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栗原(博)
委員 私、余り頭がよくないので今の
答弁ではわからないのですが、要するに、このように過重積載、今までダンプカーが実は十トンのところを十二、三トン積んでいたと思うのですよ。これが減ってまいりますと、やはり車が一日に走る回数が多くなってくる。大変油代も高くなっておりますし、ぜひひとつ、この一番末端のダンプ業者等について適切な利益配分がなされるように、問題は、文句を言っているのは金についてですから、その配分をなされるように指導をしていただきたいと思うのであります。
せっかくでありますので、きょう私は朝四時に新潟の自宅を出まして、二時間かかって、朝日村という山形県と新潟県の県境なのですが、その高根の部落に参りました。そこに参りましたら、木材のチップでございまして、今チップ材が安くなりまして、国内チップは採算に合わないのです。しかし、合わないけれ
ども、万が一ということで、製紙業者は二割ぐらいは国内産のチップを使っているのですね。使っていますが、距離が遠いと要するに採算が合わぬと。今、チップは新潟の港にもう製紙になって来るチップの値段と、例えば高根というところがあるのですが、そこの部落で現場から丸太を切った値段が同じなのですね。ところが、丸太を切ったのをカットして、地元でチップにして新潟に持っていくと、もうべらぼうに値段が高くなるということで、一万円ぐらいの差があるということなのです。
ですから、彼らが、今厳しくなりましたものですから、やはり遠いところのチップは新潟まで持ってくるともう合わない。距離が七十キロぐらいまでのところだったら何とか採算が合う。それも夜運ばなければならない、夜の十一時ごろ。私は、朝四時に出て六時ごろ着く。普通二時間で行けるのですよ、朝走らせますからね。だから、
建設業者の方々が夜中に高根から新潟に毎日通っておる。その
人たちは、積載が厳しいというか、まあ飯を食うためだからいたし方ない。夜中十一時ごろ行って、二時か三時に製紙工場の前で待って、朝げ八時ごろまで待っている。それで帰ってくるのですね。大変厳しい労働条件に置かれておる。それでもまだ新潟は近いからいいけれ
ども、小国町とかあるいは山形の鶴岡へ行くともう採算がいませんから、みんなチップ工場も閉鎖しているわけですよ。
こういうとき、今こういう過積載の中でほんのわずかでもオーバーしますと、荷主、そしてまた
事業主、
運転手というものが、高根の遠山孝一さんという方なのですが、三十人使っている、飯が食べられないといって、今ほかに転業するということで困惑して、私はきょう朝呼ばれて行ったわけであります。こういう状況があることをひとつ御理解いただきたいと思うのであります。
それで、質問しても皆さん別に明確な回答は恐らく来ないと思いますので、現状だけひとつ
お話しさせていただきます。
五月十日より
道路交通法が改正され、過積載が
強化されました。当社としても安全運行を
考えますと当然の事と思います。むしろ荷主への罰則をより
強化し、たとえ荷主が、関知せず不法な過積載が行われたときは、その荷主の代表責任者をより強く罰しなければなりません。こういうことを運送業者から、実は私がきょう質問すると言いましたら、選挙区からファクスが百十枚来ました。その中から私、今ちょっと
参考になるものを申し上げるのです。
例えばダンプのことにつきましては、
車長が短いので、実質的には、大型車で、九千二百五十キロ程度の積載重量しか取れません。したがって、取締りに検挙される車両の大半が、ダンプです。先般近辺で
警察の取り締まりの時、多くのダンプが仕事をできず、山の採土場で待機しておりました。
こういうことで、収入が落ちまして、一日何回も走らなければならないということで、奥さんも心配しているような業者もおるわけであります。
あるいはまた、たくさん来ておるものですから、例えば、余り
強化され過ぎて、荷主と切符との、切符というのは交通切符だと思うのですが、切符との板挟みで倒産しそうです、こういうことで切実にいろいろ書いておる方もおられます。
これはコンクリの製造の会社でございますが、従来三十トントレーラーで十五・八六トンの製品を二本積んで運行しておりました。このとき過積載率はわずか五%でした。これが、やはり
対象となるということで、これを二度に分けて走らせますと、従来より人件費が五五%から六五%に上昇してしまう。それによって売上高の運賃比率が一五から二〇%まで上昇して経営を圧迫している。そして、昼夜の
運転労働で勤務条件が厳しくなりまして、
交通事故が逆に多発する。要するに、運行回数をふやすために多発するというような訴えもあるわけであります。
大変たくさんございますので申し述べることはできませんが、ただ私がお願いしたいことは、運送業というのは常にやはり底辺の方が多いと思うのですよ。やはり値段が安くなれば一番そこにしわ寄せが来る。確かに大きな
事故があったということでありまして、取り締まりをするのは当然です。
国民の生命財産を守るのは当然でありますが、しかしながら、それ以前の問題として、各省庁で、例えば先ほど
総務庁の方の
お話もありました、あるいは
運輸大臣の方からも漠然とした御回答がありましたけれ
ども、やはり
国民の一部の不利益を伴う以上は、それに対して対応をちゃんとしていただきたかった。
しかし、まだ遅くありません。我が国は産業が空洞化しております。空洞化しておりますゆえに、今後、なおさらこういう重量物を運ぶような一番底辺の方々を持ち上げるというのが、私は連立政権の一番の課題だと思うのでありまして、我々自由民主党も大いにその点は応援するはずでありますから、どうかひとつ御対応いただきますようにお願いします。
最後に、ひとつ
運輸大臣から御所見をいただきまして終わりこします。