○
国務大臣(
村山富市君) 温かい激励を込めた
質問をいただきました。ますます
責任の重大さを感じながら拝聴させていただきました。
逐次
質問にお答えしたいと
思います。
まず、今回の三党
連立村山政権誕生の意義についての
お尋ねでございます。
歴史の大きな転換期にあって今求められているのは、先ほども申し上げましたように、
イデオロギーの論争ではなく、
改革を目指して
国民の多様な意見を反映しつつ
政策の実行が確保される「安心できる
政治」であります。
このたびの
内閣は、これまで別の道を歩んできた三党が、互いに自己変革を遂げる強い
決意のもとに、いわゆる五五年
体制に終止符を打ち、
現実に即した
改革を
推進しようとするものであります。私は、この
内閣の誕生の歴史的意義にこたえていくために、懸命の
努力を払っていく
決意でございます。
私が掲げました「人にやさしい
政治」、「優しい国」についての
お尋ねがございました。
これは、
所信表明演説でも申し上げましたが、額に汗して働く人々や地道に生活している人々がいかに平和に安心して豊かな暮らしを送ることができるかを発想の中心に置く
政治や国のあり方を申し上げたものでございます。私は、常に庶民の目の高さ、
生活者の気持ちを
基本としつつ、そこから求められる
政策の実現に邁進してまいる所存でございます。
政治の手法についての
お尋ねがございました。
私は、
国民とともに
我が国の
政治の進路を
考えるとの
姿勢で、党派を超えてさまざまな意見に耳を傾け、
国民の目の前に開かれた形で論議を尽くし
合意を求めるという、民主
政治の
基本を大事にしていきたいと
考えています。このため、この一年間の
連立政権の経験と反省に立って、闊達な
政策論議が行われるよう民主的かつ透明度の高い
政治運営を心がけていきたいと
考えています。
次に、
連立各党の
政策調整と
内閣としての施政
方針の整合性について
お尋ねがございました。
ただいまも申し上げましたとおり、私は民主的かつ透明な
政治運営を徹底してまいる
考えであります。これによって、
連立各党の間で虚心に話し合い、十分な意見交換や
政策調整が行われることを
期待いたしております。その上に立って、
内閣として
責任を持って
政策を実行に移していけるような
体制を築いていきたいと
考えています。また、
現実にそのような
体制ができつつあることを心強く思っている次第であります。
次に、いわゆる官僚主導及び
政治家と官僚との関係についての
お尋ねがございました。
政治家は、
国民の負託を受け、国全体の進むべき方向と
政策について最終的な
責任を負っております。また、官僚ないし行政機構は、専門的な知識と経験を生かして行政を遂行する
機能を担っております。このような
役割分担をそれぞれが的確に
認識し、よい
意味での緊張関係と協力関係を保ちながら、ともに
国家、
国民のために奉仕していくことが望ましいあり方であると
考えています。
なお、官邸
機能の
強化につきましては、縦割り行政の弊害是正の観点を踏まえ、
現実に即した検討を進め、その実を上げてまいりたいと存じます。
次に、次回の総
選挙について
お尋ねがございました。
衆議院議員選挙制度改革については既に関係法律を
成立させていただいているところでございますが、このため、次回総
選挙が新
制度のもとで実施できるよう最善の
努力を尽くしてまいりたいと
考えています。
私は、
内外に
課題の山積する中、一刻たりとも
政治的空白は許されず、懸命の
努力を傾けることこそがこの
内閣の使命であると
考えております。したがって、現時点で解散・総
選挙については全く念頭にございません。
次に、
政治腐敗防止対策についての
お尋ねがございました。
先般
成立をいたしました公職
選挙法及び
政治資金規正法の
改正法では、連座制の
強化や
公民権停止などの制裁
強化措置等が盛り込まれており、
腐敗防止に相当な効果が上げられるものと
期待しております。また、
政治改革四
法案の
国会審議においても、
腐敗防止等のさらなる
強化等について御指摘があったところでございます。
政府としては、これらの
課題について、各党間の論議の動向を踏まえながら積極的に
腐敗防止について取り組みたいと
考えております。
次に、
政党法の
制定についての
お尋ねでございますが、議会制民主主義の主要な担い手である
政党がその
期待される
役割を十二分に果たしていくためには、何よりもまず
政治活動の自由が最大限尊重されなければならず、
