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1994-05-27 第129回国会 衆議院 決算委員会第四分科会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
六年五月二十七日(金曜日) 午前十時
開議
出席分科員
主 査
田端
正広君
安倍
晋三君
水野
清君
江崎
鐵磨
君
実川
幸夫
君 日野 市朗君 小沢 鋭仁君
佐藤
敬夫
君
増子
輝彦
君
兼務
田野瀬良太郎
君
兼務
山本
公一
君
兼務
小森
龍邦
君
兼務
楢崎弥之助
君
兼務
久保哲司
君
出席政府委員
運輸政務次官
星野
行男
君
運輸大臣官房長
黒野 匡彦君
運輸省運輸政策
局長
豊田 実君
運輸省鉄道局長
秦野 裕君
運輸省海上交通
局長
尾松
伸正
君
運輸省海上技術
安全局長
小川 健兒君
運輸省海上技術
安全局船員部長
高橋 伸和君
運輸省港湾局長
坂井 順行君
運輸省航空局長
土坂
泰敏
君
分科員外
の
出席者
会計検査院事務
総長官房審議官
大和 顕治君
会計検査院事務
総局第三
局長
佐藤
恒正君
決算委員会調査
室長
山本
正君
—————————————
分科員
の異動 五月二十七日
辞任
補欠選任
水野
清君
小野
晋也君
中西
啓介
君
実川
幸夫
君
鹿野
道彦
君
増子
輝彦
君 同日
辞任
補欠選任
小野
晋也君
安倍
晋三君
実川
幸夫
君
江崎
鐵磨
君
増子
輝彦
君
佐藤
敬夫
君 同日
辞任
補欠選任
安倍
晋三君
水野
清君
江崎
鐵磨
君
中西
啓介
君
佐藤
敬夫
君
鹿野
道彦
君 同日 第一
分科員田野瀬良太郎
君、第二
分科員楢崎弥
之助君、第三
分科員山本公一
君、
小森龍邦
君及
び久保哲司
君が本
分科兼務
となった。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
平成
二
年度
一般会計歳入歳出決算
平成
二
年度
特別会計歳入歳出決算
平成
二
年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
二
年度
政府関係機関決算書
平成
二
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
二
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
平成
三
年度
一般会計歳入歳出決算
平成
三
年度
特別会計歳入歳出決算
平成
三
年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
三
年度
政府関係機関決算書
平成
三
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
三
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
(
運輸省所管
) ————◇—————
田端正広
1
○
田端主査
これより
決算委員会
第四
分科会
を開会いたします。
平成
二
年度
決算外
二件及び
平成
三
年度
決算外
二件中、本日は、
運輸省所管
について審査を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。
運輸政務次官星野行男
君。
星野行男
2
○
星野
(行)
政府委員
平成
二
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計
についてでございます。 第一に、
運輸省主管
の
歳入
でありますが、
歳入予算額
二十五億四千百六十一万円余に対しまして、
収納済み歳入額
は二十九億八百三十九万円余であり、
差し引き
三億六千六百七十八万円余の
増加
と相なっております。 第二に、
運輸省所管一般会計
の
歳出
でございますが、
歳出予算
現額八千五百三億六千二百八十五万円余に対しまして、
支出済み歳出額
は八千三百四十億五千七百四十七万円余でございまして、その
差額
百六十三億五百三十七万円余のうち、翌
年度
へ繰り越しました額は百四十億二千三百八十三万円余であり、
不用
と相なりました額は二十二億八千百五十四万円余であります。 次に、
特別会計
について申し上げます。 まず第一に、
自動車損害賠償責任
再
保険特別会計
でございますが、
保険
、
保障
及び
業務
の三
勘定
を合わせて申し上げますと、
収納済み歳入額
は二兆九千九百億二千六百五十一万円余でございまして、
支出済み歳出額
は四千七百九十四億九千百八十二万円余であり、
差し引き
二兆五千百五億三千四百六十九万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れた次第でございます。 第二に、
港湾整備特別会計
でありますが、
港湾整備
及び
特定港湾施設工事
の二
勘定
を合わせて申し上げますと、
収納済み歳入額
は四千百七十七億五千五百八十三万円余であり、
支出済み歳出額
は四千百二億二千九百六十一万円余でございまして、
差し引き
七十五億二千六百二十二万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 第三に、
自動車検査登録特別会計
でありますが、
収納済み歳入額
は四百四十五億三千六百二十四万円余であり、
支出済み歳出額
は三百六十八億二十七万円余でございまして、
差し引き
七十七億三千五百九十七万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れたところでございます。 第四に、
空港整備特別会計
でございますが、
収納済み歳入額
は四千二百二十六億三千五百二十六万円余であり、
支出済み歳出額
は三千四百九十八億二千五百二万円余でございまして、
差し引き
七百二十八億一千二十四万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れた次第であります。 以上が、
平成
二
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
の
概要
でございまして、このうち主要な
事項
につきましては、お
手元
に
配付
をいたしました
平成
二
年度
決算概要説明書
をごらんいただきたいと存じます。 何とぞよろしく御
審議
のほどお願い申し上げる次第であります。 引き続きまして、
平成
三
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計
について申し上げます。 第一に、
運輸省主管
の
歳入
でございますが、
歳入予算額
三十八億七千三百四十四万円余に対しまして、
収納済み歳入額
は三十九億五千百九十八万円余であり、
差し引き
七千八百五十四万円余の
増加
と相なっております。 第二に、
運輸省所管一般会計
の
歳出
でございますが、
歳出予算
現額八千七百八十六億九千九百九十万円余に対しまして、
支出済み歳出額
は八千四百八十一億二千五百九十五万円余であり、その
差額
三百五億七千三百九十四万円余のうち、翌
年度
へ繰り越しました額は二百六十三億五千百四十三万円余であり、
不用
と相なりました額は四十二億二千二百五十一万円余でございます。 次に、
特別会計
について申し上げます。 まず第一に、
自動車損害賠償責任
再
保険特別会計
でございますが、
保険
、
保障
及び
業務
の三
勘定
を合わせて申し上げますと、
収納済み歳入額
は三兆二千三百十二億七千七百六十八万円余でございまして、
支出済み歳出額
は四千九百九十八億四千六百五十二万円余であり、
差し引き
二兆七千三百十四億三千百十六万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れたところでございます。 第二に、
港湾整備特別会計
でございますが、
港湾整備
及び
特定港湾施設工事
の二
勘定
を合わせて申し上げますと、
収納済み歳入額
は四千三百二十八億五千百九十万円余であり、
支出済み歳出額
は四千二百億三千七百六十六万円余でございまして、
差し引き
百二十八億一千四百二十四万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れたところでございます。 第三に、
自動車検査登録特別会計
でございますが、
収納済み歳入額
は四百八十五億三千九百十三万円余でございまして、
支出済み歳出額
は三百九十七億九千八百四十七万円余であり、
差し引き
八十七億四千六十六万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 第四に、
空港整備特別会計
でございますが、
収納済み歳入額
は五千二十八億三千三百八万円余であり、
支出済み歳出額
は四千四百八十二億六百五十万円余でございまして、
差し引き
五百四十六億二千六百五十七万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れたところでございます。 以上が、
平成
三
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
の
概要
でございまして、このうち主要な
事項
につきましては、お
手元
に
配付
を申し上げました
平成
三
年度
決算概要説明書
をごらんいただきたいと存じます。 以上をもちまして、
平成
三
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
の
概要説明
を終わります。 何とぞよろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。
田端正広
3
○
田端主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院佐藤
第三
局長
。
佐藤恒正
4
○
佐藤会計検査院説明員
平成
二
年度
運輸省
の
決算
につきまして検査いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
法律
、
政令
もしくは
予算
に違反し、または不当と認めた
事項
二件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
二件であります。 まず、
法律
、
政令
もしくは
予算
に違反し、または不当と認めた
事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
一七三号は、
東京
都が
実施
した
地下高速鉄道建設事業
におきまして、
補助
の
対象
とならない
土地取得費
を
補助対象
としているものであります。
検査報告番号
一七四号は、
福岡
県が
実施
した
港湾改修事業
におきまして、
施工計画等
が適切でなかったため
岸壁
の
舗装等
が沈下するなどしているものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 その一は、
防波堤築造工事等
における
ケーソン製作費
の
積算
に関するものであります。
防波堤築造工事等
において、
フローティングドック
で製作する
ケーソン
一層ごとの
施工高
を適切に設定していなかったため
ケーソン製作費
の
積算額
が過大となっておりました。これについて
指摘
したところ
改善
の
処置
がとられたものであります。 その二は、
航空機騒音対策
における
貸付金
に関するものであります。
運輸省
におきまして、
航空機騒音
のため移転する
借家人
のために
空港周辺整備機構
が国から
貸付金
の貸し付けを受けて
建設
した
共同住宅
が譲渡されているのに、これに係る
貸付金
が貸し付けられたままとなっておりました。これについて
指摘
したところ
改善
の
処置
がとられたものであります。 以上をもって
概要
の
説明
を終わります。 引き続きまして、
平成
三
年度
運輸省
の
決算
につきまして検査いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
法律
、
政令
もしくは
予算
に違反し、または不当と認めた
事項
二件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
三件であります。 まず、
法律
、
政令
もしくは
予算
に違反し、または不当と認めた
事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
一六二号及び一六三号の二件は、和歌山県が
実施
した
南紀白浜空港整備事業
におきまして、
道路トンネル
の覆
工コンクリート
の
施工
が
設計
と著しく相違していて、
工事
の
目的
を達していないものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 その一は、
船員離職者職業転換等給付金
の
訓練待期手当
の
支給
に関するものであります。
運輸省
におきまして、
特定
の漁業に従事していた若年の
離職者
で
船員
となろうとする者に対し、
職業訓練
を受けるまでの期間に応じて
支給
される
訓練待期手当
の
支給
に当たり、
受給者
に対し
職業訓練
の
受講意思等
の確認や
受講指示
を行っていないなどのため、調査した
受給者全員
が
職業訓練
を受けていない
事態
が見受けられました。これについて
指摘
したところ
改善
の
処置
がとられたものであります。 その二は、
桟橋式岸壁等
の
上部工
の
支保工費
及び
型枠費
の
積算
に関するものであります。
補助事業
で行う
桟橋式岸壁等築造工事
において、
積算
の
基準
で
支保工
や
型枠
の歩掛かりの適用の
基準
が示されていなかったことなどのため、
積算額
が過大となっておりました。これについて
指摘
したところ
改善
の
処置
がとられたものであります。 その三は、
岸壁等築造工事
における
防砂板
の
設置
に関するものであります。
補助事業
で行う
岸壁等築造工事
において、
防砂板
の
設置
について具体的な
設計
の
基準
が定められていなかったため、必要のない
防砂板
が
設置
されていて
工事費
が不経済になっておりました。これについて
指摘
したところ
改善
の
処置
がとられたものであります。 以上をもって
概要
の
説明
を終わります。
田端正広
5
○
田端主査
ただいまの
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
について、
説明
を聴取いたします。
星野運輸政務次官
。
星野行男
6
○
星野
(行)
政府委員
会計検査院
の
指摘
に対しまして、
運輸省
のとった
措置
について御
説明
申し上げます。 まず、
平成
二
年度
の
予算
の
執行
につきまして、
不当事項
として
指摘
