないかな、このあたり、手抜かりがあったのではないかな、いつもそうした思いに駆られておるわけであります。  しかし、私は別に村山総理をかばうわけではございませんが、ああしたまさに一千年に一回起きるかどうかと言われておる大震災が襲ったわけであります。そういうときの危機管理につきまして、一つは、やはり日ごろから政府だけではなくて自治体を含めて、もっと言えば一人一人の住民の方を含めて、我々が自然の中で生かされている、自然の脅威、そういうものに対して、やはり我々が謙虚な気持ちで暮らしていかなければならないということを思い知ったことでもあるのではないかなと私は思います。そういう意味では、いろいろと反省点がそれぞれの立場において私はあろうかと思います。  政府レベルで申し上げますと、そうした事態に対応する総理大臣の法律的な権限等を含めてやはり検討する必要があるのではないか。現在の自衛隊法八十三条によりますと、委員も御承知と思いますが、知事、自治体の意思を離れて総理が独断専行することは自衛隊のあり方からいって許されないわけでありまして、村山政権は厳格にそこを守ったということであります。出動が遅かったなんということを言われますが、やはりあっという間に民主主義政権が軍事政権でないと気に食わぬというような論には我々はくみしないわけでございます。民主主義的手続の中でいかに迅速、果敢に対応していくかということであります。  もちろん、人間のやることでありますから、その中においても万全、一〇〇%であったと私は申し上げるつもりはございませんけれども、そういう中で大事なことは、日ごろからそうした自治体と政府あるいは自衛隊、他の機関との連携等を含めて十分準備をする必要があると思いますし、また防災は、今の日本国の法制の立場でいいますと、自治体に第一義的な努力義務があるわけでございます。日本列島、どこで災害が発生するかわからないわけでございますから、そういう問題について、やはり国が支援をするところはきちっと支援をしながら、そうしたことを日ごろから万全の体制でやっていく必要があったと思います。  なお、運輸省について申し上げますと、運輸省はもちろん気象庁を所管いたしておりますから一番最初にこれを認知したわけでございまして、午前七時には海上保安庁に現地本部を設定いたしまして、そうして所要の処置を、万全を、万全と言ったらまたしかられますけれども全力を挙げてという言葉にかえさせていただきますけれども、挙げて対応もいたした次第でございます。
  40. 北橋健治

    北橋委員 日本国民の皆さんというのは、戦後いろいろな政変というのがありましたけれども、ここまで大国になってきたのはやはり霞が関の人材が非常に優秀だ、こういう率直な思いがあるのだろうと思います。そういった意味で、今回の震災につきましても、初動態勢の立ちおくれにつきましては種々議論があったわけでございますが、私は、運輸省あるいは自衛隊におきましても法令の範囲内におきましてぎりぎり最善の努力をされたのではないか、そのように率直に評価をさせていただいている一人でございます。問題は、今回五千人を超える亡くなられた方が出たわけでございますけれども、そういった大惨事を振り返るときに、やはり政治家のあり方ということが問われているのではないかと思うわけです。  くどくどと申し上げる気持ちはございませんが、総理が、何しろ初めてのことなので、何しろ早朝のことなのでという御発言をされました。しかしながら、私も友人や先輩の多くを失った一人といたしまして、こういった総理の発言には甚だ納得ができないわけであります。といいますのも、アメリカのロサンゼルス大地震のときには神戸よりも一時間以上も早く起こっているわけです。しかも、早朝に起こったにもかかわらず、クリントン大統領は直ちにアメリカ国土庁に当たる行政機関と連絡をとりまして、州知事に対しまして全面的な支援態勢をとるように要請をされたと伝えられております。そのように、アメリカの場合は、早朝であり、クリントンも初めてだったと思いますけれども、それだけの態勢をとったわけであります。  ところが、日本の場合はどうかといいますと、官邸にお入りになられたのが八時半ごろ、そこで最初にやられたことは経済対策閣僚会議でございます。これには運輸大臣もお出になられたと思いますけれども、重要な行事であることは承知しておりますけれども、果たしてそこでそのような経済対策全般を論ずる余裕があったのだろうか。しかもその後地球環境懇話会や、あるいは著名な文化人にお会いになる、あるいは政党人にお会いになる、このような決められた日程に従って総理は動いているわけです。この間、運輸省につきましてはできる限りの努力をどんどんされたと思うわけでございますが、その霞が関の努力と反して、果たして永田町の情勢はどうだったのだろうか、そのことはやはり私どもは決して忘れてはならない重要な反省事項ではないか、このように思っております。  また、救助犬が来る際あるいは海外の医師が日本に来る場合にも、最初は御遠慮申し上げたり、検討させてくれと申し上げたり、あるいは縮小して入国していただきたい、こういったことをやっておりまして、海外からは大変に厳しい論調というものが次々と寄せられました。そういった意味におきまして、霞が関の迅速な対応と反しまして永田町の村山政権自体にはやはり大変大きな問題点があったのではないかと私は感じております。それについて大臣の見解をここで改めてということではございませんが、そういった意味では、今後、震災地の復旧に際しまして、我々立法府の立場からも、あるいは政府の立場からも相当程度の思い切ったことを続けなければならないのではないか、こう思っております。  過去において総理の一日の行事がどうであったかを論じてみても、亡くなられた方々はもう一遍生まれ変わりはしないわけでございます。そういった意味におきまして、今回、例えば税について見ますと、大蔵省の主税局あるいは自治省税務局におきまして鋭意震災対策をやっていただきました。特に私は大蔵関係の方を新進党でやっておりました関係で、まさに本当に驚くような、清水の舞台から飛びおりるような、過去の通常の議論では到底実現できないような税制を実現したわけであります。その点は私も大蔵委員会で議論したことがありますが、主計局で、例えば民間バースの救済につきましては四〇%を開銀融資で見る、これも相当程度踏み込んだことだ、私有財産であるにもかかわらず、そこまでやることは異例のことなのだというやりとりがございました。私は、主税局、税務当局が決断した内容からいたしますと、主計局サイドでの議論というのはまだまだ不十分ではなかったか、こう思っております。  そこで、この件につきましては事前に文書でお届けしておりませんけれども、要望ということで、もし御意見があれば後ほど御見解を聞かせていただければ幸いでございます。  今回、運輸省がいろいろな取り組みをされた中で、官民共同で民間バース復興していくという発想をされました。これは私は率直に、この記事を見ましたときに、非常にいい知恵をお出しになられたと思いました。これはぜひ実施していってほしいのであります。  ただ、鉄鋼なんかの民間埠頭につきましては、あそこは日本の鉄鋼業の中でも有力な地域でございますけれども、官民共同で復興する場合には一定部分を公共の用に供しないとだめだという条件があるそうでございます。あくまでも私有財産でございますから、その条件がつくことはわかるのでありますが、そのためにそういった公道部分を設けようとしましても、やはり鉄鋼は大変危険な荷揚げ作業を伴いますので、とてもそういう余裕がとれないのだそうであります。結局、現地の鉄鋼業を初め、さまざまなそういった業種につきましては自助努力で、四〇%の開銀融資で対応していくということでございます。  これにつきましては、もう既に対応が一応決まっておりますので、ここで蒸し返してみても新たな答弁は出ないと思いますけれども、過去におきまして、初動態勢においていろいろな問題があったわけでございますので、ぜひともこういった問題につきましても引き続き、大臣はこの民間バースにつきましても相当熱心に取り組んで、運輸省に指示をして対策をまとめていただいたと聞いておりますけれども、なお残っております。私有財産であるがゆえに融資しか受けられない、こういったものにつきましても、今後、大変厳しいリストラ、不況の中で努力をしておりますので、ぜひとも注目をしていただきまして、いろいろな機会に御援助をいただければ幸いだと思っております。
  41. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員から初動態勢という言及が相当強くございましたが、これは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、やはり日本は法治国家でございますので、もちろん緊急避難的にやるべきことはやらなければならぬわけでありますけれども、やはり民主主義国家としての基本はどういう事態でも堅持をしなければならぬことは、私は御同意をいただけるだろうと思うわけであります。  そういう中で、私も朝から、これはきちっと総理の動きも全部私は承知しておりますから、もちろん経済対策会議も行われましたが、誤解があっては困りますので申し上げますが、もちろん経済のことも論じるわけでございますが、ああいう事態が発生したわけでございますので、もちろん総理が国土長官とか国家公安委員長に対して聞いておられること、指示しておられたことというのは、会議の前後を含めまして地震に関することばかりでございまして、閣議が行われたのはもちろん十時でございますけれども、それまでの間もそれぞれいろいろな仕事をこなしながら、同時に強い関心といいますか、あるいは震災の方に総理も頭がいっておるわけでございますし、我々も頭がいっておる。  そういう中で並行して、他の行事をストップするわけにはいかぬわけでございますので、他の行事も並行してやっている。それをマスコミなんかは、並行してやっている他の部分だけやっていて震災に対する対応はやっていないみたいな報道なり、また残念なことでございますが、権威のある国会の中の論議におきましてもそうした議論があったということは、私非常に残念でございます。やはりどういう事態におきましても、国政は常に全般について動いておるわけでございますから、同時にこれを総理も閣僚も処理をしていかなければならないということは、ぜひ私は御理解をいただかなければならないことではないかなと思います。  ただ、何度も申し上げますように、もっとどうにかならなかったかな、そういう思いは本当に我々は常にあるわけでございまして、万全なことをやれたなんと胸を張るようなつもりは全然ございませんけれども、私はそばで見ておりまして、まさに、能力はないと言われれば別でございますが、私の目から見ておりますと、総理は大変また御立派に対応された。我々閣僚が至らなかったために迷惑をかけたのではないかなとも思うわけでもございます。それ以上に、先ほど霞が関はしっかりしておるけれども、閣僚を含めて政治家が、あほとは言われませんが、だめじゃないかということでございますが、おしかりはそのとおりに受けとめたいと思います。  しかし、私は危機管理については、逆に役所、これが法的な裏づけを含めて、組織上もきちっとされることがやはり前提だと思います。それが有事の際にはっと動いていくということがなければ、政治家がいろいろ知恵を出してもなかなか現実の施策ということにはなっていかない面があろうかと思いますので、そういう意味で、今度も官邸機能の強化等、役所との関係を、当座でございますけれども、将来抜本的にやらざるを得ませんが、そういう形で大きく改善もしておることをぜひひとつ御了解をいただきたい。  なお、委員が言っておられます震災対策の件ですが、私ども運輸省として一番苦慮いたしましたのが、御指摘のように公社埠頭の問題、これも法律上は国が援助できないわけでございます。また、民間バースの問題でございます。この二つについてとうするかということて、御承知のように、公社埠頭については特別立法をさせていただき、また民間バースの問題、一方では内陸部においていろいろな企業が被害に遭っておるわけでございますので、それに対する国の支援、援助との均衡上のことが常に言われたわけでありますけれども、私どもはやはり港の持っておる機能の公共性、そういうものにも着目をいたしまして、思い切った処置をとらしていただきました。合併施行というような形での、これについてはまず市が責任を持って復旧をやる、それについての負担金その他を含めて所有者に御協力をいただくという、そういうことを含めて、ない知恵を絞りまして最大限の努力はさせていただいておりますが、今後細かい問題につきましても、陸の他の民間施設と同じじゃないかという議論には私どもくみしないつもりでございますので、またいろいろと御指導を賜ればありがたいと思います。
  42. 北橋健治

