運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1994-06-20 第129回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成六年六月二十日(月曜日)     午後三時五十分開議  出席委員   委員長 鳥居 一雄君    理事 金子 一義君 理事 野田  実君    理事 萩山 教嚴君 理事 藤井 孝男君    理事 遠藤 利明君 理事 白沢 三郎君    理事 石井  智君 理事 遠藤 和良君       赤城 徳彦君    栗原 博久君       古賀  誠君    佐藤 剛男君       斎藤 文昭君    桜井  新君       塩谷  立君    七条  明君       田中 直紀君    古屋 圭司君       松下 忠洋君    安倍 基雄君       青木 宏之君    木村 守男君       杉山 憲夫君    西川太一郎君       広野ただし君    松沢 成文君       宮本 一三君    山本 幸三君       渡辺浩一郎君    今村  修君       川島  實君    堀込 征雄君       松本  龍君    石井 啓一君       玄葉光一郎君    中島 武敏君  出席国務大臣         建 設 大 臣 森本 晃司君  出席政府委員         国土庁長官官房         長       藤原 和人君         建設大臣官房長 伴   襄君         建設省建設経済         局長      小野 邦久君         建設省都市局長 黒川  弘君         建設省道路局長 藤川 寛之君         建設省住宅局長 三井 康壽君  委員外出席者         参議院建設委員         長       前田 勲男君         総務庁行政管理         局管理官    高橋  薫君         厚生省健康政策         局指導課長   小島比登志君         厚生省生活衛生         局水道環境部水         道整備課長   浜田 康敬君         資源エネルギー         庁公益事業部業         務課長     市川 祐三君         運輸省運輸政策         局消費者行政課         長       淡路  均君         運輸省鉄道局技         術企画課長   小杉 昭夫君         労働省職業安定         局高齢障害者         対策部障害者雇         用対策課長   太田 俊明君         建設委員会調査         室長      杉本 康人君     ————————————— 委員の異動 六月二十日  辞任         補欠選任   佐藤 剛男君     七条  明君   桜井  新君     栗原 博久君   塩谷  立君     古屋 圭司君   野呂田芳成君     松下 忠洋君   山本 有二君     赤城 徳彦君   木村 守男君     青木 宏之君   杉山 憲夫君     西川太一郎君   山本 幸三君     宮本 一三君 同日  辞任         補欠選任   赤城 徳彦君     山本 有二君   栗原 博久君     桜井  新君   七条  明君     佐藤 剛男君   古屋 圭司君     塩谷  立君   松下 忠洋君     野呂田芳成君   青木 宏之君     木村 守男君   西川太一郎君     杉山 憲夫君   宮本 一三君     松沢 成文君 同日  辞任         補欠選任   松沢 成文君     山本 幸三君     ————————————— 六月二十日  水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律  案(建設委員長提出参法第三号)(予) 同日  水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律  案(参議院提出参法第三号) 同日  建設省公共事業関係職員大幅増員に関する  請願川島實紹介)(第三二五九号)  公営住宅入居基準改善に関する請願中島武  敏君紹介)(第三二六〇号)  同(古堅実吉紹介)(第三三二三号)  真に国民のための公共事業推進に関する請願  (錦織淳紹介)(第三四二四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律  案(参議院提出参法第三号)  高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定  建築物建築促進に関する法律案内閣提出  第三三号)(参議院送付)  建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出  第七二号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 鳥居一雄

    鳥居委員長 これより会議を開きます。  本日付託になりました参議院提出水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。参議院建設委員長前田勲男君。     —————————————  水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾掲載〕     —————————————
  3. 前田勲男

    前田参議院議員 ただいま議題となりました水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。  水源地域対策特別措置法は、ダムまたは湖沼水位調節施設建設によりその基礎条件が著しく変化する地域について、生活環境産業基盤等整備し、あわせて湖沼水質を保全するため、水源地域整備計画を策定し、その実施を推進する等特別の措置を講ずることにより関係住民生活の安定と福祉の向上を図り、もってダムまたは湖沼水位調節施設建設促進し、水資源の開発と国土の保全に寄与することを目的として、昭和四十八年に制定されました。  これにより、水源地域整備計画に基づく各種整備事業が実施され、水源地域の計画的かつ集中的な整備が図られてまいりましたが、近年、水源地域を取り巻く社会経済状況が大きく変化しており、ダム貯水池水質汚濁を事前に防止するための対策及び水源地域活性化対策が強く求められております。  このような状況にかんがみ、このたび、法の目的改正整備事業拡充固定資産税の不均一課税に伴う措置新設及び水源地域活性化のための措置新設内容とする本法律案提案することとした次第であります。  次に、本法律案内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、目的改正についてであります。水源地域対策特別措置法目的に、ダム貯水池水質汚濁を防止することを加えることとしております。  第二は、整備事業拡充についてであります。指定ダムに係る整備事業として、ダム貯水池水質汚濁を防止するため必要と認められる事業を加えることとしております。  第三は、固定資産税の不均一課税に伴う措置新設についてであります。地方公共団体が、水源地域内において水源地域活性化に資する一定の事業の用に供する設備を新設し、または増設をした者について、その事業に係る償却資産またはその事業に係る家屋もしくはその敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一課税をした場合は、三カ年間、その減収額について地方交付税により補てんすることとしております。  第四は、水源地域活性化のための措置新設についてであります。国及び地方公共団体は、水源地域対策特別措置法に特別の定めのあるもののほか、水源地域活性化に資するため必要な措置を講ずるよう努めなければならないことといたしております。  以上が、この法律案提案する理由及び内容であります。  何とぞ、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
  4. 鳥居一雄

    鳥居委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  5. 鳥居一雄

    鳥居委員長 本案につきましては、質疑及び討論とも申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  水源地域対策特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  6. 鳥居一雄

    鳥居委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 鳥居一雄

    鳥居委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  8. 鳥居一雄

    鳥居委員長 次に、内閣提出参議院送付高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律案及び建築基準法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。萩山教厳君
  9. 萩山教嚴

    萩山委員 ただいま建設委員長から御提案がありました二法案について質問をするわけでありますが、第一に、高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律案について御質問したいと思います。  我が国高齢化は、西欧諸国に例を見ないスピードで進展をするものと予測されております。国連の資料などによりますと、六十五歳以上の人口が全国民の七%に到達してから一四%になるまでの期間を見ても、イギリスの場合や旧西ドイツが四十五年かかり、アメリカは七十年と見込まれております。我が国は二十五年で到達されるとされております。二〇二〇年には、我が国は六十五歳以上の高齢者が四人に一人、二五%となるのに対し、私の選出されております富山県においても、高齢者全国有数のものであろうと今から言われておるわけでありますが、イギリスアメリカが一八%、旧西ドイツが二二%と見込まれております。これから猛スピード高齢化が進展し、本格的な高齢社会を迎えることになるわけであります。  私は、国民が長生きできるということは大変結構なことであると考えております。だれもが平和の下で、健康で豊かな楽しい人生を送ることができるようにすることが、政治の大切な使命の一つであると考えております。  高齢者は、年とともに全身的な機能の低下が起こってくるわけであります。私に対してもそれが言えるわけでありますが、高齢者の三、四割が日常の歩行に何らかの不安や支障を抱えておるわけであります。階段の昇降に至っては、約五割の人が普通に昇降できないという調査の結果もあるわけであります。人生八十年時代、だれもが健康で豊かな楽しい生活を送ることができるように、人々の生活の場であり、いろいろな活動の場である建築物がきちんと措置されているということが大事だと考えるのは、私だけではないと思うのであります。  また、国としての活力を維持するためにも、元気に生活できる間は、高齢者障害者皆さんが自立して人の世話にならずに生活し、専門的な知識や、高齢者であればその豊かな経験を生かして、いろいろな形で能力や創造性を生かしつつ社会経済活動参加していただくということが重要であると考えておるわけであります。  そこでお聞きいたしますが、こういうためには、建築物高齢者障害者方々利用しやすいようになっていなくてはいけないと考えるのであります。現状ではどの程度建築物でそのような措置がなされるようになってきているか。また、措置状況が低いとしたら、その主なる理由は何なのか、住宅局長、御答弁願いたいと存じます。
  10. 三井康壽

    三井康壽政府委員 今回の法律案でお願いをしておりますのは、非住宅系で、しかも不特定多数の方々が御利用される建築物につきまして、高齢者障害者用仕様建物をふやしていこう、こういうことでございますが、二年ぐらい前からこの法案等につきまして準備、検討いたしまして、そのときに調べましたデータで申し上げますと、これは平成四年度に建てました建築物で見ますと、サンプリング調査を約三千件いたしたわけでございます。例えば、歩道からの出入り口アプローチ段差があるとか、そういったものが約二割ぐらいございました。それから、障害者の方がお使いになるトイレなどができていないものも六割くらい。そういった意味では、現状は極めて不便な思いをしていただいている、こういうことでございます。  今回御提案申し上げます法案によりまして基礎的基準最低基準を満たすもの、それから推定いたしますと、新しく建っているものでも三割から四割程度しか最低基準が満たされていない。二十一世紀の本当に好ましいような、だれからも非難されないような、批判されないような、そういった誘導的基準というものを考えますと、現在、全体の建物ではほとんど一%もない、こういった現状ではないかと思います。  その原因でございますけれども、これも同じ時期に調査をいたしましたアンケート調査で、何で高齢者障害者仕様建物が少ないかというのを調査いたしましたところ、設計者自身が余りこういうことを想定をしていなかったというのが一番多かったわけでございます。二番目に多かったのが、建て主さんも余りそういう御意向を持っておられなかった、これが約三割というふうな状況でございまして、第一には、設計者あるいは建築主自体のそういった御理解がまだまだ不十分である、また、一般の方々も必ずしもそれで不便だというふうに余り強くおっしゃっておらないような実態もあるのかな、これが第一でございます。  それからもう一つは、経済的な理由でございますけれども、かなりの費用がかさむ。いい建物を建てようとすればするほど費用がかさむ。  それから三番目は、これも同じ経済的な理由の中に入るわけでございますけれども、例えば廊下の幅を広くするとかトイレの広さを広くしていく、階段の勾配を緩やかにしていきますと、本当に使いたいと思っておられる売り場面積ですとかあるいは事務の部分をどうしても少なくせざるを得ない。その辺で、利用を考えるとどうもそこまで手が回らない、こういったことが原因であるのではないかと考えているところでございます。
  11. 萩山教嚴

