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関根則之君
大臣もちょっとよく聞いておいていただきたいんです、
問題点の
指摘をずっと私していきますから。
ということは、今
局長さんがなさった
説明を、余り
状況を知らない人はああそうかなという気がするんですけれども、そんなことは絶対ないんです。
保健所だって
面積が六十から七十平方キロあったら、六十平方キロというのは四角な
土地として、八、八、六十四で八キロ、八キロのこれだけの
面積があるんです。
浦和は七十一平方キロあるんですよ。七キロ、十キロの
面積があるんです。
保健所が
一つで足りますか。足りないんです。六十とか七十とか、三十万人以上の
人口を養い得る
地域というのはそんなに狭くないんです、
最初に言ったように。
保健所の
一つや
二つは必要なんです。
川口だってそうですよ。
尼崎だって多分
保健所は
二つや三つあるんじゃないかと思う。それを
保健所行政をやらせるためにも
面積の
広がりがなければならないから
尼崎は
失格だ、
川口は
失格だ、
浦和は
失格だとどうして言えるんですか。とんでもない話ですよ。
土地区画整理事業、これだって、今地下鉄七号線がずっと埼玉の方へ延びていきまして、
川口を
通り浦和を通って大宮へ行くんですよ。その
土地区画整理なんていうのはもう膨大な、何百億、やり方によっては何千億という
仕事を今これからやるんです。そういうところなんです。
だから、
局長、概念的にそういうことを言うのはいいんだけれども、もう少し
実態に合わせて考えてもらいたいんだよ。さっきから言っているように、これは大変ですよ。全国で
人口三十万人以上の市は五十二あるんですか。その中で
面積で十九市が
失格しちゃっているんです。
郡山と
尼崎を比べてみてください。
大臣よく
御存じなんですよね、自分の近くですから。
選挙区ではないけれども、多分近くでよく
御存じだと思う。
尼崎なんていうのは、いろいろ難しい
行政事務はありますけれども、活力のある町だと思いますよ。
郡山、確かに立派な町です。しかし、
人口を比べてみてください。五十万ぎりぎりまでいっているところ、やっと三十万に乗っている市、それがたまたま
面積が百を超えていたから
中核市だということはまことにもっておかしいと私は思います。
それからもう
一つ、
政令で昼
夜間人口か何かを定めるということだそうですけれども、夜の方が少なくなければいけない、昼間の方が多くなければいけない、三十万から五十万の
都市については。これも論理から逆じゃないかと思うんですよ。昼間流入してくる
人口が多ければ、昼間流入してくる
人口の少ない市よりも昼間
住民税を納めない
人たちがどっと入ってくるわけですから、同じ
人口があり同じ
財政力を持っていても、その市の方が昼間入ってくる
人たちのために余計
行政能力を割かなきゃいけないでしょう。片っ方、ベッドタウン的な
性格があるところは昼間行っちゃうんだから、昼間のことを考えてやらなければいいんですよ。
トイレの量、知っていますか。人一人が一日にトイレを幾ら使いますか。水洗ですから、このごろは五十リットルの水を使うんですよ。水道なんというのはもうからないから得にはなりませんよということを言うかもしれないけれども、やっぱりそれだけの水道を配置するだけの
行政事務が出てくるんですよ、昼間
人口が多ければ。その昼間
人口の
人たちというのは、勤めている会社は税金を納めるかもしらぬけれども、そこへ勤めて夜は埼玉へ帰って寝る人、あるいは大阪へ勤めていて兵庫へ帰って寝る人、この
人たちは税金を納めないんですよ。
そういうことを考えた場合に、同じ条件で昼間
人口が多い方が
行政処理能力としては下がっちゃうんですよ。あなた方は逆の現象を言っているんでしょう。
中核性がなければいけないとかなんとかそういう
説明をするんでしょうけれども、
中核性なんか問題じゃないんですよ。
だから、私は
最初に前提として言ったはずです。
中核性なんて問題じゃない。同じ
事務があって、それをどこで
処理させた方がいいのか、どれが国民のために、
民主主義という物の
考え方からそこに住む
人たちのためになるのかということを考えれば、第一に末端の
地方団体である
市町村にやらせるのが一番いいという物の
考え方だということをはっきり言ったでしょう。そういうことからすれば
事務はできるだけ末端の
市町村に任せる方がいいんですよ。それをやるために今度の
制度改正もやったというんでしょう。ところが、こんなまるで意地悪じいさんがやるみたいな仕掛けをしているんですね。まことにもって私はおかしいと思いますよ。
それじゃ、例を挙げてはっきり
皆さん方にもわかるように申し上げましょう。横浜は昼
夜間人口どっちが多いと思いますか。横浜なんというのは、昼間みんな東京へ出てきちゃうから昼
