○
国務大臣(
村山富市君) 及川議員の
質問にお答え申し上げたいと思います。
北海道東方沖地震に関する御
質問でございますが、初めに、
さきにも申し上げましたように、
被災者の皆様方に心からお
見舞いを申し上げたいと存じます。
政府といたしましては、担当官を被災地に派遣いたしまして被害状況の的確な把握に努めるとともに、
関係省庁が一体となって応急
対策を実施してきたところでございます。今後とも道路等の被災施設の早期復旧に全力を挙げて万全の
対策を講ずるつもりであります。
次に、国際
社会における平和の創出等についての
お尋ねがございましたが、変革期特有の不安定な状況にある国際
社会は平和と繁栄のための新たな協力の枠組みを模索しております。そうした中で、
日本は、平和国家として不戦の誓いを新たにし、恒久平和の実現に向け
努力を行っておるところでございます。
私は、こうした
考え方に基づきまして、世界
経済のインフレなき持続的成長の
確保、
地域紛争の平和的
解決、不拡散体制の強化並びに軍縮の一層の促進、貧困に悩む開発途上国への支援、
環境、
人口といった
地球規模の問題の
解決等を初めとする幅広い分野で積極的で創造的な外交を進めてまいりたいと
考えておるところでございます。
次に、水資源の
確保など人間
生活の根幹にかかわる
内閣の対応姿勢についての
お尋ねがございました。
水は我々の
生活に欠くことのできない貴重な資源であり、豊かな
国民生活と国土の均衡ある発展のためにその安定的な
確保は不可欠でございます。
政府といたしましては、今夏の厳しい渇水状況に対処するため、関係閣僚による会合や
関係省庁渇水
連絡会議等を常時開催いたしまして、渇水情報の収集・交換等の体制の
整備、
地域の水利用調整に基づく発電用水等の緊急利用、渇水の厳しい
地域に対する機材等の支援体制の
整備、各需要者への節水指導、
国民への節水PR等広報活動等々の
取り組みを行ってきたところでありますが、引き続きこれらの
政策の
推進を通じて渇水
対策に万全を期しているところでございまして、何もしなかったということについては当たらないと思います。
次に、最近の自民党への復帰の
動き及び腐敗防止についての
お尋ねでありますが、国
会議員は、
政治倫理綱領により、疑惑が指摘されたときはみずから身の潔白を証明する義務が課せられておることは議員御承知のとおりであります。かつて、この点において解明が不十分と
考えた場合には、
社会党としても当該議員の辞職を求めております。
私は、
政治の浄化に向けた不断の
取り組みなど幅の広い
政治改革の
推進に全力を尽くすことが、今や急務であると
考えております。特に、政党への公費助成が
制度化されることによって、政党はもとより、
政治全体が腐敗防止に一層厳しい姿勢を要求されていることは当然の事柄だと思います。それだけに、
政治腐敗や政・官・業の癒着構造などに起因する
国民の
政治不信を払拭する
努力をしていくことが必要であることは申し上げるまでもございません。このため、現在、自民党も含め
与党として、襟を正し、今回の一連の
政治改革法案の提出など、徹底的な腐敗防止策の確立に努めているところでございます。
私は、こうした
努力によって、
政治家個人個人がそれぞれ倫理を重んずることはもとよりでありますが一個々人の問題を越えて、
我が国全体として
政治改革が大きく進むことを
期待しており、
国民の皆様の御
理解をいただきたいと
考えておるところでございます。
次に、政党の公約に関する見解及び政権の有無に伴う
社会党の
政策のあり方についての
お尋ねがございました。
公約は申すまでもなく主権者である
国民に対する政党、
政治家の約束でございまして、政党
政治、議会制民主主義の健全な運営にとって非常に重要なものでございます。その意味で、政党、
政治家が公約の実現に
努力すべきであることは当然でございます。ただ、その具体的な方法や進め方につきましてはいろいろなアプローチがございまするし、
時代の変化に対応した
政策展開を図ることも必要だと私は
考えています。
社会党は、イデオロギーの対立から従来の
政治的枠組みを超えた
政策対話へという
時代の変化に対応いたしまして、不断に民主的で開かれた
