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国務大臣(
武村正義君)
お話のように時代がどんどんかなりのテンポで変化していく中で、
国民の
皆さんやあるいは企業の経営者は絶えず新しい
方向への転換を必死で続けていただいているわけであります。そういう中に
行政もあるわけですが、ややもすると
行政は時代の変化におくれをとりがちであります。
これは
法律とかあるいは
行政の担当する分野の性格、特異性もあるわけですが、そんな中でやはり
国民の声としても
行政に対する改革の
期待というのは非常に高いと認識をいたします。ある
意味では、行革というのはもう不断の課題であると。絶えず見直しをし続けなければならないというテーマでもありますが、戦後五十年を迎えたこの時期、さまざまな背景もございます。不況ということもありますし、あらゆる
制度の見直しという
要請もございますし、また国家財政が非常に厳しい状況に立ち至っているということもありますし、そんな等々の背景から、行革こそ私
ども政治家があるいは各政党が今真剣に取り組まなければならない課題だというふうに思う次第であります。この点についてはどの党も違いはないと思っております。
政府・与党としましては、御
承知のように、特殊法人だけでなしに、規制緩和も
地方分権も一定の割合明確な進め方に関する方針を発表いたしているところでございます。
地方分権は、今年中に大綱を決めて、来通常国会には
地方分権推進の基本法を提案するという
方向で今進んでおります。規制緩和は、来年三月いっぱいまでに規制緩和推進五カ年
計画を
策定させていただくという方針で進んでおりますし、御
指摘のように特殊法人も前政権よりは一年前倒しをさせていただいて、これも三月までには具体的な特殊法人の整理合理化の方針を固めるということであります。
さらに、公務員の交流等の話も浮上をしてきているところでございますが、既に「
行政改革を進めるに当たっての基本方針」を与党でお決めいただいておりまして、今御
指摘のあった五項目もその中にあるわけですが、こうした基本方針をしっかり踏まえながら、各般にわたる行革に真剣に取り組んでいこうということであります。
あわせて、
行財政改革と言われますように
財政改革の側面がございます。これは私
どもの役所が一番大きな責任を負わなければならない問題でありますが、間もなく
予算編成が山場を迎えますが、来年の
予算編成も含めて、短期、長期、中期財政の改革にもこれまた真剣な目を向けなければいけないという思いでございます。
経費の切り詰め、節減合理化という
意味では、むしろ
財政改革に対する
期待の方が大きいとも言えるわけでございます。
ただ、私
どもは
制度の根底にまでさかのぼって見直しをするとか、厳しい優先順位の選択をさせていただくとかいうようなことを
政府全体で決めているところでございますが、言葉でそう申し上げましても、実際はあらゆる
制度がもう
法律によって裏打ちされたり、社会の秩序の中で定着をしていることを考えますと、結局見直しをするということは波風を立てるということになります。もっとわかりやすく言えば、かなりの
国民の
皆さんがよろしいとおっしゃっていただいても、その見直しにかかわって被害を受けたりマイナスの効果が働く方々や団体は必死で反対をなさいます。もうそのことが見えているだけに、口で言うほど容易なことでないと。そのことを認識しながら、村山政権としては
行財政改革に真剣に取り組んでいくべしという考えてあります。
さきがけとしては、自民党、社会党という二つの大変伝統のある大きな政党は、やはりいろんな深いかかわりもありまして身軽に動けないようなところもあるのかもしれません。そういう
意味では私
どもの動きは大変目ざわりな印象も一部与えていることを
承知しておりますが、小さくて過去が余りないということから、行革には、あえてそのことを知りながら、三党の中でいささか出過ぎな面もありますが、それでも政権全体の方針に沿って私
どもの能力の限り三党の
協議の場で議論をいただく提案をいろいろさせていただきたいということで、けさも朝から公共入札
制度の提案の議論を一時間してまいりました。かなり大胆なものですから業界からは総スカンを食っておりまして、これじゃもうさきがけは次はだれも当選できぬぞという、そういう見方もあるようであります。
でも、出したものがそのまま通るというわけじゃありませんが、しかし、すべて行革はういう
意味で具体的に取り組めばいろんな波紋を招くことが避けがたい中で、ぜひ総理の方針に沿いながら精いっぱい
努力をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。