○松永光君 ただいま議題となりました
内閣提出の
公職選挙法の一部を
改正する
法律の一部を
改正する
法律案、
三塚博君外二十九名
提出の
公職選挙法の一部を
改正する
法律案及び
保岡興治君外十名
提出の
公職選挙法の一部を
改正する
法律案について、
政治政章に関する調査
特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げますとともに、本
委員会
提出の
政党交付金の
交付を受ける
政党等に対する
法人格の
付与に関する
法律案について、提案の
趣旨及び
内容の概略を御
説明し、さらに、
内閣提出の
地方公共団体の議会の議員及び長の
選挙期日等の
臨時特例に関する
法律案について、本
委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、
内閣提出の
公職選挙法の一部を
改正する
法律の一部を
改正する
法律案について、本
委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、衆議院議員
選挙区画定審議会が行った衆議院小
選挙区選出議員の
選挙区の画定案についての勧告を受けて、衆議院小
選挙区選出議員の
選挙区を定めるとともに、
公職選挙法の一部を
改正する
法律(
平成六年
法律第二号)の施行日を定めようとするものであります。
本案の主な
内容は、次のとおりであります。
第一は、衆議院小
選挙区選出議員の
選挙区についてであります。
衆議院小
選挙区選出議員の
選挙区については、
公職選挙法の別表第一において定めることといたしております。その
内容は、衆議院議員
選挙区画定審議会の勧告をそのまま法案化したものであります。
この別表第一に掲げる行政区画その他の区域は、原則として、
平成六年八月十一日、すなわち勧告が行われた日現在の区域によるものとし、八月十二日から施行日の前日までの間において同表に掲げる行政区画その他の区域に変更があっても、当該
選挙区に関する限り、行政区画その他の区域の変更がなかったものとみなすことといたしております。
第二は、
公職選挙法の一部を
改正する
法律の施行日についてであります。
衆議院議員の
選挙制度を小
選挙区比例代表並立制とすること等を
内容とする
公職選挙法の一部を
改正する
法律(
平成六年
法律第二号)は、この
法律の公布の日から起算して一月を経過した日から施行することといたしております。なお、これに伴って、既に成立を見ている
政治資金規正法の一部を
改正する
法律及び政党助成法は、いずれもただいま申し上げた
公職選挙法の一部を
改正する
法律の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行されることとなります。
本案は、去る十月六日本
委員会に付託され、同月二十日野中自治大臣から提案理由の
説明を聴取した後、
質疑に入りました。
質疑は
政治改革の各般にわたる
事項について行われましたが、特に、各小
選挙区間の人口の最大格差が二・二三七倍となることについて、一方では、新しい
選挙制度の発足に際して最大格差が二倍を超えることは憲法に違反することとならないかとの指摘がなされ、他方では、衆議院議員
選挙区画定審議会
設置法において、小
選挙区定数の配分に当たってはまず各都道府県に定数一を均等に配分した上、残余の定数を人口に比例して各都道府県に配分することとした結果であって、結果として最大格差が二倍を超えることとなってもやむを得ないのではないかとの意見が述べられました。そこで、慎重を期するため、昨一日参考人から今回の区割り案と投票価値の平等との関係について意見を聴取いたしました。
本日
質疑を終了し、討論の後、採決を行い、本案は賛成多数をもって可決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対して附帯決議が付されましたことを申し添えます。
次に、
三塚博君外二十九名
提出の
公職選挙法の一部を
改正する
法律案及び
保岡興治君外十名
提出の
公職選挙法の一部を
改正する
法律案について、本
委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
両
法律案はいずれも、組織的
選挙運動管理者等に係る連座制を創設することを主な
内容といたしておりますが、両
法律案のこれ以外の
内容を比較いたしますと、おおむね次の四点で相違しております。
一
三塚博君外二十九名
提出の
法律案、すなわち前案は重複立候補者に対する連座制について
措置しているのに対し、
保岡興治君外十名
提出の
法律案、すなわち後案はこれを
規定していないこと
二 後案は組織的
選挙運動管理者等に係る買収罪等の法定刑を加重しているのに対し、前案はこれを
規定していないこと
三 前案は
選挙運動に関する支出の制限
規定の適用の明確化について
措置しているのに対し、後案はこれを
規定していないこと
四 衆議院議員の
選挙以外の
選挙についての適用の時期について、前案は総
選挙または通常
選挙のいずれか早い公示日以後にその期日を公示されまたは告示される
選挙から適用することとしているのに対し、後案は施行日以後その期日を公示されまたは告示される
選挙から適用することとしていることであります。
両
法律案は、去る十月十三日本
委員会に付託され、同月二十日両
法律案の
提出者からそれぞれ提案理由の
説明を聴取した後、
質疑に入り、本日
