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及川一夫君
大臣並びに
川口会長にお断り申し上げておきますが、極めて時間が制約されておりますし、ちょっと関連質問も一人ございますので、私の方からは二つの要望と一つの質問ということでやらせていただきたいというふうに思います。
二つの要望点のその一つは、
受信料と消費税の関係でございます。
消費税はいずれにしても国の制度の問題ですから、
NHK自体はとやかく申すことではない問題であります。しかし、
受信料が消費税の対象になったときには、私の方から
受信料とは何かという問題についてかなり話をさせていただいたのであります。
会議録を見ましても、大蔵省が言う物の考え、
郵政省が言う物の考え、
NHKの立場ということから見た本来の主張、さらには二つのこの答申と長期ビジョンに関する
審議会の答えというのがございまして、それらの答え全体を見まして、大蔵省を除きまして要するに
受信料の性格というのは負担金である、
郵政省は特殊な負担金、こういう言い方をしておるわけでありまして、そういう立場に立つから
NHKも消費税の対象にはしていただきたくないという前提で、
政府に
意見を求められた際にそういう立場をとられたこ
とも実は明らかになっているわけであります。
私も長い間
逓信委員会におって、私が
逓信委員会に所属する以前から、先輩各位の議論によりまして、
NHKの
受信料というのは
NHKという
放送事業というものを維持するために
視聴者が負担をするものであるという結論になっているものですから、負担金ということになると消費ではない、消費ではなくてむしろ税金により近いものと。確かに税金を納めないと罰則がありますけれ
ども、
受信料を納めなくても罰則は今の
放送法ではございません。
したがって、税金
とも違うことは違うんですが、いずれにしても
テレビを持っているという限りにおいて
NHKの
放送を見ようが見まいが
受信料というものは払ってもらわなければいけない、こういう法律の建前になっているし、法律上は負担金という言葉はないんだけれ
ども、では性格は何かという問い詰めの中で全体として負担金ということを性格づけているわけです。しかし、大蔵省はこの問題について、いわゆる労働の対価とか
サービスの対価とか、そういう
意味の中からこの対価に類するというのか消費に値するとか、そういう
意味合いで消費税の対象になるという決定を下したのでありますということで、これは対立したまま大蔵省の考え方で今の制度は成り立っているわけです。
税制度につきましては、いずれにしても見直しの時期に来ているし、我々与党だとされる私自身もこの税制改革の問題にかかわってさまざまな議論をいたしているところであります。ぜひ
郵政省としても、もしこの
受信料というものについての性格をあいまいにしておくことは、これからハイビジョンの問題も出てまいりますと、これだって有料化しなきゃいかぬのだろうと私は思うんです。そうすると、それぞれのチャンネルすべて有料化されていないけれ
ども、少なく
とも三つの有料化ということになっているものとの関係で言いますと、法律上ないんなら法律上明確にする、法律上そういう負担金とか特殊な負担金とか、そういう表現が性格づけがないとするなら、一体消費税というものとの対置でどう考えるのかということを税制の中で明らかにするというようなことを私はすべきではないだろうかと思いますので、ぜひ
郵政大臣にはそういう角度を含めて御
検討いただきたいということが一つの要望であります。
それから二つ目には、これも長い間やっていることなのでありますけれ
ども、経営
委員会の構成の問題です。もう長い間マスコミ関係の方が複数でおられるということについて果たしてどうなのかと。それ自体は別におったからどうのこうのということは言いませんが、毎年毎年そういった方々だけが続いて、本来入るべき職域の代表というものが入ってないじゃないかということで、一つの例として労働界代表という問題を
指摘してきたわけであります。これまでは
郵政省としても前向きに
検討しましょうということを言ってまいりましたが、いまだに実現をしていない。こういう事情にございますので、ぜひこのことの御
検討をひとつお願いしたい。
この二つの
意見を