を受けた、
検査報告番号
一七三号の「
地下高速鉄道建設事業
の
実施
に当たり、
補助
の
対象
とならない
土地取得費
を
補助対象
としているもの」及び同一七四号の「
港湾改修事業
の
実施
に当たり、
施工計画等
が適切でなかったため
岸壁
の
舗装等
が沈下するなどしているもの」につきまして、御
説明
申し上げます。
地方公共団体等
が行う
国庫補助事業
につきましては、その適正な
執行
を図るため、常に
努力
をいたしているところでございますが、なお
補助
の
対象
とは認められないもの及び
工事
の
施工計画等
が適切でなかったものにつきまして
指摘
を受けるような
事態
を生じましたことは、まことに遺憾でございます。 今後は、このようなことのないようさらに
事業
の適正な
執行
につきまして
努力
を傾注するとともに、
補助事業者
に対しまして
指導
の
徹底
を期する
所存
でございます。 なお、
指摘
に係る
補助事業者
に対しましては、今後十分注意するよう
指示
を与え、
指摘事項
については次のとおり
措置
をいたしました。 一七三号の
東京
都の
高速鉄道
十二号線
建設事業
につきましては、
平成
三年十一月五日に
国庫補助金
を返還いたさせました。 一七四号の
福岡
県の
苅田港改修事業
につきましては、
平成
四年二月二十六日に
手直し工事
を完了いたさせました。 次に、
平成
三
年度
の
予算
の
執行
についてでございますが、
不当事項
として
指摘
を受けました、
検査報告番号
一六二号及び一六三号の「
空港整備事業
の
実施
に当たり、
道路トンネル
の覆
工コンクリート
の
施工
が
設計
と著しく相違していて、
工事
の
目的
を達していないもの」につきまして、御
説明
を申し上げます。
平成
三
年度
決算
に関しましては、
工事
の
施工
が適切でなかったものについて
指摘
を受けたわけでございますが、
平成
二
年度
決算
に関する
指摘
と同様にまことに遺憾であり、さらに
補助事業者
に対しまして
指導
の
徹底
を期する
所存
でございます。 なお、
指摘
に係る
補助事業者
に対しましては、今後十分注意するよう
指示
を与え、
本件工事
につきましては、請負人におきまして、
平成
四年九月十四日に
手直し工事
を完了させたところでございます。 以上でございます。
田端正広
7
○
田端主査
この際、お諮りいたします。 お
手元
に
配付
いたしております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田端正広
8
○
田端主査
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
平成
二
年度
決算概要説明書
運輸省
平成
二
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計
について申し上げます。 第一に、
運輸省主管
の
歳入
でありますが、
歳入予算額
二十五億四千百六十一万円余に対し、
収納済歳入額
は二十九億八百三十九万円余であり、差引き三億六千六百七十八万円余の
増加
となっております。 第二に、
運輸省所管一般会計
の
歳出
でありますが、
歳出予算
現額八千五百三億六千二百八十五万円余に対し、
支出済歳出額
は八千三百四十億五千七百四十七万円余でありまして、その
差額
百六十三億五百三十七万円余のうち、翌
年度
へ繰り越しました額は百四十億二千三百八十三万円余であり、
不用
となりました額は二十二億八千百五十四万円余であります。 次に、
特別会計
について申し上げます。 まず第一に、
自動車損害賠償責任
再
保険特別会計
でありますが、
保険
、
保障
及び
業務
の三
勘定
を合わせて申し上げますと、
収納済歳入額
は二兆九千九百億二千六百五十一万円余であり、
支出済歳出額
は四千七百九十四億九千百八十二万円余でありまして、差引き二兆五千百五億三千四百六十九万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 第二に、
港湾整備特別会計
でありますが、
港湾整備
及び
特定港湾施設工事
の二
勘定
を合わせて申し上げますと、
収納済歳入額
は四千百七十七億五千五百八十三万円余であり、
支出済歳出額
は四千百二億二千九百六十一万円余でありまして、差引き七十五億二千六百二十二万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 第三に、
自動車検査登録特別会計
でありますが、
収納済歳入額
は四百四十五億三千六百二十四万円余であり、
支出済歳出額
は三百六十八億二十七万円余でありまして、差引き七十七億三千五百九十七万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
こ繰り入れました。 第四に、
空港整備特別会計
でありますが、
収納済歳入額
は四千二百二十六億三千五百二十六万円余であり、
支出済歳出額
は三千四百九十八億二千五百二万円余でありまして、差引き七百二十八億一千二十四万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 以下、
部門別
に主要な
事項
につきまして、御
説明
申し上げます。 まず、
国鉄改革
の
推進
・
定着化対策
について申し上げます。 第一に、
日本国有鉄道清算事業団
に対し、
日本国有鉄道清算事業団補助金
として一千五百十億円、
特定地方交通線特別交付金
として二十三億七千五百万円を交付いたしました。これによりまして、過去債務に係る
利子負担
の
軽減
及び
特定地方交通線
の
バス転換等
の
促進
を図りました。 第二に、
旅客鉄道株式会社等
に対し、
踏切保安設備整備費補助金
として一億一千百五十二万円余、
鉄道防災事業費補助
として二十億七十四万円余を交付いたしました。これによりまして、
踏切事故
の
防止
及び
防災対策
のための諸
設備
の
整備
を図りました。 さらに、
特定地方交通線代替輸送事業運営費補助金
として、白糠町ほか二十九
事業者
に対し十四億一千四百三万円余、
特定地方交通線転換鉄道等運営費補助金
として、
阿武隈急行株式会社
ほか二十四
事業者
に対し七億三千七百九十六万円余を交付いたしました。これによりまして、
特定地方交通線
の
代替輸送
を
確保
いたしました。 次に、
空港
、
港湾
、
海岸
、
鉄道等運輸関係社会資本
の
整備促進
について申し上げます。 第一に、
空港整備
につきましては、第五次
空港整備
五箇年
計画
の
最終年度
として、
空港整備特別会計
において三千四百九十八億二千五百二万円余を支出いたしました。 このうち、主な
事項
について申し上げますと、まず、
関西国際空港株式会社
に対する
政府出資等
として三百四十億四千百二十万円余を支出いたしました。これによりまして、
関西国際空港
の
整備
を
推進
いたしました。 次に、新
東京国際空港
公団
に対する
政府出資等
として二百六十三億六千四百九十七万円余を支出いたしました。これによりまして、新
東京国際空港
の
整備
を
推進
いたしました。 次に、
東京国際空港
の
沖合展開事業
として六百三十九億八千四百六十二万円余を支出いたしました。これによりまして、
沖合展開事業
の
整備
を
推進
いたしました。 次に、
国内空港
の
整備
を図るため八百二十九億九千七百四十九万円余を支出いたしました。これによりまして、新広島
空港
ほか七十三
空港
の
整備
を
実施
いたしました。 次に、
公共用飛行場周辺
における
航空機騒音障害防止
のため二百三億五千三百九十四万円余を支出いたしました。これによりまして、
特定飛行場
の
周辺
における
移転補償等
を行うとともに、
緩衝緑地帯等
の
整備
を
実施
いたしました。 以上によりまして、
航空輸送力
の
増強等
に対処するとともに、
航空
の安全の
確保
と
環境
の
整備
を
推進
いたしました。 第二に、
港湾整備
につきましては、第七次
港湾整備
五箇年
計画
の
最終年度
として、
港湾整備特別会計
において四千百二億二千九百六十一万円余を支出いたしました。 このうち、
港湾整備勘定
においては四千十八億七千六百二十六万円余を支出し、
直轄港湾改修事業
として百二十五港、十五航路及び七
海域
の
工事
を、
港湾改修補助事業
として七百八十港の
工事
を
実施
したほか、海水油濁
防止施設整備補助事業
、
港湾公害防止対策補助事業
、
港湾環境整備補助事業
及び
港湾事業調査補助事業等
を
実施
いたしました。さらに、
港湾改修
及び
港湾環境整備等
の
促進
を図るため、百三十港及び一
海域
について
港湾事業資金
の
貸付
を
実施
いたしました。
特定港湾施設工事勘定
においては八十三億五千三百三十四万円余を支出し、
エネルギー港湾施設工事
として六港、
物資別専門埠頭港湾施設工事
として二港の
工事
をそれぞれ
実施
いたしました。 以上によりまして、
貨物輸送
の
合理化
、
海上輸送
の
安定性
の向上、海外に依存する
各種資源
の
安定的確保
、
地域振興
のための
基盤施設
の
整備
、豊かな
生活空間
の形成、
港湾利用
の
高度化等
を図りました。 第三に、
海岸事業
につきましては、第四次
海岸事業
五箇年
計画
の
最終年度
として二百八十八億五千九百六十一万円余を支出し、
海岸保全施設整備事業
として
直轄事業
四
海岸
、
補助事業
三百八十二
海岸
、
海岸環境整備補助事業
として六十三
海岸
、
公有地造成護岸等整備補助事業
として八
海岸
の
工事
を
実施
いたしました。これによりまして、
海岸保全施設等
の
整備
を
促進
いたしました。 また、
港湾施設災害復旧事業
及び
港湾施設災害関連事業
として四十九億四千七百九十一万円余を支出し、
直轄事業
四か所、
補助事業
二百九十六か所の
工事
を
実施
いたしました。これによりまして、
港湾
及び
海岸
の
災害復旧
を
促進
いたしました。 第四に、
鉄道
につきましては、日本
鉄道
建設
公団
に対し、
日本鉄道建設公団工事費補助金
として百六十億八千八百九万円余、
日本鉄道建設公団整備新幹線難工事推進事業費補助金
として二十九億三千三十七万円余、
日本鉄道建設公団整備新幹線建設推進準備事業費補助金
として二十八億二千二十八万円余、
日本鉄道建設公団補給金
として百四十三億九百六十八万円余を交付いたしました。これによりまして、
地方鉄道新線
の
建設
並びに
整備新幹線
の難
工事推進事業
及び
建設推進準備事業
を行うとともに、
旅客鉄道株式会社
への
貸付線
及び
大都市圏
の
鉄道事業者
への
譲渡線
の
資本費負担
の
軽減
を図りました。 このほか、
新幹線鉄道整備事業
に係る
NTT株売払収入
を活用した無
利子貸付金
として、
産業投資特別会計
の
歳出予算
から同
公団
に対し五十三億八千七百九十三万円余の
貸付
を
実施
いたしました。これによりまして、
北陸新幹線高崎
・軽井沢間の
建設促進
を図りました。 また、
幹線鉄道活性化事業費補助金
として、
山形ジェイアール直行特急保有株式会社
及び
北越急行株式会社
に対し十七億九千七百四十万円を交付いたしました。これによりまして、
幹線鉄道
の
新幹線
との
直通運転化等
のための
工事
を
実施
いたしました。 次に、
運輸関係社会資本
の
整備
と相まって形成される
交通ネットワーク
の
整備促進
について申し上げます。 第一に、
地下高速鉄道建設費補助金
として、
東京
都ほか一県八市に対し三百九十五億九千七百二十二万円余を交付いたしました。これによりまして、
帝都高速度交通営団
ほか九
事業者
による
地下高速鉄道網
の
整備
を
促進
いたしました。 第二に、
ニュータウン鉄道建設費補助金
として、神戸市に対し四億四千九百五十万円余を交付いたしました。これによりまして、
西神ニュータウン
における
鉄道
の
整備
を
促進
いたしました。 第三に、
バス交通活性化対策費補助金
として、京都市
交通局
ほか六
事業者
に対し二億六千五百五十八万円を交付いたしました。これによりまして、
バス輸送サー
ビスの
改善
のための施設の
整備
等の
促進
を図りました。 第四に、
鉄道
軌道
整備
費等
補助
金として、一畑電気
鉄道
株式会社ほか二十九
事業者
に対し八億四千七百三十六万円余を交付いたしました。これによりまして、中小民鉄の維持
改善
を図り、地域住民の利便を
確保
いたしました。 第五に、
踏切保安設備整備費補助金
として、島原
鉄道
株式会社ほか十六
事業者
に対し一億一千九百九十三万円余を交付いたしました。これによりまして、
踏切事故
の
防止
を図りました。 第六に、地方バス路線維持費
補助
金として、北海道ほか四十五都府県に対し百三億六千百八十六万円余を交付いたしました。これによりまして、地方における乗合バスの運行を
確保
し、民生の安定に寄与いたしました。 第七に、離島航路
補助
金として、百二十四航路を経営する百十七
事業者
に対し三十七億六千四百三十七万円余を交付いたしました。これによりまして、離島航路の輸送力を
確保
し、民生の安定と向上に寄与いたしました。 次に、海運、造船及び
船員
雇用対策等について申し上げます。 まず、海運対策について申し上げます。 第一に、外航海運対策の
推進
のため、昭和五十四
年度
から五十六
年度
の間に締結した外航船舶建造融資利子補給契約に基づき、外航船舶建造融資利子補給金として、日本興業銀行ほか二十三行の一般金融機関に対し一億六千三百五十万円余を交付するとともに、日本開発銀行が昭和六十二
年度
以降の海運会社の利子補給金相当額の利子支払いを猶予することに伴い、外航船舶建造融資利子猶予特別交付金として、同行に対し二十二億三千六百七十九万円余を交付いたしました。 第二に、船舶
整備
公団
が行う
業務
の円滑な運営に資するため、同
公団
の借入金に係る利子の一部を補給する補給金として、同
公団
に対し二億二千九百八十三万円余を交付いたしました。 次に、造船業経営安定対策について申し上げます。 第一に、造船業基盤
整備
事業
協会に対する補給金として二億六千三百万円を交付いたしました。これによりまして、造船業の過剰
整備
の処理に伴う
業務
の円滑な
推進
を図りました。 第二に、造船業基盤
整備
事業
協会に対し、次世代船舶研究開発費
補助
金として七億八千四百万円を交付いたしました。これによりまして、同協会が
実施
する次世代船舶研究開発
促進
業務
の円滑な
推進
を図りました。 次に、
船員
雇用対策等について申し上げます。 第一に、最近における
船員
の雇用情勢にかんがみ、
船員
雇用
促進
対策
事業
として四億六千百八万円余を支出いたしました。これによりまして、離職
船員
の雇用の
促進
等を図りました。 第二に、財団法人海事国際協力センターに対し、開発途上国
船員
を
対象
とする研修を
推進
するため、
事業
の
実施
