○
田端主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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平成二年度
決算概要説明書
運輸省
平成二年度の
運輸省所管一般会計及び
特別会計の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
まず、
一般会計について申し上げます。
第一に、
運輸省主管の歳入でありますが、
歳入予算額二十五億四千百六十一万円余に対し、
収納済歳入額は二十九億八百三十九万円余であり、差引き三億六千六百七十八万円余の増加となっております。
第二に、
運輸省所管一般会計の歳出でありますが、
歳出予算現額八千五百三億六千二百八十五万円余に対し、
支出済歳出額は八千三百四十億五千七百四十七万円余でありまして、その差額百六十三億五百三十七万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は百四十億二千三百八十三万円余であり、不用となりました額は二十二億八千百五十四万円余であります。
次に、
特別会計について申し上げます。
まず第一に、
自動車損害賠償責任再
保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、
収納済歳入額は二兆九千九百億二千六百五十一万円余であり、
支出済歳出額は四千七百九十四億九千百八十二万円余でありまして、差引き二兆五千百五億三千四百六十九万円余の剰余を生じ、この
剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
第二に、
港湾整備特別会計でありますが、
港湾整備及び
特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、
収納済歳入額は四千百七十七億五千五百八十三万円余であり、
支出済歳出額は四千百二億二千九百六十一万円余でありまして、差引き七十五億二千六百二十二万円余の剰余を生じ、この
剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
第三に、
自動車検査登録特別会計でありますが、
収納済歳入額は四百四十五億三千六百二十四万円余であり、
支出済歳出額は三百六十八億二十七万円余でありまして、差引き七十七億三千五百九十七万円余の剰余を生じ、この
剰余金は、翌年度の歳入こ繰り入れました。
第四に、
空港整備特別会計でありますが、
収納済歳入額は四千二百二十六億三千五百二十六万円余であり、
支出済歳出額は三千四百九十八億二千五百二万円余でありまして、差引き七百二十八億一千二十四万円余の剰余を生じ、この
剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
以下、部門別に主要な事項につきまして、御説明申し上げます。
まず、
国鉄改革の推進・
定着化対策について申し上げます。
第一に、
日本国有鉄道清算事業団に対し、
日本国有鉄道清算事業団補助金として一千五百十億円、
特定地方交通線特別交付金として二十三億七千五百万円を交付いたしました。これによりまして、過去債務に係る
利子負担の軽減及び
特定地方交通線の
バス転換等の促進を図りました。
第二に、
旅客鉄道株式会社等に対し、
踏切保安設備整備費補助金として一億一千百五十二万円余、
鉄道防災事業費補助として二十億七十四万円余を交付いたしました。これによりまして、
踏切事故の防止及び
防災対策のための諸設備の整備を図りました。
さらに、
特定地方交通線代替輸送事業運営費補助金として、白糠町ほか二十九
事業者に対し十四億一千四百三万円余、
特定地方交通線転換鉄道等運営費補助金として、
阿武隈急行株式会社ほか二十四
事業者に対し七億三千七百九十六万円余を交付いたしました。これによりまして、
特定地方交通線の
代替輸送を確保いたしました。
次に、空港、港湾、海岸、
鉄道等運輸関係社会資本の
整備促進について申し上げます。
第一に、
空港整備につきましては、第五次
空港整備五箇年計画の
最終年度として、
空港整備特別会計において三千四百九十八億二千五百二万円余を支出いたしました。
このうち、主な事項について申し上げますと、まず、
関西国際空港株式会社に対する
政府出資等として三百四十億四千百二十万円余を支出いたしました。これによりまして、
関西国際空港の整備を推進いたしました。
次に、新
東京国際空港公団に対する
政府出資等として二百六十三億六千四百九十七万円余を支出いたしました。これによりまして、新
東京国際空港の整備を推進いたしました。
次に、
東京国際空港の
沖合展開事業として六百三十九億八千四百六十二万円余を支出いたしました。これによりまして、