郵政大臣に求めたいというふうに思っているところであります。
そして三つ目には、これは
会長に対して御質問申し上げるわけでありますけれ
ども、実は、六
年度が要するに五年
計画の最終
年度である、重要な年であるということを強調されているわけです。これはこれで結構だと思う。ただ、しからば七
年度以降は一体どういうことになるのか。今の
NHKの
予算の仕組みでは、やはり五年展望というものがあって、それこそ五年間にどのくらいの
収入があって、それに基づいてどういったことを考えながら
予算の執行をしていくかということが
計画されるわけです。
そもそも長期
計画という言葉が、実は
郵政大臣の提案
説明の中にも、さらに
川口会長の提案
説明の中にも、出されている文書類にも一言もこの長期
計画云々の話は出ておりません。ただ、午前中の答弁の中でちらっと長期
計画的な、何か
検討しなければいけないような
お話があったことはちょっと耳にいたしておりますけれ
ども、いずれにしても来年はこの長期
計画というものを出して
NHK全体の
事業の
運営、枠組みというものを考えていく、あるいは展望を語るということになるのかならないのか、そのことについて一つ質問をしておきたいと思います。
それから、ハイビジョンの問題について、午前中、
加藤先生やら岡先生、
岡野先生からも御質問ございましたが、それはそれなりに私は受けとめておきたいと思います。ただ、
郵政省に申し上げておきたいのは、これからの電気
通信とかあるいは
放送とか
CATVとか、いわば
情報化社会と言われる全体を包んだ場合には、ハイビジョンだけがアナログ、ディジタルという論議では私はないと思います、
マルチメディア時代というものになってきているということですから。
その際に、このディジタルなのかアナログなのかという問題、しかもこれはヨーロッパにも
アメリカにも
日本にも、しかし
世界的にいうとヨーロッパと
アメリカはディジタルの方向を志向している、こういう状況にあるわけです。そういう状況の中で、
我が国の電気
通信や
放送あるいは
CATVというものをどういうふうに
技術的に位置づけていくのかという問題が最大の
課題ではないのかということを率直に私は思っているわけです。
だから、私は、
局長がハイビジョン問題だけのような
意味での
技術論争に
発展したことが大変大きな問題になったのであろうというふうに思うし、
民間じゃもう一兆円も投資をしているという事態ですからね。
NHKだって六百七十四億ですか、そのくらいの投資をしているのではないかと。そうすると、これは試験から
実用化に向けて商品化していくという、それがもう展望として明らかになっているという事態の中では、やはり
事業経営者からいえば回収の時期というそういう発想に立ちますからね。だから、それが何か方向転換をしたように受け取れば、あれだけの大騒ぎに私はなるんだろうというふうに思います。
新聞記事を見ただけでも、このくらいの厚さで、これはもうお金にしたらどのぐらいのお金になるのかなと、広告宣伝という
意味合いでいったら。それほどこれは江川さん、参議院でいうなら全国区に立ってもよろしいんではないですか。あなたの名前がいっぱいこれは書いてある。あえて立候補してくれとは言いませんけれ
ども、まあ要すれば笑い話だけれ
ども本当に大変なんですよ、これは。そういったことをぜひ考えて、発言される際にはやはり全体のことをとらえて僕は発言されるべきだと思う。これは
意見として申し上げておきます。
そして
最後に、
NHKの
会長に申し上げたいことは、いずれにしてもハイビジョン、衛星第一、第二、それに総合
テレビ、
教育テレビと五チャンネルあるわけです。これを持っ
NHK、それであと民放がずっと並んでいると。一体この
体制で
日本のいわば
放送体制といったことが通るのか通らないのか。同時に、料金問題もそれぞれ別々でいいのかどうかという問題、
NHKのあり方あるいは位置づけという問題を含めて、相当これは大きな
課題になってくるんじゃないかということを考えますと、容易な話ではないぞという気持ちの方が私は強いのであります。
したがって、このハイビジョン問題などに対しても一体いかなるお考えをお持ちか、そういったものを含めての
NHKのあり方について、簡単でよろしいですから
意見を聞かせていただきたいと思います。
以上であります。