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1994-05-27 第129回国会 衆議院 大蔵委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年五月二十七日(金曜日)     午後零時十六分開議 出席委員   委員長 宮地 正介君    理事 石原 伸晃君 理事 金子 一義君    理事 村上誠一郎君 理事 海江田万里君    理事 村井  仁君 理事 日野 市朗君    理事 北側 一雄君       小野 晋也君    大島 理森君       大原 一三君    岸田 文雄君       久野統一郎君    福田 康夫君       松下 忠洋君    新井 将敬君       伊藤 英成君    江崎 鐵磨君       大矢 卓史君    工藤堅太郎君       栗本慎一郎君    中村 時広君       西川太一郎君    藤村  修君       山本  拓君    米田 建三君       秋葉 忠利君    永井 哲男君       斉藤 鉄夫君    谷口 隆義君       田中  甲君    佐々木陸海君       坂本 剛二君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 藤井 裕久君  出席政府委員         大蔵政務次官  石田 祝稔君         大蔵政務次官  北橋 健治君  委員外出席者         大蔵委員会調査         室長      中川 浩扶君     ――――――――――――― 委員異動 四月十八日  辞任         補欠選任   橘 康太郎君     鹿野 道彦君 同月十九日  辞任         補欠選任   鹿野 道彦君     坂本 剛二君 五月十日  辞任         補欠選任   北橋 健治君     安倍 基雄君 同月十七日   辞任         補欠選任   太田 昭宏君     北側 一雄君 同月二十四日  辞任         補欠選任   安倍 基雄君     伊藤 英成君 同月二十七日  辞任         補欠選任   熊代 昭彦君     松下 忠洋君   塩崎 恭久君     小野 晋也君   青木 宏之君     西川太一郎君   上田 清司君     江崎 鐵磨君   太田 誠一君     山本  拓君   中田  宏君     藤村  修君   山本 幸三君     工藤堅太郎君 同日  辞任         補欠選任   小野 晋也君     塩崎 恭久君   松下 忠洋君     熊代 昭彦君   江崎 鐵磨君     上田 清司君   工藤堅太郎君     山本 幸三君   西川太一郎君     青木 宏之君   藤村  修君     中田  宏君   山本  拓君     太田 誠一君 同日  理事太田昭宏君同月十七日委員辞任につき、そ  の補欠として北側一雄君が理事に当選した。     ――――――――――――― 五月二十日  証券取引法の一部を改正する法律案内閣提出  第六六号) 同月二十六日  平成六年度における財政運営のための国債整理  基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関す  る法律案内閣提出第二号) 四月五日  消費税率引き上げ反対等に関する請願岩佐恵  美君紹介)(第八六二号)  同(穀田恵二紹介)(第八六三号)  同(佐々木陸海紹介)(第八六四号)  同(志位和夫紹介)(第八六五号)  同(寺前巖紹介)(第八六六号)  同(中島武敏紹介)(第八六七号)  同(東中光雄紹介)(第八六八号)  同(不破哲三紹介)(第八六九号)  同(藤田スミ紹介)(第八七〇号)  同(古堅実吉紹介)(第八七一号)  同(正森成二君紹介)(第八七二号)  同(松本善明紹介)(第八七三号)  同(矢島恒夫紹介)(第八七四号)  同(山原健二郎紹介)(第八七五号)  同(吉井英勝紹介)(第八七六号) 同月十二日  消費税税率引き上げ反対国民本位税制改  正に関する請願岡崎トミ子紹介)(第九七  八号)  同(岡崎トミ子紹介)(第一〇六四号)  同(日野市朗紹介)(第一〇六五号)  消費税率引き上げ反対所得税大幅減税に関  する請願佐々木陸海紹介)(第九七九号)  消費税率引き上げ反対不公平税制是正に関  する請願井上一成紹介)(第九八〇号)  同(中村正男紹介)(第九八一号)  逆進性が強い消費新税導入反対等に関する請  願(岡崎トミ子紹介)(第一〇六〇号)  消費税率引き上げ反対に関する請願緒方克陽  君紹介)(第一〇六一号)  消費税率引き上げ反対不公平税制是正と大  幅所得税減税実現に関する請願嶋崎譲紹介  )(第一〇六二号)  