質疑を終了しましたが、両
法律案に対しましては、古賀誠君外八名から、両
法律案を併合して一案とする修正案が
提出されました。
併合修正案の
趣旨につきましては、
提出者から次のとおりの
説明がありました。すなわち、両
法律案の
提出者は、両
法律案に
共通している組織的
選挙運動管理者等に係る連座制については、
選挙浄化の徹底を期するため、衆議院議員の新しい
選挙制度の発足に際し、これをぜひとも実現すべきであるという観点から、両
法律案に対する修正について鋭意協議を重ね、その結果、両
法律案の
内容のうち、組織的
選挙運動管理者等に係る連座制の創設及び重複立候補者に対する連座制の強化はこれを採ることとし、組織的
選挙運動管理者等に係る買収罪等の法定刑の加重及び
選挙運動に関する支出の制限
規定の適用の明確化は今後の検討課題として今回はこれを行わないこととし、あわせて、適用の時期については
所要の
調整を行うことで意見の一致を見たというものであります。
次に、併合修正案の主な
内容について御
説明申し上げます。
第一は、組織的
選挙運動管理者等に係る連座制の強化についてであります。
公職の候補者等の
選挙浄化に対する
責任を問うという新たな観点から、候補者等と
意思を通じて組織により行われる
選挙運動において、
選挙運動の計画の立案
調整または
選挙運動に従事する者の指揮監督その他
選挙運動の管理を行う者を「組織的
選挙運動管理者等」として位置づけ、組織的
選挙運動管理者等が買収罪等を犯して禁錮以上の刑に処せられたときは、候補者等の当選は無効とするとともに、連座裁判の確定のときから五年間当該候補者等の立候補を制限することといたしております。また、この場合において、当該候補者等が衆議院議員の
選挙における重複立候補者であって、比例代表
選挙の当選人となったときは、当該比例代表
選挙の当選は無効とすることといたしております。
次に、組織的
選挙運動管理者等に係る連座制の適用の免責についてでありますが、組織的
選挙運動管理者等の買収罪等に該当する行為がおとりもしくは寝返りにより行われたものであるとき、またはそのような行為を防止するため候補者等が相当の注意を怠らなかったときは、連座制を適用しないことといたしております。
第二は、重複立候補者に対する連座制の強化についてであります。
さきに述べた組織的
選挙運動管理者等に係る連座制以外の連座制についてでありますが、衆議院議員の
選挙における重複立候補者が比例代表
選挙の当選人となった場合において、当該当選人について小
選挙区
選挙において連座制の適用があるときは、当該比例代表
選挙の当選は無効とすることといたしております。この場合において、連座制の対象となる罪に該当する行為がおとりまたは寝返りにより行われたものであるときは、当該当選は無効としないことといたしております。
第三は、この
法律の施行期日及び適用の時期についてであります。
この
法律は、
公職選挙法の一部を
改正する
法律(
平成六年
法律第二号)の施行の日から施行するものとし、衆議院議員の
選挙については施行日以後初めてその期日を公示される総
選挙から、参議院議員の
選挙については施行日以後その期日を公示されまたは告示される
選挙から、その他の
選挙については
平成七年三月一日以後その期日を告示される
選挙から適用するものといたしております。
以上が、併合修正案の
趣旨及び
内容の概略であります。
本
委員会におきましては、本日両
法律案及び併合修正案について討論の後、採決を行い、全会一致をもって両
法律案は併合して一案とし修正議決すべきものと決した次第であります。
なお、併合修正した両
法律案に対して附帯決議が付されましたことを申し添えます。
次に、本
委員会
提出の
政党交付金の
交付を受ける
政党等に対する
法人格の
付与に関する
法律案について、提案の
趣旨及び
内容の概略を御
説明申し上げます。
議会制民主
政治のもとにおいて、政党の
機能及び社会的責務はまことに重要であります。また、政党助成法の施行に伴い、同法に基づく
政党交付金の
交付を受ける政党は、
政党交付金を適切に使用すべき大きな
責任を負うこととなります。このような観点から、本案は、政党の財産の所有、維持
運用その他その
目的達成のための業務の
運営に資するため、一定の要件に該当する政党に
法人格を
付与するとともに、
政党交付金の
交付を受ける政党は
法人でなければならないこととし、もって政党の
政治活動の健全な発達と民主
政治の健全な
発展に寄与しようとするものであります。
次に、本案の主な
内容について申し上げます。
第一は、政党の
法人格の取得についてであります。
この
法律において
法人格を取得することができる政党は、
政治団体のうち、所属国
会議員を五人以上有するもの、または所属国
会議員を有するもので、直近の衆議院議員の総
選挙もしくは直近の参議院議員の通常
選挙もしくはその前回の通常
選挙における当該
政治団体の得票率が百分の二以上であるものといたしております。この要件に該当する政党は、中央
選挙管理会の確認を受けた上、主たる事務所の所在地において登記することにより、
法人格を取得することができることといたしております。
第二は、
法人の
設立手続についてであります。
さきに述べた要件に該当する政党は、名称、
目的、主たる事務所の所在地、代表権を有する者の氏名、所属国
会議員の氏名等を届け出るとともに、これにあわせて綱領、党則等の文書を
提出して、中央
