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1994-12-08 第131回国会 参議院 本会議 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年十二月八日(木曜日)    午後一時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十一号   平成六年十二月八日    午後一時開議  第一 雲仙普賢岳災害に関する請願(二件)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の   締結について承認を求めるの件(衆議院送付   )  一、著作権法及び万国著作権条約実施に伴う   著作権法特例に関する法律の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送付)  一、特許法等の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  一、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一   部を改正する法律案内閣提出衆議院送付   )  一、繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事   業団法の一部を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  一、農産物価格安定法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  一、関税定率法等の一部を改正する法律案(内   閣提出、衆議院送付)  一、主要食糧需給及び価格の安定に関する法   律案内閣提出衆議院送付)  一、世界貿易機関設立協定締結承認等に伴う   国内対策確立等に関する決議案上杉光弘   君外六名発議)(委員会審査省略要求事件)  以下 議事日程のとおり      ——————————
  2. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  世界貿易機関を設立するマラケシュ協定締結について承認を求めるの件(衆議院送付)  著作権法及び万国著作権条約実施に伴う著作権法特例に関する法律の一部を改正する法律案  特許法等の一部を改正する法律案  加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案  繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖薫価格安定裏業団法の一部を改正する法律案  量産物価格安定法の一部を改正する法律案  関税定率法等の一部を改正する法律案  主要食糧需給及び価格の安定に関する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上八件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。世界貿易機関設立協定等に関する特別委員長矢田部理君。     —————————————    〔審査報告書及び議案は六号(その二)に掲載〕     —————————————    〔矢田部理登壇拍手
  4. 矢田部理

    矢田部理君 ただいま議題となりました協定及び七法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  世界貿易機関を設立するマラケシュ協定は、ガット・ウルグアイニブウントの多角的貿易交渉の結果、本年四月に作成されたものでありまして、世界貿易機関WTOを設立し、加盟国間の貿易関係を規律する共通の制度上の枠組みを提供すること、関税その他の貿易障害を実質的に軽減し国際貿易関係における差別待遇を廃止すること等を目的とするものであります。  七法律案は、いずれもWTO設立協定締結に伴い必要となる国内法の整備を図ること等を目的とするものであります。  まず、著作権法等の一部改正法案は、WTO加盟国実演レコード及び放送を、著作権法により保護を受ける実演レコード及び放送に追加すること等について規定するものであります。  次に、特許法等の一部改正法案は、特許権存続期間出願日から二十年とすること等を内容とするものであります。  次に、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部改正法案は、畜産振興事業団以外の者が指定乳製品等輸入を行うことができるようにするとともに、これらの者が輸入する指定乳製品等買い入れ及び売り戻しの業務を新たに同事業団が行うこと等を内容とするものであります。  次に、繭糸価格安定法蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部改正法案は、蚕糸砂糖類価格安定事業団以外の者が生糸輸入を行うことができるようにすること、輸入に係る生糸買い入れ及び売り戻しの対価の差額を同事業団蚕糸業振興資金に充てること等を内容とするものであります。  次に、農産物価格安定法の一部改正法案は、畑作物生産におけるいもでん粉重要性にかんがみ、農産物価格安定法に基づく価格安定制度を新たな国際的規律のもとにおいても効果的に運用するため、政府買い入れ農産物等の売り渡しに係る規定を整備しようとするものであります。  次に、関税定率法等の一部改正法案は、農産物のうち現在輸入制限等を行っている麦類でん粉等関税化する品目について関税率引き上げ関税割り当て制度等及び特別緊急関税を導入すること、牛肉及び豚肉について関税率を引き下げ緊急措置を導入すること等を内容とするものであります。  最後に、主要食種需給価格安定法案は、現行の食種管理法を廃止し新たな制度を構築するためのものでありまして、計画制度を中心に生産調整中期的観点に立った備蓄運営等を位置づけ、全体需給調整を図ること、自主流通米及び政府米計画流通米として位置づけ、その安定流通を確保することを基本としつつ流通の規制を緩和すること、自主流通米価格形成の場を制度化すること等により、需給実勢が反映される適切な価格形成を図ること等を内容とするものであります。  委員会におきましては、これら八案件を一括して議題とし、まず、予備審査において、政府より提案理由説明を聴取し、参考人十人より二日間にわたり意見聴取を行いました。次いで、議案が本委員会に本付託された後、村山内閣総理大臣及び関係大臣に対して質疑を行いました。  質疑は、WTO設立協定の意義、米国のWTO実施法及び通商法三〇一条等に関する問題、我が国農業繊維産業に与える影響国内農業対策内容及び財源措置、米の備蓄及び調整保管のあり方、米の生産調整推進方針食品安全性確保サービス知的所有権をめぐる問題、紛争処理等広範多岐にわたりましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  なお、今後、WTO活動等について報告を求め、政府に適切な対応を促すため、国会にその受け皿となる組織を設置したらどうかという提案がありましたことを申し添えます。  質疑を終え、八案件を一括して討論に入りましたところ、日本共産党立木理事より、著作権法等の一部改正法案及び特許法等の一部改正法案を除く六案件に反対する旨の意見が述べられました。  次いで、順次採決の結果、WTO設立協定は多数をもって承認すべきものと決定し、著作権法等の一部改正法案及び特許法等の一部改正法案の二法案は、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定し、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部改正法案繭糸価格安定法蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部改正法案農産物価格安定法の一部改正法案関税定率法等の一部改正法案及び主要食糧需給。一価格安定法案の五法案は、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部改正法案等農業関係の四法案に対して、多数をもって附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  5. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) これより採決をいたします。  まず、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定締結について承認を求めるの件の採決をいたします。  本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  6. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 過半数と認めます。  よって、本件承認することに決しました。  次に、著作権法及び万国著作権条約実施に伴う著作権法特例に関する法律の一部を改正する法律案並び特許法等の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。  両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  7. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 総員起立と認めます。  よって、両案は全会一致をもって可決されました。  次に、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部を改正する法律案並び繭糸価格安定法及び蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。  両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  8. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 過半数と認めます。  よって、両案は可決されました。  次に、農産物価格安定法の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  9. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  次に、関税定率法等の一部を改正する法律案並び主要食糧需給及び価格の安定に関する法律案を一括して採決いたします。  両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  10. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 過半数と認めます。  よって、両案は可決されました。      ——————————
  11. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) この際、お諮りいたします。  上杉光弘君外六名発議に係る世界貿易機関設立協定締結承認等に伴う国内対策確立等に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 御異議ないと認めます。  よって、本案議題といたします。  まず、発議者趣旨説明を求めます。上杉光弘君。     —————————————    〔議案は六号(その二)に掲載〕     —————————————    〔上杉光弘登壇拍手
  13. 上杉光弘

