○栗原(博)
委員 新潟二区の栗原博久ですが、よろしくお願いします。
私は、このWTO
委員会の
委員に選んでいただきまして、感謝申し上げます。昨年の暮れに実は、米の
自由化というものの、どうしてもやはり国内の米を守らねばならぬというような趣旨で、国会の前で断食、座り込みまでいたしまして抵抗をいたしたわけでありますが、本
委員会でこのような問題に絡んで
委員の立場で発言をさせていただきますと、何かこう胸に詰まるものがございます。
私
どもの
日本の国は、やはり高度経済成長に伴いまして食生活が充実してまいったと思うのです。それによって食事も多様化し、そしてまたやはり肉類を食べますから、当然、畜産
農家というものが
規模拡大し、国家の経済成長と国民の食糧のニーズに合わせて、実は畜産
農家が大きな負債をこうむっておる。これはまた
農業の米にも言えることだと思うのであります。でありますから、今日の
農業問題というものが
我が国の経済の成長のひずみの中にあるということをまず明記させていただきたいと思うのであります。
その中で、諸
先生がいろいろ
質問されましたので、私は
農業の負債の問題について実はお聞きしたいと思うのですが、何か、
農家の全体の借金は七兆円ほどあると伺っております。そのうち
農業構造改善、要するに基盤整備等に絡みます問題につきまして、現在その利子を含めて四兆円ほどあると伺っているわけでありますが、今回の
ウルグアイ・ラウンドの対応の中で、私
ども、私も
農林水産委員会等でも強く今まで求めてまいったわけでありますが、この負債整理を何とかしていただきたいと。こうして米の一部
自由化というに同じミニマムアクセスの問題ですが、国家の外交的な約束事によって農民が犠牲をこうむるわけですから、当然それはやはり国家の責任のもとにおいて処理をしてもらわねばならぬということを絶えず訴え続けてまいったわけであります。
そういう中で今回の
ウルグアイ・ラウンドの
対策を見ますと、
土地改良の負担金の軽減の問題、これにちょっと絞って御
質問したいと思うのですが、約二千六百億円の金を用意してあるというように伺っております。あるいはまた低利の融資ということで自作農維持資金とか、あるいはまた
農家の負担の軽減支援の特別資金の
創設とか、貸付金利が二・五%、大変ありがたい金利でありますが、果たして金利を安くしたから
農家がお金を借りるかとなると、これはまた別問題。私は、この国の
対策の中で、例えば融資事業として七千七百億円を計上しておりますが、果たしてこの七千七百億円が消化されるかどうかという
一つの疑問も持っておるわけであります。
と申しますのは、
土地改良の事業を今日までいろいろなされてきました。しかし私は、やはりこの
土地改良事業というものは、見ますると、どうも
土地改良事業に対して農民の方は関心が薄れつつあるのじゃなかろうかという実は疑問を持っております。あるいはまた、
土地改良をやりましても、その施設の維持管理に対してもう大変な困難を伴っている、困難性がある。それは、やはり水管理の問題ですが。
農家が米はとてもつくれぬということで遠い方に売り渡しをしたり、あるいはまた都市近郊の、一反売ったら一億も入るような人が安いところの土地を買って、その土地を実際部落の人たちと仲よく維持できないという状況にも実際あるわけであります。
また、当然、
土地改良事業は農地の集団化を目指しているわけですが、果たしてこの農地の集団化がうまくいっているだろうかということなどを考えまして、大変私は、今後
農家の方から、本当に心から喜んで
土地改良事業を要求されるかとなるとなかなか難しい。その前にやるべきことは、まず今
農家の皆さんが抱えています
土地改良の約四兆円に余る、これを何とか軽減してもらわねばならぬということを絶えず御要望をしてまいったわけであります。
そういう中で、
我が国の金利のレートを見ますと、公定歩合は今一・七五%です。
平成二年には六%ですから、大変その後安くなったと思うのですが、問題は、
平成二年前後に財政投融資によって借りました金利が約八%に及ぶ、その金利に基づく、現在、
土地改良の償還を迫られている地域がたくさんあるわけであります。
この中で、私は絶えずお願いしたことは、こういうやはり高い金利の
部分を何とか今のレベルに落としてほしいということを申し上げてまいったわけでありますが、それに対して、やはり財政投融資というものの特殊性からいって、預貯金の方々の金利を守るためになかなか難しいと。今、農協の
系統単独でも四・五%で貸すところがあるわけでありますから、そういう中で、私はやはり金利を、
農家の皆さんは金利の問題です。孫子に借金はもうつくりたくない。
今こういう
ウルグアイ・ラウンドの中における
農業の厳しい状況にあって、自分だけは
農業するけれ
ども、私と同じ年代、ちょうど私のころは新潟県で百万トン増産運動をやっておりまして、私も
農業をしようということで地元の農学部へ入ったわけでありますが、私が卒業するころ
生産調整が始まった。しかし、あのころ私
どもの同級生はたくさんの方々が
農業をしております。しかし、今自分の子供に絶対
農業させないというのが大半である。それは、そのためにもう
一つは子供に借金を残したくないということでまた苦しみを負っているわけです。
こういう中で、今回のこの
ウルグアイ・ラウンド対応の中で、私は、
農林省がどのような形でこの
土地改良の軽減、特に今まで返済の平準化ということでなかなか御苦労されまして、三万円以上の償還については、その分についての三〇%を後生の方に送ろうということで、当面の返済を猶予していただくような形になっておるわけであります。ところが、先送りしましても、先送りされるとこれは孫にも及ぶということで、
農家の方、目をぱちっと開いたら、いやいや、借金の返済はちょこっとおさまっても、これは孫の代までいく、こういうことで、今回の
ウルグアイ・ラウンドの対応の中でどのようにお考えいただいたかということを、ひとつ御
答弁お願いしたいと思います。