沖合展開事業の整備を推進いたしました。
次に、
国内空港の整備を図るため八百二十九億九千七百四十九万円余を支出いたしました。これによりまして、新広島空港ほか七十三空港の整備を実施いたしました。
次に、
公共用飛行場周辺における
航空機騒音障害防止のため二百三億五千三百九十四万円余を支出いたしました。これによりまして、
特定飛行場の周辺における
移転補償等を行うとともに、
緩衝緑地帯等の整備を実施いたしました。
以上によりまして、
航空輸送力の増強等に対処するとともに、航空の安全の確保と環境の整備を推進いたしました。
第二に、
港湾整備につきましては、第七次
港湾整備五箇年計画の
最終年度として、
港湾整備特別会計において四千百二億二千九百六十一万円余を支出いたしました。
このうち、
港湾整備勘定においては四千十八億七千六百二十六万円余を支出し、
直轄港湾改修事業として百二十五港、十五航路及び七海域の工事を、
港湾改修補助事業として七百八十港の工事を実施したほか、海水油濁
防止施設整備補助事業、
港湾公害防止対策補助事業、
港湾環境整備補助事業及び
港湾事業調査補助事業等を実施いたしました。さらに、
港湾改修及び
港湾環境整備等の促進を図るため、百三十港及び一海域について
港湾事業資金の貸付を実施いたしました。
特定港湾施設工事勘定においては八十三億五千三百三十四万円余を支出し、
エネルギー港湾施設工事として六港、
物資別専門埠頭港湾施設工事として二港の工事をそれぞれ実施いたしました。
以上によりまして、
貨物輸送の合理化、
海上輸送の安定性の向上、海外に依存する
各種資源の
安定的確保、
地域振興のための
基盤施設の整備、豊かな
生活空間の形成、
港湾利用の
高度化等を図りました。
第三に、
海岸事業につきましては、第四次
海岸事業五箇年計画の
最終年度として二百八十八億五千九百六十一万円余を支出し、
海岸保全施設整備事業として
直轄事業四海岸、
補助事業三百八十二海岸、
海岸環境整備補助事業として六十三海岸、
公有地造成護岸等整備補助事業として八海岸の工事を実施いたしました。これによりまして、
海岸保全施設等の整備を促進いたしました。
また、
港湾施設災害復旧事業及び
港湾施設災害関連事業として四十九億四千七百九十一万円余を支出し、
直轄事業四か所、
補助事業二百九十六か所の工事を実施いたしました。これによりまして、港湾及び海岸の
災害復旧を促進いたしました。
第四に、鉄道につきましては、日本鉄道建設公団に対し、
日本鉄道建設公団工事費補助金として百六十億八千八百九万円余、
日本鉄道建設公団整備新幹線難工事推進事業費補助金として二十九億三千三十七万円余、
日本鉄道建設公団整備新幹線建設推進準備事業費補助金として二十八億二千二十八万円余、
日本鉄道建設公団補給金として百四十三億九百六十八万円余を交付いたしました。これによりまして、
地方鉄道新線の建設並びに
整備新幹線の難
工事推進事業及び
建設推進準備事業を行うとともに、
旅客鉄道株式会社への貸付線及び
大都市圏の
鉄道事業者への譲渡線の
資本費負担の軽減を図りました。
このほか、
新幹線鉄道整備事業に係る
NTT株売払収入を活用した無
利子貸付金として、
産業投資特別会計の
歳出予算から同公団に対し五十三億八千七百九十三万円余の貸付を実施いたしました。これによりまして、
北陸新幹線高崎・軽井沢間の
建設促進を図りました。
また、
幹線鉄道活性化事業費補助金として、
山形ジェイアール直行特急保有株式会社及び
北越急行株式会社に対し十七億九千七百四十万円を交付いたしました。これによりまして、
幹線鉄道の新幹線との
直通運転化等のための工事を実施いたしました。
次に、
運輸関係社会資本の整備と相まって形成される
交通ネットワークの
整備促進について申し上げます。
第一に、
地下高速鉄道建設費補助金として、東京都ほか一県八市に対し三百九十五億九千七百二十二万円余を交付いたしました。これによりまして、
帝都高速度交通営団ほか九
事業者による
地下高速鉄道網の整備を促進いたしました。
第二に、
ニュータウン鉄道建設費補助金として、神戸市に対し四億四千九百五十万円余を交付いたしました。これによりまして、
西神ニュータウンにおける鉄道の整備を促進いたしました。
第三に、
バス交通活性化対策費補助金として、京都市交通局ほか六
事業者に対し二億六千五百五十八万円を交付いたしました。これによりまして、
バス輸送サービスの改善のための施設の整備等の促進を図りました。
第四に、鉄道軌道整備費等補助金として、一畑電気鉄道株式会社ほか二十九
事業者に対し八億四千七百三十六万円余を交付いたしました。これによりまして、中小民鉄の維持改善を図り、地域住民の利便を確保いたしました。
第五に、
踏切保安設備整備費補助金として、島原鉄道株式会社ほか十六
