○川端
委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思いますし、こういうことが逆に、
民間にとっては大変この
手続法というのに期待を持っているという事象なんですよね、これ。
法律できて一カ月たってこんなことでやったら、あれ、あの
法律があるのにこれはおかしいのじゃないかと普通思わないですよ。だから、
民間にとってはこれはぜひともやってほしい、今まで困っていた問題なんですよ。だから、出たといったのに今までどおりで変な行政
指導があったから、おかしいなという訴えが出たわけでしょう。だから、逆に私は、問題としては、そういう部分では
皆さんせっぱ詰まっておられるからよく御存じなんです。だから、なぜこういうものが要るのか、やったのかという意識が役所に非常に欠落しているという部分の周知徹底、こういうことになりましたよということじゃなくて、
技術論じゃなくて、その背景を僕はよく周知してほしいというふうに思います。
それで、時間がどんどんたって、先ほど来私は、新たな雇用構造それから産業構造へのシフトというのは非常に大事なことだと申し上げました。長官、
日本のリーディング産業、自動車産業の
市場規模、国内販売額は約十九兆円と言われておるのですね。外食産業という産業があるでしょう、
日本で。これは、駅前のおすし屋さんやラーメン屋さんから道路沿いのチェーン店も含めて、どれくらいの売上規模だと思われますか。三十一兆円です。これはこの業界の数字ですから、私はちょっと時間がなかったのでいろいろ統計上きちっと調べていないのですけれ
ども、自動車産業十九兆円、外食産業の
市場規模は三十一兆円、だから一・五倍ですね。一九七五年と九四年、約二十年間で三・三倍、五年間の平均伸び率は四%。大体毎年GNPプラス二%の成長率を持っているんですよ。まさに、これは
日本の
経済を象徴的に示しているんですね。製造業からいわゆる第三次産業にシフトしている。
そして、恐らく長官も、要するに若いころからの育てられた、私なんかでも実はそうなんですけれ
ども、外で飯食うなんというのは何かやや罪悪的な時代から、今は非常に手軽に家族で食事をする。それと同時に、女性の職場進出がふえた。だから、きょうはお母さんもう
仕事で遅くなったから家族そろって外で御飯を食べようというふうな部分も、実は支えているわけですね。そういう部分で、今主婦で大体五一・六%が職を持つというふうな時代で、いわゆる男女共生型
社会という部分で、この外食産業というのはある部分では
社会的にも非常に大事な産業、そして
経済的にも当然大事な産業である。
雇用でいうと、常用雇用者で三百八十七万人、パート労働者は多分この倍ぐらいいるだろうという。職を持ち、そして
社会を支えるという大きな
市場、この五年間で雇用自体も一三・八%伸びている。ですから、そういう部分で、いわゆる新しい
日本は役所が云々じゃなくても、自助的にやはり
社会構造自体はどんどん新しい時代に転換していっている。そこで、行政というものは、そういう産業構造の転換あるいは
日本の
経済社会の構造の転換に対応しているんだろうか。
規制をしろという
意味じゃないですよ。
例えば、長官の御出身の部分で、養蚕農家というのがありますね。大変厳しい
状況にある。私も、繊維にかかわる議員として大変な実態を承知をしています。昭和四十五年に三十九万九千戸あった農家が、平成五年で二万七千戸になっているという実態ですね。これは大変御
苦労されているという部分で、農水省には蚕業課と繭糸課という二つの課があるんです。二十年、二十五年前に約四十万戸が今や二万七千戸になる。ある時期の
日本を支えた産業の今大変な苦しいときということで、二つの課を持って、何とかならないかという御
苦労をされている。あるいは通産省には、鉱山課とか石炭課、製鉄課、自動車課、アルコール課という、いわゆる産業別に、その産業が健全に発展していくようにという課がある。
外食課というのはないんですよね。外食産業というのはどこが面倒見ているのか、どこも見ていないんです。お店を出そうとすると、食品衛生法等々で営業許可は厚生省というかかわりはある。それから、最近はもうごく一部の地域にしかありませんが、
分野調整で営業時間何時にするんだ、いすの数何個にするんか。
委員長はそのこと非常によく御存じだと思うんですが、いわゆる大店法絡みのそういう部分で、地元の商工
会議所の判こ持ってこいみたいな部分はかかわりがあるという部分で、この食材、これ三十兆円というと、大体三分の一ぐらいはこういう業界というのは原料の仕入れなんですね。十兆円の農産物を仕入れているということなんですよ。輸入品もありますけれ
ども、
日本の農漁業生産物の売り上げと同じぐらい実は仕入れているんですね。巨大な産業なんです。
そういう部分で、いわゆる
行政改革と同時にいろいろな、産業を保護したり、
規制緩和したりする
意味での役所のあり方というのが問われていることは事実でありますが、これからの
社会構造がどんどん変わっていくときに、行政の
仕組み自体が、行政機構というものが、
特殊法人、今象徴的に
議論されていますが、実は行政の本体の
仕組み自体も、今までどおりの部分に固定化されて新しいものに対応されていないということではないのかな。この業界自体が、
国民の
社会的ニーズを含めて、だれにも面倒見てもらわないけれ
ども自助努力をしてここまで来た。しかし、やはりいろいろな部分でもっと展開をしていくときに、役所の適切な
指導もあるいは助言も必要なんですね。そういう部分で、結局行政機構自体がうまく対応できていない。これはいっぱいあると思うのですよね、こういうことは。
例えば、
特殊法人でもおのおの今見直しをされている。各省庁にあるわけですね。その省庁が、実は、例えば
中小企業を対象にした法人、小売業者を対象にした法人あるいは農業を対象にした法人、それから例えば環境衛生ということで、美容師さんとか理容師さん、クリーニング屋さん、おすし屋さん等々の業界に対応した法人、おのおのあるのですね。これが今要らないのかと言われたら要るんですよね、ある部分では。だから、なくせませんかと言われたら、なくせませんという話なんです。
私は二つ問題があって、
一つは、同じように汗水流して働いてその職を守り産業を守っているという
立場の人に、頑張る人にはきちっとバックアップしましょうという
仕組みは必要だ。これは要らないとは言わない。しかし、それは省庁ごとにきめ細かくということでなくて、規模も大小いろいろあるから、大ぐくりの中に私はやるべきではないか。ところが、これをやるのが実は一番難しいのですよ、長官。この省庁の壁というのが実は一番難しい。
そうすると、ある時代には非常にたくさんの規模でそういうことをやらなければいけなかったのが、時代の趨勢で残っているけれ
ども少しになった。これはもう
一つ問題が出てきて、その少しでやらなければいけないと新たな
仕事をつくってくるのですよ。そして、これが実は民業を圧迫するというふうなことまでやっている法人も私はあると思います。よく御承知だと思うのです。
ですから、役所行政の機構というものの省庁の壁、これをどう乗り越えられるのか。これこそ人に優しい、
日本に優しい
立場で、役所にちょっときついかもしれないけれ
ども、本当に
国民が、なるほど行政というものは私たちを真正面に
考えて一生懸命やってくれているんだなということへの転換だと思うのですね。言うだけで生易しい話でないのも承知をしているのです。しかし、それこそが私は
行政改革の原点、
日本の
政治の
仕組みが各省庁ごとにあるのは本当はどうあるべきなのかというところまで踏み込まざるを得ない問題であるし、そういうことはやらねばならないなと言っているだけで済まされない時期に今来ているというふうに思うのですが、いろいろ申し上げましたけれ
ども、その辺含めて、御感想と御決意をひとつ。