に要する経費の一部として二千六百九十八万円余を支出いたしました。これによりまして、開発途上国
船員
の養成に協力・貢献いたしました。 次に、国際交流の
推進
・観光の振興について申し上げます。 第一に、日本人の海外旅行を
促進
することにより、国際相互理解の増進、国際収支のバランスの
改善
等を図るため、東南アジア諸国連合貿易投資観光
促進
センター等に対し三億六千三百六十万円余を支出いたしました。これによりまして、観光関係の国際協力を
推進
いたしました。 第二に、「九十年代観光振興行動
計画
」の
推進
に関連して、国際観光振興会に対し、国際観光
事業
費
補助
金として二十二億七千七百二万円余を交付いたしました。これによりまして、海外観光宣伝
事業
の充実等国際観光振興会の
業務
の充実を図りました。 また、観光
基盤施設
整備
費
補助
金として、石川県ほか一道十五県に対し二億六千百万円を交付いたしました。これによりまして、自然に親しむ観光レクリエーション活動の場としての家族旅行村と来訪外客による伝統的地域文化の体験・地域住民との交流の場としての国際交流村の
整備
を
促進
いたしました。 次に、貨物流通関係について申し上げます。 貨物流通対策を
推進
するため二千三百二十二万円余を支出いたしました。これによりまして、物流業の労働力不足に対応した効率的物流システムを構築するための調査を行いました。 次に、運輸関係の技術開発の
推進
について申し上げます。 財団法人
鉄道
総合技術研究所に対し、
鉄道
技術開発等委託費として一億六千三百二十七万円余、
鉄道
技術開発費
補助
金として十五億一千七百五十一万円余を支出いたしました。これによりまして、超電導磁気浮上方式
鉄道
に係る技術開発をはじめとする
鉄道
技術開発の
促進
を図りました。 また、運輸の分野における広範な人工衛星の利用要請に応えるため五千六百三十四万円余を支出いたしました。これによりまして、多
目的
な機能を有する人工衛星システムの開発のための調査研究並びにそのための実証実験を行いました。 次に、地球
環境
問題への対応について申し上げます。 地球温暖化、オゾン層破壊等の地球
環境
問題に対応するため一億七千五十四万円余を支出いたしました。これによりまして、観測・監視体制の充実・強化を図るとともに、
環境
変化による社会経済への影響評価及び地球規模での
環境
保全対策を
推進
するための調査を行いました。 次に、海上保安体制の充実・強化について申し上げます。 第一に、「海上における捜索及び救助に関する国際条約」及び「改正SOLAS条約」の発効、日米原子力協定に基づくプルトニウム
海上輸送
の護衛
実施
、国際的な新海洋秩序形成の動き等に対応して、広大な
周辺
海域
における航行安全体制の確立、海上における犯罪の予防及び鎮圧、我が国の権益を
確保
することを
目的
として、広域的哨戒体制等の
整備
及び海洋調査の充実・強化を
推進
するため八十六億六千七百七十八万円余を支出いたしました。これによりまして、引き続き巡視船三隻、中型測量船一隻の建造、
航空
機二機の
整備
及び海上保安通信体制の
整備
並びに管轄
海域
画定のための諸調査等を行ったほか、新たに、巡視艇二隻及び測量艇一隻の代替建造を行うとともに、巡視船一隻の代替建造及び
航空
機一機の代替
整備
に着手いたしました。 第二に、航路標識の
整備
を図るため七十三億三千二百七十三万円余を支出いたしました。これによりまして、灯台等光波標識九十基、マイクロ波標識局三局及び海上交通情報機構一部の
整備
並びに既存航路標識の改良改修を行いました。 次に、気象
業務
体制の充実・強化について申し上げます。 第一に、台風・集中豪雨雪対策等観測予報体制の強化を図るため三十六億三千七百四十九万円余を支出いたしました。これによりまして、静止気象衛星
業務
の
推進
、アメダス等地上気象観測施設及び気象レーダー観測網等の
整備
を行いました。 第二に、地震・津波対策及び火山対策の強化を図るため二億三千五百十九万円余を支出いたしました。これによりまして、地震観測施設及び火山観測施設の
整備
等を行いました。 第三に、気候変動対策の強化を図るため一億三千九百五十六万円を支出いたしました。これによりまして、観測・監視体制の
整備
を行いました。 以上をもちまして、
平成
二
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
の
概要説明
を終わります。 何とぞよろしく御
審議
のほど、お願い申し上げます。 …………………………………
平成
二
年度
決算
運輸省
についての検査の
概要
に関する主管
局長
の
説明
会計検査院
平成
二
年度
運輸省
の
決算
につきまして検査いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
法律
、
政令
若しくは
予算
に違反し又は不当と認めた
事項
二件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
二件であります。 まず、
法律
、
政令
若しくは
予算
に違反し又は不当と認めた
事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
一七三号は、
東京
都が
実施
した
地下高速鉄道建設事業
におきまして、
補助
の
対象
とならない
土地取得費
を
補助対象
としているものであります。
検査報告番号
一七四号は、
福岡
県が
実施
した
港湾改修事業
におきまして、
施工計画等
が適切でなかったため
岸壁
の
舗装等
が沈下するなどしているものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 その一は、
防波堤築造工事等
における
ケーソン製作費
の
積算
に関するものであります。
運輸省
では、
港湾整備
事業
の一環として、防波堤、
岸壁
等の築造
工事
を毎
年度
多数施行しておりますが、このうち、防波堤の本体となる鉄筋コンクリート製の
ケーソン
をフローティングドッグを使用して製作するなどの
工事
におきまして、
ケーソン
の「各層の
施工高
」の設定方法が
積算
の
基準
に定められていないため、
ケーソン製作費
の
積算額
が過大になっているものがあると認められましたので、
当局
の見解をただしましたところ、
運輸省
では、
積算
の
基準
を
整備
し、
ケーソン
製作における
施工
層数を適切に決定する
処置
を講じたものであります。 その二は、
航空機騒音対策
における
貸付金
に関するものであります。
運輸省
では、
空港周辺整備機構
に対し、同機構が
空港
周辺
整備
計画
に基づき行う
共同住宅
建設事業
に対し、その
事業
に要する経費に充てる資金を無利子で貸し付けておりますが、
貸付金
を財源の一部として
建設
した
共同住宅
が譲渡されているのに、これに係る
貸付金
が貸し付けられたままとなっていて、
貸付金
の管理が適切でないと認められましたので、
当局
の見解をただしましたところ、
運輸省
では、
空港周辺整備機構
に対し通達を発し、
共同住宅
建設事業
により
建設
した住宅を移転補償
事業
の
対象
となる民間会社等に譲渡した場合には、
貸付金
の繰上償還を行わせることとする
処置
を講じたものであります。 以上をもって
概要
の
説明
を終わります。
—————————————
平成
三
年度
決算概要説明書
運輸省
平成
三
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計
について申し上げます。 第一に、
運輸省主管
の
歳入
でありますが、
歳入予算額
三十八億七千三百四十四万円余に対し、
収納済歳入額
は三十九億五千百九十八万円余であり、差引き七千八百五十四万円余の
増加
となっております。 第二に、
運輸省所管一般会計
の
歳出
でありますが、
歳出予算
現額八千七百八十六億九千九百九十万円余に対し、
支出済歳出額
は八千四百八十一億二千五百九十五万円余でありまして、その
差額
三百五億七千三百九十四万円余のうち、翌
年度
へ繰り越しました額は二百六十三億五千百四十三万円余であり、
不用
となりました額は四十二億二千二百五十一万円余であります。 次に、
特別会計
について申し上げます。 まず第一に、
自動車損害賠償責任
再
保険特別会計
でありますが、
保険
、
保障
及び
業務
の三
勘定
を合わせて申し上げますと、
収納済歳入額
は三兆二千三百十二億七千七百六十八万円余であり、
支出済歳出額
は四千九百九十八億四千六百五十二万円余でありまして、差引き二兆七千三百十四億三千百十六万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 第二に、
港湾整備特別会計
でありますが、
港湾整備
及び
特定港湾施設工事
の二
勘定
を合わせて申し上げますと、
収納済歳入額
は四千三百二十八億五千百九十万円余であり、
支出済歳出額
は四千二百億三千七百六十六万円余でありまして、差引き百二十八億一千四百二十四万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 第三に、
自動車検査登録特別会計
でありますが、
収納済歳入額
は四百八十五億三千九百十三万円余であり、
支出済歳出額
は三百九十七億九千八百四十七万円余でありまして、差引き八十七億四千六十六万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 第四に、
空港整備特別会計
でありますが、
収納済歳入額
は五千二十八億三千三百八万円余であり、
支出済歳出額
は四千四百八十二億六百五十万円余でありまして、差引き五百四十六億二千六百五十七万円余の
剰余
を生じ、この
剰余金
は、翌
年度
の
歳入
に繰り入れました。 以下、
部門別
に主要な
事項
につきまして、御
説明
申し上げます。 まず、
鉄道
整備
の
推進
について申し上げます。
国鉄改革
の総仕上げに向け、
旅客鉄道株式会社
の株式上場に備え
環境
の
整備
を図るため、「新
幹線鉄道
保有機構」が一括保有していた既設
新幹線
を関係旅客会社に譲渡いたしました。 この譲渡収入の一部を
鉄道
整備
のための新たな財源として活用し、これらの
特定
財源に基づく助成と既存の
一般会計
及び
産業投資特別会計
からの助成とを総合的かつ効率的に行うため、「新
幹線鉄道
保有機構」を解散し、新たに「
鉄道
整備
基金」を設立し、
整備新幹線
、主要
幹線鉄道
、都市
鉄道
の
整備
の
推進
等を図りました。 このうち、まず、
整備新幹線
の
建設
につきましては、前述の
特定
財源を活用するとともに、
新幹線鉄道整備事業
に係る
NTT株売払収入
を活用した無
利子貸付金
として、
産業投資特別会計
から日本
鉄道
建設
公団
に対し八十三億三千三百七十六万円余の
貸付
けを
実施
いたしました。さらに、
日本鉄道建設公団整備新幹線建設推進準備事業費補助金
として十七億四千九百八十五万円余を交付いたしました。これによりまして、
整備新幹線
の
建設促進
を図るとともに所要の調査を行いました。 第二に、主要
幹線鉄道
の
整備
につきましては、
幹線鉄道活性化事業費補助金
として、
山形ジェイアール直行特急保有株式会社
及び
北越急行株式会社
に対し三十億六千百四十万円、日本
鉄道
建設
公団
工事費
等
補助
金として、日本
鉄道
建設
公団
に対し百五十五億四千七百四十八万円余を交付いたしました。これによりまして、主要幹線と
新幹線
との直通運転化、
幹線鉄道
の活性化、AB線の
建設
等を
実施
いたしました。 第三に、都市
鉄道
の
整備
につきましては、
地下高速鉄道建設費補助金
として、
帝都高速度交通営団
ほか一都八市に対し六百二億五千五百八十七万円余、
ニュータウン鉄道建設費補助金
として、神戸市に対し四億五千九十九万円余、
日本鉄道建設公団補給金
として、日本
鉄道
建設
公団
に対し百六十一億一千二百五十九万円余を交付いたしました。これによりまして、都市
鉄道
の
整備促進
を図りました。 第四に、安全・
防災対策
につきましては、
災害復旧
事業
費
補助
金として、九州
旅客鉄道株式会社
及び島原
鉄道
株式会社に対し七億一千四百十三万円余、
鉄道防災事業費補助
として、東日本
旅客鉄道株式会社
ほか六
事業者
に対し八億六千四百五十二万円余、
踏切保安設備整備費補助金
として、四国
旅客鉄道株式会社
ほか十三
事業者
に対し一億八千六百十六万円余を交付いたしました。これによりまして、
鉄道
施設の大規模な災害の復旧、
防災対策
のための諸施設の
整備
及び
踏切事故
の
防止
を図りました。 第五に、中小民鉄対策につきましては、
鉄道
軌道
整備
費等
補助
金として、北海道ちほく高原
鉄道
株式会社ほか三十一
事業者
に対し十二億六千四百六十四万円余、
鉄道
軌道近代化
設備
整備
費
補助
金として、高松琴平電気
鉄道
株式会社ほか二十四
事業者
に対し六億四千七百十七万円余を交付いたしました。これによりまして、中小民鉄の維持
改善
を図り、地域住民の利便を
確保
いたしました。 次に、
国鉄改革
の
推進
・
定着化対策
について申し上げます。
日本国有鉄道清算事業団
に対し、
日本国有鉄道清算事業団補助金
として一千四億円、
特定地方交通線特別交付金
として二十三億七千七百四十二万円余を交付いたしました。これによりまして、過去債務に係る
利子負担
の
軽減
、
特定地方交通線
の
バス転換等
の
促進
を図りました。 次に、1
空港
、
港湾
、
海岸
等
運輸関係社会資本
の
整備促進
について申し上げます。 第一に、
空港整備
につきましては、第六次
空港整備
五箇年
計画
の初
年度
として、
空港整備特別会計
において四千四百八十二億六百五十万円余を支出いたしました。 このうち、主な
事項
について申し上げますと、まず、新
東京国際空港
公団
に対する
政府出資等
として三百五十七億一千七百四十五万円余を支出いたしました。これによりまして、新
東京国際空港
の
整備
を
推進
いたしました。 次に、
東京国際空港
の
沖合展開事業
として一千百九十七億五千五百五十九万円余を支出いたしました。これによりまして、
沖合展開事業
の
整備
を
推進
いたしました。 次に、
関西国際空港株式会社
に対する
政府出資等
として六百四十四億七千百九十九万円余を支出いたしました。これによりまして、
関西国際空港
の
整備
を
推進
いたしました。 次に、
国内空港
の
整備
を図るため七百八十億三千五百八十三万円余を支出いたしました。これによりまして、新広島
空港
ほか七十九
空港
の
整備
を
実施
いたしました。 次に、
公共用飛行場周辺
における
航空機騒音障害防止
のため二百二十九億五千五十七万円余を支出いたしました。これによりまして、
特定飛行場
の
周辺
における
移転補償等
を行うとともに、
緩衝緑地帯等
の
