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1994-06-21 第129回国会 衆議院 予算委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年六月二十一日(火曜日)     午後一時五分開議  出席委員   委員長 山口 鶴男君    理事 衛藤征士郎君 理事 中川 秀直君    理事 野中 広務君 理事 深谷 隆司君    理事 月原 茂皓君 理事 山田  宏君    理事 後藤  茂君 理事 中西 績介君    理事 草川 昭三君       伊藤 公介君    江藤 隆美君       小澤  潔君    越智 伊平君       後藤田正晴君    近藤 鉄雄君       志賀  節君    島村 宜伸君       関谷 勝嗣君    高鳥  修君       谷垣 禎一君    東家 嘉幸君       中山 太郎君    村田敬次郎君       村山 達雄君    谷津 義男君       柳沢 伯夫君    若林 正俊君       岡島 正之君    川端 達夫君       工藤堅太郎君    笹山 登生君       鮫島 宗明君    田名部匡省君       高木 義明君    長浜 博行君       二階 俊博君    山本 幸三君       秋葉 忠利君    伊東 秀子君       坂上 富男君    鉢呂 吉雄君       細川 律夫君    三野 優美君       石井 啓一君    北側 一雄君       谷口 隆義君    山口那津男君       渡海紀三朗君    穀田 恵二君       松本 善明君  委員外出席者         証     人 細川 護熙君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 六月二十一日  辞任         補欠選任   綿貫 民輔君     谷垣 禎一君   三野 優美君     秋葉 忠利君   東  祥三君     山口那津男君   不破 哲三君     穀田 恵二君 同日  辞任         補欠選任   谷垣 禎一君     綿貫 民輔君   秋葉 忠利君     三野 優美君   山口那津男君     東  祥三君   穀田 恵二君     不破 哲三君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  予算実施状況に関する件(国会で取り上げら  れた細川内閣総理大臣の問題)  証人書類提出についての報告      ――――◇―――――
  2. 山口鶴男

    山口委員長 これより会議を開きます。  速記をとめて。     〔速記中止
  3. 山口鶴男

    山口委員長 速記を起こして。  証人の御出席がいまだございません。したがいまして、事後の対策について相談するため理事会を開催いたしたいと思いますので、委員会休憩といたします。     午後一時五十分休憩      ――――◇―――――     午後四時開議
  4. 山口鶴男

    山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  先ほどの理事会協議経緯を踏まえ、この際、私から一言申し上げます。  委員長としては、よき先例を守るため全会一致の採決を行いました。その結果、かかる事態が発生したことは遺憾であり、今後先例といたしません。  予算実施状況に関する件の調査に関し、国会で取り上げられた細川内閣総理大臣の問題について、細川護煕君より証言を求めることといたします。  この際、証言を求める前に証人に申し上げておきます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によって、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証人証人配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人後見人後見監督人または保佐人並びに証人後見人後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士、弁理士公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。  証人宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。  証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人虚偽陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  以上のことを御承知おきください。  次に、今回の証人喚問に関する理事会申し合わせについて申し上げます。  その第一は、資料についてであります。  証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。  その第二は、証人がメモをとることについてでありますが、尋問項目程度は結構でございます。  以上の点を御承知おきください。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることにいたします。全員起立を願います。     〔総員起立
  5. 山口鶴男

    山口委員長 議院証言法第五条の三の規定によりまして尋問中の撮影許可しないことになっておりますので、これより細川護煕君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。  それでは、細川護煕君、宣誓書を朗読してください。
  6. 細川護煕

    細川証人       宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、  又、何事もつけ加えないことを誓います   平成六年六月二十一日                細川 護煕
  7. 山口鶴男

    山口委員長 宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  8. 山口鶴男

    山口委員長 御着席を願います。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。  なお、こちらから質問をしているときは着席のままで結構ですが、御発言の際には起立してください。  委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないように特に御協力をお願いいたします。     ―――――――――――――
  9. 山口鶴男

    山口委員長 これより証人に対して証言を求めます。  まず、委員長より委員会を代表して総括的にお尋ねをして、その後、委員各位発言を願うことといたしております。  それでは、お尋ねいたします。  まず、一億円借り入れ問題についてお伺いいたします。  あなたは、本年四月、内閣総理大臣の職を辞されましたが、四月八日、その退陣表明記者会見において、佐川急便からの一億円借り入れに係る利息分政治献金として処理していた、さらに、新たに資産運用について法的に問題があった疑いが出てきたことが判明した、この事実と予算審議等国会が空転している政治的責任を考え、政治最高責任者として道義的責任をとるべきだと判断し、首相の職を辞する決意をした旨述べておられます。  そこで、お尋ねいたします。  一億円借り入れに対する利息は、政治献金として処理していた旨あなたは述べておりますが、これは、これまであなたが本予算委員会において説明されてきた内容及び裏づけ資料として本委員会に提出された貸付金台帳内容とは異なるものであります。  退陣表明の前に事務所から報告を受けたとのことでありますが、本委員会における深山証人証言によれば、利息の件については、昨年暮れ、細川事務所に呼ばれた際に話をしていたとのことであります。これは結果として国会において虚偽答弁を行ったことになるわけであり、この点についてあなたはどのような認識をお持ちなのか、お聞かせください。  さらに、新たな資産運用疑惑については、その後の調査により、法的に問題がなかったことを明らかにされましたが、なぜ未調査の件を退陣表明記者会見発言されたのか、お尋ねいたします。
  10. 細川護煕

    細川証人 まず初めに、本日の証人喚問についてでございますが、委員長から先ほど遺憾の意の表明がございました。このようなことを先例としないという趣旨お話でございましたが、ぜひ、今後の議会主義というものが成熟をしていくことのために、そのことをひとつしっかりと墨守していただきたいということを私からも強くお願いを申し上げておきたいと思います。  委員長からのお尋ねでございますが、三点についてのお尋ねでございました。  まず一点は、私のこれまでの国会での答弁と、それからさきの辞任のときの会見とにおきまして、食い違いがあるのではないかというお尋ねでございますが、佐川からの一億円の借入の、借入に対する利息政治献金として処理していた、このことについて食い違いがあるのではないか、こういう趣旨お尋ねでございますが、全く食い違いはないということでございます。今までの答弁会見で申し上げてきたこととの間には何ら事実として異なるものはないということを重ねて申し上げておきたいと思います。  辞任直前事務所の方から報告がございまして、佐川の方から利息政治献金として処理をしていた、つまりそのことは、政治献金を、利息分政治献金として佐川からいただき、私の政治団体からそれに相当する領収書を発行し、そして私の個人から、私個人から政治団体にその相当額を入れていた、個人資金を入れていたということでございますが、そのような形で処理をしていたということでございます。  本来、厳密に申しますれば、私が個人資金佐川利息として支払って、そして佐川からその相当額政治献金として私の政治団体にいただく、こういうことでございましょうが、その間の金の動きを省略をいたしまして、私が直接に私の政治団体に私の個人の金を入れた、こういう形で処理をしたということでございます。  事務所からの報告に従って私はそのように答弁をしたわけでございまして、利息を支払ったという点につきまして、従来の答弁と何ら異なるところはないということを改めて申し上げておきたいと思います。  それから、深山証言についてのことでございますが、十二月に深山秘書事務所に対して、利息政治献金として処理していた、こういうことを事務所に対して報告をしておった、こういうことでございますが、私もその事実については四月八日の辞任会見直前に初めて事務所の方から聞かされて承知をしたということでございます。  ただ、事務所説明を聞きますと、事務所としては、先ほども申し上げましたように、利息を払っていたということは間違いがないので、しかも国会における御質疑は、主として佐川からの一億円を返したのか、返していないのか、あるいは元利ともに返していたのかどうか、こういう点が御質疑の中心でございましたし、それをどのようにその利息分処理したかということについてのお尋ねはございませんでしたので、その点につきましては、利息政治献金として処理した、そこの中間のところは省略をして私に対しては報告を上げていたということでございまして、私はその事務所報告に基づきまして国会で御答弁を申し上げたということでございまして、決して虚偽答弁をしたということではございません。  ただ、このように事務所から報告がなかったこととは申しましても、大変重要な点につきまして国会誤解を招くような結果になったということにつきまして、私は道義的な責任というものを考えて、このことも総理を辞する判断の一つになった、こういうことでございます。  それから、第三のお尋ね資産運用に関してでございますが、四月八日に私が辞任会見をした時点ではまだ調査は完了していなかったではないか、にもかかわらず総理の職を辞するというのはどういうことであったか、こういう趣旨お尋ねではないかと思いますが、確かに四月八日の時点では、まだこの資産運用の点についての調査というものは完了はしておりませんでした。そのことは会見でも申し上げたとおりでございます。  ただ、この点につきまして、知人の資金運用につきまして、御本人もその後記者会見をされ、また私も専門家方々意見などを聞いて、法に触れるものではないということがその後はっきりした次第でございます。  しかし、その後四月に入りましてから、国会におきまして、この問題あるいは先ほど申し上げたような点も含めまして、これらの問題について国会で時間をかけて追及する、こういうふうな話が伝わってきたりいたしまして、ただでさえその時点予算審議が、私の個人的な問題をめぐって長期にわたって審議がとまっている状況でございましたし、さらにこのような新たな問題をめぐって予算の成立が大幅におくれる、国民生活に重大な支障を来すということは何としてもこれは避けなければならないことである、このように考えまして総理を辞する判断をした、こういうことでございます。
  11. 山口鶴男

    山口委員長 次に、あなたの義父である上田正平氏名義のNTT株式購入についてお聞きいたします。  この問題について、あなたは、一貫して私の取引ではない旨本委員会等において述べておられます。しかしながら、本取引を仲介した証券コンサルタント藤木周蔵氏は、五月十一日、参議院予算委員会参考人として出席し、本取引細川氏の意思であったと解釈している旨陳述しております。  また、本委員会において深山証人は、NTT株式購入について、当時熊本県知事細川さんに桑畑氏から話があり、私にも検討するよう細川さんから指示があった、また、桑畑氏や藤木氏に対しては上田氏の取引であることは申し上げていなかった、さらに、売却益は清算を行うため、一たんは政治団体の口座を使用した旨証言しております。  そこでお尋ねいたします。  あなたは、五月十一日の参議院予算委員会における藤木参考人陳述あるいは本委員会における深山証言を聞いてどのように思われましたか。また、現在においてもその事実認識について変わりはないか、お聞かせください。  最後に、深山証人は今回の問題について、機会があれば進んで証言に応じていたとの趣旨証言をされました。この深山証言のとおりであるならば、あなたはなぜ深山秘書証人喚問を拒否し続けたのですか、お伺いいたします。
  12. 細川護煕

    細川証人 NTT株に関連してのお尋ねでございますが、何分古いことでございますから記憶も定かではございませんが、その経緯につきましては、先般深山秘書証言におきまして申し上げたとおりでございまして、私は桑畑氏からの話を深山秘書にそのまま検討するようにということで投げかけたのではなかったかと思います。  そのときの深山秘書説明によりますと、これも確かな記憶ではございませんけれども、たしかこういうことであったろうと思いますのは、検討してみると、随分手間はかかるけれども、どの程度利益が上がるかわからない、積極的にやってみましようという趣旨の話ではなかったように思います。私としては、この話には必ずしも積極的では、どちらかというと積極的ではなかった、どちらかというと消極的であった、こう申し上げた方がいいのではないかと思います。  ただ、ちょうどそんな折に義父の方から私のところに、ぜひNTT株をやってみたい、こういうことを言ってまいりまして、担保を提供してくれないか、こういう話でございましたから、元麻布のマンションならば提供できるかもしれないということで、そのことを深山秘書に伝えまして、検討し、協力をするように指示をしたのではなかったかと思います。  その後は、担保提供の手続に関しまして、私が自分で署名捺印をしたものもあるかと思いますが、深山秘書に実印を預けたものもあったのではないかという気がいたします。  それから深山秘書の、いや、その前に、そのことに関しましては、それ以外は一切関与しておりませんので、それ以外のことはわからないということをつけ加えて申し上げておきたいと思います。  それから、深山証言感想ということについてのお尋ねでございましたが、古い話であり、また事務所も何回も移転をしている、そういう状況の中で、既に不要になった資料等整理をしてしまったという状況もございましたし、そういう中で記憶を喚起しつつ大変誠実にお答えをした、私はこのように感じております。  事務所からいろいろ聴取をいたしました、深山秘書からその間の事情などを聞きましたことにつきまして、事実につきましても、当然のことながらほぼ内容は合致しておりますし、また、私が記憶する限りの事実とも合致をしているということでございます。  それから、藤木さんのことについてもお尋ねがあったのではないかと思いますが、これは御質問かどうかわかりませんが、私は藤木さんについては存じませんが、面識はございませんが、藤木さんが私のために一生懸命やっていただいたとするならば、それは大変ありがたいことだと思っております。しかし、そのおっしゃった内容につきましては、先ほど来申し上げますように、これは義父取引でございまして私の取引ではございませんので、誤解があるということを重ねて申し上げる次第でございます。  それからその次は、証人として深山氏が出頭するということについて、私がそれを拒否し続けたのではないかと、大変心外なこれはお話でございましたが、そういうことは全くないということを強く私は申し上げておきたいと思います。  申し上げるまでもなく、証人喚問ということは、深山秘書に限らずだれの場合であろうとも、これは国会がお決めになることでございますし、委員会がお決めになることでございますし、そのことについて一々はたからくちばしを差し挟むようなことは、一切これはあってはならないことでありますし、また、私はそんなことは一切していないということを申し上げておきたいと思います。  ただ、深山秘書から、その間のさまざまな事情を承知しているのは深山秘書でございますから、その間の事情につきまして、事務所から深山秘書にその当時の状況をいろいろと聴取をいたしました。  その結果を踏まえて私がこの予算委員会で、百何十時間にもわたってここで御答弁を申し上げてきたわけでございますし、今や秘書をやめて一サラリーマンとして家族とともに平穏な暮らしをしているその人物を、ここに改めて招致をして聞く必要があるのかどうか、それは私自身が全責任を持って、また私自身に全責任があるわけでございますから、私がすべて責任を持ってお答えをする、こういうことを申し上げてきたところでございます。
  13. 山口鶴男

    山口委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。  次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。鮫島宗明君。
  14. 鮫島宗明

    鮫島委員 細川さん、与党を代表して質問させていただきます。  従来、首相経験者に対する証人喚問は、首相職務権限または閣僚の職務権限に関する事項で、しかも社会問題化したケースに限り、極めて異例なこととして行われてきたと認識しておりますが、今回の細川さんに対する証人喚問で問題とされていることは、今から十年以上も前のことで、国政とも無関係、しかも公務員の地位利用とも全く関係のない個人的な経理上の問題が疑惑とされているわけですが、このような証人喚問あり方について、初めに率直な御感想、御意見をお聞かせ願えませんでしょうか。
  15. 細川護煕

