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国務大臣(
佐藤守良君) 小川先生にお答えします。
大変温かい思いを持った御質問で感謝いたすわけでございますが、実は私は、大変申しわけありませんが、
北海道開発・沖縄
開発庁
長官になる前には三庁統合には賛成でございました。それは、よく知らなかったんです。昭和五十七年の臨調答申で、これは三庁云々と出ておりました。それからまた、行財政改革という場合に、勉強しなくて、気安くああ沖縄と
北海道だ、こんな感じをしておったわけでございますが、今度
長官になりまして、それは間違いであることに気がついたんです。そんな政治家が非常に多いんじゃないか、こんな思いをいたしておるわけであります。
北海道、沖縄とも
地方分権の一番模範的な行政というものをやっておるわけであります。これはもう、昭和五十七年のときには中央集権というのが中心でしたが、
平成五年の第三次行革審におきましてはむしろ
地方分権が中心になっております用
地方の可能性をいかに引き出すかということが大きな政治課題になっておると。
それからもう一つは、縦割り行政が今一番言われておるわけでございまして、そんなことで
公共事業省なんと言われておるわけです。これは縦割り行政をなくしたいということなんですが、沖縄、
北海道ともに縦割り行政をなくしておる総合的な一元化したすばらしい官庁と、このように考えております。
そんなことでございますが、個々には沖縄
開発庁はどうしても残す必要があると思いますのは、今先生がちょっとおっしゃいました。戦中は日本の戦場でございました沖縄は、それから二十七年間いわゆる米軍の支配下にあった、占領下にあった。それから、その後、私も実は昭和四十四年に当選しまして、沖縄・北方の沖特
委員になりました。本土復帰の
委員会をやったわけですが、その間約二十年たちましたわけですが、そのときの文句というのは、率直に言いますと本土並み復帰。沖縄県民の所得を本土の平均と同じようにするというのがうたい文句でしたが、ちょうどそのときの沖縄の所得は本土の六〇%であって、約二十年たっても七二%にしか伸びておりません。まだ本土並みには約二八%残っておるわけで、これは基地です。
基地は、先生も御存じのことで、日本を一〇〇とした場合七五%が沖縄にございます。沖縄の面積の一一%が基地。しかも、沖縄の本島だけでも二〇%が基地で、坪数にすると七千四百万坪が基地になっております。いいところは全部押さえられております。ただし、これは日米安保その他によりましてやむを得ぬと思いますが、したがって、沖縄は現在両手両足を縛られております。自立はできません。そんなことでございますし、また沖縄県民が大変苦労しておりますから、少なくとも本土並みになるまでは日本
国民の責任ではないかと私は思っています。信義の関係でどんなことをしてもこれは残して、一〇〇%にしたときに初めて私は
開発庁をなくして結構です。それまでは我々日本
国民の信義ではないか、こう思っております。
それから、
北海道につきましては、もう先生御存じのことで、
北海道には三つの特徴があります。一つは、広大な面積、豊かな資源、豊かな自然、それから
人口が五百数十万ということです。もう一つは、位置が日本からいえば北ですが、世界地図を見ますと、ヨーロッパではミュンヘン、パリと同じでございますし、またアメリカのシカゴ、ボストンと同じです。それからもう一つは、
北海道というのは明治二年に
北海道庁というものができたわけですが、そのときに黒田さんという有名な元勲が
長官になっているわけですが、代々
北海道というのは
政府直轄で、
北海道の皆さんと一緒に夢とロマンを育ててきたというのが
北海道の開拓の歴史だと思います。
そんなことで、私は、日本の食糧事情を考えた場合、一体これから日本の食糧はどうなるかということを考え、また世界の食糧を考えた場合に、どんなことをしても
北海道を食糧基地にしたい、このように考えているわけです。
現在、
北海道は日本の
農業生産の一割をなしておりますが、二割、三割にすることができて、しかも農林水産省で言っています新農政、これを踏まえた大規模経営
農業ができるのは
北海道しかないと思っています。そんなことで、私はその
環境整備をやりたい。
また、世界的に見た場合に、現在世界の
人口というのは五十八億ございます。二〇二五年には先生御存じのように八十五億になります。二〇五〇年には百億になるんです。そうすると、この地球上でどのくらいの人類の食糧を賄えるかといいますと、八十億と言われています。その場合に食糧政策をどうするか。もうすぐ三十年後には来るわけです。
そんなことを考えた場合、内地では生産は落ちできます。後継者が減っており、
農業をやっている人はほとんど五十代です。私の選挙区でも五十から六十で、もう十余年したら
農業をやらなくなるんじゃないか、こう言われております。そんなことを考えた場合、どうしてもやっぱり自給率を高めるには
北海道が大切だ。
私は、その
環境整備をするためには
開発庁が必要だ、日本の
農業の基地はどうしても必要だ、こんなことで
北海道開発庁も必要と、こういうことでございまして、新聞で少し言いましたが、最後まで反対したいと思っています。どんなことをしても両
開発庁を残すことに全力を挙げるという決意に変わりございません。
先生の温かい御理解を心からお願いする次第でございます。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。