    北橋委員 今後の復旧作業継続するに当たりまして、勇猛果敢にぜひひとつ財政当局にかけ合っていただいて御活躍をいただきたい、こう思っております。  時間が限られてまいりましたので、ちょっと急ぎ足でまいります。  大臣、最近の雇用情勢は非常に悪化したと伝えられております。四月の統計を見ましても、昭和二十八年以来、比較可能な統計がとられるようになりましてから最高水準の失業率となっておりまして、三・二%ということになりました。これはもちろん震災の影響といったものもあるでしょうし、あるいは円高による影響もあるわけでございますが、私どもは生活者の立場から政治を考えるときに、これは極めて憂慮すべき事態ではないか、こう思っております。  そこで、運輸省としては、この雇用対策につきましてどういうふうに取り組んでおられるか、まずお伺いをいたします。
  43. 豊田実

    ○豊田(実)政府委員 お答え申し上げます。  今御指摘のとおり、運輸部門におきましても、円高とか景気低迷というように、雇用への影響が非常に大きくなっております。有効求人倍率、運輸・通信という枠組みですが、四月は〇・九五と一を切った状況でございます。特に円高等の影響を受けやすい国際関係で、外航海運業、定期航空運送業あるいは造船業の一部とか、国内の関係では貸し切りバス等が非常に大きな影響を受けるという状況になっておりまして、これらについて、雇用対策としまして、御案内のように雇用調整金制度というのがございまして、この対象にして取り組んできております。また、ほかの業種についても、私どもいろいろの行政の中で、雇用面を十分念頭に置きながら対応させていただいております。
  44. 北橋健治

    北橋委員 労働力調査を見ましても、製造業だとか、特に円高で影響を受けるところが極端に苦しくなってきておりますが、サービス業につきましては雇用が緩やかに拡大をしております。日経連の調査でも、いずれ空洞化で二千万人ぐらいの雇用が新しいものに吸収されないと大変なことになるのではないかという調査もありますけれども、いずれにしましても、運輸省が所管されている業界で雇用がどんどん吸収されていくような仕事というのは極めて重要でございます。今後とも最善を尽くしていただきたいと思っておりますが、それに関連いたしまして、やはり経済運営全般につきまして相当程度のてこ入れが必要だと思っております。  既にこの国会で第一次補正が成立をしているわけでございますが、二兆七千億円余でございます。私ども新進党は、現下の不況の現状からいたしまして、もっと大規模な予算を、補正を組むべきではないか、このように主張してまいりました。それからいたしますと、相当小さ過ぎるのではないか。ただ、今回の委員会質疑を通じまして、与党の方からも、さらに大規模な第二次補正を検討すべきではないか、そういう意見も出ておりますので、やはり大型の第二次補正を早期に編成して国会で成立させる必要があるのではないかと思っているわけでございますが、これに対しまして大臣の御見解があればお聞かせ願いたいと思います。
  45. 亀井静香

    亀井国務大臣 今第一次補正が成立して間もない時期でもございますし、七年度予算の執行、一次補正の執行、これを機動的に速やかにやるということが当面の課題であると思いますが、今後の経済の推移を見ながら、後手に回らないで、委員指摘のような大型というか何というか、とにかく必要であれば思い切った大型をやるべきであると思います。今後の経済の動向を注視しながら、まさに景気を軌道に乗せていくということがこの政権の今後の一番の大きな課題だ、このように心得ております。
  46. 北橋健治

    北橋委員 この経済運営につきましては、最近の異常な円高というのが、製造業を中心に塗炭の苦しみをまた味わわせているわけでございます。  これにつきましては、亀井大臣が講演の中で、アメリカの経済運営につきまして厳しく叱責をする内容のお話をされておられました。表現につきましては評価はいろいろあろうと思いますけれども、私は亀井さんがこの中で、アメリカがドル安を容認して何ら手を打とうとしない、そういった姿勢を厳しく批判をされたということにつきましては全く同感でございます。  これは相手のあることでございますし、一兆ドルほどの市場でございますから、大変難しい問題ではございますが、日本の経済の安定的な成長を図る上で、大体一ドル何円ぐらいが適正な水準とお考えになっておられるか。あるいは、最近自動車の問題、航空交渉の問題、二つ大きな交渉を抱えているわけでございますが、USTRの代表の中には、こういった問題が解決することがこの為替問題の環境を好転することにつながると言う人もおります。しかしながら、学者の中では、直接はリンクしていないという議論もあるわけでございます。  いずれにしましても、今後の経済運営を考えますと、為替の水準なり、あるいはこういった貿易摩擦への対応ということが密接にリンクしていると思いますので、経済閣僚の一員としてお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
  47. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、アメリカに対して基軸通貨国としての責任の自覚を強く求めておるわけでございまして、短期間にドル安にシフトしていくというような状況を放置をすることは長期的にはアメリカの利益にもならない、国際経済上も大変なデメリットが出てくる、このように考えておるわけでございます。そういう面で、今後ともそうした我が国だけの利益という立場ではなくて、やはり国際経済の安定的な成長発展という観点からもアメリカの自覚は強く求めていかなければならない、このように考えておるわけでございます。  どの程度がいいのかというあれでございますけれども、私もそのあたりは精緻な形で申し上げるほどの知識はございませんけれども、やはり百円程度のところには安定的に返ってくることを私は目指すべきであろう、このように思っております。  なお、日米航空交渉も大変御心配をかけておりますけれども、また日米通商交渉もそうでございますが、私はやはりこうした問題というのは、日米間が長期的な視点に立って、長期的な両国の利益を考えるという立場に立って考えるべきことである、このように考えておりますので、粘り強く交渉を続けてまいる所存でございます。
  48. 北橋健治

