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1994-11-17 第131回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年十一月十七日(木曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 山田 英介君    理事 大原 一三君 理事 河村 建夫君    理事 栗原 裕康君 理事 林  幹雄君    理事 江崎 鐵磨君 理事 須藤  浩君    理事 谷口 隆義君 理事 遠藤  登君       栗原 博久君    松下 忠洋君       山本 有二君    大野由利子君       大矢 卓史君    古賀 敬章君       山田  宏君    佐藤 泰介君       永井 孝信君    細川 律夫君       山下八洲夫君    田中  甲君       中島 武敏君   出席政府委員         警察庁交通局長 田中 節夫君         総務庁長官官房         交通安全対策室         長       井野 忠彦君         運輸省運輸政策         局長      豊田  実君         運輸省鉄道局長 戸矢 博道君         建設大臣官房長 伴   襄君         建設省建設経済         局長      小野 邦久君         建設省道路局長 藤川 寛之君         建設省住宅局長 梅野捷一郎君  委員外出席者         警察庁交通局都         市交通対策課長 田村  博君         厚生省生活衛生         局水道環境部環         境整備課産業廃         棄物対策室長  木下 正明君         運輸大臣官房審         議官      金丸 純一君         運輸省鉄道局都         市鉄道課長   梅田 春実君         運輸省自動車交         通局技術安全部         長       樋口 忠夫君         運輸省航空局飛         行場部長    福島 義章君         特別委員会第一         調査室長    松本 圭右君     ————————————— 委員の異動 十一月十七日  辞任          補欠選任   渡辺浩一郎君      山田  宏君   永井 孝信君      佐藤 泰介君   藤田 スミ君      中島 武敏君 同日  辞任          補欠選任   山田  宏君      渡辺浩一郎君   佐藤 泰介君      永井 孝信君   中島 武敏君      藤田 スミ君     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 山田英介

    山田委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細川律夫君。
  3. 細川律夫

    細川(律)委員 細川でございます。  まず最初に、過積載車両対策についてお伺いをいたしたいと思います。  本年の五月十日から施行されております過積載運行防止等を盛り込んだ改正道路交通法、これがどのように効果を発揮をしているのかというようなことについてお伺いをしたいと思います。  この過積載車両対策につきましては、過積載によります道路の損傷とか、あるいは重大な交通事故が発生をするというようなことから、これらを防止するために道交法改正されたわけですけれども、この五月十日から既に約六カ月経過をいたしておるところでございます。  まず最初にお聞きをしたいのは、この五月十日から施行されて約半年間、過積載防止についての効果があったのかどうかお聞きをいたします。
  4. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  五月十日法改正後の状況でございますけれども、昨年中は約三割を占めておりました最大積載量が二倍を超える過積載、その検挙の割合改正法施行後六カ月の経過時につきましては一三・二%にまで減少しております。悪質な過積載は大幅に減少しておりますし、また改造車両ども減少しております。  私どもといたしましては、法改正によりまして過積載運行実態は確実に改善されつつある、相応の効果が上がっているというふうに認識しております。
  5. 細川律夫

    細川(律)委員 効果が出ているということで、改正法の目的が達せられつつあるというふうに思いますけれども過積載取り締まり状況などについてもお聞きをしたいと思います。  また、この改正法では、単なる運転手だけではなくて、その背後にいるといいますか、荷主とかあるいは雇い主、使用者、そういうところにも取り締まりをしていくということになっているわけですけれども、それらの適用状況などについても報告をしてもらいたいと思います。
  6. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  改正法施行状況でございますけれども改正法施行されまして六カ月間におきます過積載取り締まり件数は二万四千四百九件でございまして、一カ月平均四千六十八件となっております。昨年の一カ月平均が七千六百三十四件でございますので、過積載取り締まり件数はほぼ半減しているというふうに考えております。これは、やはり過積載運行車両台数が減少したということが取り締まり件数の減少だというふうに考えております。  それから、御指摘のありました改正道交法によります車両使用者に対しますところの指示等状況でございますけれども、本年十一月九日、いわゆる六カ月末の数字でございますが、車両使用者に対しますところの公安委員会指示全国で六百三十六件、それから荷主等に対しますところの警察署長過積載再発防止命令、これは三十一件を数えております。  以上でございます。
  7. 細川律夫

    細川(律)委員 この過積載につきましては、単に運転手が違法な行為をやるというようなことだけではなくて、いろいろな要因があると思われます。そういう意味では、単に警察の方での取り締まりだけではなくて、総務庁あるいは運輸省、そういうようなところのまたいろいろな適切な指導もなければならないと思いますけれども、そういう関係省庁の方ではこの過積載問題についてどういうふうに取り組んできたのか、その取り組み状況を報告してもらいたいと思います。
  8. 井野忠彦

    井野政府委員 お答えいたします。  過積載防止交通安全上の重要課題でありまして、これまで数次にわたり交通対策本部決定関係省庁申し合わせを行いまして、関係者連携して対策に取り組んできたところでございます。最近では、今回の道路交通法改正にあわせまして過積載による違法運行防止に関する関係省庁による申し合わせを行い、諸対策を推進しているところであります。  総務庁といたしましては、例えばダンプカー事業者につきまして、関係省庁連携し、零細な事業者の協業化を促進することによりまして業界近代化を推進しているところであります。
  9. 金丸純一

    金丸説明員 お答え申し上げます。  トラック事業者にとりまして、過積載防止につきましては基本的な遵守義務がございます。安全を確保するため重要な課題でございますので、私どもは、定期的な監査を実施いたしますとか、あるいはトラック事業適正化事業実施機関活用によりましてトラック事業者自覚を促進するといったことをしているわけでございます。  また、過積載防止につきましては、荷主にまで及ぶ総合的な対策が必要でございます。ただいま総務庁の方から御紹介ありましたように、関係省庁連携して指導等を行っておりますとともに、私ども地方におきましても、都道府県単位警察、県、陸運支局道路管理者、こういった連絡会議を設置いたしまして、連絡調整を密にしながら事業者指導に当たっているところでございます。  また、過積載取り締まり強化に伴いまして、輸送力不足対策ということが非常に問題となっておるわけでございます。これにつきまして、私ども従来、夏期、年末期、この輸送繁忙期につきまして輸送力確保措置をとってまいったわけでございますけれども、秋の農水産物収穫期におきましても、これと同様に九月一日から十一月三十日までの間を秋季の繁忙期といたしまして、同一事業者の間におきます業務応援のための車両移動を弾力化する。あるいは、これで不足する場合には自家用自動車有償運送の許可につきまして迅速かつ弾力的に扱う。こういう措置を講ずることによりまして、車両が不足する地域への事業用自動車車両移動円滑化を図る。あるいは、なお不足する場合には自家用自動車活用を図るということで対応しているところでございます。
  10. 細川律夫

    細川(律)委員 いろいろ関係省庁それぞれ積極的に取り組みをされているということで、大変結構なことだろうと思います。ただ、過積載の問題につきましては、これまで過去にもいろいろこれを防止するための施策を講じてきましたけれども、しかし、少しよくなったかなと思うとまたもとに戻るというのがこの過積載の問題でございました。今回もまたそれの繰り返しになってはいけないだろうというふうに思います。この半年の間で相当効果は出ているようでありますけれども、さらに施策を進めていただいて、この過積載がなくなるようにしていただきたいと思います。  過去の例を見ますと、なかなかそうではなかったというのが実態でありますから、今後またもとに戻ることのないようにするために、これからどういうような取り組みをされていくのか、その決意のほども伺いをしておきたいと思います。
  11. 井野忠彦

    井野政府委員 過積載防止交通安全上の重要課題でございますので、総務庁といたしましては、過去の事例の反省に立ちまして、関係省庁との連携をより強化いたしまして諸対策を推進してまいりたい、こういう決意でございます。
  12. 田中節夫

    田中(節)政府委員 委員指摘のように、過積載につきましては長年にわたる懸案事項でございまして、過去いろいろな経過をたどりながら今日に参ったわけでございますけれども、今回の改正道交法施行にあわせまして、根源的かつ総合的な対策を推進するための関係省庁申し合わせ、あるいは法律の際には附帯決議もございました。  私どもといたしましては、附帯決議あるいは関係省庁申し合わせを踏まえまして、連携を密にしながら、悪質、危険な違反を重点とした取り締まり自動車使用者荷主等責任の追及を引き続き強力に推進いたしまして、過積載実態が変わったというふうに国民が認識する、あるいはそれが定着するというところまでこの根絶のために努力をしてまいる考えでございます。
  13. 金丸純一

    金丸説明員 過積載防止につきましては、私ども所管しておりますトラック業界にとりましても長年の課題であったわけでございます。今回の道路交通法改正によりまして、過積載違反件数が大幅に減少してきたというだけではなく、トラック業界に、やはり過積載については根絶していかなければいけない、これはまた荷主業界にまで広がっておりまして、こういった自覚ができてきましたことは非常に大きな成果だと考えているわけでございます。  私ども運輸省といたしましても、今後再び違反が増加することのないよう関係省庁関係団体連絡を一層密にしながら過積載防止の徹底を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  14. 細川律夫

    細川(律)委員 この道路交通法改正をされましたときにこういう附帯決議がなされております。   過積載防止するため、運送事業者自動車使用者及び荷主等に対する指導を強化するとともに、その責任の所在の明確化に努めるなど適切な措置を講ずるほか、重量測定機器整備等拡充自重計早期開発とその装着義務化に努めること。こういう附帯決議がなされました。  これの「重量測定機器整備等拡充」、さらに「自重計早期開発とその装着義務化に努めること」、こういう附帯決議もなされたわけですけれども、この点についてはどういうふうに進んでいるのか。この整備などの状況、あるいは開発はなされているのかどうか、その点についてちょっとお伺いします。
  15. 樋口忠夫

    樋口説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘大型トラック自重計につきましては、積載重量計研究開発に努め、装着義務化に向けて環境整備を図ることという附帯決議がなされているところでございます。この附帯決議を受けまして、運輸省におきましては、平成三年十二月に関係者によります大型トラック積載重量調査研究会というものを設けました。現在、専門的な話になるのでございますけれどもストレインゲージ方式あるいはマット方式というものがございまして、それぞれにつきましてその積載重量計に関する調査研究実用化を進めておるところでございます。  現時点で申し上げますと、ストレインゲージ方式積載重量計につきましては精度や耐久性に問題がある、さらにマット式重量計につきましても耐久性と使い勝手に問題があるということが確認されておる状況でございまして、現在引き続き検討を進めさせていただいているところでございますが、これらの問題の解決を図り、速やかに対応を図っていきたい、こういうふうに考えております。
  16. 細川律夫

    細川(律)委員 重要なことでありますから、ぜひさらに研究開発努力をしていただきたいと思います。  この過積載車両の問題につきましては、ただいまざっといろいろ質問をしてまいりましたけれども、大体この道交法改正効果を発揮しているというように思います。またもとに戻らないように、過去にありましたように、少しよくなるとまたもとに戻るというようなことがないように、先ほど決意も聞かせていただきましたけれども、今後関係各省のさらなる取り組みをよろしくお願い申し上げまして、一応過積載車両関係についてはこれで終わりにさせていただきます。  次に、軽自動車車庫届け出地域拡大についてお伺いをしたいと思います。  最近の新聞報道などによりますと、警察庁の方では、平成三年度に改正をいたしましたいわゆる車庫法軽自動車車庫届け出地域拡大する、そういう政令改正をしたい、こういう意向新聞報道がなされているわけであります。これまでは東京の二十三区と大阪がこの軽自動車届け出地域になっているわけですけれども、これを、さらに届け出地域拡大するという意向のようであります。  それでは、軽自動車路上駐車実態政令改正しなければならないとなる根拠といいますか、それが路上駐車だろうと思いますけれども、この軽自動車路上駐車実態一体どういうふうになっているのか、これについてまず伺います。
  17. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  軽自動車路上駐車実情はどうであるかという御質問でありますが、現在、御指摘のとおり、届け出制適用地域東京二十三区及び大阪市でございます。平成五年中の自動車保管場所法の十一条違反、これはいわゆる長時間駐車している違法駐車でございますが、この全体に占める軽自動車の比率を見てみますと、東京二十三区及び大阪市、これは届け出適用地域でございますが、ここでは全体の九・七%が軽自動車でございます。その他の地域につきましては、この違法駐車の三・一%が軽自動車ということで、大変多くなっております。  また、警視庁が届け出制実施前と実施後に行いましたサンプル調査によりますと、東京都内におきましては、軽自動車によります保管場所法違反、十一条違反でございますが、このうち車庫を持っていない者は、届け出制実施する前は三四・六%でありましたけれども届け出制実施した後は九・九%ということでございまして、大幅に減少しております。したがいまして、適用地域、非適用地域あるいは適用制度があるかないかでかなりの差が出てくるというふうに考えております。
  18. 細川律夫

    細川(律)委員 届け出制制度があるかないか、そしてその地域に指定されているかどうかということで、軽自動車のいわゆる路上駐車違法駐車割合が非常に違う、そういう意味届け出地域拡大ということを考えておられると思いますけれども、それでは、どういうような政令改正にするのか。考えておられるといいますか、計画しておるその内容についてまず簡単に説明していただけますか。
  19. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  今回、軽自動車届け出地域拡大でございますが、これは基本的には人口十万人以上の市、すべてではありませんけれども人口十万人以上の市までに拡大するということを基本的な考え方といたしまして、その地域に広げるまでに段階的に広げていこうということでございまして、まず第一段階といたしまして、平成八年の一月に、人口三十万人以上の市、それから東京圏及び大阪圏のそれぞれ三十キロメートル以内、東京大阪一体として見られるような地域まで拡大していく、これが第一段階でございます。第二段階が、二十万人以上の市と、第一段階では含まれませんでした県庁所在地、これを第二段階として広げていこう。第三段階といたしまして、今申し上げました十万人以上の市、これはすべてではございませんけれども人口十万人以上の市で特に交通の問題があるようなところについて、そこまで広げていこうということでございます。  今回、政令改正検討しておりますのは、その第一段階のものにつきまして、できれば今年中に改正をし、平成八年の一月施行ということを考えておるということでございます。
  20. 細川律夫

    細川(律)委員 第一段階、第二段階、第三段階というふうなところで適用地域拡大をしていきたい、こういう意向のようでありますけれども、まず第一段階として三十万以上の都市について軽自動車車庫届け出をする。この三十万以上の市というのを基準にされた根拠は何でしょうか。
  21. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  三十万人以上の市、第一段階そこまで広げることについてはどういうような根拠に基づくか、こういう御質問でございますが、三十万人以上の市は、いずれも各府県の中核都市といたしまして、駐車問題が特に深刻化しております。また、先ほど申し上げました保管場所法十一条違反、いわゆる長時間駐車違反件数が非常に多うございまして、全国総数の約七三・七%を占めております。そういうことから、当面の緊急的な措置としてはこの程度まで広げることが望ましいのではないかというふうに考えたわけでございます。  また、登録自動車につきまして保管場所証明制度適用されました経緯を見てみますと、昭和四十年に人口十万人まで拡大するという方針のもとに、その前の段階として昭和三十九年に三十万人以上の市まで適用拡大をしております。そういうような過去の経緯参考にさせていただいたということでございます。
  22. 細川律夫

    細川(律)委員 三十万以上の都市というその基準についてはわかりましたけれども、それでは、第一段階のところで、東京圏大阪圏として一体として取り扱うところ、これも地域にしよう、こういうことですけれども、これは先ほどの説明だと当然三十万以下のところも入るわけなんですけれども、これはどういうことでそういうことにするのでしょうか。
  23. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  東京圏大阪圏それぞれ三十キロメートル以内ということで線引きをしたわけでございますが、ここまで広げることといたしました理由は、今申し上げました三十キロ圏以内にあります市は、それぞれ東京大阪という大都市に近接しておりまして、東京大阪と社会的、経済的あるいは交通的に一体となって市街地を形成しているということで、駐車問題等東京大阪と同様に深刻化している地域である。したがいまして、この地域につきましては、単純に入口だけによりまして適用対象外とするということは不合理であろう、また実態に適合しないということで、ここまで広げたわけでございます。  ただ、東京圏大阪圏につきまして三十キロメートル圏内に所在する市は一応人口にかかわらず適用対象といたしますけれども例外的に車両密度が低いところもございます。こういうところは適用対象外適用対象から外すということを考えております。  なお、登録自動車適用地域拡大の際にも、大都市周辺の市につきましては人口要件に満たないものを対象に加えた例がございますので、その例も十分参考にさせていただいたということでございます。
  24. 細川律夫

    細川(律)委員 それじゃ、東京圏大阪圏範囲を三十キロ以内、こういうふうに決めるというその根拠といいますか、理由、それはどういうことですか。
  25. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  一般的に東京圏及び大阪圏というのが何キロメートルというような基準はないわけでございまして、それぞれ、行政あるいはいろいろな政策のいろいろな判断の中で東京圏及び大阪圏範囲を決めているというのが実情でございます。私どもといたしましては、これらの地域交通実態等から見て東京大阪という大都市部一体化している、あるいは昭和四十年の、先ほど申し上げました人口十万人以上の市に拡大した際に、東京中心地から約三十キロメートルの距離にありますところの習志野市等も適用対象としたというような過去の事例等参考にいたしまして、三十キロメートルということにしたわけでございます。  いろいろな法令がございますけれども東京圏大阪圏ということにつきましては、三十キロメートルよりも広い範囲をとっているところもございますけれども、私どもといたしましては、今回は三十キロメートルぐらいが妥当な線ではなかろうか、いろいろな実態を見ましてもそれぐらいが妥当ではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
  26. 細川律夫

    細川(律)委員 なかなかはっきりした、明確なあれはないようなんですけれども、いずれにしてもこの範囲を決めなければいけないということで三十キロ以内ということにしたんだろうと思います。  先ほどの答弁では、いわゆる東京圏大阪圏の中でも、そういう東京圏大阪圏の枠にしながらも、しかし車両密度の低いところはいわゆる例外として適用外にする、そういうことを言われましたけれども、それはどういうような根拠でそういうふうにされるのか。それと、そういうふうに言われますと、では東京圏大阪圏でどういうような市がその例外対象になるのかお聞かせください。
  27. 田村博

    田村説明員 東京圏大阪圏例外的なものでございますが、これにつきましては、一応車両密度と申しまして、市の可住地面積、人が住める面積に対します車両台数、これの密度を求めまして、一応一平方キロメートル当たり千五百台以下の市については適用除外といたしたいというふうに考えてございます。千五百台という基準を設けましたのは、大体人口三十万人以上の市の平均車両密度がおおむね千五百台でございますので、三十万都市に匹敵する車両密度を持つということを考えの基本にいたしております。  それで、具体的にどういうところが東京圏大阪圏適用除外になるのかというお尋ねでございますけれども、例えば東京圏で申し上げますと、埼玉県の岩槻市あるいは千葉県の野田市、こういうところが車両密度関係除外になってまいります。それから、大阪圏につきまして申し上げますと、例えば大阪府の和泉市あるいは河内長野市、それから奈良県の大和郡山市、こうしたところが適用除外になってまいります。
  28. 細川律夫

    細川(律)委員 今東京圏の方で、三十キロ以内で野田市と岩槻市、こういうふうに挙げられましたけれども、その岩槻というところはたまたま私の選挙区なもので大体地理的によくわかっているつもりなんですけれども、例えばその隣の大宮あるいは春日部、そういうところがこの三十キロ圏で適用されている。そして、その間に岩槻があって、この岩槻だけが適用除外だというようなことになると、その周辺に住んでいる住民の方からすると、何だ不公平じゃないかというようなことを言われるというか感じられるのじゃないかという気がいたしますので、これはもう一律に、例えば三十キロだということならばもう三十キロ以内というように一律にやられたらいいのじゃないかという気もするんですけれども、いかがでしょうか。
  29. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  検討の過程ではいろいろな問題がございまして、今委員指摘のような、一律に適用してはいかがかというような御意見もございました。しかし、やはり駐車問題が深刻化しているところからやるというのが基本的な形であろうと。そういたしますと、三十キロで引きますと、そういう問題についてはまだそこまで至ってはいないのではないかというところもあるというようなことで、先ほど来申し上げましたような形で線引きをするというような形になったわけでございまして、議論の過程では確かにそういう問題も出てまいったことはそのとおり事実でございます。
  30. 細川律夫

