○御法川
委員 細川総理の世論
調査、すこぶる人気が高かったわけでございますが、今、五〇%を切ったというような記事も出ております。今、
日本の
政治家の中で
田中眞紀子先生ほど人気のある
政治家は恐らくいないであろう、こんなふうに私は思っております。したがいまして、米というこの騒動の中でございますから、マスコミの
関係も多いわけでございますが、恐らく、米もさることながら、
田中眞紀子先生がこの
農林水産委員会で畑農林
大臣あるいは
食糧庁長官をどんなに苦しませることができるか、そんな関心も非常に高かったんじゃなかろうかと、これはマスコミの方ですよ、そういう感じもするわけでございます。今お伺いしておりまして、まさに立て板に水、こういう
質問でございまして、その
田中さんの後に
質問するというのはなかなか勇気の要ることでございますけれども、割り当てでございましたので、また関心もございますから
質問に立たせてもらった次第でございます。
コシヒカリからあきたこまちにバトンをいただきまして、これから順次
質問してまいりたいと思います。
これから
質問するものはそれぞれみんな関連するわけでございますから、どういう形で
質問すればいいのかなというふうにも思ったわけでございますが、話を整理する意味におきまして、それぞれの項目ごとにこれから順次
質問してまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
まず、私、自分の
選挙区に日曜日等帰りまして、回って歩くわけでございますが、
生産者である
農家の
方々、あるいは農協、
農業団体の役員の
方々、さらには
消費者の
方々、こういう
方々といろいろとお会いし、話し合いをするわけでございますが、今回のこの米騒動、
生産者の
立場からすれば、
コシヒカリほどではないけれどもそれに近いような米の生産できる秋田県、しかも田んぼもいっぱいある、生産しようと思えば幾らでもできる、そして実際
消費者の目の前でおいしい米をつくることができる、そういう
地域でありながら米が足りない。
消費者の側からは、このうまい米のとれるいい
場所で、そのおいしいあきたこまちを食べることができない。我々の
地域でも今は外米が入ってきて、例えば国産米五キロ買うとすれば、国の名前は申し上げませんけれども、ややまずい米五キロ、それより幾らかいいような米五キロ、国産米五キロ買うごとに外米を十キロ買わなければならない、こういう実態である、一体これはどうなっているんだと。要は
政治が悪い、
政治家が悪い。決して
食糧庁長官が悪いとか農林
大臣が悪いとは言わない、一般の
国民の人たちは、
政治家が悪い、
政治が悪い、こういう声が非常に高まってきておるわけでございます。
先週、
自由民主党で米の流通
調査団というものを編成いたしまして、
中川先生を団長に都内あるいは横浜等々を回って歩きました。その際にも
消費者の
方々から、一体
政治は何をやっているんだ、こういう厳しい
質問が多かったわけでございます。まさにこの米の騒動というのは
政治の
責任なわけでございまして、そういう意味からすれば、
大臣には大変言いにくい言葉ではございますけれども、この善後策をどうすることが私の
責任だと言うよりも、むしろやはり昔の武士のように腹を切って
国民におわびする、それくらいの
責任感がなければ、対応も結局はこれまでのようなスタイルになってしまう、こういう感じを私は強くするわけでございます。立派な
大臣でございますから、個人的にはそういう気持ちはさらさらないけれども、やはり
役所の最高の頂点である、しかも
政府の
大臣であるということからすれば、やはり
大臣の毎日あるいはそれぞれの言葉というものも非常に大きな意味があるわけでございまして、
大臣は篇とその辺を考えた上で行動してもらいたいし、
発言してもらわなければならない、かように思うわけでございます。
前置きが少し長くなったわけでございますが、以上のような地方におきましても、農政、
農業、米の不足に対する強い怒りが高まっておる、こういう認識だけは常に頭に置いていただきたい、かように存ずるわけでございます。
そこで、この外米の問題でございますが、昨年は御
承知のとおり戦後最大の大
凶作であったわけでございます。私も党の
調査団の一員として、北
海道あるいは東北の各県を視察してまいりました。
大臣も我が秋田県に来ていただきまして、冷害の実態を
調査していただきました。そういうことでございまして、最終的に全国の作況指数が七四というような、かつてない未曾有の冷害に遭ったわけでございます。