    細川証人 ちょっと急なお尋ねでございますから、どういうふうに整理をして申し上げたらいいのかわかりませんが、証人喚問あり方についてはかねがね国会でも論議になってまいりましたし、また今日も論議をされているところでございます。  証人喚問というものが何かあたかも人民裁判であるかのように世の中で受けとめられている方々もいる、おられる、これはいかがなものであろうか。この予算委員会の場は犯罪を捜査をする場でもございませんし、人を糾弾する場でもないわけでありまして、あくまでも国政の場として事実の解明にどのような役割を果たすかということに尽きるんだろうと思いますが、そうした観点で私なりの感想を、これは今議運の方でもいろいろ議長の御諮問のもとに御論議をいただいていることでございましょうから、まあ私がこれは全く個人的な意見として率直に言わせていただくわけでございますが、過去の経緯の中で、このような静止画像ということで直接に国民皆様方にお訴えをするということができなくなっているわけですが、本当は、私の個人的な気持ちとしては、生にテレビなりなんなりを通じて国民皆様方にお訴えをするということの方がはるかにこれは真意を伝えて、真意を酌み取っていただけるであろう。  そういったことも含めまして、またこの予算委員会の場というものが果たして証人喚問という場に適しているのかどうか、今政治倫理審査会等々の御議論もそういうことを踏まえてかねてから出ているわけでございますし、まさにそうした点について、今、国会議運等の場におきまして御論議をいただいているわけでございますから、ぜひもう少し、疑惑を受けた人が、もう少し、このように大げさな形ではなくて、どんどん進んでこういう場に出てこられるように、ぜひ議長におきましても、また関係委員会等におきましても、そのような場ができることを、整備されますことを私は強く願っている次第でございます。
  16. 鮫島宗明

    鮫島委員 確かにこの問題については相当な時間を予算委員会で費やしてきたわけでございまして、国会を一日開催すると約二億円の経費がかかると言われております。国民の側からも、一体国政上の重要問題をそっちのけにして一億円問題をいつまでやっているんだという声、あるいは、聖人君子面をして質問を続けている野党の議員は、十五年さかのぼっても本当に真っ白なのかという声も日本新党本部に多く届けられております。  時間もございませんので、事柄の本質だけをお伺いいたします。  現在問題にされている細川事務所経理上の疑問は、大別して三つに集約されると思います。第一は佐川一億円問題、第二はNTT株の問題、そして第三は総理辞任時にお触れになった資金運用問題ですが、まず佐川問題からお伺いいたします。  佐川一億円問題の内容というのは、元本をちゃんと返したのか、利息はちゃんと返したのかという問題に尽きると思います。利息については、先ほどの委員長からの質問もありましたように、すべて返しているというふうにお答えになっているわけですけれども、そのときに、十二月のお答えと四月の答えとが、四月の場合には、利息を返し、それと同額の金額を政治献金としてもらっているということがつけ加わったわけですけれども、利息を支払っているということについては疑問の余地がないと思いますけれども、それはそのように了解してよろしいんでしょうか。
  17. 細川護煕

    細川証人 ちょっとよく趣旨がわかりませんでしたが、利息を返している、そのとおりでございます。
  18. 鮫島宗明

    鮫島委員 利息分返済し、それと同額政治献金を受け、適正に処理したというのが利息に関する事実だと思います。  次に、元本に関してですけれども、このことに関しては紛失した領収書をめぐって延々と水かけ論が続いておりますけれども、この問題で水かけ論を続けていてもしようがない。貸し主である佐川元本返済を受けたか否かの問い合わせをすることが元本返済の事実を証明する最も確かな方法だと考えられます。あなたあるいは細川事務所で、貸し主である東京佐川にその返済証明を要求しましたか。
  19. 細川護煕

    細川証人 返済証明佐川急便東京支社に対していたしまして、その回答書というものをいただいております。それは、いつだったか忘れましたが、委員会理事会の方にその資料は、間違いなく一億円は細川さんから返してもらいました、こういう回答書佐川の方からいただいているということでございます。
  20. 鮫島宗明

    鮫島委員 これがその実物だと思いますけれども、今コピーを全員にお配りしておりますけれども、二月二十二日付で当委員会に提出された書面がその返済証明であると思います。  内容については、佐川急便株式会社東京支店名で、「細川護煕殿」「一億円の貸付金については既に完済されております。なお、完済に伴い担保権も消滅いたしました。」これは専門家の判定によりますと、法的にも十分有効な内容のものでありまして、このことによって元本返済されていることというのは間違いなく証明されているというふうに我々としては認識いたします。  次に、NTT株の問題に移りますが、NTT株の問題の本質は、この取引細川さん自身取引であったのか、それとも義父上田さんの取引であったのかが最大の争点とされており、この問題をめぐって桑畑さん、藤木さん、深山秘書の計三名が関係者として挙げられています。特に、藤木さんは参議院予算委員会で、細川さんからの依頼だと思ってNTT株購入の努力をしたということを述べておられますが、あなたは藤木氏と会ったり話をしたことがございますか。
  21. 細川護煕

    細川証人 先ほども委員長お尋ねお答えをいたしましたように、私は藤木さんとは全く面識はございません。
  22. 鮫島宗明

    鮫島委員 それではあなたが藤木氏に御自分のNTT株購入を依頼したという事実はもちろんないわけですけれども、それでは、桑畑氏あるいは深山秘書に対して、自分がNTT株購入したいから手続をとってくれということを依頼したことはございますか。
  23. 細川護煕

    細川証人 そういうことは全くございません。
  24. 鮫島宗明

    鮫島委員 あなたは藤木さんにも桑畑さんにも深山さんに対しても、自分ではNTT株購入する気はない、義父上田購入したいので、自分が担保提供をするからその手伝いをやってくれという指示深山さんにしたというふうに深山さん自身の御答弁からも類推されるわけですが、事実はそのとおりでよろしいんでしょうか。
  25. 細川護煕

    細川証人 そのとおりでございます。
  26. 鮫島宗明

    鮫島委員 深山さんの証言あるいは桑畑さんの記者会見等で、担保提供細川さんが行ったということは明白な事実として証明されております。しかし、担保提供を行った人が即株を購入する人ということではないわけでして、この取引に伴う委員会に提出されている種々の書類を見ますと、すべて実際の手続は上田さんがおやりになっておって、NTT株式購入を行ったのは細川さんの義父に当たる上田正平さんであるというふうな認識で間違いないでしょうか。
  27. 細川護煕

    細川証人 おっしゃるとおりでございます。
  28. 鮫島宗明

    鮫島委員 ただ、この点について一つだけ、この前深山さんの証言で、NTT株式売却益たる小切手が上田さんの口座ではなく細川事務所の口座で換金されたということでしたけれども、この事務所の口座というのは上田さんのためにしょっちゅう使われていた、あるいは一時的に使われたのかどうかお答えいただけますか。
  29. 細川護煕

    細川証人 一時的に使われたということでございます。
  30. 鮫島宗明

    鮫島委員 ちょっと問題の本質から外れると思いますけれども、細川さん自身は御自分で株を売買するということに大変御関心があって、今までもそういうことをやってこられたのでしょうか。
  31. 細川護煕

    細川証人 私は、株のことにはそれほど関心はございません。幾らかやってきたことはやってまいりました。
  32. 鮫島宗明

    鮫島委員 上田正平さんの株取引について、御高齢の年金生活者なので御本人が株を取引するわけがないというような意見も一部にあるようですけれども、上田さんは、どのような方で、株取引についてどの程度の御関心があった方なのか、細川さんの御承知の範囲でお答えいただけませんでしょうか。
  33. 細川護煕

    細川証人 京都大学を出ましてから、東洋羽毛工業だったかと思いますが、そういう会社の社長をし、また、羽田空港ビルというところの専務をし、その他いろいろ経営に携わってきたと。自分自身も、確かに高齢ではございました、年金もそれは受けていたと思いますが、しかし、かくしゃくともしておりましたし、ささやかではありましても、小さいながらも経営を自分でやっていたわけでございまして、その当時、資産をどれぐらい持っていたかということは私はわかりませんが、少なくとも結婚した当初には、結婚したころには、鵠沼の一等地に四百坪ぐらいの家屋敷を持っておりましたから、しかも、そのNTT株の問題の当時におきましても、先ほど申し上げましたように、小なりといえども会社の経営をしていたわけでございますから、それなりの資産というのは持っていたのだろう、このように思います。
  34. 鮫島宗明

    鮫島委員 このNTT株の件については、信用保証をしたのは細川さんである、しかし、実際に株の売買を行ったのは上田さんであるということも明らかな事実であると思います。  三番目に、資金運用の問題ですけれども、これは先ほど委員長からの質問もありましたので結論だけお伺いいたしますけれども、修正申告をする必要が一部にあったということですが、それはもう修正申告も済ませて決着しているというふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
  35. 細川護煕

    細川証人 おっしゃるとおりでございます。
  36. 鮫島宗明

    鮫島委員 以上、短い時間でしたけれども、佐川一億円の問題、NTT株購入問題、資金運用問題について、それぞれ適切に処理されておって、いわゆる巷間言われるような疑惑に該当することが本質的にはないということが明らかになったのではないかと思います。  既にこの問題については、先ほど細川さんの答弁にもありましたけれども、百三十時間以上にわたってこの貴重な予算委員会の時間を使って行われているわけですし、極めて明白な事実を明白でないように仕立て上げるための質問をこれ以上続けることは国民的利益に反するものである。むしろ、現在日本の置かれている状況を考えれば、世界的見地に立って、あくまでも国益に沿った本質的な討議がこの予算委員会の場で行われるべきであるというふうに思います。  以上、時間ですので、私の質問を終わります。
  37. 山口鶴男

    山口委員長 これにて鮫島君の発言は終わりました。  次に、深谷隆司君。
  38. 深谷隆司

    ○深谷委員 私は、本日は、細川証人に対して心を痛めながら質問することをまず申し上げたいと思う。  私は、連立政権誕生以来、野党自民党を代表して五回質問に立ちました。時の総理であったあなたに対して、さまざまな角度から政策論を展開し、日本の行方を誤らせぬように厳しく論及し、また提言もいたしてまいったつもりです。あなたの個人的な疑惑が大きくクローズアップされている最中でも、私は政策論に終始して、ただの一度もあなたの疑惑についての追及をしたことはないのであります。  それは、同じ政治家として私情においてちゅうちょする心があったからです。それは、あなたに対して疑惑を追及した自由民主党そのほかの同僚議員にしても思いは同じであったろうと考えます。心のどこかで、一日も早く、細川さん、あなた自身がみずからの言動で疑惑を解消してほしいものと願っているのでございます。  しかし、予算委員会やその他の公的場においても、残念ながら、あなたは誠実にあるいは積極的に事態の解明をなされたとは思えないのでございます。そしてついに去る六月十五日、あなたの元秘書深山正敏氏の証人喚問となって、むしろかえって疑惑は深まって本日のあなた自身証人喚問という不幸な事態となってしまったのでございます。  今、日本新党の鮫島さんから御質問があって、立場が変わるとこんなにまで言い方が違うのか、驚いてしまいました。私たちは予算委員会でさまざまな議論をいたしてまいりましたが、大事な予算に関しては、いかに短時間で上げようか、委員長を中心に渾身の努力を果たしてまいったつもりであります。あたかも疑惑解明のために予算をそっちのけにしたような言い方をされることは、私は断じて誤りであるということを指摘申し上げたいと思うのであります。  もともと政界の浄化を旗印にして細川さんは連立政権を組みました。腐敗を防止するということ、それがいわば政治改革論となって国民の支持を受けてまいったのであります。ところが、そのさっそうと総理大臣になられたあなたに、あなた自身個人的な疑惑が広がってきた。そして、やがて総理をそのためにやめざるを得ない状態になって、今日このような形で相対さなければならないことになったのでございます。  一国の総理を務めた方の種々の国会での発言が多くの偽りを含んでいる、そして今もなお解明されてはおられないとするならば、これをただして真実を明らかにすることは、我々政治の道を歩む者の大きな責任ではないかと私は思います。  ここにあなた自身がお書きになった論文がございます。これは文芸春秋というところにあなたがお書きになった「君子なくんば治まるなし」というタイトルの論文です。   これまでも自民党の腐敗や金権体質について  はさまざまにいわれてきましたが、金丸さんの  逮捕を契機として改めて政治家の資質について  考えさせられました。こういう出だしで、途中略しますけれども、   かつて鎌倉時代の執権だった北条泰時は、   ことしげき 世のならひこそものうけれ     花の散りなん春も知られず   と詠んでいます。つまり、政務に没頭してい  るうちに、梅の花も散り、桜もいつか咲きそし  て散っていったことすら気づかなかった。襖を  開けて花の気配にも気づかぬほど、なんとまあ  せわしなく時を過ごしたものか、という感慨を  歌にしたものです。それに比べて、今の政治家  は賭けマージャンとゴルフばかり。こうした政  治家に対する国民の不信、嫌悪は日に日に深  まっている。誰がとはいわないが、ケジメをつ  けるべきだと思われる人も誰もケジメをつけよ  うとしない。政治に怒りを感じるのは当然では  ないでしょうか。こう書かれている。  「今の政治家は賭けマージャンとゴルフばかり。」この言い方は甚だしく侮辱であります。私はマージャンすらできない政治家の一人です。そして、その後にあなたが言われた「ケジメをつけるべきだと思われる人も誰もケジメをつけようとしない。」私はこのあなたの立派な論文をそのままあなたにお返しいたしたいと思うのであります。このことをそのままあなたにお返しすることによって、本日の喚問の意味は、あなたはもちろん、国民の皆さんもおのずから御理解いただけると思うからでございます。  さて、質問の第一は、あなたが去る四月八日、突如総理大臣の辞任記者会見を行ったことについてであります。  昨年十二月に編成すべき平成六年度予算を、あなたは政治改革法案を実現するためにと越年をさせました。財政法に基づいて一月には国会に上程すべき予算も同じ理由でおくらせて、ついに三月四日に提出するという、政権担当者としては驚くべき怠慢ぶりを見せたのです。先ほどの鮫島議員の御発言は、ですから全く事実に反している。  しかも、そのころは既に細川疑惑国会でもマスコミでも大きくクローズアップされて、まさにその頂点に達しておりました。当委員会でも、疑惑解明のための資料要求や証人喚問を激しく求めておりましたが、あなたはことごとくこれを拒否して、結局は予算委員会の扉を開くことを拒み続けたのであります。深山喚問について、ただの一度も拒否したことはないとおっしゃるが、何回あなたの発言としてマスコミをにぎわせてきたことか、そのことはあなたはよもやお忘れではないと思うのであります。  その結果、予算審議は行われないままに、いわば予算は人質にされたままの状態でいたずらに日時が流れていってしまったのです。あなたの突然の辞任は、ついに予算をも投げ出す結果となってしまいました。これは政権責任者としては決して許されない暴挙だと私は思います。このようなことは当然あなたは自覚しておられたはずなのです。しかしそれでも辞任をされた。よほど差し迫った理由があったからではないかと思うのです。  なぜあなたは大切な予算までほうり投げておやめになったのか、改めてこの場でお尋ねをしたいと思います。
  39. 細川護煕

