○翫正敏君 私がいろいろ週刊誌も読んだり
新聞も読んだり、また
関係者から
事情を聞いたりしていろいろ調べましたことを少し申し上げてみたいと思いますが、直接にこのJR東
日本を監督しているのは運輸省でありますので、運輸省の方から事実
関係について、私が申し上げるようなことは事実かどうかというようなことで
お答えいただきたいと思っているんです。
まず、JR東
日本というのは、旧国鉄なんですけれ
ども、分割民営化されましてからは法律によって設立された公益性の高い特殊法人という、こういう位置づけになっております。ですから、そこにおける役職員というものは公務員に準ずるような高い憲法を初めとする諸法律の遵守義務というものを持っているものだ、このように
考えているものです。
ところで、私がいろいろ調べましたところ、二つの件についてこの会社が出版物や
新聞等について駅の販売店で販売させないというような圧力をかけておる
事案がわかったんです。
一つは、これはまだ
新聞などには全然書かれておりませんが、私がいろいろ
事情を聞きましたところ、東京スポーツ
新聞という
新聞社がありまして、東京スポーツという
新聞を夕刊紙で発行しておるんですけれ
ども、菊池久という政治評論家が政治評論を毎日やっているわけであります。「永田町の熱闘」という題で毎回書いているわけですけれ
ども、かなり永田町の中の裏話とかさまざまなことが出ていたりして、国会の人や永田町かいわいの人がかなりこの
新聞をここがおもしろいからというので読んでいるという話も漏れ聞いたりしているんです。この五月二十五日号、それから二十六日号、二十七日号で三回にわたって、回数で言いますと千三百七回、千三百八回、千三百九回という三回になるんですけれ
ども、いろんなことが書いてあります。JR東
日本が初の株主総会を、六月二十九日を前にしていろいろな総会屋対策をやっているというようなことが主に書いてあります。
重要な
部分をちょっと読んでみますと、このとおり読みますが、「「総会屋には総会屋で」——ということで、JR東
日本のH幹部が、元閣僚・Kに頼んで総会屋・Mを「雇った」。」というような、こういう文面があります。
それからさらに文面では「花崎総務部長さんと荻野広報部長さんが深刻な顔して相談してました。それを私
たち聞いちゃったんです。なんでも「六月末の株主総会にむけて総会屋さんという人達を準備しなくてはいけない」と。あとで知ったんですけれ
どもそのため数十億というお金を準備したそうです。やっぱり私
たちの会社はお金があるんですね。」と、このようなことが書いてあるんですね。
これは事実といたしますと、御案内のとおり、昭和五十六年にこの
法務委員会において商法の改正案が可決されておりますが、まずその第二百九十四条ノ二では、株主の権利行使に関する利益の供与というものはいけないということになっておりますし、同じく四百九十七条では、株主の権利行使に関し、財産上の利益を供与する罪ということで六カ月以下の懲役刑などに付されるという、こういうことになっておりますから、もしこういう株主総会をめぐっていわゆる総会屋対策としてお金が動いているというようなことが事実としますと、これは商法に
違反するという
事案になります。
また逆に、JR東
日本の会社の
立場から盛んに反論も出ておりますけれ
ども、それによればここに書いてあることは事実無根であるということになるわけで、もし事実無根ということになれば、これは会社に対する名誉棄損、こういうことになろうかと思うんですね。
そういうことがありまして、この場合、この
新聞に評論が載りましてから数日間にわたってJR東
日本総務部長の花崎淑夫氏と広報部長の荻野洋氏が再三こういうものを載せているとこの
新聞を置けなくなるというようなことで圧力をかけて、結果としてそれからしばらくたってから六月三日号になりまして第千三百十六回の文章が載りました。その文章の載りました東京スポーツ
新聞の面の下の方のところに「お詫び」ということで、この文章は
誤りがありましたのでおわびをいたしますということで菊池久氏本人がおわびを書いておるわけなんです。しかし、実際本人に聞きますと、これは本意ではなかったということで、いろいろ圧力をかけられて大変な
気持ちだったのでおわびをしたんだ、こういうふうに言っておるわけであります。これは東京スポーツ
新聞に掲載された菊池久という評論家の件なんです。
一方、
大臣もさっきお読みになったと言われた週刊文春ですね、これの号には「JR東
日本に巣くう妖怪」という題でいろいろ書かれております。続くというふうになっておりますのでまた次の号にも載るのかもしれませんけれ
ども、この中でも、重要な
部分としては「総会屋対策費用として数十億円が準備されたという噂も流れ、
警察当局は今年の総会シーズンの最大ターゲットとして照準を合わせている」というようなことが書かれているわけで、これもやっぱり総会の問題が取り上げられているということが、JR東
日本の会社の側からいえばこれは事実無根の中傷記事であるということになるんでしょうし、週刊文春の側からいえば言論弾圧である、こういうことになるわけであります。
同じくこの号にはJR
総連東
日本労組
委員長松崎明氏のことが書かれておりまして、これは文面全体を読みまして、いろいろ長く書いてあるんですけれ
ども、さまざまにこの松崎明氏のことが書かれておりますが、簡単にこれを整理すれば、JR東
日本という会社において松田昌士社長という人と労働組合の
委員長の松崎明氏とは労使協調というふうなものではなくて癒着
関係にあるという、そういうことが書いてあるわけであります。
これもJR
総連の労働組合の
立場や会社の
立場からいえばそういうことは事実無根の中傷記事であってこれは許しがたい、こういうふうなことになるのでありましょうし、それから週刊文春の会社の方からいえばこれは事実に即して書いてあることであるということで何らそういう言論弾圧を受けるいわれはない、こういうふうにして駅舎の中からすべて週刊誌を排除するというふうなことは憲法
違反である、それからさらには刑法にも触れる、強要罪とかそれから
威力業務妨害罪とか脅迫罪とか、さまざまなものに触れるんじゃないかというふうな主張になってくるんだろうと思います。
そういうような事柄などについて、JR東
日本を監督している
立場の運輸省の方からこの事実
関係と現状ということについて調べてわかっておることと、それに対するコメント、こういうことで
お答え願いたいと思います。