○稲村稔夫君 難しい問題を短い時間で伺おうとするともう時間がたちまち過ぎてしまうということで、御
答弁も私
どもから見れば言いわけになっている部分もかなりあるように思えてなりません。そこで、時間ももうありませんから、私は自分の
意見をかなり言いながら、簡単な御
答弁をいただきたいというふうに思います。
それは、要するに税収見積もりに大きな狂いが生じたというのは、
経済界もどこもというふうに言われればそれまでのような気がいたしますけれ
ども、しかし、科学的に後を振り返ってみればいろいろとその当時気がつかなきゃならない問題点がいっぱいあったはずなんです。そういう問題点をちゃんと踏まえて、次の予算編成のときの税収見積もりについてきちんとしておかなきゃならぬということになるんですよ。ですから、三年続いて大きい差が出てくるというのは、これはやっぱり
大蔵省の見積もり方に問題があると僕は思うんです。そこの点はきちっと
反省してもらわなきゃいけない。
特に、
政府の
経済見通し、
経済企画庁がやられる
経済見通しをにらみながら税収の計算もされるということです。ところが、その
経済見通しそのものには
大蔵省も参加するわけでしょう、それを最終的に確認するには。そういたしますと、私は、税収見積もりと同時に、そういう
日本の
経済全体の流れを見ていく上でも
大蔵省も
一つ大きな責任を持っている、責任があったというふうに思うんです。
ですから、一年だけだったら、見込み違いでした、こういう理由がいろいろとありましたから間違いでしたということが、それは言いわけではない、事実として仕方がなかったのかなというふうにもなりますけれ
ども、三年も続いてくれば、これは見込み違いでした、やむを得なかったことですというふうに簡単には私
どもは言えないと思うんですよ。
特に、今は空洞化などと言われて海外にどんどんと企業が出ていっている
時代でしょう。そうした企業が出ていくこと自身も、随分いろいろと税収とのかかわりというのは出てくるわけです。空洞化というのはそういうものを伴ってくるわけでしょう。
日本経済全体が沈んでいくということにもなるんです。それはもう三年も四年も前から既にそういう海外への企業の逃避というか進出という形で、
言葉をよく言えば進出、悪く言えば逃避ですね、そういうような形のものがどんどんと起こっているわけでしょう。
そういうものも含めて、今後の対策、例えば法人税なら法人税の
あり方についての検討くらいはもう本来であればやっていなきゃならない問題じゃないかというふうに思うんです。それらのことが十分に検討をされてこなかったんではないだろうか、だからこういう結果になっているんじゃないか。
今後、各
省庁からの要求も
国民の要求も大きいから予算は膨らませなきゃならないなどということで、それで政治的判断が中にかなり加味された形で税収計算をやるということをやっていったら、なかなか収拾がつかなくなってくるんじゃないかなということも心配をいたします。
もう時間が三分しかなくなりましたから、ここのところは今後の問題になってまいりますから、私の
意見をいろいろ今申し上げました、
基本的な
考え方を。今のようなことが起こることは決していいことじゃないですね、見積もりと実績との乖離が大きいというのは。これからこれをどういうふうに克服をしていかれるつもりか、
大蔵省としての今後の行き方について
大臣のお
考えがあればお聞かせいただきたい。