    北橋委員 もうあと一問くらいしかできなくなりました。  日米航空交渉につきましては、先ほど同僚委員の方から質疑がありました。けさのニュースでも、今度はアメリカの国務省の首脳がまた制裁をちらつかせてきているようでございまして、大変に厳しい状況ではございますけれども、これについては二国間の協議のさなかにございますので、ぜひ日本航空業界の立場も踏まえまして、国益を踏まえて頑張っていただきたいと言うにとどめたいと思っております。  最後に質問させていただきたいのは、現在第七次の空港整備五カ年計画を策定されておりますが、この空港整備という日本にとって極めて重要な社会資本整備につきまして、大臣の御決意を聞かせていただきたいと思っております。  といいますのは、運輸大臣が御就任されまして最初の記者会見て、空港整備は国家的プロジェクトだ、海外の空港の三倍以上の着陸料を利用者に負担させて、それを財源にして空港整備をする現行制度はおかしい、着陸料を国際的に常識的な線に引き下げることを前提に国費を投入する、こういう趣旨のことをおっしゃっておられます。私は、これに全面的に賛成でございます。  そういった意味で、私も出身地は北九州でございまして、今新しい麻生渡県知事を先頭にしまして、アジアの交流の拠点を今九州の一角でやっているわけでございますが、そのときに北九州の姉妹都市仁川におきましては、二十一世紀初頭の開港を目指して相当大規模な新型空港の建設が進められております。向こう建設費コストも安いし、これはアジアのハブ空港として相当将来脅威になり得るのではないか、このように思っております。  もちろん我が国におきましても、運輸省がそれに負けないように、アジア各国間のハブ空港の競争に負けてしまわないように、相当程度のお力添えをされていることは承知いたしているわけでございますが、いずれにしましても、ハブ空港を日本にしっかりとつくっていくことが重要であることは運輸省が再三表明されているわけでございまして、そういった意味では、この第七次の五カ年計画を策定する段階が極めて重要でございます。  そこで、今後空港整備に当光りましては、いわゆる真水と呼ばれている一般財源というものを相当程度拡充しないとやはり無理なのではないか、そのような気がしてならないわけでございまして、この点につきましては大臣も就任のときから強い意欲を持っておられまして、私どもも全面的に応援をさせていただきたい、与党も野党もない問題だと思っておりますが、これについてどうでしょうか。
  49. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員指摘のように、世界の趨勢を見ましても、空港整備というのは国家的プロジェクトという観点から取り組んでいく場合が多いわけでございまして、私ども従来のようなユーザーの懐を当てにして建設をするということはもうやめにしたい、堂々と私は公共事業という立場からこれを建設をしていく、自治体あるいは経済界その他の協力を得ることはもちろんでありますが、そういう立場でおるわけであります。  その第一歩として、関空の着陸料を七年度予算におきまして低減をさせていただきましたけれども、八年度の予算要求等におきましても、そうした路線をきっちりと踏襲をしてまいりたい、大蔵省といえどもこういうことについてはきっちりと理解をするものであると確信をいたしております。会社に例えて言えば、私ども事業部長で大蔵省は経理部長でございますから、そうした基本的な交通政策のあり方なり、そういうものを決めるのはやはり運輸省である、このように我々は確信をしておるわけでございますので、いろいろと御支援のほどをお願いいたしたいと思います。  なお、ハブ空港は、成田、関空だけでいいと我々は考えておりません。細長い日本列島でございますので、それぞれ世界に発進をする大型国際空港を持つべきである、こういう考え方で第七次空整については考えてまいりたい、このように考えております。
  50. 北橋健治

    北橋委員 大臣の御決意を聞かせていただきました。この問題については、公共事業費の配分シェアの見直しといった難しい問題もあるやに聞いております。しかしながら、我が国の経済の今後の推移を考えますと、やはり軽薄短小の時代に経済は変わってまいりました。ますます航空という輸送手段が重要になってくるものと思っております。そういった意味では、六百三十兆円の新十カ年計画もございますけれども、こういったプランをつくるに当たりましては相当程度運輸大臣に頑張っていただきまして、ぜひとも真水の部分を大きくふやす、平成八年度の概算要求に当たりましても最善を尽くされるように御期待を申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  51. 井上一成

    井上委員長 樽床伸二君。
  52. 樽床伸二

    樽床委員 新進党の樽床でございます。お時間をちょうだいいたしまして、大臣及び関係者の方々に御質問を申し上げたいと存じます。  まず冒頭に、大変大ざっぱな質問ではございますが、戦後五十年を迎えた現在、また二十一世紀という新しい時代を目前に控えまして、私は今大変大きな時代の転換期にある、このように認識をいたしております。経済的にも、また社会全体におきましても、常に右肩上がりであり続けてきたという戦後の大きな流れが終えんをしつつある、いや、もう終えんをしてしまっておるのではなかろうか、私はこんな認識を強く抱いておるところであります。  当然、そういうことになりますと、予算におきましても前年比大幅増というような予算が組めるはずもないわけでありまして、今年度の予算を見ましてもまさにそのような傾向が顕著になっておるところであります。つまり、十年ほど前から言われておりますように、これからは拡大均衡の時代ではなく、ゼロサム型の時代になっていかざるを得ない、こういう時代認識を私は強く抱いております。そういうことになりまして、ゼロサム型の中で行政を行うに当たりましては優先順位を施策の中でつけていかなければいけない、取捨選択をしていかなければいけない、このようなことになり、大変かじ取りの難しい、しかし重要な時期に至っておるという認識を持っております。  そういう時代認識の中で、これからの運輸行政におきまして、大臣のビジョンなり大方針をお聞かせいただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。
  53. 亀井静香

    亀井国務大臣 私、就任のときも私の所信の一端を申し上げたわけでありますけれども、今、運政局を中心に、陸海空のバランスのとれたあるべき将来交通システムのあり方、これを省内で意思統一をやっておる最中でございます。それに基づいて、もちろん委員の皆様方の御指導を賜りながら、当面の、来年度の予算要求を含めてやってまいる所存でございますが、やはり委員指摘のように、財源が極めて厳しくなっておるとき、いわゆる二重投資、むだ遣い、そういうことを私どもの分野においても極力避けていかなければならない、そういう考え方に基づいて今そういう作業もやっておるわけでございます。  そういう意味では、陸海空それぞれの任務分担というのが時とともに変化をしてまいります。それに対して、昨年の延長でことしもやる、ことしの延長が来年というわけにはまいらぬわけでございまして、そういう意味では、我が運輸省の予算につきましても、思い切った、やはりそのときそのときのめり張りをつけざるを得ないということもあるわけでございまして、これはどこを軽視するとかなんとかということではなくて、七年度要求で少なかったところがまた次は極端に多くなるという場合もあるわけでございまして、そうした意味の機動的な予算編成をやっていかなければもたない、そういう意味では、私は委員の御指摘のとおりであろうと思います。  そういう面で、ちょっと私申し上げたいのは、六百二十兆の公共投資基本計画のその配分につきまして、従来残念ながら運輸省の分野というのはそのらち外だというような牢固とした考え方が財政当局にも色濃くございましたし、マスコミを含めまして全般にそういう理解がどうも定着をしておった、これをやはり打破をしていく必要がある。  例えば、六百三十兆の中で新幹線に二、三%使うことが国家利益、国民の利益に果たして反することなのか、港湾をそのうち何%、あるいは飛行場について、そうしたことを公共事業の全体のパイの中で、やはり我々の仕事の価値といいますか、そういうものをきちっと位置づけて、それで予算の配分を行うようにすべきだ、このように考えておるわけでございまして、そういう意味で、今後ともそういう議論を、我々省内でもやってまいりますけれども、この運輸委員会におかれましても、当面何をやればいいんだ、やらなければいかぬけれども、重点は何なんだということをぜひひとつ国会と一体となって考えていきたい、このように考えております。
  54. 樽床伸二