政党に対して制約を及ぼす可能性のある事柄については慎重な対応が必要であると
思います。
なお、
政党に
法人格を与える問題につきましては、当時の
連立与党と自由民主党との間で設けられた
政治改革協議会の協議結果では、「
政党交付金の交付を受けることができる
政党は、
法人格を有すべきであるとの自由民主党の意見に留意し、今後
連立与党と自由民主党との間において協議を行い、
衆議院議員の
選挙区を定める法律案の
国会提出までに結論を得るものとする。」とされていると承知いたしております。今後、各党間で十分御協議をいただきたいと
考えています。
次に、
日米首脳会談の意義と成果についての御
質問であります。
私は、第一に、首脳及び主要閣僚間の
信頼関係を深め、こうした基盤の上に日米両国の協力関係をさらに
強化する
決意を確認したこと。第二に、新
内閣の
基本方針及び
外交・安全保障
政策の継続性について米側の理解を得、
北朝鮮の核開発問題等の主要な
外交課題に関する緊密な
政策協調の堅持を確認してまいりました。第三に、
世界経済の発展と日米
経済関係の円滑な運営に向けた協調を再確認するとともに、内需主導型の
経済運営、規制緩和の
推進といった
我が国の
経済政策の
基本方針について十分時間をかけて説明し、米側の理解を深めたことなど、新
政権の
発足後初の
日米首脳会談として所期の成果を上げることができたと
考え
ております。
今後の日米
経済関係についてどのように打開していくかとの御
質問でございますが、日米包括
経済協議が日米
経済関係を処理する主要な手段である点について、日米間で意見の
一致がございます。五月の協議再開以来、優先分野の交渉において着実な進展が見られており、できるだけ早期の
合意に向け日米双方が
努力をしてまいる
考えでございます。
なお、包括協議を打開に導く一層の内需拡大、規制緩和を進めるべきとの御指摘でございますが、
我が国としては、引き続き内需を中心とした持続的成長の確保に努めるとともに、規制緩和を初めとする国内
経済改革を強力に実施してまいる所存でございます。
次に、
日米安保体制についての
お尋ねがございました。
冷戦の終結後も
国際社会は依然不安定要因を内包している中で、
我が国が引き続き安全を確保していくためには
日米安保条約が必要であると
考えております。新
政権のもとにおいても
日米安保体制の意義と重要性を
認識しており、先般の
ナポリ・
サミットにおける
日米首脳会談では、私から、かかる
認識を踏まえて
日米安保体制を引き続き堅持していく旨をクリントン大統領に表明した次第でございます。
自衛隊について、その
憲法上の位置づけについての
考え方について
お尋ねがございました。
先ほどもお答え申し上げましたが、私としては、
専守防衛に徹し
自衛のための
必要最小限度の
実力組織である
自衛隊は、
憲法の認めるものであると
認識するものであります。同時に、
日本国憲法の
精神と
理念の実現ができる
世界を目指し、
国際情勢の
変化を踏まえながら、
国際協調体制の
確立と軍縮の
推進を図りつつ、
国際社会において名誉ある地位を占めることができるようにこれからも全力を傾けてまいる所存であります。
本来、
国家にとって最も
基本的な問題である防衛問題について
主要政党間で大きな意見の相違があったことは、好ましいことではございません。戦後、
社会党は
平和憲法の
精神を具体化するための粘り強い
努力を続け、
国民の間に
文民統制、
専守防衛、
徴兵制の不採用、
自衛隊の
海外派兵の
禁止、
集団的自衛権の不
行使、
非核三
原則の
遵守、核・化学・
生物兵器など
大量破壊兵器の不保持、
武器輸出の
禁止などの
原則を
確立しながら、
必要最小限の
自衛力の
存在を容認するという穏健でバランスのとれた
国民意識を形成し得たものと
考えています。
国際的には
冷戦構造が崩壊し、国内的にも大きな
政治変革が起きておる今日においてこそ、こうした歴史と
現実認識のもと、
世界第二位の
経済力を持った
平和憲法国家日本が将来どのようにして国際平和の
維持に貢献し、あわせてどのようにして
自国の安全を図るかという点で、よりよい具体的な
政策を提示し合う
未来志向の発想が最も求められているときではないかと
考えています。
社会党においても、こうした
認識を踏まえて、新しい
時代の
変化に対応する
合意が図られるものと
期待いたしておるところでございます。
次に、
ナポリ・
サミットの
評価について
お尋ねがございました。
今次