事業者に対し一億一千九百九十三万円余を交付いたしました。これによりまして、
踏切事故の防止を図りました。
第六に、地方バス路線維持費補助金として、北海道ほか四十五都府県に対し百三億六千百八十六万円余を交付いたしました。これによりまして、地方における乗合バスの運行を確保し、民生の安定に寄与いたしました。
第七に、離島航路補助金として、百二十四航路を経営する百十七
事業者に対し三十七億六千四百三十七万円余を交付いたしました。これによりまして、離島航路の輸送力を確保し、民生の安定と向上に寄与いたしました。
次に、海運、造船及び船員雇用対策等について申し上げます。
まず、海運対策について申し上げます。
第一に、外航海運対策の推進のため、昭和五十四年度から五十六年度の間に締結した外航船舶建造融資利子補給契約に基づき、外航船舶建造融資利子補給金として、日本興業銀行ほか二十三行の一般金融機関に対し一億六千三百五十万円余を交付するとともに、日本開発銀行が昭和六十二年度以降の海運会社の利子補給金相当額の利子支払いを猶予することに伴い、外航船舶建造融資利子猶予特別交付金として、同行に対し二十二億三千六百七十九万円余を交付いたしました。
第二に、船舶整備公団が行う業務の円滑な運営に資するため、同公団の借入金に係る利子の一部を補給する補給金として、同公団に対し二億二千九百八十三万円余を交付いたしました。
次に、造船業経営安定対策について申し上げます。
第一に、造船業基盤整備事業協会に対する補給金として二億六千三百万円を交付いたしました。これによりまして、造船業の過剰整備の処理に伴う業務の円滑な推進を図りました。
第二に、造船業基盤整備事業協会に対し、次世代船舶研究開発費補助金として七億八千四百万円を交付いたしました。これによりまして、同協会が実施する次世代船舶研究開発促進業務の円滑な推進を図りました。
次に、船員雇用対策等について申し上げます。
第一に、最近における船員の雇用情勢にかんがみ、船員雇用促進対策事業として四億六千百八万円余を支出いたしました。これによりまして、離職船員の雇用の促進等を図りました。
第二に、財団法人海事国際協力センターに対し、開発途上国船員を対象とする研修を推進するため、事業の実施に要する経費の一部として二千六百九十八万円余を支出いたしました。これによりまして、開発途上国船員の養成に協力・貢献いたしました。
次に、国際交流の推進・観光の振興について申し上げます。
第一に、日本人の海外旅行を促進することにより、国際相互理解の増進、国際収支のバランスの改善等を図るため、東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター等に対し三億六千三百六十万円余を支出いたしました。これによりまして、観光関係の国際協力を推進いたしました。
第二に、「九十年代観光振興行動計画」の推進に関連して、国際観光振興会に対し、国際観光事業費補助金として二十二億七千七百二万円余を交付いたしました。これによりまして、海外観光宣伝事業の充実等国際観光振興会の業務の充実を図りました。
また、観光
基盤施設整備費補助金として、石川県ほか一道十五県に対し二億六千百万円を交付いたしました。これによりまして、自然に親しむ観光レクリエーション活動の場としての家族旅行村と来訪外客による伝統的地域文化の体験・地域住民との交流の場としての国際交流村の整備を促進いたしました。
次に、貨物流通関係について申し上げます。
貨物流通対策を推進するため二千三百二十二万円余を支出いたしました。これによりまして、物流業の労働力不足に対応した効率的物流システムを構築するための調査を行いました。
次に、運輸関係の技術開発の推進について申し上げます。
財団法人鉄道総合技術研究所に対し、鉄道技術開発等委託費として一億六千三百二十七万円余、鉄道技術開発費補助金として十五億一千七百五十一万円余を支出いたしました。これによりまして、超電導磁気浮上方式鉄道に係る技術開発をはじめとする鉄道技術開発の促進を図りました。
また、運輸の分野における広範な人工衛星の利用要請に応えるため五千六百三十四万円余を支出いたしました。これによりまして、多目的な機能を有する人工衛星システムの開発のための調査研究並びにそのための実証実験を行いました。
次に、地球環境問題への対応について申し上げます。
地球温暖化、オゾン層破壊等の地球環境問題に対応するため一億七千五十四万円余を支出いたしました。これによりまして、観測・監視体制の充実・強化を図るとともに、環境変化による社会経済への影響評価及び地球規模での環境保全対策を推進するための調査を行いました。
次に、海上保安体制の充実・強化について申し上げます。
第一に、「海上における捜索及び救助に関する国際条約」及び「改正SOLAS条約」の発効、日米原子力協定に基づくプルトニウム