    樽床委員 大変力強い御意見を賜りまして、ありがとうございます。  そういった前提の中で、私は、今陸海空というお話もございましたが、これまで我が国は経済大国という路線を走ってまいりまして、そのかなり峠に差しかかっておるように思うわけでありますが、これから概念的には観光立国というような、そういう観点でまた新たな発想をしていくべきではなかろうか、そういう中で、陸海空あらゆる問題を含めて、その上位置念として観光というものを位置づける必要があるんではなかろうか、こんな認識を持っております。  今国会大臣の所信の中でも、観光の果たす役割はまことに大きい、このようなお言葉があったように私は記憶をいたしておりますが、四季の変化があり、そして非常に自然豊かな我が国であります。スイスが今観光立国というふうに、昔から言われておりますが、そのスイス以上に、一つの風景でも四季によってまた違う、このように大変豊かな自然を有しておる我が国でもありますし、また、世界的に見ますと、観光産業が実は二十五兆円の市場である、このようなこともお聞きをいたしております。  また、私の私見でまことに恐縮でありますが、五十年サイクルぐらいで観光についての革命が起こっているように、これは私のまことに私見でありますが、感じております。  つまり、ちょっと話が長くなって恐縮でありますが、第一次観光革命というのは、一八六〇年代にスエズ運河が開通をしたり、そしてまたアメリカ大陸の横断鉄道ができたり、そういう時代でありまして、国際化、欧州におけるエリート層の観光が活発になった。それから五十年後の一九一つ年代には、アメリカにおきまして、タイタニック号のあの悲惨な事件もありましたが、アメリカ方々の中産階級が世界に出ていった。そして、その五十年後の一九六〇年代には、ジャンボが就航をし、さらにマスツーリスト化が始まった、このように思います。  これが五十年、五十年、五十年で来ておりまして、この五十年でいきますと、二十一世紀の初頭に次なる観光の革命がまた来るんではなかろうか、こんな認識も私は考えておるところであります。そういう中で、国家戦略として観光を位置づける必要があるんではなかろうか、こんな認識を私は持っております。  過日の我が党の江崎委員質問にも、観光省をつくったらどうなのか、このような質問もあったわけでありますが、私は、単なる業者の方を振興させるという観光行政ではなくて、国家戦略の中で観光政策を位置づける必要がある、このように認識をいたしておりますが、改めまして大臣の所見をお聞かせいただきたいと存じます。
  55. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員の御指摘のように、世界が平和を確保していくための基礎というのは、相互理解であると思います。そういう意味で、まさに平和の基礎をつくっていくのが観光であると言っても過言ではない、このように考えるわけでございます。  そういう意味で、昨年十一月、百一カ国あるいは地域が集まりまして、大臣クラスが六十数名集まりましたが、観光サミットをやりまして、OSAKA宣言をいたしました。その中でも、そうした平和への基礎であり、かつまた過去の文化遺産を将来創造的に発展をさせていく、それがまさに観光であるという基本的な理念に従って意思統一をしたわけでございますが、先日、実は観光政策審議会から二十二年ぶりに私に対して今後の観光のあり方につきましての答申をいただきました。これはまさに画期的なことでございまして、我々はそれを拳々服膺しながら今後の観光政策をつくっていきたいと思いますけれども、これにつきましては、国内旅行と海外旅行と両面であろうかと思いますが、今我が国の場合、残念ながら、外国から日本においでいただくということは極端に少ない。世界の中でも下から数えた方が早いような順位であろうかと思います。  そういうことからも、国際観光振興会を、特殊法人を廃止しようなどというような意見があらゆるところから強くあったわけでございますが、私は頑としてこれはだめだ、最初からそういうつもりはなかったわけでございまして、やはり我が国が本当に世界の国から理解をされるためには、もっともっと日本においでをいただくということに力を入れることが、今貿易摩擦、いろいろな海外との摩擦の問題がございますけれども、やはりそういうものをソフトランディングさせていくには、そうした外国の方々日本を本当の意味で理解をしていただく、そういう機会を与えるのは、ビジネスチャンスもございますけれども観光というような形の中で、そこで行われるということもあるわけでございますので、私は国家戦略からいいまして、そういう面で国際観光振興会を中心に、今観光省とか観光庁というものはございませんけれども、頑張っていただきたい、このように思っておるわけであります。  また国内的には、今どちらかというと外国への旅行の方が、為替レートの問題もございまして、盛んでございますが、やはり我々が生まれた国を旅行しながら地域地域の人情に触れて、日本のよさを再発見をし、再認識をしていくということが、今後の日本が精神的な意味を含めて、一つの同一性を保ちながら発展をしていく上においては非常に有意義なものである、このように私は考えますので、委員指摘のように、観光というのは遊ぶことだからという考え方がありますが、私はそうではない、国際社会における我が国、また我が国のそうした精神的にも豊かな国家を目指していく面においては不可欠なものである、このように考えておりますので、運輸省といたしましては、全力を挙げて努力をいたしておるつもりでございます。
  56. 樽床伸二

    樽床委員 私も大臣と非常に見解を同じくしておりまして、我が国に、円高等々の問題はあるでしょうけれども、多くの方が世界から来られる。一度私どももどこかよその国へ行ったときには、そこへ行ってその国を知れば、みずから体を運んでいけば親近感も持ちますし、そういったことから考えますと、逆に言うと日本に多くの方が来ていただいて、日本のよさを知っていただいて、そしてそういった面で日本が世界の中でなくてはならない国になっていくスタートが切れるのではなかろうか、こんな認識を持っております。  そこで、先ほど大臣も大阪の観光大臣会議お話をされました。私も大阪選出でございますので、その会議につきましては注目をしておったわけでありますが、その中で、いろいろ聞いておりますと、アメリカにおきましても商務省で担当次官がおられ、そしてまたオーストラリアでも観光省があり、カナダでもかなり活発な観光政策を行っておられる。また、スイスでは当然のことでありまして、そのような政策が行われておるということであります。そういう中で、四月一日に観光部の組織改正をされた、こういうふうにお伺いをいたしておりますが、どのような目的で組織改正をされましたのか、改めてお聞かせをいただきたいと存じます。
  57. 荒井正吾

    荒井(正)政府委員 四月一日の観光部の組織改正についてお答えさせていただきます。  従来、企画課、旅行業課、振興課と三課でございましたが、旅行業課を旅行振興課、振興課を観光地域振興課というふうにいたしました。  その内容でございますが、旅行振興課は、旅行業の振興が旅行全体の一部でございますので、旅行全体を大きく振興するという立場からこの課の所掌を広げたつもりでございます。具体的には、ゆとりある休暇の取得促進でございますとか、二国間の国際観光推進でございますとか、交通機関、宿泊業と連携いたしまして国内旅行を振興するとか、そういう幅広い業務をそういう気時ちで行わさせるというふうに変わりました。  観光地域振興課でございますが、地域活性化のためには観光によることが非常に大きいという認識が基本でございます。また、地域が非常に観光に熱心になってこられておりますので、地域と共同いたしましていい観光地づくりをするということを新しい課の基本精神にしたいと思っております。具体的には、旅フェアでございますとか、沖縄とやっております、デスティネーション開発協議会と申しまして、その地域の旅行の振興でございますとか、観光地域振興計画とか、そういうものを関係自治体とか関係業界と連携しながらやるというような内容になっております。
  58. 樽床伸二