サミットは、将来に向けて新たな展望と国際的な
政策課題を示した重要かつ建設的な会合であったと
思います。特に、
経済問題に関しましては、主要議題である「雇用と成長」に関し現在の
世界経済の回復基調を持続していくことの重要性を
認識したことなど、有意義な成果と
評価できると
思います。
次に、
円高防止策について
サミットで具体策を欠いたとの御指摘でございますが、さきの
ナポリ・
サミットに先立つ
日米首脳会談では、私から、新
政権は減税の継続を含む
税制改革、
公共投資計画の大幅な見直し及び市場開放措置を含む新たな規制緩和を行っていくことを表明いたしましたが、
サミットにおいてもこれらの点について各国から
評価をいただいたところであると
考えています。
こうした中で、最近の為替相場の動向について首脳同士及び蔵相レベルで
議論が行われ、その結果、最近の為替レートの
動きは我々の
経済の
基本的条件と整合的でなく、米ドルの一層の低下は望ましくないし、かつ正当化されないとの共通の
認識が各国の間で
一致を見たところでございます。
為替相場はファンダメンタルズを反映すべきであって、過度の変動が望ましくないとの点についてはG7の共通の
認識となっているところでございます。今回の
サミットにおいて、最近の米ドルの一層の低下は望ましくなく、かつ正当化されないという点でG7の
認識が
一致したことは、重要であると
考えています。
我が国としてもこうした点を踏まえ、関係各国と緊密に連絡をとりながら為替相場の安定を図っていきたいと
考えているところでございます。
次に、
北方領土に関する今後の対応ぶりについての
お尋ねがございました。
先般、
ナポリ・
サミットの際、
エリツィン大統領の参加を得てG7首脳との間で国際
政治問題について建設的な意見交換を行ったことは
評価できると思っています。領土問題との関係につきましては、同会合におきまして、私から、法と正義に基づく
外交を実践する必要性とともに、東京
宣言に基づき日ロ関係を完全に正常化することの重要性につき改めて強調してまいったところでございます。
政府としては、今後とも日ロ間の
政治対話を一層加速し、東京
宣言を基礎として領土問題解決のための
努力を積み重ねてまいる所存でございます。
次に、今後の
北朝鮮情勢についての
お尋ねがございました。
北朝鮮の情勢は、
金正日後継体制に向けて動いていると
考えております。今後とも事態の推移を慎重に見守っていきたいと
考えているところでございます。
我が国としては、今後とも
米国、韓国、中国等の関係国と緊密に連絡を保ちながら、
北朝鮮の核兵器開発問題の解決を含め、朝鮮半島の平和と安定のための
努力を一層進めてまいりたいと
考えているところでございます。
北朝鮮の
核開発疑惑に対する
我が国の対応
方針についての
お尋ねでございますが、
我が国としては、米朝協議、
南北首脳会談への
動きなど、本件問題を対話と協議により解決する
動きが見られたことを歓迎するものでございます。
今後の米朝協議及び南北対話を通じ、核兵器開発に対する
国際社会の懸念を払拭することを
期待しており、そのために、
我が国としても、今後とも関係国と連携しつつ、
北朝鮮の前向きな対応を促すべく最善の
努力を尽くしてまいりたいと
考えているところでございます。
国連を中心とする制裁が行われる場合の対処
方針についての
お尋ねでございました。
現に関係諸国が協力して対話による解決を目指した
努力が行われているところでございまして、このような時点で、この
質問のような点について
政府として公の場で
議論することは適当でないと
考えています。
なお、先ほども申し上げましたが、一般論として申し上げれば、安保理で何らかの措置が決定される場合には
我が国としても
憲法の範囲内で
責任ある対応をとるべきだと
考えておるところでございます。
次に、
北朝鮮の核開発問題に関する危機管理の問題についての
お尋ねでございました。
北朝鮮の核兵器開発問題は、
我が国の安全保障上の重大な懸念であるのみならず、核不拡散
体制や
国際社会の安全保障にかかわる重大な問題であると
認識をいたしております。一般論として、
我が国にとっての重大緊急事態が発生した場合には
政府が一体となってこれに対処する
方針としております。
なお、
北朝鮮問題については、従来から
政府において関係
省庁間で情報交換等を行っているほか、各
省庁においてもそれぞれの立場からそれぞれの所掌事務の範囲内において必要な検討を行っておるところでございます。仮に重大緊急事態が発生するような事態になれば、
