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松浦孝治君
委員派遣について御
報告申し上げます。
去る三月十六日から十八日までの三日間にわたり、兵庫県、大阪府及び和歌山県において、関西
国際空港の建設
状況、
空港アクセス等について実情を
調査してまいりました。
派遣委員は、
和田委員長、堀理事、泉理事、矢原理事、
鹿熊委員、河本
委員、溝手
委員、山崎
委員、穐山
委員、
喜岡委員、林
委員、山田
委員、高崎
委員、下村
委員、そして私、
松浦の十五名であります。
本
調査団は、
運輸省の各地方機関、大阪市交通局、関西
国際空港株式
会社、西
日本旅客鉄道株式
会社及び南海電気鉄道株式
会社から管内事情等について説明を聴取するとともに、兵庫県副知事、
神戸市長、大阪府知事、大阪市長及び和歌山県知事から交通運輸事情に係る要望事項を聴取いたしました。
また、
神戸航空旅客ターミナル、六甲アイランド
外貿コンテナターミナル、
神戸航空貨物ターミナル、大阪南港ニュートラム、関西
国際空港、和歌山下津港和歌山港区、和歌山マリーナシティー等を視察いたしました。
以下、主要な事項について順次御
報告いたします。
まず、
神戸ポートアイランドにおいて建設中の
神戸航空旅客ターミナルは、
神戸と関西
国際空港を結ぶ海のアクセス拠点であり、このターミナルと
空港の海上約三十キロを最新鋭高速艇ジェットフォイルが約三十分で結ぶこととされており、チェックイン、手荷物取り扱い、出国審査などフライトに必要な手続がここで行えるほか、銀行、郵便局、ショッピング、飲食施設等のサービス施設を完備し、旅行者や送迎者の便宜を図ることとされております。開業後は、
神戸方面から関西
国際空港への最短アクセスとしてかなりの旅客需要が
期待できるものと思われます。
また、
神戸六甲アイランドにほぼ完成した
神戸航空貨物ターミナルは、事務所棟を中心に事業者専用上屋、公共共同上屋等が配置され、海陸一貫
輸送機能、通関検疫検査機能、流通加工・保管機能等を有する
航空貨物ターミナルであります。このターミナルと関西
国際空港との間の海上約三十キロを専用のローロー船により約六十分で
航空貨物の輸送を行うこととなっております。交通渋滞の心配がない海上
ルートであることから、開業後は西
日本エリアと関西
国際空港を結ぶ
航空貨物の一大集配拠点となることと思われます。
次に、大阪南港ニュートラムは、昨年十月五日、四両編成の無人運転の列車が住之江公園駅に進入した際に、通常停車位置をオーバーランして車どめに衝突し、二百十七名の重軽傷者を出す
事故が発生しておりますが、私どもはニュートラムに試乗するとともに、自動運転や運行管理等を集中管理している中央指令所を視察いたしました。
事故の後、車両、地上側双方に改善対策が
実施されるとともに、当分の間、添乗員を乗せて運行を行っておりますが、今後とも一層の安全対策の
実施が望まれるところであります。
次に、関西
国際空港でありますが、本年九月四日の開港日を目指して急ピッチで建設工事が進められております。滑走路、誘導路、エプロン、国際貨物ターミナル施設、国内貨物ターミナル施設、
航空機給油施設、給排水処理施設、廃棄物処理施設、庁舎、管制塔につきましては工事を完了し、旅客ターミナル施設の内装・設備工事、海上アクセス施設、立体駐車場、
空港駅の内外装工事、複合管理棟の建設工事等が行われておりました。開港に向けての
空港施設の建設は、おおむね順調な
状況であると思われます。
当
空港は世界でも珍しい本格的な海上
空港であり、
我が国で初めての二十四時間運用可能な
空港でもあります。第一期計画では、
空港面積が五百十一ヘクタール、滑走路が三千五百メートル一本という規模でありますが、