    樽床委員 組織改正をされましても、やはり組織改正に伴って担当職員の方々の熱意というものが行政を動かす最大のポイントでございます。そういった点から考えますと、観光を国家戦略の中で位置づけ、観光政策に従事することが非常に国に貢献しているんだという意識をやはり担当の方に持っていただけるような、そんな国家戦略をぜひともつくっていただきたいなというふうに改めてお願いを申し上げたいと存じます。  そういう中で、観光政策の三つのポイントといいますのは、一つ目に、政府が当然のことといたしまして観光行政を国家戦略の中で位置づけ、その方針を示すこと、これが第一点でありまして、第二点が、観光というのはそれぞれの地方の特殊性というものがございますので、地方がそれぞれの特徴に応じた観光行政の計画を企画立案し、推進していく必要があろう、そして三点目に、運輸省のみですべてこの観光行政というものは完結するものではないというふうに私は認識をしておりまして、関係各省庁との緊密な連携をとる必要があろう、このように思っております。  そういった、特に三点目の点に触れまして、今回の組織改正におきまして他省庁との連携をどのような観点から位置づけておられるのか、お聞かせをいただきたいと存じます。
  59. 荒井正吾

    荒井(正)政府委員 組織改正及びこれからの業務の運営の基本的な私どもの心構えは、今委員がおっしゃった線、全くそのように考えております。  運輸省観光部だけでこの広い観光の業務をカバーできるわけではございませんので、関係省庁と地域の所掌をされている国土庁、自治省でございますとか、イベント産業を持っておられる通産省でございますとか、環境を持っておられる環境庁でございますとか、あるいは最近、中山間地あるいは農山漁村の振興のために観光を利用するということもございますので、農林水産省とか、いろいろな関係分野がございますので、私ども観光産業を幅広く所掌しているという立場から、地域あるいはそれらの関係省庁と連携をとって、まとめ役あるいは調整役あるいは推進の裏方というような役目を担っていきたいと考えております。
  60. 樽床伸二

    樽床委員 そういった他省庁との連携の中でやはり最も中核になって推進をしていくところがなければ無責任体制に陥るわけでございますので、そのような国家に貢献する国家戦略の中で他省庁としっかりと連携をとって、その中核として御活躍をいただくことをぜひともお願いを申し上げたいと存じます。  そして、先ほどの私の三つのポイントの二点目の、地方のそれぞれが企画を立案し、推進をしていくという観点でありますが、当然のことといたしまして、我が国の非常に変化のある地形の中で、また国土の中で、それぞれの地域において特徴が違います。ですから、都道府県というよりもまさに市町村レベルで観光のあり方が変わっていくのだろう、私はこのように考えておるところであります。そういうことは実は現在大きな流れとなっております地方分権の流れにも合致をするし、地方分権を進めなければこの観光行政というのはよりいいものになっていかないのではないかな、こんな感じを私は持っております。そういった中で、地方分権といいますと、権限と財源を地方に移していく、こういう大きな柱でございますが、そういったことをしっかりと観光の分野において地方分権のパイオニア的部分にぜひともなっていただきたい、そんな思いを強く抱くわけであります。  そういった中で、御提案的なことがあるわけでありますが、実はかつての料飲税、今でいうと特別消費税でありますが、私が漏れ伝え聞くところによりますと、大阪は京都に近いものですから、京都の方からもいろいろお話を伺うことがございます。  そういう中で、これは例えばの話でありますが、一つの例で申し上げますと、京都の中でも、各都市の飲食業者さんから入ってくる特別消費税というのは、都道府県、つまり京都府の観光の財源として活用されるというような方式がある。そういたしますと、例えば市町村レベルの振興にはなかなか役立たない。祇園がいいのか悪いのか、これは一つの例えで申し上げますが、祇園で落ちたお金がほかの、京都の北の方で使われる、こういうような現実も起こってくるわけであります。そういったことからいたしますと、観光に関する税金というのは、できるだけその一番中心で推進される市町村に落ちる方がよりインセンティブも伴いましていいのではないか、私はこんな見解を持っております。  そういった中で、そういう方針に基づいて、観光を振興させるための仮称観光税というようなものを市町村税としてっくってはどんなものかな、こんなことを御提案をさせていただきたいと思いますが、長期的な話ではあろうかと思いますが、御見解を賜れれば幸いでございます。
  61. 亀井静香

    亀井国務大臣 委員の御提案の中身をもうちょっと詳細にお聞かせいただきませんと、私がここで即断してどうだこうだというわけにはまいらぬと思います。  ただ、委員指摘のように、それぞれの自治体が観光行政を推進する上におきましての独自の財源を持つということは極めて現実的であり重要である、このように思います、
  62. 樽床伸二

    樽床委員 唐突な提案ではございましたが、私もそのような大きな方針に基づいてこれからも鋭意また細部を研究してまいりたいと思いますので、どうかいろいろと御指導をいただければ幸いでございます。  次に、今市町村を中心とした観光という視点でお話をさせていただきましたが、市町村、小さなレベルでの地理的な条件を同じくするところでの振興というのが一つの基本ではありますが、それをくし刺しにするような、もっと広域的な観光の開発という取り組みが実は全国でいろいろなされておるというふうに私は認識をいたしております。  私が住んでおります関西におきましても歴史街道という構想がございまして、これを若干説明をいたしますと、近畿において、伊勢から始まり奈良、京都、大阪、神戸と、昔から発展してきた地域でございますので、文化遺産もさまざま、それが成立した、できた年代もさまざまということでありまして、それを年代的に回廊のように結びつければ、近畿に来たお客様は、そのコースをずっと行けば最終的に、歴史のタイムトンネルのような、二千年前の伊勢神宮から、最後は、二十四時間空港として今最も注目されております関空で最終を迎える。こういうようなことで、関西の復興にも大変意義があるし、また世界から関西に来ていただければ、それで日本の歴史が目の当たりに実感できる非常に有意義なプロジェクトであるし、これを強力に推進をしていかなければいけない、このように私は考えておるところであります。  しかしながら、聞くところによりますと、どうも運輸省さんの取り組みがもう一つ芳しくない、このような風評も地元ではちらちら耳にするわけでございますが、この歴史街道構想、このような構想に対しましての見解をぜひともお聞かせいただきたいと存じます。
  63. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は、まことに結構なあれだと思います、運輸省か何か余り力を入れていねいとかいうお話でございますが、これは当然お手伝いできることでしたら最大限いたしますので、具体的にひとつお申しつけいただきたいと思います。
  64. 樽床伸二

    樽床委員 ありがとうございます。大臣の大変力強いお言葉を賜りまして、関西から出ております私といたしましては大変意を強くした次第でございます。  そのようなさまざまな観光政策、また具体的な施策を組み合わせることによりまして、我が国にたくさんの人が来られる、そのことが我が国の安定にもつながる。軍備が不必要であるとは私はさらさら言うつもりはありませんが、軍備でない、世界の中で我が国の安全を保つ一つの大きな柱になるのではなかろうか、このような認識を抱いております。  そういう中で、もう一つ御提案をさせていただきますが、非常に抽象的な意見ではございますが、そのような歴史街道という、過去から現在までずっとつながるような史跡があり、そしてそのようなプロジェクトがあるこの関西におきまして、関西から観光、文化を世界に発信していく、またその中で、世界から来られた方にしっかりと我が国の歴史を認識をしていただくということで、この関西を観光の一つの核にしてはどうだろうか、このようなことも私は思うわけであります。  全体的な話でありますが、観光につきましてはまだまだ学術的にも研究が十分になされていない分野であろう、ほかの分野につきましてはまだ取り組みがいま一つ活発でない、そのような認識も持っておるわけでありまして、関西に観光学研究所を、世界のいろいろな方に集まっていただいて観光に関する研究をするような場所を、今京阪奈の学術都市もありますし、そういうような形で設立をするというのは、私の一つの提案ではございますが、もしよろしければ御見解を賜りたいと存じます。
  65. 亀井静香

    亀井国務大臣 先日の観光政策審議会からの答申の中にも、観光大学等、そうした観光に関する研究、またそれに関するスペシャリストの養成等、総合的な提案がございましたので、委員の御提言もそういう範疇のものと考えますので、そういう中で検討させていただきます。
  66. 樽床伸二