整備
を
実施
いたしました。 以上によりまして、
航空輸送力
の
増強等
に対処するとともに、
航空
の安全の
確保
と
環境
の
整備
を
推進
いたしました。 第二に、
港湾整備
につきましては、第八次
港湾整備
五箇年
計画
の初
年度
として、
港湾整備特別会計
において四千二百億三千七百六十六万円余を支出いたしました。 このうち、
港湾整備勘定
においては四千七十一億六千五百六十八万円余を支出し、
直轄港湾改修事業
として百二十六港、十五航路及び六
海域
の
工事
を、
港湾改修補助事業
として七百八十六港の
工事
を
実施
したほか、海水油濁
防止施設整備補助事業
、
港湾公害防止対策補助事業
、
港湾環境整備補助事業
、
港湾事業調査補助事業等
を
実施
いたしました。さらに、
港湾改修
、
港湾環境整備等
の
促進
を図るため、百十七港及び一
海域
について
港湾事業資金
の
貸付
けを
実施
いたしました。
特定港湾施設工事勘定
においては百二十八億七千百九十七万円余を支出し、
エネルギー港湾施設工事
として五港、鉄鋼
港湾
施設
工事
として一港、
物資別専門埠頭港湾施設工事
として二港の
工事
をそれぞれ
実施
いたしました。 以上によりまして、効率的な物流体系及び快適な旅客交通体系の形成、豊かで潤いに満ちたウォーターフロントの創出、地域の活性化、海上交通の
安定性
の向上等を図りました。 第三に、
海岸事業
につきましては、第五次
海岸事業
五箇年
計画
の初
年度
として二百九十七億九千七百九十二万円余を支出し、
海岸保全施設整備事業
として
直轄事業
四
海岸
、
補助事業
三百七十四
海岸
、
海岸環境整備補助事業
として七十二
海岸
、
公有地造成護岸等整備補助事業
として六
海岸
の
工事
を
実施
いたしました。これによりまして、
海岸保全施設等
の
整備
を
促進
いたしました。 また、
港湾施設災害復旧事業
及び
港湾施設災害関連事業
として百五十二億四千八百二十六万円余を支出し、
直轄事業
十箇所、
補助事業
八百三十六箇所の
工事
を
実施
いたしました。これによりまして、
港湾
及び
海岸
の
災害復旧
を
促進
いたしました。 次に、地域における公共交通の維持
整備
について申し上げます。 第一に、地方バス路線維持費
補助
金として、北海道ほか四十五都府県に対し百四億八千二百二十六万円余を交付いたしました。これによりまして、地方における乗合バスの運行を
確保
し、民生の安定に寄与いたしました。 また、
特定地方交通線代替輸送事業運営費補助金
として、宗谷バス株式会社ほか二十四
事業者
に対し十五億六千五百六十七万円余を交付いたしました。これによりまして、
特定地方交通線
の
代替輸送
を
確保
いたしました。 第二に、バス活性化システム
整備
費等
補助
金として、名古屋市
交通局
ほか十七
事業者
に対し四億八十六万円余を交付いたしました。これによりまして、
バス輸送サー
ビスを
改善
するためのシステムの
整備
等の
促進
を図りました。 第三に、離島航路
補助
金として、百二十八航路を経営する百二十一
事業者
に対し三十八億四百万円余を交付いたしました一これによりまして、離島航路の輸送力を
確保
し、民生の安定と向上に寄与いたしました。 次に、海運、造船、
船員
雇用対策等について申し上げます。 まず、海運対策について申し上げます。 第一に、外航海運対策の
推進
のため、昭和五十四
年度
から五十六
年度
の間に締結した外航船舶建造融資利子補給契約に基づき、外航船舶建造融資利子補給金として、日本興業銀行ほか二十二行の一般金融機関に対し四千二百七十九万円余を交付するとともに、日本開発銀行が昭和六十二
年度
以降の海運会社の利子補給金相当額の利子支払いを猶予することに伴い、外航船舶建造融資利子猶予特別交付金として、同行に対し三十一億九千三百九十五万円余を交付いたしました。 第二に、船舶
整備
公団
が行う
業務
の円滑な運営に資するため、同
公団
の借入金に係る利子の一部を補給する補給金として、同
公団
に対し三億九千七百九十八万円余を交付いたしました。 次に、造船業基盤
整備
対策について申し上げます。 造船業基盤
整備
事業
協会に対し、高度船舶技術研究開発費
補助
金として九億七百九十二万円を交付いたしました。これによりまして、同協会が
実施
する次世代船舶研究開発
促進
業務
等の円滑な
推進
を図りました。 次に、
船員
雇用対策等について申し上げます。 第一に、最近における
船員
の雇用情勢にかんがみ、
船員
雇用
促進
対策
事業
として十億一千二百二十四万円余を支出いたしました。これによりまして、離職
船員
の雇用の
促進
等を図りました。 第二に、財団法人海事国際協力センターに対し、開発途上国
船員
を
対象
とする研修を
推進
するため、
事業
の
実施
に要する経費の一部として五千九百四十七万円余を支出いたしました。これによりまして、開発途上国
船員
の養成に協力・貢献いたしました。 次に、国際交流の
推進
・観光の振興について申し上げます。 第一に、日本人の海外旅行を
促進
することにより、国際相互理解の増進、国際収支のバランスの
改善
等を図るため、東南アジア諸国連合貿易投資観光
促進
センター等に対し三億七千八百五十二万円余を支出いたしました。これによりまして、観光関係の国際協力等を
推進
いたしました。 第二に、「九十年代観光振興行動
計画
」の
推進
に関連して、国際観光振興会に対し、国際観光
事業
費
補助
金として二十二億一千五百二十万円余を交付いたしました。これによりまして、海外観光宣伝
事業
の充実等国際観光振興会の
業務
の充実を図りました。 また、観光
基盤施設
整備
費
補助
金として、石川県ほか一道十六県に対し三億三千八百九十九万円余を交付いたしました。これによりまして、自然に親しむ観光レクリエーション活動の場としての家族旅行村と来訪外客による伝統的地域文化の体験・地域住民との交流の場としての国際交流村の
整備
を
促進
いたしました。 次に、貨物流通関係について申し上げます。 貨物流通対策を
推進
するため三千七百四十二万円余を支出いたしました。これによりまして、物流業の労働力不足に対応した効率的物流システムの構築及び輸入
促進
に資する物流システムの形成を図るための調査を行いました。 次に、
運輸省
関係の技術開発の
推進
について申し上げます。 財団法人
鉄道
総合技術研究所に対し、
鉄道
技術開発費
補助
金として三十一億二千二十八万円余を交付いたしました。これによりまして、超電導磁気浮上方式
鉄道
に係る技術開発をはじめとする
鉄道
技術開発の
促進
を図りました。 また、運輸の分野における応範な人工衛星の利用要請に応えるため六千八百二十三万円余を支出いたしました。これによりまして、多
目的
な機能を有する人工衛星システムの開発のための実証実験を行いました。 次に、地球
環境
問題への対応について申し上げます。 地球温暖化、オゾン層破壊等の地球
環境
問題に対応するため五億八千九百七十六万円余を支出いたしました。これによりまして、観測・監視体制の充実・強化を図るとともに、
環境
変化による社会経済への影響評価及び地球規模での
環境
保全対策を
推進
するための調査を行いました。 次に、海上保安体制の充実・強化について申し上げます。 第一に、海上における捜索救助に関する国際条約(SAR条約)及び海上人命安全条約(改正SOLAS条約)の発効、日米原子力協定に基づくプルトニウム
海上輸送
の護衛
実施
、国際的な新海洋秩序形成の動き等に対応して、北西太平洋
海域
等における船舶の航行安全体制の確立、広大な
周辺
海域
における我が国の権益を
確保
することを
目的
として、広域的哨戒体制の
整備
及び海洋調査の充実・強化を
推進
するため百四十三億四十九万円余を支出いたしました。これによりまして、引き続き巡視船三隻、
航空
機三機の
整備
及び海上保安通信体制の
整備
並びに管轄
海域
画定のための諸調査等を行ったほか、新たに、巡視船一隻及び巡視艇七隻の代替建造を行うとともに、巡視船一隻の代替建造及び中型測量船一隻の代替
整備
に着手いたしました。 第二に、航路標識の
整備
を図るため百四十九億六千九十八万円余を支出いたしました。これによりまして、灯台等光波標識五十一基、マイクロ波標識局一局、船舶通行信号所一箇所及び海上交通情報機構一部の
整備
並びに既存航路標識の改良改修を行うとともに、広域電波航法システム(ロランC)一部の米国からの移管
整備
に着手いたしました。 次に、気象
業務
体制の充実・強化について申し上げます。 第一に、台風・集中豪雨雪対策等観測予報体制の強化を図るため三十二億五十万円余を支出いたしました。これによりまして、静止気象衛星
業務
の
推進
、アメダス等地上気象観測施設及び気象レーダー観測網の
整備
を行いました。 第二に、地震・津波対策及び火山対策の強化を図るため一億六千九百六十二万円余を支出いたしました。これによりまして、地震観測施設及び火山観測施設の
整備
等を行いました。 第三に、気候変動対策の強化を図るため三億二千五百十八万円余を支出いたしました、これによりまして、観測・監視・予測体制の
整備
を行いました。 第四に、海洋及び海上気象観測体制を
整備
するため四億四千三万円余を支出いたしました。これによりまして、海洋気象観測船の代替建造に着手いたしました。 このほか、
平成
四年にイタリアのジェノヴァ市において開催される国際船と海の博覧会に参加するため、
一般会計
において二億六千四百十一万円余、
港湾整備特別会計
において一億二十七万円余、
空港整備特別会計
において二千五万円余を支出いたしました。これによりまして、政府出展の準備等を行いました。 以上をもちまして、
平成
三
年度
の
運輸省所管一般会計
及び
特別会計
の
決算
の
概要説明
を終わります。 何とぞよろしく御
審議
のほど、お願い申し上げます。 …………………………………
平成
三
年度
決算
運輸省
についての検査の
概要
に関する主管
局長
の
説明
会計検査院
平成
三
年度
運輸省
の
決算
につきまして検査いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
法律
、
政令
若しくは
予算
に違反し又は不当と認めた
事項
二件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
三件であります。 まず、
法律
、
政令
若しくは
予算
に違反し又は不当と認めた
事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
一六二号及び一六三号の二件は、和歌山県が
実施
した
南紀白浜空港整備事業
におきまして、
道路トンネル
の覆
工コンクリート
の
施工
が
設計
と著しく相違していて、
工事
の
目的
を達していないものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。儀待期手当の
支給
に関するものであります。
運輸省
では、
特定
の漁業に従事していた若年の
離職者
で
船員
となろうとする者に対し、
職業訓練
を受けるまでの期間に応じて
訓練待期手当
を
支給
しておりますが、
受給者
に対し
職業訓練
の受講意志等の確認や
受講指示
を行っていないなどのため、調査した
受給者全員
が
職業訓練
を受けていない結果となっていて、手当
支給
の
目的
を達していないと認められましたので、
当局
の見解をただしましたところ、
運輸省
では、地方運輸局に通達を発し、事務処理を適切に行うための手続を定めるとともに、海運支局等に制度等の趣旨を周知するよう
指導
を
徹底
させることとする
処置
を講じたものであります。 その二は、
桟橋式岸壁等
の
上部工
の
支保工費
及び
型枠費
の
積算
に関するものであります。 宮城県ほか十一
事業
主体が
補助事業
で
実施
した
桟橋式岸壁等
の築造
工事
におきまして、
桟橋式岸壁等
の
上部工
の
支保工
や
型枠
の歩掛かりについて
積算
の
基準
で適用の
基準
が示されていなかったことなどのため、陸上から直接作業することが可能であるのに、海上から作業船を使用して作業する場合の歩掛かりを適用していて、
積算額
が過大になっていると認められましたので、
当局
の見解をただしましたところ、
運輸省
では、
積算
の
基準
を改正し、
支保工
や
型枠
の歩掛かりの適用の
基準
を示すなどして適切に
積算
が行われることとする
処置
を講じたものであります。 その三は、
岸壁等築造工事
における
防砂板
の
設置
に関するものであります。 秋田県ほか五
事業
主体が
補助事業
で
実施
した
岸壁
等の築造
工事
におきまして、裏込工における
防砂板
の
設置
について具体的な
設計
の
基準
が定められていなかったため、必要のない箇所に
防砂板
が
設置
されていて
工事費
が不経済になっていると認められましたので、
当局
の見解をただしましたところ、
運輸省
では、
防砂板
設置
の
基準
をとりまとめ、現場条件を考慮して必要のない箇所に
防砂板
を
設置
しないよう
港湾
管理者を
指導
することとする
処置
を講じたものであります。 以上をもって
概要
の
説明
を終わります。
—————————————
田端正広
9
○
田端主査
以上をもちまして
運輸省所管
の
説明
は終わりました。
—————————————
田端正広
10
○
田端主査
質疑に入るに先立ちまして、
分科員
各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 また、政府
当局
におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
山本
公一
君。
山本公一
11
○
山本
(公)
分科員
おはようございます。自由民主党の
山本
でございます。 私の地元の四国、とりわけ愛媛県というのが、御承知のように全国有数の海運県でございまして、それも際立って大きい企業とてない、いわゆる一杯船主と言われる企業の多い地元でございます。そういった零細企業の方々の声を代弁したいという思いもございまして、きょう
運輸省
に質問をさせていただきたい、かように思うわけでございます。 そこで、私はきょう、
運輸省
のさまざまな行政の中でかねがねちょっと不安に思っておりますことについて、御質問をいたしたいと思います。これは
運輸省
に限らず、現在、政府というか世の中の風潮そのものがいわゆる規制緩和というような方向に動いているわけでございます。政治改革と一緒で、その規制緩和に少し異論を唱えれば、守旧派だとか慎重派だとか言われかねないような風潮すら感じる規制緩和に対する動きでございますが、昨今
運輸省
が、許可、認可等の整理及び
合理化
に関する
法律
案というのをお出しになっておられます。 これをずっと拝見いたしまして、確かに
運輸省
は一番許認可件数の多い省庁であることは言うまでもございませんし、大変な御
