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栗原(博)
委員 先ほど
局長さんから
ゴールドプランの
進捗状況をお聞きしますと、大体
施設に関連するものは七割から八割は実は
目標を
達成しているということでございます。やはり
施設は、建物の経費のほかに、
土地が高いということでなかなか御難儀されていると思うのですが、こういうことについては十二分にやはり、
高齢化社会に向けて大切な
施設でございますので、そういう
土地の買収の
対応等についても円滑にひとつ御
努力されるように申し上げておきたいと思います。
次に、
年金についてお聞きしたいと思うのですが、
鉄道共済年金でございます、一番問題のある点という意味でありますが。大正九年の四月にこの
年金は実はさかのぼるわけでありますが、官吏は恩給により、そしてまた
現業部門は
国鉄共済組合ということで出発しまして、
昭和三十一年七月の
国鉄共済年金で再出発をして今日に至っておるわけであります。
私は、この間、いわゆるさきの戦争の終戦によって引き揚げてまいりました軍人の
方々の
就業対策として、多くの
方々を実は
国鉄が引き受けていると思うのです。農村において、就農で何とか民生安定を図ったと同じように、約六十万人に及ぶ
方々が戦後
国鉄に一時的な職を求めておるわけです。それによって
国鉄もまた、戦後の
復興の手段として
国鉄の全路線フル回転しまして、そして輸送に当たり、戦後の
我が国経済の立て直しに見事な原動力として示してまいったわけであります。あるいはまた、先ほど申したとおり、引揚者を大量に雇ったことによりまして、やはり民生の安定にも資したことが大きいと思うのでありますが、そういうことが
国鉄の
赤字の
一つの大きなステップであったことは否めない事実だと私は思うのであります。
そういう中で、また
国鉄は新幹線の
建設等によりまして、東海道新幹線あるいはまた上越新幹線などの
建設によって
国際復興開発銀行から多額な借り入れをし、その
利子補給というものもまた、
国鉄がその任を負ってまいったということであるわけであります。あるいはまた、組織が余りにも大き過ぎるために、労使間での意思の疎通を図ることがなかなか難しくて、
労働効率が低下して、これまた膨大な
赤字を招いた
一つの原因であり、
国鉄の
民営化によって今日その解決の
めどが立っているわけであります。
鉄道共済年金を受ける人が今約四十五万六千人おられる。そのうち実際御本人で
退職年金でやる方が三十二万人であると伺っておるわけでありますが、じゃそれを支えている今のJRの
現業職員は何人おるかというと、わずか二十万人そこそこである。よく
年金の
成熟度というのを問われますが、
鉄道共済年金全体では
年金の
成熟度が二三〇%を超している、あるいはまた
退職年金のみでも一七〇%を実は超しているという
数字があるわけでありまして、他の
年金に比べて大変な突出をした
状態に陥っております。
御承知のとおり、そのために
鉄道共済年金は
制度間調整によって当面の難局を脱しているというふうに伺っておるわけでありますが、
昭和五十八年十一月、
統合法ですか、なかなか名称が長ったらしいのでありますが、
国家公務員及び
公共企業体職員に係る
共済組合制度の
統合等を図るための
国家公務員共済組合法等の一部を
改正する
法律、なかなか長ったらしい
法律をつくりまして、五十九年から
鉄道共済の
年金支給額を抑制し、そのほか
年金の
不足分を、例えば
国家公務員とかNTTあるいは
たばこ産業から
総額約四百五十億近い金を補って何とかその救済をしてまいったと伺っております。
昭和六十二年の
民営化実現後、そして
平成元年、
被用者年金制度間の
調整法あるいはまた
鉄道共済の
自助努力等を含む
国共法改正、そして
平成五年三月の
制度間調整法改正などを見まして、こうして今日に至っているのであります。
要するに、約四十六万人の
国鉄共済年金の
受給者は、本来
受給を受けるべき額をほかの
年金に比較して少なく実は受けておるわけであります。
元年の
国共法改正法の附則第五条の
規定では、
平成元年四月分から
平成六年九月分までは
平均標準報酬月額の
改定率を適用しない、すなわち三・六%の再評価を繰り延べするという
規定をしたわけであります。
これを単純に、これは単純ではありますから、
数字的におさまるのかわかりませんが、これを単純に私、
計算してみますと、
年金給付の
自助努力分として二百七十億前後を実は出しておるわけでありますが、これを
受給者四十六万人で割りますと、一年間に約五万九千円の
数字が出ます。ですから、
総額で、五年間で約三十二万円を実は損失をこうむっているということ、
単純計算でありますが。これをさらに今年度の再
計算で、また
平成十一年の九月まで実は延ばすということでありますから、これもまた、
単純計算しても三十万近くなる。そして、
昭和五十九年の
制度間調整で、当初、実は約五年間を
めどに一〇%の
スライド停止があったわけでありますから、こういうものを全部含めますと、一人
平均九十万近く、本来受けるべき
年金額を受けていないという
数字が出るのではなかろうかと、単純な
計算ですが、実は私は見ております。
そういうことで、こういう
鉄道共済年金の置かれている実態を御当局はどのように分析し、そして今後どのような
対応を図っていかれるかということをひとつお聞きしたいと思うのであります。