    細川(律)委員 最後にお聞きしますけれども、この三段階、最終的には十万以上の都市まで拡大をする、こういうことのようでありますけれども、この理由と、多分必要があるからそういうふうにやるのでしょうけれども、それをなぜ三段階に分けて平成十三年に予定するのか、そこのあたりをもう一度説明をお願いします。
  31. 田中節夫

    田中(節)政府委員 委員指摘のように、現下の厳しい情勢というものを考えますと、本来、直ちに人口十万人以上の市までに適用拡大するということが望ましいという考えもございます。ただ、急激な変化を避ける意味から、駐車問題の深刻な地域から順次拡大していくことが適当ではないか。さらに、国民全体への十分な周知を図る。そして、駐車問題が深刻化している、保管場所の確保を国民自身が非常に感じているというようなところから次第に広げていくことがいいのではないかということで、段階実施とすることとしたものでございます。  ただ、今回は、将来に向けての段階的な適用地域拡大の計画をあらかじめ公表いたしましたので、ユーザーなど国民の利便に資しているというふうに私ども考えているわけでございます。
  32. 細川律夫

    細川(律)委員 わかりました。では、次に移ります。  私も時々タクシーを利用しながら自宅に帰ったりいたしますけれども、そのときに乗るタクシーというのは法人の場合もあれば個人タクシーの場合もございます。そこで、時々個人タクシーに乗って感じますことは、お年寄りの運転手さんが、たまたまそういうことに出くわすときがあるのですけれども、どうもそのときに、大丈夫かなというような感じを受ける場合もございます。  そこで、いわゆるタクシーの高齢者の運転手、これのことについて実態調査されているのかどうか。それから、高齢者の方とそうでない方で事故の割合といいますか、そういうようなことも調査されているのかどうか。そういうのがあれば報告をしていただきたいと思います。
  33. 金丸純一

    金丸説明員 お答え申し上げます。  個人タクシーにつきましては、これは、自動車運転者に夢と希望を与えるということでもって、タクシー業界に新風を注入するものとして三十四年に発足したわけでございますけれども、現在では全国で四万七千名を数える状況でございます。しかしながら最近では、事業者平均年齢が先生御指摘のとおり上がってまいりまして、五十八・六歳でございます。法人の運転者の平均年齢が四十八・五歳でございますので、十歳ぐらい上だ、こういうことになろうかと思います。その中で七十歳以上の者が三千八百人を超えるということでございます。  一般論といたしまして、加齢とともに運転技量の低下が起きることは否めないわけでございまして、このような高齢化の進展が利用者に利用上の懸念を抱かせるような状況になっているということも事実かと思います。  事故の発生件数でございますけれども事業者団体を通じて調べましたところでは、東京の個人タクシーの件数でございますけれども平成五年度に二千二百二十六件個人タクシーとして事故が発生しております。そのうち七十歳以上は二百九十五件、一三%を占めておるということでございます。  これを、個人タクシー事業者百者当たり平均年間事故発生率、こういうことでもって見てまいりますと、平成二年度から五年度の間で、平均で、七十歳から七十四歳の者につきましては十五・六件ということでございます。七十五歳以上の者は十八・六件でございます。また、若い方といいますか、三十五歳から六十九歳で見ますと、これが十一・二件ということでございますので、七十歳から七十四歳の者は三九%余り高い、あるいは七十五歳以上の者は六六%増、こういった事故発生件数になっております。
  34. 細川律夫

    細川(律)委員 個人差もあるかと思いますけれども、お年をだんだんとってきますと、反射神経とかいろいろな点で事故を起こす率が高くなっている。先ほどの報告でも事故率が高いということであろうかと思います。  そうしますと、いつまでも個人タクシーとして営業を続けることを認めることも私はいかがかというふうに思いますし、これについては、やはり営業としてやっておられるということからしますと、定年制をきちっと導入をするということもこれまた必要ではないかというふうに私は思いますけれども、その点運輸省の方としてはどういうように考えて、どういうように対処されようとするのか、説明してください。
  35. 金丸純一

    金丸説明員 個人タクシーのあり方につきましては、昨年五月に運輸政策審議会の答申の中で、個人タクシーにつきましては、タクシー全体の健全な発展に大きな役割を果たす、こういうふうに期待される一方で、今先生御指摘のように、高齢化の歯どめ対策等についても、速やかに具体的な方策を策定し、円滑かつ着実な実施を進める必要があるというふうに指摘されているわけでございます。  これを受けまして、私どもといたしましては、高齢化の歯どめ対策等今後の個人タクシー事業の改善方策について、社団法人全国個人タクシー協会、こういった団体があるわけでございますけれども、これと検討を重ねてまいりまして、去る九月に今後取り組むべき方策について一応の取りまとめを行ったところでございます。  その内容につきまして概略を申し上げますと、まず、七十歳から七十五歳の年齢に達した個人タクシー事業者につきまして、廃業が円滑に進むよう、当面の措置といたしましては、事業の譲渡譲受の見直しとか、あるいは健康診断、適性診断の徹底等による、こういった環境整備実施していきたい、これを当面の措置として考えている状況でございます。  それから、御指摘のいわゆる定年制の導入でございますけれども、これにつきましては、定年制を導入することが必要だという基本認識の上で、今後二、三年間の準備期間の中で事業者の意見を聞きながら、廃業後の生活の備え、こういったことも充実しなければいけませんし、あるいは既存事業者についての経過措置ども講ずる必要がある、こういったことをあわせまして検討していきたいというふうに考えているわけでございます。
  36. 細川律夫

    細川(律)委員 時間が来ましたからこれで終わりますけれども、個人タクシーのいわゆる高齢者の運転手の方々も、それによって生活を支えているということもありますので、ぜひその廃業後の保障などに十分配慮をされながら、ひとつ検討をよろしくお願いしたいと思います。  以上で終わります。
  37. 山田英介

    山田委員長 遠藤登君。
  38. 遠藤登

    ○遠藤(登)委員 遠藤であります。  若干時間を拝借して、まず、去る九月三十日、台風二十六号によって仙山線の面白トンネルと奥新川の中間に位置する新川、約七万平米に及ぶ土砂の流出によって線路が寸断された。それで、それ以来不通という状況で、仙山線は約二万人に及ぶ通勤通学者を抱えている重要な路線であります。その復旧を一日も早く完成をしていただいて、開通をさせてもらいたいという地域の非常な願望が続いている昨今であります。運輸省あるいは東日本のJR当局におかれまして、あれは付近一帯は国有林でありますから、林野庁当局も含めて、大変な御心配をいただいてきていることに深く感謝を申し上げます。  お話によりますと、JR当局は約八億と、土砂の流出排除なども含めて、防壁あるいは橋梁の建設などについて大変な御努力をいただいている。それから、林野庁当局におきましても、緊急に防災のための手だてなど約二億二千万と聞いておりますが、大変な財政なども投入をされながら、突貫工事で現在復旧に御努力をされているということについて、地元の一人として心から感謝を申し上げたいというふうに思いますが、復旧の状況あるいは開通の見通しなどについてお聞かせをいただきたいと思います。
  39. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 お答え申し上げます。  今先生おっしゃいましたとおり、九月三十日に、台風二十六号による災害によりまして仙山線が土砂の流出等により不通の状況になっております。今おっしゃいましたように、地元の方々には非常に御不便をおかけしているわけでございますが、非常に大事なルートでもございますので、JR東日本の方では全力を挙げて復旧工事に取り組んでおります。  現在まで、非常に山の中で、復旧に非常に手間のかかる場所だったようでございますが、工事はおかげさまで順調に進捗しておりまして、ただいまの時点では、十一月二十八日に復旧する見込みというふうに聞いております。
  40. 遠藤登

    ○遠藤(登)委員 約半年以上かかるのではないかという最初のお話であったのですが、大変な御努力をされていることに改めて敬意を表したいというふうに思います。  同じ災害で、土砂流出の箇所、六十二年八月のいわば台風の大雨の折にも土砂の流出を見ているというような状況でありますから、この万遺漏のないような手だてをきちっとやはりとっていく必要があるのではないか。山合いの非常に急峻な箇所でありますから、これから降雪期を迎えるということもありますので、安全対策上は十分な手だてをお願いしたいというふうに思う次第であります。  それからついでに、仙山線は山形−仙台間、運行時間は約一時間でありますが、六十二・八キロという区間の距離がある。これは、地域交流あるいは高速化の時代を迎えて、面白トンネルという地方トンネルがあるわけであります。おかげさまでミニ新幹線福島−山形間、べにばな国体に伴って開業された、ほとんど乗車率はもう満杯というような状況であります。これを、山形−仙台間を軌道修正してやれば、ミニ新幹線として、いわば新幹線に準ずる山形−仙台−福島の循環体系ができ上がるということについて、安全性を確保しながら、地元の強い願望となっている昨今でもあります。  仙山線の複線化の問題なども大きな課題にもなっているのでありますが、これらについて、運輸当局としてもJR当局としても、地元を含めてぜひ検討いただきたいという強い願望もあるのでありますが、当局の所見などお聞かせいただければありがたいというふうに思っております。
  41. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 仙山線仙台−羽前千歳間約五十八キロでございまして、今のところ全線単線、電化という路線でございます。今までも実はJR東日本におきましては、レールの重量化あるいはまくら木のPC化といったような軌道の強化を行いまして、快速電車のスピードアップといったようなこと、あるいは快速列車の増発といったような輸送力の増強というのを逐次進めてきておるという実態でございます。  ただ、これ以上のスピードアップということにつきましては、地形上の問題、曲線改良あるいは行き違い設備の新設といったような非常に大規模な工事が要るわけでございまして、先生御指摘のミニ新幹線と申しますか、新幹線の乗り入れといったようなことも含めまして、非常に巨額な投資が必要になるということになるわけでございまして、なかなか今の段階では、JR東日本としては現在そういう計画はないというふうに聞いております。  私どもといたしましても、もちろん先ほどおっしゃいました災害対策、安全対策を十分に考えながら路線整備を進めるということだろうと思っておりまして、仙台−山寺間、特にこの路線、輸送量の増加も見られるようでございます。今後の輸送需要の動向等を見きわめながら、必要に応じて輸送力の増強等を検討するよう鉄道事業者指導していきたいというふうに考えているところでございます。
  42. 遠藤登

    ○遠藤(登)委員 それから、復旧工事の促進と十二月三日からのダイヤ改正などによって、仙山線なども現在八本ほど運行しているわけでありますが、それが今日災害発生以来不通ということになって、バスの代替輸送など、あるいは折り返し輸送など大変な御配慮もいただいていることに感謝を申し上げますが、十二月三日のダイヤ改正によって快速など三本ほど増発するというお話を聞いているのでありますが、その対応方針など、改めてお聞かせいただければありがたい、こういうふうに思います。
  43. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 おっしゃいましたように、この仙山線でございますが、十一月二十八日に復旧する予定でございますが、十二月三日のダイヤ改正によりまして、快速列車、現在八往復でございますが、これを十一往復に増発する予定というふうに聞いております。
  44. 遠藤登

    ○遠藤(登)委員 東京−山形間、おかげさんで速いのであれば二時間半、あるいは普通三時間で到着てきるというようなスピードアップがなされてきたことに深く敬意を表しております。山形−仙台間が一時間ということについて、安全性を含めて、急峻な山合いということもありまして大変な状況でもあると思いますが、そのスピードアップについて、安全性の確保と連動しながら、非常に強い要求となっておりますので、十分な御検討を賜りたいと重ねて要請をさせていただきます。  それにちなんで、山形以北の延伸の問題もこれまた重要な課題になっておりまして、秋田までの間、ミニ新幹線の延伸の問題、安全性の確保の問題、スピードアップと輸送力の増大の問題などについて大きな課題にもなっているわけでありますが、この機会に、大変な運輸省当局あるいはJR当局などの御配慮をいただいて検討委員会が設置をされて、第一回の検討会が行われた、あるいは継続して今後行われるという状況をお聞きをしているのでありますが、その辺の対応状況などについてお知らせをいただきたいと思います。
  45. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 山形ミニ新幹線「つばさ」が今走っております。それを新庄まで延伸してほしいという地元の御要望、非常に強い御要望があることは私どももよく承知しております。  この新庄までの延伸というものにつきましては、ことし平成六年九月に、山形県それから運輸省あるいはJR東日本を含めまして関係者間で山形県在来線高速化検討委員会というものを設置いたしまして、検討を始めたところでございます。私どもとしても、その検討に協力をしていきたいというふうに考えております。  ただ、この延伸問題そのものにつきましては、基本的にはJR東日本の事業の関連の投資ということにもなるわけでございまして、赤字路線あるいは第二の国鉄をつくってはいけないといったようなこともございまして、JR東日本自身が、事業の収支採算性を精査いたしまして、路線整備の決定を自主的に行っていくということだろうと思います。  そういう意味で、まずこの検討委員会でいろいろ御検討いただき、地元においても、鉄道利用の促進を図るというようなことで、そういう鉄道を整備する環境づくりに御努力をいただくというようなことをお願いをしたい。そしてまた、この検討委員会でこの案件いろいろ御検討いただき、成熟性を高めていただくということが大変重要ではないかというふうに認識しているところでございます。
  46. 遠藤登

    ○遠藤(登)委員 大変誠意を持って対応されていることに感謝を申し上げます。  それで、概略の建設費用は、新庄までの延伸区間で総経費約四百億くらいを要する、そんなことを承っておりますが、その辺の検討状況はどうなんでしょう。
  47. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 山形−新庄間、路線延長約六十一・五キロございます。このうち十一・四キロの区間が複線でございまして、全線電化ということでございます。この路線の線形自体は、一部区間を除いてはほぼ平たんで、急曲線も少ないというようなことのようでございますが、なかなか施設の近代化はおくれているというのが今の実情でございます。  平成五年度に山形県で調査をされたようでございまして、その山形県の調査によりますと、新幹線との直通運転の延長に要します費用の概算は、先生ちょっと今御指摘のございましたように、約四百億円というふうに承っております。ただ、今の段階で私ども運輸省としての建設費の試算というのは特に行っておらないというのが実情でございます。
  48. 遠藤登

    ○遠藤(登)委員 安全性を含めて、よろしくお願いをしたいというふうに思います。  最後に、いわば地方ローカル線、第三セクター、全国三十六線と承っておりますが、これは五年間に限って、移行措置として国で財政措置、援助が行われてきた。五年以降については、地方は過疎が加速する状況の中で大変な運営、経営状況にある、ほとんどの全線がそれなりに努力をしているということがあるわけであります。  そのために徹底した合理化、これは当然でありますが、安全運転上、信楽の事故のような事故発生がないとも、継続しないとも限らないという問題がありまして、これは地域の足を確保するということと同時に、一定の安全対策、特に経営の安定も含めて安全対策上極めて重要な課題だと思っております。当局もそれなりに配慮されている状況がありますが、この安全対策上から見ても非常に大変な課題だと思っておりますが、その対応方向などについてお聞かせをいただいて質問を終わりたいというふうに思います。
  49. 戸矢博道

    ○戸矢政府委員 先生御指摘のとおり、鉄道事業にとりまして、安全の確保というのは最重要の課題でございます。  そういう意味で、第三セクターの鉄道も含めまして、運輸省としては、鉄道事業の基盤の強化といったようなことを含めまして、事故防止、安全性の確保ということに努力をしているところでございます。  第三セクター鉄道でございますけれども、これは、本来輸送規模等からバス輸送に転換することが適当であろうとされた路線ではございますが、地元の関係者の方々が、将来にわたる事業採算性等をお考えになり、鉄道転換を選択した路線でございまして、五年間の運営費補助というのが経過した後の運営につきましては、地元の御支援によりまして、所要の基金を確保していただくといったようなことで運営を維持していただくのが原則であるというように考えているところでございます。  しかしながら、今第三セクター鉄道の経営の実態を踏まえまして、そういう鉄道が自立的な経営の実現を図れるように、そういう御努力をいただくという前提といたしまして、平成四年度からは、私ども、新たに近代化補助の対象といたしまして、特に経営が困難な鉄道事業者が行う安全対策にかかわります近代化設備の整備事業というものにつきまして、補助率を、従来五分の一でございましたものを三分の一に上げまして充実を図る、あるいは額としても、平成六年度の予算、今年度の予算におきましては、前の年に比べて一五三%のアップということで、十八億二千七百万円という予算を確保いたしまして、質的、量的にも充実に努力しているというところでございます。  また、近代化あるいは合理化、あるいは事故防止のための工事、資金が要るわけでございまして、そういったものについては、日本開発銀行なり北海道東北開発公庫といったところの融資もあわせて行われているところでございます。  私ども運輸省といたしましては、今後とも近代化補助の充実等を図ることによりまして、中小鉄道の自立への努力を地元の地方公共団体とともに御協力しながら支援する体制を強化していきたいというふうに考えているところでございます。
  50. 遠藤登

    ○遠藤(登)委員 強化対策について十分な御配慮をお願いしまして、質問を終わります。
  51. 山田英介

    山田委員長 田中甲君。
  52. 田中甲

    田中(甲)委員 新党さきがけの田中甲でございます。  与党内での御配慮をいただき、質疑の枠を大幅にお譲りをいただいたものと認識をさせていただいております。自民党さんに感謝申し上げ、質疑に入らせていただきます。  まず、私の手元にございます「交通メモ」でありますが、どうしてもこのことは毎日気にかかって仕方がありません、交通事故の死者数であります。十一月に入りまして九千人を超えたということでございますが、手元にございますのは十一月十四日付であります。前年度比では二百二十五名の減、嵩としましては二・四%の減ということでございます。ワーストランキングでは、北海道、愛知、大阪そして千葉、兵庫という状況となっているようでありますが、この点で、再度詳しく、きょう今現在のそのデータというものをまずは聞かせていただきたいと思います。
  53. 田中節夫

    田中(節)政府委員 大変恐れ入りますが、全国の死者、毎日集めますのは、大体まとまるのが午前十一時ごろでございますので、もう少しお時間をいただければというふうに考えておりますけれども、まだ手元に参っておりませんので……。
  54. 田中甲

    田中(甲)委員 交通安全対策特別委員会でありますから、資料がないということはないと思いまして、私の方の配慮が足りなければお許しをいただきたいと思いますが、最新のデータで結構です、お教えをいただきたいと思います。
  55. 田中節夫

    田中(節)政府委員 失礼いたしました。昨日というより一昨日現在の数字になりますけれども、死者の累計が九千百三十八名でございまして、当月に入りまして五百十三名、昨年に比べますとマイナス二百三十一名の数字になってございます。  以上でございます。
  56. 田中甲

    田中(甲)委員 ありがとうございます。  私は、ある意味で政治というものは人の命を守ることである、そんな認識をさせていただいております。  我が国日本におきます、まさに交通戦争と言われるこの実態は、とうとい人命というものが日々奪われていくという状況下にございます。そういう意味からも交通安全対策特別委員会が常設されているのだろうと私は考えさせていただいておりますが、その交通事故の死亡者の関連で、私は、今回交通事故の捜査、処理体制についての質問、この関連をさせていただきたいと思います。  つまり、二次災害と申しますか、交通事故が発生した際のその事故の処理、捜査に当たった警察官、いわゆる交通警察官の皆さん方がどのような状況に置かれているかということをぜひともお伺いをさせていただきたいと思います。  まず、交通警察官の殉職事案、受傷事案の実態をお教えいただきたいと思います。
  57. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  十一月十五日現在で、本年に入りましての状況でございますけれども交通取り締まりに当たりますのは、いわゆる交通警察官のほかに、地域警察官と申しまして交番等で勤務する者も入りますが、それを含めました交通指導取り締まりあるいは交通事故処理中に殉職、受傷した者は、殉職が三名、受傷が十四名の計十七名でございます。
  58. 田中甲

    田中(甲)委員 もしできましたら、この近年三年、なお可能であれば五年ぐらいさかのぼってデータをお教えいただければありがたいと思います。
  59. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  今、手元に昨年の数字しかございませんので、とりあえず昨年の数字を申し上げますが、昨年中は、殉職が二名、受傷が十六名でございます。
  60. 田中甲

