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楢崎泰昌君
国会でもこの問題は昨年の十二月十五日に服部議員が
質問したのを皮切りに、
衆議院においてもいろんな方が
答弁をされています。また、
先ほど午前中の
清水委員の
質問に対しても、私は関係ないんだということを御
答弁になっております。要約すると、
細川さんは、NTTの株式
購入について関与したのは株式の
資金借り入れの
担保を提供したということであって、NTTの株式の
購入は
上田正平氏の行為である、
秘書の
深山氏が関与したと言われているけれども、実は
深山さんが勝手にやったんだと、そういう表現はお使いになりませんけれども、そういうような
お話をなさっておられるわけです。
ここで、大変申しわけないんですけれども、NTT
疑惑というのは相当
報道されているんですけれども、実は株式に絡んだ
経済行為でございますので、なかなかわかりにくいところがございます。
先ほどから同僚議員が申し上げている一億円
借り入れ問題というのは、一億円借りたけれども返した返さなかったんじゃないかというので、割合にわかりやすいんですけれども、どうもNTTの株式の話というのは、
先ほど与党の
委員あるいは私ども野党の議員にNTTの問題というのはどういうのかよくわかってるのと伺いましたところが、なかなかよくわかっていませんので、若干時間をおかりして、NTT問題についての概要をまず申し上げさせていただくことをお許し願いたいというふうに思います。
NTTというのは、もちろんのこと昔の電電公社でございまして、これは従来国営であったものが民営に切りかわったわけでございますね。民営に切りかわったというのは株式会社になったということで、その株式の大部分は国が保有しているんですけれども、その一部を民間に一般的に売り出すということで、昭和六十一年の十月に
最初の売り出しを行った。そのときの一番
最初の売り出しは二十万株でございますが、現在においては五百数十万株の株式を五回ぐらいで売り出しまして、いろいろ庶民の方が買っておられる株式でございます。(「損をした」と呼ぶ者あり)今、損をしたという
お話がありましたが、途中暴騰をしたんですけれども、また暴落をいたしまして、庶民の中からはこんなにひどい株はないといってぼろくそに言われた株でございます。しかし、一番
最初のときは大変人気がよくて、こんな株はぜひ一株でも買いたいということで抽せんによってやられたことを、きょうはテレビで放映されていますから全国の皆さん聞いておられると思いますけれども、その思いをしておられる方が随分おられると思うんです。
その株式でございますが、その株式を、実は
上田正平さん、すなわち
細川総理の奥様のお父様、義理のお父様でございますが、その方が三百株落札をしているんです。当時はNTTの評判が高くてなかなか買えないということで、そのときの倍率は五・八倍だったそうでございます。その中で大変うらやましくも三百株買ったと。
上田正平とおっしゃるお父様は、従来株式の経験が恐らくなかったんじゃないかというぐあいに思いますけれども、よくも大胆に三百株もお買いになったなということで詳しく調べていってみると、実は
お金をある金融会社から借りたんですけれども、実はその
担保は
細川さんが前の一億円
疑惑で問題になっている元麻布の
マンションを
担保に入れて
お金をお借りになったということがわかってまいりました。また同時に、
総理は資産公開をなさっておられます。これは御
自分の資産だけでなくて、奥様の資産も同時に公開をなさっておられるわけですね。その中に百一株というNTTの株が
細川さんの資産公開の中に載っていた。そういうことからいろいろな
疑惑の
解明が行われまして、実はこれは
上田正平氏本人の行為ではなくて
細川さん
自身の行為であったのではないか、こういうことが
疑惑として言われているわけでございます。
実は、この三百株についてはその後どういう経緯をとっているんであろうかといいますと——その前に、この三百株の株はどれぐらいの金額で、どれくらいの
資金調達をしたんだろうかということですが、これは
購入金額が大体四億二千万円かかっておるんです。その
資金は某
証券金融会社から貸し付けられたものですけれども、その某証券会社にこの四億二千万円の
担保として元麻布の
細川さんの
マンションが入っている。それで全部足りたのかというと、この
マンションの
担保価値は一億八千万円であったということで登記上記されています。
そうなってくると、あと足らないものがあるね、どういうぐあいにして借りたんだろうねというと、それはどうも
細川さんの信用力で借りたらしいということでございます。
そして、さらに申し上げますれば、それでは、この株を借りて買っただけじゃなくて、どういうぐあいに処理をされたかということですけれども、実は明くる年の二月及び三月に百九十九株が売り払われているんです。
これはどういう
事情で売られたのか、また後で詳しくお尋ねをしなきゃいけないわけですけれども、
先ほど申し上げたように、このときにはNTTの株が暴騰していたときで、百九十九株を売ったことによって約二億円の売買益を得ている。これは
調査で大体そういうぐあいな売買益を得ているんじゃないかと思います。そして、その売り払った
お金で
借金をお返しになりました。
先ほど某
証券金融会社から四億二千万借りたというぐあいに申し上げましたけれども、その四億二千万円をお返しになってなおかつ五千万円の利益と、現金ですね、利益の
残りと言ってもいいかもしれません、それと百一株の……(「何だ、百一株というのは」と呼ぶ者あり)後で申し上げます。それで、百一株の株が
残りました。
さて、それからどうなったか。百一株の株式は
名義上は
上田正平氏の
名義になっているんですが、
上田正平氏は、昨年の五月だと思いますが、お亡くなりになっておられます。その
相続財産として、
細川総理の奥様の財産として
相続をされている。(「おかしいよ。四人兄弟いるんだよ」と呼ぶ者あり)今、四人兄弟という
お話が出ましたけれども、四人兄弟おられるんですけれども、実は分割をなされないで全部
細川さんの財産になっちゃった。
それらの行為に、それらがあれなんですけれども、それが
細川さんの、けさほど仮に百歩譲ってというような
お話がございましたけれども、それらの行為に全部深く
深山さんが関与しておられるということがわかっているわけでございます。
どうも、全体として
細川さんの売買ではないかという証拠が満ち満ちておりまして、どうも
上田正平氏の売買ではなさそうだという証拠の方がはるかに多い、こういう問題が
NTT株式
購入疑惑の粗筋でございます。これは、
国民の方にというか、テレビを見ている方にこの粗筋を頭の中に入れていただきまして、また従来NTT
疑惑について十分な知識のなかった同僚議員もおられますので、しっかりと頭に置いてから聞いていただきたいと思うんです。
従来は、
コンサルタントA氏という形で
新聞あるいは雑誌に
報道されたんですけれども、御承知のように、昨日、
藤木周蔵氏が
衆議院において
記者会見をなさいまして、本
疑惑のポイントについて公開をされ
記者会見をなさいました。また、私も
藤木さんに直接お目にかかりまして詳細な
お話を承っております。
藤木さんのお人柄等々から見て、これは立派な方であって真実を語っているという確信を得ているところでございます。
そこで、皆さん御承知のように、
藤木さんは
会見その他を通じて一貫して、これは
細川さんの行為であると思っている、そのときもまた今もそう思っているということを言っておられますけれども、私は、この際この
藤木さんという方を、ともかくも
細川さんは全面的に否定されてさっぱりわからぬものですから、ここにいい人証があるわけですから、この方を
参考人として招致していただくように
委員長にお願いをいたします。