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志苫裕君 特にこれは租税当局は承知のところなんでしょうが、
消費税と
所得税をパッケージにして差し引き増税を図る場合は、両方の税の持っておる特徴からしまして、
所得の低い人から
所得の高い人が
減税財源を取り上げるという構図になるんです。これはもう紛れもないことなんです。パッケージで
減税なら緩和できますけれども、パッケージ増税なら必ずそういう形になる。それが今七百万が分岐点だとかなんとかというふうに言っておりますけれども、私ら不勉強のデータですが、
所得階層別に見ますと、第一分位、第二分位あたりがやっぱり増税になって、第三分位から第五分位の方が
減税になるという構図はこれははっきりしています。
これはもうわかりやすいことなんで、
所得税を納めていないような人から
消費税という税金をちょうだいをして、比較的
所得の高い人の財源に回すという構図なんです。パッケージはそうなるんです。そうであればあるだけに、先ほど言いましたように、
消費税なら
消費税の中自体、
所得税なら
所得税の中自体にあるそういうゆがみ、ひずみ、不満、不公平の増幅する材料になるようなものはちゃんと取っておいてほしいということをお願い申し上げまして、先ほどもお答えがありましたからこれは要望だけにいたしておきます。
いみじくも竹下税制のときに、私はやりとりを聞いたんですが、竹下首相六つの懸念というのがありました。六つの懸念はいろいろあるんですが、そこの
一つの重要な柱に安易に
消費税の
税率が引き上げられることのないようにというようなのがどうも入っていたようでありますけれども、その辺は、特にパッケージで増
減税をやる場合には、大体
税制改革は、
基本的には
所得階級間の
負担割合はあんまり大きく変えない
方向で税制を組み立てないとやっぱり対立が起きちゃう。それこそ公平でない。今度の増
減税が
所得階級間に
一体どのような配分割合になっておるのかはまだ大蔵省からデータをいただいておりませんけれども、いずれ見せていただきますけれども、その辺にも十分
配慮してほしいと
思います。
そこで、今の両大臣のお答えをいただきながら、具体的に私は、三つの現行のゆがみ、ひずみを直すことを逃げておらないでひとつ真正面から取り組みましょうよと。たくさんありますけれども、それぞれの税目で
一つだけでいきましょう。
所得税で利子課税、原資の面でもそう小さいものではない。データにはいろいろあるようで本当のデータかどうかわかりませんけれども、正当に課税をされれば三兆あるよ、四兆あるよというレベルのもののようです、地方税も含めまして。そんなようなことになりますと、しかも利子課税について言うならば、利子を
自分の
所得に加えてもなお税金がかからないレベルの人からもちゃんと一割五分をいただくことになっている。一緒にまとめれば五〇%という税額をもらわなきゃならぬのが一五%にまけてやっておると。しかもその原資が大きいとなれば、これはそう悠長なことを言っておらぬで、あらゆる工夫をしてこれに取り組みませんか。
まず、専門家の話を聞いてから
総理の決意も聞きましょうか。私は答弁わかっているんだ。というのは、やっぱり総合課税となりますと、それは譲渡益から何かみんな入ってきますから、そうするとなかなか面倒だということで検討の時間がかかって二十一
世紀まで打っちゃうんですが、私がむしろここで
提案したいのは、利子課税なら利子課税
一つに絞りましてやってみる。なかなか総合課税だとかそういうものについてはアレルギーもあるかもしらぬけれども、何か
一つ一つそれを題材にしてやってなれてもらう、工夫してもらうという
意味で
テーマに利子課税を選ぶ。かつてグリーンカードを取り入れたら、どこその政党は翌年やめちゃったんだけれども、そういう歴史もありまして、利子とればその資金をどこかへ逃げるとかいろいろありますけれども、だめな理由を考えないで、やれることに手をつけてみる。これどうでしょうね。