    田中(甲)委員 ありがとうございます。  少しお話をさせていただきますが、私は、県議会議員のときに警察・企業常任委員会の委員長を務めさせていただきました。千葉県の場合には警察と企業庁が一つになっておりまして、警察・企業常任委員会でありますが、ちなみに私の前任の委員長さんは交通安全対策特別委員会の林幹雄理事でありますが、大変に胸を痛くすると申しますか、交通警察官の方が事故処理中に、またそこに車が追突をしてきて命を落とされるという事故が二回ございました。その警察葬の際に、私は、私たちが安心して車を運転できるような状況をつくってくださっている、その交通対策に当たってくださっている交通警察官や地元警察官の皆さん方が、このような形で命を落とされるということがもう本当にあってはならないことだということを痛切に感じてまいりました。  きょうこのような機会をいただいて御質問させていただくのはそういう自分の体験からでございまして、身ごもったまだ若い奥様が本当に涙をこらえている壇上の姿というものに、これはもし、警察庁を初め警察官の配置の問題とか職務上の過度の現状、処理しなければならない案件というものが非常に累積している中で起こってくる、そういうことが背景にあるとするならば、これはぜひとも改めていかなければならない点でなかろうかということを感じておりました。  そういう中で、現在の警察庁交通警察官に対して、そのような殉職や受傷事案につながっていくような事故防止対策について、どのような指導をなさっているかということを改めてお聞かせをいただきたいと思います。
  61. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  交通事故現場の処理中の殉職、受傷事案、中でも殉職というのは、家族の悲しみももちろんでございますけれども、組織にとっても極めて大きな打撃でございます。  私どもといたしましては、指導取り締まりあるいは交通事故処理中の殉職、受傷事案の絶無を期するために、夜光チョッキあるいはヘルメット、さらには発煙筒や暴走車両を検知して警報を発するところの自動警報装置、そういうような受傷事故防止用の資機材を整備したい。さらには、白バイ、パトカーなど、そういうもので勤務する勤務員に対しましても、実践的な教養訓練をやる、事故回避訓練をするというようなことでもって事故防止に努める。さらには、交通事故処理の場合におきますところの受傷事故防止のチェックリスト、マニュアル等もつくりまして、現実的な指導教養を繰り返し繰り返し努めているところでございます。
  62. 田中甲

    田中(甲)委員 十二分に配慮をされつつ、事故防止、未然に防ぐということに努力をされている旨しっかりと拝聴させていただきました。  しかしながら、昨年の殉職者が二名、受傷者が十六名ということでございましたが、そうしますと、私の選挙区であります千葉県においては、私がそういう委員長を務めさせていただいているときに二件の殉職者の警察葬が行われたなどということも考えてまいりますと、やはり交通事故の死傷者の多い県、北海道、愛知県、大阪府あるいは千葉県、兵庫県、この地域においては、やはりそのような配慮がされているといえどもまだまだ交通警察官の数が不足している。もう少し皆さん方に過度な労働というもの、過度な課題というもの、案件の処理ということを与えずに済むだけのローテーションが組める交通警察官の配置ということが私は必要でないかと思うわけであります。  これはもう、公務員の人数を削減していくという現在の国の方針でありますから、その中においてなかなか難しいということはよく私も認識をしているつもりであります。しかしながら、他の行財政改革においても同様なことが言えるわけでありますが、やはり必要なところには十二分に配置を行っていく。それは、現在よりもより重点的に厚く配置を行っていかなければならないという部分も逆に出てくるわけでありますから、削減していいところにはそのようなメスを入れていく必要があるかもしれません。  表現が不適当であったらお許しをいただきたいのですが、やはりそのように部署部署によって、もう少し私たちが配慮をしていかなければならない。そういうまさに、この殉職者ということを考えていく場合には、さらに加えて、北海道や愛知県や大阪、千葉、兵庫というところにおいては交通警察官が不足しているということを、私はぜひこの場で、私からも議事録に残す形で発言をさせていただきたいと思ったわけであります。  警察官を増員するということは大変難しいことでありますが、人の命を守るためにみずからの命を犠牲にしていく現状というものが事実あるわけでありますから、これを改善していくために、警察官の、特に交通警察官、地方警察官の増員ということに対して、この辺の御理解というものを、私ども議員もぜひとも後押しをさせていただきますから、協力をし合って改善の方向を見出してまいりたいと思うところであります。  それに対する御所見を一言賜われればありがたいと思います。
  63. 田中節夫

    田中(節)政府委員 委員指摘のように、交通事故の増加等に伴いまして、第一線の交通警察官の業務負担は著しく増加しておることは事実でございます。  私どもといたしましては、それを軽減するためにいろいろな、書類を簡略化するとか、あるいは機械を導入いたしまして、交通事故現場でのいろいろな書類の作成をパソコンを導入して行うというようなことで、業務の合理化とか省力化に努めているところでございます。組織の中におきましても、できる限りその第一線の方に警察官を厚く配置する、内部の事務的なものにつきましては、例えば民間に委託するとか、あるいは他の一般事務職員に切りかえるというような工夫もしているところでございます。  ただ、今お話しのように、交通警察官の増員というお話がございました。御指摘のとおり、政府全体で行政改革あるいは増員抑制というような方針の中で、都道府県の警察官の増員については厳しく抑制されているところでございますので、私どもとしては当面、可能な限り新たな装備、資機材の開発とか導入、さらには業務の合理化、省力化をさらに推進する、そしてまた引き続き内部におきまして体制の整備について検討し、できる限り一線の交通警察官の負担を軽減するよう努めてまいりたいというふうに考えております。
  64. 田中甲

    田中(甲)委員 ありがとうございます。私どももそういう方向に向かってぜひとも協力をしていきたいと思います。  ちなみに、千葉県の場合には四十署もの警察署がつくられましたが、今お話をいただきましたような諸努力というものを行った上でやっと新しい警察署をつくり、警察署をつくる予算よりも警察官の配置ということができないという状況にもう既に至っております。そんなこともお話をさせていただき、必要なところの警察官の負担を増大させないという観点から、今後も検討をぜひともしていただきたい。くどいようでありますが、私たちも協力をさせていただく、そんな発言をさせていただきます。  次は、道路標識について御質問をさせていただきます。  この道路標識は、きょう一枚の紙を持ってまいりました。これが国連標識だそうであります。日本の、我が国の道路標識はまさにこの国連標識から、昭和三十五年に道路交通法改正の中でつくられていったものと私は認識をしておりますが、昭和三十五年でありますから、正直がなり古いものになりました。といって、その都度改善されている御努力ということを決して無視するわけではありません。しかしながら、これから指摘する点は非常に細やかな点でありますから、貴重な時間をいただいて、その時間を費やすのにふさわしいかどうかかなり迷いましたが、一度は発言をさせていただきたいとかねてより思っておりましたので、どうか耳を傾けていただきたいと思います。  例えば、大八車というのでしょうか、「自転車以外の軽車両通行止め」という標識がございます。小さくて皆さんにはごらんいただけないだろうかと思いますが、私はきのう子供に、これは何のマークだと思うと聞きましたら、一輪車に間違えまして、ああそうかもしれない、これはもう今の子供では見たことがない。しかし、これからの子供が免許を取るわけでありますから、これはいささか標識としては時代認識がずれてしまっているのではないか。  よくよく調べてみますと、この国連標識の中に、やはり同じような「自転車以外の軽車両通行止め」というところに、荷車を押している、多分男性の姿でありましょう、こういう標識がございます。多分ここから我が国においてもこの一輪車、いや失礼大八車というんですか、この車のデザインをしてあるんだと思います。もちろんデザインというものは、なるほど自転車以外は通ってはいけないんだなということが一日にしてわかるということが重要でありますから、それにおいてはこの標識でもよろしいのかもしれませんが、しかし三十五年からもし改正してないとするならば、ここでひとつ御検討いただく点ではなかろうかと思ったわけであります。  あるいは「歩行者専用」という標識があります。これは多分お父さんが子供の手を引いている。女の子だと思いますが、手を引いているのが「歩行者専用」の標識でありますが、これもやはり国連標識の中に全く同じようなものがございまして、帽子をかぶった紳士が自分のお嬢さんかあるいはお孫さんを連れて歩いている姿が描かれています。  大変に細かいことを言って笑われてしまうかもしれませんが、国連標識の方は男性が女の子を連れている後ろ姿が描かれていますが、日本の場合には前向きの姿という、何かこの辺に細やかな配慮の違いというものが私はそこで感じられました。つまり、車が来ていることに気がつかないような歩行者が歩いているんだというのはまさに後ろ向きなんですね。  昭和三十五年につくったそのスタッフの方はいろいろお考えになられたんでしょうが、この点も、細部にわたってより練られた標識というものが二十一世紀に向けていよいよつくられていかなければならない、そんな時期に差しかかっているのではないかと思うわけであります。  さらに続けさしていただきますと、「踏切あり」というところで、まあ列車が来るわけでありますから機関車でもいいんですけれども、煙を吐いた機関車が右から左に向かって走っています。これもまさに国連標識の中でそのようなものがございまして、「踏切(蒸気機関車)」ということが書かれていますが、こういうものも果たしてこれから免許を取っていく若者にとって、確かにこれは一つ日本の文化が残っているといえばそれでいいわけでありますが、ここでまた再度検討される余地というものがおありになるのではないか。  「学校、幼稚園、保育所などあり」、これは私は子供のころにもこういう格好はしなかったと思うのですが、漫画のフクちゃんのような子が帽子をかぶって、そして女の子の手を引いているという姿であります。仲むつまじく歩いているということは非常に、何となく子供が通るんだということがわかるわけでありますからそれでいいわけですけれども、まさに漫画の世界のカツオ君とワカメちゃんという感じがするわけであります。  これは私、ちょっと余談だったかもしれません。しかし、こういうことも時代認識的には少しずれがあるのかなということを感じましたのでお話をいたしました。  もっと細かい点で、「動物が飛び出すおそれあり」というところで、これは多分雄ジカが飛び出しているのでありましょう。運転しているドライバーは動物が出てくるんだなということが一日にしてわかるわけで、いいわけでありますが、これもやはり国連標識の中から、国連標識というのは必ず左向きになっております。道路交通規制が違いますから左向きになっているのでしょう。日本の場合はそれを右向きに変えたという状況でありますから、これももう少し具体的な、その地域に合った標示というものがこれから工夫されてもよろしいのかなということを思いました。  また、これからは障害者の皆さん方に対する配慮ということが非常に重要になってくると思います。ノーマライゼーションということが言われて、障害者の方でも同じように同じ町に住めるということがこれからの福祉のあり方であろうということが言われている中で、障害者が近くを通りますという標識は私の知る限りはどこにも出てきていません。こういう工夫がやはり今後は必要になってくるのだろうと思います。  身体障害者用の車いすで通行している人、あるいは白いつえを持った方、盲導犬を連れた人が通る、こういう箇所は全国に至るところありましょうし、またそういう施設が近くにあるという標示、標識によってドライバーが認識できるということも、これは今後のノーマライゼーションを考えていった場合には重要なところになるのではないでしょうか。  それから、子供が飛び出してくるという、先ほどの妹の手をつないでというものもございましたが、ふっと思い浮かぶ構図の中で、やはりボールを追いかけてという姿が、サッカーをやる子供たちが多くなった中で、ボールを追いかけて飛び出してくるなどという標示がありますと、私も革を運転する人間といたしまして、ぱっと気をつけなければいけないということを、仲むつまじく手をつないで歩いている子供の標示よりもはるかに、そんな判断ができるのではないかということを私は考えたりもいたします。  以上のようなことを申し上げました。  昭和三十五年に道路交通法というものによって制定されたこの標識は、冒頭にも申し上げましたが、常に見直しをされているとは思いますが、どうぞ、新しい世紀を迎える、二〇〇〇年を迎えようとしている今、日本の道路標識というものも改めて再検討していく機関、部署というものをおつくりになられたらどうだろうかということを考え、御提案をさせていただきたいと思っています。  その際に、これは本当に話としてお聞きいただければ結構でありますが、道路標識のデザインというのが決まっているようで統一されてないところがかなりございます。それは、デザインと申しますかデッサン上の問題なんでありますが、例えば「歩行者専用」の男性が女の子を連れている図柄はかなり場所によって違います。その統一性ということもその際に御検討されてはいかがかと思います。御所見をまずいただければと思いますが、よろしくお願いします。
  65. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  今委員指摘の標識の問題でございますけれども、御指摘のとおり、標識につきましては世界的に大きな二つの流れがございまして、ヨーロッパ方式とアメリカ方式の二つの流れがございます。その中で国際的な道路標識の統一化というような動きが出まして国連標識が定められ、我が国も国際統一化の動向を踏まえまして、国連標識を参考にして今日まで参っておるところでございます。  ただ、私どもといたしましても近年におきまして、平成四年六月には、よりわかりやすい標識を目指しまして車両の種類を原則としてシンボル化するというような改正も行ったところでございますが、委員指摘のように、もう実態として道路交通の場にないようなものが標識にあらわされているではないかというようないろいろな御指摘もございますし、障害者への配慮、さらには最近では外国人の方が大変多くなっておられますので、そういうような方への配慮等も含めまして、すべてのドライバーあるいは歩行者等が見やすく、わかりやすい、また町の景観等も配慮するというようなことで道路標識というものを考えてまいりたいというふうに思っております。  それから、あり方につきましては、いろいろな形で御意見を聞かなければいけないと思いますけれども、私どもといたしましては、そういうことでいろいろな機会、形式にこだわらず、幅広く国民各層の意見を今まで以上に積極的に聞いてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  66. 田中甲

    田中(甲)委員 ありがとうございます。  景観を損ねないという御発言をお聞きいたしましたが、それも大変に大事なことだと思います。ただし、景観を損ねないということを配慮する以前に、その標識の立て方がドライバーにとって見にくい、見づらいということの方が私は現段階では留意しなければならない点かなと思います。かなりその辺は整備されてきたようでありますが、ごちゃごちゃと続けて標識が立つ場合に、大事な標識を見落としてしまうということもあるようであります。その点をつけ加えさせていただきました。  残り時間がもう二、三分でありますから一点だけ。  例えば横断歩道ですとか「止まれ」の路面標示がございますが、ビーズを加えた白色塗料によってスリップ防止ということが随分研究されたようであります。この辺は、私の秘書でオートバイに乗る者がおりまして、随分改善されたなということを言っておりました。  しかし、いまだに雨の降った、ぬれてきた路面の中で本当に事故につながるほど怖いというものは何かと申しますと、マンホールのふたが、私たち車に乗っている者はそれほど意識しないと申しますか、ほとんど意識せずに走っているわけでありますけれども、単車に乗って、雨ですから単車に乗る方は少なくなるとは当然思いますが、出かけてどうしても雨の中帰ってこなければならないとか、雨が降ったから逆に慌てて単車のスピードを上げて帰ろうとするという中で、特にカーブに差しかかったときにマンホールのふたに乗りますと、これはもう転倒する可能性が極めて高い。こういう状況になるわけでして、これは事故発生の原因として警察サイドで認識されているかどうか。  私はまだそこまでよく話を聞いておりませんが、こういうオートバイに乗る方々の声というものがございますので、これもビーズを入れた白線の検討、改善と同じように、路面の、路上のマンホールのふたというものに少し摩擦度を高くするような工夫をぜひともしていただきたい。その御検討をお願いしたいと思うのですが、御所見をこれもいただければありがたいと思います。
  67. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 今お話がございましたマンホールでございますけれども、これは下水道の管とか、それから上水あるいは電力、電話線等が道路に占用されるということで、どうしても必要になってくるという施設でございます。  ただ、今お話がございましたように、車道部にマンホールを設置いたしますと非常に危険だということがございまして、私ども道路の占用と言っていますけれども、できる限り車道にはそういうマンホールはつくらないようにということで指導はしているところでございます。ただ、歩道等がない場所ではどうしても車道にマンホールをつくらざるを得ないところが出てくるわけでございまして、そういうところではできるだけ道路交通に支障を来さないように設置しろということで指導しているところでございます。  ただ、今お話がございましたように、大変マンホールのふたが滑りやすいじゃないかというお話でございます。私どもも、そういう御指摘の点につきましては、実態等を調査いたしまして、必要があればやはり適切な指導をやってまいりたいというふうに考えております。
  68. 田中甲

    田中(甲)委員 御指摘があればそのように対応したいということでありますから、指摘をさせていただきます。これから電線の地中化ということが当然進んでいく、流れでありますから、そういうときに地下に入るふたということをここで検討をぜひしていただきたいと思います。  政治とは人の命を守ることだと私は認識をしています。そんな中で、交通安全対策特別委員会はとても意味のある委員会であると常々認識しておりまして、担当省庁、議会が協調し合う中、ますます充実を願い、質問を終了いたします。
  69. 山田英介

    山田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時三十四分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  70. 山田英介

    山田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。谷口隆義君。
  71. 谷口隆義

    ○谷口委員 改革の谷口隆義でございます。時間をいただきまして、御質問させていただきたいと思っております。  きょうの午前中のお話にも何点か出てきたわけでございますが、きょうの午前中の細川議員のお話、また田中議員のお話にもあったわけでございますが、今、交通戦争とも呼ばれるような、交通事故死者数が大変な数に上っておるわけでございます。これは、昭和六十三年から六年連続して一万人を超えるということで、大変厳しい状況にあるわけでございます。そういうことでございまして、この交通事故対策についてまず初めにお聞きいたしたいというように思っております。  最近の交通事故の特徴ということでございますが、一般的に言われておりますのは、自動車乗車中の死者数が増加しておるということと、六十五歳以上の高齢者の死者が増加しておる。また三点目は、十六歳から二十四歳までの若年層の死者数が高水準を保っておる。また四点目は、夜間の死亡事故が多い。このような最近の交通事故の特徴があるというようにお聞きいたしておるわけでございます。  特に、私が申し上げました二番目の、高齢者の事故死者数が平成五年度におきまして若年の死者数を上回っておるわけでございまして、御存じのとおり、これから日本は大変な高齢化社会に突入するわけでございます。二〇二〇年から二〇二五年の間には人口の四人に一人は六十五歳以上になる。このように大変な高齢化社会になるわけでございますが、そういう高齢者に対する事故対策、こういう問題について、今非常に問われておるというか、大きな問題になることはもう間違いないというように思っておるわけでございまして、この高齢者交通事故に対する具体的な対策についてちょっと御見解を述べていただきたい。  その際に、これは平成六年六月の参議院の決算委員会におきましても議論があったようでございますが、いわゆるシルバーマークについて話題になっておるわけでございますが、このシルバーマークも踏まえて、高齢者の事故対策について具体的な対策の御見解をお願いいたしたいと思います。
  72. 井野忠彦

    井野政府委員 お答えいたします。  我が国の六十五歳以上の高齢者の交通事故死者数は、昨年二千九百九十八人でありまして、全体の二七・四%を占めております。年齢層別では、若者を上回りまして、最も多くなっているところであります。  このため、政府といたしましては、昭和六十三年九月に交通対策本部におきまして高齢者の交通安全総合対策というものを決定いたしまして、現在、交通安全教育の推進、道路交通環境の整備等の諸施策を推進しているところであります。これを受けまして、総務庁といたしましても、昨年から高齢者を対象に参加・実践型の交通安全教育を全国実施しているところであります。  この高齢者の死者のうち、約半数が歩行中でございます。自動車にはねられるということでございます。したがいまして、高齢者の方に集まっていただきまして、自動車の急ブレーキを実際にやってもらう、そういうのを高齢者の方に実際に見てもらう、そして自動車は急にとまれないんだということを実際に肌で感じてもらう、こういう参加・実践型の交通安全教育を昨年から始めているところでございます。  それから、高齢者交通安全マーク、いわゆるシルバーマークの件でございますが、これは、総務庁におきまして、高齢者の交通事故防止を図るためのキャンペーンのシンボルといたしまして広く公募いたしまして、昭和六十三年に決定したものでございます。現在、国や地方公共団体、関係機関におきまして各種の教材、パンフレット、ポスター、交通安全用品等に活用されておりまして、今後ともその普及促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
  73. 谷口隆義

    ○谷口委員 今、シルバーマークについての御見解を述べていただいたわけでございますが、本年六月の参議院の決算委員会をちょっと見ておりますと同じような見解でございまして、これから具体的にどういう形でこのシルバーマークを普及させていくのか。  また、前段の方の高齢者の事故対策でございますが、そういう一般的なことではなくて、特にこういうところを強調してやっておるとか、こういうところに重点的にやっておるんだというところを、具体的に教えていただきたいと思うわけでございます。
  74. 井野忠彦