政策論議を重ね、自己変革に努めてきております。御指摘のような
政策の
転換とされる点につきましては、これまでの党の
政策や運動が全面的に誤っていたからというのではなく、党の理念やその
政策、運動の
歴史的役割を大切な遺産として継承しながら、
時代の変化で発展させていく
方向を示したものでございます。
私は今後、
社会党が政権にあるか否かにかかわらず、
国民にとりまして何が最適の
政策選択かを基本に置きながら誠心誠意
改革の道を邁進してまいりたいと
考えておりますが、必ずや
国民の信頼と支持を得られるものと確信をいたしております。
村山内閣は
改革に逆行するものであるとの御指摘でありますが、私の
内閣は、この三カ月間、連立政権を構成する三党派のそれぞれが自己変革を遂げようと努めながら、透明で民主的な
政策論議を重ね、内政、外交にわたる懸案の重要
課題について、先送りすることなく一つ一つ着実に
改革の
方向を見出してまいりました。これは、このたびの連立政権が過去の行きがかりを超えてなし遂げ得た成果であると
考えています。
所信表明でも申し上げましたが、私が目指す「人にやさしい
政治」は、決して易きにつき
改革の産みの苦しみを避けて通る
政治ではございません。私は、人にやさしくあるためには、まず自己に厳しくあらねばならないと
考えております。痛みを伴うことがあっても、
社会の構成員に対して真に責任を持った
政策決定を行い、二十一世紀を見据えて
政治経済社会の大胆な
改革に全力で取り組んでまいる所存でございます。
次に、私の
リーダーシップについての
お尋ねがございましたが、戦後
我が国の発展を支えてきた
経済社会システムが
内外変化に対応できなくなりつつある今日、二十一世紀を見据えて大胆に
政治経済社会の
改革に取り組んでいかなければなりません。
私は、
改革をさらに推し進め、世界から信頼され、
国民が安心して暮らせる
社会の実現を目指していくために、民主的で透明度の高い
政権運営を行いつつ、御指摘のケースを含めてこれまでも思い切った
リーダーシップを発揮するよう努めてまいったところでございます。また、今後ともその
決意にいささかの変わりもないことを改めて申し上げておきたいと存じます。
次に、区割り法案の早期成立と新
制度下での総
選挙についての
お尋ねがございました。
まず、区割り法案の成立につきましては、これによって衆議院の
選挙制度の
改革、
政治資金
制度の
改革及び政党助成
制度が初めて施行されることになりますので、法案の早期成立に向けて最善の
努力を尽くす
決意でありますが、議会の皆さん方の一層の御協力をお願い申し上げます。
また、新
制度下での総
選挙につきましては、
政治改革の
推進を初め国
内外の
課題の山積する中、
政治の停滞はひとときたりとも許されないものと
考えています。まずは、これらの
課題を一つ一つ誠実に遂行することが
国民の
期待にこたえるものであり、今のところそうしたことについては
考えておりません。
次に、
行政改革の
断行くの
決意について
お尋ねがございました。
行政改革の
推進は、不断に進めていくべき国政上の重要な
課題であると
認識をいたしております。
国民の
理解と協力を得ながら、
税制改革を進めていくに
当たりましても、
行政改革の着実な実行が何としても必要だと
考えております。
このため、
与党の「
行政改革を進めるに当たっての
基本方針」を踏まえながら具体的方策を
検討するように私から各
大臣に対しまして指示をしたところでございまして、今後、各般の
課題について
改革案を
具体化すべく不退転の
決意で取り組んでまいる所存でございます。
次に、
高齢化社会への対応についての
お尋ねでありますが、今般の
税制改革に
当たりましても、
与党における御論議の結果、
少子・
高齢社会に向けて当面緊急を要する
政策について一定の福祉財源措置が講じられたところでございます。
今次
税制改革のいわゆる
見直し条項をも踏まえまして、今後、新ゴールドプラン、
エンゼルプラン等の内容についてできるだけ早く詰めを行うとともに、年金、医療等の自然増等の推計を行うなど、将来の
社会保障の具体的な全体像を明らかにすべく
努力をしてまいる所存でございます。
次に、中堅サラリーマンの所得階層についての