    細川証人 先ほどの冒頭のお話の中で、私の書きました論文を引いてのお話がございました。これはお尋ねではございませんでしたが、私の所見を簡単にちょっとだけ言わせていただきたいと思いますが、二年前に日本新党を旗上げいたしましたときに、何も私だけが決してクリーンであるなどということを申して、だから腐敗防止を初めとする政治改革をやらなきゃならないのだ、こんなことで日本新党の旗上げをしたわけではございませんで、私も五五年体制という古い政治の体質の中から出てきた者でございますし、その中にどっぷりとつかって二十年間以上政治生活にかかわってきたわけでございますから、繰り返して申しますが、私自身が決してクリーンだなどということを申し上げたことはございません。  ただ、だからこそ、政治腐敗を初めとして政治改革というものに一生懸命取り組まなければならない、そういう思いで私は今日まで一生懸命やってまいりましたということをまず申し上げておきたいと思います。  なぜ四月八日に急遽辞任会見をしたか、こういうことでございますが、この点につきましては、先ほどの委員長に対する御答弁におおむね尽きているかと思いますが、一つは、佐川の問題について、これを利息政治献金として受け入れていた、利息を支払ったことには間違いはないけれども、しかし、その点について誤解を招くような事実があったことは、これはそのとおりでございますし、このことが一つと、それからもう一つは、NTT株の問題につきまして、義父取引でございますが、このことはさまざまな客観的な状況から申しましてそういうことを推察をいただけるわけでございますが、しかし、その売却益が、NTT株売却益が私の事務所の口座を通っていた、このことはやはり、その事務所の口座を通って義父の手元に渡っているわけでございますが、しかし、これはやはり誤解を招く事実であったことは間違いない、これが第二の点でございます。  それから第三には、資産の、資金運用の問題に関しまして、知人のいたしておりました資金運用が、ひょっとするとこれは法に触れる疑いがあるかもしれない、こういう疑念を持ったわけでございますが、幸いにそういうことはなかったということが判明をいたしました。  しかし、そのような問題につきまして、これも誤解を招くような事実でございますし、また、このことをめぐって、あるいはこれらのことをめぐって、先ほども申しましたように予算委員会がさらに長期にわたって空転をするということは、これは国民生活に大きな影響を及ぼすことでございますから、何としても政治の最高指導者としてその責任を感じなければならない、そのような思いで総理辞任をする決断をさせていただいた、こういうことでございます。
  40. 深谷隆司

    ○深谷委員 今のお話の中に、これ以上総理にとどまっていると予算がおくれるからというお話がございました。私は、総理のときにその言葉を聞きたかった。  かつて竹下総理は、さまざまな疑惑を追及されたあなたと同じような場面に直面したときに、国民生活に欠くことのできない予算だけはどうか通してくれ、自分がやめることと引きかえに予算を通してくれということで、結果においては予算を通して、それからおやめになったんですよ。  あなたは、やめたとおっしゃって、予算はそのままでございました。あなたが予算を本当に心配し、通すことをお考えになるのでしたら、なぜあのときに、自分はやめる決意をしたから予算審議を急いで通してくれとおっしゃらなかったんですか。  私たちは、理事会において、あるいは委員会において、何回予算を早く上げようと言い続けたかわかりません。そのために、時には委員会を開かなかった委員長に、私は文句を言ったこともございました。そういう状態の中で、予算をおくらせてはこれ以上ならないからやめるんだというお言葉は、私は正直、今お聞きしたくはなかった、あのときにおっしゃって、私は責任をとってやめるから予算だけは通せという、あなたのそういうお言葉が欲しかったということを加えさせていただきたいと思います。  あなたの辞任会見のときに、今おっしゃったいろいろなお言葉がございました。その中で、こういう御発言があります。  昭和五十六年ごろから数年にわたり、私の事務所が私個人資金をある人に任せて運用し、利益を得ていたということであります。ある人というのは私の古くからの友人で、確実に有利な運用なので任せてほしいとのことでありましたが、その運用に法的問題があった疑いが判明しました云々です。  どこに法的問題があったのかこの発言の中では理解できません。どこに法律の問題があったのか、お聞かせいただきたいと思います。
  41. 細川護煕

    細川証人 結果的に法的な問題はなかったということでございますが、そのときに感じましたのは、ひょっとすると貸金業法あるいは出資法、そうした法律に触れるのではないかと、こういう感じを事務所として持ったと、こういうことでございました。  しかし、繰り返し申しますが、その後専門家方々の御意見も聞き、そういうことはないと、それからまた、その友人自身も、本人記者会見をして、そういうことはないということを申しておりますから、そのように受けとめていただきたいと思っております。
  42. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたの事務所調査結果について、あなたの第一秘書でございました八塚南海夫さんが四月二十二日に会見をなさいました記者会見、その記事の一部を読みますが、全くの仮定の問題として、仮に桑畑氏に出資法二条違反があるといたしましても、出資者は本来罪に問われませんし、また貸金業法十一条違反につきましても、当方にはこれらの違反はなく、仮に桑畑氏についてこれがあったといたしましても、当方には具体的認識はないので共犯は成立しないというのが私どもの弁護士の判断でございます。  あなたが言われた、法的に責任がなかったということは、この証言のことだろうというふうに思います。  そうしますと、法的な理由がないのにあなたはおやめになったということです、一国の総理大臣が。今の感じでは、勘違いで総理をやめたということになりはしませんか。だとするならば、それは大変軽率なことだと言わなければなりませんが、いかがでしょうか。
  43. 細川護煕

    細川証人 先ほど申し上げた三つの理由、つまり、利息佐川からの政治献金として扱っていたと、これだけでもやはり大きな問題であると思います。  それからまた、NTTの株式の問題につきましても、私の事務所の口座を通っていた、これも誤解を招くようなことであったと、こう申し上げたわけでございまして、その資金運用の問題につきましては、その時点ではわかりませんでしたが、その後、税務申告、修正申告の手続をとったということでございますが、その時点におきましては、やはりこれも先ほど申しましたように、誤解を招くような資金運用を任せていた、こういうことでございますから、これについてはやはり道義的責任があると。  そして何よりもやはり、先ほども申しましたように、このことによって政治的な空白というものがさらに続くという事態は何としても避けなければならない、こういう判断に立って総理としての職を辞する決意をしたと、こういうことでございます。
  44. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたがおやめになったすぐ後の週刊誌あるいはその他マスコミで、続々とあなたに関するスキャンダラスな話題も出ました。一気にあなたの疑惑が大問題になった、社会的大問題に。さっき、一国の総理証人喚問を受けるときには社会的問題があるかないか云々と言われましたが、現実に社会的大問題になっておった。  ですから、あなたが今申されたようなことで軽々しくおやめになったとは思えないし、もしそれがすべての理由なら、私は総理大臣をなさったあなたの責任は本当に重いと。身の処し方、これはおやめになった後もその責任が問われなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
  45. 細川護煕

    細川証人 先ほど申し上げましたような幾つかの理由というものは、これは、国を預かる最高の責任者として極めて私は重いものだというふうに受けとめておりますし、そのことについては、今もそのように感じております。
  46. 深谷隆司

    ○深谷委員 そうすると、あなたがおやめになった後、マスコミの報道で、自分がやめたのは目くらましであったと、自由民主党を分裂させるために私はやったんだと、こういう記事が書かれておりましたが、あの言葉は事実だったのでしょうか、どうなんでしょうか。
  47. 細川護煕

    細川証人 それは全く私の真意を伝えたものではございません。私が辞任をいたしましたのは、るる申し上げますように、政治的、道義的責任をとり、そしてまた、政治的な空白を何としても避けなければならない、こういう思いで最終的な判断、決断をしたわけでございまして、私が申しましたことが、その趣旨が伝わらずに報じられているものだというふうに思っております。  私がそのときに申し上げたことは、正確には覚えておりませんが、私が辞任することによって生ずる政治的な意味というものは、これは全く私の個人の観察でございますが、恐らくそのことによって政界の再編というものはさらに加速をするかもしれない、そういう私なりの政治的な見通しを述べたことはあったかと思います。
  48. 深谷隆司

    ○深谷委員 事実にないことをマスコミが載せたとおっしゃいましたけれども、目くらましとか自民党分裂という言葉がどの新聞にも載っておりましたからね。真意が伝わらなかったでは済まないとは思いますが、しかし、この点に関しては、ただいまあなたの言われたことを信じたいと思います。  あなたの頼りにしていたよき友人というのは、今私も名前を挙げましたが、桑畑祐生さんという方を指しておりますね。
  49. 細川護煕

    細川証人 そのとおりでございます。
  50. 深谷隆司

    ○深谷委員 桑畑さんに資金運用を任せて、一回について最低百万円から最高二千万円までの額を合計二十数回にわたって受け取って、総額五千七百万円の利益を得たと言われておりますが、そのとおりですか。
  51. 細川護煕

    細川証人 そのように報告を受けております。
  52. 深谷隆司

    ○深谷委員 それでは、その受領した利益は税務申告なさっておられましたでしょうか。
  53. 細川護煕

    細川証人 このたび修正申告をさせていただいたということでございます。
  54. 深谷隆司

    ○深谷委員 恐縮でございますが、おわかりいただけたら、どういう修正申告をなさったのでしょうか。
  55. 細川護煕

    細川証人 数字でございますから、資料を見て答弁をさせていただきたいと思いますが……
  56. 山口鶴男

    山口委員長 結構です。
  57. 細川護煕

    細川証人 新昭和研究会、私の政治団体でございますが、六月十五日に小石川税務署に法人税期限後申告書を提出をいたしました。中身は、平成元年、二年、三年分につきまして、合計五百五十二万円の運用益を申告をいたしております。納付税額は、加算税、延滞税、地方税を含んで約三百二十万円でございます。  それから、私個人の分といたしまして、六月十六日に熊本西税務署に修正申告書を郵送して発送をいたしました。郵便で発送をいたしました。平成三年分につきまして、合計二百二十四万円の運用益を申告をいたしております。納付税額は、加算税、延滞税を含んで約二百二十万円でございます。地方税は含まれておりません。運用益とは別の、退職所得の控除額の修正も同時にいたしましたために、税額は運用益に対するものだけではないということを念のためにつけ加えさせていただきます。
  58. 深谷隆司

    ○深谷委員 桑畑さんとは大変あなたは親密であったようでございます。今までの桑畑さんの記者会見等々によりましても、あるいは一部の報道にもさまざまに記載されておりますけれども、かなり頻繁な深いおつき合いをされたというふうに聞いておりますが、いかがですか。
  59. 細川護煕

    細川証人 私の大変信頼をしておりました、今はもう既に故人となられましたが、その方に御紹介をいただきまして、その方とおつき合いをするときにはほとんどと言っていいぐらいその方が、その桑畑氏が同席をしておられましたので、私も、親密ということではございませんが、大変信用はいたしておりました。
  60. 深谷隆司

    ○深谷委員 あるときは京都の細川別邸に桑畑さんをあなたがお招きし、佐川急便佐川清会長と御一緒に、四、五人の舞子さんも呼んで歓待したこともあると書かれておりますが、そういう記憶はございますか。
  61. 細川護煕

    細川証人 京都にその先ほど御紹介をいただきましたと申し上げた方などとともにゴルフに参りましたことは記憶をしております。
  62. 深谷隆司

    ○深谷委員 京都から東京行きの新幹線の中で、桑畑さんにあなたは、できれば将来派閥をつくりたい、しかし後援会が少なくて資金が足りないと言われた。どのぐらいかかるんですかと桑畑さんが尋ねたところ、五億円ぐらいかかると言われたそうですが、そういうことも覚えていらっしゃいますか。
  63. 細川護煕

    細川証人 全く記憶をしておりません。  当時のことを振り返ってみましても、派閥をつくるなどということは、当時、一参議院議員であったわけでございますし、そうしたことを考えるということは、今まで私は全く考えたこともございませんし、またそんなことを言うはずもないというふうに私は思います。  また、五億円云々という話も今ございましたが、その当時でもそんなことではとても派閥などは成り立たないのではないか、それはちょっとけたも違うんじゃないかというふうに、私はその当時のこととしても思いますが、いずれにしても、そんな派閥をつくろうなどということは今まで全く考えたことはございませんので、それは何か桑畑さんの記憶違いではないかというふうに私は思っております。
  64. 深谷隆司

    ○深谷委員 ただいま私が質問申し上げましたのは、去る四月十三日に桑畑祐生さん自身記者会見で述べられたものでございます。  そうすると、あなたは、桑畑さんは事実でないことをおっしゃったと、今そうここで断定なさったと伺っていいですか。
  65. 細川護煕

    細川証人 それは古い話でございますから、だれでも、一週間前のことだってよく覚えているかどうかわからないわけでありまして、まして十年近い前の話でございますから、それは桑畑さんにも記憶違いはございましょう、私も記憶違いしていることもございましょう、こういうことを申し上げているわけでございます。
  66. 深谷隆司

    ○深谷委員 昭和六十一年の八月ごろに、桑畑さんはあなたにNTT株購入を勧めたということですが、事実でしょうか。
  67. 細川護煕

    細川証人 定かに記憶はしておりませんが、桑畑さんあるいは深山秘書などがそのようなことを申しておりますから、あるいはそうだったのかなと、確かにいつの時点か忘れましたが、勧められたということはあったかと思います。
  68. 深谷隆司

    ○深谷委員 桑畑さんによりますと、当時熊本県知事のあなたから、熊本の阿蘇ゴルフクラブに招かれたということでございます。そして、そのゴルフの後、ゴルフ場附属の阿蘇高原ホテルであなたの奥様と桑畑さんと御一緒に夕食をいたし、その後二人きりになったときに、藤木周蔵さん作成のNTT株の投資プランを見せられて資金づくりのチャンスですと勧められたというのがそもそもこのNTTのスタートだと聞いていますが、いかがでしょうか。
  69. 細川護煕

