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喜岡淳君 それぞれの取り組み、大変御苦労さんだろうと思いますけれども、やはり高齢者ドライバーの数というものは非常に急速に増大をいたしております。
平成三年度の六十五歳以上のドライバーは三百十六万人、昭和五十四年当時は八十三万人だったわけですから非常に急速な増加であります。
先般、これは読売新聞に岩手県の林さんという四十歳の方が投書をされております。「七十三歳になる父が交通事故を起こした。注意力と反射神経の低下によるものだろう。幸い自損事故でけがもなかったがこ「父の運転をやめさせるべきだと痛感した。」、これはちょっと気の毒な言い方だろうと思いますけれども。「父の運転歴は長い。それだけに技量に対する過信があったに違いない。」「一定の年齢に達したら実技試験をやり直して、免許証を再交付する制度を考えても良いと思う。」、これはちょっと厳しいと私は思うんですね。しかし、高齢者の
皆さん方が交通事故を起こさないように
社会全体として何らかの配慮はするべきだろうというふうに私は思います。
今
お話を聞きますと、総務庁、
警察庁、それぞれ取り組みをされておるようでありますが、私はそういう部分的な取り組みではこの問題はなかなか解決できないだろうと思います。
例えば老人会の
協力をいただいて取り組みをするとか、これは確かに
一つでありましょう。しかし、これは香川県の県警交通企画課のアンケートの結果を見ておりますと、老人クラブに未加入者が四分の三なんですね。これはだれを
対象にしたアンケートかといいますと、高齢者で事故を起こした人六十名に対するアンケート調査の結果です。老人クラブの加入者は四分の一しかいないんです。四分の一の加入者のうち七三%は老人クラブのさまざまな
活動には不参加だと書いております。ですから、ほとんど老人クラブを
中心にしてやろうという
対策は私は不可能だろうと思いますね。
効果はそれほど大きくないと思う。やはりこの高齢者の
対策の問題については私はもっと大規模な取り組みが必要だろうと思います。
これは私の香川県でやっておりますシルバーマークというものであります。(資料を示す)青い反射材にSのマークをつけておるわけであります。これは昭和六十二年から香川県が独自で取り組んできたわけでありますが、このシルバーマークを導入した翌年は高齢者の事故件数が千四百三十七件から千百九件に減少いたしております。高齢者死亡者数も六十二名から翌年は五十二名と十名減少しておるわけです。やはりこのマークということの
効果がはっきり見られるわけであります。
さて、このマークをやっておりますのは、私の調べでは
全国で約三十三
都道府県でございます。しかし、残りの十四県はやっていらっしゃらない。どうせするのなら
全国一斉に統一したマークで、六千六百万ドライバーを
対象にして、全
国民的な運動として統一マークでシルバーマーク運動というものをやれば非常に大きな
社会的な
成果が上がってくることは間違いないと思うんです。
そこで、私はぜひ提案をさせていただきたいと思うんですが、その前にひとつこの
委員会の
皆さんにお聞きをしたいものがあります。このマークを見たことがありますでしょうか。(資料を示す)首をかしげる人が大変多いことは非常に残念に思うんですが、実は私も知りませんでした。
これは昭和六十三年に政府が
国民公募して決めた高齢者交通安全マークでございます。だから
皆さん知らないのではこれは
意味がないと思うわけですね。当時、お金をかけて、税金でやったわけでありますが、せっかくつくったこのマークが
国民の中には知れ渡っていない。そういう
意味では、この際、新しいマークを
国民募集するのが私はいいと思いますが、ひとつシルバーマークという運動を政府が率先して
全国的にやっていただきたい。
マークをつけた高齢者の方も家族の方もやはり安全に注意をされるだろうし、さらに周りのドライバーが、ああシルバーマークをつけた車が来たぞと、狭い道だから先にこっちがよけてあげようと。あるいは横断歩道を渡るときに、歩行者は緑色信号だから堂々と渡るんではなくて、その辺にシルバーマークの車が見えたら配慮してあげる、ひょっとしたら来るかもわからないわけです。
このシルバーマークをぜひ、私は七十五歳以上の方に頼めば大体受け入れられるんじゃないかと思いますし、せっかくですから徹底するためには運転免許証の更新の際に必ずこれをつけていただくとか、そういうふうにすれば大きな
効果が上がってくると思いますが、ひとつこのシルバーマーク運動について総務庁、
警察庁はどういうふうにお考えなのか、積極的な御意見をぜひ承りたいと思います。