    萩山委員 今聞いた状況では、このままほっておけないという深刻な事態になっていると私は思うのです。ですから、道路の場合でも国道、県道、市道でもそうですが、高齢者あるいは身体障害者のために道路の交差点がすべて工夫されて、改良されてまいりました。建築も遅まきながらと申しますか、こういったものが憂慮されるところであります。  そういうことで、一九八一年、昭和五十六年を国際障害者年といたしております。昭和五十八年からおととしまでの十年を国連障害者の十年と定めております。全世界で障害者完全参加と平等の趣旨をより具体化するよう提唱しているわけでありますが、我が国では、昭和六十一年度に長寿社会対策大綱を、そしてまた昨年は、障害者対策に関する新長期計画が策定されました。また、国会の方でも、議員立法障害者基本法を制定したわけであります。すべての人の参加のできる社会づくりのためには、社会全体でいろいろな政策が積極的に進められるべきであります。そのとおりだと思います。  このような法案は、建築主がどうすればよいのかわかるような基準を定め、建築主に対して指導助言をしたり、認定をしていろいろな支援を行って、これによって高齢者障害者皆さんが気軽に買い物に行ったり、先ほど道路の問題を言いましたが、まさにそのとおりであります。町に出てこられるような使いやすい建築物にしていくということですので、適切な法案と評価しているわけであります。しかし、まだこういった必要性については国民の中には意識が低いわけでありますから、判断基準支援措置について大いにPRをしなければなりません。啓発に努めてもらいたいと要請しておきたいと思います。  ところで、私たち生活の多くの時間を過ごすのは、住宅であります。高齢者障害者方々が自立していくためには、住宅における対策ということも大変重要と考えますが、住宅は今回の法律の対象となっておりません。このことも含めて私は大臣質問いたしたいわけでありますが、住宅における高齢者障害者方々に対する措置促進建設省はこれからどのように携わっていかれようといたしておるのか、大臣に御答弁を願いたいと存じます。
  12. 森本晃司

    森本国務大臣 高齢化社会が急速に進んでいる中にありまして、先ほど先生からお話しいただきました、そういった高齢化対応できる建物をつくる必要がある、あるいはまた障害者皆さんも平等に社会参画できるための、そういった建物あるいは道路等々の必要がある、先ほどの先生の御意見のとおりでございます。そうしなければならない。今回の法律は、そういったことを少しでも促進していかなければならないという点でつくられた法律でございまして、先般私も、新宿にできましたハイジアという建物の、そういったことを十分に考えた建物を見学してまいりました。もっともっとより多く進めていかなければならないと思います。  同時に、先生が今お尋ねいただきました、私たち生活する住宅は一体どうなっているのかという点でございます。私も、むしろこれからその問題に取り組んでいかなければならないのではないかというふうに認識しているところでございますが、それについては、極めて重要だと思って、これからも取り組ましていただきたいと思います。  まず、高齢者障害者に配慮した住宅建設促進するため、これまでの状況を申し上げますと、一つは、新設公営公団住宅については、平成三年度以降累次にわたりまして、住棟アプローチスロープ化など共用部分のほか、住戸内についても高齢化対応仕様標準化を推進してまいりました。  二つ目は、民間住宅については、敷居等段差の解消、廊下階段等への手すりの設置等さまざまな工事に対して住宅金融公庫融資割り増し貸し付けを実施することにより 居住者のニーズに対応したバリアフリー化誘導を行ってきました。  三つ目に、また、障害者に対しましては、車いす利用等、実情に応じた特別な仕様公営住宅建設に対して補助金を特例的に増額して助成を行う等のきめ細かな対応を実施してまいりましたし、これからもそういったことを展開していく必要があると思います。  今後とも、公共住宅バリアフリー化を進めていくほか、民間住宅についても融資制度の積極的な拡充を図るなど、高齢化社会対応した住宅政策の一層の充実に努めてまいります。
  13. 萩山教嚴

    萩山委員 大臣から大変御理解ある御答弁をいただきました。住宅についての対策について、今後とも積極的に住宅資金を融資するなりして努めていただきたいと思うわけであります。  次に、住宅局長にお伺いします。  高齢者障害者皆さんのための対策については、皆さんひとしく年をとるわけでありますから、また障害を有するようになる可能性だってあるわけでありますから、私は、社会全体が連帯責任を持っていくということが大変大切なことだろうと思うわけであります。したがって、その対策に必要な資金は、社会全体で負担するということではないかと考えております。また、そのとおりだと思います。そういう社会こそ、包容力のある社会、豊かな社会ということではないでしょうか。  今回の新法案では、建設大臣の定める基準に従って、都道府県知事政令指定都市の市長が建築主に対して指導したり、大きなものには指示をするといった、いわゆる指導行政を行ったり、優良な建築物に対しては認定をして、いろいろな支援をするとなっておるわけであります。  二十一世紀の本格的な高齢化社会に向けて、社会的に望まれる高いレベルで高齢者障害者が使いやすい建築物とするためには、いろいろな工夫が必要だと思います。そういうことで、事業者にすべてを負担させるのも、国や地方公共団体が丸抱えで全部見るというのも、どちらも問題があろうと思います。社会全体でバランスよく分担することが望ましい姿ではなかろうかと思うわけであります。  そこでお聞きいたしますが、建設大臣の定める基準としては、基礎的基準、それから誘発と申しますか、誘導的な基準を定めることと聞いていますが、社会的に望ましい誘導的基準に適合させるためにはどのくらいの費用増となるのか、また、その費用増に対してどの程度国地方公共団体といった公の側が支援をするのか、具体的にお話を承りたいと思います。
  14. 三井康壽

    三井康壽政府委員 ただいま、誘導的基準で建て主の方がお建てになった場合にどの程度費用増があり、それに対してどういうふうに公的に援助をするのか、こういう御質問でございますが、誘導的基準法律ができましてからつくらしていただくのでございますが、簡単に今考えておるポイントだけ申し上げますと、廊下の幅を、車いすで移動できるといいますか、そういうふうな幅にしていただくとか、あらゆる出入り口車いすで出入りできるとか、あるいはトイレも、用途や規模によりまして複数以上車いす用トイレ、そういったことを念頭に置いているわけでございますが、そういたしますと、基礎的基準より相当お金がかかるわけでございます。  一般的に申し上げますと、これは建物の種類とか規模によって相当違うんですけれども、新築の場合ですと、新たにこの基準でおつくりになりますと、工事費の一%から五%ぐらい費用がかかる、平均して三%ぐらいかかるというふうに計算をしているわけでございます。  例えば七千平米くらいの建物、具体的にちょっと申し上げるのはいかがかと思うんですけれども、わかりやすく申し上げますと、例えば和光の建物ございますね、あれが大体七千平米でございます。そういうイメージにして申し上げますと、通常のRCの平均単価を掛けますと大体十六億ぐらい、一般的な建築ですとそのぐらいかかります。そのうち、今回の誘導的基準でもしお建ていただきますと、費用増は約五千万円でございます。そのくらいかかるわけでございますので、これをすべて自己負担ということではなかなか整備が進まないだろう、こういうことから、特に誘導的基準、好ましい、二十一世紀に向けてつくっていただく場合にはこの約半分くらいを国、公共団体補助あるいは税制の支援あるいは低利融資、これで支援をしようというのが、基本的な考え方でございます。
  15. 萩山教嚴

    萩山委員 今回の新法案では幾つかの規制緩和が盛り込まれております。また、優良な建築物認定、その費用増に対する支援措置、今言われたとおりでありますが、誘導的な方法にウエートが置かれているように感じているわけであります。規制したらどうかという考えもあるかもしれませんが、その規制社会の激変をもたらすようなものであれば、やはり弊害が生じてくることもあるわけでありまして、余りよい方法とは言われません。  本法案の場合でも、それを強烈な規制新築に義務づけたりしたら、小さな敷地に建てざるを得ないような建築物は建てられなかったり、建てかえもできないということになりかねないわけでありますから、長い目で見て少しずつ着実に改善していくことが肝要かと私は思うわけであります。その改善の進みぐあいを見ながら、それぞれの建築主に無理なくできる範囲の措置を徹底していくようにしていくことが、私は重大なことだと存じます。  そこでお尋ねしますが、今回の新法は二〇二〇年ごろを見通して建築物への措置促進しようというものでなくてはならないと考えます。建設省ではいつごろを目標に、基礎的基準に適合するような建築物をどのくらいふやそうと考えておられるのか、具体的にあればお聞かせ願いたいと思います。
  16. 三井康壽