消費税率引き上げ反対国民本位税制改正  に関する請願五島正規紹介)(第一〇六三  号) 同月十九日  消費税税率引き上げ反対国民本位税制改  正に関する請願岡崎トミ子紹介)(第一一  六二号)  同(日野市朗紹介)(第一一六三号)  同(岡崎トミ子紹介)(第一二〇六号)  同(岡崎トミ子紹介)(策一三〇○号)  同(藤田スミ紹介)(第一三〇一号)  逆進性が強い消費新税導入反対等に関する請  願(岡崎トミ子紹介)(第一二〇七号)  同(岩垂寿喜男紹介)(第一三〇二号) 同月二十六日  消費税率引き上げ反対不公平税制是正に関  する請願(山下八洲夫君紹介)(第一四一〇号  )  逆進性が強い消費新税導入反対等に関する請  願(岡崎宏美紹介)(第一四六八号) 五月十一日  たばこ問題の厚生省への所管替え等に関する請  願(秋葉忠利紹介)(第一五八三号)  同(秋葉忠利紹介)(第一六四四号)  消費税率引き上げ反対所得税大幅減税に関  する請願佐々木陸海紹介)(第一五八四号  )  消費税税率引き上げ反対国民本位税制改  正に関する請願岡崎トミ子紹介)(第一六  六一号)  同(岡崎トミ子紹介)(第一六九七号)  消費税率引き上げ反対等に関する請願岩佐恵  美君紹介)(第一六八二号)  同(穀田恵二紹介)(第一六八三号)  同(佐々木陸海紹介)(第一六八四号)  同(志位和夫紹介)(第一六八五号)  同(寺前巖紹介)(第一六八六号)  同(中島武敏紹介)(策一六八七号)  同(東中光雄紹介)(第一六八八号)  同(不破哲三紹介)(第一六八九号)  同(藤田スミ紹介)(第一六九〇号)  同(古堅実吉紹介)(第一六九一号)  同(正森成二君紹介)(第一六九二号)  同(松本善明紹介)(第一六九三号)  同(矢島恒夫紹介)(第一六九四号)  同(山原健二郎紹介)(第一六九五号)  同(吉井英勝紹介)(第一六九六号) 同月十九日  消費税率引き上げ反対不公平税制是正に関す  る請願三野優美紹介)(第一七四四号)  消費税率引き上げ反対生活必需品の完全非課  税化課税最低限大幅引き上げに関する請願  (岩佐恵美紹介)(第一七六一号)  同(穀田恵二紹介)(第一七六二号)  同(佐々木陸海紹介)(第一七六三号)  同(志位和夫紹介)(第一七六四号)  同(寺前巖紹介)(第一七六五号)  同(中島武敏紹介)(第一七六六号)  同(東中光雄紹介)(第一七六七号)  同(不破哲三紹介)(第一七六八号)  同(藤田スミ紹介)(第一七六九号)  同(古堅実吉紹介)(第一七七〇号)  同(正森成二君紹介)(第一七七一号)  同(松本善明紹介)(第一七七二号)  同(矢島恒夫紹介)(第一七七三号)  同(山原健二郎紹介)(第一七七四号)  同(吉井英勝紹介)(第一七七五号)  消費税税率引き上げ反対国民本位税制改  正に関する請願岡崎トミ子紹介)(第一七  七六号)  同(岡崎トミ子紹介)(第一八〇三号)  同(岩佐恵美紹介)(第一八三〇号)  同(穀田恵二紹介)(第一八三一号)  同(佐々木陸海紹介)(第一八三二号)  同(志位和夫紹介)(第一八三三号)  同(寺前巖紹介)(第一八三四号)  同(中島武敏紹介)(第一八三五号)  同(東中光雄紹介)(第一八三六号)  同(不破哲三紹介)(第一八三七号)  同(藤田スミ紹介)(第一八三八号)  同(古堅実吉紹介)(第一八三九号)  同(正森成二君紹介)(第一八四〇号)  同(松本善明紹介)(第一八四一号)  同(矢島恒夫紹介)(第一八四二号)  同(山原健二郎紹介)(第一八四三号)  同(吉井英勝紹介)(第一八四四号)  消費税税率引き上げ反対、廃止に関する請願  (穀田恵二紹介)(第一八二九号) 同月二十四日  公共施設等に係る国庫補助基準単価引き上げ  等に関する請願田中秀征紹介)(第一八七  五号)  同(小川元紹介)(第一八七六号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第一八七七号)  同(宮下創平紹介)(第一八七八号)  同(若林正俊紹介)(第一八七九号)  同(堀込征雄紹介)(第一九四七号)  同(井出正一紹介)(第一九九八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 四月二十五日  大幅な所得減税に関する陳情書  (第九  七号)  消費税食料品非課税実現に関する陳情書  (第九八号)  消費税率引き上げ反対に関する陳情書外一件  (第九九号)  登録免許税等増額に対する適切な緩和措置に関  する陳情書  (第一〇〇号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  国の会計税制及び金融に関する件(財政金融  の基本施策)      ――――◇―――――
  2. 宮地正介

