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国務大臣(
鳩山邦夫君)
先生御
指摘のとおり、
雇用支援トータルプログラムがいわば
総合経済対策と一体となって、また今後間もなく成立するであろう
平成六年度
予算とセットになった緊急の
対策でございます。
その
中身は、御
承知かと思いますが、
雇用調整助成金の
拡充というような形でなるべく解雇が起きないようにできる限り
雇用が継続されるような
施策をとっておりますし、
特定求職者雇用開発助成金というもの、これは従来五十五歳からの適用であったものを四十五歳まで
年齢を引き下げたということでございますから、四十五歳になって離職をした人の再
就職の
促進のためにそのような
手だてを講じております。
いわば
地域的に非常に
景気や
経済が落ち込んでしまっているところに、その
地域に新たに
雇用を生み出すような
産業が
進出した場合に、これは
正式名称は
地域雇用開発関連助成制度という名前になっておりますが、それこそさまざまな
雇用機会ができますようにさまざまな御
援助を申し上げる、いわば引っ越しの代金まで面倒を見るというような、そういうような
仕組みもつくっているわけでございます。
実際こういうような
制度がどれくらいの
効果を持っているのか。例えば
雇用支援トータルプログラムで、大体百万人ぐらいの
方々に影響が出ている、何らかの面倒を見させていただいている。面倒を見させていただいているといっても、もともとこれはほとんどが
雇用保険法の
積立金からくることでございますが、そういうふうに思うわけです。
じゃ、どの
程度効果が上がっているのかというふうに言われますと、これは前にも申し上げたのですが、捕まったとか捕まらないとか言われていますが、例えば
野菜スープを半年間飲み続けて
効果があったかどうか。それは非常に重病だった人が
野菜スープを飲み続けてぴんぴんしたならこれは間違いなく
効果があったということなんでしょうけれ
ども、普通の人が
野菜スープを飲み続けてさらに普通の
状態であった。これを、もし飲んでいなかったらばてていたところが、飲んでいたから普通に暮らせていたということもあり得るわけで、こういうものの
効果の判定は非常に難しいのでございます。
ですから、あえて申し上げれば、例えば
有効求人倍率が〇・六六、
失業率二・八という
数字が現在維持されておりまして、これは〇・六六も二・八も決していい
数字ではない。これは今の
雇用状況の厳しさを反映する
数字なんですけれ
ども、もし
雇用支援トータルプログラムというものがなかったとして、
総合経済対策というものがなかったとして、
雇用調整助成金の
拡充もなかった、
特定求職者雇用開発助成金の
拡充もしなかったという場合には、ひょっとしたら例えば
有効求人倍率がもっと下がって〇・五ぐらいになっていたんじゃないか、
失業率が三%台に乗っておったんではないかというふうに私は
考えているわけでございます。
それから、
新規学卒者の点につきましては、これも
柳川先生御
専門でございますが、ちょっと古い話ばかりして申しわけありませんが、私
文部大臣になりました初日に受けた
レクは、今何歳の
人間は何人いるという、これが
文部省が私にいたした最初の
レクです。今のゼロ歳は何人、一歳は何人。ことし二十になっているぐらいの
方たちが一番多いですね、二百万とか二百五万という世代が、
年齢階層があるわけですが、これは一気に
少子化傾向をたどってまいります。
そういうことになると、いわゆる
若年労働力、現在は多いです。今は卒業してくる
子供たちの数が多いからより
就職が大変ですが、これが一気に減り始めて、一歳に二百万いたところが百二十万とか百万というふうなオーダーに半減をしていくわけですから、将来のことを
考えると
若年労働力の確保というのは、それぞれの
企業にとって大変大きな
課題になるだろう。
雇用支援トータルプログラムが、人が余るか余らないかと言っているのは六、七年先のことでございますが、十五年先を
考えたら確実に人は、
景気とかなんとかじゃなくて、働く人の数が減るという、こういう問題になってくることは
柳川先生よく御
承知だろうと。そう思いますと、やはり今の若い
方々、高校を卒業していく、あるいは大学を卒業していく若いエネルギーというものを今のうちから各
企業が大切にしてもらえればなという気持ちでいっぱいでございます。
つまらない
数字がと思いますけれ
ども、人の
採用をふやすとか減らすというのは、いろんな
新聞等に
数字が出ておりますからあえて申し上げませんが、
学生職業センターというのを私
どもやっておりますが、ことしのやってくる
学生の数が前年に比べて六割増加をしておる、心配だからといって相談に来る。
数字を見ましたが、当然
女子学生が非常に多いということで、
女子がより厳しいということを反映しております。
私
どもといたしましては、ありとあらゆる
機会をとらえて財界の
方々に
お願いをしております。私の
お願いの仕方は、
企業の
社会的責任というのはいろいろある、それはメセナとかいろいろあるけれ
ども、
企業の
社会的責任の
一つとして、
景気の変動と
人事採用数の波というのが同じであってはいけないので、バブルだったらばんばん雇いましょう、
景気が悪くなったらもう知らないよと、こういうように吐き出すというようなやり方は、基本的に
企業の本当の
社会的責任を果たしているとは言えないのではないか。
むしろ、
景気が悪くなっても懸命に
雇用を継続する。そのために
雇用調整助成金という
制度もつくっているわけですし、あるいは今回の
雇用保険法の
改正の
雇用継続給付金だって、要するにずっと
企業とその
社員が
関係を持ち続けるためのこれを
援助する
仕組みでございます。ですから私は、
企業というものには今後ともに、何も
日本型の
雇用慣行が一〇〇%正しいと私は申し上げているわけじゃないけれ
ども、これを軸にして、
勤労者、
労働者の安定した
生活を図ってもらいたい。そのために
企業は
責任がありますと、こういうことを申し上げているわけでございます。
来月から
主要都道府県において、特別の場所を設定しまして、ありとあらゆる
求人情報等を集めてそれを一気に公開して説明するというそういう会を計画しております。また、いずれ
主要都道府県においては、大規模なお
見合い会、
集団結婚式ではないんですけれ
ども、いわゆる
企業側と
学生側とでお
見合いというか、引き合わせをして
就職が決まっていくというような
面接会もやっていこう、こう思っております。