○深田肇君 さてそこで、実は先だってお話をいただく中で、ここに
資料があるのでありますが、
財団法人清心寮といいまして、私の住んでいる埼玉県の浦和市に新しい立派な建物ができ上がっていることを伺いまして、先日の土曜日、
職員の皆さんお休みかなと思いながら、私
どもの秘書には言葉の使い方をよく考えて、お休みのときに飛び込むんですから迷惑をかけちゃいけないからということを大変こちらは意識して、土曜日の午後一時からお邪魔をいたしてまいりました。そのときのことな
ども報告申し上げながら、
感じたことを率直に一、二申し上げてお尋ねしておきたいと思います。
建物そのものはもう文句ないですね。立派そのものですよ。後で伺えば、
全国にある百のうち一番すばらしいというか一番新しいものができたんだから、ほかは大変おくれていて悪いんだということに話はなるかもしれませんが、できるときは町内会そろって反対運動がありまして、それは、言うなら刑務所を出た人だとか、それからいろんな
意味で悩みを持っている子供たちが帰ってくるということもあって、大変な不安が地域的にあることは想像できますが、そういうことがあったんだろうと思いますが、町内会挙げて反対運動が起きて、そして約三年間ぐらいつくれなかったんですね。私
どもにもいろんな
意味での御相談が一般市民からあったということも思い出すのであります。
でき上がってからの御連絡の行き違いがあったかもしれませんが、今回のことについては初めて伺って、行ってみますと、建物はもう本当に高級マンションですよ。立派なものだというふうに申し上げていいんだろうと思うんです。率直に申し上げますが、
法務省なり
保護の皆さんが
財団法人でよくこれだけのものをつくられたなと思いながら中にずっと入りました。本当に立派なものだというふうに思います。
外から見た雰囲気で言いますと、市民
社会とはがっちり共存できる、信用も高まるだろうというものができ上がっておりますから、その点では何も言うことはないのでありますが、その中で、土曜日の一時だということで
皆さん方と遠慮しいしい伺って話をしてまいりますと、これからがいろいろと質問したり、もっと施策をすべきだなと思いながら申し上げるのであります。
埼玉県は、本来は二つあったんですってね。二つあったものが維持できなくなって、だめになって、数年たって市民の皆さんの方からそういう
意味の必要性の要求運動が起きて、それで
関係諸
団体や自治体の協力を得て今回できたということが記録的にも明らかになるわけでありますが、四億二千万の金を自主的に集めたというんですよ。よくぞ集まったなというふうに率直に思いました。埼玉県の有志の
方々が
中心になって
財団法人設立の許可申請から始まってこの四億二千万の金を集めた、そのいわゆる苦労話を聞いた上で、集めていただいた方にも感謝するし、お金を出してもらった方にも大変感謝することをしっかり申し上げた上で、私は、これから
法務省や
法務省の
監督する
財団法人清心寮、
全国的に言えばいわゆる
更生保護会は、いろんな
意味において自覚をして
目的達成のためにやるべきだろうというふうに思うわけでございますが、そこで、
大臣が今おっしゃったことに関連して言います。
私は、土曜日の一時に行きましたが、伺うところによると、その立派な建物の中に、定員は二十三名で、現在は成人が十一名で若い子供たちが三名で十四名しか入っておられないのでありますけれ
ども、三百六十五日、二十四時間五人でやっているんです。大変ですよ、この労働力は。
ここで具体的に伺っておくのは、いわゆる定員というのは
保護をされる方の定員もあるんだが、そこで働く
職員の定員というのは何か基準があるのかないのか。私の直感で言ったら、大変だなと思ったね。土曜日なんていうのは当然もっと休みになって 休めないですね、五人では一それで、いわゆる家族の方が、宿舎があって連れ合いの女性の方が食事の用意をするということで、二人でやっておられる。そのほかにもちろん役所の方が三人でいらっしゃって合計五人。五人で二十四時間で三百六十五日を全部、休みがとれますかという話をしたら、にっこり笑って 我々は献身的に世のため人のためにやるんですからとおっしゃっていたけれ
ども、これは大変だなと。そうなると、ひょっとしたら言葉が強くなったり、ひょっとしたら子供たちやまだまだ悩み多き
人たちに対していろんなことで当たることがないのかなと思うほど、我々の言葉で言う労働条件は悪いですね。これは御存じかもしれませんが。
そうすると、何か基準があるのか、それともそれは自主的に自分たちでやることだから五億の金を六億でも集めて自分で賃金を払えということになっているのかどうか。これでは本当の
意味の
更生保護の成果は上がらないんではないかというふうに一つ印象として持ちましたので、何か基準があるかどうか。
同時にまた 具体的なことで、一番いい建物の清心寮であの程度とするならば、
全国的にはもっと苦しい状況があるんじゃないか。そうなると、そこにお世話になる
方々、今お話があった何千名の
方々が、いろんな
意味で、言うならば
社会復帰の前に大変な御苦労が精神的にもあるんではないかというふうに思います。
関連して、経営状態も大変なようですね。それでどうやってやっていくんですかと聞いたら、仏さんにお仕えをしているお坊さんというのか住職というのか、その
方々が
中心になって千円の会費を取って歩いているんですね。そういう状況ですよ。
そういうものであれだけの管理をするということで、もちろんその中に
委託費がありますから、
委託費とみずからの資金、それからああいうようなことで回すということのようですから、こうなってくると、どうしても
委託費に依存してしまうんじゃないか。
委託費の本来の
目的はどうなるのか。しかも
委託費は、定員の頭数でもらえなくて、入っている方の数だというんです。おのずから入った人だけの数が出ちゃうわけだから、そうすると、二十三人分もらって十三人面倒を見るんじゃないんだから、十三人分しかもらえないとなると、委託金を適当にという
意味じゃないんだけれ
ども、委託金でもやりにくいだろうということを聞けば聞くほど
感じますね。
そして、そこの館長
先生は 伺ったら学校の
先生のOBだということで、教
職員の年金を基礎にして、加えて若干の手当をもらっている。それは五人の
職員の中に入っている。皆そうだとおっしゃる。純粋にもらっているのは何名かというと、二人だという。五名のうちの二人が完全な給料。その完全な給料は公務員レベルですかと言ったら、これまたにこつと笑われて、我々は献身的にやるんですと。こうなると、我々の昔の言葉で言うと、長続きするだろうか。その
人たちが本当に温かい
気持ちで大きな
気持ちで悩み多き大先輩や若き青少年たちに接触していけるんだろうか。一生懸命
更生保護を行政指導、
監督される
大臣や
局長は、そういう事実を御存じならほうっておいちゃいけないと思いますね。
御存じないのなら、きょう以降、即、特別対策をしてもらいたいと思いますが、率直に今申し上げましたように、そういう基準だとか特別対策などがあるのかどうかについて、今後の方針に関連して少しお話を聞かせてください。