政府としてもこれに対処するために万全の対策をとるべく
考えておるところでございます。
次に、安保理の
常任理事国入りについての
お尋ねでございます。
常任理事国になることに別に消極的になっているわけではございません。この問題は、
国際社会の
支持と
国民的理解を踏まえて取り組んでまいりたいと
考えているところでございます。
我が国の
PKO活動についての
お尋ねがございました。
国連を中心とした
国際社会の平和と安全を求める
努力に対し、
資金面だけではなく人的な面でも貢献を行うことは当然のことと
考えております。今後とも
国連平和
維持活動に対する協力につきましては、あくまでも
憲法の枠内で国際平和協力法に基づき積極的に行っていく所存でございます。
また、国際平和協力法の見直し及び凍結解除についての
お尋ねがございましたが、いわゆる平和
維持隊本体業務の凍結解除を含めた国際平和協力法の見直しの問題につきましては、現段階では同法による協力の実績を積み重ねていくことが重要であると
認識をいたしております。見直しを行うに当たっては、これまでのカンボジア、モザンビーク等への派遣の貴重な経験も踏まえた上で検討する必要があると
考えております。
次に、景気の現状についての
お尋ねがございました。
我が国の
経済は
調整過程にあり、総じて低迷が続いておりますが、個人
消費の持ち直しゃ企業収益の下げどまりの兆しなど、このところ明るい
動きが次第に広がっております。他方、最近の為替相場の
動きなど、懸念すべき要因も見られます。
このため
政府としては、引き続き内需を中心とした持続的成長の確保に努めるとともに、規制緩和策を初めとする国内
経済改革を強力に実施してまいる所存でございます。こうしたことにより、
政府投資は高い伸びとなり、住宅投資も堅調に推移するものと見込まれ、これが国内需要全体に波及していくものと
考えているところでございます。
また、既に実施段階に入った大規模な所得減税が個人
消費を刺激し、民間部門のマインドを好転させるものと
期待されております。
以上のような
動きの中で、設備投資も回復に向かうものと
考えられ、
我が国経済は六年度中に本格的な回復軌道に乗り、六年度の実質
経済成長率は
政府経済見通しを達成する可能性があると
考えているところでございます。
また、
円高の要因及びその対策についての
お尋ねがございましたが、
ナポリ・
サミットにおいて各国の間で共通の
認識が
確立されましたように、
我が国としても、最近の為替レートの
動きは
経済の
基本的条件と整合的ではなく、米ドルの一層の低下は望ましくないし、かつ正当化されないという
認識を持っているところでございます。
為替相場が思惑等により短期間のうちに大きく変動することや不安定な
動きを示すことは好ましいことではございません。このような場合には、関係各国と緊密に連絡をとりつつ適宜適切に対処し、為替相場の安定を図ってまいりたいと
考えているところでございます。
次に、内需拡大対策、特に
公共投資の積み増しについての
お尋ねがございましたが、
公共投資基本計画につきましては、今後二十一世紀に向け、
生活者重視の視点に立って、
税制改革の具体的な検討作業を踏まえつつ、その配分の再検討と積み増しを含めた見直しを今鋭意進めている段階にございます。
次に、
景気対策についての
お尋ねでございますが、
政府としては、
我が国経済を本格的な景気回復軌道に乗せ、今後の新たな発展の基礎を築くべく
経済運営を進めてまいる所存でございます。
このため、
経済及び為替の動向に細心の注意を払いながら、大規模な所得減税等を含む本年二月の総合
経済対策を引き続き着実に実施するとともに、
平成六年度
予算の円滑かつ着実な執行を進め、引き続き内需を中心とした持続的成長の確保に努めてまいる所存でございます。さらに、規制緩和を初めとする国内
経済改革の
方針を強力に実施してまいる所存でございます。
七年度
予算編成についての
お尋ねがございました。
我が国財政につきましては、公債残高が六年度末にはついに二百兆円を超える見込みであるなど、構造的にますます厳しさを増しています。
七年度の
予算編成に当たりましては、このような一段と深刻さを増している
我が国財政をめぐる状況を踏まえ、引き続き健全な財政運営を確保し、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくという
基本的方向に沿って一層の
努力を払っていく一方、限られた
資金の枠内で、