    上杉光弘君 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党護憲民主連合、新緑風会及び公明党・国民会議各派共同提案に係る世界貿易機関設立協定締結承認等に伴う国内対策確立等に関する決議案につきまして、発議者を代表し、提案趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     世界貿易機関設立協定締結承認等に伴う国内対策確立等に関する決議案   本院は、世界貿易拡大自由貿易体制維持強化によってもたらされる利益 等を総合的に考慮し、二十一世紀における我が国指導的役 割の発揮に向けて、農業協定を含む「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定」を承認し、これに関連する国内法案を可決した。しかし、これに伴い、農業をはじめとする分野国民生活に少なからぬ影響が生ずるおそれがある。   よって政府は、これらの影響を極力緩和し、新たな国際環境に対応し得る構造を構築するとともに、特に大きな影響を受けるおそれのある農業については、予算措置について特別の配慮を払う等万全の国内対策を講ずることにより、農業経営体質強化及び食料自給力強化を図るほか、食品安全性確保等によって、国民生活の安定の維持に努めるべきである。   右決議する。  以上であります。  我が国は、昭和三十年九月にガットに加入して以来、国土が狭く資源を持たない国でありながら、自由貿易体制最大受益国として世界に類例のない経済発展を遂げてまいりました。その結果、今日では、主要先進国すなわちサミット国の有力な一員として、世界経済発展推進役を果たし、また、世界成長センターと言われるアジア・太平洋地域を先導する経済大国として、その地位をますます高めているのであります。我が国経済発展世界経済発展であり、世界経済発展我が国発展であると言っても決して過言ではありません。  その中心的な機能を担ってきたガットは、発足以来四十七年目にして、このたび、世界貿易機関すなわちWTOにかわることとなったのであります。経済における保護主義の台頭を防ぎ、NAFTAやEUに見られる地域経済統合の動き、あるいは貿易構造の変化に対応するために、実に七年七カ月の歳月をかけ、世界は一致協力して、多角的貿易体制発展拡大を促すためWTOを設立することに合意したのであります。  これまでの物の貿易にとどまらず、サービス知的所有権分野をも統一された世界貿易ルールの中に取り込んだこのWTOは、まさに、二十一世紀に向けた新たな自由貿易体制を創造し構築していく上で、極めて重要なものであります。これに我が国が参加することの重要性は、ここに改めて申し上げるまでもありません。しかし、同時に、ここに至る我が国の選択には実に厳しいものがありました。それは農業合意に象徴されますが、それにとどまらないめであります。国内繊維産業あるいは皮革業界がこうむる打撃も、はかり知れません。また、輸入農産物食品安全性など、国民の生命と健康を守る上での問題が提起されているのであります。率直に申し上げて、WTOには光の部分と陰の部分があることを否定することができません。それだけに、政府WTOに伴う諸施策を進めるに当たっては、農業を初め中小企業分野国民生活に対する悪影響や犠牲を最小限にし、国民が健康で安心して生活することができるよう最大の努力をいたすべきなのであります。  特に農業については、これまで本院において米の自由化に関する三度にわたる決議を行っていること等を十分に踏まえ、予算面における特別の配慮を行うなど万全の措置を講じ、農業経営体質強化食料自給力強化等を図るべきであると思うのであります。  以上が本決議案提案する趣旨であります。  何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  14. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  15. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  ただいまの決議に対し、農林水産大臣から発言を求められました。大河原農林水産大臣。    〔国務大臣大河原太一郎登壇拍手
  16. 大河原太一郎

    国務大臣大河原太一郎君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。  政府といたしましては、世界貿易機関設立協定受諾等に伴い、所要の農業対策を講ずるなどただいま採択されました御決議趣旨を体し、遺憾のないよう対処してまいりたいと考えております。(拍手)      ——————————
  17. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 災害対策特別委員長から報告書が提出されました日程第一 雲仙普賢岳災害に関する請願議題といたします。     —————————————    〔審査報告書は本号(その二)に掲載〕     —————————————
  18. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 本請願は、委員長報告を省略して、委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 原文兵衛

    議長原文兵衛君) 御異議ないと認めます。  よって、本請願委員会決定のとおり採択することに決しました。本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十一分散会