努力
をされまして、今
年度
も六十一件ですか、件数を挙げてきておられます。大変失礼な言い条をさせていただきますならば、中身を拝見いたしますと、これはどの辺にぱっとアピールするような、規制緩和と言えるようなものがあるのかなということをいささか疑問に感じるわけでございますが、
運輸省
の規制緩和というようなものに対する一般的なお考えをまず政務次官にお伺いをいたしたいと思います。
星野行男
12
○
星野
(行)
政府委員
山本
先生の御質問にお答えを申し上げます。 ただいま
運輸省
関係の規制緩和についての考え方について御質問をちょうだいしたわけでございますが、今御理解を賜りましたように、
運輸省
の許認可は利用者国民の生命を預かっているこの陸海空の運輸、安全性の
確保
が最大の課題でございますし、また良質な輸送サービスを安定的に
確保
し供給するという使命を担っているわけでございまして、そういう面での行政手段であろう、そのように考えております。 しかし、いずれにいたしましても、余りにも許認可ががんじがらめになっておりますと、民間の自由な産業経済活動を阻害するというようなことも今言われているわけでございますので、この安全性の
確保
あるいは良質な輸送サービスを安定的に
確保
するという前提の上に立ちまして、できる限り今の社会経済の情勢変化に対応した、あるいはまた利用者の声を十分に反映した運輸行政を展開するために、この許認可の関係も規制緩和につきまして見直しを行っていくという考え方に立つているわけであります。 このような考え方に基づきまして、
運輸省
は許認可等の件数を三年以内を目途に二割削減をするという基本方針を掲げまして、自主的な規制緩和を
推進
してきているところでございます。また、この国会提出の許可、認可等の整理及び
合理化
に関する
法律
案、いわゆる一括法でございますが、この法案におきましては
運輸省
関係は百一
事項
でございまして、全省庁の改正
事項
数、百七十七
事項
の過半数を占めている、こういうことで、
運輸省
といたしましては前向きに対応しているということであります。今申し上げたような関係から、許認可の件数も非常に
運輸省
関係が多かったわけでございますので、勢いこういうふうな規制緩和、許認可の整理
合理化
に関する
事項
が多くなってきた、こういうことだと思っております。 またさらに、三月二十九日に閣議決定されたところの対外経済改革要綱において
指摘
されている自動車の
基準
・認証やトラック、倉庫の物流分野につきましても、例えば自動車に関しては、外国車の型式指定取得を
促進
するため、本年春から自動車審査担当官をデトロイト総領事館に常駐させるなど、これまでも十分対応してきている分野でございますが、これらについても検討を行っているということでございまして、今、
山本
先生御
指摘
のような安全とか良質な輸送サービスを安定的に供給、
確保
するというような前提に立ちまして、それを阻害しない範囲でできるだけの対応を行っていく、こういう姿勢でございます。
山本公一
13
○
山本
(公)
分科員
確かに
運輸省
が持っておられるさまざまな
法律
というのは、本当に
運輸省
ならではの生命の安全または安定輸送、政務次官おっしゃっていなかったのですが、もう一つ、
環境
汚染という問題に
運輸省
は非常に大きなお力を持っておられると私は思っているわけでございますが、そういったような公的な規制を緩和しようという動きが随分あるわけでございます。 私は、基本的にはこのような動きに賛成をいたすものでございます。確かに、いわゆる時代おくれになったさまざまな規制、経済の進展の阻害になるような規制等々は、できるだけ整理
合理化
していくことが必要だと思っているわけでございますが、今政務次官の御答弁の中にもありましたように、いかなる外的な圧力があろうとも、行政の立場において死守しなければいけない規制というのもまたあるように思うわけでございます。さっき申し上げましたように、生命の安全、安定輸送そして
環境
汚染等々については、これからもきちんとした行政態度をとっていただきたい、かように思うわけでございます。 そこで、冒頭申し上げましたように、私の地元愛媛県は内航海運が極めて盛んな土地柄でございますので、その内航海運に関しましての規制緩和絡みの動き等について御質問をいたしたいと思います。 言うまでもなく、私どもの日本という国は狭い国土でありまして、内国輸送においては
海上輸送
に頼らなければいけない部分が極めて大きいものでございます。なかなか陸上の道路網の進展が思うに任せませんので、勢い物流の輸送は内航輸送が大きく力をなしているところでございます。その内航業界は、かつて業者の乱立それから過当競争、そういったこと等があって混乱をした時期がございました。この混乱が国内の物流に非常な支障を来すということで、たしか昭和三十九年に内航二法が成立をしたように思っております。この内航二法が今日までずっとその機能を発揮しているわけでございますが、今まで内航業界に果たしてきたこの内航二法の役割というものについて、
運輸省
はどのような御認識をお持ちなのか、お答えを願いたいと思います。
尾松伸正
14
○尾松
政府委員
御
指摘
のとおり、昭和三十年代の内航海運業の実態を踏まえまして内航二法が制定されて、今日まで運用されてまいったわけでございます。基本的に、内航業界、非常に中小零細企業が多いという中で、この内航二法は、内航
事業
の脆弱な企業体質の中で内航の安定輸送を図るという大きな政策目標のために運用されてきたわけでございまして、それなりに非常に有効な効果を持ってきたというふうに考えております。 ただ、御承知のとおり、
平成
四年三月の海運造船
合理化
審議
会の答申においても触れられておりますが、この制度の中で見直しをしないといけない部分もあるのは事実である、こういった
指摘
も行われてはおりますけれども、基本的には有効に活用されてきた、こういうふうに考えております。
山本公一
15
○
山本
(公)
分科員
平成
四年の海造審の答申の中で私どもの地元の業者が一番心配いたしておりますのが、言うまでもなく船腹調整機能の見直し、これについて非常な危惧を抱いております。この海造審の中でその船腹調整を見直すべきだというようなことが出ておったと思うのですが、この船腹調整という今までやってきた制度、私は、今の内航海運業界が曲がりなりにもやっていけているのはまさにこの機能のおかげであろうと認識をいたしているわけでございますが、いわゆる規制緩和絡みで海造審からそういったような答申が出されたということ、このことについて、確たる御答弁はなかなかなしにくいだろうと思いますけれども、
運輸省
の方でその船腹調整についてどのようにお考えか、ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
尾松伸正
16
○尾松
政府委員
船腹調整制度についてでございますが、先ほど申しましたこの答申の中においても触れられておりますけれども、そこではこういうふうに触れられております。内航海運業は中小零細
事業者
が多い業界であることにかんがみ、中長期的には船腹調整制度への依存を解消し得るような
事業
体質の強化を図る必要があるが、現時点においては、内航海運業の健全な発展のため、構造
改善
の
推進
と経済情勢等に対応した同制度の機動的、弾力的運用を前提として、当面、制度の維持存続を図ることが適当であるというふうに述べられているところでございます。
運輸省
といたしましては、この答申の趣旨に沿いまして施策を進めているところでございまして、船腹調整制度の弾力的運用、そして内航海運業の構造
改善
の積極的
推進
に現在鋭意
努力
をいたしているところでございます。 これに関連しまして、一方、独禁法適用除外カルテルというもの全般につきまして、本年二月十五日に閣議決定がされました「今後における行政改革の
推進
方策について」の中におきまして、「五年以内に原則廃止する観点から見直しを行い、
平成
七
年度
末までに結論を得る」ということとされております。それで、船腹調整制度もこの独禁法適用除外カルテルの一つでございます。 そこで、
運輸省
といたしましても、今後船腹調整制度の見直しを進めていく考えでありますけれども、先生が先ほど来御
指摘
ございましたとおり、中小船主の皆さんがこの制度に深く依存していることも事実でございますから、見直しを進めるに当たりましては、関係者の意見を十分に聞き、内航の安定輸送に配慮しながら結論が得られるように努めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
山本公一
17
○
山本
(公)
分科員
今の御答弁の中で、
平成
七年までに見直しを進めたいというお話があったわけでございますが、何度も申し上げるようでございますが、私ども、本当に零細企業が集まっておりまして、本当にこの内航二法によって今日まで営々と親子何代にもわたって海運業を営むことができてきたような気がするわけでございます。 万が一、今のSB方式が見直されるということになってまいりますと、これはなかなか公式の場では言いにくい話になるわけでございますが、いわゆるこの業界には、船腹調整に基づく営業権利というのが目に見えない船主の力になっておる事実がございます。零細の業者におきましては、ほかにいわゆる銀行に評価をしていただけるような担保がないような業者がたくさんおります。その中で、目に見えない内航の営業権利というものが一つの業者の信用の度合いになっておることも間違いない事実でございますので、その辺を踏まえていただきまして、今私の地元の業者が言っておりますのは、理論的には全く我々は武装ができない、理論的には荷主さんなり海造審のおっしゃるのが我々も正しいと思う。 しかしながら、現実は、もしこれが見直されてしまうとやっていけないというような声があることも十分にお含みをいただきまして、余り時間がない作業になろうかと思いますけれども、内航業者、とりわけこの四国の愛媛というのは、愛媛というか四国というのは、全国の内航業者の多分三割近い数を占めているだろうと思いますので、四国というのはそれでなくても経済力の極めて弱い土地柄でございます。海運がだめになったら四国はますますだめになってまいります。 政務次官は新潟の方で余り御関係ないかもしれませんけれども、四国というのは田中角栄さんのようなすばらしい代議士が出たことがないので、非常に物がおくれております。おくれておるから経済力が弱いのか、経済力が弱いのでおくれておるのか、どっちがどうかわかりませんけれども、ますますその土台を壊してしまいかねないような政府による見直しは、ぜひ十分に御検討いただきたい、かようにお願いをしておきたいと思います。 次に、実は最近問題になっております、特に船関係でいいますと、
船員
不足という声が随分昨今出てまいりました。ここに来て少しその声が統計上はトーンダウンしておるように思うわけでございますけれども、ただし、やはり潜在的に存在しておりますのは、若年
船員
労働者がどんどん減っていっている。これは
船員
に限らず、いわゆる三Kと言われるような職場においてはすべてそうかもしれませんけれども、特にこの海運業界の
船員
という面においては若年労働者が減ってきております。 そこでまず、その
船員
がいわゆる資格を得るといいますか、そういった
船員
になるための資質を磨くために、全国で国立の商船学校を設けていただいております。この商船学校の実態、そしてその卒業生の就職状況というものをちょっとお聞かせを願いたいと思います。
高橋伸和
18
○高橋(伸)
政府委員
船員
養成機関といたしましては、商船大学、商船高専それから海員学校というものがございます。 商船高専につきましては、弓削商船高等専門学校など全国で五校ございます。この五校合わせての
平成
五
年度
の卒業生でございますけれども、百二十九名でございました。このうち、海上産業への就職者数は八十二名となっております。 商船高専の入学定員、実は
平成
五
年度
卒業生から従来の四百人から二百人に半減いたしたわけでございますが、海上就職者数は前
年度
比で十名減にとどまっておる、こういう状況でございます。 なお、
東京
商船大学、神戸商船大学、こちらは百十三人の卒業生のうち海上に八十一人就職をいたしております。 それから海員学校でございますけれども、海員学校の卒業生、全体で八校ございますけれども、三百五十一人、このうち海上産業への就職者数は二百五十五人となっております。海員学校につきましては、
平成
四
年度
に学制改革を行いまして、卒業時に四級海技士の受験資格を与えるなど、内航職員を志向します学生にとって魅力のある制度といたしました。こういったこともございまして、二百五十五人の海上就職者数というのは過去八年間で最高の人数となっております。
山本公一
19
○
山本
(公)
分科員
今数字を挙げて御
説明
いただいたわけでございますが、いずれにいたしましても、商船学校、商船高校も海員学校も商船大学も、卒業生のうち、全部じゃなくて八十二名とか八十一名が海上に就職をいたしたわけでございますが、そういった特殊、特殊と言っては失礼ですけれども、特別な専門学校を出て、かつ海上に就職をしなかった人間がやはりいるわけでございます。多分、船社側としては受け入れ態勢は随分あったように思うわけでございますが、それだけの人間が海に行かなかった。多分海上労働が魅力がないものになっておるからかようなことになっておるんだろうと思うわけでございます。 昔は、
船員
さんといえば、給料が陸上の同い年の労働者の大体倍あったという魅力のある職場であったわけでございますけれども、昨今、海上労働者の給与も上がっておりません。ほとんど陸上並みになってきておりますので、今の若者の風潮からいえば当然海は嫌う、よっぽど海が好きでなければ、海を嫌うというのもいたし方ないと思うわけでございます。 そこで、船主の方も随分
努力
をしているように聞いております。船内の居住施設を
改善
したりさまざまなことをやっておるわけでございまして、特に、今度また労働時間も短縮になったりして、働きやすい
環境
を整えつつあるわけです。
運輸省
におかれましては、そういった今申し上げました専門学校、せっかくある専門学校を、今も聞きますと、定員を削減するとかいうような動きもあります。定員が減ったら減ったなりに、何もかもが忘れ去られていくような存在にしないようにしていただきたい。逆に、減ったら減ったなりにしかできないようなことが私はあるような気がいたします。その内部の充実という面に十二分に心がけていただきたいと思います。 愛媛県においては弓削の商船高等学校がありますけれども、高校野球の大会にも出ますし、陸上の普通の学校と同じように今活動をいたしておりますけれども、多分卒業生全部が海に行かないだろうと思います。内部の充実を図っていただいて、せっかく入った専門学校の卒業生が海上労働を望むような学校運営にひとつ心がけていただきたい、これを御要望をしておきます。 最後に、一番最初の話と連動するわけでございますけれども、また何か行革審あたりで特殊法人の見直しなどという声がちらちら出てきておるわけでございますが、数年前に