    井野政府委員 このシルバーマークにつきましては、現在、私どもの方でも春、秋の全国交通安全運動のポスターなどにも使っておりますし、県の方でも市町村の方でもいろいろ使っていただいておりますので、今後、県や市町村の方とさらに連絡をとりまして、あらゆる機会に実際に使っていただくように広めていきたいというふうに考えております。  それから、お年寄りに対する交通安全教育でございますが、先ほど申し上げましたように、実際に集まっていただいて自動車の急ブレーキの状況を見ていただくというようなこと。あるいは、実際に交通事故現場近くにお年寄りに集まっていただきまして、実際に横断歩道を渡ってもらう、そして横断する時間をはかっていただく。そのときに若い人も渡っていただいて時間をはかるということで、若い人とお年寄りがいかに横断するのに時間が違うかということをお年寄り自身に実感していただくというようなことを、今実際にやっておるわけでございます。  あるいは、歩行者の夜間の関係につきましては、反射材をつけた人とつけない人に実際に歩いていただく。そしてお年寄りの方に車に乗っていただいて、つけた人とつけない人を実際に見ていただく。そしてそのときにいかに反射材が効果があるかを実際にお年寄りに身をもって理解していただく。そういう具体的な、実際的な交通安全教育を昨年から始めて、これをさらに拡充していきたいというふうに考えておるところでございます。
  75. 谷口隆義

    ○谷口委員 先ほど申し上げましたように、これから特にこの高齢者の問題というのは大きな問題になってくるわけでございまして、私が申し上げましたシルバーマークにつきましても、反対意見があるというように聞いております。その中で具体的に普及させていくにはどうしたらいいのかということも含めまして、これは非常にいいことでございますので、頑張ってやっていただきたいなというように思っております。  その次に、この交通事故対策ということに関連いたしまして、交通事故が起こる場合に死者数を減少させるという意味におきまして、迅速適切な救急搬送及び救急医療が施されるということが重要なポイントになってくるわけでございまして、いかに早く救急医療を施すかというようなことが大きな問題になってくる。  そういう意味におきまして、今救急ヘリコプターの問題が言われております。平成三年に救急救命士が導入されて、今度は救急ヘリについて議論がなされておるわけでございます。特に、救急ヘリにつきましては、御存じのとおりドイツにおいて既に行われておるわけでございます。ドイツにおきましては、医療機器を備えて、医師、看護婦が搭乗して、事故現場に直ちに行き、救急医療を施すことができる救急ヘリコプターによる救急医療体制が整備をされて大きな効果を上げておるということでございます。  ドイツの国内の研究成果によりますと、救急ヘリ導入後、開放性骨折患者の感染症併発率が一二・五%から三・五%に低下した。また、重傷の頭部外傷患者について死亡率が四七%から三二%に低下した。大きな効果があったと言われておるわけでございます。この救急ヘリについて、今、日本における現状についてお聞きいたしたいと思います。
  76. 井野忠彦

    井野政府委員 お答えいたします。  交通事故死者の減少を図るには、交通事故そのものを減らすということが大切であることはもちろんでございますが、今先生御指摘のように、一方におきまして事故が発生したときに迅速適切な救急搬送及び救急医療が施されることも非常に大事なことだと考えております。救急ヘリコプターは、遠隔地あるいは交通渋滞等によりまして救急処置に時間がかかる交通事故に対しまして迅速な搬送と治療が可能でありますので、救命率の向上に大きな期待が持てるというふうに思っております。  諸外国におきましては、今委員指摘のとおり、ヘリコプターが救急システムの中に組み込まれております。欧米諸国においてもそうでございますし、ドイツにおいては今委員指摘のとおりでございます。  我が国におきましては、交通困難な離島等におきます救急搬送にヘリコプターが使用されることがございますが、救急システムの中にシステムとしてはまだ組み込まれておりません。このために、我が国におきましても救急ヘリコプター実用化に係る課題調査研究いたしまして、我が国の実情に即した方策を探ろうということにしたものでございます。
  77. 谷口隆義

    ○谷口委員 ありがとうございました。  今東京消防庁の八八年のデータがございまして、緊急通報を受けて消防署を出てから現場到着までの平均時間は四分四十八秒、現場での処置に九分、さらに現場から病院までに八分六秒、つまり負傷者が病院に着くまでに二十一分五十四秒かかっている。また、病院に着いてから医者に患者を引き渡すまでに七分三十六秒かかっており、医師が負傷者の治療を行うのは通報から実に二十九分三十秒、約三十分後である、このようなデータがございます。  これは東京の場合で、非常に条件が恵まれておるということでございまして、東京以外のところに参りますとこのようなことにはいかないわけでございます。そういう意味では、この救急ヘリ、非常に有用な、重要な問題ではないかな、このように思うわけでございます。  また、日本の救命率は欧米諸国に比べて三分の一から四分の一という低さであるというように言われておるわけでございまして、このような問題について救急ヘリは非常に重要な問題になってくるのではないかな、このように思っております。  新聞記事を見ますと、一九九二年に倉敷市の川崎医大でテストが行われた。これで半年ほどやられたのですか、この結果、このデータを見ますと、救急車で平均一時間半かかるところを、ほとんど二十分以内におさまったというようなことが言われておるわけでございますが、このような状況について、より一層具体性を持った御答弁をちょっとお願いいたしたいと思います。
  78. 井野忠彦

    井野政府委員 既に過去、民間の機関、研究機関によりまして御指摘のように実験が行われておりまして、非常にいい成果が出ております。私どもも、この実用化に当たりましてはいろいろ課題があるというふうに考えております。  例えば、現在の救急車を中心といたしました救急体制との円滑な連携が必要でありますし、あるいは最初にどこがこの救急ヘリコプターを運用するかという問題がまずございます。それから、費用をどうするかという問題がございます。それから、医師の支援をどうするか。それから、離着陸をスムーズに行う必要がございますので、こういう点をどうするかという、いろいろ問題点がありますので、これらを一つ一つ解決していきたいというふうに考えております。  このために、先般総務庁におきまして研究会を設けました。有識者、関係省庁から成る研究会を発足させまして、今後二年間にわたって検討を行うこととしたものでございます。  総務庁といたしましては、その結論を受けまして、関係省庁とも調整しながら、我が国の実情に即した救急ヘリコプターの実用化が図られるように努めてまいりたいというふうに考えております。
  79. 谷口隆義

    ○谷口委員 今の御答弁の中にもあったわけでございますが、総務庁を中心として研究会が発足した。初めての会合が先月行われたのですね。これは非常にいいことだと僕は思うのです。  それで、この救急ヘリについて、今二年というようなことをおっしゃいましたが、具体的に、めどとして二年ということを考えておられるのか。できればこれは早く実現できるような形でやってもらいたいなというように思っておるわけでございますが、具体的にいきますと、さっき二年とおっしゃったわけですが、ほぼどのあたりをめどに考えておられるのか、もう一度御答弁をお願いいたしたいと思います。
  80. 井野忠彦

    井野政府委員 来年中ぐらいに結論を得まして、そしてもしゴーサインというようなことになりますれば、恐らくこれは全国一律に行うということは非常に難しいわけでございますから、モデル的に地域を選んで実施することになるのではないかというふうに考えております。
  81. 谷口隆義

    ○谷口委員 私、この救急ヘリについては非常に関心を持っておりまして、先ほどの研究会も発足されて、各省庁から来られて、またこれは実務家の方もいろいろいらっしゃるわけですね。専門家の方等々がいらっしゃって研究をなさっているということでございますので、ぜひこの実現に向けて一刻も早くやっていただきたいな、このように思うわけでございます。こういう救急医療体制のシステムに早急に救急ヘリを組み込んでいくというような状況に一刻も早く持っていっていただきたいなというように思っておりますので、ぜひそういうことでよろしくお願いいたします。  救急ヘリにつきましては以上でございまして、次の質問に移りたいと思います。  実は私は、今現在大阪に住んでおります。それで、これは大阪であった事故なのでございますが、平成六年二月十七日午前二時三十九分ごろということでございまして、発生場所は大阪市北区天神橋四丁目、これは阪神高速道路というところで事故がございました。小型乗用自動車二台、これはベンツとオペルという小型乗用自動車がぶつかりました。  それで、高速の路面というか壁に激突いたしまして、その高速道路の防音壁が上にあるわけでございますが、この防音壁に当たって、それがこの下に落ちて下の家屋が火事になった、一部焼損したという事故がございます。詳しく申し上げますと、これは空き家のビルなんでございますが、鉄筋コンクリートの三階建てのビルの天井、側壁七平米が焼損して路上の雑品が一部焼損した、こういうような事故がございました。  また、このまた同じ日に事故がございまして、この二月十七日の二十一時三十五分ごろにほぼ同じ地点で事故がございました。これは小型乗用自動車一台、これは外車でございますが、ほぼ同じ場所で焼損して、高速道路用防音壁十平方メートルを焼損したわけでございます。  ここで、私、問題だと思いますのは、防音壁があります、高速道路にですね。それにぶつかった。これは、本来不燃性の材料でこの防音壁はつくられておるのではないか、このように思っておったわけでございます。これが燃焼して、その結果道路の下の民家に落ちてその民家が火事になったという事例なんですけれども、一つお尋ねいたしたいのは、この防音壁はまあ不燃性の材料であると思いますが、どういう材料でつくられておるかということをちょっとお聞きいたしたいと思います。
  82. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 防音壁につきましては、この防音壁の目的でございます音をとにかく外に出さないようにということでございますので、その遮音性能であるとか、それから交通に与える安全性、維持管理の容易性、それから景観の問題もございます。そういうものを総合的に検討いたしましてタイプ等を決めているところでございます。  今、防音壁が燃えたというお話でございますが、この防音壁につきましては、できるだけ燃えないものを使用するようにということで指導しているところでございます。高速道路等の有料道路につきましては、全体で約二千五百キロぐらいの区間にわたりましてこの防音壁を設置しておりますが、そのうち可燃性のものが四キロぐらい、これはアクリル材でつくっているものでございます。  それから、一番多いのが不燃性でございまして、コンクリートとか鉄とかアルミニウム等でつくっておりますのが大体全体の九割ぐらいということでございまして、あとは燃えにくい、難燃性というものでございます。ポリカーボネートという材質のものなんですけれども、そういうものを使っているところでございまして、今お話がございましたように燃えるとやはりまずいということでございますので、できるだけ燃えないものをというようなことで努力しているところでございます。
  83. 谷口隆義

    ○谷口委員 今御答弁していただきましたが、このアクリルというのはいわゆる可燃性と考えてよろしいんですか。
  84. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 アクリルにつきましては、やはり可燃性でございます。
  85. 谷口隆義

    ○谷口委員 今のお話では、この四キロというのは、四キロほどこのアクリルの防音壁になっているというようなお話でございましたが、要するに不燃性の材料を使わなければいけないというようになっていないということでございましょうか。
  86. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 考え方としては、不燃性の材料を絶対使いなさいということにはなっていないということでございます。
  87. 谷口隆義

    ○谷口委員 いや、私は初めからそれはもう当然不燃性の材料を使わないとこれはだめだろうなというように思っておったわけでございますが、今お聞きしますと、必ずしもそうではないというようなことでございますね。
  88. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 必ずしも不燃性のものを使えということにはなっていない。先ほどのアクリル系のものは透き通って外が見えるようなものでございまして、できるだけそういう景観等に配慮して設置しようじゃないかということで設置したものだというふうに考えております。
  89. 谷口隆義

    ○谷口委員 現実にこういう事故が起こっておりまして、壁にぶつかってその上の防音壁が要するに燃え上がって、その燃え上がったものが下に落ちて民家が火事になったという事例があるわけでございます。そういう意味からしますと、すべてこの不燃性の材料でやりなさいというような形で、例えば指導を行うとか何らかの指示を出すわけにいかないんでしょうか。
  90. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 この防音壁につきましては、道路を利用している方に非常に評判の悪いところがございまして、外の景色が見えないとかいろいろな御意見もございます。そういうことで今お話しの阪高、阪神高速道路の事故につきましては、要するに高速道路に近接して家屋があったことが今のような下の住宅が延焼するという事故につながったんだというふうに考えております。  そういう意味で、今お話がございましたように、そういうことも想定しなければいけないということでございますので、要するに、家屋等に近接して高速道路があるようなケースにつきましては、そういう延焼を防ぐという視点から不燃性のものをやはり使うべきだというふうに考えております。
  91. 谷口隆義

    ○谷口委員 要するに、一遍これは調査してみる必要があるのじゃないかと思うんですね。具体的に不燃性の、不燃性というか可燃性の防音壁がどの程度使用されておるかというように一度調査していただきまして、こういうような二次災害、これはもう下の民家が燃えたわけでございますので、こういうようなことも防止しなければいかぬわけでございますので、一度実態調査をしていただけないでしょうか。
  92. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 この防音壁の材質につきまして、ちょっと先ほども説明させていただきましたが、全体で、有料道路全体に設置されている延長が約二千五百キロでございまして、そのうちアクリル系の可燃性のものが四キロ、それから不燃性のものでできている区間が二千二百四キロ、それから燃えにくいポリカーボネートという材質でございますけれども、これは難燃性というふうに言っておりますが、そのポリカーボネートでできている延長が二百八十七キロということで一応調査してございます。
  93. 谷口隆義

    ○谷口委員 たまたま当該場所がこの四キロのところに当たった、こういうことでございますね。いずれにしましても、この四キロ、見えるとか、それによって交通事故が減少するということならこれまた話が別なんですが、そういう可燃性の材料を使っておって、そういう二次災害が起こるということになりますと、これまた大きな問題になりますので、この四キロ、そういう可燃性の材料を使っている防音壁について、これからそういう不燃性の材料に取りかえるというようなことは考えておられないんでしょうか。
  94. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 先ほども申し上げましたように、周辺の家屋に近接しているようなところであれば、これはやはり取りかえなければいけないかもしれません。そういう意味では、もう一度その設置の状況がどうなっているかというようなことについては点検をいたしまして、それで、必要があれば所要の措置は講じたいというふうに考えます。
  95. 谷口隆義

    ○谷口委員 ぜひ一遍調査していただきまして、そういうような状況というのは多分あると思うのですね。また、下に民家があったり非常に危ないような状況があったら、例えば下に工場があるというようなことはないのでしょうけれども、それがありますとまた大きな火災を引き起こすというようなことになるわけでございますので、一度調査をしていただきまして、検討していただきたいというように思います。  ちょっと時間がありませんものですから、この問題はこの程度にしまして、次に、いわゆる放置自動車についてちょっとお聞きいたしたいと思います。  これは、従来から国会におきましてかなりの議論もなされておったものでございますが、現状は余り大きく変わっておらないのではないかというように認識いたしております。  これは、特に大都市の問題でございます。特に私の地元でございます大阪では非常に深刻な問題になっておるわけでございまして、これは、交通渋滞の問題であるとか、また美観の問題であるとか、また安全上の問題等々があると思いますが、いわゆるこの放置自動車、問題解決の一つは未然防止策というものがあると思うのですね。  もう一つは、発生した場合の処理の迅速化の問題があると思います。本来、路上に放置された自動車というのは放置した者が回収して処理をするのがもうこれは当然のことであるわけでございますが、その本人が確認できないというような場合には市町村等が処理に当たる場合がある、こういうことでございます。  このような状況の中で、自動車の製造販売、輸入業者等の四団体が集まりまして路上放棄車処理協力会なるものをつくって、市町村が処理する路上放棄車で、一般的に最終的にはごみになるわけでございますが、一般廃棄物と認定されたものの処理費用に見合う金額をこの路上放棄車処理協力会が寄附を行っておるというのが現状でございますね。  その処理実績を見ますと、平成三年から五年までの二年間に二万二千九百八十五台、平成五年から平成六年までの一年間で二万百九十九台、このようになっております。これは私の地元大阪から見ますと余りにも少ない数字だと思うのですね。特に私の地元はもう大変な状況になっておりまして、公園の周りにかなり放置されておりますし、川の堤防あたりもずっと放置されている車がかなりの台数に上っておるわけでございます。  そういうことの現状があるということで、まず、先ほども申し上げましたこの放置自動車の未然防止策ということでございまして、これは、車両法の十五条、十六条の問題になるわけでございますが、登録自動車の抹消登録を行う場合に、廃車を行う場合には解体証明を添付するというようになっておるということでございます。十六条、中古車で売却するような場合、こういう場合には本人の自認書程度で終わっておるということでございますが、一つは、その際に売却を証明する書面を徴求するというようなことが未然防止の一つの対策になるのではないかなというように思うわけでございますが、運輸省の御見解をお願いいたします。
  96. 樋口忠夫

    樋口説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のように、自動車を廃車する場合には、道路運送車両法におきまして、自動車が滅失や解体された場合に必ず行わなければならない十五条抹消というのがございます。それと、使用可能な自動車の運行を一時的に中止する場合に、その自動車の所有者の任意の申請に基づいて行う十六条抹消というのがあるわけです。  具体的にわかりやすく申し上げますと、十五条抹消といいますのは、もう運行の用にたえなくなった古い車をスクラップする場合に十五条抹消するということになっておりますが、十六条抹消の場合には、長期に海外に出張されるとか中古車として市場に提供するような場合に取り扱う一時的な中止を意味するというふうに解釈していただければわかりやすいかと思います。  これらの登録の抹消に当たりましては、先生御指摘のように、登録の原因を証する書面を必要としてございまして、十五条抹消の場合には、解体事業者等の発行する解体証明書等解体された事実を証する書面、これを添付することを申請者に求めておりますので、基本的にはこれにより放置自動車対策は実質的には措置されているものというふうに考えられます。  しかしながら、御指摘の十六条抹消と言われる一時的な運行の中止の場合の関係でございますが、これにつきましては、現在、申請書にその旨を記載するということによりまして抹消手続を行っておるということでございまして、ただいまお話ございましたように、何らかの証明書の添付を義務づけることによりまして放置自動車対策を進めるべきではないか、我々もそのように、先生のおっしゃるとおりだと考えております。ただ、その場合に、何らかの証明を提出させることによるユーザー負担、それからそれによる効果、この辺をよく研究しながら対応していきたいというふうに考えております。
  97. 谷口隆義

    ○谷口委員 どうもありがとうございました。ちょっと時間がないものですから、それはぜひそのように対応していただきたいと思います。  あとは、現状どのくらい放置車があるかというのは、今まで何回もこの国会における議論があったわけでございますが、実態調査がなされておらないわけでございます。ですから、今回一度実態調査をぜひやっていただきたいというように思うわけでございます。  そこで、道路管理者でございます建設省の方に求めたいのでございますが、本年十二月末日現在の三大都市圏プラス政令市の路上放置車の実態調査をしていただいて、この御報告をお願いいたしたい、このように思うわけでございます。  また、先ほども申し上げたとおり、この路上放置車が一般廃棄物ということに認定されますと、これは厚生省の所管になるわけでございますが、厚生省の所管になっている一般廃棄物として認定されている放置自動車、これについて、これはすぐに対応できるのじゃないかなということでございまして、十一月末日現在の各市町村における実態調査をしていただいて、この御報告をお願いいたしたい、このように考えておりますが、建設省、厚生省、御見解いかがでございましょうか。
  98. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 お話がございました路上放置車両実態調査でございますが、今お話がございましたように、本年中を目途に三大都市圏、政令指定市、調査実施したいというふうに考えております。それで、調査結果がまとまりますれば、また御報告させていただきたいというふうに考えております。
  99. 木下正明

    ○木下説明員 御説明いたします。  廃棄車両と認定されながらなお放置されております車両の正確な実態はまだ把握しておりませんので、御指摘のような全国的な調査を行いまして、もし必要があれば、迅速な処理が行えるよう通知等によりまして市町村に対して指導を行ってまいりたいと思います。
  100. 谷口隆義