お尋ねがございましたが、現行の
制度では、所得税で言えば、税率二〇%が適用される働き盛りの中堅所得者層においては、収入がふえても税
負担の増加が大きく、手取り金額が相応にふえていかない
状態にございます。今回の恒久的な
制度減税は、こうした
状態を
改善するため、税
負担の累進構造を大幅に緩和しようとするものでございます。ちなみに、現行では、夫婦子供二人の給与所得者が二〇%の所得税率が適用される給与収入金額は七百九万円からでございます。
次に、二階建て減税についての
お尋ねがございましたが、今申し上げましたように、今回の
制度減税により、収入の伸びに応じ追加的な手取り金額が滑らかに増加するようになりました。また、ほとんどのサラリーマンが一生を通じ一〇%ないし二〇%の税率で済むということになります。その意味で、個人所得課税の
改革として抜本的な減税を行ったものと
考えており、その規模は三。五兆円となっております。また、当面の
景気に配慮いたしまして、二兆円規模の特別減税を上乗せすることで、今年度と同規模の五・五兆円の減税を維持することといたしました。
このように、今回のいわゆる二階建ての減税は、あるべき所得課
税制度の構築、当面の
景気への
対策という
二つの要請を満たすべく総合的に
検討した結果であることについて、御
理解をいただきたいと存じます。
次に、益税問題についての
お尋ねがございました。
免税点の水準につきましては、現行の免税事業者の平均従業員数が二人ないし三人と極めて零細でございまして、転嫁も十分に行われていないという
現状もございます。そうした
現状も
検討しながら、今後とも
検討すべき
課題であると
考えておりまして、当面、現行水準を維持することといたした次第でございます。御
理解をいただきたいと存じます。
総理は新ゴールドプランについてどう
考えておるのかという
お尋ねがございました。
今回の
税制改革におけるいわゆる
見直し条項を踏まえまして、新ゴールドプランにつきましては、財源の
確保に配慮しながらできるだけ早く具体的内容についての詰めを行い、策定を図って着実に実行してまいりたいと
考えているところでございます。次に、藤波元官房長官の無罪判決に対する所感と区割り法案の年内施行くの
決意についての
お尋ねがございました。
まず、具体的事件に対する裁判所の判決についてでございますが、
総理大臣として意見を述べることは差し控えたいと思います。
ただ、
政治、
行政を預かる者として、一連のリクルート事件にかかわる問題につきましては大変厳しく受けとめており、今回の裁判の結果にかかわらず、
国民の信頼を裏切らないように真摯にその任に当たることが肝要であると
考えておるところでございます。
そうした意味において、区割り法案を成立させることによって一連の
政治改革関連法案が初めて施行されることとなりますので、法案の早期成立に向けて最善の
努力を尽くす
決意だけを申し上げておきたいと存じます。
次に、公共料金についての御
質問でございますが、現
内閣は、前
内閣における五月二十日の公共料金の年内引き上げ実施見送りに関する閣議了解を継承することを確認しております。また七月には、「公共料金年内引き上げ実施見送り措置」の趣旨も踏まえまして、年明け以降の料金改定の
検討に入る
前提として同措置の対象となっている事業の総点検を実施したところでございます。
今後とも、事業の総点検の結果などを踏まえながら、個別
案件ごとに厳正な
検討を加え適切に対処するとともに、情報の一層の公開に努めてまいりたいと
考えていることを申し上げておきたいと存じます。
次に、
景気の動向と今後の
対策について
お尋ねがございましたが、
景気全体の動向は、
企業設備等の調整過程にあるものの、このところ明るさが広がってきておりまして、緩やかながら回復の
方向に向かっております。他方、急激な
円高など懸念すべき要因も見られるところでございます。
今後につきましては、これまでの
経済対策の効果等により
住宅投資や
政府投資が堅調に推移する中で
個人消費の回復が本格化し、その民間部門のマインドの
改善と
設備投資の回復へとつながっていき、
我が国経済は六年度中に本格的な回復軌道に乗るものと
期待をいたしておるところでございます。
