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赤城委員 政府側で今
検討をお願いしている、
農政審で
検討している。具体的な中身については
農政審の結論を待ってということでもいいのかもしれませんけれども、私どもとしては、この
国会、国権の最高機関としてここでの
議論で組み立てていただきたいと思うのであります。
具体的な中身についてはまだ
議論はしませんけれども、
基本的な方向としてどういう状況が
変化したのか。
大臣は、市場原理、競争条件の導入ということで今までの改正があった。それから、今後新しい
国境措置、要するに部分自由化です、これを含めてどうしなければならないか。それから、触れられませんでしたけれども、今の
政府の頭の中には、内外価格差をどうやって縮めるのか、これは新しい
国境措置と裏表だと思うのですけれども。それから規制緩和という視点、これは連立与党
会議なんかで今
議論して報告も出ているようですけれども、そういう市場原理、競争の導入、内外価格差、規制緩和、自由化、そういったものでこれからの
農政を考えていかれようという
基本スタンスなんだ、視点なんだと思うのです。
だけれども、私は、それは大事なものがやはり欠けていると思うのです。いろいろ
生産、流通の状況が変わりましたとか、米が余るようになりましたとか、
生産者、
消費者の嗜好、
考え方、いろいろな
変化がある。その中で一つやはり忘れてならないのは、農村がどういう状況にあるのか。もう高齢化している、後継ぎがいない、
生産体制はどんどん脆弱化していって耕作放棄地もふえる、そういう状況にあるんだというのはかってとは全然さま変わりなんです、今は。
それからもう一つは、国際的な事情の中で、自由化がどうということよりも、国際的には人口が爆発して
食糧難になるんだ。砂漠化や何か気象の変動ということがあって、国際的な
食糧生産にとっても大変危機的な状況に今あるんだ。そういうことがやはり
基本視点としてなければいけない。
それがあれば、農家がきちっと
生産をしていただく、あるはやる気を持って、所得も上がって、新
農政というのはまさにそこにあったと思うのですね。農家がやりがいを持って、そして生涯所得、きちっと他産業に負けない所得を上げていただく。その結果規模が拡大もする。拡大すれば効率がよくなって、結果としてコストが下がって、それが価格に反映するという順番なのであって、
輸入の自由化があります、内外価格差を縮小しなきゃいけません、規制緩和をしなきゃいけませんということが先にあるのじゃないのです。
やはり
農業というのは、土地に根差して、農家や
生産者というところに根差して初めてできるんだと思うのであります。そういう意味で、これからの
農政を考えるに当たって、ぜひその
基本のところを踏まえて組み立てていただきたいと思います。
それから、米価のことなんですけれども、これもいろいろな米価があって、
政府米価が一物四価なんて言われます。自主流通米の価格、それから今はもっと基準になっているのは、やみ米の価格の方が基準なんじゃないかと言われるくらい毎日の市況が新聞に載るわけです。それから他用途利用米、これも物は
基本的には同じなんです。だけれども、いろいろな価格がある。これをどうするかということについて
基本的な方向をやはり決めなきゃいけないんじゃないかな。
政府米価というのは
生産費所得補償方式、つまり再
生産ができるように決めましょうということです。一方で、自主流通米の価格機構ややみ米というのは需給によって、あるいはその品質の格差によって価格は変わりますということも含めて、
基本的には市場で、需給で決めますというこの
基本的な方向がやはり違うんだと思うのですけれども、この米の価格のあり方について
基本的な方向性、どういうふうにお考えでしょうか。