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上杉光弘君 私は、
我が国のこの国土保全という問題を考えると、
世界一コストのかかる国になったんですね。十八本長期計画がありますが、第八次では二十兆を超えるものを投資しなければどうにもならない国になってしまった。さらに自然災害、危険箇所だって八万カ所、ずっとこれ減らないんです。
ですから、そういう
意味で今回の米の
自由化、ミニマムアクセスが農家が意欲を欠いて中山間地帯の田畑の耕作放棄につながるなど、そうなった場合の自然災害の
心配。あるいはことしは特に水不足がございました、水不足の問題。あるいは自然を維持管理するという農林業本来の役割が、ある一定のレベルより、これ以上低下した場合に果たしていいのかという懸念があるわけです。
私は、
理事会のお許しをいただきまして、ここでひとつ実験をさせていただきたいと思うんです。
きのうの産経新聞に「おいしい水飲みたい「お金払っても」三割」というのがありました。これは
総理府が世論調査をしたものです。お金を払ってもおいしい水を飲みたいという時代にもう
日本もなったんです。これだけ水がきれい、空気もきれい、緑もある
我が国でですよ。これは何かというと、水道水には、これはカルキです、塩素を投入することが許されておるわけであります。塩素を一定の投入をしまして、国民の健康を維持するために当然の措置としてこれは
義務づけられておることなんです。
ところが、この塩素というのは非常に、私は御
理解をいただきたいことが一つあるんです。それはどういうことかといいますと、カルキでありますが、塩素は水と反応いたしまして次亜塩葉酸と塩酸を生じます。これは非常に、水道水中の適正で人体に
影響がない塩素でありましても、食物に含まれるビタミンを破壊してしまうことが解明されております。したがって、ビタミンというものが摂取したほどエネルギー化していないという事実はもう早くから
指摘をされておるところでありまして、お茶や野菜に含まれているビタミンC、アスコルビン酸というんですが、水道水中の塩素と反応して瞬時にアスコルビン酸、塩化体と塩素に変わり、これが破壊されるんですね。このことは京都大学の糸川教授が昭和五十三年に、水道水で米を炊くとビタミンBが半減されることを証明したり、ビタミンB溶液を水道水に加えた場合、百度になると二十分後にはBは完全に破壊をされる、こういうデータもあるわけでございます。
飲み水として私
どもがいただいておるこの飲み水ですが、これは塩素と反応して、(資料を示す)塩酸液であります。これを入れますと、これは飲んでいる水道水です、これが黄色くなります。黄色くなったですね。黄色くなるんです、黄色くなる。これは水ですが、これだけ黄色くなるんです。
これは茶っ葉です、お茶の葉です、普通飲んでいる。これを入れます。色がほとんど白くなります、もう全く白くなりました。これは何かというと、今説明したビタミンCとこの塩素酸が、ビタミン同士破壊し合って、そしてせっかくとったビタミン、お茶はいっぱいビタミンCがありますが、このビタミンがなくなった、こういうことなんですね。
したがって、耕作放棄やらして水質が悪くなる。浄化能力というのが自然にはあります、あるいは保水力もあります、貯水力もあります。そういうものが低下するということになってはいかがなものかという
心配があるわけでありまして、そのような
意味で私は
政府に対して特にお願いをしたいことがあるんです。
それは何かというと、時間がありませんから急ぎますが、今、全国に十四万集落があります。このまま見過ごしたらもうなくなる集落があります。高齢化がどんと進んでなくなる集落があるんです。数年でなくなる集落もある。もう集落としての
機能を持たない集落が大変多く過疎地には残っておる。この集落、十四万集落をどうするのかというのは、私はこれは国家権力というか国家計画で当然取り組まなきゃならぬことだと思うんです。それが計画がありません。
私は、集落を五つ六つ寄せて都市的な若干の
機能も持った集落にするとか、新しい集落をつくるとか、今の集落にこの集落を移してやるとか、そういう集落整備というのは、今の集落法というのは既存の集落を整備するという
法律ですから、これじゃだめなんです。ですから、その点をどうするかという問題があります。
それから定住化を促進するといったって、自治大臣もおられますが、過疎法ができて過疎化対策で二十五兆円も投じても過疎化はとまっていないんです。とまっておりません。ですから、定住化を促進するためには川上を川下が支援するという
体制をつくらなきゃだめだと思うんです。
これは私の書いた本でありますが、外国にはこれはあるわけです。デカップリング的な思想を取り入れた極めて立派なものが外国にはあります。特にドイツには農村空間の計画があったり、その中にFプラン、Bプランというのがあって、景域保全計画まで立ち入ったものが制度化、
法制化されておる。フランスには農村計画法というのがあります。ですから、こういうものを
我が国も当然取り入れるべきだと。
国土空間の整備に関する基本的
法律は、都市計画法、農業基本法、土地基本法でございますが、これを受けた
地域計画については、フランスではミッテラン政権誕生後に地方分
権法が制定されまして、それにより基本構想や開発と整備に関する市町村連合憲章というのができた、土地占有計画というのもできた、こういう計画の権限や財源が国から地方におろされておるわけであります。外国のとおりに
日本がするということじゃありません。こういう一つの行政の取り組みというものは、当然必要だと私は申し上げたいわけでございまして、この点について自治大臣、農水大臣のお考えを承りたい。