    細川証人 全く記憶をしておりません。
  70. 深谷隆司

    ○深谷委員 そのとき細川さんは、わかりました、後で深山に連絡させますと言われたそうですが、記憶ありませんか。
  71. 細川護煕

    細川証人 そういう話につきましては、つまり資産運用資金運用等に関する話につきましては、私はほとんど関知をしておりませんので、恐らく、そういう話があったとすれば、それは深山秘書に検討をさせましようと、こういうことは言ったかもしれません。
  72. 深谷隆司

    ○深谷委員 そのことを深山秘書にあなたはどう指示なさいました。
  73. 細川護煕

    細川証人 これも古い話でございますから定かには覚えておりませんが、先ほどもこれはちょっと委員長お尋ねでございましたかに対して申し上げたかと思いますが、桑畑氏からこういう話があったので検討してみるようにということを投げかけたのだと思います。  それに対して深山氏の反応というのは、これも申し上げましたように、どうもそれほど積極的にやる意味があるかどうか、こういった趣旨の話ではなかったかと思いますし、私も株のことはそもそも余りよくわかりませんが、この点については、そのような話を聞いて、私自身としてはどちらかというと消極的であったと、こういうことでございます。
  74. 深谷隆司

    ○深谷委員 この間、深山秘書さんが六月十五日の証人喚問で、桑畑さんの話だから一応検討するようにという指示があったというふうに証言しているのですね。それは今細川さんが言われたことと符合いたします。こういうところはぴたっと合うのですね。こういう点はきちっと記憶されているのですね。  しかし、いつごろ、どこで聞いたか、私は具体的に阿蘇の高原ゴルフ場の話をしているのですが、そういうことになると記憶にないとおっしゃるのはどういうことでしょうか。私には理解できませんが。
  75. 細川護煕

    細川証人 そうおっしゃられましても、十年前にどこでゴルフをしてだれと食事をしたかと言われても、それはなかなか記憶をよみがえらせるということは難しい話だと思います。
  76. 深谷隆司

    ○深谷委員 ですから、それならば、桑畑さんの話だから一応検討するようにと深山秘書指示したという今のお言葉はかえっておかしくなりませんか。そこだけは記憶していらっしゃるのですか、古くても。
  77. 細川護煕

    細川証人 ですから、申し上げますように、私は、そうした問題についてはすべて事務所に検討するようにと大体言うことになっておりますから、そうしてまいりましたから、そのことも多分そう申しただろうと、こう申しているわけでございます。
  78. 深谷隆司

    ○深谷委員 今のお言葉で、どういう角度から言ってもうまく逃げられるような言い方をなさったということは本当にはっきりしましたが、去る五月十一日、参議院予算委員会において、証券コンサルタント藤木周蔵さんが参考人として招致されたのであります。  この藤木さんは、知人である桑畑さんから、当時熊本県知事である細川さんの意思として、お金はないけれども担保が提供できるので、どこからかお金が調達できるならNTT株の競争入札に参加したいとの連絡を受けたという発言があったのです。その数日後、深山秘書さんから直接連絡を受けたと陳述されました。  以降は、既に明らかになったように、東京証券金融株式会社からの融資、株の購入、売買、こうつながっていくのでございます。  そこで、問題なのは、一体だれが株の購入者かという点です。先ほども答弁なさいましたが、今までの経緯を見ますと、どう考えても細川さん、あなた自身のことだというふうに私は思われるのですが、もう一度お考えを伺いたい。
  79. 細川護煕

    細川証人 たびたび申し上げますように、これは義父の方から、NTT株をやりたいので担保の提供をしてくれないかと、こういう話がございまして、それならば担保を提供しましょうと、こういうところから始まった話であるということを申し上げているわけでございます。
  80. 深谷隆司

    ○深谷委員 当時は上田正平さんは既に年金生活を送っておられた。それから、収入は格別ないという話などがいろいろ出ているのですね。そして御年配でもございました。お体のごかげんも悪いようであります。それから数年にしてお亡くなりになった。そういう方が、ある日突然神の啓示でも受けて、四億円も借りて株で勝負しようと思うのだろうか。常識で考えても私にはそこのところはどうしても理解できないのですが、いかがでしょうか。
  81. 細川護煕

    細川証人 それは先ほど鮫島委員質問にもお答えをしたとおりでございまして、それは年金は受けておったかと思いますが、しかし、まだかくしゃくとして、それはヘルペスだとかなんとかといって時々入院したりはしておりましたが、しかし、高齢であるにもかかわらずかくしゃくとして、みずからやはり会社の経営をしていたわけでございますから、それなりの株に対する関心も持ち、また、それなりのそうした経済的な問題に関する知識も十分に持った上で、そのような株についてみずからやりたい、こう言うのは決して私は不自然なことではない、このように申し上げているわけでございます。
  82. 深谷隆司

    ○深谷委員 藤木さんも桑畑さんも、全く細川さん自身取引認識していたと何度もおっしゃられているのです。そして、この間の深山喚問で、深山秘書さんも、自分は上田正平さんの取引だとは桑畑さんにも藤木さんにもおっしゃらなかった、御自身でこう言われているのですね。それでも細川総理はお認めになりませんか。
  83. 細川護煕

    細川証人 私は事実をありのままに申し上げておりますし、また、深山秘書もそのとおり、あったままを申し上げているわけでありまして、認めるか認めないかと言われましても、そのとおりを私は申し上げているということしか申し上げようがございません。
  84. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたは、NTT株三百株の購入費四億一千七百七十万円を借りるに当たって、御自身のマンションを担保に提供いたしましたね。その根抵当権設定の登記申請書を見ますと、債務者に、上田正平さんの名前とともにあなたの名前が並んでいるのですね。そして、一たんは連記されているのですけれども、なぜか抹消されているのです。これは一体どういうことでしょうか。
  85. 細川護煕

    細川証人 それは法務局の、法務局というか、司法書士さんの手続的な問題かもしれません。私は、一切それは関知はしておりません。
  86. 深谷隆司

    ○深谷委員 確かに名義上株は上田正平氏の購入となっているのですが、三百株のうち百九十九株を売却した後、その利益金は細川事務所の後援会の口座に入金されております。これは深山秘書証言も同じでございます。不自然ではありませんか。
  87. 細川護煕

    細川証人 ですから、売却益細川事務所の口座を通った、これは義父取引ということについて、その点について紛らわしい点である、この点について誤解を招くような事実があったということは、これは道義的な責任を感じなければならない、これも辞任の理由の一つにつながった、こういうことを申し上げているわけでございます。
  88. 深谷隆司

    ○深谷委員 紛らわしいという話ではないのですよ。上田正平さんの取引であると言うならば、その利益金は当然上田さんのもとに届けられるべきを、何で細川さんの事務所の口座に入らなければいけないのでしょうか。  それじゃお聞きしますけれども、細川事務所の口座、後援会関係の口座、まあいろいろあるようですが、どの口座に振り込まれたのですか。そして、振り込まれた口座のその利益金をどんな形で上田正平さんに届けたのですか。そこの詳細を伺いたい。
  89. 細川護煕

    細川証人 先般の深山証言におきましても、細川事務所の、多分政治団体ではなかったかと思うがその口座を通ったということを申しました。確かに細川事務所の口座を通っているということでございます。この点は、確かに、御指摘のように誤解を受ける一点でございますし、その後、この売却益につきまして、詳細に申し上げますならば、昭和六十二年の三月の六日、証券会社から三千九百九十一万八千円、これが入金をされまして、事務所の口座に入金をされまして、そして、三月の二十三日、五百万円、同じく三月の三十一日に一千万円がこの口座から現金化されて上田の、つまり私の義父の手元に深山が現金として持っていっている、こういうことでございます。
  90. 深谷隆司

    ○深谷委員 これは、深山さんの発言では、どこの口座に入ったか記憶にないと言われているのですよ。それからまた、そのような形でお持ちになったという話は全くしておらない。今あなたのおっしゃった言い方でございますと、それならば、何という事務所の口座あるいは後援会の口座に入れたのか、そこまで数字まで挙げられたのならおわかりでしょうから教えてください。
  91. 細川護煕

    細川証人 まずそのことにお答えをする前に、初めの点でございますが、先般深山証言の際には、あれは十五日でございましたか、そのときにはまだどの口座を通ったのかということが定かではございませんでした。多分政治団体の口座ではないか、こういうふうに深山秘書答弁をしたわけでございます。  事務所といたしましても、恐らく政治団体政治団体とこういう認識しかございませんでしたから、そのつもりで一生懸命その口座を口座番号などで調べていたわけでございますが、その後、私のところの研究団体であるということがはっきりいたしました。研究団体を通って、今申し上げたように私の義父の方に入っている、こういうことでございます。
  92. 深谷隆司

    ○深谷委員 何という研究団体か教えてください。
  93. 細川護煕

    細川証人 日本伝統文化会議という研究団体でございます。
  94. 深谷隆司

    ○深谷委員 これは政治団体ですか。
  95. 細川護煕

    細川証人 政治団体ではございません。任意の研究団体でございます。
  96. 深谷隆司

    ○深谷委員 これはすべて初めてお伺いすることでございますから驚いております。任意団体であるということでございますから、私はこれからはっきりさせていきたいと思います。  ただ一つだけ、今のようなお話を伺いながらも、私は納得できない点があるのですね。それはなぜかというと、もともと上田正平さんという方は、あなたの後援会の代表責任者もなさっておるのですね。違いますか。
  97. 細川護煕

    細川証人 ちょっと私もそこまでよく覚えておりませんが、身内でありますから、あるいはそういうことを頼んでいたかと思います。
  98. 深谷隆司

    ○深谷委員 上田正平さんが代表者になっていることを御存じないというのはいかにも不自然でございますが、いずれにしても、二つの政治団体上田正平さんが代表者になっていて、それも含む五つの団体の会計責任者が深山さんでございます。  私は、ここに問題があるのかなというふうに推定しているのですよ。つまり、細川さんがどのような取引をなさっても、上田さんは細川さんの後援団体の代表者でございますから、上田正平さんの名前はいつでも使えるし、印鑑も使用できるということなんですね。だから、そのお金が細川後援会に入っても、細川事務所でいつでも使える。細川事務所の後援会口座に入金されたのも、こう考えると不自然ではなかったな、こう思ったのですね。  今、あなたの研究団体の口座に入ったということでございますが、どこの銀行だかこの機会に、次の私どもの解明のために必要でありますから、おっしゃっていただきたい。
  99. 細川護煕

    細川証人 参議院の大和銀行ではないかというふうに聞いております。
  100. 深谷隆司

    ○深谷委員 わかりました。後で、参議院の大和銀行にかかわる話もありますから、伺うことにいたします。  いずれにいたしましても、このNTTの問題を終始議論したその状況、大勢の同僚と聞いておりますけれども、藤木さんにしても桑畑さんにしても明確にあなたの取引だということをおっしゃっていて、しかも深山さんの発言の中に、東京証券金融で桑畑さんと藤木さんと一緒におられたというのですが、桑畑さんは行っていないということでございますので、これは私は話が全然違う。深山さんの発言にも違いがある。  やはりどう考えても、これだけの大きな取引で、しかも先ほど言ったように年金生活をなさっておられて収入がないということで、それで東京証券金融が四億ものお金を貸す、しかも株を売買して戻ってくるまでの間に時間差がある、そんな危険なことに応ずるなどというのはどうしても考えられない。むしろ、この件は藤木さんや桑畑さんがおっしゃっていることが真実で、細川さんの言われていることはどうしても納得できない。  もう一回お尋ねしますが、今あなたの研究団体を言われましたが、その代表者はどなたですか。
  101. 細川護煕

    細川証人 ちょっと代表者までは私も承知しておりません。
  102. 深谷隆司

    ○深谷委員 今研究団体の名前をおっしゃられ、その口座に振り込まれた、それを受け取って、今度は現金で深山さんが持っていった、こうおつしゃった。口座でおろして現金でいく証拠などというのは、我々がどんなに努力したって出てこない話でございますが、しかし、言えることは、そこまでのつじつまを合わせた割には研究団体の代表者の名前がわからないというのはいかにも不自然でございまして、私は納得できないことだと思います。
  103. 細川護煕

    細川証人 しかし、それはどなたもそうだと思いますが、政治団体を幾つも持っている、その一々の責任者まで覚えているか、かなり政治団体責任者あるいは任意団体にいたしましても形式的なものが多いのではないかというふうに思いますし、そうしたものについて一々記憶をしているかと言われますと、これは私もそこまでは承知をしていない。多分これは事務所のだれかの名前になっているのではないかというふうに思っております。
  104. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたは今大事な発言をなさっているのですよ。  政治団体というのは、公的に届け出て、金銭の出入りをきちんと明確にしなければならない。その代表者がだれであるか、会計責任者がだれであるか、最も大事な、政治家がガラス張りで生きていかなければならないときの要件なんですよ。それを、どなたでもそうだが、たくさん持っているから代表者の名前もわからないだろうとおっしゃるのは、それでは、政治献金に対する団体の存在をあなたは一体どうお考えになっておられたのか。  まして、任意団体でございますから、そんなに数多くお持ちになって、では、そういう金銭のやりとりを通すためにおつくりになって、だから代表者の名前もわからないとおっしゃるのでしょうか。私は政治家として、さまざまな団体を持っておる者として、自分の団体の責任者、会計責任者、代表は一人として知らない人はおりません。
  105. 細川護煕

    細川証人 それは、おっしゃることはそのとおりかもしれませんが、私は、大変申しわけございませんが、そこまでは承知をしていないということでございます。
  106. 深谷隆司

    ○深谷委員 知らないということでございますから、これ以上申し上げても押し問答になるでありましょうが、しかし、これはすぐに明白になることでございますから、いずれ私どもも調査をいたしたいというふうに思います。  それでは次に、一億円の佐川疑惑についてお尋ね申し上げたいと思うのです。  あなたは昭和五十七年九月に佐川清さんを通して東京佐川急便から一億円を借りた、それは事実ですね。
  107. 細川護煕

    細川証人 そのとおりでございます。
  108. 深谷隆司

    ○深谷委員 さっき鮫島さんが、細川さんがお出しになった書類を示して、佐川急便株式会社東京支社でしょうか、判こが入って、「一億円の貸付金については既に完済されております。なお、完済に伴い担保権も消滅いたしました。」これが証明だから全部返した証拠なんだと、こうおつしゃったのですね。  これは法律上言ったら、貸し主と借り主の訴訟ざたではないのですね。東京佐川細川さんとの間で、贈与金であると思われるのに貸付金と偽ったのではないかと第三者の多くが不審に思って追及してきた事柄でございますから、このような書類が先方から出るというのはいささかもおかしくないのです。これが出たからといって何の証明にもならないということを私はあえて指摘しておきたいと思います。  一億円借りたということでございますが、そのほかに佐川関連グループからの借入金はございませんか。
  109. 細川護煕