    ○谷口委員 ありがとうございました。ぜひ、今おっしゃっていただきましたように実態調査をしていただきまして、後日また御報告をお願いいたしたい、このように思っております。  あと、時間も参りましたので、最後にもう一点お聞きいたしたいことがございます。  道交法が一部改正されたわけでございますが、平成六年の五月十日から施行がなされております。お聞きいたしたいことは運転免許制度のことでございまして、昨年の六月で運転免許保有者数が六千五百万人を超えている、また自動車保有台数が六千二百万台を超えているというような実態があるわけでございます。  今回のこの道交法改正、優良運転手にかかわる免許証の有効期限が三年から五年になったということを聞いております。これは、私自身も思っておりましたし、私の地元の方もよく聞かれることでございますが、この有効期間を誕生日まで有効ということになりますと、誕生日に初めて有効期間がきょうまでだなということになって、その段階でもうあした行くと遅いわけでございます。ですから、せっかく法の趣旨は非常に、誕生日なら忘れないだろうというようなことなんだろうと思いますが、そうすると、もう一つ突っ込んで誕生日から一月後を有効期限にするとかいうような、非常に国民本位のやり方にする必要があるのじゃないかなというように思うのです。  それにまたつけ加えますと、もしこの有効期間が切れて、これは半年間は更新ができるということでございますが、先ほども申し上げた、この優良運転手の特典を受けられないようになるわけでございますが、今、私申し上げたようなことについて、最後に御見解をお願いいたしたいと思います。
  101. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  御指摘の点は二点あったかと思いますが、免許証の有効期間の末日の定め方と、それから優良運転者の制度の問題だと思います。現在の運転免許証の有効期間は誕生日にしておりますが、これは実は四十七年の道交法改正でそうなったものでございまして、やはり確定日にしたいということと、もう一つは、誕生日は皆さんどなたもよくおわかりになっているということでそうしたわけでございます。  ただ、こういうもので二十年間定着しておりますので、その日を変えるということにつきましては、私ども、今回の道交法改正に伴いまして、現実に、誕生日にいたしましても、うっかり失効がございますので、その前に事前に御連絡をするという制度をとりまして、その結果、うっかり失効の数が激減しております。したがいまして、この誕生日の問題につきましては、御意見もございましたけれども、いま少し推移を見てみたい。  それから、優良運転者制度につきましては、これは五月十日から緒についたばかりでございますけれども、これもやはり、今お話しのように、優良というものの考え方でございますけれども、失効させないということも一つの優良運転者の条件ではないかというふうに法改正の当時考えたそうでございまして、そういうことも含めまして、もう少し様子を見てみたいな、制度発効したばかりでございますので、御意見は御意見として承りながら、少し推移を見てまいりたいというふうに思っております。
  102. 谷口隆義

    ○谷口委員 それでは、時間が参りましたので、ありがとうございました。
  103. 山田英介

    山田委員長 大矢卓史君。
  104. 大矢卓史

    ○大矢委員 民社・新党クラブの大矢卓史でございます。  当委員会、私初めてでございますので、多少前の質問者とダブる場合もあるかもしれませんけれども、違った観点でも質問させていただきたいと思います。よろしく御協力願いたいと思います。  まず冒頭、これはちょっと通告をしていないことなんですけれども、けさのテレビで、昨日から道路の陥没で、当初三十センチ、四十センチのものが二メートル以上陥没した。それが、地下を鉄道を掘った、そのかげんではないかと言われておりますけれども、その詳細がわかりましたら御報告願いたいと思います。
  105. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 今お話がございました事故については、私も全然詳細に承知していないわけでございますが、新聞報道を見た内容から類推いたしますと、鉄道の工事に伴って、薬注等で道路の下を固めながら掘削をしていただいたようでございますけれども、どうもその辺の工事のやり方に不備があって道路が陥没したのではないかというような事故ではないかと承知しております。
  106. 大矢卓史

    ○大矢委員 これは東京でも大きな陥没事故がございましたし、こういう事故というのは予測しないときに起こるものだと思います。交通安全というのは、もちろん被害者と加害者があって、また、陸上交通を中心にいろいろな法の制約等があって、それを取り締まる側、そして守らなければならぬ側、いろいろと行政は御苦労願っておると思いますけれども、空、陸、海を通じて、いろいろな交通事故が出てくる、それを未然にハード面でも解決していかなければならぬ。  当然、初めの工事からそのようなことが起こるということでやられたことではないと思いますけれども、そういうことになってまいりますと、過般問題になりました韓国での橋梁が落下をして非常な事故が起きた。これは、今御説明ございましたように、当然起こるべきことではないことが起こってくることでありますから、あれは韓国だから日本は関係ないんだということではなかろうと思いますけれども、それについて、韓国の技術が悪いからだとかなんとか簡単に片づけられない問題だと思います。  その点、日本のそういう橋梁も含めて、あの時点で、やはり我々も常にそういうところを通る者として、我々なりに今の日本の行政の中でいいんであろうかということを考えさせられましたけれども、当局はどういうお考えでございますか。
  107. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 最初に、路面の下に空洞があいて車がおっこちたという事故のお話がございましたが、そういう事故につきましては、これまでもたまに起こっていたということもございまして、やはり路面の下に穴があいているかどうかということを定期的にチェックする必要があるだろうということで、そういう点検の機械を開発いたしまして、定期的に路面の下に空洞があるかどうかということを点検しながら、もし空洞があいていれば適切な補修をするというような対応をやっているところでございます。  それから、韓国の橋の事故の問題でございますけれども、我が国の道路橋につきましては、御承知のとおり道路のパトロールというのは定期的に、幹線道路ではもう毎日やっているわけでございます。そういう毎日の道路パトロールの中で、路面の揺れの問題、あるいは段差の問題、あるいは異常音が発生するというようなものは常にチェックしておりますし、また毎年一回程度は橋の下に潜って異常がないかということもチェックしています。また、数年に一回程度は足場を組んで橋の床板とかそういうものをやはり綿密にチェックするというようなことをやっておりまして、異常があれば必要な補修は必ず施すように努力しているところでございます。  私どもといたしましても、橋というのは事故があったりすると非常に大きな影響がございますので、橋の安全性という面で、維持管理というのは大変重要だということで万全を常に期しているということでございます。  それから、韓国の事故があった橋梁というのはゲルバートラス橋というタイプの橋でございまして、こういうタイプの橋についても、実は私ども平成三年に、いろいろ問題の箇所がありそうだというようなことがございまして、一斉にこのタイプの橋の点検を実施いたしまして、問題がないということを確認させていただいております。
  108. 大矢卓史

    ○大矢委員 韓国の方もそういう点検だとか整備はしてこられたと思うのですよね。そのまま、悪いままにほったらかしておったのではないと思います。  そういうことで、やはりそういうことが起きたときにはこういうことで一斉にそういう点検もやっていただいて、国民に、こういうぐあいに点検をしてこういうことが大丈夫だという報告をしていただければ非常に国民も安心して過ごせる。こういうふうに思いますけれども、そのときにたまたま、ずっと年間やっておるからそれはそれでいいんだということになるのかどうか。そのようなことについてもお答えを願いたいと思います。
  109. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 さきほど申し上げましたように、橋の問題につきましては、定期的に点検をしておりまして、私どもとしては、我が国の橋梁については安全性という面では万全を期しているというふうに考えているところでございます。
  110. 大矢卓史

    ○大矢委員 万全を期していらっしゃるでしょうけれども、やはりそういう事故が起きたときにはそれなりの臨時の点検等をやっていただいて、国民に安心するようにお答えを出していただければ非常に結構であります。  ハード面でもう順次やっておられるということでありますけれども、これは、国民に対しての交通安全週間がありますように、ハード面においてもそういう週間、その月を決めるか何かして、こういう点検をした、そしてこれは大丈夫ですよというようなことも国民にお知らせを願えれば、毎日やっておるんだからそれでいいんだということではないと思うのです。そこらの月間をお決めになるとかなんとかということで、もうずっと道路道路で巡回しておるしということでなしに、それならそれで、警察の方もみんなすべて毎日毎日交通事故をなくすために努力していただいているのですから、何もその月間とか週間とか決めなくてもいいじゃないかという理屈になるので、やはりハード面においてもそういうものを点検をしていただいて、地下の陥没の問題も含めて、こういうぐあいに大丈夫なんだということをお知らせを願える、そういう月間なりがあれば非常に結構かと思うのですけれども、いかがでございましょう。
  111. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 韓国の今回の事故の原因というのはまだ詳細にキャッチできないところがございまして、この韓国の橋の事故に関連して日本の橋がどうなんだというチェックは、原因がはっきりしないものですからできないということでございますが、いずれにいたしましても、今御指摘がございましたように、国民の皆様に、我が国の橋というのはこういう点検をやってこういうチェックをしているから安全なんだということをできるだけ周知するように努力しろというお話だと思います。  私どもとしても、今後ともそういう努力というのは必要だというふうに考えておりますので、できるだけ国民の皆さんに知っていただくように、PRいたすように努力したいというふうに考えております。
  112. 大矢卓史

    ○大矢委員 橋だけでなくして道路についても、今現実に陥没するところがあるわけですから、それは追跡調査していって、そういうところがないのかどうかということもあらかじめやっていただいた方がいいのじゃないか。現実に東京東京でありましたし、大阪大阪でありました。また今民家のところで、幸い車だけの損失で人身事故はなかったですけれども、これから地下利用というものを進められていく中で非常に不安を持たれる方が多いと思いますので、その点、今たまたま橋梁ということを申し上げましたけれども、橋梁ということだけでなしに、ハード面全部そういう点検をしていくことが必要ではないかと思います。いかがでございましょう。
  113. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 今私の答えも橋梁とか空洞の問題に絞ってお話しさせていただきましたが、道路の施設全般については、やはりパトロール等で定期的に問題がないかどうかというのはチェックしながら、国民の皆様に安全に快適に利用していただきたいということで、もう常日ごろから努力しているところでございます。今お話がございましたように、何というのですか、安全なんだ、我々がこういう努力を常日ごろからやっているんだというようなことにつきましては、国民の皆様にそういうことで安全性を確認しているんだということをお知りいただくということが、国民の皆様にも安心して道路を利用していただけることにつながるということでございますので、私どもとしても、そういうPRというのでしょうか、そういう努力は今後とも続けてまいりたいというふうに考えております。
  114. 大矢卓史

    ○大矢委員 今すぐに結論は出ないでしょうけれども、そういう陥没の事故、大きな事故が東京でも大阪でもあったわけであります。また、そういうことでこれからどんどん地下利用していく場合に、そういうものも絶対大丈夫だと言いながら事故が起きてくるわけですから、そういうことのないように、やはり国民が安心できるような形で、ハード面でも毎日パトロールしているから大丈夫なんだというような問題じゃなしに、もっと深く関心を持ってやっていただいた方が結構かと思います。  それから、空港関連の安全の問題で、これまた事故は事故として、この間名古屋空港で起きましたけれども、一般的に言われております横風の関係で、横風用の滑走路が必要だと言われておりますけれども、この点はいかがなんでございましょうか。
  115. 福島義章

    ○福島説明員 お答えさせていただきます。  横風用滑走路といいますのは、強い横風によりまして主滑走路の利用が不可能となるような気象条件下におきまして、当該空港の就航率を上げるという観点から設置されます補助滑走路というものでございます。冬場の横風の頻度によりまして就航率が低下するような場合につきましては、その空港に横風用の滑走路を設置するということが必要になってまいるものでございます。
  116. 大矢卓史

    ○大矢委員 成田にいたしましても横風の問題で、随分長い間第三の滑走路ができない。今回はそれを一応見合わすという形で二本目の滑走路が着工できるような状態になったと聞いておりますけれども、そうしますと、成田につきましてはそういう横風用の滑走路がもう必要がないのではないか。今頻度とおっしゃいますけれども、頻度によってということで、どういう空港はそういう頻度があって、どういう空港はそういう頻度がないのかということになりますと、実際、成田空港というのは運輸省の方の考え方のどういう横風用の空港になるのですか。
  117. 福島義章

    ○福島説明員 成田空港につきましては、円卓会議におきまして関係者の合意を見まして、話し合いによりまして今後の空港の整備等を進めてまいることにいたしております。  横風用の滑走路につきましては、平行滑走路と切り離した取り扱いを国側として提案いたしまして、今先生御指摘のように、当面整備するということにはいたしておりませんが、横風用滑走路につきましては、騒音の影響の問題とかそれから緊急性とか、そういう点についていろいろとなお検討する必要があるということで、そういう取り扱いにしたものでございます。  さらに、成田につきまして横風によります航空機のダイバートといいますか、そういう実情でございますけれども、ちょっと手元に資料を持っておりませんが、ケースとしては年間にゼロ作のケースがもうほとんどでございまして、たまに横風によりましてダイバートするというケースが間々あるといいますか、そういう状況になっております。
  118. 大矢卓史

    ○大矢委員 ちょっと私も専門的なことはわからないのですけれども、今の御説明でいくと、成田は横風の滑走路の必要がないということなんですか。
  119. 福島義章

    ○福島説明員 成田につきましては、私ども、横風用の滑走路の必要性がないとか、そういうことは一切申し上げておりません。ただ、円卓会議におきまして、いろいろな議論をする中で合意に至ったわけですが、その合意の過程の中で、横風用滑走路につきましては平行滑走路と違った取り扱いをするということにいたしておるわけでございます。その横風用滑走路をどの段階でどういう形でどうするかということにつきましては、まだ関係者の間で、そういう話し合いといいますか合意ができていないということでございます。
  120. 大矢卓史

    ○大矢委員 話し合いの過程は、それは円満に解決して非常に結構なんです。それとは別に、成田が、今まで三本三本と言っておられたのが、今お聞きしますと、必要性がゼロなんだということを言われましたので、それならもともと必要なかったのかどうか。  だから、円卓でうまく話し合いされたことは非常に結構なんです。それとは全然別に、科学的根拠として必要ないものを今まで三本やると言ってこられたのかどうか。そこはやはり問題があると思います、そういうことなら。  だから、国の中で横風用で非常に必要なものがある空港というのはどこがあるのですかと言っているのですよ。
  121. 福島義章

    ○福島説明員 私が先ほど成田におきます横風の場合のダイバートの実情を申し上げましたので、それをもちまして、即必要性がないとか、そういうふうに受け取られたのは、ちょっと私の御説明があるいは不十分だったのかと思っております。  基本的に横風というのはあるわけでございまして、その横風が強い状況になりますと、空港としては機能を発揮できないという場合がございますので、特に国際空港につきましては、国際的な信頼性が低下することのないように、横風用滑走路を備えた完全な空港として整備するというのが、私どもとしましてはあくまで望ましいことだというふうに思っております。
  122. 大矢卓史

    ○大矢委員 望ましいけれども、今まではその必要性がなかった。何か、専門的に僕はわかりませんし、御説明の中で専門的な用語を使われて、ゼロだったとおっしゃった。今まではゼロだったけれども、やはり国際空港だからあった方がないよりいいんだという、その程度のことなんですか。そこら、ちょっと専門的じゃなしに、もっと詳しく御説明願いたい。
  123. 福島義章

    ○福島説明員 横風が非常に強い場合におきましては、航空機が着陸できない場合がございますので、待機をするとか、あるいは待機をしましてもどうしても着陸できない場合には、ダイバートと言っておりますが、ほかの空港へ行って、そこの空港に着陸するというケースがあるわけでございます。成田につきましては、ちょっと手元に資料を持っておりませんけれども、横風によりましてダイバートしたという数字、それは非常に少ない、そういう実績のない年もあるというふうに申し上げたわけでございます。
  124. 大矢卓史

    ○大矢委員 わかりました。  そういうことで、よその飛行場へ飛んでいく必要がなかったから、今までそういうものはゼロだったとおっしゃる。それはわかりました。  そういたしますと、関西新空港、これについてはどういう御見解でございますか。
  125. 福島義章

    ○福島説明員 関西空港につきましては、御案内のとおり九月四日に開港いたしまして、大変順調に運営がなされております。関係の皆様方の御支援、御尽力のおかげだということで、大変感謝申し上げております。  ただいまお尋ねの横風用滑走路の問題でございますが、関西国際空港、一本の滑走路でスタートしたわけでございますが、今後の航空需要だとか、あるいはアジアのハブ空港として機能してまいりますためには、言われております全体構想の実現というのが、私どもとしましては必要不可欠であるというふうに考えておるところでございます。  その全体構想の中に平行滑走路と横風用滑走路というのが計画をされておるわけでございますが、この横風用滑走路と平行滑走路、両方整備するのが基本的には望ましいと思っておりますが、いろいろな事情によりまして、どちらかを先行しなければならないという状態になりました場合には、私どもとしましては、どちらを先行するかということにつきまして、冬場におきます横風の状況だとか、それからそれを整備しました場合の就航率の問題、あるいは投資の採算性の問題、そういうものをもろもろ判断いたしまして、関西国際空港における滑走路の整備の仕方といいますか、それを決めていきたいというふうに思っておるところでございます。
  126. 大矢卓史

    ○大矢委員 部長、私が聞きたいのは、成田の地理的な条件と海上空港という条件の中で、この間台風があって、関西空港、随分とまりました。連絡橋も一本ですから、すべて孤島になってしまったわけですね。そういう中で、これは連絡橋の問題もありますけれども、台風やったら全部とまってしまうからええんだということになるのか。横風ということは、成田は成田で必要なかったから、あるにこしたことないけれども、関空の方は必要ないのか。  僕がこちらの方へ来ましたときには、関空課長の方から、どうしても必要だということで、地元すべてを挙げて、そういう横風用も含めての完全な空港にすべしということで、今関係方面と相談をしながら頑張っており、また調査費もついたという状態の中で、今お聞きしていますと、あるにこしたことはないけれども、予算の関係、採算性の関係で、場合によってはなくてもいいんだというような、その程度のお考えなんですか。
  127. 福島義章

    ○福島説明員 関西国際空港につきましては、あくまで三本の滑走路を備えた全体構想という形で実現をしていく必要があるというふうに私ども考えております。  ただ、私申し上げましたのは、今よく議論になっておりますのは、平行滑走路と横風用滑走路のどちらを先に整備していくのかという議論がございますので、そういう議論につきまして答えを出していく場合におきましては、私が申し上げましたような状況というのを判断の材料にしながら決めていきたい、こういうことを申し上げたわけでございます。  なお、関西国際空港につきまして、補足的に申し上げておきますと、航空会社の運航規程におきましては、横風が二十五ノットあります場合には運航を中止する形になっておりますが、関西空港につきましては、ウインドカバレージといいますか、これはその実績が出ていないわけでございますけれども調査したところによりますと、大体九九・四%ぐらいになろうかなというふうに考えております。  ちなみに、伊丹では一〇〇%、羽田は九九・九%というふうに承知をいたしております。
  128. 大矢卓史

    ○大矢委員 成田も当初三本だということで国を挙げてやられたけれども、現在の状態では、円満に解決した結果、横風用は一応見送るというふうになっておりますけれども、関空の場合には、やはり安全な空港ということでやります場合に、先ほど言われましたように、やはり経済性とかなんとかの問題が先に出てまいります。  そうなりますと、完全でない成田空港と関西空港が、おのずから生い立ちが違いまして、それが経済的なものだけで横風用は要らないということになりますと、これは非常に日本国全体としても残念なことだと思います。特に、今おっしゃいましたようにアジアのハブ空港として国がやろうとするのなら、地方任せでなしに本当に国も一緒になってこの問題を解決して、一日も早く成田にもでき得なかった完全な空港をつくっていくということが必要だと思うのです。  その点、そういう気持ちで部長さんやっていらっしゃると思いますけれども、私どももせっかく頑張ろうとしておるのに、なかなか運輸省、もちろん大蔵省があると思いますけれども運輸省が不退転の決意でやるということでなければ、大蔵省もまあまあということで、大体金を出したがりませんから、後ろ向きの答えになってくるというふうになりますので、そういうことのないように、やはりこういう点も含めて、今の株式会社方式というものも、やはり公団方式がいいかは別にいたしまして、経済性だけで——日本に二十四時間そして完全な空港というものができる絶好のチャンスでありますから、前向きに対処していただきたいと思います。  それと、先ほどの午前中の質問の中で過積載の問題がございました。当然これは取り締まっていかなければならぬ問題でありますけれども違反を犯していく、取り締まりなさいということだけではやはり解決をしていけない問題がある、私はそのように思います。  というのは、やはり運賃との関係があります。決して過積みをしたいということで業者全部がやっておるわけでなしに、やむを得ず、やはり経済性、運賃との問題でそういうことを強いられる場合がある。それはやはり荷主の方にも責任を問うルールになっておるようでありますけれども、現実的にはいかがでございましょうか。
  129. 田中節夫