海上輸送の護衛実施、国際的な新海洋秩序形成の動き等に対応して、広大な周辺海域における航行安全体制の確立、海上における犯罪の予防及び鎮圧、我が国の権益を確保することを目的として、広域的哨戒体制等の整備及び海洋調査の充実・強化を推進するため八十六億六千七百七十八万円余を支出いたしました。これによりまして、引き続き巡視船三隻、中型測量船一隻の建造、航空機二機の整備及び海上保安通信体制の整備並びに管轄海域画定のための諸調査等を行ったほか、新たに、巡視艇二隻及び測量艇一隻の代替建造を行うとともに、巡視船一隻の代替建造及び航空機一機の代替整備に着手いたしました。
第二に、航路標識の整備を図るため七十三億三千二百七十三万円余を支出いたしました。これによりまして、灯台等光波標識九十基、マイクロ波標識局三局及び海上交通情報機構一部の整備並びに既存航路標識の改良改修を行いました。
次に、気象業務体制の充実・強化について申し上げます。
第一に、台風・集中豪雨雪対策等観測予報体制の強化を図るため三十六億三千七百四十九万円余を支出いたしました。これによりまして、静止気象衛星業務の推進、アメダス等地上気象観測施設及び気象レーダー観測網等の整備を行いました。
第二に、地震・津波対策及び火山対策の強化を図るため二億三千五百十九万円余を支出いたしました。これによりまして、地震観測施設及び火山観測施設の整備等を行いました。
第三に、気候変動対策の強化を図るため一億三千九百五十六万円を支出いたしました。これによりまして、観測・監視体制の整備を行いました。
以上をもちまして、平成二年度の
運輸省所管一般会計及び
特別会計の決算の
概要説明を終わります。
何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
…………………………………
平成二年度決算
運輸省についての検査の概要に関する主管局長の説明
会計検査院
平成二年度
運輸省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項二件であります。
まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。
検査報告番号一七三号は、東京都が実施した
地下高速鉄道建設事業におきまして、補助の対象とならない
土地取得費を
補助対象としているものであります。
検査報告番号一七四号は、福岡県が実施した
港湾改修事業におきまして、
施工計画等が適切でなかったため岸壁の舗装等が沈下するなどしているものであります。
次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
その一は、
防波堤築造工事等における
ケーソン製作費の積算に関するものであります。
運輸省では、
港湾整備事業の一環として、防波堤、岸壁等の築造工事を毎年度多数施行しておりますが、このうち、防波堤の本体となる鉄筋コンクリート製の
ケーソンをフローティングドッグを使用して製作するなどの工事におきまして、
ケーソンの「各層の施工高」の設定方法が積算の基準に定められていないため、
ケーソン製作費の積算額が過大になっているものがあると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、
運輸省では、積算の基準を整備し、
ケーソン製作における施工層数を適切に決定する処置を講じたものであります。
その二は、
航空機騒音対策における貸付金に関するものであります。
運輸省では、
空港周辺整備機構に対し、同機構が空港周辺整備計画に基づき行う
共同住宅建設事業に対し、その事業に要する経費に充てる資金を無利子で貸し付けておりますが、貸付金を財源の一部として建設した
共同住宅が譲渡されているのに、これに係る貸付金が貸し付けられたままとなっていて、貸付金の管理が適切でないと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、
運輸省では、
空港周辺整備機構に対し通達を発し、
共同住宅建設事業により建設した住宅を移転補償事業の対象となる民間会社等に譲渡した場合には、貸付金の繰上償還を行わせることとする処置を講じたものであります。
以上をもって概要の説明を終わります。
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平成三年度
決算概要説明書
運輸省
平成三年度の
運輸省所管一般会計及び
特別会計の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
まず、
一般会計について申し上げます。
第一に、
運輸省主管の歳入でありますが、
歳入予算額三十八億七千三百四十四万円余に対し、
収納済歳入額は三十九億五千百九十八万円余であり、差引き七千八百五十四万円余の増加となっております。
第二に、
運輸省所管一般会計の歳出でありますが、