    三井康壽政府委員 私どもも、二十一世紀に向けて、今回の法案によって、建築ストック高齢者障害者仕様にしようという目標を立てて進めさせていただきたいと考えているわけでございますが、現状は、先ほど申し上げましたように非常に寂しい状況でございまして、これを、いかに二十一世紀の前半までにそのストックをふやしていくかというのが最大の課題でございます。  したがいまして、現状では正確な推計というのは難しゅうございまして、我々の期待値を込めましてこういうふうにしたいなということを申し上げたいわけでございますが、二千平米以上の建物につきまして、かなり大規模建築でございますが、これは公共団体によりましてなるべくその基礎的基準をクリアしていただくように指導をさしていただきたい、指示権というのがございますので、指導をさしていただきたいというふうに考えておりますし、小さな建物につきましては、二千平米以下のものにつきましては、半分ぐらい基礎的基準をクリアしていただきたいな、こういうふうに考えまして、計算をいたしますと、毎年毎年新たに建てるものの、棟数で約半分ぐらい、面積では八割ぐらいを基礎的基準でクリアしていっていただきたい。  それから、二〇二〇年ごろでございます。これは先生おっしゃられましたように、我々の目標としている一つの年次でございます、六十五歳以上が四分の一になる。そのころまでにストックとしまして、棟数で四割程度、床面積で六割程度基礎的基準を満たしていただくことを期待して政策を進めていきたいという考えを持っておるわけでございます。
  17. 萩山教嚴

    萩山委員 このような事業を施行し、着実に進めていくということは大事なことでありますけれども、建築物の場合は、一たんでき上がると数十年間は使えるわけであります。既存の建築物ストックが膨大にあるわけでありますが、この法案においても既存の建築物が対象となっていないのは、やはり既にでき上がっているからでありましょうか。あるいは建築物を改造することは大変なことで無理な注文ということかと私は思います。  しかしながら、とにかく既存の建築物がたくさんあって、毎日毎日そこに人々が買い物をしたりお茶を飲んだり食事をしたり、映画や劇を見たりしているわけでありますが、今でも六十五歳以上の方が千七百万人弱、身体障害者の方も三百万人弱おられるわけであります。なるべく既存建築物でも措置がなされていけばよいと考えるのは私だけではないと思うわけでありますけれども、建設省当局もそのようなお考えであろうと私は思うわけであります。  そこでお尋ねいたします、住宅局長。既存建築物についてもこの法案でエレベーターの特例などを設けているが、高齢者障害者皆さん利用しやすい建築物を少しでも多くするためには既存の建築物も改築の対象、あるいは融資の対象、そういった恩恵を与えることはできないものかどうか、お考えをお尋ねいたしたいと思います。
  18. 三井康壽

    三井康壽政府委員 御指摘のとおり、既存建築物対策というのは非常に大事なわけでございますが、既に建てられているものが、廊下の幅が非常に狭かったり、階段の幅が狭くて、あるいは勾配が急なものを、これを改築してほしいというのは、なかなか義務として、努力義務であったとしてもなかなかお願いするのは難しかろう、こういうことから、認定建築物の対象とするとか、そういうのはやはり避けざるを得なかったわけでございます。  しかし、この法案の中にも、既存建築物につきましては、仮に二階ぐらいのスーパーなどで、障害者方々が簡易なエレベーターを使えば二階で買い物できるという場合には、その簡易なエレベーターの設置が、規制を緩和しましてできるようにしておりましたり、あるいは開銀融資等によりまして、既設のものにつきましても融資ができるような制度は一応あることはあるわけでございます。  しかし、本来的には新築を今回は努力義務の対象としておりますので、今後、いずれにせよ、こういったものにつきましては施策の拡充を図るという方向で考えていかざるを得ないと思っておりますが、今回は、とりあえずは、既存建築物はやや新築よりも努力義務の対象としては軽くしているわけでございます。
  19. 萩山教嚴

    萩山委員 新しい法律でありますから、これから施行してみなければ、どうなるかなかなか目途が立たないと思います。  旧のビルでも一部屋をぶち抜かないとエレベーターを設置することはできなかった。あるいはまた、私は特別老人ホームを経営いたしておりますけれども、これはやはり二階建てでも油圧でエレベーターをつけております。これはお年寄りでも、乳母車を引きながらでも、乳母車というのは自分がもたれて押されているわけですね、それで押せばエレベーターがゆっくりスローテンポで上がっていきます。こういうことが特別養護老人ホームにも先取りをいたしておるわけでありますから、やはり民間あるいは公営のマンション、アパート等にもこのような心配りがあってもしかるべきではなかろうかなという思いがいたします。  大臣におかれましても、この件についてはさらなる検討をし、そしてまた促進方をお願い申し上げておきたいと存じます。  二点目に入ります。建築基準法の一部を改正する法案についてお尋ねいたします。  建築基準法の一部を改正する法案が本委員会に出てきたわけでありますが、国民我が国の経済力にふさわしい豊かさを実感できるように、住の生活を充実していくことは、これはまた国民の切なる声と言わなければなりません。この切実なる声にこたえて、良質な住宅ストックを形成し、居住水準を向上させていく上でも、さらに、近年においては居住形態の多様化を実現するためにも、住宅にゆとりを持たせていくことこそが極めて肝要であろうと思うわけであります。  しかしながら、住宅事情の現実を見ますと、都市部においては、高い地価を反映して住宅の供給コストが非常に高くなっております。相変わらず床面積をふやすことはなかなか進展しないというのが現実ではないでしょうか。一方、自由時間の増大を今後も進めていくとなれば、読書や音楽など住まいの中で生活を豊かなものにしたいという要請に応じられる空間を実現しなければならないし、強く求められているものと思うわけであります。現実の住宅事情は、このような多様なニーズに十分こたえられていない状況にあると言えます。  したがいまして、限られた土地を有効に利用するという観点は、極めて重要なわけであります。今回の法案は、その点において大変時宜を得たものと理解しているところでありますが、また、住宅における地下室の利用は、我が国都市部において、ゆとりある住生活の実現を図るためのニューフロンティアであると考えていいかと存じます。  さて、そこで質問させていただきます。  まず、今回の改正について、住宅の容積率制限がどのように緩和されるものであるかを、敷地面積や容積率の具体例をもって国民にわかりやすく説明をしていただきたいと思うわけであります。また、今回の改正は、基本的には都市部の住宅にとって大きな福音になると思いますが、どのような場合に地下室利用が進むと考えているのか、お答えいただきたいと思います。住宅局長、お願いいたします。
  20. 三井康壽

    三井康壽政府委員 今回の基準法の改正で、住宅の地下室につきましての容積の不算入は、規定上は、建築物の全体の床面積の三分の一を限度とし、こう書いているわけでございますが、ちょっとわかりにくいので、具体的な数字で申し上げます。例えば敷地面積が百二十平米、容積率が一〇〇%といたしますと、百二十平米まで建物が建てられるわけでございますが、今回の改正によりまして、六十平米まで地下室の住宅が建てられる。六十と百二十を合わせますと百八十でございまして、百八十の三分の一が六十、そういった計算で三分の一という規定になっておるわけでございます。したがいまして、従来例えば木造の総二階で建てておりましたのを、上に建てると環境問題が出ますけれども、三階部分が地下で建てられる、こういうふうに御理解いただければわかりやすいのではないかと思います。  ただ、二つ目の、どういうところで建つのだろうかということでございますけれども、従来から現在の容積率のまま建っております地下室も、大体戸建て住宅が多いわけでございます。しかも、地価の高い大都市地域でございます。したがいまして、今回の改正によりましても、地価が高い大都市地域におきまして、一種住専、第一種住居専用地域でございますけれども、高さ制限が十メートルとか十二メートル、そういうところにおきまして御利用される度合いが非常に高まるというふうに考えております。  そして、具体的にはどういうふうにお使いになるかというふうなことでございますけれども、物置とか書庫など収納スペースでございますとか、あるいはピアノ室、ホビールーム等の娯楽室等々が、考えられる利用の形態ではないかというふうに考えているわけでございます。
  21. 萩山教嚴

    萩山委員 住宅局長の出番が多くて、大臣にも御答弁願わなければならぬと思いますが、今答弁がありましたように、今後さらに住宅における地下利用には弾みがっくものと考えられるわけであります。当然に本案の成立をまって地下室を含む住宅建築に着手したいと考えている建築主が多いのではなかろうかと推察されるわけであります。  そこで大臣質問させていただきますが、現在、我が国の経済は終戦最長の不況にあえいでおります。有効な景気対策を速やかに講じることが必要であります。これは当然のことであります。今回の改正は、景気対策としても一定の効果を有するものと考えられますが、どのくらいの経済効果があると見込んでおられるのか、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  22. 森本晃司

    森本国務大臣 今回の法改正で地下室をつくる人がふえてくると思います。それで、想定されるところは、やはり地価水準の高い大都市になってくるのではないか。大都市の中でも一種住専地域がそういうことになってくると考えられます。  これは確かな数字は言えませんが、我が方でいろいろとそういった角度から検討いたしまして、試算を行ってみました。現在の容積率を限度いっぱいまで活用して、なお居住水準を高めたいために地下室をつくりたいというのを想定いたしますと、年間約六千戸ぐらいではないだろうか。それで、一戸当たり一千五百万円、このように計算いたしますと、約九百億円程度が期待されるのではないかと試算をしているところでございます。
  23. 萩山教嚴

    萩山委員 次に質問を移したいと思います。  国民の住生活を豊かにする、また経済効果も大きいということでありまして、私は本案を評価しております。この本案を評価しておりますが、ただし、これまでの規制のあり方を変えていくわけですから、これに伴いますマイナス面というものも、影響があると思うのであります。これを担保することは極めて重要なことであります、マイナス面に対しての担保。我が国住宅においては、これまで地下室について、概して暗いイメージしかないわけでありますが、この点について、地下室をつくった場合は、そこが実際に豊かな住空間となるのかどうか、また、衛生上の問題が生じないかどうか、いろいろな面が出てくると思います、空気の流通もあわせて。  このことについて、住宅局長、詳しく御答弁を願いたいと思います。
  24. 三井康壽

