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政府委員(西山俊彦君)
公害等調整委員会が
平成五年中に行った
公害紛争の処理に関する
事務及び
平成六年度総理府所管一般会計
公害等調整委員会歳出
予算要求額について御
説明申し上げます。
まず、
公害紛争の処理に関する
事務の
概要について御
説明申し上げます。
第一に、
平成五年中に当
委員会に係属した
公害紛争事件は、水俣病と認定された患者とチッソ株式会社との間で患者個々人ごとに具体的な損害賠償額を定める水俣病損害賠償調停事件、長野県等の住民から日本鉄道建設公団を相手方として申請のあった北陸新幹線
騒音防止等調停事件、神奈川県の住民から東海旅客鉄道株式会社を相手方として申請のあった東海道新幹線
騒音・
振動被害等調停事件、静岡県等の住民からプロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク本社を相手方として申請のあった液体洗剤
水質汚濁被害等調停事件、香川県の住民から同県豊島の産業
廃棄物処理業者等を相手方として申請のあった豊島産業
廃棄物水質汚濁被害等調停事件、東京都の住民から小田急電鉄株式会社を相手方として申請のあった小田急線
騒音被害等責任裁定事件の合計十二件であり、これらのうち
平成五年中に終結した事件は一件であります。
なお、以上のほか水俣病損害賠償調停事件については、調停成立後に申請人の症状に変化が生じたときに行われる水俣病慰謝料額等変更申請事件が二十六件あり、うち十七件が終結しております。
現在係属中の事件につきましては、適切な解決が図られるよう鋭意努力してまいる所存であります。
第二に、
平成五年中に都道府県
公害審査会に係属した
公害紛争事件は百二十四件であり、工場、
事業所及び近隣
生活の
騒音に係る事件やゴルフ場などの建設反対に係る事件が多くなっております。これらのうち
平成五年中に終結した事件は四十九件であります。
公害紛争処理法においては、当
委員会と都道府県
公害審査会とはそれぞれが独立の機関として職務を遂行することとなっておりますが、
公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るという
観点から同審査会との間での連絡協議に努めるとともに、参考となる情報、資料の提供を積極的に行っているところであります。
第三に、全国の
公害苦情の実態についてであります。
当
委員会の
調査によれば、
平成四年度において、全国の
地方公共団体の
公害苦情相談窓口に寄せられた苦情は約七万六千件となっており、苦情件数は、昭和四十七年度の約八万八千件をピークに以後減少傾向を示したものの、五十八年度から再び増加傾向を示しております。
これを苦情の種類別に見ますと、いわゆる典型七
公害に関する苦情では、
騒音に関する苦情が最も多くなっておりますが、いわゆる典型七
公害に分類できない苦情も全体の約四一%を占め、年々増加してきております。
公害苦情につきましては、都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、当
委員会としては、これらの
地方公共団体に対し、職員に対する研修の
実施、苦情処理に必要な情報の提供等を積極的に行っているところであります。
続きまして、
平成六年度
公害等調整委員会の歳出
予算要求額の
概要について御
説明申し上げます。
平成六年度
総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、
公害等調整委員会の歳出
予算要求額は五億八千六百万円であり、これを前年度の当初
予算額五億六千四百万円と比較いたしますと、三・九%、二千二百万円の増額となっております。
次に、その
内訳について御
説明申し上げます。
第一に、当
委員会に係属する
公害紛争事案の審理
経費等として五億五千五百万円を計上しております。
第二に、
公害紛争の処理を担当する都道府県
公害審査会
委員及び担当職員との連絡協議のための
経費等として三千百万円を計上しております。
以上が
平成五年中に
公害等調整委員会が行った
公害紛争の処理に関する
事務の
概要及び
平成六年度
公害等調整委員会の歳出
予算要求額についての
概要であります。
公害等調整委員会といたしましては、今後とも
公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るため、鋭意努力してまいる所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。