○東(順)
委員 いずれも大変高く
評価されているという御答弁でございます。私も率直にそのことを実感いたしました。
実は、
日本の国内にいていろいろ見聞をする、テレビを見るあるいは新聞を読むという中から抱いていたイメージでもって私は
現地に行ったのですけれども、そのイメージをはるかに超えた大変な高い
評価でございました。
例えば、向こうのゴマのマシャコさんという市長にお会いしたときも、私は
最初外交辞令でそうおっしゃっていたのかと伺っていたのですけれども、随分自衛隊の活動を褒めるわけです。ところが、ずっと聞いているとこれは決して外交辞令ではない。本当にそのように実感をされている。
要するに
一つ一つ医療の問題から給水の問題からあるいは火山観測の問題から、具体的な例を挙げながら、私
たちは
日本の人道支援の活動でどれだけ感謝してもし切れません、このことだけは
日本に帰ってぜひとも
日本の国民の皆様に伝えてもらいたいということを三回も四回もおっしゃるのです。私は、これは絶対伝えなければいけないと思って、今この場をかりて実はこのことを報告させていただいておるのでございますけれども、確かに大変な高い
評価でございました。
そしてまた、やはりこれから先の
我が国の国際貢献はどうあるべきか、今基礎をつくっているんだ、だから私
たちの任務は大変大切なんだというような、自衛隊の皆さん、そういったことをしっかり背中に背負われて毎日献身的に活動なさっている。そういう高い使命感さえも私は実は実感をいたしました。
ずっと自衛隊の車両で、ゴマ市内あるいはキブンバあるいはムグンガ・キャンプに私
たちも行かせていただきましたけれども、道路の途中で、自衛隊の活動に対する信頼といいますか親愛といいますか、あるいは感謝といいますか、そういうもろもろの感情を込めて、市民の皆さんが手を振ったり
子供たちが手を振ったりする。それに対して運転をしている自衛官の人が一々手を挙げてほほ笑み返して対応している。そういう何げない、さりげないしぐさの中にも、大変な使命感で今回の任務に当たられているなというようなことを実感をいたしました。
こんなことを言い出すと切りがないぐらいにたくさんございます。例えば、自衛隊が全然知らない、及ばないところで外国のNGOの車が勝手に車両のサイドに、ドアに日の丸を張って走っている。何であんなことをやっているのか、いや日の丸を張っていると大変安心感を覚えられるし、高い
評価を受けるのだから多分張っているのでしょうなどという話がありましたけれども、そんなことが起こるぐらいに実は
現地では大変高い
評価なのです。
同時に、私は覚えたことがございます。それは、当初、
日本を出発するときに
医療だ、あるいは給水だ、あるいは防疫だ、あるいは輸送だ、こういう任務に限定して人道支援上の活動をやっている、このように思いながら行ったけれども、
現地に行くとやはりなかなかそういう立て分けは実際問題として難しい。純粋にそれだけをやるということにはやはりなかなかいけない。
とりわけ外国の軍隊がもう引き払っていますから、
現地にいる軍隊というのは自衛隊と
現地のザイールの正規兵、正規軍だけでございます。それで、ザイールの正規兵は、正規軍は給料遅配とかいろいろなことでなかなか士気あるいは規律というものでやはり問題があるというようなことで、必然的に
現地の自衛隊を受け入れる感じというのは治安維持というものに、やはりどうしても意識的にそういう期待というのが込められるわけですね。だから、自衛隊が
現地に存在することそれ自体で既に
現地の治安維持に寄与しているという現実、それから同時に、自衛隊の存在そのものが市民の精神安定のよりどころというか、そういうものにどうしてもなってしまうということ、このことを私は大変実感をいたしました。
したがって、これから
我が国がこういうケースで自衛隊が出ていったときに、やはりその辺のところも神経を使って、いやが応にも
現地としてはこういうふうに迎えられてしまうのだということを前提とした上で、それに対してどう対応していくかというところまで細かく実施要領みたいなものを策定していかなければ、その分、
現地の実際任務に当たっている隊長以下、自衛隊の部隊の幹部の人
たちなんかは随分苦しい思いをすることになるということを実感した。そのために、私はどのくらい想定されて行かれましたかということを
一番
最初に聞いたのです。それはそういう意味でございます。
したがって、一緒に行ったその視察団のメンバーも言っておりましたけれども、
現地で新聞記者に聞いたら、自衛隊が給水や
医療を直接やっているということは知っている人もいるけれども知らない人もいる、だけれども大
部分の人は治安維持のために来ているというふうに、市民の人はもうそう思い込んでしまっている、こういうことを
現地で新聞記者の人
たちが語っておったそうですけれども、そうでしょうなというふうに実感として私はそのように思いました。したがって、これは後にまた触れますけれども、こういったところまでやはりこれから細かく
配慮をしていかなければいけない。そういう意味で、現時点までの総括と今後の課題というところを実は今お伺いしたわけでございます。
そこで、
外務大臣、今私の報告を受けられまして、そういったことに対してどのような実感をお持ちか、もう一度御答弁いただけますか。