    田中(節)政府委員 私ども警察のサイド、取り締まり現場から見た現状等を申し上げますと、午前中でも御答弁申し上げましたけれども改正道交法施行以来、過積載取り締まり件数も非常に減っておりますし、今御指摘過積載というのは背景があるわけでございます。私ども仄聞したところによりますと、運賃の値上げというものも行われている。そういう意味で、その背景についても相当改善の兆しか見られているというような報告を受けておるところでございます。
  130. 大矢卓史

    ○大矢委員 これは、景気のいいときには売り手、買い手市場が違いますから、運送業者の強くなった場合もあるかもわかりませんけれども、今は非常に景気が低迷いたしておりますから、やはり荷主さんの方が非常に力が強い。そうなりますと、当然協定運賃か何か、指導されておる運賃それ自体が出てこない。そこにやはり無理が重なるということがありますので、ただ単にそういう過積みをする業者だけが悪いのだということにならないと思います。荷主一体になってこれを解決していくということがなければならぬと思います。  ちょっと以前の決算委員会で一緒に四国に参りましたときに、今の四国架橋が、通行量が思ったよりトラックが少ないということになりました。なぜかといいますと、そこにはちゃんと重量をはかる機械があって、オーバーすると乗れない。船で行きますとそれがないので、船に乗った方が体も休まるし非常に楽だから行くのだということを現地の出先官庁の方々が言いながら、現状は現状として仕方がないなというような話をしていらっしゃいました。  やはりそこらも含めて、労働者にしてもそういう過積みをしながら走ることは決して好ましくないことでありますし、やはり荷主ともども関係官庁力を合わせてそういうことがなくなるようにしないと、ただ単にけしからぬということで取り締まりを強化しただけでは解決にならないと思いますので、関係方面のおのおの所管の御意見を承っておきたいと思います。
  131. 金丸純一

    金丸説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、取り締まりだけではなくて、経済が非常に不況でございますので、やはりそういった経済的な条件からなかなか難しいのではなかろうか、あるいはトラック業者、働く人たちにしわ寄せが来るのではないか、こういうことでございます。  まず私どもの方、トラック事業、今そういったような経済的に非常に苦しい状況にあるわけでございますけれども、トラック事業にとりまして、やはり過積載防止していくといったことは事業者の基本的な責務である、安全を確保した上でなければやはり事業経営は成り立っていかないのだ、こういう認識が今回の改正を契機といたしまして非常に浸透しております。私どもといたしましても、従来から事業者監査を実施したり、違反事業者に対して厳正な処分を行う、こういったことをやっておりますけれども、そのほかにも、そういったことで事業者ともども適正な積載による適正な事業経営をする、そのために必要であれば荷主なんかにも理解をいただく、こういったことで取り組みをしておるところでございます。  具体的に申し上げますと、トラック事業者の方は適正化事業ということをやっておりまして、そういった中で、都道府県あるいは地方を通じまして荷主団体にも御理解をいただく、こういった努力をいたしておるわけでございます。  また、運輸省も含めまして関係省庁集まりまして、この過積載防止のためには荷主まで含めました幅広い総合的な対策をしていかなければいけないといったことは共通の認識になっておりまして、中央及び地方におきまして、中央におきましては九省庁、地方におきましても関係機関、これらの提携を図りながら対策を進めているところでございます。  私ども運輸省といたしましても、今後とも過積載が生ずる社会的背景等にも十分留意をしながら、また関係省庁あるいは関係機関と協力して、過積載防止の徹底を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  132. 大矢卓史

    ○大矢委員 そういうことに留意しながら、全部の荷主から運転者に至るまで、そういうことをなくすように御努力願いたいと思います。  交通法規に照らしていろいろと取り締まりをやっていただいておる第一線の警官の方々も非常に苦労していらっしゃると思いますけれども、やはりこれは人間のやることですから、法律に決まっておりました、そのとおりに物差しにはかってけしからぬということになってくると、何人警察官があっても足らぬというような状態になってくる。取り締まりも、やはり条文に書いてあるから、法律に書いてあるからということだけで取り締まっていくのがいいのかどうかというような問題もあると思いますけれども、現場サイドにどういうような教育と申しますか指示をしていらっしゃるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
  133. 田中節夫

    田中(節)政府委員 交通取り締まりの問題につきましては、今委員指摘のように、私どもやはり交通事故防止あるいは交通渋滞防止、さらには環境保全というような大きな目的のためにいろいろな規制をし、それを担保するための取り締まりをしているわけでございますけれども、今お話しのように、ルールというのは、国民の皆さんあるいはドライバーの皆さんから見て守られやすい、あるいは規制の中身がわかる、そして初めて守るというようなことが必要であろうかというふうに思っております。したがいまして、取り締まりに当たりましても、国民の皆さんの共感を得られるような取り締まりのあり方というものにしていかなければいけないと思いますし、具体的な取り締まりに当たりましてもそういうような方法をとるよう、あるいは規制に当たりましても、やはり国民あるいは運転者の立場に立った、そういうような規制をするようにというような指導をしておるところでございます。  ただ、取り締まりにつきましては、午前中の御質問にもございましたけれども、現場で大変苦労しておりますし、殉職あるいは受傷事故等もございますので、何分の御理解を賜りたいというふうに考えておるところでございます。
  134. 大矢卓史

    ○大矢委員 その取り締まりの中で、道路上に有料パーキングのスペースがございます。それ自体がいいか悪いか別として、そういうのがあるわけである。その場合に、それの料金徴収に行っておる人たちにどの程度までの権限を与えておるのか、それをお伺いしたいと思います。
  135. 田中節夫

    田中(節)政府委員 パーキングメーターによりますところの駐車規制、これは時間制限駐車区間規制と申しておりますが、このパーキングメーターあるいはパーキングチケットの管理につきましては、これは民間の団体に委任をしております。したがいまして、作業している人間は、これは警察の職員、いわゆる警察官ではございません。  したがいまして、今どの辺まで権限を与えているかというお話でございますが、料金の徴収、あるいはその区間におきまして定められた方法で駐車をしていない車に指導をする、それから、その区間と申しましても、具体的な枠の外でありましても、その駐車区間規制のかかっておる区間につきましては、これは駐車禁止の規制がかかっておりますので、そういうようなところにつきましても、その車は違反ですよということは言える権限を与えております。  ただし、これはあくまでもそういう指導をする権限でございますので、具体的にどこどこ警察署に出頭しなさいとか、そういうところの権限まで与えているものではございません。
  136. 大矢卓史

    ○大矢委員 それでわかりました。  そういうことで、当然、駐車をしてはいけないところにしておることについては警告を出していただくのは非常に結構だと思いますけれども、行き過ぎたことのないように、私どもも何か相談を受けますと、非常に不愉快な思いをした人もおるようなので、そういうことのないようにしていただきたいと思います。  そこで、常識的に考えてわからないことは、昼間非常に混雑しているときにはここで駐車してもよろしいよということになっておりますけれども、八時以後、全然すいておるところに駐車いたしますと、これが駐車違反になってくるというようなことで、先ほどおっしゃいましたように、国民の理解を得ながらやっておるという反面、皆さん方がこれでいいのかなという——昼間の交通量の多いときには駐車してもよろしい、しかし、その枠内は車が通らなくなったときには駐車禁止ですよというのは、ちょっと一般市民から考えるとなじまないところがある。  いろいろと御努力していただいておるようでございますけれども、それの現状についてお知らせ願いたいと思います。
  137. 田中節夫

    田中(節)政府委員 お答えいたします。  パーキングメーターによります規制でございますが、これは、本来その区間は駐車禁止にした方がいいという区間でございます。ただ、踏外の駐車施設もないし、非常に短時間の駐車需要が多い、そういう区間あるいはそういう時間帯に限りまして、今お話しのように、午前八時から午後八時までというような時間帯を区切ってパーキングメーターを動かしまして、路上駐車を認めております。本来は、駐車禁止にしたいというような地域でございます。しかし、今お話し申し上げましたように、短時間の駐車をどうしても認めざるを得ない。  ただ、問題は、午後八時以降の問題、パーキングメーターの作動を済ませてからの駐車がどうかというお話でございますが、これは新たにそこに駐車禁止の規制をかけるかかけないかによって差が出てまいります。パーキングメーターが作動している区間で、夜間も駐車禁止の規制をかけている区間、これは全体の四〇%でございます。したがいまして、六割のところは、これは駐車違反ではないというふうになっております。  ただ、今お話しのように、一般の方から、そういうような区別があるということについても大変わかりにくい、あるいは、夜間での交通規制につきましてはもう少し駐車規制を緩めてとめるべきではないかというような御意見もございますので、私どもは現在、今お話しのようなことも含めながら、夜間のこの地域におきますところの規制のあり方について検討を加えているところでございます。
  138. 大矢卓史

    ○大矢委員 現実に即した形でやっていただきたいと思います。  警察も、規制をされる場合、またいろんな指導をされて交通の円滑な、渋滞を来さないようにということをやっていらっしゃいますけれども、つくるときまでは非常な権限があってやりますけれども、つくってしまいますと、改善については要望されるという程度で、実際はなかなか、先ほどの話じゃないけれども、金がないとか難しいとかということで行われない。  阪高にいたしましても、朝から晩まで必ずそこだけは渋滞をしておるというようなところがあるわけであります。それについては警察も非常にいろいろな知恵を出していただいていると思いますけれども、ただ、それは金がかかることであるし買収しなければならぬという、非常に難しいからということでそのままになっておる。そしてまた料金だけを上げてくるというようなことでは納得をしないと思いますから、そういうところもやはり取り締まりをされて、余りいい立場にない警察でございますけれども、やはりその取り締まりをしなくても済むように、改善をしていくときに、やはり警察警察なりの発言ができるような立場もおとりになることがいいのではないか。  そうでないと、一たんできてしまいますと、もう幾ら言ってもなかなか改善をされないということがありますので、その点もなかなか難しいと思いますけれども、これからも、ただ単に取り締まりをするというだけでなしに、それまでのハード面についての発言力を警察当局はやはり、入り口だけはあるけれども途中の場合にはもうないんだというようなことでなしに、これを確保されるような方策はないかなと私ども考えております。  そういうことで、要は、先ほども申されましたように、取り締まりをされます場合にも、また法規をつくる場合にも、やはり国民が納得をし、そして協力ができるようなすべての体制をとりながら、一日も早く交通事故が絶滅をするようにお互いに頑張っていきたいと思います。  きょうは、ありがとうございました。     〔委員長退席、江崎委員長代理着席〕
  139. 江崎鐵磨

    ○江崎委員長代理 山田宏君。
  140. 山田宏

    山田(宏)委員 私は、自転車問題に絞って何点がお尋ねをさしていただきたいと思います。  昨年の十二月にいわゆる改正自転車法が国会を通過をいたしまして、ことしの六月二十日からそれが施行されております。この自転車の問題は、第一義的には区市町村などの基礎的自治体がいろいろ対策を練っているところですけれども、この改正法案に至るまでの経緯は、単に自治体だけの努力ではとてもできないけれども都市部の自転車問題は解決のできない、特に駅周辺は大変なものがあるということで、長年、本委員会で各委員の皆様方が御努力をされてきた結果だと思っております。  私も東京の杉並に住んでおりますけれども東京のみならず大都市圏での自転車問題というのは、いわば新しい駅をつくっていくような地方の問題ではなくて、既存の、都市部の駅の一番重要な問題であります。  ちょっと、委員長の御許可をいただければ、写真、パネルを三枚ほど提示をさせていただきたいと思いますけれども、お願いいたしたいと思います。
  141. 江崎鐵磨

    ○江崎委員長代理 はい、結構です。
  142. 山田宏

    山田(宏)委員 東京に住んでおられればだれでも思うのですけれども、ちょっと見にくいと申しわけないのですが、これは込んでいるところだけ写しているわけじゃありません。荻窪の駅の北口、この交通対策特別委員会でも御視察いただきましたことがございますが、駅の向かい側にずっと青梅街道という都道が走っていまして、都道の五百メートルの両側、ずっとこんなような調子で歩道に自転車が並んでおります。いっぱいあるんですけれども、こんなような調子ですね。もう歩道の三分の二、歩けない。同じように、こういうあれですね。これは区がやればいいじゃないか、こういうことになっちゃうわけですが、並んでいるのは都道なんですね。だから道路管理者は都であります。  さらに、この駅周辺でどれくらいの自転車が並んでいるかというと、歩道に約三千二百台が北側に並んでいる。それから、南側の入り口には二千七百台ほどが並んでいる、歩道や車道に。もう歩けない。しかも、駐輪場を整備しろといっても、もう駅の周辺開発されてそんな場所はない。電車、JRの線路が走っている。一体どこに駐輪場をつくればいいのか、こういうことがこの荻窪の駅の問題でありますが、同じように、吉祥寺や立川やその他の都心部の駅では似たような問題を抱えております。主に用地難であります。  こういうことを解決しようとして改正自転車法がつくられました。大変歓迎すべき内容であります。主な改正のポイントは、鉄道事業者に一定の計画のもとに協力をしてもらうということを含め、自転車の処分や保管のことを明文化したということでありますけれども、本委員会で附帯決議を行いました。その中で、鉄道事業者の地方公共団体等との密接な協力関係の構築について十分指導することについて、その後どのような指導があって、またどのような緊密な協力関係が構築されてきたのか、この数カ月間見てきたわけであります。  政府は、法律施行日前の六月十日に、総務庁運輸省、建設省、警察庁の各関係省庁から通達が出されました。その内容は改正自転車法及び決議の趣旨を踏まえたものでありまして、本委員会の自転車法改正に至った経緯をしんしゃくするものであって、大変評価できるものであります。特に、運輸省が各地方運輸局長または各旅客鉄道株式会社の代表取締役社長及び日本民営鉄道協会会長等へ発した通達については、鉄道事業者が放置自転車問題に対して単なる協力者として受動的な立場で対応するのではなくて、地方公共団体及び道路管理者と適切な連携もとで放置自転車問題の解決にみずからも主体的に取り組みなさい、こういうふうに明示をして、事細かにその実施の内容を示しております。  例えば、高架下、駅前広場、のり面など駅周辺用地の利用可能な用地の有無について、常に十分精査に努める。長期間の使用に応じられない場合であっても、暫定的に期間を明示して用地を貸し付ける。本通達内容については、関係社員に対して周知徹底を図る。新駅設置及び駅施設の大改良の際には、計画段階において必要な自転車駐車場の確保が図られるように努める。鉄道事業者は、単に用地の譲渡、貸し付け措置を講じるだけでなく、必要に応じみずから自転車駐車場の設営に努めること。こういうようなことは、昭和五十五年に本委員会で、本会議で制定した旧自転車法が施行された昭和五十六年に運輸省からの通達として発せられた内容と比較してみますと、当局の姿勢が明らかに大幅に変わっているということが見受けられまして、大変評価するものであります。  しかし、これまでの実態を見てみますと、政府としての鉄道事業者に対する指導の姿勢というものは評価しても、この通達を受けた各鉄道会社、または民営鉄道の会長あての通達の趣旨を理解しているならば、まず鉄道会社が最初に行うべきこととして、地方公共団体とかの緊密な協力体制の構築について何らかのアクションをしていかなければいけないわけです。  ところが、私の知っている限りでは、まあ、東京の中で東日本とやったりしたものはあったとしても、最近ではJR西日本と関西の方でいろいろと交渉が始まったと聞いております。しかし、その他の鉄道事業者は、いまだに地方公共団体との窓口すらきちっと明示をされていないという状況であります。この点について、通達の中にも連絡窓口をちゃんとつくりなさい、こう書いてありますけれども、各鉄道会社が自治体との連絡窓口をその後どの程度設置しているのか、そんなような実態をつかんだことございますか。
  143. 梅田春実

    ○梅田説明員 お答えいたします。  先生今御指摘のとおり、運輸省といたしましては、ことし六月に御紹介ありました通達を発したところでございます。  実態をどの程度つかんでいるかという御質問でございますが、JR等につきましては、社内通達あるいは関連の部内の会議で周知徹底を図っているところでございます。JRは御承知のとおり支社単位、支社制をとっておりますから、そういうような格好でやってきているのが実情でございます。同じく支社制をとっております近鉄などにおきましても、通達等を出して部内に趣旨の徹底を図っているところでございます。その他の私鉄につきましても、関係の箇所におきまして通達の趣旨の徹底を図っているところでございます。  御指摘の窓口でございますが、各大手の私鉄につきましてはそういう支社制度をほとんどとっておりません。したがいまして、原則といたしまして本社の窓口で対応するということで、本社の窓口につきましては私どもも十分把握をしているところでございます。  各駅のいろいろな問題につきましては本社サイドで対応するように私ども指導しているところでございますので、今後とも十分指導していきたいというふうに考えております。
  144. 山田宏

    山田(宏)委員 窓口の問題を出しましたのは、自治体は一体どこへ行ったらいいかわからぬというところが結構まだあるようなんですね。この運輸省の通達を見てみても、「連絡窓口となる部局を本社及び支社単位で明確化し、これは今梅田さんお話しになったとおりですけれども、「これを市町村等の関係者に明示すること。」、こう運輸省でも言っておられるわけです。しかし、自治体の方はわからぬ、どこが何やっているのか動きが鈍いということなわけですね。  運輸省が、どこが窓口かというのを知っているのは当たり前だと思うのですが、各自治体にどうやって明示をするのかということだと思うのです。それがないのじゃないか、こう思っているのです。その点についていかがですか。
  145. 梅田春実

    ○梅田説明員 私どもの通達につきましては、先生先ほどお示しされましたとおりでございますが、鉄道事業者は、連絡窓口となる部局を本社及び支社単位で明確化し、明示することというふうに書いております。これは、今すぐやるということも私ども大切だと認識しておりますが、とりわけ協議会あるいはその後の総合計画の立案というときには必須のことであるというふうに理解しているところでございます。  先ほど言いましたように、どういうところに連絡をすればいいのかということにつきましては、従来から駐輪場等につきまして、特に私鉄の場合はサイズが小そうございますから、本社サイドで大体承っているところが多うございます。したがいまして、各自治体で本社の方に問い合わせをしていただければ当然でございますし、もしそうい。うところがわからなければ、私どもに聞いていただければもちろんわかるように連絡はいたします。  また、常日ごろ私鉄の場合はいろんな側面で各自治体とは接触しておりますので、自転車問題その他につきまして問題があるというようなことでございますれば、駅長は普通こういう仕事をやっていないのですけれども、駅長からまた情報をとりまして、的確な窓口をお示ししたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、私鉄につきましては、従来からかなりこういう側面につきましてきめ細かに対応してきておりますので、不十分な点があれば私どもさらに徹底してまいりたいと思います。  しかし、今言いましたように、私どもといたしましては、こういう協議会あるいは総合計画、そういう策定の場においてこの問題は非常に重要な問題であるという認識をまず持っておりますので、協議会の設置状況あるいは各自治体の取り組みを見ながら個別に対応してまいりたいというふうに考えております。
  146. 山田宏

    山田(宏)委員 また問い合わせをしてくれ、こういうことでしょうけれども、問い合わせをしても、今度は、これはちょっと実際聞いた話なんですが、場所は言えませんが、法施行後に鉄道事業者と交渉に及んだある自治体に対し、その鉄道事業者の用地貸付担当者は、本社よりこのことに対して何ら指示がないということを明言をして、用地の貸付金額も従来どおりの考えを踏襲したというような報告もいただいております。窓口が決まっても、担当者まで何ら——これは「周知・徹底を図ること。」と書いてありますが、通達には、民間及びこういう鉄道業者の態度というのは、もう少し、もう一歩も二歩も踏み込んできちっと運輸省が徹底をしていただきたい、こう思っているのですけれども、いかがでございますか。
  147. 梅田春実

    ○梅田説明員 先生御指摘のとおり、末端まで十分に趣旨が徹底しているかということでございますが、法律が施行されまして間もなく四カ月ちょっとになります。それで準備をしておりますが、近々各鉄道事業者の方にフォーマットをつくりまして、法の施行状況につきましてまず調査をし、かっフォローアップをしていきたいというふうに考えております。その中で御指摘のような点があれば、そういう駅につきましては具体的に是正をしていきたいというふうに考えております。  繰り返しになりますけれども、今回の法律の施行はこの点も非常に重要さというふうに私ども認識し、通達をしたところでございますが、大きな自転車問題、広がりのある問題でございます。  この問題につきましては、やはり各自治体で協議会をまずつくっていただきまして、その協議会の中で、個別ではなくてその地域全体の問題として取り組んでいただければかなり前進を見るのではないかというふうに思っております。個別対応では、どうしても会社としてもできる範囲というのは限られてまいりますので、各自治体がそういう協議会をまずおつくりになるということを私ども注目しながら指導をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  148. 山田宏

