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衛藤(晟)
委員 今言われたそういう考え方の中に幾つか本当は問題点があるのです。字の愛着に配慮という言い方は非常に傲慢に聞こえるのです。その人その人の持っている
戸籍なのです。これは国からいただいた
戸籍じゃないのですよ。
私の
衛藤なんというのは、これはもう難しい字で、大分県ぐらいしかありませんからね。その
衛藤の「衛」が、私はたまたまいわゆる皆さん方が言う正しい字というのかな、漢和辞典の最初に載っている字を使っておりまして、
衛藤の「衛」という字は十三通り、皆さん方が誤字だとか言っている字ですね、それが十三あります。それから「藤」というのは三十四あるのです、実際。これはたまたま皆さんからいただいた資料でありますけれ
ども。
しかし、そのうちのどの字を使おうとも結局は自分の字なのですよ。それに愛着があるという言い方で、それを何かある程度認めてやろうというような形にしか聞こえないのです。
戸籍というのはそんなものではない。国からもらったものじゃないし、名字であればその家その家にそういうものがあるわけでありまして、私のところは分家ですから、私は標準的な字に変えましたけれ
ども、たまたま変えましたけれ
ども、それはその家その家の勝手というより自由なのです。
そういう発想をずっとやっていくと、昔の創氏改名みたいなことになりはしないかと思って私は非常に心配しているのです。そのことをまずひとつ言っておきたいと思うのです。いわゆる愛着に配慮、配慮という
言葉は実は
行政の傲慢ではないのか。
それから理解される字、標準的書き方と言うけれ
ども、それはより多くの方が使っているという
意味ではあるのでしょうけれ
ども、それで辞典の中に次第次第に出てきたのだけれ
ども、辞典に出てこないちゃんとした字だって幾らでもあるのですよ。それは過去のずっと長い歴史の中で、今使われなくなった字だとかいろいろなものがある。それをただ現時点から誤字だとかいろいろ言っているにしかすぎないのだということを、そういうものはやはりちゃんと基本的な認識として持っておかないといけないと思うのです。
それからまだあります。
コンピューター対応ができない。それは対費用の問題であって、今私
どもが使っている
戸籍にある字を全部
コンピューターに入れることが可能か不可能かと聞けば、
コンピューターの
関係の会社の方々や専門家は可能だと言うのです。それは後、費用の問題で私
ども皆さん方とやりとりしなければいけません。
コンピューター対応できない。全部をすることは不可能だと言ったけれ
ども、全部をすることは、聞けば可能です、これは。それはお互いにわかっているでしょう。
ただそれに大きな
コンピューターを使わなければいけないとか云々という話があるだけの話であって、このことは一応言っておかないと、だから皆さんの
事務を、
戸籍を全部スムーズにやろうと思ったら非常に大きなお金がかかります。
コンピューター、大きなものを入れなければいけませ
ん。それで、入れなければいけないのだけれ
ども、今それが全部はできないから、ひとつ皆様方のどうしても入れることが経費的に見て不可能な字については前のままさせてくださいよというぐあいにいくべきだと思うのです。
しかし、
法務省の今まで出してきたのはそうじゃないでしょう。我々が
指摘して、一部は苦情が出たら何とかやってやろうというような形なのです。これはまた後で改めてやりますけれ
ども、そこのところの認識をまずしておいていただきたいというぐあいに思っています。
それから、今回俗字が大変多く取り扱われるようになったということであります。それによって当初よりも一千万人以上の方々が書きかえをしなくて済んだということであります。従来使われていた俗字が百五十五字ということでありますが、今回の変更によってどれぐらいの俗字等と言われるものが入力可能になったのか、可能としたのか、そのことをちょっと教えていただきたいと
思います。