○井上説明員 首都高速道路について、料金が高いあるいは渋滞がひどいじゃないか、工事
施行が無計画ではないかというふうな問題があると思うけれ
ども、どう
認識して、それを民営化ということで解決できないのかというふうな御
指摘でございましたけれ
ども、これについてお答えいたします。
まず、首都高速道路の料金についてでございますが、これにつきましては、その建設、管理等に要する費用を
一定期間内に償還するという
考え方をもとに、消費者物価あるいは一人当たりの
国民所得の
伸び率等にも配慮いたしまして料金
改定を行ってきたところでございます。今回、
平成六年の五月九日に実施しました料金
改定に当たりましては、公聴会でさまざまな利用者からの御意見をお伺いいたしまして、その結果、
改定実施時期を公団の申請に対して半年間おくらせるなどの、物価や景気に与える影響をできる限り抑えるように
措置したところでございます。
また、渋滞でございますが、首都高速道路公団では、その緩和に向けまして、
平成五年の八月、昨年でございますが、渋滞対策プログラムを策定し、その推進に努めているところでございます。
それから、御
指摘の補修工事に伴う渋滞の緩和等でございますが、従来、毎月末の金曜日に決めておりました全線ノー工事デー、これを昨年度からは毎週金曜日に拡大するとともに、
平成三年から、毎年一路線について
関係機関の御理解と御協力のもとに約一週間ほど全面交通規制をいたしまして、その間に集中工事を実施して通常の補修工事の回数といったものを抑制するということをしております。さらに、
平成六年の四月からは、路線別、方向別に見まして補修工事の実施曜日を指定することによりまして、どの路線、どの方向別に見ましても、事故等に伴う緊急工事を除きまして、金曜日を含め一週間に四日間は工事をしない日を設けております。そういった工夫をいろいろしてきております。
しかしながら、御
指摘のとおり、現在なお首都高速道路の渋滞といったものは極めて深刻な
状況にあるところでございますので、中央環状線を初めとするネットワークの拡充、あるいは箱崎等のボトルネック箇所、ここに焦点を当てました拡幅等、それからさらに渋滞箇所手前での出路の設置、出口でございます、これの設置、そのほか、維持補修の頻度を減らすということがどうしても重要でございますので、そういったための構造改造等あるいは耐久性の高い材料の開発、こういったことを進めるなどしまして、利用者になお一層便利に利用いただけるように、そういった首都高速道路を目指しまして努力するよう公団を指導してまいりたいと
考えております。
このように、きめ細かな利用者サービスの向上に努めているところでございますが、これと民営化の関連で申しますと、例えば渋滞対策につきましては、首都
機能の向上維持を達成する上で、渋滞箇所の改築のみならず、やはり新規路線の
整備が必要不可欠でございますが、仮にこれを民営化するとした場合には、採算の厳しい新規路線の
整備は非常に困難になるということがございます。また、料金につきましても、民営化に伴い、公租公課等の負担増によりまして料金の引き上げが必要になる、そういった問題があるというふうに現段階では
考えております。