運輸省
に関係した船舶
整備
公団
を云々といううわさが流れました。私どもの地元ではびっくりいたしまして、非常に困惑をいたしたわけでございますが、どうしても行革審とか、いろいろなその種のことを協議をされる方々は、海のことを御存じない方が随分おられる。そこから、多分船舶
整備
公団
なるものが何の意味をなしているかということをよくおわかりにならなくて、簡単に統廃合の特殊法人に入ってきたのだろうと思うわけでございますが、この船舶
整備
公団
というものが、内航こ限らず、旅客船業界、それから近海、外航も含めて果たしてきた役割というのは、本当に大きなものがあります。私どものさっき申し上げました零細な一杯船主にとりましては、なかなか銀行は信用して金を貸してくれません。銀行が貸してくれない分、
公団
さんに見ていただいてやっと今までやってきたわけでございます。 ただ、この
公団
の欠点というか、長所でもあるわけですが、金利が固定化しているということが時にこの制度を利用させていただいた者から出てくる不満でございまして、持ち分の買い取りをする期間を弾力的に運用していただきたい、そのように思うわけでございますが、この点についてちょっとお考えがあったらお聞かせを願いたいと思います。
尾松伸正
20
○尾松
政府委員
公団
は非常に重要な役割を果たしておりますので、この点は広く御理解を得たいものと考えております。 先生の御
指摘
の、この
公団
共有建造方式ということでつくりましたときの金利についてでございますけれども、なかなか難しい問題でございます。やはり調達する金利との見合いもございます。資金運用部資金から固定金利で調達をいたしまして、それを原資といたしまして
事業者
の方々にお使いをいただく、こういうことをやっておりますから、この資金運用部金利がある意味では固定ですから、そこに連動しておりますから、
公団
の運用の金利を柔軟にするというのは現実に困難であります。 しかし、片や非常に経営が困難になり、使用料が払えなくなるとか、そういうこともあり得ないではないわけでございまして、そういう現実に非常に困難な
事態
が起きた場合は個別に何とか知恵を出してやっていくことはないかという検討は、今までも部分的でありますけれども、してきたことがございますし、精いっぱいの対応はしたい、するように考えたいと思いますけれども、一般的、基本的にはなかなか難しい問題でございます。
山本公一
21
○
山本
(公)
分科員
もう時間が参りましたので、難しい問題はよくわかっておるわけでございますが、私はかねがね、議員になる前からも、
運輸省
は少し大蔵省に弱過ぎるのじゃないかということを感じておりました。
運輸省
は、本当はその持っている権限、機能からいってもしっかり頑張ってもらわなければ、国民経済、とりわけそういった船に関するような経済は混乱をいたしてしまいますので、さっきの
公団
の金利じゃないですけれども、とんでもない、世間が安くなった時代に高い金利を借りて、これはまた投資金額が大きゅうございますので、一%違ったらべらぼうな数字になってまいります。そういったこと等をぜひ、確かに難しいだろうと思いますけれども、大蔵省強いかもしれませんけれども、ぜひ頑張っていただいて、
運輸省
ならではの特殊性を主張していただいて、船主経済が少しでも楽になるように御
努力
を願いたいと思います。 さまざま申し上げましたが、四国の海運業をぜひお忘れなきようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
田端正広
22
○
田端主査
これにて
山本
公一
君の質疑は終了いたしました。 次に、
安倍
晋三君。
安倍晋三
23
○
安倍
(晋)
分科員
私は、船舶検査制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。 この船舶検査の中には当然漁船も含まれるわけでありますが、現在我が国の漁業界は大変厳しい状況に直面をしておりまして、特に昨今の魚価の低迷、そしてそれと同時に人件費の上昇、他方、円高によりまして輸入量が大変増大をしておりますし、それがまた魚価の低迷に拍車をかけているというような状況でございます。 私は、地元が山口県の下関市でございますが、下関市におきましては、遠洋漁業を営んでいる会社がかつては十数社ございました。しかし、現在はたったの三社しか生き残ることができなくなっておりまして、この三社すら非常に厳しい状況に追い込まれております。このままこの業界をほっておいては、西日本の大きな漁業地でございますが、西日本において幾つかの拠点が失われていくのではないかという大変厳しい状況にあるのだと私は思います。 その点は政務次官もよく御了解をいただいていると思うわけでありますが、その中で、船舶検査制度の中で、漁業者も船舶検査を行わなければいけないわけであります。そのコストが、ただでさえ厳しい状況である彼らに大変大きな負担を強いているというのが現状でございます。もちろん、船舶検査というのは、乗組員の安全を
確保
する、安全を図るという意味では大変重要でございますし、車検等と違いまして、海の上でございますから、故障等が起こったり安全な用具を整えていなければすぐ死亡事故にもかかわってくる大変重要な問題でもございます。 しかしながら、そういう中で、この制度自体は、昭和八年に施行された
法律
でございまして、もう既に六十年近い月日がたっております。そういう中で、当然科学の進歩によりまして、漁船の装備、耐久性や機関の性能の上昇というのは格段なものがある、このように私は思っておりますし、このことについてはだれもが私は異論を差し挟まないのではないか、このように思うわけであります。 昭和八年以来、この
法律
については十四回一部を改正されたわけでありますが、この十四回のうち、検査の中身について緩和する方向で変えたということはあったのでしょうか。まずそのことをお伺いしたいと思います。
小川健兒
24
○小川(健)
政府委員
船舶安全法は、今先生もおっしゃいましたように、技術の進歩や何かに伴いまして、これまで何度も変えております。 例えて申しますと、船舶検査においても検査の
合理化
のためのさまざまな施策を講じておりまして、例えば過去に認定
事業
場制度やあるいは型式承認制度の創設、拡大、あるいは海事協会、日本小型船舶検査機構といった民間検査機構の積極的な活用、あるいは技術の進歩に応じた各技術
基準
の見直し等をこれまで行ってきております。
安倍晋三
25
○
安倍
(晋)
分科員
現在羽田政権も、また細川政権も規制緩和をどんどん行っていこう、それが新しい時代に向けて国民生活にもプラスになっていくのだということをおっしゃって、大きく政策目標としては掲げられたわけでございます。もちろん、経済における規制もございますし、社会的な規制も当然あるわけであります。 そういう中で、この船舶検査制度というのは社会的な規制ということになると思いますが、しかし、その中でやはり不備なことがあれば規制を緩和していくということが、大きな意味での規制緩和になるのではないかと思うわけであります。 まず、規制緩和をやっていこうという連立政権以来の大きな目標でございますが、そのことについて政務次官はどのようにお考えを持たれているかということ、それと同時に、この社会的な規制であります船舶検査制度、これを今後規制緩和という中においてどのようにとらえられているかということをお伺いしたいと思います。
星野行男
26
○
星野
(行)
政府委員
安倍
先生の御質問にお答えを申し上げます。 規制緩和についての考え方でございますが、御案内のとおり、戦後我が国は約半世紀を経過いたしました。焼け跡から立ち上がりまして、経済成長、経済発展を遂げまして、先輩、先人の御
努力
によって、世界の中でアメリカに次ぐ経済大国というようなすばらしい国づくりができたわけであります。そういう中で、いろいろな面での産業育成の
指導
あるいは保護がなされ、それが大きな効果を発揮したということも、これも否定できないところだろう、そう思っております。 しかし今日、戦後半世紀たち、これから二十一世紀の日本を展望した中で、今までと同じようなこういう護送船団方式の産業に対する保護政策で果たして日本の産業、経済が発展していけるのかどうか、もう一つは国際化の中で国際的な対応ができるのかどうか、二つの問題があろうかと思うわけでございます。 いずれこいたしましても、自由主義経済の中で規制はできるだけ少なく、そしてまた民間の活力を十分に引き出していくということが必要であろう、そう思っております。そういう観点から見ますと、やはり規制緩和というのは時代の流れであり、国民あるいはまた産業、経済界の大きな面で言えば要請にこたえるところだろう、そう思っております。 ただ、そういう中で
運輸省所管
のそれぞれの
事業
につきましては、陸海空の輸送ということになりますと、これはもう何といいましても安全性の
確保
、あるいは良質な輸送サービスを安定的に供給する、こういうことが基本でございましょうし、また昨今では
環境
問題への配慮が強く言われているところでございます。そういうものに配慮をしながら、できるだけこの規制緩和について
運輸省
としても取り組んでいくという考え方でございます。 端的な例で申し上げますと、索道の料金が現行は認可制でありますが、索道というのは大体スキー場のリフトが主体なのですね。年商売り上げ一千億円ぐらいあるのだそうですが、このスキー場のリフトまで
運輸省
、運輸大臣の認可が必要かということになるといささか、届け出制でありますけれども、スキー場のリフトの料金まで
運輸省
に届ける必要があるかということになると、これはもう自明的で、そんなものはなくして当然だという結論になるわけでありまして、そういうたぐいのものをできるだけ見直しをしていこうということで、やはり今お話がございました安全のための社会的な規制あるいは保護というようなものは残していく、あるいは守っていくということは当然必要かと考えております。 船舶の検査につきましては、私まだ専門でございませんので担当の方にお答えをいたさせたいと思いますが、いずれにしても、この関係では安全というものが基本になろうか、そう思っております。
安倍晋三
27
○
安倍
(晋)
分科員
今の政務次官の御答弁にもありましたように、全体としては規制緩和をどんどんと行っていくということと同時に、社会的な規制については、そのことによって社会全体また国民が守られているということで、守っていくべきことは守っていく、私もまさにそのとおりだと思います。 しかしながら、そうした社会的な規制を考えるときにも、自己の責任ということも当然考えなければいけないと私は思っています。もちろん、ハードルが高ければ高いほど当然安全になっていくわけでありますが、余り高くしてしまっては漁船についてはもうやっていけなくなってしまうという状況があります。 そこで、どの辺にするかというところが大変私は大切だと思うのです。漁業者自体も自分たちの命がかかわっているわけでありますから、安全性においていろいろな欠陥がある船に乗りたくないというのは、一番彼らが、むしろ彼らの方が私たちとか
運輸省
の皆さんよりもそれはよく認識をしていることでありますし、彼らだけではなくて、彼らの家族も当然そのように思っている、私はこのように考えているのです。ですから、むしろ彼らの意見を十分に踏まえていくということも私は大変大切ではないかと思うわけであります。 先ほど
局長
の御答弁の中で幾つか改定がなされたということでございますが、まだまだ不十分である。今までの私が聞いてまいりました現場の声からいたしますと、この六十年の間に十四回改正が行われたとはいえ、本当にこの間の装備の進歩、いろいろな状況の変化等を考えると全く不十分だということでございます。 例えば一例でございますが、これは必ずしも装備の進歩とは大きくかかわりがないわけでありますが、いかりの問題でありますが、無かん大錨を法定備品とされております。しかし、これは四十メートルか五十メートルぐらいの水深しか事実上使えない無用の長物でございまして、実質的にはほとんどの船が実用的ないかりをもう既に備えつけている。それは二百メートルぐらい使えるわけであります。ですから、実際に使うものと二つあるわけですね。しかし、法定で備えつけなければいけないいかりもある。これはごろごろしているために邪魔だ、むしろそれにひっかかって転んでしまう人がいる、そんなものやめてもらいたいという意見もあるわけであります。事ほどさように、そんなものもまだ法定検査の中に残っているということは、全体をこれからよく見ていかなければいけないということのあかしであると私は思います。 そういうことも含めて、今後検査の方法を見直しをされて
合理化
を行っていくということができないかどうか、そのことをお伺いさせていただきたいと思います。
小川健兒
28
○小川(健)
政府委員
法定備品につきましては、従来から必要に応じて見直しを行ってきておりますし、今後とも技術の進歩などを考慮し、また実態に合わせたように見直しをしていきたいというふうに思っております。
安倍晋三
29
○
安倍
(晋)
分科員
それはぜひとももっと真摯にそうした現場の声を聞いていただきたいと思います。 内容についての
合理化
は当然なのですが、それとともに、検査の期間でございます。 これはトン数によって分かれておりますが、定期検査が四年と六年、その中間が二年、三年とそれぞれなっております。非常に費用がかかる方のは実質的に四年、二年、二十トン以上の船舶でございますが、この期間の延長を図ることができないかどうか。また、中間検査を行っているわけでありますが、この中間検査を事実上、内容においては定期検査とほとんど同じような検査をさせられている、かつ、船ができてからすぐの段階からも、例えば十年を経てとか五年を経てから中間検査をやるのではなくて、いきなりすぐに中間検査をやっていかなければいけないという状況がございますが、そういうことも含めて、中間検査の簡素化と、また期間の延長ができないかどうか、このことをお伺いしたいと思います。
小川健兒
30
○小川(健)
政府委員
検査期間の延長についてでございますが、漁船に関しましては、国際条約においても検査証書の有効期間が四年となっておりまして、そういった意味から、これを延長するというのは非常に難しいことだと思っております。 最近における技術の進歩あるいは各種機器の信頼性の向上などを考慮して、従来から検査内容の見直し、再検討を行っているわけですが、これを一層
促進
させて、船舶の安全を
確保
しつつ、検査の
合理化
を図っていきたいというふうに思っております。
安倍晋三
31
○
安倍
(晋)
分科員
検査の期間というのも、これは後ほどお伺いしますが、新しく条約を今度策定をされたということで、これにかかわってくるのでしょうけれども、もう一度中身に立ち返りまして、一番大きな負担は、エンジンの解放検査ということでございますが、このエンジン解放検査について、ばらばらにずっと部品を並べて、それを見ていただくということですから、時間も費用的なものも大変大きくかかる、コストもかかるということでございますが、これを何とか緩和できないか。特に中間検査において緩和できないかということをお尋ねしたいと思います、そういう気があるかどうかということも含めて。