    三井康壽政府委員 地下室につきましては、日照がとれないとか採光がとれないとか、あるいは湿度が大変高いとか、こういった問題がございまして、従来から住宅の居室として利用するのは、原則として禁止というふうになっているわけでございます。これは、現在の建築基準法三十条で書いてございます。  ただ、原則禁止でございますけれども、採光の問題、あるいは防湿の問題をクリアいたしますれば、例えば前面に空堀を設けまして、採光がとれる、あるいは除湿の効果がある、あるいは、場合によりましては高度の防湿の機械とか空調とか、そういった設備をきちんと整えれば、原則禁止の例外という形で使えるというふうになっているわけでございます。この大原則は、今回の改正によりましても変えません。したがいまして、基本的には、衛生上の問題がきちっとしていなければ地下室もお使いいただけない。ただ、居室以外のものでございますので、収納とかそういうようなものは、そういった衛生上の問題も薄いものでございますからそういう条件はないわけでございますが、居室として使う場合は今のような条件があるわけでございます。それは変えません。  そこで、最近は大変技術開発が進みまして、換気設備とか除湿器なども安価でいいものができております。それから、地下室は逆に冷暖房の効果が地上よりも負荷が少ない部分等もございまして、いろいろなことを総合的に検討させていただきました結果、衛生上の問題を、先ほどの原則論にのっとっておつくりいただくならばよろしいのじゃないかというふうに考えたわけでございます。
  25. 萩山教嚴

    萩山委員 今お聞きしますと、いろいろと工夫すればいろいろな多方面に使用することができる。それからまた一番問題は、ピアノたたいてやかましいということで騒音問題になりましたね。殺人事件まで起きているわけでありますから、この地下室を利用することにおいてピアノ室ぐらいはできるんじゃないかなという、これは私の素人考えでありますが、そのようなはかない希望を持っております。  そこで最後の質問になりますが、今回の規制緩和が弊害を生ずるものではないという検討の結果提案ざれたということは、今の御説明でもわかります。このような政策はどんどん進めていただきたいと私は思うわけであります。建築基準法建築物の質を確保するための重要な規制でありますから、何でもかんでも規制緩和すればいいというものではないと私は思います。後世には憂いを残さないように、立派なものをつくり上げなければなりません。技術進歩に従って適切に見直していくということは重要であろうと思うわけであります。  今回の二法では合わせて五つの規制緩和が盛り込まれております。今後とも引き続き不断に規制の見直しを図っていっていただくかどうか、これも質問にさせていただきますが、具体的な規制緩和方法があれば教えていただきたいと思います。
  26. 三井康壽

    三井康壽政府委員 先生もよく御承知のことだと思いますが、建築基準関係の規制は、経済的規制社会規制に分けますと、社会規制に入ると考えているわけでございます、安全でございますとか環境といった問題に深くかかわっておりますので。したがいまして、今まででき上がってきた体系は、基本的には安全、環境というものを重視しながら規制をさせていただいた。しかし、世の中の進歩や技術の開発によりまして、当然その規制で不合理なものは不断の見直しをしていかざるを得ないと思います。  今までも、例えば木造三階建て共同住宅が建てれるようになりましたり、いろいろな規制の緩和をそのとき、その状況によりましてさしてきていただいておりますけれども、今後ともその考え方を前提にさせていただきながら、規制の合理化といいますか、それを進めさせていただきたいと考えておるところでございます。
  27. 萩山教嚴

    萩山委員 これで質問を終わらせていただきますが、大変御親切なる答弁をいただきまして、心から感謝して終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  28. 鳥居一雄

    鳥居委員長 次に、川島實君。
  29. 川島實

    川島委員 私は、ただいま議題になっております建築基準法の一部を改正する法律案並びに高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律案等についてお尋ねをいたしたいと思います。  最初に、建築基準法の一部を改正する中で、本年二月の行政改革推進本部の今後における行政改革の推進方針を受けて、今回、規制緩和措置一つとして防火壁に関する制限の合理化を行った、こういうふうに説明がなされているわけでございますが、従来行われていた畜舎等の建築物の防火壁の設置免除というのと今回解除が行われているこのことについて、どう違っているのか。さらにまた、「畜舎等」、「等」というのが入っているわけでございますけれども、このところはどんな建築物が含まれておるのか。この二点について最初にお伺いをしておきたいと思います。
  30. 三井康壽

    三井康壽政府委員 まず第一の御質問は、従来の畜舎等の防火壁の設置免除とどういうふうな関係があるかということでございます。  従来も、畜舎の防火壁につきましては、特定行政庁が個々に認定という行為にかからしめさせていただきまして、安全といいますか、特に防火上の安全についての認定をさせてきていただいているわけでございます。しかし、従来からかなりいろいろな蓄積が重なってまいりまして、それを個々にやるのではなくて全国的に一律の基準といたしまして、個々の特定行政庁の認定を外そう、簡素化をしようというのが第一の従来との差でございます。  したがいまして、今回の改正によりまして、例えば見通しのきかない間仕切り壁のないこととか、あるいは両方向にいざというときの避難ができるとか、周辺に延焼する建物が少ないとか、それから就寝用途の利用をしていただかない、そういった一定の条件で画一的に確認の対象として確認できるというふうにしようとするのが従来からとの差でございます。  それから 「畜舎等」の「等」でございますけれども、堆肥のための堆肥舎とか、それから水産物の増殖場ですとか養殖場の建物、こういったものを「等」というふうに考えているわけでございます。
  31. 川島實

    川島委員 このような建築物は人的被害につながらないわけでござ、ますから、もう少し緩和を行ってもよいんではないかと私は思っておるわけでございます。  特に今回、行政改革推進本部から幾つかの多くの点について規制緩和が言われているわけでございまして、さらにまた、この推進本部が民間の多くの改善要望等意見聴取をしておりますけれども、この中にも、容積率を含めて多くの規制緩和の問題が提起をされているわけです。なのに今回、前進があるわけでございますけれども、残念ながら二点の問題しか改正の形がとれなかったというのは、これから後、精査をしながら実行に移す体制が整ってきておるのかどうか。  この点については、ひとつ大臣からお伺いをしておきたいと思います。
  32. 森本晃司

    森本国務大臣 委員御指摘のとおりに、規制緩和を進めていこうというところでございまして、今内閣としてもその点に取り組んでいるところでございます。先ほどの局長答弁の中にもございましたが、規制しているものに経済的規制社会規制がございまして、経済的規制というのは、もっと自由に自由にやっていかなきゃならないと思います。  それで、建築基準法等々の場合には、安全という面等々考えてどうしても社会規制が多くなっているわけでございますけれども、それも先生御指摘のように、寄り寄り考えていかなければならないし、いろいろと材料の問題あるいは工法の問題に、つくったときより時代的に進歩もしておるわけでございますから、不断に合理化を図っていきたいと考えているところでございます。  今回の行政改革推進本部の中で、私も出席をさせていただいているわけでございますけれども、住宅・土地作業部会本部専門員の方々の意見を聞きましても、基準・手続の整理簡素化、それから諸外国との相互認証制度の推進、並びに外国基準調査及びそれらとの整合性の確保が指摘されているところでございます。これらに関連いたしまして、外国検査データの受け入れに関するガイドラインの対象範囲拡大あるいは二国間における相互認証制度の導入を図っているところであります。  建設省として、建築基準国民の生命、財産や都市環境と密接不可分の関係にあることから、地震等の自然災害が多く、狭い国土に木造住宅を主体に欄密に居住している我が国状況を踏まえて、諸外国との基準の相違についても調査の上、合理性のあるものは堅持し、技術開発の進展等によって今後とも国際的調和のとれた基準の合理化を大いに進めていきたいと考えているところでございます。  例えば、従来でありますと、木造の大きなドーム等々ができなかった、そういった点も、出雲の方で大きな木造のドームの体育館ができるようになった。あるいは建築基準法で二階建ての建物しか木造の場合はできなかったのを、今度三階の集合住宅をつくれるようにした。さらに、今またそのほかに検討しているわけでございますが、今、淡路島にかける橋のところにモニュメントをつくろうという動きがございます。これは、日仏共同してモニュメントをつくろう、これをつくる場合には、従来の建築基準法では該当しない、それを今の技術向上の中でどうするかということも今省内でいろいろと積極的に検討しているところでございますが、これからも進めさせていただきたいと思います。
  33. 川島實

    川島委員 大臣の御決意をいただいたわけですが、いずれにしろ、生活者の立場からいきますと、我が国建築物は、まだ世界の水準から見て非常に高い。アメリカの倍、オーストラリアは日本の三分の一、こう言われているわけでございますから、いろいろと今後、海外における建築物認定を受けたものが即我が国でも認定が受けられるような措置をひとつ進めていただいて、安い建物生活者に手に入るような御努力をひとつ今後も続けていただきたいと思うわけでございます。  先ほど容積率の問題で質問が出ておったわけでございますけれども、私ども専門家から見ますると、建物を立てるときに、共同住宅もそうでございますけれども、基礎からきちっと建ち上がって建物をつくってくるわけですね。それがその住宅部分に一部制限をされますと、建物の中で不要な部分が生まれる、こういう形をとらざるを得ない状況になるわけでございますが、そういう点から、土地有効利用の面から見れば、その制限というのが、まだ規制緩和が足りないんじゃないか、こういう気がするわけでございますが、この点についてどういうお気持ちを持っているのか、お伺いしておきたいと思います。
  34. 三井康壽