歳出予算現額八千七百八十六億九千九百九十万円余に対し、
支出済歳出額は八千四百八十一億二千五百九十五万円余でありまして、その差額三百五億七千三百九十四万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は二百六十三億五千百四十三万円余であり、不用となりました額は四十二億二千二百五十一万円余であります。
次に、
特別会計について申し上げます。
まず第一に、
自動車損害賠償責任再
保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、
収納済歳入額は三兆二千三百十二億七千七百六十八万円余であり、
支出済歳出額は四千九百九十八億四千六百五十二万円余でありまして、差引き二兆七千三百十四億三千百十六万円余の剰余を生じ、この
剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
第二に、
港湾整備特別会計でありますが、
港湾整備及び
特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、
収納済歳入額は四千三百二十八億五千百九十万円余であり、
支出済歳出額は四千二百億三千七百六十六万円余でありまして、差引き百二十八億一千四百二十四万円余の剰余を生じ、この
剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
第三に、
自動車検査登録特別会計でありますが、
収納済歳入額は四百八十五億三千九百十三万円余であり、
支出済歳出額は三百九十七億九千八百四十七万円余でありまして、差引き八十七億四千六十六万円余の剰余を生じ、この
剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
第四に、
空港整備特別会計でありますが、
収納済歳入額は五千二十八億三千三百八万円余であり、
支出済歳出額は四千四百八十二億六百五十万円余でありまして、差引き五百四十六億二千六百五十七万円余の剰余を生じ、この
剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
以下、部門別に主要な事項につきまして、御説明申し上げます。
まず、鉄道整備の推進について申し上げます。
国鉄改革の総仕上げに向け、
旅客鉄道株式会社の株式上場に備え環境の整備を図るため、「新
幹線鉄道保有機構」が一括保有していた既設新幹線を関係旅客会社に譲渡いたしました。
この譲渡収入の一部を鉄道整備のための新たな財源として活用し、これらの特定財源に基づく助成と既存の
一般会計及び
産業投資特別会計からの助成とを総合的かつ効率的に行うため、「新
幹線鉄道保有機構」を解散し、新たに「鉄道整備基金」を設立し、
整備新幹線、主要
幹線鉄道、都市鉄道の整備の推進等を図りました。
このうち、まず、
整備新幹線の建設につきましては、前述の特定財源を活用するとともに、
新幹線鉄道整備事業に係る
NTT株売払収入を活用した無
利子貸付金として、
産業投資特別会計から日本鉄道建設公団に対し八十三億三千三百七十六万円余の貸付けを実施いたしました。さらに、
日本鉄道建設公団整備新幹線建設推進準備事業費補助金として十七億四千九百八十五万円余を交付いたしました。これによりまして、
整備新幹線の
建設促進を図るとともに所要の調査を行いました。
第二に、主要
幹線鉄道の整備につきましては、
幹線鉄道活性化事業費補助金として、
山形ジェイアール直行特急保有株式会社及び
北越急行株式会社に対し三十億六千百四十万円、日本鉄道建設公団工事費等補助金として、日本鉄道建設公団に対し百五十五億四千七百四十八万円余を交付いたしました。これによりまして、主要幹線と新幹線との直通運転化、
幹線鉄道の活性化、AB線の建設等を実施いたしました。
第三に、都市鉄道の整備につきましては、
地下高速鉄道建設費補助金として、
帝都高速度交通営団ほか一都八市に対し六百二億五千五百八十七万円余、
ニュータウン鉄道建設費補助金として、神戸市に対し四億五千九十九万円余、
日本鉄道建設公団補給金として、日本鉄道建設公団に対し百六十一億一千二百五十九万円余を交付いたしました。これによりまして、都市鉄道の
整備促進を図りました。
第四に、安全・
防災対策につきましては、
災害復旧事業費補助金として、九州
旅客鉄道株式会社及び島原鉄道株式会社に対し七億一千四百十三万円余、
鉄道防災事業費補助として、東日本
旅客鉄道株式会社ほか六
事業者に対し八億六千四百五十二万円余、
踏切保安設備整備費補助金として、四国
旅客鉄道株式会社ほか十三
事業者に対し一億八千六百十六万円余を交付いたしました。これによりまして、鉄道施設の大規模な災害の復旧、
防災対策のための諸施設の整備及び
踏切事故の防止を図りました。
