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藤井国務大臣 ただいま
議題となりました
平成六年
分所得税の
特別減税の
実施等のための
公債の
発行の
特例に関する
法律案、
酒税法の一部を
改正する
法律案、
租税特別措置法の一部を
改正する
法律案及び
平成六年
分所得税の
特別減税のための
臨時措置法案、以上四件につきまして、
提案の
理由及びその
内容を御
説明申し上げます。
まず、
平成六年
分所得税の
特別減税の
実施等のための
公債の
発行の
特例に関する
法律案につきまして御
説明申し上げます。
所得税減税の
実施等により、
平成六年度の一般会計予算において見込まれる租税収入の減少については、
公債の
発行により対処せざるを得ないところであります。このため、財政法第四条第一項ただし書きの規定により
発行する
公債のほか、
公債の
発行を行うことができることとする必要があり、本
法律案を
提出した次第であります。
以下、この
法律案の
内容につきまして御
説明申し上げます。
平成六年度の一般会計予算において見込まれる、
平成六年
分所得税の
特別減税の
実施による
所得税の収入の減少、法人特別税の課税対象期間の終了による法人特別税の収入の減少、
相続税の
負担軽減による
相続税の収入の減少及び普通乗用自動車の譲渡等に係る
消費税の
税率の
特例の適用期間の終了による
消費税の収入の減少を補うため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、
特例公債を
発行することができること等としております。
次に、
酒税法の一部を
改正する
法律案につきまして御
説明申し上げます。
政府は、酒類に係る税
負担水準の現状、最近の酒類消費の態様の
変化等を踏まえ、酒類に対する税
負担の適正化を図るとともに、ビールの製造免許に係る最低製造数量基準の
引き下げその他制度の整備合理化を行うこととし、本
法律案を
提出した次第であります。
以下、この
法律案の
内容につきまして御
説明申し上げます。
第一に、酒類に対する税
負担の適正化を図る観点から、酒税の
税率を見直すこととしております。
すなわち、酒税の
税率を各酒類の基準アルコール分で一キロリットル
当たり、ビール等については一万三千六百円、しょうちゅう甲類等については三万五千九百円それぞれ引き上げることを基本に、清酒等の酒類については、原料事情、消費動向等に配慮して、引き上げ幅につき
所要の調整を行うこととし、これにより酒類間の税
負担格差の縮小を図ることとしております。
また、発泡性を有する酒類に係る加算
税率については、これを廃止することとしております。
なお、
税率改正に際し、
税率の引き上げが行われる酒類を酒類の製造場または保税地域以外の場所で、一定数量以上所持する酒類販売業者等に対しては、従来と同様、手持ち品課税を行うこととしております。
第二に、ビールの製造免許に係る最低製造数量基準を二千キロリットルから六十キロリットルに
引き下げ、ビールの小規模生産の道を開くこととしております。
第三に、酒類製造者が自己の製造場間で行う酒類の移入について、すべて戻し入れ控除の対象にする等制度の整備合理化を行うこととしております。
その他、本
法律案においては、清酒製造業等の安定に関する特別
措置法に定めるしょうちゅう乙類業対策基金に充てる資金の全部または一部を、国が日本酒造組合中央会に対して無利子で貸し付けることができるよう
所要の
改正を行うこととしております。
次に、
租税特別措置法の一部を
改正する
法律案につきまして御
説明申し上げます。
政府は、最近における社会
経済情勢等にかんがみ、土地住宅税制について適切な対応を図るとともに、
租税特別措置の整理合理化等を行うほか、課税の適正公平の確保その他
所要の税制上の
措置を講ずることとし、本
法律案を
提出した次第であります。
以下、この
法律案の
内容につきまして御
説明申し上げます。
第一に、
土地税制について、土地の有効利用の促進等を図る観点から、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減
税率の
特例、事業用資産の買いかえの場合の課税の
特例等の拡充等を行うとともに、住宅税制について、住宅取得資金の贈与を受けた場合に贈与税額を五分五乗方式により計算する
特例の拡充等を行うこととしております。
第二に、近年における地価の
水準を踏まえ
相続人の居住や事業の継続に配慮するため
小規模宅地等についての
相続税の課税価格の減額の
特例の拡充等を行うほか、土地の登記に係る
登録免許税の課税標準を減額する
特例の新設等の
措置を講ずることとしております。
第三に、課税の適正公平の確保を推進する等の観点から、交際費課税の
見直し及び使途秘匿金に対する追加課税制度の新設を行うこととしております。
また、企業
関係の
租税特別措置等について特別償却制度等の整理合理化を行う一方、高齢者、障害者が円滑に利用できる特定建築物について割り増し償却を認める等社会
経済情勢に即応して
所要の
措置を講ずることとしております。
その他、清酒に係る酒税の
税率の軽減
措置、国際金融取引におけるいわゆるオフショア勘定において経理された預金等の利子の非課税
措置等
適用期限の到来する特別
措置につきまして、実情に応じその
適用期限を延長する等の
措置を講ずることといたしております。
次に、
平成六年
分所得税の
特別減税のための
臨時措置法案につきまして御
説明申し上げます。
政府としては、当面の経済の低迷を打開するため、一年間限りの
措置として、
平成六年分の
所得税につきまして、三兆八千四百三十億円の
特別減税を
実施することとし、本
法律案を
提出した次第であります。
以下、この
法律案の
内容につきまして、御
説明申し上げます。
この
特別減税は、
平成六年分の
所得税額からその二〇%相当額を控除することにより
実施することとしております。なお、二〇%相当額が二百万円を超える場合には、二百万円を限度としております。
この
特別減税の具体的な
実施方法に関しましては、給与所得者については、本年一月から六月までの間に支払われた給与等に係る源泉徴収税額の二〇%相当額を、原則として同年六月に還付し、同年十二月の年末調整の際に、給与等の年税額の二〇%相当額から同年六月の還付金額を控除した残額を控除することにより
実施することといたしております。
次に、公的年金等受給者については、原則として本年六月及び十二月に半年分の源泉徴収税額の二〇%相当額をそれぞれ還付することとしております。
また、事業所得者等については、
平成六年分の確定申告の際に、
所得税額からその二〇%相当額を控除することにより
実施することとしております。なお、
平成六年分の
所得税に係る予定納税基準額は、
特別減税を加味して計算することといたしております。
以上が、
平成六年
分所得税の
特別減税の
実施等のための
公債の
発行の
特例に関する
法律案、
酒税法の一部を
改正する
法律案、
租税特別措置法の一部を
改正する
法律案及び
平成六年
分所得税の
特別減税のための
臨時措置法案の
提案の
理由及びその
内容であります。
何とぞ、御
審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。