    三井康壽政府委員 今の御質問は、多分、建築物は基礎が大事なので、基礎がしっかり打ってあれば、地下は基礎部分に該当するので、もっと一三分の一と言わずに緩和したらどうか、こういう御質問と承りました。  今回、全体の容積の緩和をさせていただくのにどういうふうな基準で考えたかということでございますけれども、先ほどもちょっと触れさせていただいたのですけれども、現在の容積のままで地下室を住宅の場合につくっていただいているか、いろいろ調査をさせていただいたわけでございます。大体、その調査によりますと、地下室を使っておられる方が、全体の容積の三分の一をお使いになっているのが約九割でございました。三分の一緩和すると九割の方が大体実際上利用できる、こういうのが一つの実態的な判断でございます。それから共同住宅では、その三分の一以下でやっておられる割合がさらにふえまして九八%になる。  そういたしますと、三分の一というのは非常にいい割合ではないだろうか。まあ一〇〇%といいますか、三分の一じゃなくて倍ぐらいだったらいいかという御議論もあるかと思うのですけれども、容積の緩和といたしましては、例えば駐車場が五分の一とか、車庫ですね、五分の一の容積不算入とか、そういったことを勘案いたしまして、三分の一というのはかなりいい限度ではなかろうか。かなりこれで十分御活用いただけるんじゃないかというふうに判断いたしまして三分の一というふうに決めさせていただいたわけでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  35. 川島實

    川島委員 先ほどの意見にもう一つの問題は、今回のこの容積率の規制緩和の中で、従来の、外堀を掘って採光をやるとか環境をやるとか、いろいろな形は従来と変わらない、こういうような御発言があったわけでございますけれども、地下室で今一番問題になっておりますのは、採光部分が非常にガンになっておるのじゃなかろうかと思っておりますが、これらの緩和措置というのは考えられないものでございましょうか。
  36. 三井康壽

    三井康壽政府委員 先ほども申し上げたわけでございますけれども、居室としてお使いになる場合には採光というのがかなり重要になってまいります。しかし、居室以外でお使いになる場合、収納スペースとかそういった場合にはその条件が外れるわけでございますけれども、今の御質問、居室に限って申し上げたいわけでございますけれども、もし居室としてお使いになる場合は、諸外国の例を見ましても、採光規定というのは必ず入っているようでございます。したがって、原則としましては、空堀を設けていただくとか、そういったことをさせていただきます。  しかし、採光をとれない場合には、居室として使われる場合にも、近年の技術開発によって、非常に進歩して安価な設備が付設できるわけでございますので、採光が仮になくても、居室として使われる場合も十分可能であるというふうに考えまして、そのところは余り規定としては考慮しなかったわけでございます。
  37. 川島實

    川島委員 今回の改正によって、従来国が指導方針として各自治体に指針として出しております地下室の設置のいろいろな条項がございますね。居室の前面に空堀がある場合、その他衛生上支障のない場合だとか、換気、内装、排煙等の居住環境の確保並びに日常の安全性、防災、防火及び避難の安全性の確保、空堀の周の壁までの水平距離、奥行きが一メーター以上、深さ十分の四以上、長さが二メーター以上等、採光上の有効な部分の面積が七分の一、地下室における居室の数、床面積の合計四分の一以下、作業室、娯楽室等の寝ることの用に供しないこととか、結露による害の防止上有効な材料及び工法が持たれていること、こういうことがうたわれているわけでございますけれども、これらの中でどこが変わるわけですか。
  38. 三井康壽

    三井康壽政府委員 今先生申されました住宅の居室を地階に設ける場合の指導方針、これはすべて衛生上の観点から決めさせていただいている指導方針でございまして、この点につきましては、方針はそのままにして使っていただく、こういう前提に立っております。  すなわち、衛生上の基準というのが今と昔と基本的には変わらないわけでございますし、しかし、実際に建てる際には、いろいろな設備が非常に近代化が進んでおりますから、従来よりも現実にはこの基準でもお使いになれる度合いが高くなるというふうに考えております。したがいまして、衛生上の基準自体はこのまま運用させていただくというふうに考えているわけでございます。
  39. 川島實

    川島委員 時間が余りございませんので具体的な中身にちょっと触れることができませんが、建築審議会の中間報告に関連して幾つかの問題点が提起されておりますね。この中で、想定される問題点や今後の検討課題についても述べられておるわけですが、これをどのように受けとめて今後施行に移っていくのか、その方針についてお伺いをしておきたいと思います。
  40. 三井康壽

    三井康壽政府委員 建築審議会でこの問題を御審議いただきましたときの留意事項、二つございます。一つは、合理化の対象となる地下室の範囲、もう一つは、建築行政上の配慮、この二点でございます。  第一の合理化の対象となる地下室の範囲といたしましては、採光や通風などの周辺の市街地環境への影響に配慮いたしまして、地上部分に出てくる地下室を一定範囲の合理化の対象としないということから、地階のうち天井の高さが地盤面一メートル以下というふうに限定をいたしまして、今回の対象とするというのが第一でございます。  それから二つ目は、建築確認や違反是正の行政実務上の問題は少ないというふうに考えられてはおりますけれども、全体の市街地環境の確保の問題、あるいは土地の合理的有効利用の問題、そういった観点から敷地の共同化等の建築行政上の課題があるのではないか、こういったことが二つ目の論点でございまして、これにつきましては、最低敷地規模規制というのを、平成四年の建築基準法、都市計画法の改正で導入されております一種低層住専、二種低層住専でこういったことを活用していくとか、こういったことが課題ではないかというふうに考えておりまして、実務を担当していただきます公共団体にも、ぜひこの点を留意しながらやっていただくようにお願いをしていきたいと考えているわけでございます。
  41. 川島實

    川島委員 次に、高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律についてお伺いをしていきたいと思います。  この法律は既に参議院で審議がなされておりまして、その審議状況等も調査をさせていただきました。この法律によりますと、高齢者身体障害者等が自立と社会参加をするために、現在阻害要因となっている建築物を日常生活社会生活を行うに当たり円滑に利用できるように質の向上を図り、公共の福祉を増進させる目的となっておるわけでございますが、この法律ができることによって、国が背負うことになります責務というのはどういう点があるのか、大臣として今後どのくらいの予算規模でもってこれらの施策を講じていこうとしておるのか、まずお伺いをしておきたいと思います。
  42. 森本晃司

    森本国務大臣 本法において、国の役割として大きく分けると三つがあると思います。  第一番目は、第三条に基づきまして、特定建築主判断基準を策定し、公表すること、第二番目は、第十条に基づいて、認定建築物特定施設を高齢者身体障害者等利用しやすくするために必要な資金の確保等々さまざまな支援措置を図ること、三つ目は十三条、十四条に基づきまして、研究開発の促進のための措置国民の理解を深めるための知識の普及啓発に努めることであります。これらの国の役割を積極的に推進することによって、高齢者身体障害者皆さん利用しやすい特定建築物建築促進に努めてまいりたいと思います。  予算につきましては、これからも各先生方の御理解をいただきまして、より多く獲得させていただいて、本当に高齢者時代に対応できるように、また身障者の皆さん社会参加できるように頑張ってまいりたいと思いますので、また先生の御協力もよろしくお願い申し上げます。
  43. 川島實

    川島委員 この法律によってこれからつくるものは対応ができるわけですが、既存の建物については多くの対策が必要となるわけでございます。さらにまた、今こういう障害者高齢者皆さんが、アンケートをとりますと、いろいろ具体的な不満だとか、こういう施設をこう直してほしいというような要望等が多く挙げられてきておるわけでございますが、特に私どもが改善計画をきちっと行って具体的に対応していただきたいと思うのは、特に公共の、日常運搬等に使う運輸省関連の鉄道だとかバスだとか、いろいろ要求が出ておりますし、さらにまた厚生省所管の病院等のそういう関連施設の既設のものについて、いろいろと声が上がっているわけでございますけれども、これらの調査は、私どもは今ゴールド十カ年計画の中で恐らくほとんどの市町村において見直しができているだろうと思いますけれども、具体的にそういうものの改善に対する施策がどう行われておるのか、建設省並びに運輸省、厚生省、おのおのお伺いをしておきたいと思います。
  44. 三井康壽

    三井康壽政府委員 先生御指摘のとおり、既存建築物対策は非常に大事だという認識は私どもも当然持っているわけでございます。今回は、基礎的基準誘導的基準で二十一世紀を目指していこうという観点から、誘導の方に力点を置かせていただいて法案を出させていただきました。  そういった意味で、誘導的基準というのは非常にあらゆることにつきまして基準をつくるわけでございます。廊下でございますとか、トイレでございますとか、階段でございますとか、出入り口でございますとか、本当にすべてがよくなったものについて助成をしていこう、支援していこうということでございますので、そういう基準から見ますと、既存の建築物が満たさないものがかなりあるわけでございます。したがって、既存のものにつきましては、やや部分的な対策を今回法案で出させていただいているわけでござ、ますが、これから、いずれにいたしましても、既存建物に対する対策というのを各省とも当然御相談、御協力しながら進めていかざるを得ないと思います。  一番既存建築物で難しいのは、廊下の幅を直せとか、階段の勾配が急なのを直せとか、これは物理的に難しゅうございまして、全部建てかえなければいかぬ。しかし、トイレを直すとか出入り口段差をなくすとか、そういうのは意外とやりやすい面もございます。したがいまして、対策を分けてやっていく必要がございますので、まだ全体の調査というところまでいっていないわけでございますけれども、いずれにせよ今後、この新法を成立させていただきました後、既存建物についてどうするかということは検討していかざるを得ないと思います。  それから、今鉄道とバス、それから病院をおっしゃいましたけれども、建物につきましては、基本的には公共であろうが民間であろうが努力義務を課させていただいておりますので、それに差を設けているつもりはございません。ただし、鉄道のうち、駅舎は従来から建築基準法建築物となっておりませんで、これは運輸省にやっていただくという前提に立っていることは御理解を賜りたいと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、今後既存建物につきまして、十分我々も課題意識を持ちまして取り組んでいくべきだというふうに考えているわけでございます。
  45. 淡路均