第五に、中小民鉄対策につきましては、鉄道軌道整備費等補助金として、北海道ちほく高原鉄道株式会社ほか三十一
事業者に対し十二億六千四百六十四万円余、鉄道軌道近代化設備整備費補助金として、高松琴平電気鉄道株式会社ほか二十四
事業者に対し六億四千七百十七万円余を交付いたしました。これによりまして、中小民鉄の維持改善を図り、地域住民の利便を確保いたしました。
次に、
国鉄改革の推進・
定着化対策について申し上げます。
日本国有鉄道清算事業団に対し、
日本国有鉄道清算事業団補助金として一千四億円、
特定地方交通線特別交付金として二十三億七千七百四十二万円余を交付いたしました。これによりまして、過去債務に係る
利子負担の軽減、
特定地方交通線の
バス転換等の促進を図りました。
次に、1空港、港湾、海岸等
運輸関係社会資本の
整備促進について申し上げます。
第一に、
空港整備につきましては、第六次
空港整備五箇年計画の初年度として、
空港整備特別会計において四千四百八十二億六百五十万円余を支出いたしました。
このうち、主な事項について申し上げますと、まず、新
東京国際空港公団に対する
政府出資等として三百五十七億一千七百四十五万円余を支出いたしました。これによりまして、新
東京国際空港の整備を推進いたしました。
次に、
東京国際空港の
沖合展開事業として一千百九十七億五千五百五十九万円余を支出いたしました。これによりまして、
沖合展開事業の整備を推進いたしました。
次に、
関西国際空港株式会社に対する
政府出資等として六百四十四億七千百九十九万円余を支出いたしました。これによりまして、
関西国際空港の整備を推進いたしました。
次に、
国内空港の整備を図るため七百八十億三千五百八十三万円余を支出いたしました。これによりまして、新広島空港ほか七十九空港の整備を実施いたしました。
次に、
公共用飛行場周辺における
航空機騒音障害防止のため二百二十九億五千五十七万円余を支出いたしました。これによりまして、
特定飛行場の周辺における
移転補償等を行うとともに、
緩衝緑地帯等の整備を実施いたしました。
以上によりまして、
航空輸送力の増強等に対処するとともに、航空の安全の確保と環境の整備を推進いたしました。
第二に、
港湾整備につきましては、第八次
港湾整備五箇年計画の初年度として、
港湾整備特別会計において四千二百億三千七百六十六万円余を支出いたしました。
このうち、
港湾整備勘定においては四千七十一億六千五百六十八万円余を支出し、
直轄港湾改修事業として百二十六港、十五航路及び六海域の工事を、
港湾改修補助事業として七百八十六港の工事を実施したほか、海水油濁
防止施設整備補助事業、
港湾公害防止対策補助事業、
港湾環境整備補助事業、
港湾事業調査補助事業等を実施いたしました。さらに、
港湾改修、
港湾環境整備等の促進を図るため、百十七港及び一海域について
港湾事業資金の貸付けを実施いたしました。
特定港湾施設工事勘定においては百二十八億七千百九十七万円余を支出し、
エネルギー港湾施設工事として五港、鉄鋼港湾施設工事として一港、
物資別専門埠頭港湾施設工事として二港の工事をそれぞれ実施いたしました。
以上によりまして、効率的な物流体系及び快適な旅客交通体系の形成、豊かで潤いに満ちたウォーターフロントの創出、地域の活性化、海上交通の安定性の向上等を図りました。
第三に、
海岸事業につきましては、第五次
海岸事業五箇年計画の初年度として二百九十七億九千七百九十二万円余を支出し、
海岸保全施設整備事業として
直轄事業四海岸、
補助事業三百七十四海岸、
海岸環境整備補助事業として七十二海岸、
公有地造成護岸等整備補助事業として六海岸の工事を実施いたしました。これによりまして、
海岸保全施設等の整備を促進いたしました。
また、
港湾施設災害復旧事業及び
港湾施設災害関連事業として百五十二億四千八百二十六万円余を支出し、
直轄事業十箇所、
補助事業八百三十六箇所の工事を実施いたしました。これによりまして、港湾及び海岸の
災害復旧を促進いたしました。
次に、地域における公共交通の維持整備について申し上げます。
第一に、地方バス路線維持費補助金として、北海道ほか四十五都府県に対し百四億八千二百二十六万円余を交付いたしました。これによりまして、地方における乗合バスの運行を確保し、民生の安定に寄与いたしました。
また、
特定地方交通線代替輸送事業運営費補助金として、宗谷バス株式会社ほか二十四
事業者に対し十五億六千五百六十七万円余を交付いたしました。これによりまして、
特定地方交通線の
代替輸送を確保いたしました。
第二に、バス活性化システム整備費等補助金として、名古屋市交通局ほか十七
事業者に対し四億八十六万円余を交付いたしました。これによりまして、
バス輸送サービスを改善するためのシステムの整備等の促進を図りました。
第三に、離島航路補助金として、百二十八航路を経営する百二十一