政府といたしましては、今後とも内需を
中心とした持続的成長の
確保に努めてまいりたいと思います。
また、
税制改革の年内の実現に
努力するほか、中長期的な観点に立ちまして、本日、閣議了解により
公共投資基本計画の質量両面にわたる
見直しを行ったところでございまして、今後さらに、
規制緩和を初め産業・雇用構造の
転換の円滑化の
推進など、諸
改革を強力に実施してまいる所存であることを申し上げておきたいと存じます。
次に、雇用
対策についての
お尋ねがございましたが、
我が国経済はこのところ、先ほど申し上げましたように、明るさが広がってきているものの、
雇用情勢につきましては依然として厳しい状況が続いております。このような厳しい状況に対応するため、雇用支援トータルプログラムの実施等により、離職者の再就職の促進などの雇用
対策を引き続き強力に
推進するとともに、女子学生を含めた新卒者の円滑な就職を全力で支援しているところでございます。
また、男女雇用機会均等法については、現在、関係
審議会で
検討が続けられておりますが、その結果を踏まえながら適切に今後とも対応してまいりたいと
考えているところでございます。
次に、
円高対策に関する
お尋ねがございました。
本年に入りましてからの
為替相場は、
円高が進み、このところも百円をやや割った相場となっております。こうした状況に対しまして、七月のナポリ・サミット及びこれに先立つ日米首脳会談、そしてまた、
さきのG7において、
為替相場の安定の必要性について
我が国から
主張し、為替問題に関するG7各国の協調へのコミットメントが確認されたところでございます。
我が国といたしましては、
為替相場が思惑等により短期間のうちに大きく変動することや不安定な
動きを示すことは好ましくないと
考えております。今後とも、相場の動向を注視しながら、
為替相場の安定にあらゆる角度から
努力してまいりたいと
考えておるところでございます。
次に、中小
企業対策についての
お尋ねでありますが、累次にわたる
経済対策や
平成六年度予算における中小
企業対策の中で、
円高等の
影響をこうむっている中小
企業者に対しまして円滑に資金供給を行うことに加え、中小
企業新分野進出等円滑化法を制定し、新たな事業分野への進出を支援するなどの
対策を実施してきているところでございます。また先般、閣議におきまして産業・雇用構造の
転換を円滑に進めるためにも
政府全体として総合的な
政策を
推進するよう指示をいたしたところでございます。
今後、
経済の諸情勢に注意を払いながら、このような方針に沿って中小
企業の創造的な活力の向上に一層努めてまいる所存でございます。
次に、
規制緩和への
取り組み姿勢について
お尋ねがございました。
国民生活の向上はもとより、
経済の
活性化や国際的調和の観点に立って
規制緩和を
断行することが不可欠であるという
認識については変わりはなぐ、鋭意取り組んでまいっておるところでございます。したがって、
規制緩和に消極的であるという御指摘は当たらないと思います。
具体的には、
政府はこれまでに決定をされておりまする
規制緩和方策の早期
具体化を図るとともに、十月中をめどに
内外からの
規制緩和要望を把握し、十一月には
行政改革推進本部におきまして私を含め関係閣僚が
内外からの
要望を聴取することといたしております。これらを踏まえまして、今後さらに積極的かつ計画的に
規制緩和を
推進するため、閣僚レベルで本年度内に五年を期間とする
規制緩和推進計画を取りまとめることといたしておるところでございます。
次に、被爆者援護法に関する
お尋ねがございました。
被爆者
対策といたしましては、放射能による健康被害という特別の犠牲に着目をいたしまして、原爆二法を
中心に保健、医療、福祉の各般の
施策を講じているところでございます。
被爆者援護法の
法制化の問題につきましては、さまざまな基本的
課題があり、十分
議論を尽くさなければなりません。
私は、去る八月、広島と長崎を訪れまして、原爆の被害の恐ろしさと被爆者の
方々の苦しみや悩みを改めて強く
認識をいたしました。さらに、非核に対する
日本国民の特別な思いということもございます。