    宮地委員長 これより会議を開きます。  理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 宮地正介

    宮地委員長 御異議なしと認めます。よって、北側一雄君を理事に指名いたします。
  4. 宮地正介

    宮地委員長 国の会計税制及び金融に関する件について調査を進めます。  財政金融基本施策について、大蔵大臣所信を聴取いたします。藤井大蔵大臣
  5. 藤井裕久

    藤井国務大臣 今後における財政金融政策の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。  まず、最近の内外経済情勢について申し上げます。  我が国経済は現在、設備投資雇用情勢に厳しさが見られるなど、総じて低迷を続けております。  世界経済は、国によりばらつきが見られるものの、全体としては景気回復が着実に進行しつつあると言えます。しかしながら、先進諸国は、大幅な財政赤字や高失業などの構造問題を抱え、経済構造改革に向けた努力が必要とされており、また、開発途上国の一部や旧ソ連、中・東欧諸国では、依然として厳しい経済状況が続いております。  私は、今後の財政金融政策運営に当たり、このような最近の内外経済情勢を踏まえ、以下に申し述べる諸課題に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。  第一の課題は、本格的な景気回復実現を図ることであります。  さきに申し上げましたように経済は厳しい状況が続いておりますが、個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、回復の機運は着実に熟しつつあります。  こうした回復の芽を大きく膨らませ、我が国経済平成六年度中のできるだけ早い時期に本格的な回復に移行させ、七年度以降の安定成長を確実なものとするため、先般、十五兆円を上回る史上最大規模総合経済対策を決定いたしました。本対策は、五兆八千五百億円規模所得減税実施等や、公共投資等拡大などの内需拡大策のほか、課題を抱える分野における重点的な対応などを盛り込んだ、質量とも充実した文字どおり総合的な経済対策であります。こうした幅広い諸施策を一体として実施しつつ、これとあわせて平成六年度予算においても可能な限り景気に配慮するよう努めてまいる所存であり、これが、先行きに対する不透明感を払拭するとともに、個人消費を初めとする内需の盛り上がりにつながり、我が国経済の本格的な回復に大きく資するものと確信しております。  金融面では、七次にわたる公定歩合の引き下げ実施されてきたところでありますが、今後とも、その効果が一層浸透していくことを期待しております。  また、為替については、我が国としては、為替相場経済の基礎的諸条件を反映して安定的に推移することが望ましいと考えており、このような基本的な考え方は、去る四月二十四日、ワシントンで開催されたG7蔵相中央銀行総裁会議において、各国共通の認識として改めて確認されたところであります。今後とも為替相場の動向を十分注視し、関係各国と緊密に連絡をとりつつ、適宜適切に対処し、為替相場の安定を図ってまいる所存であります。  第二の課題は、財政改革を引き続き強力に推進することであります。  政府は、厳しい経済状況に対し、累次にわたる経済対策を策定してまいりましたが、これに盛り込まれた公共事業関係費追加等については、やむを得ざる措置として、建設公債追加発行により賄うこととしたところであります。  さらに、平成六年度予算におきましても、現下の厳しい財政事情のもとで、平成五年度第三次補正予算とあわせ可能な限り景気に配慮するよう努めるとの観点等から、建設公債発行により、公共事業等財源を確保するとともに、取得税減税等に伴う税収減に対処するものに限って、特例公債発行によることといたしました。  この結果、公債依存度は一八・七%と当初予算としては昭和六十二年度以来の水準となり、公債残高平成六年度末にはついに二百兆円を超える見込みである等、我が国財政をめぐる事情は、構造的にますます厳しさを増しております。このような公債残高の累増を放置すれば、既に歳出予算の二割程度を占めている国債費増高につながり、政策的経費をさらに圧迫するなど財政の一層の硬直化を招くこととなります。これまで厳しい経済状況のもとで景気浮揚に向け大きな役割を担ってきた我が国財政は、今やまことに深刻な状況に立ち至っております。  一方、本格的な高齢化社会の到来に備え、福祉の充実、着実な社会資本整備国際社会への貢献等さまざまな財政需要に適切にこたえていく必要があります。これら新たな時代のニーズに的確に対応し、豊かで活力ある経済社会建設を進めていくためには、何よりもまず、財政対応力回復に努めていかなければなりません。  このため、まことに深刻な状況にある今こそ、引き続き健全な財政運営を確保し、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくという財政運営基本的方向に沿って一層の努力を払っていくことが重要であり、今後とも財政改革を強力に推進していく覚悟であります。  