生活者重視の視点に立って重点的かつ効率的な配分に努めてまいる所存でございます。
次に、公共事業のシェアの見直しについての
お尋ねでございます。
社会資本の
整備についてはこれまでもその着実な
推進に努めてきたところでございますが、
高齢化社会が本格化する二十一世紀を間近に控えまして、重点的かつ効率的な投資を行う必要があると
考えているところでございます。このような観点から、今後とも、
社会経済情勢の
変化や
国民のニーズを踏まえつつ、
国民生活の質の向上に資する分野に引き続き重点投資をしていくことが重要であると
考えているところでございます。
次に、
概算要求についての御
質問でございますが、
平成七年度の
概算要求基準につきましては、今後検討を行っていくものであり、現段階で具体的なことを申し上げることは差し控えたいと
考えます。いずれにせよ、現下の一段と深刻さを増した財政状況等を踏まえ、今後慎重に検討してまいる所存でございます。
次に、行財政のリストラの
決意についての
お尋ねでございます。
行財政改革は、
税制改革のいかんにかかわらず、
社会経済情勢の
変化等に対応して、簡素にして効率的な行政の実現を目指して不断に進めていくべき国政上の重要
課題の
一つであると
認識をいたしております。
このため、御指摘の行政組織の
改革、合理化を初め、規制緩和、地方分権、行政情報公開、特殊法人等の
改革、合理化など各般の
改革課題について積極的に取り組み、実りある成果をおさめるべく
努力を払ってまいる
決意でございます。
また、現下一段と深刻さを増した財政事情のもと、今後とも、あらゆる経費について
制度の根本的な問題にまでさかのぼった見直しゃ施策の優先順位を厳しく
選択を行うなど徹底した洗い直しに取り組み、財政
改革を強力に
推進してまいりたいと
考えているところでございます。
今後、どのような
方針でいつごろまで
税制改革を取りまとめるのかという
お尋ねでございます。
税制改革を進めていくに当たりましては、景気の観点から増減税の実施時期に一定期間を置くものの、
税制改革は増減税全体について論議を進め、成案を取りまとめるべく
努力をいたしているところでございます。
いずれにいたしましても、
税制改革につきましては、
所信表明演説にございましたように、活力ある豊かな福祉
社会の実現を目指し、国、地方を通じ厳しい状況にある財政の体質の改善に配慮しながら、所得・資産・
消費のバランスのとれた税体系を構築することが重要な
課題であると
考えております。
このため、
行財政改革の
推進や税負担の公平確保に努めるとともに、
平成七年度以降の減税を含む
税制改革について総合的な
改革の論議を進め、
国民の理解を求めながら年内の
税制改革の実現に一層
努力をしてまいる所存でございます。
規制緩和
推進計画についての
お尋ねがございましたが、本年二月の行政
改革大綱に基づき本年度内に策定することとしておりますが、先般閣議決定いたしました規制緩和
推進要綱において見直しを
推進するための
基本指針を定めるなど、所要の検討作業に取りかかっているところでございます。
計画の内容につきましては、今後五年間にわたって各
省庁所管の規制の見直しの基礎となることから、
政府部内において今後十分検討しながら策定に
努力をしてまいる所存でございます。
次に、規制緩和の実施には強力な
政治力が必要との御指摘でございますが、規制緩和の
推進に当たりましては、
政治のリーダーシップは欠かせないものであり、
内閣を挙げて積極的に取り組んでいく必要があると
考えております。今後、五年間を期間とする規制緩和
推進計画を策定し、一層の規制緩和を実施していくに当たって、この
決意で進めてまいりたいと
考えているところでございます。
省庁の統廃合、地方出先機関の整理等について
お尋ねがございました。
行政組織は、
変化への対応力に富み、総合性及び整合性が確保され、簡素にして効率的であることが必要であります。この観点から、
省庁再編や地方支分部局の整理合理化も聖域ではないのでございます。
中央
省庁の再編については、第三次行政
改革審議会において中長期的視点に立って審議が行われ、最終答申の中で将来の大くくり
省庁体制のイメージが例示されたところであり、全般的な再編策について具体的な結論を得るには至らなかったと承知をいたしております。今後、
社会経済情勢の
変化を踏まえ、規制緩和、地方分権を
推進しながら、
基本的に中長期的な観点から検討していく
課題であると
認識をいたし.ております。 .