    細川証人 そのほかにはございません。
  110. 深谷隆司

    ○深谷委員 どうしてもわからないのですけれどもね。当時、あなたは参議院議員でございました。しかも、大蔵政務次官までおやりになったあなたが、何で正規の金融機関と取引をして借金をしなかったんだろうか。なぜ一運送会社から借りなければならなかったんだろうか。そこのところがよくわからないので教えていただきたい。
  111. 細川護煕

    細川証人 当時、特によく知っている、親しくしている銀行というものもございませんでしたし、また佐川氏の方とは京都の家などの賃貸を通じまして親しくいたしておりましたから、そういう関係上気軽に私の方としては、こういう事情なので、今いろいろ銀行などにも話しているけれどもなかなか簡単ではない、一億円借りられれば大変ありがたい、こういった趣旨の話をしたのではなかったかというふうに思っております。
  112. 深谷隆司

    ○深谷委員 私は、冒頭あなたにあなた自身が書いた文芸春秋の論文を読み上げましたが、その中の一節にこういうのがありますので、あなたに聞いていただきたいと思うのですが、   昭和六十年に両院において議決された「行為  規範」を改正して、不正行為を国会自体が調査、  公表する機関を設け、場合によっては、登院停  止や議員資格を取り消すぐらい厳しくやるべき  だと思います。   また政治資金をガラス張りにすることについ  ては議員自身が名義人となった銀行、郵便局の  口座を通して、すべての出し入れを行なうこと  がもっとも明快な方法だと、私はそう思ってい  ます。それが政治個人のカネと政治資金の区  別には一番いい方法だと思います。と立派なことをおっしゃった。  全く違うじゃありませんか、これとは。どうなんでしょうか。
  113. 細川護煕

    細川証人 先ほども申し上げましたとおり、私も二十年間古い政治の中で育ってきた者でございますし、そういう古い体質の中からぜひこの今の政治の体質というものを私自身も含めて変えていかなければならない、そういう思いを込めてそのことを書いたのだと思います。  そういうことでございますから、その点につきましては、そのような思いを持ってぜひ政治改革を推進をしていきたい、こういう気持ちであったということはぜひ御理解をいただきたい、こう思うわけでございます。
  114. 深谷隆司

    ○深谷委員 十分な担保もございましたし、一般の金融機関が貸さないはずはないんですよ。特別親しくしている銀行はないとあなたはおっしゃった。しかし、深山証言の中であなたの政治団体細川護煕さん個人名義の銀行口座があった、こう言っているのですよ。さっきいみじくもあなたは大和銀行という名前も出されたんですね。知っている銀行がないというのは全くそれは違うのではないでしょうか、当時。
  115. 細川護煕

    細川証人 それは銀行はもちろん普通の預金の出し入れをする、政治資金の出し入れをする、その程度のおつき合いはあることは当然でございますが、特に親しくしている銀行はなかったと、こういうことでございます。
  116. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたの論文をただいま読み上げましたけれども、銀行と取引をする口座を設ける、その出し入れが一番ガラス張りだとおっしゃるなら、何も特別な深いおつき合い、どういう意味を指すのでしょうか、裏取引でもできるという意味か、私には理解できませんが、どこの銀行でも担保をきちんと持ってあなたのお立場その他の状況がございますれば、お金を貸さないということはまずないんですよ。そういう交渉もなさらないで一企業に借金を一億円もなさるということは不自然で、これは、だからいただいたお金ではないだろうかなとみんなが想像する、それが今度のきっかけなんですよ、疑惑の。  しかし、それ以上言っても仕方がありませんが、一億円の借り入れの目的はマンション購入細川邸の山門、土塀の修理のためと国会では何度も御説明されました。マンションは借り入れより三カ月も前に購入している。山門修理等は一年先のことである。全く不自然な説明が続いたんですよ。  この点を指摘されると、あなたは前言を翻して、借入金を当てにして手持ち金で購入したと説明したのですね。手持ち金があるなら借りる必要はありません。どうなんでしょうか。
  117. 細川護煕

    細川証人 先ほどの銀行の話をまずちょっと申し上げたいと思いますが、湯河原の家なども、担保としてそれだけの、例えば一億を借入するだけの価値があったのかどうか、恐らく深山秘書としては、これは私はよくわかりませんが、その間の事情は承知をしておりませんが、それだけの担保価値はないというような話があったのではないか。そういうことを受けて、恐らく私は佐川さんに一億を貸してもらえないか、こういう話をしたのではなかったかと思います。  それから、後のお話でございますが、佐川さんからの借入を、一億円の借り入れを当てにして先にマンションを購入した、それは再々これも答弁で申し上げておりますように、いろいろ資金のやりくりをいたしまして、その後、五十八年には知事選挙というものもございましたから、そのための資金というものも既に六千万ほど貸し付けてもおりましたし、またその後知事選挙ということを考えると、その分の手持ち資金というものはやはり用意をしておかなければならないであろう、しかし個人的な使途に関するものにつきましては、山門、土塀であるとかあるいはマンションの購入であるとか、こうしたものにつきましては、ぜひそういうこともございますから佐川さんから借入をしてやっておきたい、こういう意識があったのだと思っております。
  118. 深谷隆司

    ○深谷委員 マンション購入が借りたよりも三カ月も前であった。手持ち金が用意できた。山門、土塀を直したのは一年も二年も先なんですよ。あなた、高い金利を払って、一年も二年も先の山門や土塀を修理するためのお金を借りておくのですか、どこかに置いておいて金利だけ払うのですか。それは不自然ではありませんか。私に言わせれば、手持ち金をふやしたい時期であったということが、知事選挙の直前ですから、むしろそこにウエートがあったんじゃないかなと、こう見るのが至って自然だろうと私は思うのですが、いかがでしょうか。
  119. 細川護煕

    細川証人 ちょっと今、月日の話が出ましたので、資料を見ることをお許しをいただきたいと思います。
  120. 山口鶴男

    山口委員長 はい、どうぞ。
  121. 細川護煕

    細川証人 土塀の修理の許可が出ましたのは、正式には昭和五十八年の六月でございます。山門は五十九年の七月ということでございますが、許可がおりたのは五十八年の七月ということでございますが、この点については、再々これも本委員会でも申し上げてまいりましたように、五十七年の一月からこの山門や土塀等の修理の打ち合わせというものは始めて、実際にはかなりいろいろなものをいじり始めていたわけでございます。ですから、決してその辺についておかしいではないかと、こういうことにはならない、継続的にその中のさまざまなものをやり始めておった、こういうことでございますから、その辺については事実はそういうことであるということでございます。
  122. 深谷隆司

    ○深谷委員 金利をお払いになりながら使っていないのですよ。だからこれはやはり不自然です。  それからもう一つ申し上げたいのは、あなた、さっきは政治団体のほかに任意団体があって、そこでお金を扱っているというふうに言われたのですね、NTTの利益金について。任意団体で扱ったとおっしゃったんです。そういう任意団体でお金を扱っていること自体、政治資金をガラス張りにするという趣旨に反するのじゃないでしょうかね。任意団体、幾つあなたはお持ちなんですか。任意団体でお金を扱うことが許されるなら、政治団体の数を制限するというあなたの言っていた政治改革法なんてどこに理由があるんでしょうか。
  123. 細川護煕

    細川証人 任意団体は現在二っだと思っております。任意団体はもとより、この中しました任意団体、先ほど日本伝統文化会議ということを申し上げましたが、参議院の当時につくりましたもので、その当時は、伝統文化の振興を図るということを主たる目的として、割に活発にその研究団体としての活動をしておりました。  この口座を使うのはおかしいじゃないか、全くおっしゃるとおりでございまして、その点につきまして、先ほど鮫島委員質問にもお答えをいたしましたが、全くこの上田の方に小切手を換金をして、そして上田の方に最終的にはNTT株の話は行くわけでございますが、売却益は行くわけでございますが、そのときに一時的にこの口座を使用したということでございまして、常時この口座を使用していたということではございません。
  124. 深谷隆司

    ○深谷委員 たとえNTTの利益金を入れたとおっしゃっても、公私混同ですよ、これは。公私を完全に区別していかなければならない立場の政治家なんですから、これはみんな事務所がやった、深山さんがやったというのは責任転嫁であって、あなたの重大な問題だと言わなければなりません。  繰り返しますが、任意団体でお金を扱うということが許されるなら、政治団体の数を制限することはないのです。あなたのやってこられたことと言っていることと違うということをもう一回重ねて申し上げさせていただきたい。  それから、あなたは東京佐川急便株式会社と金銭消費貸借契約証書や覚書、根抵当権設定契約書などを交わしました。これは、だれがだれとどこで交わしたものですか。
  125. 細川護煕

    細川証人 一々は承知はしておりませんが、深山秘書があちらで担当者の人とやったというのがかなりあるのではないかと思います。
  126. 深谷隆司

    ○深谷委員 伺いますが、あなたは実印というのはふだんどういう形で持っておられるのです。
  127. 細川護煕

    細川証人 私自身が持っておりますが、先ほど申し上げましたように、実印を深山秘書に預けたこともあったかもしれない。何回かそれはあったように私は思っております。
  128. 深谷隆司

    ○深谷委員 幾ら信用なさっておられても、実印は実印ですよ。手元から離すわけはない。あなたは答弁の中で、自分で押すか、自分がそばにいるときに押すんだという答えもおっしゃっておられるわけですよ。ですから、実印を深山さんに都合のいいときだけ貸して、深山さんがどこへ行って契約するかわからない、それを放置しておくなんていうことは考えられないことなんですが、どうでしょうか。
  129. 細川護煕

    細川証人 それは当然のことでございまして、実印を預けっ放しにしておくなんていうことは、これはもうあり得ない話でございます。しかし、その用件によりまして、テーマによりまして、実印を預けて私のかわりにその用件を果たしてきてもらう、こういうことはしたかもしれない、こういうことを申し上げているわけでございます。
  130. 深谷隆司

    ○深谷委員 それでは、今申し上げた東京佐川急便株式会社と金銭消費貸借契約証書や覚書、根抵当権設定契約書を交わした最も重要なとき、印鑑をどうしていましたか。あなたはどこにおられましたか。深山さんに預けてどこかで、知らないところでこういうのを取り交わしたのですか。はっきりおっしゃってください。
  131. 細川護煕

    細川証人 そのすべてについて、私は、それはもちろん実印が押してあると思いますから、私が押したのか、あるいは深山秘書が私から預かっていって押したのか、私がサインをしているものがあるとすれば、それは私が実際に東京に出てきたときか何かにそれを署名捺印をしたのだというふうに思います。
  132. 深谷隆司

    ○深谷委員 それはお答えにならないのです。一億円の貸し借りという重大なときに実印を押すという行為は、あなたにとって幾ら時代が古くても、鮮明に覚えていなければおかしい。これはどういうふうに考えても、あなたの今の発言は納得できません。  それから、あなたはこの一億円の利子について、おおむね貸付金台帳に載っているように支払った、こうおつしゃったのですよね、最初国会で。十二月十五日にあなたの提出した資料の中でもそう書いてあるのですよ。  ところが、あなたがやめるとき、実はその金利は政治献金で賄ったという、初めて驚くべき事実を発表したわけですよ。それも、先ほど申したように、金額は小さくないのですね。しかも、深山証言でいろいろなことが出てまいりましたら、きょうになりましたら、あなたは、利子を政治献金処理したが、自分がお金を払って相殺した、こうおつしゃったのですね。  そうすると、伺いますが、その利子の分を政治献金として出してくれた会社はどことどこですか。
  133. 細川護煕

    細川証人 旧佐川各社というふうに聞いております。
  134. 深谷隆司

    ○深谷委員 そうしますと、おつき合いのない会社も多くある、深山さんは十社ぐらいのことを言っていた。一つ一つと相殺するという話はないんですよね。おかしいじゃありませんか。
  135. 細川護煕

    細川証人 相殺ということは、言葉はちょっと違うのかと思いますが、初めは一億ですから八百万ほどの利息があった、最終的にはそれが数十万になったということでございましょうから、だんだんそれは、佐川の何社から最終的には何社になったのか、その辺は私も存じません。
  136. 深谷隆司

    ○深谷委員 一番最初、一億円の金利については、あなたは、誠心誠意出した資料と言われる中で、貸付金台帳で麗々しく数字まで挙げて出したやつを持ってきたのですよ。あれをあなた点検しないで、あるいはごらんにならずに国会へ出したのですか。あそこには金利がきちっと書かれている。何月何日に金利を払ったという数字がきちんと出ている。あなたが貸付金台帳を誠心誠意持ってきた、こう言われた。それを見なかったのですか。
  137. 細川護煕

    細川証人 もちろんそれはよく見ておりますが、私は、先ほども申し上げましたように、それを政治献金として受け取っていたという事実については、辞任直前に初めて事務所から聞かされたということを申し上げているわけでありまして、それが何月何日にどのように金利が処理をされているか、これは佐川の内部の処理の問題でございますから、経理処理の問題でございますから、その点については、私はわかりません。
  138. 深谷隆司

    ○深谷委員 全部持っていったと言うのですよね。じゃ、伺いますけれども、金利分というのは、もう一回おっしゃっていただきたいのですが、トータルで幾らでございましたか。
  139. 細川護煕

    細川証人 三千数百万であったと記憶しております。
  140. 深谷隆司

    ○深谷委員 その三千数百万は一回で払ったんですか、あなたの口座から事務所へ。それとも何回かに分けたのですか。それはいつのことで、どういうあなたの口座から回したのか、あなたが現金で渡したのか、明らかにしていただきたい。
  141. 細川護煕

    細川証人 どういう形で処理をしたのかということにつきましては、私は定かに承知をしておりません。
  142. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたは明確に元利とも現金で返したと言ってきたのですよ。今になってそのことが違うと言ってつじつまを合わせている。金利分は献金でもらった、その分は自分のお金で払った、そしてその間を省略したから記載しなかった。そんなずさんな形というのは私どもに理解できないし、第一、あなたの個人のお金と政治献金と全く混同していませんか。どうやって区別しておったのですか。
  143. 細川護煕

    細川証人 深山秘書の話によりますと、そこのところは最終的にはきちんと処理をした、しっかり区別をして扱っていたということでございますから、私はそのことを信じております。
  144. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたは、その金利分を自分が払ったとおっしゃったのですね。だから、どういう形で、いっ、どのくらいずつ分けて払ったのか、それを明らかにしてください。
  145. 細川護煕

