○富田委員 今の
説明でよくわかりましたけれ
ども、ちょっと新聞報道で気になる部分がございました。浦和地裁の所長さんの談話という形で載っておるのですが、「簡易な手続きではあるが、
裁判所職員が書類を偽造した極めて深刻な事態だ。
裁判所への信頼が損なわれ非常に残念だ。どこに問題点があったか究明し、事務処理態勢を見直して、二度とこのようなことが起きないようにしたい」という談話が掲載されております。それとともに、浦和の
裁判所の方で関係者におわびとお知らせを発送をした、ほとんどの審査をやり直すことにしているというような報道もされております。
この所長さんの談話というのは、「
裁判所への信頼が損なわれ非常に残念だ。」それはわかるのですけれ
ども、本来は支払い命令等を受けた方に対しておわびするのが最初だと思うのですね。そこの部分が抜け落ちているのかもしれませんが、こういう談話の発表
一つとっても、細やかな配慮をしていただきたいなというふうに思いました。先ほど答弁の最初に、この席をかりておわびをしたいというような御答弁をいただきましたので、その点は追及いたしませんが、そういう姿勢を持っていないと、お上の仕事だというふうにどうしても意識がいってしまうんじゃないか。支払い命令を受けた当事者というのは、本当に
判決と同じ効力があるわけですから、なかなか争っていけないような人たちが受けることが多いんだ、そのあたりの
事情もきちんと
裁判所にもわかっていただきたいなと思います。二度とこういう
事件が起きないように、今回の
事件が警鐘となればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、けん銃事犯の取り締まりということについて何点がお尋ねしたいと思います。
先月、十月の二十五日ですか、東京都品川区にあります京浜急行青物横丁駅で通勤途中のお医者さんが背後から射殺された
事件がありました。凶器として使用された短銃を容疑者が暴力団員から購入していたということが判明しまして、一般社会への銃の拡散が本格化している、こういうことを端的に示したものではないかと注目されている
事件であります。テレビや新聞等で
事件直後の現場の状況が報道され、駅通路に残された被害者の血痕が
事件の残酷さを物語るとともに、元患者さんが自分の手術を担当したお医者さんを逆恨みして犯行に及んだのではないかということで、非常にショッキングな
事件でした。
容疑者が逮捕されて、その自供に基づいて十月三十一日に犯行に使用したけん銃が発見されました。この十月三十一日の夕方、私はテレビを、ニュースを見ておりましたら、ヘリコプターから撮った思われる映像で、大きな公園を映しておりました。どこかで見たことがある風景だなと思って、テレビを見ておりました。ずっと、カメラが上空からけん銃を捜索している現場に近づいて、おりていくような感じで映っておったのですが、あれっと思った瞬間、アナウンサーの口から私の自宅の隣にある公園の名前が呼ばれまして、ちょっと、本当にびっくりしました。こんなところで
事件が起きるんだな。
私も弁護士をやっておりましたので、けん銃にかかわる
事件の弁護とかいろいろやっておりましたが、それがまさか自分のすぐ自宅のそばにけん銃が放置されている、そういうようなことは本当に初めての経験であります。この公園は、子供たちの間ではタコ公園、オクトバスですね、タコ公園と呼ばれています。ピンクの色をした大きなタコの滑り台がありまして、本当に小さな子から中学生ぐらいまでが遊びに来る、広い広い公園であります。遊具もたくさんありますし、野球場もついていますし、芝生も広くてサッカーをやるにも本当に適切な、そういうところにこの容疑者はけん銃を無造作に捨てていったわけであります。本当にびっくりしました。
その十月三十一日深夜、最寄りの私鉄の駅から自宅までこの公園の中を通って帰っていったのですが、けん銃が発見された場所には何のロープも張っておりませんし、だれもいませんでした。もう全部これで
事件は終わったんだなと思いながら自宅に帰りまして、妻にテレビで映っていたぞという話をしましたら、本人は見ていなかったようでまたびっくりしておったのですが、ところが、これでもう終わったと思っておりましたら、十一月四日の新聞各紙朝刊に、また同じ場所で実弾二発が発見されたというような報道がされておりました。一体どういうことなのかな、最初記事を読んでも合点がいきませんでした。この公園の近所では、この実弾が発見されたという方がかなりショックを呼んでおりました。
私には五歳の長男がおるのですが、この五歳の長男の本当に仲よしの子がおります。この子のお母さんが十一月四日の新聞を見て、もうけん銃も実弾も発見されてしまっているのに、まだ何かあるんじゃないかということで、新聞を見た途端外に飛び出しまして、公園で遊んでいる御自分のお子さんと私の長男と呼びに行ったそうであります、何かあったら大変だ。一般の市民は本当にそういう感覚です。全部終わったといっても実弾が転がっていた、それはとんでもないことなんだ、それがもう一般市民の感覚だと思います。
この経過から見まして、今回の医師射殺
事件における警察のけん銃あるいは実弾に関する捜査というのは、報道経過を見る限りちょっと問題があったのじゃないかなというふうに思えるのですが、その点についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
事件の中身は報道でしかわかりませんが、容疑者は、逮捕された後、実弾七発とけん銃を暴力団員から購入した、一発を試し撃ちしたんだ、一発で被害者であるお医者さんを背後から撃ち殺した、そうすると、あと五発残っているわけですね。十月三十一日に発見されたけん銃には実弾は三発しか装てんされてなかった。なぜそれで警察のけん銃、実弾に対する捜索が終わってしまったのか。実弾が三発しか装てんされてなかったら、ほかの二発はどこに行ったんだろうということでもう少し付近をきちんと捜索してみるとか、あるいは夜遅くなってもし見つからないということであれば、付近を立入禁止にする等してもう一回翌日捜すとか、そういうことができたんではないかなというふうに思うのですが、そのあたりはどうだったんでしょうか。
また、十一月二日の日に実弾二発を発見されたそうですが、これが報道されたのは十一月四日の朝になってからです。私の子供も二日、三日、四日どこの公園で遊んでおりました。自分のことを言うようで恐縮でございますが、やはり危ない。子供たちは実弾を見ても、それが本物がおもちゃかわかりません。爆発するということはないでしょうけれ
ども、まだあるんだ、そういうことであればそういう報道もきちんとしてほしいし、発見されたのなら発見されたで、もう安全ですよということをその付近の住民にきちんと知らせる手だてがあってもよかったのではないか、そういうふうに思うのですが、この点は警察庁の方はいかがに
考えていらっしゃるのでしょうか、お教えいただきたいと思います。