選挙管理会の確認を受けることができることといたしております。
中央
選挙管理会の確認を受けた政党は、確認を受けた日から二週間以内に、主たる事務所の所在地において
設立の登記をしなければならないことといたしております。この
設立の登記には、名称、
目的、主たる事務所、代表権を有する者の氏名及び住所並びに解散の事由を定めたときはその事由を登記することといたしております。なお、これらの登記
事項に変更が生じたときは、変更の登記をしなければならないことといたしております。
第三は、
法人の解散等についてであります。
法人である
政党等は、任意に解散することができますが、そのほか、党則等で定める解散の事由が発生したとき、または
目的の変更その他により
政治団体でなくなったときは、解散することといたしております。
次に、
法人である政党がさきに述べた政党の要件に該当しない
政治団体となった場合についてでありますが、このような
政治団体は四年間は
法人格を失わないこととし、政党の要件に該当することなく四年を経過したときに
法人でなくなることといたしております。この場合において、その団体は
政治団体としてなお存続することとし、一切の財産は、整理の手続を経て、当該
法人でなくなった
政治団体に帰属することといたしております。
なお、
法人である
政党等が解散したときは解散の登記、
法人である
政治団体が
法人でなくなったときは
法人でなくなった旨の登記、
法人である
政党等の清算が結了したときは清算結了の登記、
法人でなくなった
政治団体への財産の帰属のために必要な整理が結了したときは整理結了の登記をしなければならないことといたしております。
第四は、政党助成法の
改正についてであります。
政党助成法に基づく
政党交付金の
交付の対象となる政党は、
法人である政党に限ることといたしております。
以上のほか、
法人の管理、清算、登記等についで民法及び非訟事件手続法の
所要の
規定を準用することとし、
法人である
政党等に対する課税関係については、原則として、従前の人格なき社団である政党に対する課税関係と同様のものといたしております。また、この
法律の
規定に違反する行為に対しては秩序罰としての過料を科することとするなど
所要の
規定を設けております。
なお、この
法律は、
公職選挙法の一部を
改正する
法律(
平成六年
法律第二号)の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
以上、本案の主な
内容について御
説明いたしましたが、最後に、本案と政党の
政治活動の自由との関係について申し上げておきたいと思います。
政党の
政治活動の自由は憲法上保障されているところであり、これがいささかでも制約されることがあってはならないことは言うまでもありません。そこで、本案の起草に当たりましては、特に行
政権が政党の
政治活動に介入することがないように留意したところでありまして、第一に、「この
法律のいかなる
規定も、政党の
政治活動の自由を制限するものと解釈してはならない。」との解釈
規定を設け、その旨を明文で明らかにしたこと、第二に、
法人格を取得することができる政党の要件としては、客観的に明確な基準を用いることとし、具体的には国
会議員の数及び国政
選挙における得票率としたこと、第三に、政党の行う届け出についての確認は、
国会の議決による指名に基づいて任命される
委員から成る合議制の中央
選挙管理会が行うこととしたこと、第四に、中央
選挙管理会が行う確認については、届け出書等の形式上の不備等について行う、いわゆる形式的審査にとどめることとしたことであります。以上の
措置によりまして、政党の
政治活動の自由は十分に
確保することができるものと判断しているところであります。
以上が、本案の
趣旨及び
内容の概略であります。
本案は、本日成案を得て、
政治改革に関する調査
特別委員会提出法律案とすることに決したものであります。
なお、本
委員会におきましては、本案に関し政党の
政治活動の自由に関する決議がなされましたことを申し添えます。
何とぞ速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
次に、
地方公共団体の議会の議員及び長の
選挙期日等の
臨時特例に関する
法律案について、本
委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、全国多数の
地方公共団体の議会の議員または長の任期が
平成七年三月、四月または五月中に満了することとなりますので、前例にかんがみ、これらの
選挙の期日を統一し、
選挙の円滑な執行と執行経費の節減を図るとともに、
国民の地方
選挙に対する関心を高めようとするものであります。
本案におきましては、統一地方
選挙の期日を、都道府県及び指定都市の
選挙については
平成七年四月九日、指定都市以外の市、特別区及び町村の
選挙については同年四月二十三日といたしております。このほか、同時
選挙の手続、重複立候補の禁止、寄附等の禁止
期間、共済給付金の
特例等について
所要の
規定を設けております。
本案は、去る十月二十五日本
委員会に付託され、本日野中自治大臣から提案理由の
説明を聴取し、直ちに採決を行った結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(
拍手)
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