    細川証人 それは、私が直接に払ったわけではございませんから、事務所から、深山秘書が担当して処理をして、手続をしたということでございますから、その点は、何回に分けてどのように払ったかということについては、私は承知をしておりませんが、ただ、十二月一日の時点で、今のお尋ねは、たしか十二月の初めの本委員会での御質問についての答えで、私は多分、元利含めて現金ではないか、そのときのお尋ねはたしか白川委員だったかと思いますが、主として、元本はどうしたのかという、現金だったかどうだったかという趣旨お尋ねだったというふうに私は受けとめましたので、多分、現金ではなかったかというふうな趣旨お答えをしたんだと思いますが、その後、先ほど申し上げましたように、利息政治献金として処理をしていたと、それをどういうふうに、何回に分けて佐川の、旧佐川の各社にどのような形で支払ったかという点については、私は定かには承知をしておりません。
  146. 深谷隆司

    ○深谷委員 先ほどあなたが答弁なさったことと大分食い違いがある。しかし、このことで時間を費やしていくのは残念でありますから、次に伺いますが、昭和五十七年に、祖母の方がお亡くなりになった遺産相続をあなたはお受けになりました。荻窪の家と土地と聞いておりますが、そのとおりでしょうか。
  147. 細川護煕

    細川証人 ちょっと資料を見てやらせていただきますが……
  148. 山口鶴男

    山口委員長 どうぞ。
  149. 細川護煕

    細川証人 昭和五十七年の四月に、私の祖母の荻窪の物件を売却をした代金の清算の清算金を受け取っております。
  150. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたはその荻窪の家、荻外荘というんでしょうか、そこに居住したことがございますか。
  151. 細川護煕

    細川証人 ございません。
  152. 深谷隆司

    ○深谷委員 昭和五十七年、五十八年、五十九年に修正申告、税のですね、したことがございましょうか。
  153. 細川護煕

    細川証人 ちょっとそれは定かには私は承知しておりません。
  154. 深谷隆司

    ○深谷委員 五十七年の相続財産の処分に関して、買いかえ等の事実はございましょうか。
  155. 細川護煕

    細川証人 定かではございませんが、そういうことがあったのではないかなというふうに思います。
  156. 深谷隆司

    ○深谷委員 買いかえ等を行う場合にはそこに居住していなければならないんですが、買いかえ等を、もう一回聞きますが、行った記憶はおありですか。
  157. 細川護煕

    細川証人 まあ事業用資産ということで買いかえたのではないかと思いますが、その辺については定かにはわかりません。
  158. 深谷隆司

    ○深谷委員 あなたは、荻窪の土地売却で約二億円を受け取って、相続税、所得税、住民税を引いた後、剰余金一億二千百万円を得ておりますが、当時は参議院議員の歳費もございましたから、総額はかなり大きなものになると思われます。  しかし、ここにございますが、ごらんになっていただいても結構なんでありますけれども、当時の高額所得者名簿によりますと、六千三百三十六万三千円の所得金額しかあなたは申告しておられません。これは一体どういうことなのか、この際、御説明いただきたいと思います。
  159. 細川護煕

    細川証人 それは、税務の専門家に任せておりましたので、事務所の方で税務の専門家と相談をして処理をしたということでございましょうから、私も全く、それはお尋ねを受けても、調査をしてみますということしか現時点では申し上げられないということでございます。
  160. 深谷隆司

    ○深谷委員 この記録には、当時は申告額が出ているんですよ、今は納税額が出るんですけれども。ここで明らかに六千三百三十六万三千円の申告しかないんです。この荻窪の家にあなたは居住したことがない。住民票もないんですからね、当然ですけれども。修正申告もしていない。そうすると、この納税は一体どういうことになるんだろうか、正確な納税が行われていないということになりはしませんか。それだと、脱税という疑いも生じてまいるんですが、いかがなんでしょうか。
  161. 細川護煕

    細川証人 まあそれは、先ほどから申し上げますように、事務所で任せて、きちんとそこのところは処理しているというふうに聞いておりますから、私は何ら問題はないと思いますが、そういう御指摘であれば、それは改めて調査をいたしてみます。
  162. 深谷隆司

    ○深谷委員 時間がなくなりましたから申し上げるだけにいたしますが、東京佐川急便の総勘定元帳の中の貸付金元帳というのを、過日、高村委員深山証人に示しまして、これを御存じかというふうに聞いたんですが、御存じでないという答えでございました。それには、細川護煕名義で東京佐川急便あてに各一千万円の振り込みが記載をされているのでございます。  今まで深山秘書は、すべて現金で運んだと、会社に運んだと、しかしお渡しした相手はわからない。そんな古い話じゃないんです、これは何年もかけてですからね。一千万現金を集めて佐川急便まで届けて、受け取った方の相手の名前を知らない、領収書をもらってきたが十枚全部なくなりました、そういう証言になっているんですよ、細川さん。  これについてあなたはどういうふうにお考えになっておられたのか、ぜひ承っておきたいし、ただいま申しましたような、そういうその勘定元帳というものが、あなたの名前で一千万ずつ振り込まれているということに対してどのようにお考えになっているかを伺いたいと思います。
  163. 細川護煕

    細川証人 深山証人答弁におきましても、すべて現金ということは申しておりませんので、恐らく何回かは預手があったかもしれないという趣旨のことを言っておったかと思いますが、そうでございますならば、その一千万が入っているということは、私が返却をしたということの何よりもの証拠になるのではないかというふうに、私はそう思っております。
  164. 深谷隆司

    ○深谷委員 以上、数々の角度から私は質問をしてまいりました。残念ながら疑惑に満ちた状況はいささかも解明できませんし、買いかえ条例などの問題についても、私には今の状態では納得できないわけであります。  まことに不幸なことでありますが、政治の浄化を主張してまいった細川さんとしては、今までの議論というのは、私どもは納得できないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  165. 山口鶴男

    山口委員長 これにて深谷君の発言は終わりました。  次に、坂上富男君。
  166. 坂上富男

    ○坂上委員 どうも御苦労さんでございます。  きょうは、国会質問でございませんで、証人尋問でございまするから、事実だけお話をいただけば結構でございますから、どうぞ、いろいろ弁明や、あるいは意見の開陳は結構なんです。事実だけお話しください、簡単に。  まず一つは、お話をずっと聞いておりました。それからまた、細川さんから出されました資料を見させていただきました。それから、そこにたくさん証人が書かれました本あるいはまた申された本、読ませていただきました。  そこで、それらをもとにいたしまして聞いておりますと、今までの証人は、秘書が、秘書が、秘書がやりました、こういう話、妻が、妻がやりました、こういう話なんです。今証人お話を聞いていますと、事務所が、事務所が、事務所がやったんで私は知らない、こういうことが大変多いんでございます。秘書や妻は特定できますが、事務所では、不特定多数でございますから特定できないんです。だから、その秘書や妻という以上に私はずるい弁解なんじゃなかろうかと率直に感じているわけでございます。  そこで、かつて自民党政権時代に疑惑をかけられた議員や閣僚は、国会答弁等で疑惑を否定しました。そのことのために議員本人証人参考人として喚問されて、追及を受ける羽目になりました。あなたの今日に至るまでの経過、今まで疑惑を受けた議員と何ら変わりのない経過をたどっております。私は、これ、大変残念だと思っております。  さっきも御指摘がありました。政治腐敗防止のためにあなたはこの政権を担当したはずであります。そして、ここに出ておりますところの本によりますと、政治腐敗防止のために、あなたは、政治倫理審査会を強化し、場合によっては辞職を勧告すべきであると日本新党の基本政策に書かれているわけでございます。  殊に、政治倫理綱領は、「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合」、疑惑はいつごろから持たれたかといいますと、去年から持たれたわけであります、あなたについて。これが白か黒かのために予算審議の中でしか追及ができなかったわけでございます。「疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」と決議をされまして、政治倫理審査会がつくられたわけでございます。  あなたも、みずからこういうところに出て、またこういう組織を強化をいたしまして疑惑の解明に努めるべきだということを、この数々の本の中に書いてあるわけであります。私もやっぱりそうしていただきたかったわけでございますが、遺憾ながら、証人はとうとう疑惑を否認を続けられまして、お気の毒に秘書が呼ばれました。そして、とうとうあなたがここに並んでいるわけでございます。私も大変残念でございます。  そういうような状況から見て、何ゆえに政倫審に出てあなたにかけられました疑惑をきちっと証明しようとしなかったか、潔白を証明されようとしなかったんですか。全くあなたのおっしゃっていることと実行というのはほとんどなされていないという感じもまた受けておりますが、一言で結構ですから、どうですか。
  167. 細川護煕

    細川証人 私は、国会予算委員会、主として予算委員会で誠心誠意お答えをしてきたわけでございまして、政倫審というお話もございましたが、ここでお答えをすることも同じ大きな重みのあることであって、ここで積極的な私はみずから進んでのお答えをすることによって少しでも疑いを晴らしていただきたい、こういう思いで今までお答えをしてきたということでございます。  政倫審につきましては、私もその書きました当時と気持ちは同じでございますが、今議運の方におきましても政倫審のあり方というものについていろいろ御論議があっております。ぜひそれをしっかりとした形のものに整備をしていただきたい、そのように願っているということを先ほど冒頭にも申し上げた次第でございます。
  168. 坂上富男

    ○坂上委員 あなたは政治改革、特に政治献金の問題についてこうおつしゃった、さっき。私はいわゆるこの本に書かれているような思いをしながら政治改革を推進をいたしましたと、こう言ったわけ。思いだけでなくして、なぜ実行しないんですか。我々にだけこう言って、そして国民にこうやって本を書いて売りつけて、そしてそれをあなたは実行しようとしない。しかも、総理になられてから実行しましたか。しないでしょう。この本の発行日はいつだと思いますか。この雑誌の発行日はいつだと思いますか。あなたの政党の日本新党のこの本、こうやって今でも売り出している。けさ、うちの秘書が買いに行ってきた、あなたの日本新党に。  これを見てみましても、あなたが口先だけで言って実行しない。今実行していますか、総理になられてから。きちっと、帳簿はもう、出納帳は、二つでいいんだと、銀行口座は。その出し入れによって政治献金疑惑のないようにしなければならぬとこの中に書いてあるじゃないですか。どうですか、これ。あなた何にも実行してない。まず、こういうことを国民に言い、我々政治家にもそういう政治改革という提案をなさった以上は、みずから実行なさらぬで何でこれ政治改革ですか。きちっと答えてください。
  169. 細川護煕

    細川証人 私自身につきましても、それまでたくさんございました政治団体等を整理いたしまして、今二つでございますか、そうした形にきちんと整理をし、さらにその透明性を高めるために努力をしているということでございます。  それから、総理になってからそこに書いてあるようなことについてどういう努力をしてきたか、それはまさに政治改革法案というものが通ったということは、その中に政治、選挙の例えば罰則の強化等々を含めまして、あるいは選挙制度の問題等につきましても、こういう制度そのものを大きく変えていくということは、その個人の問題ももちろんでございましょうが、大きなやはり政治改革ということが何よりも必要である、こういう観点から、総理として何をしてきたか、それはまさにそういうことであるということでございます。
  170. 坂上富男

    ○坂上委員 あなたに、総理として何をしてきたかというのは、私はわかっているんです。あなたは総理に就任なさってから、みずからこういうふうに書かれていることを実践しましたかと、こう聞いているんです。思いを込めてのみやったと、こうさつき言ったから聞いているんですよ。あなた、思いだけなんだ、言うことだけなんだ。実行してないじゃないですか。  いいですか、深山さんはどう証言したと思いますか。今でも通帳は十数冊あるって言うんです。政治団体が十あるって言うんですよ。生きてると言っているんですよ。何を言っているんですか。
  171. 細川護煕

    細川証人 今政治団体が十あるなどという答弁深山はしておりませんと思います。口座はあるというふうな話はしたかもしれませんが、政治団体があるというふうに私は聞きませんでしたが、それは聞き間違いであったらお許しをいただきたいと思いますが、そういうことではないと承知をしております。
  172. 坂上富男

    ○坂上委員 まあ水かけ論してもしようがありません。後で調べましょう。  さて、このあなたの任意団体というのは、特にこの日本伝統文化会、この代表者は上田さんでございませんか。代表者は上田さんではないですか。  というのは、いいですか、東京証券金融が本来ならば上田さんのところに金を送らなければならないのです。そうでない場合は、上田さんの上申書か何か出して、私にくださるその金はここへ送ってくださいという、そういう上申を出さなければ大変間違うわけでございます。だから、多分上田さんがこの研究団体の代表者だろうと思っているのです、私は。  したがって、上田さんの口座じゃないけれども、細川さんの口座だけれどもこちらへ送ってくださいという、上田さんのいわゆる東京証券への上申はなかったろうと思うのです。まかり間違っていわゆるあなたのところに入ったら、上田さんは、おれのところへ返ってこない、こう言われたら金融会社としては抗弁のしようがないわけです。こういうことはきちっとしているものなのですよ。どうなのですか。
  173. 細川護煕

    細川証人 先ほども申し上げましたとおり、多分事務所の者の名前になっておるのではないかと、こう申し上げたのですが、それは、私は今の時点では、きょうは調べてまいりませんでしたからわかりませんが、調べればそれは簡単にわかることでございますから、後刻調べてそれはお知らせをいたします。
  174. 坂上富男

    ○坂上委員 こういう任意団体の政治団体も、政治献金の収支報告はしなければならないのじゃないですか。こういう任意団体であれば、何にも報告しなくたって済むのですか。どうですか。じゃみんながやるわ、それは。
  175. 細川護煕

    細川証人 任意団体は政治団体ではございませんから、それは政治団体としての収支報告はする必要はないのだろうと思いますが、その目的にのっとって活動をしているかどうか、それが問題なのだろうと、このように私は理解をしております。
  176. 坂上富男

    ○坂上委員 政治団体であって任意団体だとさつきおっしゃったのです。ただし、任意団体だから届けがないのだ、こう言っているのです。まあそれはそれでいいでしょう。  じゃ、この研究団体は年間大体どれぐらいの収入があったのですか。
  177. 細川護煕

    細川証人 先ほど申し上げましたように、参議院議員の初期のころ、主として初期のころだと思いますが、伝統文化の振興について割に活発に研究活動をしておった、こういうことを申し上げたわけでございます。その後、どの程度活動しているかということについては、余り活動していないということではないかと思いますが……(坂上委員「幾らかと聞いたのだ、素直に答えてください」と呼ぶ)幾らかということにつきましては、私は承知しておりません。
  178. 坂上富男

