○辻
委員 私は、
自由民主党、改革、
日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び民主新党クラブを代表して、
主要食糧の
需給及び
価格の安定に関する
法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
主要食糧の
需給及び
価格の安定に関する
法律案に対する附帯決議(案)
主要な食糧である米穀及び麦は、
国民の主食としての役割を果たすとともに、
我が国農業における重要な農産物としての地位を占めるほか、国土の保全に資するなど多面的な役割を果たしている。このため、これら
主要食糧の生産基盤を強化し、
需給及び
価格の安定を図り、もって
国民生活と
国民経済の安定を期することは、国の重大な責務である。
よって
政府は、本法の施行に当たっては左記事項の実現に努め、本制度の円滑な運営に遺憾なきを期すべきである。
記
一 米穀の
需給及び
価格の安定に関する基本計画を定めるに当たっては、
国民生活の安定を期するとともに、
生産者の意向を十分踏まえ、
農業経営の中・長期的安定に配慮すること。
二 生産調整の円滑な推進が本制度の運営に不可欠であることにかんがみ、生産調整目標面積については、米穀の生産力、流通・在庫量、消費量等を的確に把握し、かつ、営農の安定にも配慮し、全体
需給の調整が図られるよう適切に決定するとともに、生産調整の
実施に当たっては、
生産者の自主的な判断を尊重しつつ、行政と
農業団体等が一体となり推進すること。
また、生産調整の実効を確保する等の観点を踏まえ、生産調整助成金についてはその水準を適正に設定するとともに、米穀の
政府買入
価格については、
需給動向等を反映させつつ、再生産が確保されるよう決定すること。
三 ミニマム・アクセスによる輸入米については、国産米の
需給及び
価格の安定が確保されるよう、新たに加工用、海外援助用などへの活用を真剣に検討するとともに、その売渡
価格については国産米との品質格差等を適正に勘案して設定すること。
また、平成五年産米の著しい不作に対処するために緊急輸入した米穀についても、適切に処理すること。
四 米穀の備蓄制度の意義にかんがみ、
政府が第一義的
責任をもってその運営を行うとともに、備蓄数量については、百五十万トンの確保を基本としつつも、
需給及び
価格の安定を図る見地から弾力的に運用すること。また、備蓄に伴うコスト負担につき
国民の
理解が得られるよう努めること。
五
農林水産大臣が
生産者ごとに計画出荷基準数量を決定するに当たっては、
生産者の意向を十分反映させるとともに、出荷契約については作況変動等による事情の変化を反映し得る仕組みとすること。
また、計画流通制度の円滑な運営に資するため、計画出荷米が安定的に供給されるよう米穀の
生産者等に対し適切な助成措置を講ずること。
さらに、計画出荷米以外の米穀の売渡しに係る
生産者の届出については、極力その手続きを簡素化すること。
六 流通規制の緩和に当たっては、産地間の過当な競争、流通の混乱、不当な
価格操作等不側の事態が生ずることのないよう十分に配慮するとともに、小売業者等販売業者の業種転換や体質強化等が円滑に図られるよう、その
対策に万全を期すること。
また、万一の緊急事態に備えるため、配給等を
実施し得る体制の整備に配意すること。
七 米穀の品質・安全性等に対する
国民の関心の高まりに対応するため、国営検査がこれまで果たしてきた役割に配慮し、必要な施設、効率的体制の整備を促進するとともに、農産物検査制度の在り方について検討すること。
また、年産・産地品種銘柄などの表示については、
消費者の商品
選択のよりどころとなるとともに、米穀の適正かつ円滑な流通を確保する上で不可欠であることから、一層の整備を図ること。
八 豊作等により米価が著しく低落する場合等には、備蓄の運用と国の支援の下に自主流通法人が行う調整保管を適切に関連付けて
実施する等により、その
対策に万全を期すること。
また、自主流通米の取引の指標となる
価格が適正に形成されるよう自主流通米
価格形成センターの公正な運営に努めること。
九
我が国における麦作の重要性にかんがみ、
国内農業における麦作の位置付けを明確化し、品質の改善と生産振興
対策を充実すること。
右決議する。
以上の附帯決議案の趣旨につきましては、
質疑の過程等を通じて
委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
何とぞ全員の御賛同を賜りますよう
お願い申し上げます。(拍手)