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近藤(鉄)
分科員 きょうは民社党の年次党大会でございまして、厚生
大臣、わざわざ党大会を抜け出して我々の質問に応じていただきまして、まず御苦労さまでございます。
同時に、
大臣は、新聞等で伝えるところによりますと、この党大会を契機に
委員長の職を辞される、そして政務といいますか、閣僚としての政策的な内閣の仕事に全力を投ぜられる、こういうようなことを漏れ承っているわけでございます。
実は、私は
委員長とは長いおつき合いでございまして、特に、海部内閣のときに私は自民党の
予算委員会の理事をやっておりました。
大臣は民社党の理事をされておりました。そして山花さんが最初の方は社会党の理事をしていらっしゃったのではないかと思います。当時、
大臣は民社党の政審会長であられたのだけれども、今度は
委員長におなりになるということで、私たち記憶しておるのだけれども、
予算委員会の理事の仲間から民社党という大政党の
委員長が出た、うれしいことだということで祝賀会をしたのじゃなかったかと思うのであります。
そういうような
大臣との
関係もございまして、連立与党が発足して以来、いろいろ私の立場もございますけれども、厚生
大臣大内先生のお仕事に応援をしてまいったつもりでございますが、民社党
委員長の職を辞されるということは、政治家として
大臣の一つの考えかもしれません。
しかし、厚生
大臣という仕事も大変な仕事でございまして、ちょうど一年半前に、私は労働
大臣で、パリのOECDで労働
大臣会議がございました。そのとき、当時の事務総長のペイユさんに、大勢の労働
大臣、OECD二十数カ国集まったのでありますけれども、
会議の中で、まさに今世界最大の問題は雇用問題、失業問題だ、だから各国の閣僚の中で労働
大臣が最重要閣僚なのだということをぶち上げまして、労働
大臣だけで時々集まろう、こういうことを言っておったのです。最近のデトロイトにおける労働サミット、そして今度のOECDでは雇用問題が最重要課題になる、そしてナポリ・サミットでも雇用問題が大きな課題、だ、こういうことになって、私は大変意を強くしたわけであります。
あらゆる国の政治にとって大事なものは、雇用の安定
確保だと思うのです。そして
国民の健康だと思うのです。
国民の雇用が安定をし、そして
国民の健康が
確保されるなら、私は、政治のべーシックス、
基本的な課題は果たされた、達成された。そこから先いろいろなことが、当然社会のことでありますからあっていいのですけれども、まず雇用の安定と、そして健康の
確保ということがあらゆる
政府の二大課題だと考えれば、
大内先生が民社党の
委員長の職を辞されても、厚生
大臣としてあなたが持っている全力を注がれるということは、まさに政治家として極めて大事なことであり、言ってみれば政治家の本懐であるというふうに私は思いますので、改めて
大臣に心から御声援を送りたいと思う次第でございます。
そこで、限られた時間でございますから端的に質問させていただきたいわけでありますけれども、私はちょうど六十五歳です。そして、私たちの小学校の同級生、中学校の同級生、大学の同級生、時々会いますが、みんな元気いっぱいなのです。元気いっぱいだけれども、共通して言えることは、六十五歳ですから仕事についていないのです。
田舎で農業やっているとか親から引き継いだ中小企業をやっているのはやっておりますけれども、税務署の
職員であった人とか役場の
職員であった人、会社のサラリーマン、学校の先生、押しなべて仕事がないのです。早いので五十五歳からもう
年金で
生活している。五十五歳から十歳で六十五歳。
その後どうなるのだということで、どうしておるかというと、いや、
年金もあるし、
土地も家もあって、畑があるから女房と二人で畑づくりでもして、田舎のことだから魚釣りに行ったり、山菜とりに行ったり、キノコをとりに行ったりして結構楽しいと言うのだけれども、
大臣、私はそれを見て思うのですけれども、我が日本はある一面では健康な
高齢社会に入りつつあると思うのですね。そして、健康な
高齢者の方々を若い世代が全部支えていくということでいいのかどうかということを
基本的に考えます。
最近私は、田舎で座談会をいたしますと皆さんにお話しするのだけれども、考えてください、二十歳から六十歳まで四十年働きました、そして六十歳からお迎えが来るまであと二十年か二十数年働かないとすると、単純計算すると、四十の人が二十の人を助けるわけですから、食わせるわけだから、まさに二人で一人ですよ。だから、それはどうもおかしいではないか、こういうことを私は非常に強く最近は感ずるわけであります。
ですから、きょうは労働
大臣もと思ったのでありますが、労働
大臣はいろいろ用事があるようでありますので、
年金とか
福祉とかいろいろな問題を考える前に、六十歳、六十五歳以上の人たちにどういう仕事をしてもらうかというか、
社会参加していくかということが非常に大きな課題だと私は思います。
労働省から質問してもいいのだけれども、時間がないからはしょって申します。これは労働省からもらった総務庁の統計でありますけれども、六十歳以上の「高年齢者の就業・不就業の状況」の中で、高年齢者、六十歳以上が二千三百三十二万人です。そのうち、仕事がない無業者が約千五百万人います。その中で、仕事につきたいという人が百六十万人いらっしゃるのですね。しかし、その百六十万人の中で実際求職活動をしていらっしゃるのが五十六万人、約六十万人です。そうすると、差し引き百万人の人が、仕事はしたいけれども求職活動はしていらっしゃらない。総務庁の統計ですから失業の統計に入らないのですね。失業統計というのは、職安に行って仕事を探していますよと言えば入るのですけれども、したいのだけれども求職活動をしてない人は失業に入らないわけであります。
そこで、なぜ求職活動をしないのだろうということをさらに聞いてみると、探してみたが見つからなかったからあきらめた、自分の希望する仕事がどうもありそうもないからあきらめている、自分の知識や能力に自信がないからやらないのだ、家族の
介護、看病のためという人もいらっしゃいますけれども、病気や高齢のためが約五十万人です。そうすると、非常に大ざっぱに言いますと、六十歳以上の百六十万人の人が就業を希望しておって、六十万人近い人が求職活動をしていますけれども、百万人の人は仕事をしたいけれども求職活動をしていない。ただし、その中で半分くらい、五十万人の人は仕事はしたいのだけれども病気だし年をとったから無理はしない、こういうことであります。
ただ、それ以外に、今のは仕事をしたいという人だけれども、
高齢者で仕事をしたくないと思った、仕事をしたいと思わなくなった理由を調べてみると、もう今までの技能や経験が通用しなくなったからが十万人、適当な就職口が見つからなかったからが二十五万人、約三十五万人ですね。合わせますと七、八十万人の人が実は仕事があれば仕事についていい。そう考えますと、今日本は百九十五万人の失業者です。これが三%の失業。百九十五万で三%と考えれば、七十万の人が実は潜在的な失業と考えると、日本の失業率は三%からぽんと四%以上になってしまいます。そういう状況であります。
前置きが長くなりましたが、まず、労働省から見えておると思うのでありますけれども、そういった年はとっているけれども仕事につきたいんだという人に対して、労働省はどういう積極的な雇用
対策をしているのか、承りたいと思います。