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田中(甲)
委員 ありがとうございます。私
どももそういう方向に向かってぜひとも協力をしていきたいと思います。
ちなみに、千葉県の場合には四十署もの
警察署がつくられましたが、今お話をいただきましたような諸
努力というものを行った上でやっと新しい
警察署をつくり、
警察署をつくる予算よりも
警察官の配置ということができないという
状況にもう既に至っております。そんなこともお話をさせていただき、必要なところの
警察官の負担を増大させないという観点から、今後も
検討をぜひともしていただきたい。くどいようでありますが、私たちも協力をさせていただく、そんな発言をさせていただきます。
次は、
道路標識について御
質問をさせていただきます。
この
道路標識は、きょう一枚の紙を持ってまいりました。これが国連標識だそうであります。日本の、我が国の
道路標識はまさにこの国連標識から、
昭和三十五年に
道路交通法改正の中でつくられていったものと私は認識をしておりますが、
昭和三十五年でありますから、正直がなり古いものになりました。といって、その都度改善されている御
努力ということを決して無視するわけではありません。しかしながら、これから
指摘する点は非常に細やかな点でありますから、貴重な時間をいただいて、その時間を費やすのにふさわしいかどうかかなり迷いましたが、一度は発言をさせていただきたいとかねてより思っておりましたので、どうか耳を傾けていただきたいと思います。
例えば、大八車というのでしょうか、「自転車以外の軽
車両通行止め」という標識がございます。小さくて皆さんにはごらんいただけないだろうかと思いますが、私はきのう子供に、これは何のマークだと思うと聞きましたら、一輪車に間違えまして、ああそうかもしれない、これはもう今の子供では見たことがない。しかし、これからの子供が免許を取るわけでありますから、これはいささか標識としては時代認識がずれてしまっているのではないか。
よくよく調べてみますと、この国連標識の中に、やはり同じような「自転車以外の軽
車両通行止め」というところに、荷車を押している、多分男性の姿でありましょう、こういう標識がございます。多分ここから我が国においてもこの一輪車、いや失礼大八車というんですか、この車のデザインをしてあるんだと思います。もちろんデザインというものは、なるほど自転車以外は通ってはいけないんだなということが一日にしてわかるということが重要でありますから、それにおいてはこの標識でもよろしいのかもしれませんが、しかし三十五年からもし
改正してないとするならば、ここでひとつ御
検討いただく点ではなかろうかと思ったわけであります。
あるいは「歩行者専用」という標識があります。これは多分お父さんが子供の手を引いている。女の子だと思いますが、手を引いているのが「歩行者専用」の標識でありますが、これもやはり国連標識の中に全く同じようなものがございまして、帽子をかぶった紳士が自分のお嬢さんかあるいはお孫さんを連れて歩いている姿が描かれています。
大変に細かいことを言って笑われてしまうかもしれませんが、国連標識の方は男性が女の子を連れている後ろ姿が描かれていますが、日本の場合には前向きの姿という、何かこの辺に細やかな配慮の違いというものが私はそこで感じられました。つまり、車が来ていることに気がつかないような歩行者が歩いているんだというのはまさに後ろ向きなんですね。
昭和三十五年につくったそのスタッフの方はいろいろお
考えになられたんでしょうが、この点も、細部にわたってより練られた標識というものが二十一世紀に向けていよいよつくられていかなければならない、そんな時期に差しかかっているのではないかと思うわけであります。
さらに続けさしていただきますと、「踏切あり」というところで、まあ列車が来るわけでありますから機関車でもいいんですけれ
ども、煙を吐いた機関車が右から左に向かって走っています。これもまさに国連標識の中でそのようなものがございまして、「踏切(蒸気機関車)」ということが書かれていますが、こういうものも果たしてこれから免許を取っていく若者にとって、確かにこれは一つ日本の文化が残っているといえばそれでいいわけでありますが、ここでまた再度
検討される余地というものがおありになるのではないか。
「学校、幼稚園、保育所などあり」、これは私は子供のころにもこういう格好はしなかったと思うのですが、漫画のフクちゃんのような子が帽子をかぶって、そして女の子の手を引いているという姿であります。仲むつまじく歩いているということは非常に、何となく子供が通るんだということがわかるわけでありますからそれでいいわけですけれ
ども、まさに漫画の世界のカツオ君とワカメちゃんという感じがするわけであります。
これは私、ちょっと余談だったかもしれません。しかし、こういうことも時代認識的には少しずれがあるのかなということを感じましたのでお話をいたしました。
もっと細かい点で、「動物が飛び出すおそれあり」というところで、これは多分雄ジカが飛び出しているのでありましょう。運転しているドライバーは動物が出てくるんだなということが一日にしてわかるわけで、いいわけでありますが、これもやはり国連標識の中から、国連標識というのは必ず左向きになっております。
道路交通規制が違いますから左向きになっているのでしょう。日本の場合はそれを右向きに変えたという
状況でありますから、これももう少し具体的な、その
地域に合った標示というものがこれから工夫されてもよろしいのかなということを思いました。
また、これからは障害者の皆さん方に対する配慮ということが非常に重要になってくると思います。ノーマライゼーションということが言われて、障害者の方でも同じように同じ町に住めるということがこれからの福祉のあり方であろうということが言われている中で、障害者が近くを通りますという標識は私の知る限りはどこにも出てきていません。こういう工夫がやはり今後は必要になってくるのだろうと思います。
身体障害者用の車いすで通行している人、あるいは白いつえを持った方、盲導犬を連れた人が通る、こういう箇所は
全国に至るところありましょうし、またそういう施設が近くにあるという標示、標識によってドライバーが認識できるということも、これは今後のノーマライゼーションを
考えていった場合には重要なところになるのではないでしょうか。
それから、子供が飛び出してくるという、先ほどの妹の手をつないでというものもございましたが、ふっと思い浮かぶ構図の中で、やはりボールを追いかけてという姿が、サッカーをやる子供たちが多くなった中で、ボールを追いかけて飛び出してくるなどという標示がありますと、私も革を運転する人間といたしまして、ぱっと気をつけなければいけないということを、仲むつまじく手をつないで歩いている子供の標示よりもはるかに、そんな判断ができるのではないかということを私は
考えたりもいたします。
以上のようなことを申し上げました。
昭和三十五年に
道路交通法というものによって制定されたこの標識は、冒頭にも申し上げましたが、常に見直しをされているとは思いますが、どうぞ、新しい世紀を迎える、二〇〇〇年を迎えようとしている今、日本の
道路標識というものも改めて再
検討していく機関、部署というものをおつくりになられたらどうだろうかということを
考え、御提案をさせていただきたいと思っています。
その際に、これは本当に話としてお聞きいただければ結構でありますが、
道路標識のデザインというのが決まっているようで統一されてないところがかなりございます。それは、デザインと申しますかデッサン上の問題なんでありますが、例えば「歩行者専用」の男性が女の子を連れている図柄はかなり場所によって違います。その統一性ということもその際に御
検討されてはいかがかと思います。御所見をまずいただければと思いますが、よろしくお願いします。