また、地方支分部局の整理合理化につきましては、臨調答申の指摘に沿って、ブロック機関の廃止、府県単位機関の縮小改組等を実施してきたところでございます。今後とも
社会経済情勢の
変化等を踏まえ、その
改革、合理化を検討してまいる所存でございます。
次に、地方分権
推進基本法についての
お尋ねがございましたが、二月に閣議決定いたしました「今後における行政
改革の
推進方策について」に基づきまして、地方分権
推進の
基本理念や取り組むべき
課題と手順を明らかにした大綱
方針を年内に策定し、これに基づいて速やかに地方分権
推進に関する
基本的な法律の
制定を目指したいと
考えています。現在、行政
改革推進本部に設置されました地方分権部会において大綱
方針の骨格を検討してもらっているところでございます。
いずれにいたしましても、地方分権の
推進は何としてもなし遂げなければならない
課題であると
考えています。住民に身近な問題は身近な地方公共団体が担っていくということを
基本として、二十一世紀に向けた
時代にふさわしい地方自治を
確立するため、私としても具体的な成果を上げるべく強い
決意でこれに取り組んでいく所存でございます。
次に、
世界貿易機関の
国会承認に向けた
方針についての
お尋ねがございました。
同協定は、現時点では来年一月一日に発効することとなる見込みでございます。
我が国としても、来年一月一日の発効に向け、早急に協定及び
関連法案を
国会に提出をし、年内に
成立を図る所存でございます。
次に、ウルグアイ・ラウンド
合意を踏まえた農業、農村の振興のための
予算措置、
制度改正への対処についての
お尋ねがございました。
ラウンドの農業協定の実施に伴う農業施策につきましては、その影響を
最小限度に食いとめ、二十一世紀に向けた農業構造の早期実現を図ることが肝要だと
考えています。このため、昨年暮れに
閣議了解された
基本方針に沿いまして、農政審議会において御
議論をいただいているところでございます。これらの
議論を踏まえながら、今後、緊急農業農村対策本部において検討の上、対策に必要な
予算や
制度の問題も含め、所要の措置を総合的かつ的確に措置を講じて万全を期する
決意でございますことを申し上げておきたいと
思います。
次に、
国民に対する
責任の所在を明らかにする責務についての私の
決意についての
お尋ねがございました。
このたびの
政権がより
国民の意見を反映しより安定した
政権を目指していくためには、御指摘のとおり、
政策決定の
仕組みを透明化、明確化し、
国民に
責任の所在を明らかにしていくことがぜひとも必要であります。私といたしましては、一年間の
連立政権の経験と反省に立って、
国民の
信頼と
期待を裏切ることのないよう、断固たる
決意で
国民にわかりやすい
政治を心がけてまいる所存でございます。
残余の
質問につきましては、
関係大臣から
答弁をさせます。(
拍手)
〔
国務大臣河野洋平君
登壇、
拍手〕