夜間人口比は八八・七なんですよ。川崎は九〇です。千葉市が九三。これで立派に
政令指定都市になっているじゃないですか。
政令指定都市にもなれるようなこういう市が今度の
中核市では
失格なんですよ。
人口五十万以上だからいいんだと言うでしょうけれども、その論理を推し進めれば
失格でしょう。おかしいじゃありませんか。
横浜なんというのは世界一の
都市ですよ。日本一の
都市です。東京があるからそうじゃないと言うかもしれませんけれども、東京は都制をとっていますから日本の市の中で横浜というのは一番の市なんですよ。その市だって昼間は自分のところへ来るよりも自分のところから東京へ出ていく方が多いんですよ。どんな立派な市だって、そばに自分よりも吸引力の強い大きいのがいるとだめなんですよ。昼間はみんな行っちゃうんですよ。だから
夜間人口の方が多くなる。ベッドタウンなんですよ。あなた方の物の発想から言えば、横浜だって川崎だって千葉だってみんなベッドタウンだ、あんなものは東京に追随しているだけじゃないかと、こういうことになっちゃう。それじゃだめなんですよ。だから
政令指定都市にしていますでしょう。それと同じなんです。
川口だって
浦和だって四十万をはるかに超えているんです。間もなく五十万になるような
都市ですよ。
能力はある、
面積だって八十平方キロあるんですから、これだけのところへどうして
中核市の資格を与えないんですか。間もなく
政令市になるんだからいいんだと。それは理屈にならぬ。一挙に
政令市を目指しなさいというのかもしれませんけれども、そんなおかしな意地悪な
制度というのは私はあり得ないと思います。だからその辺のところを、まあ
法案ができちゃって自民党も多分賛成するということになるんでしょうから、こういう問題について今直ちに直せとか反対だとかそういうことを言うわけにいかない、物事はだんだんにしか行かないからね。だから
最初に皆さんの御労苦に感謝を申し上げた。
随分苦労もあると思うんです。苦労もあると思うけれども、苦労もあって、あちこちからいろいろ痛めつけられたり
議論を出されたりしてなかなかできなかった。できなかったけれども、しかし、それはそれでいいんだということにはならないと思うんですよ。
地方制度調査会の御論議を煩わせたわけですよ。これは日本の
地方制度に関する最高の審議機関ですからね。この
先生方は、我々の先輩も大勢いらっしゃるし議会からも入っているんでしょう。そういう方たちですから、これはその論議というのは尊敬をしなければいけませんけれども、そういう中で、いろんな経緯があっていろいろ難しい問題があって、そもそも都道府県が成り立たないじゃないか、県がどこかへ行っちゃうじゃないかという
議論が多分あったと思うんですよ。埼玉県の場合なんか、みんな
政令指定都市になったら知事さんが困っちゃうじゃないですか。神奈川だってそうですよ。大阪だってそうですよ。兵庫もそういう問題が起こるかもしれない。その辺に非常に大きな問題があるんだと思うんです。
ただ問題は、県を大事にする県を大事にする、そればっかりで
地方行政をやったら大間違いですよ。あなた方は、口を開けばすぐに基礎的な
地方団体である
市町村を大事にしようと言っているんでしょう。そう言っていながら、何か
制度をいじろうとするとすぐに県のことをおもんぱかって、県知事がどう考えるか、県議会がどうするんだ、県が成り立たなくなってしまうではないか、ばらばらになってしまうではないかと、そういうことばっかり考えているんですよ。それも必要ですよ、世の中というのは急には変わりませんからね。改革改革と格好のいいことを言ったって一挙には変わらないんですよ。そういうことに対する配慮も必要だから、それはそれでいいとしても、しかしここにこういう問題があるじゃないかと。これはやっぱり
一つの
問題点としてしっかり対応して考えていかなきゃいけないと思うんです。
県はやる
仕事が幾らでもあるじゃないですか、市が独立したって。広域的な
事務処理、計画をつくっていく、
地域の環境計画をどうしていくんだ、治水問題をどうするんだと、もういっぱいありますよ。埼玉だって神奈川だって大阪だって兵庫だって県はあると思いますよ。もし本当に
仕事がなくなるんなら、
仕事を持っていく市に職員を分けてやればいいじゃないですか。失業問題なんて一切起こりませんよ。そんな心配なんか全くないんです。人材をどんどん
市町村に渡していったらいいじゃないですか。それをやればいいんで、県は県として立派に知事さんが堂々と存在感を持って
行政をやっていく余地というのは残りますよ。そういう本来の
仕事をできるような
地方制度を考えてもらいたい。
大臣、私と
局長とのやりとりを聞いておいでになってどうお考えになるのか感想をお聞きいたしまして、また、これからこういう
問題点についての検討を引き続き真剣にやるという気持ちがおありになるかどうかお答えをいただいて、時間でございますので、私の質問を終わりにしたいと思います。