    樽床委員 当初時間が十一時四十分まで、こういうお時間をちょうだいいたしておりましたが、若干後ろにずれておりますけれども、進行の協力を含めましてできるだけ定刻どおりに終わりたいと思っております。  そういう中で、現在、観光行政につきまして、大臣を含め関係者の方々から大変力強いお言葉を賜ったというふうに考えております。私もこの分野につきましてはこれからもっともっと勉強をさせていただきまして、国家の観光についての方針をともにつくり上げていく末席にでも加えていただけたらな、そんな思いでいっぱいでございます。  そこで、お許しをいただきまして、最後に一点だけ、全く違う観点で御質問をさせていただきたいと存じます。  最近、ちらちらとマスコミ等々に報道されることでありますが、細川内閣、羽田内閣、そして村山内閣で完成をいたしました選挙制度の改正に対しまして、一度もその制度で選挙をしていないにもかかわらず見直すべきである、このような意見が各方面から出てきておる、このようなことが漏れ伝わっております。  私ども新進党といたしましては、民主主義の精神に基づいて我々があれほどいろいろな議論をして決めた制度を一度も運用することなく変更をするというのは、これはまさに民主主義の崩壊につながる、このような認識を持っております。そういった点におきまして、与党の大幹部であり、また重要閣僚であられます大臣のこの問題につきましての御見解をぜひともお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  67. 亀井静香

    亀井国務大臣 私は新聞紙上でしか承知をいたしておりませんが、そうした見直し論が委員所属の新進党の方の中にもあるようでございますけれども委員が御指摘のように、一度もその制度で選挙をしないでそれを変えるというような朝令暮改みたいなことをやるということが、果たして国民の方から信頼を得られるのかということであろう、このように私は思います。もちろん制度でございますから、よりよきものにしていくという努力は常にしなければならない、このようなことだと思います。
  68. 樽床伸二

    樽床委員 ありがとうございました。  私も大臣と全く同じ見解でございまして、見直すべきは見直すのにやぶさかではありませんが、一度もやらないで、どこをどう見直すのかさっぱり理解ができないわけでございます。過渡期の制度であるという認識と、これから未来永劫この制度でしていかなければならないという認識と、さまざまあろうと思いますが、この選挙制度のもとで数回の選挙を行い、そして新たな政治体質をつくり上げていくことこそが政治改革の本旨である、このような認識を私は強く抱いておりますので、ぜひとも御奮闘いただきまして、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  以上をもちまして私の質問を終了さしていただきます。ありがとうございました。
  69. 井上一成

  70. 寺前巖

    寺前委員 二つの問題について、限られた時間ですが、質問をしたいと思います。  一つは、五月三十一日、衆参両院議員各位殿ということで、全国自動車交通労働組合の東京地方連合会の執行委員長の名前で、「運賃改定にともなうタクシー労働者の労働条件改善及び安全で利用しやすいタクシーを求める要請書」というのを受けました。この点について聞きたいと思います。  もう一点は、関西空港など運輸省をめぐって一連の綱紀の粛正問題というのが出されています。この問題についてお聞きをし、さらに予算との関係などの問題についても時間があれば聞きたいと思います。  まず第一の、運賃改定に伴うタクシー労働者の労働条件の問題ですが、その文書にはこう書いてあります。  三月十八日に東京地区のタクシー運賃改定が実施されました。この運賃改定は、事業者が労働条件改善のために必要として申請したものであり、その認可に当たっては、物価問題関係閣僚会議において「労働条件の改善を図り、良質な労働力の確保に努める」ことを政府は強力に指導するとされ、運輸省関東運輸局は「今回の運賃・料金改定で、原資となっている運転者の人件費のアップ分については、賃金水準を上昇させることを目的としているものであり、確実に運転者に還元すること」「運賃改定では、時短が運賃の原資に含まれているので、時短を実施することにより、運転者の賃金を下げることのないようにすること」を都内各事業者に指導しているところです。こう書いてある。担当局長さんに、間違いございませんか、これは。事実はどうなんです。
  71. 金丸純一

    ○金丸説明員 さようでございます。間違いございません。
  72. 寺前巖

    寺前委員 ところが、その後にこう書いてある。  ところが東京の経営者の多くは、運賃改定後二か月半を経過した今日に至るまで労働条件改善の約束を果たそうとせず、九五春闘の賃上げ要求にも有額回答を示さないばかりか、一部には、改善どころか一時金の大幅引き下げなど労働条件改悪を強行する事業者さえ存在しています。  こうしたことを放置すれば、結局、利用者をだまして値上げたけしたということになり、公共料金及びその認可に対する国民の不信を増大させるばかりです。こういうふうに指摘しているんです。この事実は当たっていますか。
  73. 金丸純一

    ○金丸説明員 まず、今回の東京のタクシーの運賃改定でございますけれども、先ほど先生おっしゃいましたように、経営の悪化があるということが一つございますけれども、やはり労働者の労働条件の改善を図ろう、こういったことが非常に大きな申請理由でもございましたし、またタクシー事業の今後を考えますと、やはり安全面、そういったことも考えまして、それが非常に重要なことであるという認識でもって、私どもは労働条件の改善ということを織り込みまして、運賃改定を認可いたしたわけでございます。  具体的な運賃認可に実際にそれがどう織り込まれるかという話でございますけれども、私どもといたしましては、その通達の中で、前回の運賃改定のときも同様でございますが、定期的に一年先とかあるいは六カ月、そういったときにこの改善状況がどうなっているかフォローいたします、こういうことを申し上げているわけでございます。労働条件の問題につきましては一義的に労使間の問題でございますけれども、私どもといたしましても、やはりその労働条件の改善ということを運賃改定に織り込みましたので、それを非常に強く要請するとともに定期的にチェックしていきます、こういうことを申し上げて、今その事業者の方の努力を見守っているところでございます。
  74. 寺前巖

    寺前委員 私の聞いているのはこうですよ。約束を果たそうとしていないという事実の指摘が事実ですかと、こう聞いたのです。見守っているというけれども、事実としてはこういうことが起こっているのですよ。知っているのですか、知らないのですか。
  75. 亀井静香

    亀井国務大臣 私どもといたしましては、運賃改定に伴う増収分が出た場合は、先ほど来申し上げておりますように、それを労働条件の改善等に使うようにという強い指示、指導をいたしておりますが、ただ、残念ながら景気が低迷をしていることを反映をいたしまして、運賃は上げましても増収になっていないというようなケースも企業によってはあるわけでございますので、そういう面で現実的にそれを実行できない社があるであろうことは推察できるわけでございます。  我々といたしましては、増収分につきましては、そういう処置をとれという強い指示をいたしております。
  76. 寺前巖

    寺前委員 私は実務的に聞かしてもらっておるのです。要するに、今大臣は推定をするというお話があったけれども、そうじゃない、ここには労働条件改善の約束を果たそうとしていない、現に果たそうとしていないという事実も起こっているのかどうかということを聞いているのです。  次にこう書いてある。聞いておってくださいよ。   東京のタクシー労働者の労働条件の現状は、  男子常用労働者より年収で百七十八万円も低  く、年間労働時間は五百二十七時間も長い(一  九九三年)という劣悪なものです。しかも、前  回の一九九二年にも今回と同様の趣旨でタク  シー運賃の改定が行われましたが、現実には、  労働条件改善どころか、タクシー労働者の年収  は二年連続して前年より低下するという、まっ  たく逆の結果となっています。このようなこと  を再びくり返させるわけにはいきません。こう書いてある。だから、この間の運賃改定は、今大臣がおっしゃったように、労働条件改善のためにということをわざわざ強く指摘をして通達を出しておるわけです。その前にも同じようなことを言うたけれども、これによって労働条件改善のためにはなってませんよ、二年連続して前年より低下してますよ、こういう指摘がある。これは事実だったのかどうだったのか、私は事実問題を御報告いただきたいと事務当局に言っているのです。これは事実ですか、間違うてますか。
  77. 金丸純一