    山田(宏)委員 非常にいい通達を鉄道局長の方から出していただいたものですから、期待が大きいわけです。自治体にもいろいろ問題があるでしょうけれども、今も梅田さんの方からお話がございましたとおり、ぜひその通達の施行状況等について調査をしていただきたいと思うのです。  それで、四カ月ですからまだまだでしょうけれども、少なくとも法施行後一年ぐらいたったら、この通達がどういうふうになっているのか、各鉄道事業者でどういう対応が行われてきたのか、また、自治体で何か問題があるのかないのか、その点についてもそういう調査をするんだということが明らかならば、そこまでの間にいろいろなことが動くと思うのですね。ぜひそれをお願いしたいのですが、どうですか。
  149. 梅田春実

    ○梅田説明員 先ほど申しましたように、まだ部内でどういう中身にするかというようなことを議論をしている最中でございますので、いつごろどういう中身のものをやるかということはお約束できませんが、私どもといたしましては、通達を出しっ放しにするというような姿勢は持っておりませんので、しかるべきときを見ながら具体的に各事業者ごとに調査をやっていきたいというふうに思っております。その中身につきましては、通達の中身が末端まできちんと到達しているかどうか、そういうやり方、どういうやり方をとっているか、そういうような点につきましても私ども調べてまいりたいというふうに思っております。  つきましても、特にJR、大手私鉄、全体で今七十八万平米ほど、駐輪場全体の面積の約四分の一ほどを駐輪場として提供しておるところでございますが、おっしゃいましたようになかなか難しい問題でございますので、私どもも腰を据えて取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
  150. 山田宏

    山田(宏)委員 それから、さっきこれ、ごらんいただいたのですが、この自転車は都道に並んでおります。自転車法の中でも、いわゆる駐輪場の設置を進めていく主体者として地方自治体と道路管理者が挙げられております。都道や国道に並んでいる自転車があった場合、一体だれがこれを処理するのかということは大問題でして、全部自治体にやれというのは大変難しい話だなと。かといって、国道の管理者がそれをやるというのもなかなか難しいのかなと思っています。この運輸省の通達では、鉄道事業者も受動的ではなくて主体的に取り組め、こういう通達を出しておりますけれども道路管理者一体どういうような駐輪場の設置について位置づけを持っておられみのか、まずお聞きしておきたいと思います。
  151. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 お話がございましたように、路上に放置されている自転車というのが歩行者や自転車の安全にも大変大きな影響を与えているわけでございまして、道路管理者といたしましても、やはり適切な形でこの自転車が駐輪していただくというのが一番望ましいということでございます。  そういうことで、私ども道路管理者といたしましても、やはり道路の附属物として自転車駐車場というのがつくれることになっておりますので、できるだけ積極的にその整備を進めていこうということで、従来から交通安全施設整備事業や街路事業等でこの自転車駐車場の整備を進めているところでございまして、平成四年度末までに駅周辺とか中心市街地で二百八万台分、また、このうち三大都市圏とか、それから地方都市の駅周辺で四十七万台分の自転車駐車場を整備してまいりました。  これからも、やはりまだまだ放置自転車がございますので、私どもといたしましても公園とか道路の地下とか、そういう空間をできるだけ活用することを考えていこうと。当然、駅周辺ですと鉄道事業者との調整というようなことも必要だと思います。それから関係市町村、関係自治体との積極的な調整、協力というようなこともあろうかと思いますが、そういうことを図りながら、道路附属物としての自転車駐車場につきましても積極的に整備を進めるように今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。
  152. 山田宏

    山田(宏)委員 ここに東京都の建設局道路管理部が、平成二年ですけれども出した、駐輪場の問題についての都道管理者としての考え方というぺーパーがあるのですが、これを見ると、要するに自転車の放置防止及び駐車場設置については、これは地域に密着した問題として地元区市町村が条例を制定し対処しろ、自分たちはその支援をする、こういうような考え方に立っております。  道路管理者というのはこういう形で国も考えておられるわけですか。それとも、もし国の道路に並んでいる、杉並であれば甲州街道なんかにもう山のように並んでいるところがありますけれども、こういうものは国の道路ですよね。そうすると、こういうものについてやはり区市町村の対応を待って考える、こういうような態度でいるのかどうか、もう一回確認をしておきたいと思います。
  153. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 当然道路管理者としても、歩行者の通行の邪魔になっているというようなことであれば放置自転車対策をどうやるかということを積極的に考えていくべきだと思います。ただ、道路管理者だけでこれを解決するというのは非常に難しいわけでございますので、当然そういう関係自治体と打ち合わせ、協議、調整しながら進めていくのが一番望ましいことではないかなというふうに考えます。
  154. 山田宏

    山田(宏)委員 ということは、それはどっちが主、どっちが従ということではないですね。道路管理者としても積極的にいろいろな提案もしていこう、こういうことですね。
  155. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 まさにおっしゃるとおりでございまして、どっちが主、どっちが従というのじゃなくて、お互いに力を合わせながらこれはやっていかなければいけない問題だと思います。
  156. 山田宏

    山田(宏)委員 それでは、今度は総務庁にお聞きをしたいのですが、この改正自転車法全体の中の問題点の一つとして、廃棄までの期間が六カ月、こう定められているわけです。そういう法的根拠を与えたということで、撤去から廃棄をするまで六カ月間保管をしておけば自治体の所有物として認めますよ、だから自由にしなさい、六カ月まではもし邪魔ならば売りなさいというのが原則で、代金として保管しなさい、こういう法の趣旨だと思います。  いろいろと新聞でもこのことについては問題になっていますけれども、例えば東京都内の話を聞くと、杉並は六十日間の保管だった、条例で。今までは、この法律ができる前は条例で六十日間保管をすれば後は廃棄していたのですね、無主物先占の考え方で。板橋なんかは一カ月間で廃棄していたのです。  問題は、六カ月と定められたおかげで六カ月間保管をしなければいけない。廃棄できない。六カ月までに何とか処理したいときは売却をしなさいということなんですが、例えば杉並だけで考えても月に五千台あるのですよ、自転車を撤去して保管しているのが。年間だと六万台。これを半年、毎月五千台ずつ並べて保管して、それを一気に売れ、五千台ずつ売れと。五千台全部ということはないかもしれませんが、それはとてもじゃないけれども売却などできた話じゃない。  こういうことで、しかも保管コストは非常にかかる。今までは二カ月でどんどん廃棄処分していましたからよかったのですが、六カ月間保管ですから、土地もない、保管する場所もない。事実上この六カ月の保管ということを決めたおかげで大変な混乱が生じつつあると僕は思います。  その際、まず第一番目にお聞きをしておきたいことは、世田谷区などの区では保管の期間二カ月という条例をそのまま適用していこう、これからも。とてもじゃないけれども六カ月なんかできないということで、条例は二カ月でやっていますからそれで廃棄する。法律は六カ月保管を義務づけておって条例は二カ月という場合、この条例は違法になりませんか。
  157. 井野忠彦

    井野政府委員 お答えいたします。  改正の自転車法でございますが、これは撤去、保管等のいろいろな権限を明確に規定したわけでございますが、まず撤去をした場合に市町村長が保管をする、保管をしたときにはすぐに公示をするということになっております。そして、公示後六カ月間たった場合には所有権が市町村の方へ移転するという規定でございます。その間に管理に非常に金がかかるというような場合には売却もできる、あるいは廃棄もできるということでございまして、必ずしも六カ月間保管しなければならないんだというような趣旨ではないというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
  158. 山田宏

    山田(宏)委員 もう一度確認しておきたいのですが、では二カ月で廃棄ができるという条例は違法ではありませんね。
  159. 井野忠彦

    井野政府委員 違法ではございません。
  160. 山田宏

    山田(宏)委員 ただ、この自転車法の六カ月で、それは今おっしゃられたように売却もできる、事情によっては廃棄もできるじゃないかということなんですが、原則は六カ月保管でしょう。
  161. 井野忠彦

    井野政府委員 いえ、六カ月というのは、いわゆる遺失物、落とし物と同じように六カ月して自転車の所有権が市町村に移るということでございまして、保管については別に期間を定めているわけではございません。その途中、六カ月の間で非常に保管に金がかかる、もう自転車があふれて金がかかるということになれば、一カ月であっても二カ月たった場合であっても売却もできる、廃棄もできるという規定というふうに私どもは理解をしております。
  162. 山田宏

    山田(宏)委員 大事な問題なので、ちょっと時間がないのですが、もうちょっとお聞きをしておきたいのです。  そうすると、法律では所有権は六カ月を超えると自治体のものになる。それまでの所有権は自転車の持ち主にあるのでしょう。その間に廃棄をした場合は、損害賠償の請求とかそういうものは生じませんか。
  163. 井野忠彦

    井野政府委員 無主物の関係につきましては、自転車法とは全く別の民法を根拠とする法でございますので、その問題についてはコメントのしようがございません、こういうことでございます。
  164. 山田宏

    山田(宏)委員 ちょっと統一した考えをお聞きしておきたいのですが、自転車を撤去しますよね。そして、この自転革法では、六カ月経過したら所有権は自治体に移る、こうなっていますね。では、六カ月までの間は所有権はどこにありますか。     〔江崎委員長代理退席、委員長着席〕
  165. 井野忠彦

    井野政府委員 これは所有者でございます。
  166. 山田宏

    山田(宏)委員 そうすると、所有者にあるということは、その間での廃棄は法的な問題は生じない、無主物先占でそれは乗り切れるんだ、自治体に任せて二カ月で処分をするということであれば、それでそういう所有権の移転にかかわる問題というのは生じない、こう考えてよろしいですか。
  167. 井野忠彦

    井野政府委員 自転車法では、市町村長がそういう保管に非常に費用がかかるという場合には廃棄をすることができる、あるいは売却をしてお金で保管することができるというふうに明記をしておりますので、そういう法律上の問題は生じない、所有権の問題については問題は生じないというふうに考えております。
  168. 山田宏

    山田(宏)委員 これはやっていると時間超えてしまうので……。  そうすると、最後一つだけ。では、こういう法律があるにもかかわらず二カ月で保管した後は処分をしますよという条例を定めて、そのとおりやっていってもいいということですね。
  169. 井野忠彦

    井野政府委員 それがいいかどうか判断はできません。
  170. 山田宏

    山田(宏)委員 こういう委員会ですから、ちょっとそれをもう一回、大事なことなので調べておいていただきたい。突然の質問で大変申しわけないと思ったのですが、調べておいていただきたいのは、自治体はどうやっていいかちょっとわからないということだと思うのです。ですから、世田谷は、勝手に条例は条例でやるよ、法律は法律で適当なときに使うよ。杉並の場合は、法律が決まったんだからやはり六カ月は原則なんだ、六カ月はやらなければいけないだろうというふうに考えているのですね。ですから、月に五千台ですからね、保管するのは。これは大変なことだと思いますので、二カ月という条例をつくっても、これは違法ではないんだ、これは自治体の運用の問題なんだから任せるよ、こういう考えなのかどうかということだけちょっとぜひ、彼ほどでも構いませんが、委員会の方にお示しをいただけたら大変ありがたいと思いますが、委員長、いかがでございましょうか。
  171. 井野忠彦

    井野政府委員 そのようにいたします。
  172. 山田宏

    山田(宏)委員 それでは、この問題は自治体でも非常に、まだ法施行後四カ月ですから、いろいろと手探りの状況だと思いますので、ぜひきちっとした方針をお示しをいただきたいと思います。  それから、総務庁にお聞きをしたいのは、今、鉄道事業者のお話で梅田さんの方からいろいろと御答弁がございましたが、確かに自転車等駐車対策協議会に入ることはもちろん評価されるのですけれども、いざ用地の提供となると、これは鉄道事業者は大変だと思うのですよ。これがそのまま、法律で決まっているからできる範囲で協力しろよということで、法律を盾に計画をつくってやると、なかなか思うような協力ができないということが多分出てくるのだろうと思います。用地をこの法律に従って提供する場合に、何らかの促進策というか特典みたいなものを考えないと、ただ法律があるよ、計画をつくったよ、やりなさいというのでは、計画をつくる段階からなかなか難しいのじゃないかな、私はこう思っていますが、そういうような議論はございませんか。もしおわかりになれば。
  173. 井野忠彦

    井野政府委員 まだ自転車法が改正されまして半年足らずでございまして、大部分の市町村がこれから総合計画をつくるということでございますので、そういう具体的な支障等の声はまだ余り聞いていません。これが実情でございます。
  174. 山田宏

    山田(宏)委員 今のようなことについて、運輸省どうお考えですか。そういう問題意識をお持ちですか。要するに、用地難だから、なるべくそれをきちっと出してもらえるような促進策みたいな特典みたいなものが必要じゃないかと思うのですけれども、そういう議論は運輸省の中にはございますか。
  175. 梅田春実

    ○梅田説明員 鉄道事業者は現在の法律でも用地提供の協力義務がかかっております。したがいまして、私ども、用地の提供についてはできるだけ積極的にということで現在も指導しているところでございますが、今先生の御指摘のような、いわば一種のインセンティブでございますけれども、そういうものにつきましては、事業者の方からもそういうインセンティブみたいなものがあればいいなというような話は私ども聞いておりませんし、私どもの中でもそういう議論は現在のところございません。
  176. 山田宏

    山田(宏)委員 今後の課題だろうと思いますけれども、一応御指摘をさせていただきたいと思います。  それから、もうあと時間がないですが、もともとこの改正作業、長い間この委員会や小委員会で御苦労されて、各委員の方が来られて、よく研究をされて、私もそれをずっと見させていただいたのですが、第一案、第二案、第三案とずっと法律改正案が出てまいりました。大変な作業だったなと。その中の一つが、やはり鉄道事業者に設置義務を課すかどうかというところが一つの論点だったのだろうと認識ができます。  しかし今回は、計画を自治体がつくって、それに協力をして、計画ができれば義務が生ずる、こういうことになって、その計画がどのようにいくか、推移が待たれるところですけれども、もちろん鉄道事業者も民間会社ですから、一朝一夕にはいかないというふうに思います。  できれば、先ほど運輸省に通達の状況について一応調査をしていただきたいというお話を申し上げましたけれども総務庁として、この法律施行後五年ぐらいたって、一体どういう状況になったのか、実態調査みたいなものをぜひ行っていただきたい。今までの改正作業の中では、総合計画の中で鉄道事業者に義務を考えていくのか、それともまともに法律の中でそれを書くのかということが議論になってきた経緯も踏まえて、施行後五年ぐらいたってみて、もう一度、いわゆるここの改正作業の状況で生じていたさまざまな問題が生じているのかどうか、改善されたのかどうか調査をしてみる必要がある。その調査によっては、もう一度やはりこの法律の改正というものも考えるべきじゃないかと私個人は思っているのですけれども、この点についていかがでございますか。
  177. 井野忠彦

    井野政府委員 総務庁におきましては、自転車の実態調査を二年ごとに行っておるわけでございまして、五年後には当然その中に入ってくるだろうというふうに思っておりますので、その折に実態調査をしてまいりたいというふうに考えております。
  178. 山田宏

    山田(宏)委員 先ほどもこの写真を見ていただきましたけれども、自転車問題というのは、この荻窪、例示をすれば、駅も土地が余りない、道路ももういっぱい、ほかの用地を探すにもない、これはだれの責任だというと、区市町村だ、道路管理者だ、鉄道事業者だとみんな責任を押しつけ合っていて、だんだん山のようになっていって歩けなくなってくる。こういう構図になっているので、ぜひ地方自治体の計画が待たれるわけですけれども、この自転車問題というのは、自転車一台、二台の話ですけれども、我々にとってみれば、町の中では非常に大きな政治課題になっていますよ。  ですから、都市部は特にそうだと思いますので、自治体が命後いろいろ考えていろいろなことをやっていくと思いますけれども、時には鉄道事業者との対応が苦慮されたり、また道路管理者との協力関係がなかなかうまくいかなかったというようないろいろな問題が生じてくると思いますので、ぜひ総務庁の中に、その区市町村などの自治体が命後この法律に従ってやっていく場合、いろいろな相談があると思うのですね。何かあったとき、駆け込み与しゃないけれども、そういう相談窓口を設置していただきたい、こう思っているのです。  各地方自治体がいろいろ運営をしていく上で、国、都、いろいろなところにかかわっているこの問題を解決していくために、ぜひ総務庁の方に、そういったことを、いざという場合、電話をしたり相談に行けばわかるんだというようなところを設置をしていただきたい、こう思っておりますが、いかがですか。
  179. 井野忠彦

    井野政府委員 総合計画はこれからでございまして、市町村が地域実情を勘案した上で自主的に策定するものでございます。まだ半年に満たない段階でございますので、そういう市町村の取り組みを見まして対応をしていきたい。もしそういう不都合なことがたくさん起きてくれば、関係省庁ともいろいろ相談をしてみたいというふうに思っているところでございます。
  180. 山田宏

    山田(宏)委員 質問を終わります。どうもありがとうございました。
  181. 山田英介

  182. 中島武敏

    中島(武)委員 交通安全について質問いたします。  最近も韓国で橋梁が落下する事故がありましたが、我が国においても国民の交通とその安全を確保することは重要な課題であります。とりわけ、道路、河川、橋梁などの維持改善については、ことしの建設白書におきましても「くらしの安全性向上のための道路整備の推進」、そういう項目を設けて、道路の維持修繕対策の推進を強調しておられます。  私たち日本共産党は、十月六日と七日に、名古屋国道工事事務所及び京都国道工事事務所に、公共事業費が増大する中で、国民生活と産業発展にとって欠かすことのできない国道の安全確保がどうなっているか、さらに、そこで働く労働者の労働条件がどうなっているかを調査しました。その調査結果に基づいてきょうは質問したいと思うわけです。  具体的にお聞きしますが、名古屋国道工事事務所の調査の中で明らかになったことなんですけれども、この写真を見ていただきたいと思うのです。ちょっと離れておりますが、そちらにお渡ししてもいいのですけれども、これは中川跨道橋ですね。それで、主げたの破断と上沓の損傷ということで、ベアリングプレートが脱落しているのですね。ベアリングプレートが脱落することになると、橋が上下に動いてしまうということになります。それから、場所はちょっと違うのですけれども、やはり同じような状態がここに写されております。  それから、これは港新橋なんです。ここでも、支承部の機能低下に伴って主げたに亀裂が入ってしまっているというので、かなり亀裂がはっきりと見えます。  それから、支承部が沈下してしまって、そしてベアリングプレートが脱落してしまっているというところもあります。これは港陽高架橋なんですね。  まだいろいろあるのですけれども局長、見ても見なくてもわかるかもしれませんが、何でしたらちょっとごらんください。いいですか。
  183. 山田英介

    山田委員長 どうぞ。
  184. 中島武敏

    中島(武)委員 それで、この道路全国的に見ましても車両の通行台数の非常に多いところで、建設省もそれなりにこの対策は講じておられる道路です。そういう道路でさえも、やはりこういうものが写真に明瞭に写るくらいの程度に傷んでいるのですね。それで、当たり前のことですけれども、こういう状態を至急調査して改善する必要があるというふうに私は思うのですが、局長の答弁を求めたいと思います。
  185. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 お話の、これは名四国道だと思いますけれども、確かに写真で見ますとかなり橋梁の痛みが激しいのがよくわかるわけですが、私どもといたしましても、この橋というのは、損傷して通れなくなると大変な影響が出てまいります。そういうことで、この橋が常に安全に、また円滑に通行できるようにということで、まず定期的な点検ですね。日常パトロールというのをやっておりますので、パトロールで段差とか揺れとかいろいろな異常があれば詳細に点検する。あるいは定期的な、今の写真なんかもかなり定期的な点検で見つかったところじゃないかと考えておりますけれども、そういう傷みが見つかるということがあれば、やはりできるだけ早い時点で補修して、そういう問題が起こらないようにということで、今申し上げましたパトロール、点検、それに基づく補修という努力をしているところでございます。  私どもといたしましても、橋梁等の安全確保というのでしょうか、そういうことにつきましては今後ともできるだけの体制をとって、補修等の費用等につきましてもできるだけ確保するという形で、これからも万全を期してまいりたいというふうに考えております。
  186. 中島武敏