小川健兒
32
○小川(健)
政府委員
エンジンの解放検査につきましては、これまでも定期検査の緩和
措置
として特例制度を設けまして、現在でも
実施
しております。今後、さらにエンジンの製造実績あるいは使用実績、検査実績等を考慮して、中間検査時のエンジンの解放検査を省略するような制度を取り入れるように、今検討しているところでございます。
安倍晋三
33
○
安倍
(晋)
分科員
それと、検査の
執行
日でございます。検査の
執行
日をあらかじめ、例えば三年とか、中間も含めて二年、三年、また四年、六年、こう定められているわけでありますが、例えばそのときにたまたま一番漁ができる時期で、例えばマグロの大群が近づいてきたとか、海外に行っているとか、いろいろな時期があるでしょうけれども、中身まいろいろな状況がございますので、その
執行
日をもう少し弾力的に行えないか、最低限一カ月ぐらい延長ということを可能にしてもらいたいというのが強い声なんですけれども。
小川健兒
34
○小川(健)
政府委員
漁船の検査は、四年船舶、六年船舶とありまして、四年と六年という期間がありまして、その間に中間検査があるわけですが、操業している船の実態などを考えまして、現在でも海外では五カ月の猶予期間がございます。それから、国内では一カ月の猶予期間を認めておりまして、その範囲内で定期的な検査を行ってい るところでございます。
安倍晋三
35
○
安倍
(晋)
分科員
国内では一カ月ということでございますが、もう少し延長してもらいたいという声も当然強いわけでありまして、先ほど最低一カ月というお話を申し上げたのですが、この一カ月間はもう既に認めておられるということでございますが、一カ月以上さらに一カ月、だから二カ月にしていただけるとかいうような御検討をされるという御意向はあるでしょうか。
小川健兒
36
○小川(健)
政府委員
検査制度につきましては、基本的には船全体でございますが、国際海事機関、IMOというところで国際的に統一した条約をつくり、それを国内に取り入れてやってございます。 今いろいろ検査の制度について見直しが行われておりまして、新しく検討されているのは、検査時期前後三カ月の余裕を持たせたらどうかという意見などもございまして、これは今国際的な場でいろいろ検討されておりまして、そういった意味で、検査の時期については、そういった国際的な議論を踏まえて対処していきたいというふうに思っております。
安倍晋三
37
○
安倍
(晋)
分科員
その検査の期間を延長してもらいたいというのと、また、
執行
日ですね、それに弾力性を持たせていただきたいということと同時に、当然遠洋漁業の場合は海外に出かけてまいります。先ほど、海外に出ていった場合はもうちょっと幅があるということでございますが、海外において、海外の漁業基地において検査をするということも今まで行われていたと思うわけでありますが、駐在検査官を海外の基地にこれからぜひとも常駐させてもらいたいという希望が強く出ておりまして、このことについては、もうだんだん時間がなくなってまいりましたので、そういう希望があるということをまず申し上げておきたい、このように思っております。 現在定期・中間検査は船舶検査官が立ち会いのもとで
実施
をされるということでございますが、これは、全国に何人この船舶検査官というのはいるのでしょうか。
小川健兒
38
○小川(健)
政府委員
現在船舶検査官二百四十六人おりまして、本省に七名おります。
安倍晋三
39
○
安倍
(晋)
分科員
当然全国に漁業者はいるわけでありまして、この人数で果たして円滑な運用ができている、そのようにお思いでしょうか。 円滑な運営というのは、人数が少ないために、その人に来てもらうためにずっと待っていなければいけないとか、ドックに入れたまま置いておかなければいけないということも含めて、当然その人たちは土曜、日曜というのは休みをとられるわけでございますよね。ですから、そういうことを含めて、またいろいろな夏休みとかもとられるでしょうし、そういうことにかんがみて、果たしてこの人数でうまくいっているのかどうか、そのことに対して漁業者は不満を持っていないかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
小川健兒
40
○小川(健)
政府委員
今全国にいる二百四十六人の船舶検査官によりまして、漁船の検査、一般の検査もそうですが、検査を行っているわけですが、小型船舶については、小型船舶検査機構という機構に検査の代行をさせております。今月の二十日から、小型船舶、従来長さ十二メートル未満の船舶ということでありましたが、これを昨年改正いたしまして、小型船舶の定義を総トン数二十トン未満の船舶というふうにいたしまして、新たに約五千隻の漁船を小型船舶検査機構で検査を代行させるというふうに
措置
したところでございます。
安倍晋三
41
○
安倍
(晋)
分科員
そういう方向に進まれているというのは、私は大変いいことだと思うわけでありますが、問題はその二十トン以上の船舶、特に遠洋漁業に従事している人たちについてなんですが、特にこの業界も大変厳しいわけでございます。 そういう中で、私もいろいろな方からお話を伺ったところ、まず一番すぐにできる制度の改正として、特にまたこれは安全面において、その安全面のハードルを下げないということでどこか変えられないかという中で、認定造船所船検制度、これは自動車の認定車検制度と同じように、こういう制度がとれないかということでございます。 なぜ私がこういうことを申し上げたかというと、先ほどお伺いしたように、やはり人員が、十分な人員も
確保
できない、さりとて、これは行革の方もやっていかなければいけないということでございますから、人数もふやすことも非常に難しいという中で、現在、造船所の方も検査受検待機時間というのが随分むだになっております。そのむだな時間の中にも漁業者はどんどん魚をとらなければいけない、生活ができないという中において、じりじりと待たされる。そういう中において、小型船造船業法に制定されている造船所は主任技術者を選任して
運輸省
に届け出ること、そしてまた主任技術者の資格及び義務ということも
法律
で定められているわけでありまして、非常に高い水準の技術者がそういう造船所にはおります。そして、造船所の皆さんに実際に話を聞いてみますと、実態は自分たちがやっているんだということでございます。そういう意味では、その制度をぜひとも考えていただきたい。かつ、それによって一ケ統船の場合は三隻から四隻くらいによって船団を組んでいるわけでありますが、そういう制度を導入することによって大体五百万円ぐらいのコストダウンが可能であるということを船主の皆さんは話をされております。ですから、そういうことも含めて検討される意思はあるかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
小川健兒
42
○小川(健)
政府委員
認定
事業
場制度のことでございますが、自動車のように大量生産を行っている物件と異なりまして、船舶は一般に一品生産でございます。そのために、船舶全体を定型的に
整備
するということは非常に難しい。そういう意味で、船舶全体について
整備
認定
事業
場制度を活用するというのは困難と考えておりますが、しかしながら、船舶に備える
設備
、例えば救命いかだの
整備
のようなものでございますが、このような
設備
につきましては、定型的なものについて認定
事業
場を現在活用しております。これは有資格者が
整備
を行った物件に対し、国の検査を省略するという制度でございます。 それで、そのほか、今現在考えておりますのは、船舶検査で重要な項目でありますエンジン、エンジンの
整備
につきましては、規制緩和の観点もございまして、
整備
認定
事業
場の運用をできるだけ早く活用するという方向で、今検討しております。
安倍晋三
43
○
安倍
(晋)
分科員
再度申し上げておきますが、造船所とかドックの皆さんの意見では、新任の検査官よりも、実際は工場の技術者の方が全然すぐれていて、実際はその人の後をただついてくるだけだというのが実態であるところも多いということでございますから、そういう話を聞いていただきたいと思います。 それと、最後に、時間がなくなりましたので一点。検査の中におきまして無線の検査、これは
運輸省
と郵政省で同じことを二重にやっているということでございます。ですから、これはぜひとも一本化してもらいたいということでございます。ですから、もう時間がございませんので、これは最後に政務次官にお伺いしたいと思います。 両省にまたがる、しかしながらセクショナリズムで両方ともこれは譲らないというのが、これは一番これから変えていかなければいけないことであると私は思います。そういう意味で、これについて一本化していく御意思があるかどうかということを最後にお伺いしたいと思います。
星野行男
44
○
星野
(行)
政府委員
大変貴重な御提言でございますので、十分勉強してみたい、かように考えます。
田端正広
45
○
田端主査
これにて
安倍
晋三君の質疑は終了いたしました。 次に、
久保哲司
君。
久保哲司
46
○久保
分科員
公明党の
久保哲司
でございます。きょうは、せっかく機会をいただきましたので、
航空
並びに
空港
関係について少しお尋ねをさせていただきたいと思います。 なお、
星野
政務次官、連立第二期の政権で非常に重たい任務、大変御苦労さまでございます。ともかく
運輸省
は御承知のように、陸海空にわたる国民の足を
確保
する、ある意味で人間の原点のようなところを担当していただくセクションでもございますし、そういった意味でぜひ、生活者重視というところに視点を置いた新たな連立政権の目標に向かっての政策の
推進
をよろしくお願いをしたいと思います。 なお、過日の中華
航空
機の事故、私自身も
空港
関係に十数年携わってまいったのですけれども、本当に痛ましい事故でございます。もう何と言っていいかわからないような思いでいっぱいでございますけれども、さりとて、ああいう事故があったから
空港
あるいは
航空
というものを後ろへバックさせてその仕事をとどめていいものかというふうに考えますと、今の国際化が進む世界状況の中で、決してそうではないだろう。むしろそれを乗り越えて、飛行機というものは安全なものなんだ、むしろ本当の世界の発展、国民の生活の発展につながっていくものなのだ、こういった観点からの、より安全性に留意をした形での政策の
推進
というものをお願いをしたいな、このようにも思う次第でございます。 なお、陸海空というこの三つの大きな要素の中で、人間がこの世におぎやあと生まれて以来、足で歩き始めまして、自然に道ができました。また、かごができ、馬ができてまいりました。そんな中で、空に関する乗り物というのは、ある意味で一番後発のものでもございます。だけれども、これからの将来に向かって考えるときには、これが一番最新のものであり、最も重要なもの、ましてや世界や地球がますます小さくなっているという中では、最も大事なものになってくるのではないか、そのようにも思います。 そこで、きょうは
関西国際空港
を中心にしながら、国際
空港
ということについて何点かお尋ねさせていただきたい、このように思うわけでございます。 きょう五月二十七日、多分御承知かと思いますけれども、九月四日に開港いたします
関西国際空港
の開港ちょうど百日前でありまして、大阪並びに近畿の府県等は、数日前からこの日本の中心であります
東京
に出てまいりまして、あちこちでいろいろなイベントをやりながら、関空、関空ということを宣伝をして回っていただいておるようでございます。残念ながら、
東京
中心という政治の状況を含めたこの形というのは変わらないものですから、ここから情報を日本国内に、そして世界に発信をしなければならぬ、そんな思いで今必死になって関西のメンバーが頑張っております。 ともかく、関西
空港
は、御承知のように昭和四十三年に
運輸省
がデスクワークとしての調査を開始されました。四十六年に
航空
審議
会に諮問をされて、二年十カ月に及ぶ
審議
の結果、四十九年に泉州沖が最適という答えを出していただきまして、以来五十三年から本格的な調査をなされ、そして五十九年に
事業
主体が決まり、そして六十二年に着工、そしていよいよ本年、昭和で延ばしますと六十九年ということになるわけでございますが、九月四日に開港という、まさに二十六年にわたる歳月であります。 私もいろいろなことに携わってきた中で、大きいプロジェクトというのは調査十年、
計画
十年、
実施
十年なんということをよく聞かされました。まさに関西
空港
はそれに匹敵する、まさにそれを地でいったような今日までの日月の経過でございます。そういった意味からいいますと、ともかくやはりいろいろな行政、仕事があるわけでございますけれども、これほどばかでかいものというのは、相当に先を眺めながら腰を据えて長期
計画
を立ててやっていかなきゃならぬ仕事かな、こんなふうな感じを持っておるわけでございます。 そこで、まず第一点目のお尋ねでございますけれども、日本は今や内外ともに知れた世界第二位の経済大国になりました。また、そういった点からは、世界、東南アジアを初めとする各地の発展途上国から、日本と何とかつながりたい、日本と何らかの関係を持ちながら自国の発展を期したい、こういった希望も多々ございます。ちょっと前のデータでございますけれども、日本に乗り入れている海外の国並びにエアラインというのは四十数カ国、四十数社と聞いていまして、それに比して、それと同数ほどのウェーティング、待っておられる国々があるということもお聞きをしたわけでございます。 ともかく日本は長い間、言うならば空の鎖国といった状態が続いておったわけでありますけれども、このたび
関西国際空港
がいよいよオープンするということでもって、長年世界に対してある意味で肩身の狭い思いをなさっておられた
航空
当局
の方も諸外国との
航空
協定に自信を持って乗り出せる、こういった状態になったんじゃないか、このようにも感ずる次第でございます。非常に喜ばしいことなんですけれども。 そういった中で、今
空港整備
法の中では、一種
空港
、二種
空港
、三種
空港
といったような規定があり、一種
空港
というのは主として国際線が就航する
空港
ですよ、こういった書き方がなされております。日本では今成田と羽田と伊丹、この三つがその一種
空港
。
関西国際空港
はそれに追加されて一種
空港
になるということでございます。しかし、実際、各地の海外とつながりたいという要請の中から、今や、チャーター便も含めある程度定期的に国際線が就航しておる
空港
というのは、北は千歳から始まって南は那覇まで、十数
空港
に及んでおります。 そういった中で、
運輸省
航空
局の将来にわたるいわば戦略といいますか、日本の置かれている世界の中の地位というものもあわせ考えたときに、国際
空港
というのはどうあるべきなんだ、日本という細長い国土の中にあって、国際
空港
の配置あるいは国際
空港