第三の課題は、年内税制改革実現を図ることであります。  活力ある豊かな高齢化社会実現を目指し、財政体質改善に配慮しつつ、個人所得課税の軽減と消費課税充実を柱に、バランスのとれた安定的な税体系を構築し、税制改革実現することは緊急に取り組むべき課題であります。  税制改革年内実現は新内閣の最重要課題と考えており、前内閣での取り組みを継承して、国民の皆様の意見に十分耳を傾け、税制調査会審議を進めていただきながら、国会の議決に沿い、各党会派の御理解と御協力をいただいて、六月中には成案を得て、必ずや年内税制改革実現するよう最大限の努力を傾けてまいる所存であります。  第四の課題は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献に努めることであります。  先般、ワシントンで開催されたG7蔵相中央銀行総裁会議においては、世界経済のインフレなき持続的成長強化を目指し、各国が引き続き昨年の東京サミットで合意された成長戦略及び構造政策を追求していくこととされました。我が国としては、このような経済政策協調プロセスにおいて各国協力していくとともに、三月にハワイで開催されたAPEC蔵相会議成果等を踏まえ、アジア・太平洋地域各国との対話にも努めてまいります。  七年余にわたり交渉が続けられてきたガットウルグアイ・ラウンド交渉は、本年四月十二日から十五日までモロッコのマラケシュにおいて閣僚会合が開催され、正式に終了いたしました。このことは、何よりも国際経済秩序に対する信認が確保されたことを示すものであります。  合意の概要といたしましては、まず、鉱工業品及び農産品等についての大幅な関税引き下げ実現されるとともに、農産品についての関税化農業補助金削減等が行われることとなりました。次に、金融等のサービスの分野についての多国間の自由化ルールを規定した協定が策定されるとともに、知的財産権分野について国際的な取引促進するための協定が策定されました。また、アンチ・ダンピング関税等貿易ルール分野については規律の強化が図られております。さらに、これらウルグアイ・ラウンド交渉成果を統一的に実施するための枠組みとして、これまでのガットにかわる世界貿易機関の設置が合意されたほか、紛争処理手続整備が行われております。  政府としては、今後、条約の締結、所要国内法整備のための御審議をお願いすることを予定しており、大蔵省といたしましても、関連する法律案の準備を進めていくことといたしております。  平成六年度におきましては、関税制度について、市場アクセスの一層の改善を図る等の観点から、粗糖の関税引き下げ自動車部品関税撤廃等改正を行ったところであります。  経済協力につきましては、特に開発途上国における人づくりに対する二国間技術協力に重点を置き、さらに国際開発金融機関を通じた一層の協力も進めつつ、引き続き開発途上国への支援促進に努めてまいるとともに、旧計画経済諸国についても市場経済への円滑な移行のため、他の主要先進国とも協調しつつ適切な支援を行ってまいる所存であります。  第五の課題は、金融証券市場活性化であります。  我が国経済の今後の発展を確保するためには、経済活動に必要な資金の円滑な供給を図ることが不可欠であります。こうした観点から、先般公表した「金融機関不良資産問題についての行政上の指針」に沿って、不良資産処理促進を図りつつ、資金の円滑な供給の確保を図ってまいりたいと考えております。  また、金融自由化につきましても、着実に推進してまいる所存であります。  金融制度改革につきましては、金融制度改革法が昨年四月に施行されて一年が経過しました。この間、金融機関及び証券会社子会社方式による相互参入地域金融機関信託業務への参入が進められているほか、諸規制・諸慣行の見直しも着実に実施に移されております。また、預金金利自由化につきましては、昨年六月に定期預金金利が完全自由化され、本年十月には流動性預金金利自由化実施することといたしております。これにより、昭和六十年以来取り組んでまいりました金利自由化が完了することとなります。  証券市場活性化については、今国会に既に提出されております商法改正案における自己株式取得に関する規制緩和対応して、証券取引制度整備を図るため、証券取引法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。また、企業新規公開につきましても、今般、その一層の促進が図られたところであります。今後とも、証券市場証券取引に係る手続簡素化規制緩和等を引き続き推進してまいる所存であります。  次に、平成六年度予算大要について御説明いたします。  平成六年度予算につきましては、去る三月四日、前内閣によって提出され、その大要につき本会議において説明があったところですが、先般の内閣総理大臣所信表明演説にありますように、新内閣としては、これを引き継ぎ責任を持ってその実施に当たる考えであります。  