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国務大臣(
二見伸明君) ただいま議題となりました
航空法の一部を
改正する
法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
我が国の
航空法は、航空交通についての安全と秩序を
維持するための基本的なルールを規定する
法律でありますが、その具体的な
内容を定めるに当たっては、航空交通が国際的な性格を有するものでありますことから、国際民間航空
条約及びその附属書として採択された国際標準等に準拠して、航空の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るための
方法等を定めることとしております。
今般、国際民間航空機関において、空港周辺の騒音問題が必ずしも十分に改善されていないことを背景として、
昭和五十二年に強化された新しい騒音
基準に適合していない航空機について、各国が
一定の段階的
移行期間を設定した上でその
期間が経過した後にはその運航を禁止することを可能とする決議が採択され、これを受けて欧米諸国におきましてはこのような航空機の運航を制限または禁止するための
措置が講じられているところであり、
我が国におきましても所要の
措置を講ずることが求められるに至っております。
また、航空従事者の資格
制度につきましても、国際民間航空機関においてその見直しか進められてきたところであり、その結果といたしまして、操縦士に係る資格について、その存在意義が乏しくなっている上級事業用操縦士資格を廃止するほか、事業の
形態と操縦に必要な操縦士の数に応じて必要とされる資格を定めることとする等、航空従事者の資格
制度を定める国際民間航空
条約の附属書の大幅な
改正が行われたところであります。この附属書の
改正においては
平成六年十一月までに新しい
制度へ
移行する旨が定められており、
我が国においてもそれまでに所要の
措置を講ずることが必要となっております。
一方、今後の
我が国の行政につきましては、内外の社会
経済情勢の変化を踏まえ、簡素で効率的かつ国民の信頼を
確保し得る行政を確立するため、その改革を進めていくことが求められており、
航空法に規定する許可、認可等につきましても国民の負担軽減や行政事務の簡素化を図るため、所要の見直しを行う必要があります。
このような趣旨から、このたびこの
法律案を提案することとした次第であります。
次に、この
法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、国際民間航空
条約の附属書に定める
一定の騒音
基準に適合していない航空機について、段階的にその運航を制限し、
一定期間経過後は全面的に運航を禁止するための所要の
改正を行うことといたしております。
第二に、航空従事者の資格のうち、操縦者に係るものについて、上級事業用操縦士資格を廃止し、定期運送用操縦士、事業用操縦士及び自家用操縦士の三区分とするとともに、各操縦士資格で行うことができる業務範囲を改めるほか、航空通信士に係る資格を整理する等の所要の
改正を行うことといたしております。
第三に、航空機の
一定の修理または改造について運輸
大臣の検査にかわる確認を行うことができることとされている認定事業場について、軽微な整備または改造についても確認を行うことができることとするほか、国内航空の運賃及び料金について、
一定の割引の範囲内の営業
政策的な割引については届け出で足りることとし、また、スーパーシート料金等の
一定の範囲内の料金の設定や変更についても届け出で足りることとする等
航空法に規定する許可、認可等について整理及び合理化を行うことといたしております。
以上がこの
法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御
審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。