    ○坂上委員 年間幾ら収入があるかということは、わからなかったらわからぬと言ってください。いろいろべらべら言わぬで、きちっとそれだけでいいのですから。  それから今度、深谷先生が聞いたことについての追加質問なのですが、佐川の内部処理である、利息政治献金の相殺は内部処理であるから私はわからぬとおっしゃった。わからなかったら、その後このことが、深山さんが証言に出て私が指摘をしたわけです。あなた、調査したでしょう、きょう証人に出てくるのだから。  佐川各社とは全く関係がないわけですから、当時。あなたの借りた金は、東京佐川から借りて利息を約三千万返さなければならなかったのでございますから、東京佐川だけは関係があるので、佐川各社は全く関係がないわけです。したがって、その後の処理としては、東京佐川は、十社に、いわゆる佐川各社に金をその分みんな返さなければならないのです。そういう処理がしてなければ適切な処理だと言えないわけです。  こういうことは、深山さんが出て証言して、私に聞かれたのだから、きょう先生が、証人が出てこられるわけですから、きちっと調べて答えられなければいかないのです。このことについては、あなたは辞任の際に、詳細に調べた上で国民の前にお話をいたします、こう言っている。どうですか。
  179. 細川護煕

    細川証人 それは深山が、深山秘書答弁をしておりますように、佐川の内部的な経理処理のことでございますから、どのような意味をもってそのような処理がなされているのかという点については、これは私の方では調査のしようがない、その点については私は何とも申し上げかねる、先般の深山秘書答弁で申し上げたとおりでございます。
  180. 坂上富男

    ○坂上委員 調査の努力したんですか、じゃ。
  181. 細川護煕

    細川証人 先般、深山秘書が申し上げたとおりでございます。
  182. 坂上富男

    ○坂上委員 あなたが証言してください、きちっと。
  183. 細川護煕

    細川証人 それは佐川の内部処理の問題であるということを私は申し上げているわけでございます。
  184. 坂上富男

    ○坂上委員 時間がたって困るんだけれども、私の質問は、あなたはこの調査のために努力をしましたかと、こういう質問なんです。ストレートに答えなさい。
  185. 細川護煕

    細川証人 そのことについては、深山証言の後どれだけの調査をしたか、私は承知をしておりません。
  186. 坂上富男

    ○坂上委員 あなた自身がしなきゃだめなんです、あなた自身が。あなたは辞任のときそう言っているんだから。  あなた、桑畑さんに今日まで謝られましたか、御迷惑をかけましたと言って。あなた、そういうことしてないでしょう。どうです。
  187. 細川護煕

    細川証人 そういうことは私はいたしておりません。
  188. 坂上富男

    ○坂上委員 そうでしょう。あなた、あなたは桑畑さんに、どうも法律違反の疑いありとして、私もその共犯になるかもしらぬというような意味で辞職なさった。だから、桑畑さんはびっくりしちゃって、とんでもないことだと、おれ、違法行為何にもしてないと言って、わざわざ弁護士さんを頼んで、そして立ち会いの上でやったんですよ。弁護士さんを頼んだら、相当な金取られるんですがね。いいですか、これだけでも大変な迷惑なんです。ましてや、あなた、もう何人も報道機関が行って、とんだ迷惑だとおっしゃっているわけでございます。  あなたは、庶民がどんな苦しみをしても、あなたは、まあ冗談でございますが、殿様という立場で、こういうように庶民がどうあろうと構わぬというふうなことなんですか。これはもういち早く飛んで行って、桑畑さんに申しわけないことをしましたとおわびするのが普通なんじゃないですか。あなたの人間性を問いたいと思います。どうですか。
  189. 細川護煕

    細川証人 まあ、しかし、それは、その点につきましては、私どもとしては、当然そのような疑いも含めて、総理という重職にあるわけでございますから、十分慎重に調査をしなければならないと思うのは当然のことであると思っております。それに、桑畑氏に対しましては、私の方でまだ返していただいていない分もあるわけでございますから、そうした点につきまして私の方でそのようなことを申し上げる必要はない、このように思っております。
  190. 坂上富男

    ○坂上委員 あなたの性格について、深山さんが証言しています。  細川さんは性格的には律義な方ですから、物だとかそういうものには細かいことはあるんですが、お金に関しては一銭一厘とかなんとか言われたことはありませんと、こう言った。これ、矛盾の証言なんですがね。あなたはなかなか律義できちきちっと物事を処理している性格だと、こうおつしゃつているんです。そういう観点から見ますと、今まで、私知りません、存じませんというのは、ちょっと私納得できないんです。  だけれども、これは水かけ論になるから言いませんが、私も多分、あなたの答弁をずっと聞いておりまして、割合にきちっとした御答弁なさる方なんでございますから、私は知りません、存じませんというのはちょっと信頼いたしかねるのでございますが、まあそれは別といたしまして、次に答えてください。  いいですか、去年の十二月、いわゆる利息政治献金を相殺したということは事務所に言うたというんです。あなたは、その事務所からはそれは何にも聞かぬかったですか。
  191. 細川護煕

    細川証人 先ほどから申し上げておりますように、深山秘書は十二月に事務所にそのことは話をしたということでございますが、私が聞いたのは辞任直前であった、こういうことを申し上げたわけでございます。
  192. 坂上富男

    ○坂上委員 深山さんは事務所へ何回ぐらい今日まで打ち合わせに行きましたか、真相解明のために。そのうち、あなたは何回ぐらい深山さんと会いましたか。
  193. 細川護煕

    細川証人 何回ぐらい事務所に出向いたか、あるいは事務所の外で会ったか、そのことは私は承知をしておりません。かなりの回数、それはその間の事情を聞くために事務所の人が会っていると思います。(坂上委員証人はお会いになりましたか」と呼ぶ)私は、深山秘書には会っておりません。
  194. 坂上富男

    ○坂上委員 証人、こういう答弁、どうですか。昨年の十二月以降、深山氏と連絡をとり、確認をして元金と利息返済したという答弁がありますが、どうですか。
  195. 細川護煕

    細川証人 事務所を通じまして深山秘書とは接触をしていた、これはもうそのとおりでございます。
  196. 坂上富男

    ○坂上委員 そうすると、直接会ったことはない、こういうことですね。  それでは、いいですか、利息を支払ったんだということと、利息を支払ったという言葉は、いわゆる現金でもって払ったという意味なんです。あなたは弁済をしたということ、それも確かに代物弁済なのか現金の弁済なのかわかりませんが、それは意味は少し違うのです。債権が消滅したということと利息を支払ったということは違う意味なんです。  確かに利息の支払いは、あなたは政治献金ということで免除してもらったかもしれませんけれども、利息を払ってはいないんです。いわゆる相殺をしたというのですよ。したがって、結果的には同じだというのは、債務が消滅したことは結果的に同じであって、支払ったことと相殺をしたということは別のことなんですよ。どうですか。
  197. 細川護煕

    細川証人 いや、相殺ということとは違うのではないかと先ほども申し上げたわけでございますが、利息を支払ったということは事実であって、それはそのような取り扱いをした、そのような処理をしたというふうに申し上げてきたわけでございます。
  198. 坂上富男

    ○坂上委員 差っ引きしたというのを相殺というのですよ。支払ったというのと全く違うのですよ。これは先生、もう一遍よく調べてきちっとしてくださいよ。  さて、その次、このNTTの株はお父さんの行為である、私は協力しただけだ、こういうことなんですが、まず、あなたの国会答弁で、桑畑さんとは県庁、熊本県庁で会ったことはございませんかという質問には否定されました。これは正しかったと思います。しかし、ゴルフ場のホテルで会ったということは桑畑さんの言葉にあるのです。  そういたしますと、あなたは熊本で桑畑さんと、知事時代に何回かお会いになっているのではないですか、どうです。
  199. 細川護煕

    細川証人 よくそれは覚えておりません。何か見えたような気もいたしますが、定かには覚えておりません。
  200. 坂上富男

    ○坂上委員 そうですが。見えたときは、何の話にどこに見えましたか。
  201. 細川護煕

    細川証人 それは友人でございますから、何の話で来たか、それはどういう話をしたかなどということは、一々全く覚えておりません。
  202. 坂上富男

    ○坂上委員 あなた、一々覚えていないって、そんなにたくさん来たのですか、熊本へ。
  203. 細川護煕

    細川証人 いや、それはどういう友人であろうと、それは一々覚えていないということを申し上げたわけでございます。
  204. 坂上富男

    ○坂上委員 熊本に何回来られたとあなたは今思っていますか。
  205. 細川護煕

    細川証人 恐らく一回か二回か、そんなものではないでしょうか。来られたとしても、恐らくその程度の回数ではなかったかと思いますが、ただ、ゴルフをしたかどうかとか、そういうことは私は覚えておりません。
  206. 坂上富男

    ○坂上委員 だれもゴルフをしたとは言っていませんよ。ゴルフ場のホテルかなんかで会ったんじゃないですかと、こう言っているのです。まあいいです、それは、水かけ論になりますから。  さて、このNTTのアイデアはだれが出したの。あなたの方が出したの、それとも上田さん独自のお考えだったの、どっちです。
  207. 細川護煕

    細川証人 それは桑畑氏から話があって、そのことを私が深山秘書に取り次いだ、こういうことを申したわけでございます。その後、私の義父の方から、たまたまその後にそのような話があって、ぜひやりたいと、こういうことであったということを申し上げました。
  208. 坂上富男

    ○坂上委員 そうすると、たまたま偶然ですか、義父が言い出したのは。それとも、いわゆる桑畑さんから義父お話があった上でまた出たんですか。どっちですか。
  209. 細川護煕

    細川証人 全く両方無関係でございます。ただ、そのころは、御承知のとおり、NTT株のことは大変話題になっておりましたから、それはたまたま桑畑氏から話があった後に義父の方からそのような話があったと、こういうことでございます。
  210. 坂上富男

    ○坂上委員 上田さんとあなたとはどういう話し合いが行われました。どこでどういう話をしたの。
  211. 細川護煕

    細川証人 よく聞き取れませんでしたが、上田氏と桑畑氏の間でどういう……(坂上委員「いや、あなたと」と呼ぶ)私と桑畑氏の間でどういう話があったかと、こういうことですか。
  212. 坂上富男

    ○坂上委員 いいえ、上田さんと細川さんとは、あなたはどんな話があったの、このことについて。
  213. 細川護煕

    細川証人 私と父との間では、父の方、義父の方からNTT株をやりたいが、担保の提供をしてくれないかと、こういう話でございましたから、それは元麻布のマンションならば提供できるでしようと、深山秘書の方に検討してもらうように話をしておきましようと、こういうことを申したということでございます。
  214. 坂上富男

    ○坂上委員 最初からあなたは借入人になるという約束はなかったですか、最初は。あなたが債務者になって、東京から借りると。どうですか。
  215. 細川護煕

    細川証人 私は担保の提供をするという意識だけでございました。
  216. 坂上富男

    ○坂上委員 十二でございますか、ナンバー十二、登記申請書。これ、ごらんになってください。これによりますと、昭和六十一年十月の二十七日に登記申請がなされておりまして、その債務者欄に細川先生の名前が書いてあるんじゃないでしょうか、どうですか。
  217. 細川護煕

    細川証人 先ほど深谷委員からもお尋ねがあったとおりでございます。どうして消してあるのか、この辺のところは私も承知をいたしておりません。
  218. 坂上富男

    ○坂上委員 出たことは出たんですね、あなたの名前がこの申請書に。  そこで、お聞きをしておきたいのは、あなたは契約書に、最初は債務者という欄に名前を書いて判こを押してあるんだろうと思うんですよ。だから、これについて登記申請してあるんだと思うんです。  そこで、原因証書と申請書が一致していない場合は却下になるんです、登記は。これは取り下げになっているんです。その間、二十日間にわたりましてそのままになっておって、申請が出たんです、再申請が。このままのものを使って再申請が出たんです。  だから、これは私は、今度は、これ以上は推測ですが、質問なんですが、あなたは最初は債務者だった、申請をした、しかしながら、どうもいろいろ考えてみると、現職知事であるから問題が起きるかもしらないと。したがって、株の申し込みも上田さん、債務者もあなたはもう削除する、そして申請をし直そうじゃなかろうかということで契約書をつくり直したりするのに二十日間かかって、ようよう昭和六十一年の十二月十七日に申請が出たんじゃないかと思われるんです。どうですか、覚えはありませんか。
  219. 細川護煕

    細川証人 全くその間の事務的な手続、処理については私はわかりません。わかりませんが、それは先ほども申し上げましたように、司法書士さんか何かの方で、債務者が二人あるというのはおかしいんじゃないかとか、どういう理由だったのか知りませんが、とにかくそういうことでそこに線が引いてあるんだろうと思いますが、その間の事情がどういうことであったのかということは、私は一々かかわっておりませんから全くわかりませんし、また、その法律的な手続の問題も、私は詳しくないので承知をしておりません。
  220. 坂上富男

    ○坂上委員 この手続については、あなたが実印を持っておってやったと、こう言っているんです。したがって、あなたの事務所のどなたかが訂正のために、あの後、熊本へ行っていなけりゃだめなんですよ。だから二十日間もかかっているんだろうと思うんですよ。代書人が債務者を二人にするのはおかしいなんて、とんでもないことです。債務者なんていうのは五人も十人もなることが多いんですよ。一人のときもあるんですよ。そんな、素人だましみたいなことを言いなさんな。  これは何かの文書をもとにして、あなたが債務者と書かれたんです。しかし、ぐあいが悪いことがあって取り下げになったんです。なるほど、直接株の申し込みは上田さんだから、直接までにはまだいきませんよ。だけれども、どうもこれを推してみますと、あなたの名前で借金をするという最初のことはその後変更になって、株の申し込みもやはり変更になって、二十日間もかかって手続し直して登記になったんだろうと私は推測しているんです。  わからぬならわからぬでいいですが、少なくともあなたのところに判をもらいにだれかが行っているはずなんですが、どうですか。
  221. 細川護煕

    細川証人 そこまでは記憶をしておりません。
  222. 坂上富男

    ○坂上委員 じゃ、最後でございます。何か時間になったそうでございますので、残念でございますが。  あなたは、疑惑がはっきりすれば議員辞職勧告は政倫審でなさるべきだというようなこともここで言っているわけでございます。今の心境はどうですか。  あなたとしては、この文書から見てみまして、私は、やはり利息と献金は相殺の対象でもう差っ引いたんだから何の問題もないと言う。だけれども、あなたがおっしゃるとおり、いわゆる通帳できちっと収支を明確にしなきゃ、金の出入りを省略させるなんていうのは、あなたの政治倫理からいったらだめなんだ、これは。全部省略なんだ、全部。個人政治団体もめちゃめちゃになっている。今もって私はそうだろうと思いますが、そうでないという証明が出せますか。
  223. 細川護煕

    細川証人 誤解を招くような事実があったことは事実でございますし、その点について総理を辞するという最高の責任をとらせていただいた、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  224. 坂上富男