    ○金丸説明員 お答え申し上げます。  前回、前々回というお話がございましたので申し上げますと、平成二年の改定、このときにもやはり労働条件の改善といったことと、あと時短の問題がございました。このときには、その後一年間見ますと、七・四%上がったということでございます。しかしながら、御指摘のように、平成四年の改定でございますけれども、このときには景気の低迷等もございまして、東京におきましては一・二%のマイナスになったという統計になっております。このときには営業収入自体も非常に下がっておりますし、輸送需要も下がってきたという背景があるわけでございますけれども、今回私どもは、そういった経験にかんがみまして非常に強い指示を出したわけでございます。今回につきましては、確実に労働条件の改善に回るように、それは賃金のアップと、それと時短の話でございます。  それともう一つ申し上げますと、労働条件の改善で時短の話がございます。これは労働省の方の統計でございますけれども、賃金構造基本統計調査というのを毎年六月にやっております。これで見ますと、平成二年には月平均の総労働時間二百十三時間でございました。これが平成五年では二百五時間ということでございますので、労働時間につきましては、若干といいますか、少し改善効果が見られるということでございます。しかしながら、御指摘のように、景気の低迷下、平成四年の改定の際、平成五年、これにつきましては、マイナス一・二%ということでもって、賃金が少しく下がったということは事実がと思います。
  78. 寺前巖

    寺前委員 要らぬことをいろいろ聞かせてもらわぬかてよろしいのやわ。  それで、私は心配しておるのは——年いっているから何でも心配するのかと、そう思わぬといてくださいよ。昔神風タクシーという問題があって、心配しましたよ。ともかくスピードを出して、お客さんをどれだけ乗せるか。これは走り回るんだから、社会不安が起こって仕方がない。しかし、労働者は労働条件を改善しようと思ったら、お客さんを乗せてもうけぬことにはなかなかそうはいかぬという問題が伴ったんだ。これは心配して、そこから生まれてきた問題として例の東京オリンピックの問題もあるから、だからちゃんと労働条件を確保するように、値上げをする場合にはちゃんとそのことを保障しなさいというのを毎回毎回やってきたものなんだ。  それは、準公共料金という社会的な役割をタクシーというのは果たしているからなんです。そういう特別な存在であるということを認識するならば、労働条件の改善という問題は、単に労使間の問題ではなくして、社会不安との関係もあるから、本当に情熱傾けてやってもらわなあかん、私はそう思うのです。  だから、前回そのことを言いながら、実際上は下がったということをお認めになっている。すると、今回また認可するに当たって、そういうふうにやりますのや、こう言われたからといって、現実にそうじゃない方向で関係の業界の幹部の方がやり始めたら、ちょっと待てよと、この問題の持っている性格から考えてそれはちゃんとしてもらわな困るのやという強力な指導を、前回のようでは困るんだ、どうするんかということが今私は求められていると思うのです。  一般的に業界に向かって、こういうふうにして労働者の労働条件改善のために、そのために値上げを認めているんやからなといって業界一般論を言うたって、私はそうでっかということで終わってしまうと思う。だから、そこの詰めをどうやって今度はやってくださるのか。これは大臣に聞いておきましょうか。
  79. 亀井静香

    亀井国務大臣 先ほども申し上げましたように、個々の経営者が、性悪説といったらおかしいのですが、値上げ分の増収分を自分たちがとっちゃえというようなことで運輸省の指導に反したことをしておるというように私は現在即断をしておらぬわけでございまして、やはり景気全体が低迷をする中で、値上げによる増収効果が起きていない個々の企業が多いのではないか、このように考えておるわけです。この村山内閣、景気を本格化していくということが基本的に大事だと思いますが、そうした中で私は、先日も局長を呼びまして、具体的に各企業ごとにその経営内容等をしっかりと見て、これが運輸省の値上げについての方針どおりの処置をしておるかどうかということをきっちりと目を光らしてということを、委員の御指摘をまつまでもなくやっておることを申し上げたいと思います。
  80. 寺前巖

    寺前委員 それじゃ、個々の企業をきちっと分析して指導してもらいたい。通達どおりにやらせていただくことを要望しておきます。  次に、関空の問題。実はきのう行ってきたのですよ。どんなになっているのだろうか、新聞にあれだけ書かれている。新しくエアロプラザの建設、いよいよことしの秋には竣工するようです。  そこの関空の会社の複合管理棟の建設課長、これは運輸省から出向されて、もう出向後は今度は向こうの職員になっておられます。この人が建設会社からゴルフの招待を受けていた。それからまた、自分の知っている電気工事会社、そこから電気器具を仕入れろというあっせんをやった、それで百万円の現金をもらったということで、警察が取り調べに入った、逮捕されるという事態が起こっているわけです。  ところが、新聞記事をずっと整理してみると、この井上という複合管理棟建設課長、もとは運輸省におった人、この井上容疑者以外にも六回にわたってゴルフの接待を一緒にやっているというんです。その六回というのを新聞で見ていると、日曜日は一回だけであって、あとはウイークデーにやっている、五回までは。しかも、単に井上と、それからわいろを渡した側の渡部という二人がそこでやっているというだけじゃなくして、そこには運輸省の大阪航空局幹部職員や大阪府の幹部が一緒になってやっているということが書かれているわけだ。  さらにずっといろいろ読んでみますると、昨年の五月に、これは関空の幹部ですが、関空というのは多くの人が運輸省から行っていますから、同社の営業部長が兵庫県内のゴルフ場で昨年の五月の末、収賄容疑で逮捕された課長とともにゴルフ接待を受けていた。プレー代は総額十五万円余りだ。  あるいは、その次に出てくるのは、運輸省大阪航空局幹部などなどが、昨年九月二十一日に神戸市北区のゴルフ場で、運輸省の元課長と大阪航空局飛行場部長、贈収賄で逮捕された二人の計四人がプレー。プレー代金一人当たり三万円。これはやっていたということが新聞にずっと出てくるわけです。  さらに見ていると、五月二十三日の新聞にはこういうのが出てくる。空港建設に伴う漁業補償交渉の窓口となった土木海運会社役員や大手ゼネコン社員らの賭博事件を大阪府警が告発した際には、役員らと交際のある運輸省出身者の空港会社幹部がこの役員から高級時計や金銭を受け取っていたことが判明。  その次、また見ていると、大阪航空局の複数の幹部職員が、渡部容疑者が会員権を持つ大阪府枚方市のゴルフ場で計三回にわたってゴルフ場接待を受けていた。一人当たりプレー代金は三万円前後で、渡部容疑者が全額払っていた。これは五月二十五日の新聞に載っている。  さらにまた別な新聞には、関空会社の指名業者数社が親睦会をつくり、親睦会が開くゴルフコンペには、収賄容疑で逮捕された井上や同社幹部のほか、大阪府の中堅幹部職員数人も頻繁に参加していた。親睦会は数年前につくられ、大阪府や兵庫県などのゴルフ場で年数回コンペを開催。通常、接待する業者側と関空会社や府の幹部ら計十数人が参加、費用は業者側が負担していた。次々とこれ、ずっとゴルフコンペの記事がざあっと出てくる。  一つは、運輸省自身の役人がそこに参加しているということ、もう一つは、運輸省出向ないしは出身の幹部、関空に入っている職員たちが業者と一緒にやっておる。このゴルフコンペについて、こういう事実があったのかどうか。新聞に書かれている以上は、その新聞の事実について全部調べたのか。調べた結果はどういうことになっているのか。ゴルフコンペをこういうふうに業者との間にやっている、これはいいことだと思っているのか。その事実と調査と、そしてその調査結果、それに対してどう考えているのか。これは御説明いただきたいと思うのです。
  81. 土坂泰敏

    ○土坂政府委員 逮捕された複合管理棟建設課長以外に、関空の職員、運輸省のもとの出向者であります関空の職員あるいは大阪航空局の職員、こういう者が接待ゴルフに参加していたということについては、これは本人も認めておりまして、大変軽率であったということで反省をしております。私どもとしてこれをどう思うかといえば、これは大変遺憾なことであるというふうに思っております。  今、新聞記事、随分詳細におっしゃったわけでございますが、関空会社そのもの、あるいは大阪航空局で現在事実関係調査中でございます。その調査の結果に基づいて、再発の防止策について適正に対処してまいりたいと思っておるところでございまして、現在調査中でございますが、一部、報道されていることについて事実があったことはそのとおりでございます。  私どもとしては大変遺憾に思っております。
  82. 寺前巖