    ○淡路説明員 ただいま先生から御指摘ございました、特に鉄道駅等につきましては、運輸省としても、例えば国民の五人に一人が六十五歳以上になるという二〇一〇年とか、四人に一人が六十五歳以上になる二〇二〇年というものを一つ目標に計画的に整備をしていく必要があるということについては認識しております。これは、既設の駅も含めてでございまして、ただ、既設の駅につきましては、改良等について非常に物理的な制約があるということ、それから費用も非常にかかるということでございまして、なかなか困難な問題もございます。  主要な点、三点だけ簡単に申し上げます。このような運輸関係の施設につきましては、ことしの三月に施設整備のガイドラインを新たに作成しましたので、これに基づきまして事業者を指導していきたいということ。それから、連続性のある公共交通につきましても、モデル交通計画等を策定して進めていきたいと思っております。最後に、駅につきまして、特にエレベーター、エスカレーターを促進するために、平成六年度新たな補助制度を創設しようということで、今国会にお願いしているところでございます。  以上でございます。
  46. 小島比登志

    ○小島説明員 先生御指摘のように、病院におきましては、高齢者身体障害者あるいは疾病等により身体機能の低下した患者の方々が多数利用されるところでございまして、その方々の容易な利用を可能にするための環境整備の推進というのは非常に大切な課題であると考えております。  このため、医療法におきましては、廊下幅、階段の手すりの構造につきましては最低基準の構造設備の基準を設けているところでございまして、これではまだ狭いということで、平成四年の医療法改正によりまして、主として長期にわたり療養を必要とする患者の方を収容する療養型病床群というものを創設いたしました。病室面積や廊下幅等について一層の環境の改善を図っているところでございます。  また、民間病院の建てかえ資金といたしまして、平成六年度予算案におきまして医療設備近代化施設整備事業というものを創設したところでございます。この予算等を運用いたしまして、厚生省といたしましても高齢者身体障害者が円滑に利用できる病院の建物の建てかえ推進のために努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  47. 川島實

    川島委員 次に、この法律を受けて地方自治体の対応についてお伺いをしておきたいと思いますが、既に高齢者福祉十カ年計画を受けて各地方自治体は福祉のまちづくりというようなことでみずから条例をつくって、これよりも進んだ形で多くの施策を講じられているところが多く紹介されておるわけでございますが、総務庁は、このおのおのの進んでいるところと今回の場合とのバランス等を講じて、もっと積極的な指導をなすべきだと考えておるわけでございますけれども、どのような受けとめ方をして今後この施策を進めようとしておるのか、お伺いをしておきたいと思います。
  48. 高橋薫

    ○高橋説明員 総務庁といたしましては、地方自治体に対する指導というのは本来的に自治省あるいは建設省の方から行うべきものと考えておりまして、総体的な規制緩和の方策について全体的な取りまとめを進めるという立場にございますので、地方の段階の進め方ということにつきましては、本来的に建設省と、あるいは自治省との方でお話を進めていただきたいと考えているところでございます。
  49. 川島實

    川島委員 自治省なりがいろいろ通達を出して計画を進める場合は、総務庁はそういう行政上の施策についてのチェック機能というのは働かないのでございましょうか。
  50. 高橋薫

    ○高橋説明員 自治省あるいは建設省から通達が出される際に、総務庁として特に審査するということはございません。
  51. 川島實

    川島委員 次に、建設業界や建築士会への法律の実施についての協力依頼、これはどのように行うかということと、さらに建築士会から建築士法を改正してもらって登録の実施体制の合理化を図ってほしいという要望が出てきておるわけでございますが、これらの絡みでどのようにお考えになっているか、建設省の考え方をお伺いしておきたいと思います。
  52. 三井康壽

    三井康壽政府委員 高齢者障害者仕様建物を建てていただくのは、やはり一つには建て主の方にきちっとした御理解をしていただく、それから設計者も当然そういったことをよく理解していただきまして、建て主にも御説明いただけるし、利用者の方のニーズもよく把握していただく、そういったことで実際にお建てになる専門的な技術を有する建築業界あるいは設計士の建築士会、こういったところで御理解をいただくのは非常に大事なわけでございます。  今回、法案をつくります準備段階でも、建築、設計界の方々にいろいろ御協力いただいてアンケート調査等させていただいたわけでございます。残念ながら、なかなか建てる際に高齢者、身体障害者仕様の配慮が足りなかったというふうなアンケート調査になったわけでございます。それを受けまして、今回こういった法案を成立させていただきますれば、さらにこういった団体の方々、団体所属の会員の方々に理解を深めていただく、こういうことが大事でございますので、周知といいますかPRといいますか、大々的に私どもやらせていただきたいと思っております。  それからもう一点、建築士会の方で建築士法の改正につきまして議員立法の考え方があるということでございます。私ども、具体的には正確には承知してないわけでございますけれども、建築士会の方々建築士の登録更新制度の導入ですとか、あるいは建築士会の目的とか業務の見直し、こういった御提案をしておられるというのは従来から承知をしているわけでございます。したがいまして、こういった建築士の方々の御意見が議員立法という形で御議論されていることは承知しているわけでございますが、それと今回の高齢者障害者法とは直ちにはどういう関係にあるか、私どもわからないわけでございますが、いずれにしましても建築士の方々社会のニーズに応じた活動をしていただきたいというのは私どもの願いであるわけでございます。
  53. 川島實

    川島委員 時間がございませんので、あと行政上の問題で、建築士会からの要望もあわせてお伺いしておきたいと思って聞いたわけでございますが、ひとつぜひ政府提案としての一部改正の受けとめ方をお願いしておきたいと思います。  さらに、規制緩和の問題で今言われておりますのは、水道指定工事店だとかガス指定工事店さらに電気指定工事店のいろいろな手続の問題等が指摘をされておるわけでございますが、おのおの規制緩和について、これらの問題についてどう受けとめておるのか、きょうは厚生省も通産省も呼んでおりますので、この点についてお伺いしておきたいと思います。
  54. 浜田康敬

    ○浜田説明員 水道の指定工事店制度に関します規制緩和に係るお尋ねでございます。  御案内のとおり、水道につきましては、水道法に基づきまして各家庭の蛇口から出る水道水の安全性を確保することが水道事業者の基本的な責務ということで課しておるわけでございまして、そういう観点から、水道事業者は、みずから設置する管に加えまして、それにつながります各家庭への給水管などの給水装置の工事が安全確実に行われるよう、いろいろな措置を講じているところでございます。そうした中で、水道の指定工事店制度というのは、こうした水道事業者の責務を果たす観点から独自の給水条例という形で制度化をしてきているところでございます。水道工事店の技術水準の確保ある、はさまざまな維持修繕への対応というものを図るために設けているわけでございます。  しかしながら、こうした水道法上不可欠な制度というものではございますけれども、先般、三月には建設省の方からアクションプログラムという形でこうした指定工事店制度についての改善必要性という認識が示され、また行政改革推進本部の本部専門員の御意見の中にも、こうした制度への改善の必要というものが指摘されているところでございます。  したがいまして、厚生省といたしましては、基本であります水道の利用者に安全な水を供給するという制度本来の趣旨目的を確保した上で、かつまた地方自治を尊重しつつ、水道行政として対応方針をどうすべきかという点につきまして検討を続けているところでございます。
  55. 市川祐三

    ○市川説明員 先生の御質問は、新築の家屋等におきます引き込み線の工事の件だということでお答えを申し上げます。  家屋の新築等に当たりましては、電気工事は電柱からその当該家屋への引き込み線の工事と、それから当該家屋の中の屋内配線の工事ということに二分されるわけでございますが、後者の屋内配線工事につきましては需要家側の負担において、またその責任において行われるものでありますが、前者の配電柱から家屋までの引き込み線の工事につきましては、電気事業工作物という概念に入りますので、これは電力会社の負担と責任において実施されているものであります。  このような引き込み線工事につきましては、電力会社あるいはその関係の会社が直接みずから工事を行うという場合もございますが、多くの場合は、電力会社はいわゆる引き込み委託工事店にその工事を委託して工事を行ってきているというのが実態でございます。引き込み委託工事店でございますけれども、どの工事店を選ぶかということにつきましては、実は国は一切の規制を行ってございません。電力会社が独自に、一定の技術基準あるいは実績を満たす電気工事業者に対しまして、引き込み線の工事などを委託しているものであるというふうに承知しております。  ただ、いずれにせよ、各社によって扱いは異なりますが、広く公募したりあるいは随時受け付けをするということによりまして、そのような引き込み委託工事店としての資格を得たいという者に対しましては、一定の技術的要件とか、あるいは実績を満たすという者については、これを委託工事店として指定あるいは登録しているというふうに承知しております。
  56. 川島實

    川島委員 最後に、時間も参りましたので、規制緩和については、電気、ガス、水道、いろいろ問題が提起されておりますので、ひとつ十分な取り組みを要望しておきたいと思います。  現在、ILO条約における職場の環境の規制緩和の合理化についていろいろ言われているわけでございますが、我が国も四年に一回、国連にその成果をきちっと発表しなければならない、こういう状況になっておるわけでございますが、これらについて現在の取り組みが労働省としてどのようになっておるのか、このことだけ最後にお伺いをしておきたいと思います。
  57. 太田俊明

    ○太田説明員 御質問趣旨は、障害者の職業生活を送る上に当たりまして職場環境をどのように整備していったらいいのか、ILOの百五十九号条約を受けてどのような形で対策を講じているかということだと思いますが、その観点からお答えさせていただきます。  労働省としましては、雇用の場における建築物など、その作業施設につきまして、障害者が働きやすい職場環境をつくっていきますように、その設置、整備に当たりまして必要な経費の一部を助成することとしております。具体的には、例えば車いす使用者のための作業場の新築でございますとか、あるいは既存の設備につきましては、玄関のスロープ化、あるいはさらには障害者向けのトイレの改造、点字ブロックの設置など、そういう施設の設置、整備につきまして助成を行っているところでございます。  今後ともこのような助成金を活用しまして、障害者の雇用の促進のために作業施設を初めとしました職場環境の整備を図るなど、障害を持つ方々の働きやすい職場づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
  58. 川島實