そういう点で、全体として米が足りない、これは当然のことでございます。したがいまして、外米をこの際
輸入しなければならない、こういう考えになってくることもこれはまた当然でございます。しかし、昨年は冷害であると同時にいわゆるガット・ウルグアイ・ラウンド、この問題をどうするかということで、
農業の面では本当に大事な大変な年であったわけでございます。個々の
生産者農家はもちろんでございますが、
農業団体、力を合わせて何としてもこのガット・ウルグアイ・ラウンドは阻止しなければならない、こういうことで一年じゅうガットに揺れた年でもあったわけでございます。
そして
委員会におきましても、重要性にかんがみまして総理
大臣も
委員会に来ていただき、ガットの問題についてどうするかという
質問も強くあったわけでございますが、その際に、総理
大臣も、農林
大臣もこれまでの
政府の方針を貫いてまいる、つまりは主食である米については国内で自給する、国会の決議これあり、したがってガットの自由化を受け入れるわけにはまいらない、こういう答弁を繰り返し繰り返し
委員会で、あるいは本
会議場でも行われたわけでございます。しかし、残念ながら十二月の段階で自由化を受け入れる、こういう結果になってしまったわけでございます。
そこで、私、考えるわけでございますが、あの七月の段階で、ことしはかってない冷害になりそうだという大体の見通しも出てきた。八月に至っては本当にあのとおりの冷夏であったわけでございますから、これは極めて厳しい冷害になる、こういうことが
大臣もあるいは
役所の
方々もある程度予測できてきた、こういう段階であったと思います。しかもまだ、暮れの十二月になりますと、ガットに対する
政府としての最終決断をしなければならない、こういう背景が昨年はあったわけでございます。そこでこの冷害でございますから、米が足りなくなる、冷害によって米が不足するから米の
緊急輸入をしなければならない、こういう決定をこの際少し早目に発表する。しかも主食でない加工米二十万トンを
緊急輸入する、こういう形で発表されたわけでございます。
なぜ私がこういうことを言うかというと、最終的にどの程度の米の不足量が確定するかその段階ではもちろんわからないわけでございますが、そういうガットの
関係、冷害の
関係、米が足りなくなる、こういうもろもろのことを考えながら、その時点で、これはうがった見方でございますから失礼な言い方ではございますけれども、ガットも最終的にはもしかして自由化に踏み切らざるを得ないかもしらぬ、そして
平成七年からいわゆる
ミニマムアクセスと保いう形で四十万トン弱の米が入ってくる、だとすれば、この冷害を機会に外米を入れて、
国民の、
消費者の外米に対する抵抗感、これを薄めよう、こういう意図もその段階から徐々に芽生えてきたのじゃないか、こんな感じもするわけでございます。これはいかにも皮肉った意地の悪い見方ではございますが、今になってみればそうしたことを想定せざるを得ない、こういう
経緯があった、こう思っております。
そして十一月の上旬に、今度は主食用の米を九十万トン
緊急輸入をするのだ、こういう形でこれも決定し、発表されたわけでございます。そして、十一月の十八日に第一便のタイ米が横浜港に到着しているわけでございます。そして十二月の十五日、ガット受け入れを決定した、こういう
経緯でございます。さらに十二月の二十一日には、ことしの十月までという一つの期限のめどではございますが、百六十万トンから百九十万トンを
輸入しなければならない、こういう発表もいたしておるわけでございます。この発表のときの量、これはだんだん多くなってきておる、こういう
状況でございます。そして十二月の下旬に、最終のことしの作況指数は七四でありました、こういう発表になっておるわけでございます。
つまり、冷害で水ももちろん不足ぎみではございますが、それに乗った、いわゆる
ミニマムアクセスを受け入れる前段階として、助走としての役割をこの
米不足の
輸入米に見出した、こういう手口じゃないか、こういう感じが私強くするわけでございます。余りにも推理的な話ということにもなりますけれども、先ほど来申し上げました去年の八月以降暮れに至る、そして一月に入ってきて、そうした段階における農林水産省として、あるいは
食糧庁として一体どういう基本的な考えてこの問題に取り組んだのか、この辺を
国民の前に明らかにしていただきたい。別の言葉で言うと、いわゆる自由化シフトをこの冷害にちなんでやってきた、こう言っても過言じゃないのじゃないか、私はこんな感じが強くするわけでございまして、この点についてひとつ御答弁をいただきたいと思います。