そこで、私は、この問題につきましては私からも強く要請をいたしまして、
与党内で協議の場を設け特別に現在
検討いたしているところでございます。
政府といたしましては、今後
与党と十分協議をしながら対処してまいる所存でございます。
次に、WTO設立協定の批准についての
お尋ねでありますが、
政府といたしましては、同協定の締結は貿易立国である
我が国経済の繁栄の
基盤である多角的自由貿易体制の維持強化にとって極めて重要であると
考えています。このような
認識に立ちまして、同協定の来年一月一日の発効に向け、早急に協定及び関連法案を
国会に提出をし年内の成立を図る所存でございますが、議員各位の御
理解と御協力をお願い申し上げておきたいと存じます。
次に、安保理
常任理事国入りの問題について
お尋ねがございました。
この問題につきましては、
国会における
審議や
与党内での
議論、また新聞、テレビ等における報道等を通じまして
国民の
理解と関心は深まっているものと
考えております。いずれにいたしましても、この問題は今後とも
国連において
議論されていく問題でありますので、引き続き
国民の皆様の御
理解を踏まえて取り組んでまいる所存でございます。
次にまた、近隣諸国の立場について
お尋ねがございましたが、この問題につきましては、私は、各国首脳との一連の会談を通じ、
我が国が安保理
常任理事国となって責任を果たすことに対する各国の
期待が大きいことを実感いたしました。既に相当数の国々が、陰に陽に
我が国に対する支持を
表明しているところでございます。
中国、韓国などの立場について御指摘がございましたが、いずれにいたしましても、本件につきましては今後
国連の場で
議論が続けられるものでございますから、アジア諸国を含む国際
社会の
理解と支援を得つつ取り組んでまいる所存でございます。
次に、
国連総会での外相
演説にいう「
憲法が禁ずる
武力の行使」についての
お尋ねがございました。
例えば、
我が国が集団自衛権を行使することは
憲法上許されません。また、
武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣するいわゆる海外派兵を行うということは、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、
憲法上許されないと
考えています。
いずれにせよ、
我が国といたしましては、あくまでも
憲法の範囲内で国際の平和と安全のための役割を果たしていくという
考え方については変わりのないことを、改めて申し上げておきたいと存じます。
次に、PKFについての
お尋ねでございますが、いわゆる平和維持隊本体業務につきましては、国際平和協力法において自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務の一部として規定されておりまして、同法に従って自衛隊がこれに参加することは
憲法上問題はありません。ただ、別途法律で定める日までの間これは実施しないということになっているわけでございます。
次に、安保理
常任理事国による戦略的指導の問題についてかねてより
議論をしておりますが、軍事参謀委員会の活動は正規の
国連軍が編成されることが
前提となっており、この
国連軍は、安保理が加盟国との間で締結する特別協定に基づいて提供される兵力により構成されることになっております。しかしながら、今日に至るまでかかる特別協定が締結されたことはございませんし、また締結の見通しも全く立っておりません。
いずれにいたしましても、
我が国は
憲法の範囲内で安保理における責任を果たす所存でございますから、今の段階でお答えすることは適当でないと
考えております。
次に、ルワンダ難民支援のために派遣された要員の安全
確保及び部隊の撤退についての
お尋ねでありますが、
政府といたしましては、要員の安全第一の観点から、派遣先国
政府に対する安全
確保の要請、現地における治安情勢の十分な把握、護身用の武器等の装備品の携行等の措置をとっているほか、現地の治安状況が著しく悪化した場合には柔軟な対応の余地を残すなど、引き続き要員の安全
確保に万全を期す
考えでございます。