    川島委員 終わります。
  59. 鳥居一雄

    鳥居委員長 次に、中島武敏君。
  60. 中島武敏

    中島(武)委員 私は、建築基準法の一部改正、この問題から質問させてもらいたいと思います。  今回の法改正建築関係の規制緩和の一環でありますし、我が国規制は諸外国に比べてみても緩く、一般的に言いますと、それをさらに緩和することは問題があると思うのですけれども、都市部における狭い住宅現状から、地下利用をしたいという国民の要望もなかなか強いものがあるということを承知しておりますので、賛成の立場から、しかし同時に、いろいろ懸念される諸問題について、幾つかの質問をさせてもらいたいと思います。きょうもまた余り時間があるわけではありませんので、なるべく私も簡潔に質問いたしますから、できるだけひとつ要点的に御答弁をいただければありがたいと思います。  まず一つは、採光、換気など衛生上の問題が懸念される一つなのですけれども、これに対してどのような規制を行いますか。
  61. 三井康壽

    三井康壽政府委員 採光、換気などの衛生上の問題につきましては、現行建築基準法三十条におきまして、基本的には居室としては地階で住宅を使っちゃいかぬ、こうなっております。しかし、空堀を設けるとか、必要な衛生上の措置をとれば利用することができるというふうにしているわけでございまして、その原則は今回の容積の不算入の規定によりましては変えません。三十条の規定は変えない、指導方針も変えない、こういうことでございますので、衛生上の規制の強化はいたしておりませんけれども、その部分の緩和もいたしておらない、そういうことでございます。
  62. 中島武敏

    中島(武)委員 次に伺いたいのは、容積率の緩和の対象を住宅に限定しているので公共施設に対する負荷が多くない、こういうことを言われているのですけれども、これは本当に科学的な根拠があるのでしょうか。
  63. 三井康壽

    三井康壽政府委員 これは、住宅ですとか事務所、工場、店舗、そういった建物によりまして人の出入りが違う、それから車の出入りが違う。調査によっていろいろなばらつきはあるわけでございますけれども、現実に調査をいたしますと、住宅と非住宅では明らかに住宅の方が人の出入りが少ない、それから車の出入りも少ない、こういうデータになっているわけでございます。  したがいまして、厳密な意味で科学的かどうかというふうに質問されますと、科学的と言うにはややおこがましいかもしれませんけれども、しかし、いろいろな調査データによりまして、住宅は、道路に対する負荷は、事務所や工場や店舗と比べて著しく低いというふうに考えておりますので、今回の容積の緩和もそういった観点から、住宅につきまして不算入というふうにさしていただきたいと思っておる次第でございます。
  64. 中島武敏

    中島(武)委員 今回の措置は、私は一番心配する一つなのですけれども、住宅の狭小化、小さい利用になってしまうのじゃないかということを非常に心配するのですけれども、この点については、率直なところ、どうなんでしょう。
  65. 三井康壽

    三井康壽政府委員 今回、容積の三分の一を不算入にさせていただきましたのは、今先生が冒頭御質問でおっしゃりましたように、やはり広い住宅を求める国民のニーズというのは非常に強い。したがって、できる限りこの御要望にこたえるようにしなければいかぬというのが一番の基本にあるわけでございます。  そういったことから考えますと、現実に地下室をお使いになっている状況は戸建て住宅で多い。それから、敷地が年々歳々ずっと減少傾向にございまして、特に百平米未満の戸建ての敷地もかなりあるわけでございますけれども、最近はその減少傾向は一段落しておりまして、敷地規模が少なくなり過ぎたとしうこともあるかもしれませんが、そういった減少傾向にあります。  それから、もしそういう御心配があるとすれば、平成四年の都市計画法、建築基準法改正の際に、第一種低層住居専用地域あるいは第二種低層住居専用地域最低限度敷地規模を定められることになりました。したがって、そういったことを運用していただくことによりまして、事前に予防ができるといいますか、そういった措置もあるわけでございますので、現実に公共団体の方でよくお考えいただきまして、これも御活用いただければ、御懸念はかなり少なく考えていいのじゃないかというふうに思っているわけでございます。
  66. 中島武敏

    中島(武)委員 マンションなんかの場合ですけれども、今度の改正で地下に二階とか三階とか、敷地で広大な地下面積をつくる、こういうことになるのじゃないかということを恐れるのですけれども、これはどうなのかという点と、そういうふうにしてつくった地下を商業利用するというようなことにもならないのかどうか、この辺についてもお伺いしたいと思います。
  67. 三井康壽

    三井康壽政府委員 一般的に、日本人の行動様式としまして、完全に地下の中で世帯がお住みになるというのは考えにくいというふうに考えているわけでございます。現実に地下でお住みになっている方がおいでになるわけでもございませんし、マンションの上で普通の居住生活をされまして、物置ですとか物入れですとか、そういった収納スペースあるいは車庫、そういったことでお使いになるのが一般的でありまして、現在でもそういうのが大勢で、大勢というか、ほとんどそれでございます。  したがいまして、仮に今御心配のようなことがあり得るとすればどういうことかということでありますけれども、すべて地下で家族がお住みになるというような場合には空堀をつくっていただくとか、そういった、居室を地下につくっていけないという規定がございますので、それで実際上はそういうものは建ってこないだろう、利用されないだろうというふうに思っているわけでございます。  それから二つ目の御質問は、住宅としては使わないかもしれないけれども、何か店舗に使ってしまうおそれがあるのじゃないか、こういった御心配ではないかと思います。それは当然の御心配でございまして、私どもそれはきちんと防がなきゃいけないと思うわけでございまして、建築確認申請書の様式を今回改正させていただきます。そして、地階に設ける住宅部分の延べ面積を書いていただくことに相なります。それを台帳にきちんと登載いたしまして、もし容積率算入の形で地下室をお使いになる場合は、建築基準法に基づきまして、違反是正命令、使用禁止とか、そういったことをきちんとやっていただくように、特定行政庁、建築主事に指導していくという考えでございます。
  68. 中島武敏

    中島(武)委員 この問題の最後なんですけれども、地震とか火災などの災害、この問題が非常に恐いと思うのです。これに対してどのような措置が義務づけられておりますか、明らかにしていただきたいと思うのです。
  69. 三井康壽

    三井康壽政府委員 建物自体につきましては、地震とか風とか土圧あるいは積雪、そういったものに十分安全でなくてはいかぬ、こういうのが基準法の建前でございまして、これはいささかも変わっていないわけでございます。  そこで、地下室の場合でございますと、地震に対しましては割と強うございます。地下鉄が強いのと同じで、地下の部分は地上部分よりも地震に対して強い。したがいまして、従来から地下部分は地上部分よりも地震に対する構造計算はやや軽いとなっておりまして、これは今回も変わっていないわけでございます。  しかし、心配なのは、地震が起きたり、いざというときに地階におられる方が避難がちゃんとできるのかとか、排煙がどうだとか、こういったことでございまして、それにつきましては、従来からもそういった規定をきちんと置いております。例えば、避難階段をきちんと設置していただくとか、内装も壁や天井を不燃材料あるいは準不燃材料で中が燃えて煙が充満しないようにしていただくとか、あるいは非常に広い地階などに居室等を設ける場合は耐火構造にしていただく、そういった規定を置いておりまして、これによって万全は期し得るというふうに考えております。
  70. 中島武敏

    中島(武)委員 次に、高齢者障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律案について、引き続き質問させていただきます。  障害者対策に関する新長期計画を政府は昨年策定された。今回の法改正は、遅きに失しているとは思いますけれども、建設省がこの新長期計画にいよいよその実践に乗り出したものとして、私はその点は評価したい。  その上で質問したいと思うのですけれども、まず最初に伺いたいと思いますのは、本法で言うところの特定建築物改善するという具体的な目標や具体的な計画を定めるべきだと思うのですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
  71. 三井康壽

    三井康壽政府委員 ただいまの御質問は、既存の建物についての御質問でございますか、一般的……(中島(武)委員「これからです、特定建築物」)と呼ぶ)  これからお建てになる建物につきましては、建築計画を全部把握しているわけではございませんので、新築される際に、基礎的な基準最低基準と、それから望ましい基準誘導的基準をお示しいたしまして、それに基づいて建てていっていただこう。しかし、年間どのくらいのものが建つとか、そういったものにつきましては、我々もちょっと知る由がございませんので、推定はしているわけでございますけれども、そういう年次計画というものを考えているわけではございません。しかし、基礎的基準でお建ていただくものを毎年毎年どのくらい建つのかという推計はいたしておりまして、これは期待値ではございますけれども、新しく建てる建物の約半分は基礎的基準で建てていただく。  それから、二〇二〇年ごろにおきますストックは、建物の数、棟数で約四割くらいは基礎的基準はクリアしていただけるのじゃないか、そういった期待を持っているわけでございます。
  72. 中島武敏

    中島(武)委員 これは大臣にお伺いしたいと思っておりますが、こういうことをちゃんと実行していくということになりますと、財政的な裏づけが非常に必要になってくると思うのですね。  東京都ではどうなっているかといいますと、一九八九年から、福祉のまちづくり区市町村モデル地区整備事業というのを始めました。それによってこれまで十六の地区を指定して、今年度の予算で六億三千万円なんです。それから、同じく東京都の北区でも、福祉のまちづくり整備助成要綱をつくって、福祉の町づくりのために頑張っているのです。建設省は、人にやさしいまちづくり事業というのを一九九一年から始めておられますけれども、予算額は四億一千万円ですね。比べると、東京都よりも建設省の方がちょっと少ない感じがするのですね。少ないんじゃないですか。やはりこれでは、新長期計画を立てても絵にかいたもちになりかねないと思うのですね。  そういう点で、財政的にも大いに奮闘してたくさん予算もつけて、そして高齢者の方また障害者の方の住みよい町づくりにもつと大臣としても努力をすべきじゃないかと思うのですけれども、その辺の抱負も含めて伺いたいと思います。
  73. 森本晃司