航空機の年間
離発着回数は約十六万回が可能とされております。
当面の課題としては、成田
空港の一割増しの関西
国際空港の着陸料等をめぐるIATAとの
交渉が難航していること、関西
国際空港株式
会社が目標とする一日当たり国際線九十便、国内線七十便の確保であります。この便数を満たしたとしても、関西
国際空港株式
会社の開港初年度の経常赤字は二百億円に上ると見込まれており、便数が下回ればさらに経常赤字が膨らむことから、国際線の確保がぜひとも望まれるところであります。
さらに、滑走路を一本から三本にふやす全体構想につきましては、
運輸省及び関西
国際空港株式
会社において所要の検討を行っているほか、地元においても関西
国際空港全体構想推進協議会において検討が行われているところであります。
なお、関西
国際空港へのアクセスでありますが、鉄道はJR西
日本と南海電鉄が
空港に乗り入れることとなっており、ともに六月十五日から
空港関係従業員を運ぶ予定となっております。道路は、阪神高速道路湾岸線と関西
空港自動車道の建設が進められておりました。海上
ルートでは、
神戸のほか、大阪、淡路、徳島への
ルートが計画されております。
次に、和歌山マリーナシティーは、和歌山市毛見の沖合六十五ヘクタールを埋め立てて人工島を建設し、国際的な海洋性レクリエーション
基地を建設しようとするものであり、ここを主な会場として関西
国際空港の開港を記念した世界リゾート博が本年七月十六日から九月二十五日までの七十二日間開催されることとなっております。この博覧会のテーマは、二十一世紀のリゾート体験であり、自治体や
民間企業のパビリオンが集まるテーマゾーン、ヨットセーリングなどのマリンスポーツが楽しめるマリーナゾーンのほか、遊園地や公園から成るプレーゾーンなど、全体を八つのゾーンに分けて展開されることになっております。既に人工島の埋め立ては終わり、
我が国初の親水性防波堤等が完成しており、和歌山館、テーマパーク、フィッシャーマンズワーフ等、会場の建設が進められておりました。この博覧会は、和歌山を国内外にアピールし、和歌山を新しいリゾートエリアとして定着させ、地域の活性化に大いに寄与するものと考えられるところであります。
最後に、今回の
委員派遣において
関係地方自治体から寄せられた要望事項について御
報告申し上げます。
まず、兵庫県、
神戸市からは、
神戸空港、播磨
空港の早期事業着手、関西
国際空港全体構想の早期事業着手、関西
国際空港関連施設の整備、但馬
空港等の地域
航空システムの推進並びに大阪
国際空港の環境保全対策、鉄道網の整備及びリニア鉄道の導入、
港湾整備事業、海岸事業の促進、本州四国連絡道路
神戸−鳴門
ルート関連事業の推進等について要望が出されました。
次に、大阪府及び大阪市からは、関西
国際空港全体構想の早期実現、運輸政策審議会答申第十号の鉄道網整備計画の早期実現に向けての都市鉄道の整備財源の拡充、大阪外環状線鉄道の早期着工に向けての国の助成等について要望が出されました。
さらに和歌山県からは、関西
国際空港全体構想の早期実現、関西
国際空港の国内便の大幅確保、関西
国際空港へのアクセス交通体系等の整備、南紀自浜
空港のジェット化整備、
港湾整備事業、海岸事業の促進、大阪湾ベイエリア開発の推進、第二国土軸の整備促進、紀淡海峡トンネルの早期着工、テクノスーパーライナーの導入、JR紀勢本線等の鉄道網の整備、リゾート整備の推進等について要望が出されました。
これら要望事項につきましては、今後国政の場において十分検討してまいる必要があろうかと存じます。
以上をもちまして
報告を終わりますが、今回の派遣に当たりまして特段の御配慮をいただきました
関係者の
方々に心からの感謝の意を表しまして、派遣
報告を終わります。
以上です。