    中島(武)委員 これは、実はまだ直ってないのです。ですから、ぜひひとつちゃんと早く直していただくように、今の答弁どおりやっていただきたいと思うのです。  それで、こういう実態は、実はここの橋だけの問題じゃないのです。私の思うには、やはり全国的にかなり損傷しているという実態があるのじゃないか。そういう点で、今も答弁になりましたように、建設省としては道路の、特に橋梁の安全維持のために調査点検ということをやっておられるわけですけれども、その結果、修繕が必要とされるところはどういうところか。箇所名、箇所数それからまた必要な予算額、これについて伺いたいと思います。
  187. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 私ども、定期的に点検しながら必要な補修等をやっているわけでございますが、今お話がございました、具体的にこういう問題が残っている箇所が幾つあって、どの程度の予算が必要かということにつきましては、今手元に資料を持ち合わせておりませんので、ちょっとお答えすることができません。
  188. 中島武敏

    中島(武)委員 そうですか。何かできるような話を聞いておったのですけれどもね。それでは、できないのでしたら、後でひとつ私どもの方にお示しください。  では、次に入ります。  昨年十一月に実施された車両制限令の改正によって、大型自動車車両の最高限度が二十トンから二十五トンというふうにされました。この改正に伴う橋梁のかけかえとか、それから補強が必要な工事箇所名、それから全国的な箇所数はどうなっているのか。また、国道の落石等の崩壊危険箇所名及び箇所数、それに伴う工事必要金額、これは一体どれぐらいになるものですか。
  189. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 お話がございましたように、昨年車両制限令の改正をいたしまして、車両重量の制限値を二十トンから二十五トンに引き上げたわけでございます。  それに伴いまして、この引き上げの措置につきましては、できるだけ橋に与える影響を小さくしようということで、御承知のとおり車両の長さと車軸間の距離に応じまして緩和するという措置にしたところでございまして、一つの車軸にかかる重量につきましては、従来どおり十トンということで、制限値は変わっていないところでございます。ただ、全体の重量がふえますので、いわゆる後輪の二つの車軸にかかる重量が従来よりもふえるということでございまして、そういう面で、長期的に見ますと床板等への耐久性に影響が出るだろうというふうに考えているところでございます。  今具体的な、これに伴って補強等が必要な橋の数はどうだという御指摘でございます。それにつきましても、実は今ちょっと手元に資料を持っていないのでございますが、補強につきましては、私どもできるだけ早く実施していきたいというふうに考えておりまして、平成五年度におきましては約三百橋、約二百二十億円の予算をもちまして上部工の補強等をやっているところでございます。私どもの予定といたしましては、先ほども申し上げましたように、第十一次の五カ年計画の最終年度でございます平成九年度末までに主要な、直轄国道でございますが、これにつきましては補強等を概成させたいというふうに考えているところでございます。
  190. 中島武敏

    中島(武)委員 私は、この種の問題というのは大変安全にかかわる問題なんですね。ですから、非常に優先的に重視をしなければならないと思うわけです。  それで、いろいろ点検をしたり調査をすればいろいろなことが発見されるわけです。されるのですけれども、一言申し上げておきたいと思うのですが、ちょっとざっくり言いますと、昨年並みのいわば枠というようなものに縛られておったら、必要なところがあるなと思ってもそれを改善していくことができないのですね。そういう点では、私は、調査点検ももっと強力にやっていただきたいし、同時に、予算の枠も余り縛られないで必要なところからどんどん要求してやろう、こういう姿勢でやっていただきたいと思うのですが、どうですか。
  191. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 こういう橋梁の補修、補強等につきましては、大変緊急性が高いといいますか、できるだけ緊急に対応しなければいけない課題だというふうに考えております。  そういうことで、先ほど申し上げました車両の大型化に伴う橋梁の補強につきましては、私どもといたしましてもできるだけ優先的にこれに対応していこうということで、予算等も、全体の枠の縛りはございますが、その中でできるだけこの補強には予算を優先的に充当するというようなことで努力をいたしております。
  192. 中島武敏

    中島(武)委員 このような枠があるとやはり制限されてしまうのですね、言うまでもないけれども。きょうはちょっと大臣がいないので、私は大臣にこういうのは、局長努力するのはわかるが枠に縛られてしまう方だから、枠に縛られない大臣が出てきて、よしわかった、こういうのを言ってほしかったのだけれども、きょうは別のところへ行っておられるのでこれ以上はできないのですが、ぜひ大臣にも話をして、安全にかかわる問題を最優先してやっていただきたいと思うのです。  さらにお尋ねいたしますが、一九八九年、平成元年ですけれども、名古屋国道事務所から「一般国道二十三号橋梁等損傷記録集」というものが出されております。国道の特に橋梁の損傷の実態が実に克明に記録されております。既に建設省から取り寄せていただいたので読ませてもらいましたけれども、当時の事務所長がこう言っているのです。これはファクスで送ってもらったものですからちょっと見にくいのですけれども、こういうことが書いてあります。   その間、自動車交通の増加と車両の大型化は道路、特に橋梁等構造物に予想以上の荷重を与え続けることになり、近年は損傷や疲労の進行が目立つようになってきました。   本記録集は、過去五年間に撮影した損傷や疲労の実態を集めどのような位置に、どのような損傷が現われるのかその概要を取りまとめたものです。   道路の維持管理に当たる人々、さらに設計・施工に当たる人々の参考になればと願っております。ということが「はじめに」というところで書かれているのですね。  私、これをつぶさに見せていただきまして非常に感じたことは何かといいますと、道路というのは、こういうところに荷重がかかって、そしてこんな亀裂ができるのだな、そういうことが私ら素人にも非常によくわかるような大変立派な記録集なのです。局長に聞きますけれども、これは公表されましたか。
  193. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 公表というか、要するに建設省の職員には、こういう箇所にこういう異常が生じます、こういう箇所に異常が生じたときはこういう補強をやらなければいけませんというようなことで、大変参考になる資料でございますから、恐らく建設省の職員には配付されて、それを参考にいろいろ講習会等でも使われているのじゃないかというふうに考えております。
  194. 中島武敏

    中島(武)委員 実は、これは一部外部に公表されたのです。一たん公表したのだけれども回収したというふうに私は聞いております。結局、利用者の目には触れないという結果になったのですね。今局長は、職員のとおっしゃる。それは私もわかるのです。わかるのですけれども、単に職員だけでいいのか、もっと公表するべきではないかなというのが私の考えでありまして、私は、公共事業を実施する建設省の姿勢というのはどうなければならないかという問題がこの問題にもあらわれているような気がしてなりません。  といいますのは、危険なところについては発表の方法はいろいろあると私は思うのですよ。いろいろあると思うのですけれども、やはり積極的に公表していくという姿勢をとるべきではないかというように思うのです。  御存じのとおりなのですけれども、河川ですね。この場合には、危険なところについては浸水予想区域図というのを作成して公表して、注意と協力を要請しているわけです。私は道路についても公表して、そうすると不安を与えるとかいろいろなこと、そういう面も確かにあるのです。あるのですけれども、国民のための道路なのですから、そして国民のための道路、橋梁、こういうものは維持管理の重大性ということを国民にも訴えて、そして国民の力もかりて、予算も枠に縛られるのではなくて、枠を大いに破ってもこういうところに積極的に予算をつけて、そして安全を確保するという姿勢が大事なのではないかなと思うものですから、この点も局長の見解をぜひ伺いたいと思うのです。
  195. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 今御指摘がございましたいわゆる橋梁の損傷事例とか補修事例ということでございますが、やはりこういう問題というのは経験をするということですね。それが大切だということでございます。そういう事例をできるだけ私どもとしても収集して、それを実際に道路管理を担当する者に周知していく、そういうことが必要だというふうに考えております。  それから、今もお話がございましたが、橋梁等の安全性、それの必要性というのを国民にPRすべきだというお話でございますが、そういう問題についても私ども努力していかなければいけないなというふうに考えております。今おっしゃったようなやり方がいいかどうかということについては、ちょっとこれはいろいろ私どもも勉強させていただきたいと思いますが、ただ、国民の方にそういう橋梁の安全性というものをよく知っていただく、そういう中でいろいろ御支援をしていただくということは非常に大事なことだというふうに考えております。
  196. 中島武敏

    中島(武)委員 次の問題ですけれども、国民の安全確保のための公共事業を行っていく上では、そこで働く労働者の確保という問題は非常に重要な問題だと思うのですね。その点で、過去三度、百二十三国会、百二十八国会、百二十九国会で建設省職員の増員に関する請願が採択されております。当然、この請願内容に基づいて増員の努力がされていると思うのですけれども、その状況について御報告いただきたいと思います。
  197. 伴襄

    ○伴政府委員 お答え申し上げます。  建設省職員の新規の増員状況でございますが、過去三度とおっしゃるのは、たしか平成四年が最初だったと思いますけれども平成四年の百二十三国会、それから平成五年、平成六年と増員の請願が採択されました。一般的には国家公務員の定員抑制という政府全体の方針の中ではありますけれども平成四年度のときは実は八十七人でございましたけれども平成五年度には百十六人、それから平成六年度は百十八人というようなことで、新規増員は着実にふえてきているということでございます。  建設省の業務は、量的にも質的にも大変難しくなってきております。量的にも大変多くなってきておりますし、質的にも難しくなってきている。質的には、特に工事段階でも計画調整だとか用地の取得とか、いろいろな事業調整がありますので大変難しくなってきておりますが、あわせて今は、いろいろ御議論がありました道路とか河川の日常的な管理、これも質的に非常に難しくなってきているということでございます。加えて最近、入札契約制度の改革をやりまして、一般競争の導入等をやっておりますが、これもなかなか、契約事務とか、それから監査事務とか検査事務の業務量がふえております。  そういった状況の中でありますので、最大限増員の努力をしたいと思っておりますが、ただ一方で、政府全体で、平成三年に第八次定員削減計画というのを閣議決定しておりまして、これで削減の方もございますし、それから一般的に行財政改革という政府全体の方針がございますので、そういった厳しい環境の中でありますけれども、したがって、まず第一義的には内部的にもいろいろ努力したいと思っております。行政事務を簡素化したり業務委託を活用したり、あるいは適正配置を進めるというようなことで最大の努力をしたいと思っておりますけれども、やはり必要な人員の確保ということは大事だと思っておりますので、関係方面の理解を得ながら最大限の努力をしたいというふうに思っております。
  198. 中島武敏

    中島(武)委員 実は、建設省の方でも、官房長もよく御存じだと思うのですけれども、既に国道事務所なんかでは四十数%の人が業務委託と言われる事実上の派遣労働者で占められているのですよね。かえってそのことの方がお金がかかるとかいうような実態もあります。  私も、これはちょっときょうだけではとてもできる話じゃありませんから、もっと具体的にやりたいと思っておりますけれども、出張所では所長と係長だけ、それだけが職員で、あとは業務委託というところも決して珍しくないわけなんですね。だから、だんだん公務員労働者というのが長い目で見ますと少数になってきて、そして超過勤務が非常に慢性化して、青年の中には、こういう仕事の内容とか労働条件の劣悪さにがっかりしちゃって、退職者もふえているという話も聞くのですよ。それから自殺者もふえているという報告も聞いております。  こういう実態を改善することが、やはり公共事業を円滑に進め、国民生活を向上させる上で非常に重要な課題だと思うのですよね。私、これもきょうは大臣がおったら大臣にちょっと答弁を求めるところなんですけれども、きょうは大臣おりませんけれども、どうですか。
  199. 伴襄

    ○伴政府委員 あるいは私以上に実態を御存じなのかもしれませんが、例えば業務委託につきましては、これも極力単純業務、補助業務、それにつきまして業務委託をするというようなことで、行政判断を要するものは職員がやるという方針で最大限やらせていただいております。  それから超過勤務の問題とか単身赴任の問題とか、いろいろ勤務条件の制約、これは大変重要な問題でありますので、なるべく超過勤務を減らすように、いろいろな省の出先機関がありますけれども、建設省の出先は比較的、相対的に非常に超過勤務も多いと言われておりますので何とか減らすように、それも特定の人に集中しないようにということで、最大いろいろな努力をさせていただいております。  御指摘の健康問題等もございますので、この辺につきましてはいろいろな意味の配慮を、今のような定員という枠だけじゃありませんけれども、いろいろな意味で配慮をして、業務の合理化ということも大事でございますので、そういったことに努めながら、しかも先ほど申し上げたような必要な人員の確保とか、それからいい意味の外部のお力をかりるというようなことを最大限やっていきたいと思っております。
  200. 中島武敏

    中島(武)委員 時間もありませんので、ちょっと次の問題に移らせていただきたいと思います。  視覚障害者の人たちの安全問題なんですけれども、安心して住める町づくりを進めるということは非常に重要な課題であります。  私は、九月十一日、日本共産党の緒方靖夫さんとかあるいは視覚障害者の方々と一緒にJRの東京の田端駅とその周辺調査しました。その後、東京都第六建設事務所にも申し入れ、またJRにも申し入れ、ほとんどの問題は改善の方向で実は話が進んでおります。しかし、東京都でもJRでも解決できない問題があるので、きょうは質問でぜひひとつ善処方を、問題を提起してただしますので、善処方を要請したいと思っているわけです。  実は、一つ一つ丁寧にゆっくり答弁を求めながらやりたいと思ったのですけれども、時間がありませんからまとめて申しますので、答弁の方、おられますね。どこにいらっしゃるのかな。ちょっと私、わからぬ点もあるのですが、申します。  まず、その一つは、点字ブロックについてなんです。  実は、視覚障害者の方にとっては鉄道の駅とかあるいは道路に設けられている点字ブロックは命綱なんですね。ところが、警告ブロックと誘導ブロックの小判型のもの、これの区別が大変つきにくいのです。私は建設省の通達も読みました。それから、運輸省のガイドラインも拝見しました。これです、運輸省のガイドラインというのは。  それで、これも見ますと、ちょっと結論からいうと、障害者の方にとっては、この小判型のものはいわば欠陥商品だと言っても言い過ぎではないのじゃないかと思われるものなんです。これを見ていただけば一目瞭然でわかるのですけれども、これは出されている方ですからわかると思うのですが、これが警告ブロックなんですよ。ところが、これは誘導ブロックだと言うんです。この四本線入っているのが、これも誘導ブロックなんです。ところが、小判型のごちゃごちゃごちゃごちゃこうなっているもの、これは警告ブロックと間違いやすいのですね。障害者の方、区別つかないと言うのですよ。それで、非常にこの問題で迷惑しているのです。  私が思いますのは、この点ではやはり、紛らわしい小判型誘導ブロックをやめて、四本線の平型のものにかえるべきではないかというふうに考えるのですね。これが第一点です。  それから、第二点について申します。  このほかにも紛らわしい点字ブロックがいろいろつくられているのですよ。それでまた、似た点字ブロックの中でもどっちが適切かという問題もあるわけなんです。それで、その基準とすべきは何なのかということですけれども、これは、障害者の方々にとって一番わかりやすいものが一番大事だ、それを基準とするべきではないかと思うのです。これは当たり前のことなんですけれども、私はそういうふうに思います。  それで、それは一体何なんだということを政府の方で示すべきじゃないかと思うのです。業者の人が勝手につくるのでは、これは迷惑するのは結局、障害者の皆さんのためにと言いながら、障害者の皆さんが一番迷惑をする、こういう結果になるわけですから、ここで腕を振るうことができるのは政府なんですよね。ですから、政府の方できちんとした見解を示すべきではないかということが第二点です。  それから第三点は、ガイドラインとかあるいは通達とか、こういうのをつくる場合に、一つの障害者団体だけではなくて、例えば視覚障害者なら視覚障害者の幾つもの団体があるのですよ。ですから、そういう人たちからいろいろ広く意見を求めるべきではないかと思うのですね。そうしないでやるものですから、障害者の方々が非常に迷惑をしてしまうという結果になるのです。ここの問題を解決するべきじゃないかと思います。  それから第四点目ですけれども、実は、各省庁とか地方自治体を含めてこの種のことを統一指導するようにしないと、それぞれが、勝手と言っては悪いんですけれども、よかれかしと思っていろいろ別々のものを採用したりする。そうすると、医道を歩いていればこれ、都道ではまた違う標識が同じものを、それから国道はまた違うもの、こういうふうになりますと、まごつくのは障害者の方なんですよ。だから私は、こういうのをちゃんと統一指導をするべきじゃないかというふうに考えるのです。  それから、最後ですけれども第五点目。実は衆議院にもついておりませんし、衆議院の議員会館にもこういう点字ブロックだとかそういうのはついていないのですけれども、これを扱う一番の本庁であります運輸省とか通産省の建物、本庁の建物、ここにも点字ブロックもなければ点字シールも全くないんですね。この辺ひとつみずから進んで改善をするべきではないのかということが第五点です。  以上申し上げまして、順次お答えをいただいて、私はきょうはもう時間ですから質問を終わりたいと思うのです。
  201. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 最初に誘導ブロックと警告ブロックが非常に紛らわしいというお話がございましたが、やはり基本的には、線状ブロックであるか点状ブロックであるかというのをきっちり確認できることが必要でございます。そういう意味で、やはりきっちり区別がつくような適切な設置というのが望ましいわけでございますので、そういう設置をするように、私どもとしても関係管理者を指導してまいりたいというふうに考えております。  それから、あと私どもの方でお答えできるのはちょっと限定されるわけでございますが、統一的な考え方をという、いろいろな省庁、機関でこういうブロックの設置の考え方とかが違っていたら問題だというお話でございます。もうおっしゃるとおりだというふうに私ども考えておりますので、この問題につきましてはできるだけ統一するように、これはまたほかの関係するところもございますが、そういうところといろいろ調整を図ってまいりたいというふうに考えております。
  202. 豊田実

    ○豊田(実)政府委員 お答えします。  鉄道駅が例示に挙がりましたので、私ども関係のところについてお答え申し上げます。  まず、誘導ブロック二種類あって、警告ブロックと紛らわしいという御指摘でございます。  実は、公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者のための施設整備のガイドラインというのが大分以前から制定されておりまして、それを本年三月に見直しをしております。このガイドラインの見直しに当たりましては、私ども、障害者の団体の代表とか、あるいは障害者の利用に非常に見識がある方々、かなりいろいろな方面の方の御参加をいただいて、調査委員会で議論して策定をしたものでございます。ただ、今御指摘のように、具体的な設置に当たって両方のブロックが混乱するということがないように、施設整備に当たりましてはよく交通関係事業者指導してまいりたいと思っております。  それから、いろいろな団体の中で特定の団体だけの意見を伺うのはいかがかというお話でございますが、委員会にはたまたま一つの団体ということになっておりますが、日常私ども、いろいろな問題についてお話を伺うときは特に団体を特定しないでお話を伺っておりますので、今後ともその辺は十分頭に置いて対応したいと思います。  それから、省庁間のいろいろ調整ということですが、これもこのガイドラインの見直しに当たりまして、運輸省だけではなくて建設省さん初め関係省庁とも十分連携しながら取り組んできております。また今後、具体的な施設整備に当たりましても、十分道路側等と調整をしながら対応していきたいと思っております。  以上でございます。
  203. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 官公庁施設の関係を通じて建物のことも御質問があったというふうに考えたわけでございますが、御案内のようにこの九月に、公共性の高い、一般の方々が御利用になるような建物については積極的な対応をしようという御努力をぜひお願いしようという法律ができたわけでございまして、それを受けまして九月には具体的な技術基準もっくったところでございます。  その中では、先ほどブロックの関係につきましても先生御指摘のような方向で検討しまして、またいろいろな講習会の場におきましても、その点の紛らわしさということについての注意を十分に喚起しながら講習会もやってきたということでございますので、今後ともそういう方向でぜひともやっていきたいというふうに思っております。  それから、窓口事務といいましょうか、そういうことが比較的多い官公庁施設につきましても、今回の法律の対象にもなるわけでございますし、新しいものについては当然積極的なお取り組みをいただいて、私どもとしてもお願いもしているところでございますし、既存のものについてのいろいろな改修等についても、今日では積極的なお取り組みをいただいておるというふうに理解をいたしておりますが、私どもの方からも、そういう取り組みを積極的に取り組んでもらうように一緒になってやっていきたいというふうに思っております。
  204. 中島武敏

    中島(武)委員 時間ですから終わります。
  205. 山田英介

    山田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十六分散会