平成六年度予算は、現下のまことに深刻な財政事情と厳しい経済状況にかんがみ、平成五年度第三次補正予算とあわせ可能な限り景気に配慮するよう努めるとともに、財政体質の歯どめなき悪化につながりかねない特例公債発行を抑制するため、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた資金の重点的・効率的配分に努め、質的な充実に配慮することとして編成したものであります。  歳出面につきましては、既存の制度施策について見直しを行うなど、経費節減合理化に努めることとし、一般歳出規模は、四十兆八千五百四十八億円、前年度当初予算に対し二・三%の増加と抑制されたものとなっております。  これに、地方交付税交付金及び国債費のほか、平成四年度の決算上の不足に係る決算調整資金を通じた国債整理基金からの繰り入れ相当額につき、法律の規定に従い、同基金に繰り戻すこととした額等を加えた一般会計予算規模は七十三兆八百十七億円、前年度当初予算に対し一・〇%の増加となっております。  次に、歳入面について申し述べます。  税制につきましては、当面の経済社会状況等を踏まえた政策的要請にこたえるため、所得税減税相続税減税等実施するとともに、土地税制等について適切な対応を図る一方、公益法人等に対する課税適正化租税特別措置整理合理化を進めるほか、酒類に対する税負担適正化その他所要措置を講ずることとし、このための法律改正については、先般、本国会において成立したところであります。  公債につきましては、建設公債十兆五千九十二億円を発行するほか、所得税減税等に伴う税収減に対処するものに限って、特例公債三兆一千三百三十八億円を発行することといたしております。この特例公債については、年内実施が図られる税制改革の中でその償還財源の問題についても適切に対処されるべきものと考えており、歯どめのない財政体質悪化につながりかねない特例公債とは異なるものになり得ると考えております。なお、借換債を含めた公債の総発行予定額は三十六兆五千三百十億円となっております。  財政投融資計画につきましては、景気に配慮するとともに、国民生活の質の向上等各般の政策的諸要請に的確に対応していくとの考え方に立ち、住宅建設中小企業支援地域活性化等分野を中心に重点的・効率的な資金配分を図ったところであります。  この結果、財政投融資計画規模は四十七兆八千五百八十二億円、前年度当初計画に対し四・六%の増加となっております。また、資金運用事業を除いた一般財投規模は三十九兆四千八十二億円、七・七%の増加となっております。  以上、財政金融政策に関する私の所信一端を申し述べました。  なお、既に御審議を経て成立した六件のほか、本国会で御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係法律案は、平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案及びさきに申し上げました証券取引法の一部を改正する法律案の三件であります。  それぞれの内容につきましては、逐次、御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。(拍手
  6. 宮地正介

    宮地委員長 この際、石田大蔵政務次官及び北橋大蔵政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。石田大蔵政務次官
  7. 石田祝稔

    石田(祝)政府委員 先般、図らずも大蔵政務次官を拝命いたしました石田祝稔でございます。  厳しい財政情勢の折から、その職員の重大さを自覚し、委員長初め委員各位の御指導をいただき、誠心誠意職務の遂行に当たる所存でございます。よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手
  8. 宮地正介

  9. 北橋健治

    北橋政府委員 このたび、図らずも大蔵政務次官を拝命いたしました北橋でございます。  ひしひしと職員の重大さを痛感いたしております。とりわけ税制改正は焦眉の急でございますが、政局極めて不安定な中での税制改正、容易ならざる道だと覚悟いたしております。しかしながら、サミットを成功させるためにも、そして、この委員会で合意されております抜本減税の継続を図るためにも、国家的見地からぜひとも成功を期さねばなりません。  その意味で、微力ではございますが、誠心誠意努力をする所存でございますので、委員各位の皆様方の一層の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げる次第であります。ありがとうございました。(拍手
  10. 宮地正介

    宮地委員長 次回は、来る三十一日火曜日午後六時理事会、午後六時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十四分散会