    ○坂上委員 終わります。
  225. 山口鶴男

    山口委員長 これにて坂上君の発言は終わりました。  次に、松本善明君。
  226. 松本善明

    ○松本(善)委員 証人に伺いますが、あなたの東京佐川からの一億円の借金の利息の問題が政治献金として処理をされていた、これは委員長も聞かれたわけでありますが、この問題は、深山氏は昨年の暮れに細川事務所に呼ばれてあらましを話した。このことは、世間に明らかになったのは、あなたの辞任会見ですね。このときに初めて私たちも知りました。それで、これは国会国民をだましていることになるんではないかということ、これは大問題なんですよ。  あなたはこの辞任会見答弁食い違いない、こういうふうに先ほど言われました。しかし、昨年の暮れからあなたが総理辞任するまでの四カ月間、この利息の問題、貸付金台帳の問題、もう無数と言ってもよいほど質問がされております。そのたびごとに証人は、何度も事務所を通じて深山に確認をした、元本利息も支払ったことは間違いないという答弁をしているのです。あなたの先ほど来言っておられるのも、本当に私は随分でたらめを言われるというふうに思って聞いていたんですけれども、白川さんの名前出しました。  白川さん、ここにいないからと思って言ったかもしれませんけれども、白川さんは二月の二十二日のこの委員会で、「あなたは、一番大事なことですから、領収書は、金利、元金、そういうのをそれぞれ払ってきたときに、本当にもらってきていたんだなと、このことは深山氏に確認してありますか。」と聞いている。あなたは、「その都度確認は、多分報告を受けていたというふうに記憶をしております。」白川さん、なかなかしつこく何遍も聞くんですよ。そして、あなたは、「それは、私の事務所の方で繰り返しそのことは確認をしているということでございます。」幾つだってこんな、時間がないから全部やりませんけれども、いっぱいありますよ、議事録の中に。本当にでたらめですよ、あなたの言っていることは。  私はそこでお聞きしたいんですけれども、こういう質疑だとか答弁細川事務所深山秘書も黙って見ていたことになるんですよ、四カ月間。それから、利息相当分、政治献金の届け出をしていたというのでしょう。その事務所が、現実に佐川利息を払っているということが書いてある貸付金台帳の提出を黙って見ていたということになるのです。こんなことがありますか。  何でこういうことになったんだ。うその答弁をしている、それからうその証拠が出ている。これは、何で細川事務所は黙っていたんですか。あなた、これ調べましたか。どういうわけでこういうことが起こったんだと調べましたか。お答えいただきたい。
  227. 細川護煕

    細川証人 深山秘書が昨年の十二月に細川事務所へ、利息政治献金として受け取っておった、こういう報告をした、そのことは事実だということを先ほど申し上げました。そして、ただ私は、事務所からその報告を受けたのは辞任直前である。それは、事務所の方がなぜその報告をしなかったかといえば、それはその中間を省略をして私に報告をしていた。  つまり、本委員会での御質疑も主として一億円を返したのかどうか、利息はどうなんだ、こういうお尋ねでございましたから、その点について、利息をどのように処理をしたのか、政治献金処理したのかどうしたのか、こういうお尋ねはなかったわけでございますから、その点について事務所としては、その点については利息は支払ったという事実には間違いない、その点につきましては私には省略をして、その金の動きというものを省略をして報告をしておった、こういうことを申し上げたわけでございます。
  228. 松本善明

    ○松本(善)委員 あなたは何を言っておるのですか。それは何遍も、貸付金台帳利息がちゃんと毎日のように計算されて払っているというのはおかしいじゃないかと何人質問しましたか。普通は、そういって利息は現実に払われたと思っているから質問するのですよ。そんな、あなたや深山君が言ったような複雑な裏処理をしているなんてだれも思わないですよ。だから、そんなことをやっているんですかなんて聞く人はいないのですよ。冗談じゃないのですよ。  あなたは辞任の二日前まで知らなかったというのですけれども、今申しましたように、事細かく事務所を通じて深山秘書にも確認して答弁したというのですよ。もし本当に確認していれば、利息政治献金として処理をしたということが答弁として出てくるはずなんですよ。彼は昨年の暮れに報告しているというのだから。  あなたが、これは事細かく事務所を通じて深山秘書に確認して答弁をしたという答弁そのものがうそだということか、それか二日前に知ったということがうそか、どっちかなんですよ。どっちが本当ですか、どれがうそですか。あなたの答弁がうそですか、それとも二日前に知ったというのがうそですか。はっきり答えてください。あなたの答弁は、現在からすればうそなんですよ。
  229. 細川護煕

    細川証人 先ほど、冒頭に委員長お尋ねにもお答えをいたしましたように、その点につきましては、従来の答弁と私が辞任会見で申し上げたことにつきましては、利息を返したという点については食い違いはない、こういうことを申し上げてきたわけでございます。
  230. 松本善明

    ○松本(善)委員 そんなことは通らないですよ、世の中で。それは全く違います。あなたは、先ほど深山氏に直接会って事実を確かめたことはないと言いました。このこと自体がもう無責任きわまることですよ。  それで、私はあなたが辞任二日前まで知らなかったということも疑っていますけれども、仮にそうだとして、本当に知らなかったとしても、細川事務所も含めていえば、あなたの責任国会国民をだましているということになることは明白ですよ。あなたはそう思いませんか。どこに問題があったんですか。国会ではみんなそんなことを夢にも思わないで、あなたは利息を実際に返したという前提で何人も何人もの国会議員が質問しているのですよ。あなた、これは何の責任も感じませんか。国会国民をだましたと思いませんか。冗談じゃないですよ。はっきりお答えいただきたい。
  231. 細川護煕

    細川証人 利息政治献金として処理していた、その事実は私は、今おっしゃったように辞任直前にこれは承知をしたということでございますが、その点につきまして、事務所から報告を聞かなかったこととはいえ、大変重要なポイントについて国会誤解を招くような答弁を申し上げた、このことは大変遺憾なことである、そのことに責任を感じて私は政治的な責任をとらせていただいた、こういうことでございます。
  232. 松本善明

    ○松本(善)委員 誤解を招くじゃなくて、やはりだましていたんですよ。  私は疑っていますけれども、あなたが辞任二日前に事情を知ったと言うんだけれども、じゃ、知ってから、佐川グループ各社にあなたの事務所が渡したという政治献金領収書の控え、向こうからもらったという利息領収書、それから、あなたの個人口座から政治団体の方に金を繰り入れたという、これはすべて調査はしましたか。その証拠がありましたか。私たちの前にこういうふうにやっているという証拠が並べられますか。あなたは調べたか、お答えください。
  233. 細川護煕

    細川証人 私は一々つぶさには承知をしておりませんが、事務所ではその辺につきましては調査をしたというふうに思っております。その辺の調査に基づいてこの辺の報告を申し上げている、こういうことでございますから、その辺につきましてはそのように御理解をいただきたいと存じます。
  234. 松本善明

    ○松本(善)委員 全く無責任です。無責任ですが、ちょっと次のことへ行きましょう。  この利息は概算で約三千数百万だとおっしゃいましたね。そのとおりだと思います。これだけの金が政治献金をされることになったということを、あなたの秘書だとか事務所はあなたに十一年間、十年以上報告しないということは実際あるんだろうかと。一九八三年の二月か三月ごろからだと深山君は言いました。これはあり得るんだろうか。  あなたの知事の退職金は一期目で約三千万、手取り二千五百万ですよ。三千数百万の金が政治献金をされたということをあなたの秘書やあなたの事務所はあなたに報告しない、十年以上報告しない、辞任直前になってしておる。私は到底考えられません。本当ですか。
  235. 細川護煕

    細川証人 佐川からは政治献金を受けていた、こういうことは早くから承知をしております。そのことは承知をしておりましたが、しかし、利息政治献金になっていた、このことについては、今申し上げたとおり、辞任直前に初めて承知をしたということを申し上げているわけでございます。
  236. 松本善明

    ○松本(善)委員 あなた個人利息はちゃんと佐川の方に行っていると思って、それで、実際は政治献金として処理をされる。それを十年間あなたは平気でいたといったら、私は、ちょっと失礼だけれども、人間失格ですよ。そんなことはあり得ないですよ、本当に。  それから、もしあるとすれば、佐川から数十億、そんな三千万なんて、三千数百万なんて問題じゃない、そのぐらいの金があなたのところへ政治献金としてなされていた、三千万ぐらいの報告は問題じゃない、そういう場合でしか考えられないんですよ。そういうことですか。
  237. 細川護煕

    細川証人 全くそういうことはございません。そんなに何十億というような政治献金を受けたなどということは全くないということでございます。
  238. 松本善明

    ○松本(善)委員 そうだとすれば、三千数百万の政治献金を十年以上にわたってあなたに報告しないということはあり得ないですよ。どこへ出しても通用しないことです。  それから、もう一つ聞きますが、あなたは、深山証人はこの金額をあなたの個人資産から政治団体に繰り入れたと言う。これもしかも十年以上にわたって全くあなたに報告しないんですよ。あなたは佐川に実際に利息が払われているというふうに思っているわけ。あなたの個人資産が、三千数百万、勝手に、あなたに何にも言わないで政治献金に繰り入れられる。そんなことができるんですか。あなた、自分の資産がその三千数百万減っていくということについて、十年以上知らないでいるということを当たり前のことだと思うんですか。私は、そんなことは世の中にないと思いますよ。あなた、どう思います。本当にそうだったんですか。
  239. 細川護煕

    細川証人 トータルで三千数百万ということでございますが、十回に分けてそれを返したということですから、一番多いときでも単純に割っても八百万、一番多いときで八百万、最終的には数十万ということになるわけでございましょうが、そういうことでございますから、毎年だんだん減っていくその利息分についてそれは事務所から報告がなかったということは、政治献金として処理していたということについて報告がなかったということは、これは大変大きな問題だと思いますが、ただ、実態としては、そのような処理をしてきたということは誤解を招くような事実であって、まさにそのことについて私は責任をとって総理辞任させていただいたということでございますから、その点については大変申しわけないことだと思いますし、また、私の今資産のことについてのお尋ねでございましたが、私は資産のことにつきましてはすべて事務所に任せてきたということを、これは再々この本委員会でも申し上げてきたことでございます。  今申し上げましたように、十年ぐらいにわたりましての処理のことでございますから、今のように事務所の方で一遍に三千数百万ということではございませんから、そのような形で処理をしてきた、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
  240. 松本善明

    ○松本(善)委員 それは、あなたに一言でも、佐川への利息政治献金として処理しています、一言でもあなたに話があればそれはあり得るでしょう、細かい操作は知らなくても。そのこともあなたに言わないで十年間、あり得ない、絶対ないです。あなたはどこかでうそをついている。  それから、NTTの株の問題について再々皆さんお聞きになりましたけれども、これは、私に対する答弁では、二月の二十一日、NTT株購入について桑畑氏と話をしたかという点について、全く記憶にないと言ったんです。しかし、深山証言によると、あなたはかなり突っ込んで関与している。桑畑氏がNTT株購入の話をして、あなたの指示に基づいて熊本から深山氏に藤木氏のコンサルタント契約書も送ってきた。あなたの指示NTT株購入について検討して、深山証人にメリット、デメリットを検討しろと。そして、それを報告したというんですよ。  そしてこれは、ここまでやっていて何であなたはやらなかったんだろうか。何で自分はやらないけれども義父に手伝えと指示をしたんだろうか。デメリットが大きくて自分ができないというんだったら義父に勧めることはないですよ。あなたが消極的で関心がなかったら、メリット、デメリットを報告しろなんていう指示は絶対しないですよ。  これはそういう経過からすれば、あなたが知事だから義父の名義だけ借りたということが本当ではないのか。その理由をみんなにわかるように話してください。桑畑氏とはどういう話をして、深山氏にどういう指示をしたのか、なぜ義父にやらせて自分はやらなかったのか、もう全然あなたの言うことはわからないですよ。わかるように私の聞いたことを証言していただきたいと思います。
  241. 細川護煕

    細川証人 同じ話を何回も申し上げて恐縮でありますが、桑畑氏からどういう話があったかということについてはよく覚えていない。それは何といいましても、昭和六十一年ですか、もう随分前のことでございますから、それはなかなか思い起こせと言われてもこれは難しい話でございますが、桑畑氏からNTT株の話があって、そのことは、まあいつものことでございますが、事務所で検討するようにということで指示をしたのではないかと思うという趣旨のことをずっと一貫して私は申し上げてきたわけでございます。  で、そのときにちょうど義父の方からもNTT株をやりたいと、大変世間でもうわさになっていたときでございますし、義父の方からそのような話がございまして、私は深山秘書の方からはそれほど積極的にやるというようなニュアンスの返答ではなかったように思いますが、ただ、そういうところにたまたま義父の方から話がございましたので、担保提供してくれないかという話で、それならば提供しましょうということでそういう話になっていったということでございます。
  242. 松本善明

    ○松本(善)委員 終わります。
  243. 山口鶴男

    山口委員長 これにて松本君の発言は終わりました。  以上をもちまして細川証人に対する尋問は終了いたしました。  御苦労さまでございました。証人には御退席くださって結構でございます。  この際、御報告いたします。  去る六月十六日の本委員会において、予算実施状況に関する件の調査に関し、国会で取り上げられた細川内閣総理大臣の問題について、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律第一条に基づき、証人として佐川急便株式会社代表取締役栗和田榮一君及び株式会社東京相和銀行北砂支店長大越昇君に対し、期限を六月二十一日正午までとして、議長を経由して、書類の提出を求めました。  要求いたしました項目につきましては、  佐川急便株式会社代表取締役栗和田榮一君に対しましては、昭和五十八年から平成三年一月三十一日までの佐川急便総勘定元帳(科目名「貸付金」)を要求し、  株式会社東京相和銀行北砂支店長大越昇君に対しましては、  ①として、昭和六十一年二月二十八日付で、佐川元帳ナンバー六十三に記載されております細川護煕名の佐川への一千万円普通預金振り込みに関して、一つ目は、文書扱いの振込依頼票を銀行のマイクロフィルムの写しの形で、二つ目は、文書扱いの振込金受取書を、三つ目は、振込票を銀行のマイクロフィルムの写しの形でそれぞれ要求し、  次に、②として、昭和六十二年二月十日付で、佐川元帳ナンバー七十七に記載されております細川護煕名の佐川への一千万円普通預金振り込みに関して同様の三点を、  そして、③として、昭和六十三年二月十七日付で、佐川元帳ナンバー五十九に記載されております細川護煕名の佐川への一千万円普通預金振り込みに関して同様の三点を、  さらに、④として、右①ないし③につき、いずれの金融機関から振り込まれたかを明らかにするものを要求いたしました。  本件につきましては、本日、それぞれから回答及び書類が提出されましたので、御報告いたします。  なお、これらの取り扱いにつきましては、理事会で協議をいたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十七分散会