    森本国務大臣 今、先生御指摘ございましたように、高齢者障害者対応を進める上で助成措置が極めて重要であるということは、もう先生の御指摘のとおりだと私も思っております。そこで、やらなければならないものに、補助制度それから税制上の特例、融資制度等があるかと思いますが、具体的に申し上げますと、国庫補助、法人税等の割り増し償却それから事業所税の軽減、日本開発銀行等による低利融資等の措置を講ずることが必要であるということでございます。  ちょっと先生が 東京都と比較、ただきましたが、六億とおっしゃるのは、いろいろな道路とかそういうものも含めてではないかと思います。建物に対しては約一千万程度と聞いております。  以上でございます。これからも頑張りますので、先生も御支援をよろしくお願いします。
  74. 中島武敏

    中島(武)委員 ちょっと時間が苦しくなってきましたので、急ぎます。  次に、本法案に関連して運輸省に伺いたいのですけれども、おいででしょうか。  障害者高齢者が住みよい町づくりを進める上で、一般的に言いますと、鉄道の駅が中心になります。そういう点で、鉄道の駅の改善を進めることは非常に重要だと思うのです。それで、具体的なことですけれども、東武東上線沿線、特に埼玉から東京へ入ってくると悪くなってしまう、それは理由がないわけじゃないと思っておりますけれども。それで、障害者高齢者の方が利用しやすいように、エスカレーター、エレベーターなどを設置するということが必要だと思うのですけれども、今後の計画について伺いたいと思います。
  75. 小杉昭夫

    ○小杉説明員 お答えいたします。  高齢者身体障害者等の、いわゆる移動制約者の方々のための鉄道の駅におきます施設整備必要性につきましては、私ども運輸省としても十分認識しておるところでございます。このため、公共交通ターミナルにおける施設整備のガイドライン、これを初めとしまして、今先生御指摘の移動制約者の方々から特に要望の強い段差の解消策、これにつきましてはエレベーターそれからエスカレーターの整備指針、これを策定しまして、鉄道事業者に対しまして鋭意指導をしてきているところでございます。  ただいま御指摘の東武東上線について見てみますと、点字券売機、また誘導ブロック、身障者トイレ等につきましては、これは大部分の駅で既に設置済みでございます。また、段差の解消策につきましても逐次整備が進められておりまして、例えば板橋区の成増駅、これは平成六年度にエスカレーターを整備することとしておりますし、また上板橋駅につきましても、地元の協力を得ながらできるだけ早い時期にエスカレーターを設置していく予定だというふうに聞いておるわけでございます。  私ども、移動制約者用の施設の整備に向けまして、今後とも積極的に鉄道事業者を指導してまいりたいというふうに思っております。
  76. 中島武敏

    中島(武)委員 今、具体的に名前の挙げられなかったところについても、積極的に改善を要望しておきたいと思います。  続いて、これは有料道路における障害者割引の問題について伺いたいと思うのですが、時間もありませんからまとめて申し上げますので、ひとつまとめて御返事を下さい。  対象範囲については拡大をするのだと思うのですが、拡大をするとすれば、一体どの範囲に拡大をしようとしているのかということを、人数などもそれぞれ含めながらお答えいただけるとありがたいと思うのです。それで、私が伺っている範囲で申しますと、精神薄弱者の場合には、療育手帳のAまでである、こういう話なのですね。Bの人は対象にならないという話が聞こえてきているのです。しかし、この親御さんたちに聞きますと、やはり介護者はBの場合でも必要なわけなのでありまして、その点では、ぜひAだけではなくてBも含めてもらいたい、こういう切実な意見が出ております。道路局長のところにも要望書が出ているのじゃないかと思うのです。  それから、次に申し上げたいのは、精神障害者が除かれているのじゃないかというおそれであります。精神障害者障害者に含めるという障害者基本法は、昨年成立をいたしました。にもかかわらず、精神障害者を対象の外に置くというのは、この障害者基本法の精神からいっても正しくないのじゃないかというので、これが私の単なる杞憂であることを願うのですけれども、この点についてもぜひ答弁をいただきたい。私は、この点で色よい答弁が、現在は考えておりませんというのだったら、ぜひひとつこれを検討に含めていただきたいと思うのです。療育手帳、精神薄弱者の場合のBの人、軽いと言われているのですけれども、軽くはないのです。それから、この精神障害者ですね。  それから、実施は一体いつから行うつもりであるのか。大分心配している向きがあるのですよ。高速道路などの値上げを凍結した、そうするとこれが解除になってからじゃないか、それでは困る、そんなことじゃなしにちゃんとやってもらいたい、こういう要望が出ております。  以上です。
  77. 藤川寛之

    ○藤川政府委員 幾つか御質問がございましたので、簡単に答弁させていただきたいと思います。  まず、今回日本道路公団から、障害者割引の拡充ということで申請が出てきたわけでございます。その中での拡充の考え方でございますが、今までは肢体不自由の方がみずから運転する場合に限っておったわけでございますけれども、今回は、身障者手帳の交付を受けているすべての身障者の方がみずから運転する場合と、それから重度の身障者または重度の精神薄弱者が乗車する場合で介護者が運転する場合を対象にするという中身になっております。  それから、精神薄弱者でございますが、今も申し上げましたように、今回の申請では、重度の方、今AとBというふうにおっしゃいましたAというのが対象になっているということでございまして、これにつきましては、もう既にJRとか飛行機、航空の方で運賃割引が実施されているわけでございます。それとのバランスを考えて、今回の申請では重度の身障者に限っているということでございます。  それから、精神障害者でございますが、精神障害者につきましては今回の割引の対象にされていないわけでございますけれども、これは、障害の事実について身障者手帳等で確認することができないということで、今回対象にしていないというふうに聞いております。  それから、実施の時期でございますが、実施の時期につきましては、日本道路公団については、料金改定とあわせて四月二十六日に申請が出てきたところでございますが、私どもとしては、この高速自動車国道につきましては、全国各地から早く整備してほしいという要請が非常に強うございます。できるだけ早く本格的な事業の着手にかかりたいということでございまして、そういう意味で、料金改定の実施の時期というのは先送りされるわけでございますけれども、私どもとしては、事業着手の前提となる料金改定の認可につきましては、この問題も含めまして、できるだけ早く認可するように努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  78. 中島武敏

    中島(武)委員 わかりました。これで終わります。
  79. 鳥居一雄

    鳥居委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  80. 鳥居一雄

    鳥居委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに両案について採決に入ります。  まず、高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律案について採決いたします。  本案賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  81. 鳥居一雄

    鳥居委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  82. 鳥居一雄

    鳥居委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、藤井孝男君外五名より、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨説明を聴取いたします。石井智君。
  83. 石井智

    石井(智)委員 ただいま議題となりました高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨説明にかえることといたします。     高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。  一 加齢や障害に伴い日常生活社会生活に身体上の制限を受けている人々が、特段の不自由を感じることなく円滑に利用することのできる建築物は、すべての人々にとって望ましいものであるという観点に立って、関係者の理解を深めるための措置の充実に努めること。  二 高齢者身体障害者等が円滑に利用できる建築物建築促進し、将来、この法律において建築主の判断事項としている基準が一般的な基準として普及するよう、必要な施策の充実に努めること。  三 建築主の判断の基準内容については、技術の進歩、要求水準の変化等に応じて適宜見直しに努めること。  四 国及び地方公共団体等の建築物については、既存の建築物についても可能な限り判断基準に適合するよう努めること。  五 特定建築物に対する施策の充実に加えて、生活の基盤となるまち全体が高齢者障害者や子供にやさしい構造となるよう、幅の広い歩道の整備、歩道の段差の解消、電線類の地中化等の道路整備、安全で利用しやすい遊び場や公園の整備、公共交通機関の施設・設備の改善等の施策を総合的に推進するとともに、それらの施策の推進のために有効な制度についても検討を進めること。 以上であります。  委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
  84. 鳥居一雄

    鳥居委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  85. 鳥居一雄

    鳥居委員長 起立総員。よって、藤井孝男君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森本建設大臣
  86. 森本晃司

    森本国務大臣 高齢者身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築促進に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。.  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)     —————————————
  87. 鳥居一雄

    鳥居委員長 次に、建築基準法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  88. 鳥居一雄

    鳥居委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  89. 鳥居一雄

    鳥居委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、藤井孝男君外五名より、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨説明を聴取いたします。石井智君。
  90. 石井智

    石井(智)委員 ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨説明にかえることといたします。     建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。  一 住宅の地下室に係る容積率の制限の合理化については、良好な市街地環境を確保しつつ、ゆとりある住宅の供給を図るための措置であることにかんがみ、敷地の分割が行われる場合等に敷地の狭小化が進行して市街地環境が悪化することのないよう、既成市街地における狭小な宅地の共同化を推進するための施策の充実に努めるとともに、必要に応じて建築物敷地面積の最低限度を定めるなど都市計画についても十分配慮すること。  二 住宅の地下室の建築促進されることに伴い隣接地の建築物に安全上の問題が生じるなど相隣関係上の問題が増加することのないよう、適正な施工の確保について建築行政上十分配慮すること。  三 我が国は、高温多湿の土地が多いことから、住宅の地下室の建築に関し中小工務店等への技術的指導に配慮すること。 以上であります。  委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
  91. 鳥居一雄

    鳥居委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  92. 鳥居一雄

    鳥居委員長 起立総員。よって、藤井孝男君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森本建設大臣
  93. 森本晃司

    森本国務大臣 建築基準法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手)     —————————————
  94. 鳥居一雄

    鳥居委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 鳥居一雄

    鳥居委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  96. 鳥居一雄

    鳥居委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十九分散会      ————◇—————