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稲村稔夫君
大臣、
最後のところはよくわからないように御答弁になっておられるので、普通の人ではなかなかわからない。普通の人というか、私でもよぐわかりませんが、非常に面倒な問題であることはもう間違いないわけであります。
今後、この問題を大変私は重大視しておりますので、きょうはもう時間が余りありませんから余り突っ込みませんけれ
ども、本
委員会でこれは多分シリーズ物になっていくんじゃないだろうかというふうに思います。これから毎回毎回聞かなければならぬようなことになっていくんじゃないだろうか。食糧庁、覚悟してくださいね、そういうことになりますので。
とにかく、いずれにしたって入ってきたものを全部消化をするということはまず不可能ですよ、今の
状況でいけば。それから、備蓄というふうにおっしゃったけれ
ども、今の状態の中で備蓄をある程度
考えられていったもの、そしてその備蓄したものを今度はどう使うかといったら、これはまた
加工原料米がなんかで使わなければならないというような問題だとかなんか、みんな含まれてくるわけでありますから、輸出の方もうまくなかなかそう簡単ではありませんという問題と一緒に絡めて、
国内の問題だってなかなか大変、簡単な問題じゃないですよということになると思いますので、この辺はひとつ
大臣、御苦労だとは思いますけれ
ども、今知恵もありそうなお話もしておられましたから、いろいろと知恵も絞っていただきたいというふうに思います。
次に、米ということに象徴されると思って私は伺ったのでありますけれ
ども、きょうは米価
審議会で麦価の
審議をしておられます。これに
政府は諮問案を出されて、それで去年並みに大体据え置かれる、こういうことで提起をされたわけであります。大変な御
努力をいただいたことを
評価いたしながら、だがしかしというのがやはり残るわけであります。
といいますのは、一体これで麦は安楽死から免れ得るであろうかと、私は非常に問題だと思うんですね。これは米の問題のときも、それこそ各論ではまた
議論しなければならない課題の
一つなんだと思いますけれ
ども、昭和六十年以降の動きをずっと見てまいりまして全
生産費を計算していきますと、確かに
生産費は若干下がっている部分もあります。下がっている部分は、例えば労働費のようなものは下がっております。しかし、物財費はほとんど変わらないんですね。物財費は大体もう変わりません。そうすると、下がっていくというのは労働費のところを絞っていくしかないですよ。極端なことを言えばそういうことになるんじゃないでしょうか。逆に、六十年時代に比べれば単収は随分
かなり落ちています。こういう状態になっているということは、私は、
一つは麦を
生産するということに農家の
皆さんが
生産意欲をわかす、かき立てていただけるような、価格ばかりではありませんけれ
ども、やはり価格体系にも問題があるというふうに思います。
一体こういう状態で、去年と比べてもことしは物財費ではほぼ横ばいという中で、なぜその計算の中で二十七円だかなんか安く出てくるのかということだって、これはもう統計のとり方や、要するにサンプリングから加工するためのいろいろな掛けていく
数字だとか、そういうものみんな問題はそれぞれあるわけであります。そういうことなどを私は
考えてまいりまして、とにかく麦は、小麦はことし据え置くといっても、これではこれからとても
生産意欲は出てこないんじゃないか。大体物財費が動かないでいるんだったら物財費をもっと安くするための、物財費を下げるための
農業政策というのがもっともっと積極的に
展開されていかなければならなかったはずなんです。その
努力が怠られてきたから今のような麦の状態になっていると思うんです。本来、そのことを
考えたら、物財費がほぼ横ばいであれば麦の価格というのは上げてやるぐらいのことをしなきゃ
生産意欲などということにはならない。むしろ、また麦の安楽死への方向に向かってしまうんじゃないかというふうに思うのであります。
大臣、これからの
農政の中で麦はもうつくる必要がないと
考えておられるのなら、これはまた
論点が違っできますからあれですけれ
ども、麦を
生産する必要があるということであれば、私は少なくとも
国内生産の自給のある程度のめどをたてることと、その
生産を維持するために特別に
対策をいろいろと講じなければならなかったんではないかというふうに
考えておりますが、これから先のことがありますので、どうお
考えになりますか。