事業者に対し三十八億四百万円余を交付いたしました一これによりまして、離島航路の輸送力を確保し、民生の安定と向上に寄与いたしました。
次に、海運、造船、船員雇用対策等について申し上げます。
まず、海運対策について申し上げます。
第一に、外航海運対策の推進のため、昭和五十四年度から五十六年度の間に締結した外航船舶建造融資利子補給契約に基づき、外航船舶建造融資利子補給金として、日本興業銀行ほか二十二行の一般金融機関に対し四千二百七十九万円余を交付するとともに、日本開発銀行が昭和六十二年度以降の海運会社の利子補給金相当額の利子支払いを猶予することに伴い、外航船舶建造融資利子猶予特別交付金として、同行に対し三十一億九千三百九十五万円余を交付いたしました。
第二に、船舶整備公団が行う業務の円滑な運営に資するため、同公団の借入金に係る利子の一部を補給する補給金として、同公団に対し三億九千七百九十八万円余を交付いたしました。
次に、造船業基盤整備対策について申し上げます。
造船業基盤整備事業協会に対し、高度船舶技術研究開発費補助金として九億七百九十二万円を交付いたしました。これによりまして、同協会が実施する次世代船舶研究開発促進業務等の円滑な推進を図りました。
次に、船員雇用対策等について申し上げます。
第一に、最近における船員の雇用情勢にかんがみ、船員雇用促進対策事業として十億一千二百二十四万円余を支出いたしました。これによりまして、離職船員の雇用の促進等を図りました。
第二に、財団法人海事国際協力センターに対し、開発途上国船員を対象とする研修を推進するため、事業の実施に要する経費の一部として五千九百四十七万円余を支出いたしました。これによりまして、開発途上国船員の養成に協力・貢献いたしました。
次に、国際交流の推進・観光の振興について申し上げます。
第一に、日本人の海外旅行を促進することにより、国際相互理解の増進、国際収支のバランスの改善等を図るため、東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター等に対し三億七千八百五十二万円余を支出いたしました。これによりまして、観光関係の国際協力等を推進いたしました。
第二に、「九十年代観光振興行動計画」の推進に関連して、国際観光振興会に対し、国際観光事業費補助金として二十二億一千五百二十万円余を交付いたしました。これによりまして、海外観光宣伝事業の充実等国際観光振興会の業務の充実を図りました。
また、観光
基盤施設整備費補助金として、石川県ほか一道十六県に対し三億三千八百九十九万円余を交付いたしました。これによりまして、自然に親しむ観光レクリエーション活動の場としての家族旅行村と来訪外客による伝統的地域文化の体験・地域住民との交流の場としての国際交流村の整備を促進いたしました。
次に、貨物流通関係について申し上げます。
貨物流通対策を推進するため三千七百四十二万円余を支出いたしました。これによりまして、物流業の労働力不足に対応した効率的物流システムの構築及び輸入促進に資する物流システムの形成を図るための調査を行いました。
次に、
運輸省関係の技術開発の推進について申し上げます。
財団法人鉄道総合技術研究所に対し、鉄道技術開発費補助金として三十一億二千二十八万円余を交付いたしました。これによりまして、超電導磁気浮上方式鉄道に係る技術開発をはじめとする鉄道技術開発の促進を図りました。
また、運輸の分野における応範な人工衛星の利用要請に応えるため六千八百二十三万円余を支出いたしました。これによりまして、多目的な機能を有する人工衛星システムの開発のための実証実験を行いました。
次に、地球環境問題への対応について申し上げます。
地球温暖化、オゾン層破壊等の地球環境問題に対応するため五億八千九百七十六万円余を支出いたしました。これによりまして、観測・監視体制の充実・強化を図るとともに、環境変化による社会経済への影響評価及び地球規模での環境保全対策を推進するための調査を行いました。
次に、海上保安体制の充実・強化について申し上げます。
第一に、海上における捜索救助に関する国際条約(SAR条約)及び海上人命安全条約(改正SOLAS条約)の発効、日米原子力協定に基づくプルトニウム
海上輸送の護衛実施、国際的な新海洋秩序形成の動き等に対応して、北西太平洋海域等における船舶の航行安全体制の確立、広大な周辺海域における我が国の権益を確保することを目的として、広域的哨戒体制の整備及び海洋調査の充実・強化を推進するため百四十三億四十九万円余を支出いたしました。これによりまして、引き続き巡視船三隻、航空機三機の整備及び海上保安通信体制の整備並びに管轄海域画定のための諸調査等を行ったほか、新たに、巡視船一隻及び巡視艇七隻の代替建造を行うとともに、巡視船一隻の代替建造及び中型測量船一隻の代替整備に着手いたしました。