    寺前委員 それで、調査中だと大阪へ行ったら言われた。それから、会社に行ったら会社もそう言った。それから、書類やらそういうものは持っていかれておるのでわかりません、ただ、遺憾ではあるけれども、わかる範囲の調査をしています。それと同時に、会社へ行ったら、何のビデオか知らぬが、ビデオを見せて職員の教育をやっておる。私は言ったんだ。職員といっても、こんなわいろを、あるいは接待をしなきゃならぬというのは、幹部職員でなかったら接待したって役に立たぬのだよ、だから、幹部職員の問題だろう、主として。  そうすると、どんな指示文書を出しているんだといってもらった。二回出したというんだ。二十三日と二十五日付ですよ。これは二回とも同じようなものだ。読んでみますよ。   綱紀の厳正な保持については、機会あること  に注意を喚起してきたところであるにもかかわ  らず、エアロプラザの開業直前に、その設計等  に関連して世間を騒がせる事態が発生したこと  は、慚愧に堪えないところである。   直ちに実情を調査し、原因を徹底解明して再  発防止に努める所存であるが、職員各位におい  ては、今一度当社の果たすべき公共的使命を十  公認識し、綱紀の粛正について一層の自覚を促  したい。それだけです。ゴルフコンペ、業者と一緒にやってよろしいのか悪いのかはっきりしないじゃないですか。  その次の文書はこう書いてある。   標記については、先に通達したところである  が、最近に至り、いわゆるゴルフ接待疑惑に関  連して当社の現役又はOBの役職員の関与が報  道されたところである。   当社としても、鋭意事実関係の解明に当たつ  ているところであるが、ここに改めて役職員一  同の綱紀の粛正につき、注意を喚起するもので  ある。喚起する、喚起する。喚起するのはいいけれども、要するに、ウイークデーなり、時には休みをとってまで、関係する諸君たちとの間にゴルフコンペをやるというようなことがいいんだろうか。あるいは、これは全然別になりますが、料亭で一杯飲むということがいいことなんだろうか。世間の人はいいとは言わないと思うのです。だから、本当に綱紀の粛正と言うんだったら、何をしたらいかぬのかということをはっきりしなければいかぬのやないだろうか。  最近、大蔵省は、「全機関の長殿」といって、綱紀の粛正の文書を出していますよ、官房長から。それを見ると、職務上の関係者との交際について、会食等については、「職務上の関係者からの会食等への招待には、原則として応じないこと。」云々と、やっぱりきちんとしておかなきゃならぬものはきちんとしておこうじゃないかということをおやりになっている。私は、大蔵省がいいとか悪いとか言っているわけじゃない。ここまでざあっと出てきたときには考えさせられますよ。  私、せっかくの機会だから、ついでにちょっと、思いつきみたいなことで申しわけないけれども、これも新聞の記事だ。三月二十九日のある新聞を見ていると、今、きょう集中審議をやっている二億組、あの二億組問題をめぐって背任容疑で刑事告訴された東京協和信用組合の高橋理事長が経営する栃木県のゴルフ場の顧客リストに、大蔵官僚十六人を含む五省庁計二十一人の中央官僚の名前が記載されていた。それをずっと見ると、運輸省もあるのを御存じですか。運輸省観光部長と書いてある。新聞に出ているのですよ。  これはお調べになりましたか、こういう事実があったのかないのか。これはだれの所管ですか。新聞に載ったのですよ。お調べになりましたか。
  83. 黒野匡彦

    ○黒野政府委員 私どももその新聞を拝見いたしまして、そこで言われている人物に直接話を聞きました。本人は、高橋何がしとの面識は一切ないということは明言いたしました。また、ゴルフにつきましては、そこの新聞に書いているようなゴルフ場にそういうメンバーで行ったことについては必ずしも記憶が定かでない、こういう報告を受けております。
  84. 寺前巖

    寺前委員 私は、改めてこの問題についても提起したいと思います。  この記事、ずっと読んでおったらおわかりのとおり、だれが金を払っているのかという問題が出てくる。そうすると、平成二年の五月三日、窪田邦夫という人、これはこの新聞に出てくるのですよ。何かというと、高橋氏に中央官僚を紹介した経営コンサルタント窪田邦夫氏に請求されている場合が多い。何が出てくるかといったら、窪田邦夫、田谷廣明、これは大蔵省の問題になった人ですよ、それから一柳良雄、これは通産省の人、そして荒井正吾、この四人が、金額までちゃんと明確になっている。十万何ぼの金額になっていますよ。そして、このお金の請求はIBM窪田邦夫へと、ちゃんと書いてある。資料を私、持っているわけです。ちょっと調べたら明確になってくる。  私は、これは事実関係、調べてほしいと思いますよ。名前が出てきたら、そこまできちっとやらなんだら僕はうそだと思うのです。そして、本当に綱紀粛正を言うんだったら、こういうことがいいことなんだろうか、今改めて疑惑を持たれるんですよ。  大臣、手を挙げたがっておられますから、時間もありますから、大臣に、ひとつ私、改めてきちんとしてほしいな、事実関係ももう一度調べ直していただいて、そしてやっぱり綱紀の粛正をお願いしたい。いかがでしょう。
  85. 亀井静香

    亀井国務大臣 公務員が厳正な規律のもとで職務を執行することは当然でございます。また、李下冠を正さずという、またそうした心構えも当然でございます。細かい内規をつくらぬじゃないかというおしかりでございますが、我々は大蔵省の役人のレベル以上の高い倫理観を一般的には持っている、このように確信をいたしておるわけでございます。  なお、申し上げたいのは、個々のマスコミその他にうちの職員の名前が出てまいりますけれども、私は、職務に関して、明らかに職務に関してそうした接待を受けたりすることは、絶対にこれはやるべきではないと思います。ただ、役人といえども、いろんな民間の同級生だとか、いろいろなことを含めて私的な交際はあるわけでございますから、その相手が将来悪いことをするかどうか、将来、検察庁や警察の手にかかるようなことになるかどうかということは、これは見通せない面もあるわけでございますから、できるだけ友達はいいのを選ばにゃいかぬことは事実でございますけれども、そういう場合と、先ほども申し上げましたように、職務に関して明らかにその李下冠を正さずということでやるべきと、このあたりはやはり明らかに区別をして考えるべき点もあろうか、このように考えます。
  86. 寺前巖

    寺前委員 私、事実問題はきちんと調査をしていただいて、きちんと整理をしていただいて、そして飲食やらそれからゴルフコンペの問題はこの際に明確にしてほしい。  最後に一言だけお聞きをしたいと思います。それは運輸省の次の予算に関係することでございますが、海外へ出ていかれる場合に、九二年度は百六十七件、九三年度は百八十五件、航空機の会社に運賃を出さずに無料で乗せてもらっているという問題があります。何のために海外へ行かれたか。聞くとそこには、九三年度百八十五件の無償提供を受けた中には、APEC、ガットの国際会議、あるいは欧州運輸大臣会議出席、ICAOあるいは建設市場アクセスに関する協議などなどの国際会議の出席がざあっと書かれております。資料をいただきました。  そうしたら、これに外務省の人も一緒に行っておられるところが多くございます。外務省の職員は一々ちゃんと旅費を払う。ところが、運輸省の職員は無料で乗せてもらう。私は、これはおかしいと思うんです。やはりきちんとそれは旅費を出してやる。たかりのようなことになってはまずい、監督官庁であるから。そのことを大臣にお聞きして、終わりたいと思います。
  87. 井上一成

    井上委員長 寺前議員に申し上げます。  質疑持ち時間が約束から相当経過いたしましたので、答弁を求めずに……(寺前委員「だからその辺、一言だけで私終わりますから、大臣お願いします」と呼ぶ)そういうことであります。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十一分散会