○五十嵐(ふ)
委員 全くそのとおりでございまして、私どもはかなり、いわゆる不公平税制の一部と言われています益税という面、これも益税が必ずしもあるとは限らないわけですけれども、少なくとも疑われている部分について、あるのではないかと疑われている部分について相当思い切った是正をさせていただきました。
それから、地方税に消費課税を導入するという今までなかった画期的なこともやらせていただきました。私どもはかなり思い切った、そういう
意味では
社会党がおっしゃる改廃的な見直しというものに近づいた消費税の
改革というものをさせていただいたと思っております。そういう
意味で、私は、正当な評価をしていただきたい、中身の
議論をしていただきたい。
直間比率の是正についても先ほど
議論がありましたけれども、直接税と間接税について、
日本は直接税の比率が高いと言うけれども、所得税が高いわけじゃないのです。所得税が高いわけではありません。直間比率が
日本が高いのは、法人税、特に地方の法人税ですね、法人事業税というものがあるために、すっかりその分が先進各国より高いというわけでありますから、そういう
議論をきちんと中身を見てしていただきたいということを申し上げたいと思います。
それから、非
自民か
自民かというような論争も何回もこの場で行われましたけれども、なぜ非
自民が善で
自民が悪なのか、それは全くおかしなことだろうと私は思うのですね。
五五年体制ということについても、私は、五五年体制も全面的に全部否定さるべきものではないと思っております。なぜならば、これは五五年体制の中で
自民党が
社会党の、
社会党がいわゆる
アメリカにおけるリベラルな部分を代表してきたと思うわけですね、その意見を取り入れてきたから
自民党政権は長く続いたし、支持が強くあったと思う。
ただ、これが
政権交代が余りにもなかったために派閥
政治の行き過ぎがあった。派閥の領袖たちがいわゆるボス
政治、一握りの人たちによるボス
政治が行われた、支配が行われた、そういうところに問題がある。派閥を維持するために無理な金集めをした、そういうところに問題があるのであって、五五年体制のどこが問題で、どこが悪いのかということをきちんと精査して見分けていかなければいけない。五五年体制だから悪だとか、
自民はいけなくて非
自民だったら絶対善だなんということは全くあり得ない話でありまして、本質的なところを見て物事を考えていく、これは必要なことだろうと思います。
例えば日米
関係におきまして、私は先ごろ駐日経済公使のペンフォールドさんとお話をさせていただきましたけれども、日米協議の中で貿易インバラの話ばかりされるけれども、我が国は
アメリカよりおくれて空洞化が進んでいる。
アメリカは先に空洞化が進んでしまったんだ。多国籍企業は、
アメリカから出ていった企業はうんともうけているじゃないか、
日本にも輸出しているじゃないか。それがカウントされていない。それに対して
日本は、実は本来空洞化がもっと進むべきところが、これは地価の含み益によって、国際競争力のない企業が
日本国内に残っているという事情があって実は生まれてきているインバラの一つの大きな側面がある。
日本も空洞化が進んでいけば、たちまちのうちに私は貿易黒字というものはなくなっていくと思うのです。
ですから、表面上の数字だけに左右をするのではなくて、むしろ日米が建設的に、例えば多国籍企業の経済活動について国際的ルールをきちんと両国が手を携えて訴えていこうじゃないか、タックスヘーブンの問題を解決していこうじゃないかというようなことを建設的に
お互いに話し合ったらどうでしょうかということを駐日の経済公使のペンフォールドさんに申し上げました。
いい指摘だという御指摘をいただきましたけれども、私はまさにそのとおりだと思うのですよ。別に自慢をしているわけではございませんで、そういう
状況に私どもはいるのだろうと思うのです。一方的に表面だけを見て、数字を見たり、表面上の数字を見たり、レッテルを張って物を考えるのではなくて、きちんと私は考えていかなければいけないと思います。
そこで、時間が迫ってまいりました。この内閣の重要な使命、私は行財政
改革と。今までずっと
自民党政権が続いてきた、その間に蓄積されてきた行財政システムがそろそろ時代に合わなくなってきた、そこを根本的に変えていかなければいけないという時代の要請がございます。行財政
改革というものが
村山内閣の課題の中、たくさん課題ございますけれども、どういう位置づけかというのを改めて一言お伺いをしたいと思います。