第二に、航路標識の整備を図るため百四十九億六千九十八万円余を支出いたしました。これによりまして、灯台等光波標識五十一基、マイクロ波標識局一局、船舶通行信号所一箇所及び海上交通情報機構一部の整備並びに既存航路標識の改良改修を行うとともに、広域電波航法システム(ロランC)一部の米国からの移管整備に着手いたしました。
次に、気象業務体制の充実・強化について申し上げます。
第一に、台風・集中豪雨雪対策等観測予報体制の強化を図るため三十二億五十万円余を支出いたしました。これによりまして、静止気象衛星業務の推進、アメダス等地上気象観測施設及び気象レーダー観測網の整備を行いました。
第二に、地震・津波対策及び火山対策の強化を図るため一億六千九百六十二万円余を支出いたしました。これによりまして、地震観測施設及び火山観測施設の整備等を行いました。
第三に、気候変動対策の強化を図るため三億二千五百十八万円余を支出いたしました、これによりまして、観測・監視・予測体制の整備を行いました。
第四に、海洋及び海上気象観測体制を整備するため四億四千三万円余を支出いたしました。これによりまして、海洋気象観測船の代替建造に着手いたしました。
このほか、平成四年にイタリアのジェノヴァ市において開催される国際船と海の博覧会に参加するため、
一般会計において二億六千四百十一万円余、
港湾整備特別会計において一億二十七万円余、
空港整備特別会計において二千五万円余を支出いたしました。これによりまして、政府出展の準備等を行いました。
以上をもちまして、平成三年度の
運輸省所管一般会計及び
特別会計の決算の
概要説明を終わります。
何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
…………………………………
平成三年度決算
運輸省についての検査の概要に関する主管局長の説明
会計検査院
平成三年度
運輸省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項三件であります。
まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。
検査報告番号一六二号及び一六三号の二件は、和歌山県が実施した
南紀白浜空港整備事業におきまして、
道路トンネルの覆
工コンクリートの施工が設計と著しく相違していて、工事の目的を達していないものであります。
次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。儀待期手当の支給に関するものであります。
運輸省では、特定の漁業に従事していた若年の離職者で船員となろうとする者に対し、
職業訓練を受けるまでの期間に応じて
訓練待期手当を支給しておりますが、受給者に対し
職業訓練の受講意志等の確認や
受講指示を行っていないなどのため、調査した
受給者全員が
職業訓練を受けていない結果となっていて、手当支給の目的を達していないと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、
運輸省では、地方運輸局に通達を発し、事務処理を適切に行うための手続を定めるとともに、海運支局等に制度等の趣旨を周知するよう指導を徹底させることとする処置を講じたものであります。
その二は、
桟橋式岸壁等の上部工の
支保工費及び型枠費の積算に関するものであります。
宮城県ほか十一事業主体が
補助事業で実施した
桟橋式岸壁等の築造工事におきまして、
桟橋式岸壁等の上部工の支保工や型枠の歩掛かりについて積算の基準で適用の基準が示されていなかったことなどのため、陸上から直接作業することが可能であるのに、海上から作業船を使用して作業する場合の歩掛かりを適用していて、積算額が過大になっていると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、
運輸省では、積算の基準を改正し、支保工や型枠の歩掛かりの適用の基準を示すなどして適切に積算が行われることとする処置を講じたものであります。
その三は、
岸壁等築造工事における防砂板の設置に関するものであります。
秋田県ほか五事業主体が
補助事業で実施した岸壁等の築造工事におきまして、裏込工における防砂板の設置について具体的な設計の基準が定められていなかったため、必要のない箇所に防砂板が設置されていて工事費が不経済になっていると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、
運輸省では、防砂板設置の基準をとりまとめ、現場条件を考慮して必要のない箇所に防砂板を設置しないよう港湾管理者を指導することとする処置を講じたものであります。
以上をもって概要の説明を終わります。
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