また、国際平和協力法上いわゆる五原則が満たされなくなったと認められる場合のほか、例えば現地の治安が著しく悪化した場合において、種々の要素を総合的に踏まえても要員の安全を
確保するとの観点から国際平和協力業務を継続して実施することが困難であると判断された場合は、撤収することもあると
考えておるところでございます。
次に、いわゆる能動的安全保障についての
お尋ねがございました。
防衛問題懇談会の
報告におきましては、「能動的・建設的な安全保障
政策」という表現があります。そこでは、国際
社会の協力の必要性を強調した上で、
我が国が能動的な秩序形成者として
行動すべきであるとの趣旨が述べられておると承知をいたしております。
この
報告につきましては、今後の防衛力のあり方を
政府部内において
検討する際の一つの参考としていきたいと
考えておるところでございます。
次に、限定防衛と専守防衛との違いについての
お尋ねがございました。
社会党が
さきに発表した安全保障
政策「平和への挑戦」におきましては、「「限定防衛」構想は自衛隊の装備・編成・戦略の防衛的性格を国の
内外に明白にすることを
前提にしており、言葉の真の意味での専守防衛を追求するものである。」と明記されておりますように、その基本的な
考え方においては、専守防衛と限定防衛の間に大きな差異があるものとは
考えておりません。
私といたしましては、連立政権の合意に基づいて、自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊を維持しつつ、国の
内外に専守防衛の姿勢が明確になるよう不断の
努力を払ってまいりたいと
考えておるところでございます。
次に、防衛予算と今後の
防衛政策についての
お尋ねでありました。
平成七年度の防衛関係費につきましては、今後の
政府部内における予算編成過程を通じ、効率的で節度ある防衛力の
整備の必要性、財政・
経済事情等を勘案し、国の他の諸
施策との調和を図りながら適切に対処してまいりたいと
考えているところでございます。
また、今後の
防衛政策につきましては、周辺諸国との信頼関係の構築を進めつつ、今後の
我が国の防衛力のあり方について
検討を行ってまいりますが、冷戦後の国際情勢の変化、国際
社会における軍備管理・軍縮に向けての
努力、将来における人的資源の制約の増大、科学技術の進歩、一段と厳しさ、深刻さを増している財政事情等を踏まえながら、今後とも慎重に
検討する必要があると
考えているところでございます。
次に、日米
経済関係の
取り組みについての
お尋ねでありますが、日米の
国民、
企業間には既に緊密な
経済関係がございまするし、今般の包括
経済協議の大きな成果を基礎としながら、こうした
経済関係が一層深まることを
期待しているところでございます。
我が国といたしましては、今後とも、日米
経済関係は市場
経済原則等を増進する
基盤となるものでなければならないとの
基本方針のもとで、その運営を進めてまいる所存でございます。
さらに、
自動車部品分野に関するお問い合わせがございました。
今般、米国が同国の一九七四年通商法三〇一条に基づき、
我が国の補修用
自動車部品の分野について不公正貿易慣行の特定を行ったことは、極めて遺憾であると言わなければなりません。
自動車部品の分野においては、近時、日米の関係業界の協力によりその取引の拡大が見られ、また
我が国としては、補修用部品についても安全性の
確保を
前提に真剣に
規制緩和を
検討するなど、包括
経済協議におきましても誠実かつ精力的に取り組んできたにもかかわらず、今般、米国がかかる一方的な手続を開始することとしたことは、日米両国
政府が追求をしてきておりまする多角的自由貿易体制の維持強化という目的と相入れないものと言わなければなりません。
現在のところ、調査の開始が決定されただけでありますから具体的な
影響を生じてはおりませんが、一方的措置が講じられた場合には、
我が国はあらゆる措置をとる権利を留保しているとの姿勢で臨むつもりでございます。
なお、今回の三〇一条の特定に対する今後の対応については、当面冷却期間を置くことを含め、今後
検討してまいりたいと
考えております。
残余の
質問につきましては、関係
大臣から答弁をさせます。(
拍手)
〔
国務大臣浜本万三君
登壇、
拍手〕