の規模、容量、言うならばトータルの滑走路本数といいますか、そういったことも含めて、どのようにお考えになっておられるのか、その点をまずお考えをお尋ねをしたいと思います。
土坂泰敏
47
○土坂
政府委員
まず、我が国は国際社会の中で生きていかなけりゃいけないわけでございますが、国際交流というのはそのための大前提でございまして、国際交流を担うものは
航空
しかございません。
航空
の基礎インフラというのが
空港
でございます。そういう意味で、国際
空港
というのは、我が国がこれから生きていくための一番基礎的な施設の一つだ、こういう認識を持っております。 今地方
空港
のお話も出ましたけれども、やはり国際
空港
は、拠点的な
空港
、ハブ
空港
、こう言うときもありますが、これがやはり我が国の中心になるものだというふうに考えます。拠点的なハブ
空港
というのは多くの路線の集まる
空港
でございますから、やはりその背後にある程度大きなマーケットがありまして、そこから需要がないとハブ
空港
はできません。 我が国の場合には、細長い国でございますが、御承知のように
大都市圏
に人口や産業が集中しております。そういう意味で、まず首都圏のハブ
空港
、これが成田でございますが、成田は、今一生懸命やっておりますが、実はまだ全体の
計画
がいつできるかということを口にできる状況ではございません。もう一つが関西という大きなマーケットを背景にした関西
空港
でございます。これが九月四日に開港することになった、こういうことございます。しかしながら、やはり滑走路一本では、このままではだめだろうと思っておりまして、諸外国、特こアジアの国のいろいろな大規模
空港
のことを考えますと、全体構想というのを引き続きやっていかなければいけないだろうというふうに思います。それから、あと、
大都市圏
としては中部がございます。これも今、六次空整の中で、中部圏の国際
空港
について成立の可能性を評価する調査をしようということをやっております。 これは今これからのことでございますが、大規模なハブ
空港
ということになりますと、まず成田、それから関空、それから将来の課題として中部というようなことが中心になっていくんではなかろうかというふうに認識をしておりまして、そういう考え方で今の六次空整というのもつくってございまして、一生懸命今やっておるところでございます。引き続き七次空整の中でも、今申し上げました成田の残りの問題、あるいは関空の全体構想の問題、あるいは中部の問題、検討していかなければいけないな、またそれについての御支援もいただきたいな、こう思っているところでございます。
久保哲司
48
○久保
分科員
今もお話ございましたけれども、先ほども申し上げました、日本はまさに経済大国、そんな中で、
東京
というのは世界じゅう知らない人がおらないようないわば大都市。その大都市であり、日本の心臓部である以上、その玄関口であります成田
空港
をとにかく一日も早く完全な
空港
として
整備
をし、世界の人たちが本当に安心をして日本を訪れられるという条件を整えていただきたい、このように思います。 私も何度か成田を使って出入国をさせていただいたのですが、滑走路一本であるゆえか、飛行機がランディングしますと物すごい急ブレーキがかかって、とまったと思った途端、後ろはあけぬといかぬから
航空
機が横を向く、こういう、ある意味で恐怖を伴うような着陸状態でもございますし、これが複数滑走路あったらな、三本あったらな、そんな思いを何度かいたしました。いずれにしろ、成田については早急にやっていただきたい、このようにも思います。 ただ、残念ながら、今日本は、複数の滑走路を十分に持ったような飛行場がございません。それゆえに、日本国民の、円高も後押しをしているんでしょうけれども、外国へ行きたい、また諸外国から日本へ来られる、こういう方々を受け入れるためには成田、大阪だけではどうしようもなくて、先ほども触れましたように、日本全国の各地の
空港
を活用しながら定期路線あるいは臨時便というものを離発着させているのが現状でありますし、また、いわゆるハブ
空港
が
整備
されない限り、それもやむを得ないことかとも思います。 しかし、考えてみますと、空は広いようですけれども、結構、専門家のお話を聞くと、狭いんですよ、こういったお話も伺います。見た目ほどではないですよ、こういったお話も伺うわけでございますが、そういった点から考えますと、日本各地にいろいろな
空港
から国際線が離発着するということになりますと、その
空港
からある世界の都市へ行っている、その都市へ行きたい人は、日本全国からそこへつながらぬといかぬ。そうすると、日本の空というのは、本当、ますます狭くなってしまうんじゃないか。そういった意味からは、やはり本格的なハブ
空港
というものを日本の、先ほど
局長
がおっしゃいましたような、背後の需要の創出ということもあるでしょうけれども、適当なところに適正な配置をするというのが非常に望ましい形ではないか。 先ほどおっしゃいましたように、確かに
東京
というメガロポリスの中には必要でございましょう。関西にも必要かもわかりません。また、中部にも必要かもわかりません。しかし、今一方で、私は、ちょっと別の議論になりますけれども、この過密集中した
東京
を何とかせぬといかぬというようなことで、国会移転の委員会にも所属をさしていただいて勉強をさしていただいておるのですけれども、そういった観点からいいますと、人がおるからそこにやろうということになりますと、ますますどうしようもない国土形成になっていくんじゃないか。そういった意味では、今は多少少ないかもしれぬけれども、それをつくることによって国土を分散させるという誘因効果、こういったこともあるのかな。 そういった意味では、非常に個人的な、勝手な、よその国際
空港
を予定しておられるところからはおしかりを受けるかもわかりませんが、日本の国土状況というものを考えたときに、例えば北の方に立派なものが一つあり、
東京
の成田はますます立派になっていただき、それで今関西がある、西の方にもう一つある。中部、やはり要るかな。せいぜい四つか五つぐらいのメーンの拠点があれば十分なんだな、そんなふうな思いもしております。 と同時に、たとえコミューターであったとしても、
航空
機というのは陸上を走る乗り物に比べればはるかに高速で行き来ができるわけでございますし、また、
東京
、大阪、名古屋をつなぐところにあっては将来リニアエクスプレスなんというものも
計画
をされておる。こういった状況を考えますと、随所に国際
空港
が必要ではなくて、むしろ拠点にあって、そこへ日本国がつないで、そこから世界へどんと運ぶという、言うならば小型で持ってきて、大型に乗りかえていただいて、行っていただくという、この方が経済的なロス等々を含め、またそこに配置をするいわば出入国に関与される職員の方、税関関係あるいは検疫関係も含めて、小さな政府といいますか、行政改革が求められておる中でよりベストな形になるのではないか、別に四、五カ所というのが限定的ではございませんけれども、私自身はそんな感想を持っておるのですが、この点についていかがでございましょうか。
土坂泰敏
49
○土坂
政府委員
地方
空港
の国際化というのが進んでおりまして、これは地域の方に大変強い御要望がございますし、国土の均衡ある発展という見地からも政策的な意味があることであると思います。 ただ、地方の需要というのはやはり限りがございまして、そこから出入りをするのもおのずと限定されてまいります。したがって、地方からどこへでも行けるというふうにはならない。やはりどこへでも行けるということになりますと、ある程度まとまった拠点
空港
に一回おいでいただいて、そこで飛行機を使っていただく、こういうことになります。そうすると、ある程度まとまった需要があるのがさつきも申し上げたような二
大都市圏
、三
大都市圏
になるかな、こういう感じでございます。 ただ、今も成田の場合には、国内線がちょっといろいろ制約があって入れないものですから、非常に乗り継ぎの面で御迷惑をおかけしている点があるのですが、関空はその点国内線も十分入れるということで、乗り継ぎの面でもハブ
空港
として非常にいい条件を持っている、しかも海の上にありますので二十四時間使える、これも有利な点でございます。そういう意味では、我が国初めての本格的なハブ
空港
ということになるのではなかろうかと思っておりまして、これが今後の我が国の首都圏と並ぶもう一つの拠点としてやはり成長していく姿がいいな、地方を否定するわけではありませんが、やはり地方も必要だけれども、ハブ
空港
はハブ
空港
としての機能と意義がある、そういうふうに私どもは思っております。
久保哲司
50
○久保
分科員
今まさにおっしゃったように、確かに日本の人たちを何がなんでも
東京
へ来いや、関西へ来いやというのは余りにも地域の方々に対して失礼な言い方になろうかとも思いますし、もちろんその地域、地域によって一定の需要量が発生すればそれに応じた形での路線設定あるいはチャーター便の離発着というのは、地域の方々にとっての夢をかなえるという意味では大いに意味のあることかな思います。ただ、今おっしゃったように、やはり日本という国、北から南眺めて、今なお本格的なハブ
空港
はないというのが非常に寂しい思いがいたしますし、その点ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 次に、とにかく今日の社会、これからまた二十一世紀に向かう社会の中にあって、地球規模で人が動き、物が動き、情報が動くというのが日常茶飯事でございます。さりとて、光通信ファイバーができたからといって、それですべて意のままにして、それぞれが自宅におってすべて物事が済むかといえば、決してそうではございませんで、御承知のように、人間やはり最後にはフェイス・ツー・フェイスといいますか、顔を突き合わせてというのが問題解決の最後の場面、局面でもございます。そういった意味からは、やはりぜひともこのハブ
空港
を一刻も早く
整備
をしていただきたい。 そこで、アジア各国における
空港整備
の状況、もう重々御承知でございましょうけれども、とにかく香港あるいはシンガポール、香港はあと三年たてば中国に返還ということになるわけでございますが、香港は過去百年の経験の中で、交流、それこそがいわば小さい国の生き残るすべだ、こういった観点から、今のカイタク
空港
が非常に狭隘であり、この前も海の中へぽとんと一機落ちましたけれども、そういった経験があって、近くのランタオ島に新しい
空港
を
計画
しておられます。とにかく、それをやることが香港の将来に生き残る道なんだというのを向こうの政界、財界ともに意見を一致して、そのことに全力を挙げてまいる状況であります。 また、シンガポールも、御承知のようにチャンギ国際
空港
、これはもう本当に世界の
航空
関係者のいろいろな方にアンケートをとってみても常にナンバーワンないしナンバーツーにランクされるようなすばらしい
空港
でありますし、ターミナルビルのあの余裕なんていうのはもう考えられないような、この間も私行ってきたのですけれども、狭うなってきたから間もなく次のもやろうかと思ってまんねん、こんなことを言っていました。関西弁ではございませんが、向こうの言葉ですけれども、そんなことをおっしゃっていました。まさに何してくれるねん、こんな感じで、落差を感じながら帰ってきたような次第であります。 さらには、御承知のように中国も上海の浦東地区の開発の中で、膨大な
空港
を
計画
しておられます。 また、あと韓国の方でも新ソウルのメトロポリタン
空港
を
計画
しておられますし、今や諸外国から日本に入る場合にむしろ韓国へ飛んでそこから日本へ来た方が時間も便利よく飛べるんだ、こういった話もあるようでございます。このようなことを考えましたときに、やはり日本の中に本格的なハブ
空港
というのはぜひとも欲しい。 それと、この間ある旅行会社の方と話をしておったのですけれども、その旅行会社の方がおっしゃるには、今日本で世界じゅうから何とかアプローチできるのは成田
空港
しかない。そうなると、旅行会社がつくられる行程スケジュールの中でも、成田に入ってくる、そして
東京
を中心に
会議
もする、仕事もする、その後観光したいのだけれども、そんなに時間がとれない。行って、そのまま向こうから飛べればいいけれども、もう一回戻ってこぬといかぬ。そうなると、せいぜい千二百年にわたる古都京都を
新幹線
で見に行って、夕方には戻ってきて、それで翌日成田から飛び立つ、こういったパターンになってしまっている。そういう意味では、関西のことをPRするわけではないですが、別に関西は京都だけに限らず、奈良もさらに古い趣のある都でございますし、また大阪は食い物がうまいと言われているところでもございますし、そういったところでもゆっくりしてもらいたいな。そんな思いの中では、
関西国際空港
が完成し、開港すれば、諸外国から日本を訪れる方々も、
東京
を見て日本だというのではなくて、こういうところもあるのかという、もっと幅広い日本というものに対する理解もしていただけるのじゃないか。また人の流れとしても、
東京
から入り
新幹線
なりあるいは
航空
機を使って関西へ行く、そして関西から最後は出て行く、あるいはこっちから入ってこっちでまた出て行くという、こういったコースもできるのじゃないか、このようなことをおっしゃってもおられました。 そういった意味ではともかく、重なったような御質問になるわけですけれども、日本の位置するこの物理的な位置あるいは経済的な位置というものを含めたときに、やはり韓国あるいは香港、シンガポールないしは中国といったところに決しておくれをとらないようなハブ
空港
の
建設
というのはもうまさに急務ではないか、このように思う次第であります。確かに、
関西国際空港
にあっても収支採算等の大変な課題があるわけでございますけれども、このことについて何としても早急にやっていただきたい。そういう点からはまず成田の、この日本を代表する玄関口であります
空港
の完全化、完全
空港
化というのはもう日本全体にとって一番大事な点ではないかと思いますけれども、このことについてもう過去二十年以上にわたって御苦労なさっていただいておるわけでございますけれども、現時点における
航空
局の見通しなり取り組みなりについてお尋ねをしたいと思います。
土坂泰敏
51
○土坂
政府委員
成田は首都圏を中心とする国際需要に対応する
空港
ということで
整備
をしてまいりました。現在、滑走路一本で運用いたしておりますが、残念ながら既にもう限界を超えておりまして、御希望に対応し切れないという状況でございます。先ほどからいろいろお話がございましたように、これからの国際交流あるいは我が国の地位の高まり、こういうことを考えますと、需要はさらにふえていく、そうしますと、その日本の表玄関である成田
空港
の
整備
というのは一日も早く完成をしなければならないと思います。 ただ、残念ながら、成田の問題は長い歴史がございまして、非常に力と力の対決、相互不信が長い間続いてまいりました。拡張に必要な用地の手当てがどうしてもできません。まことに申しわけないことであるというふうに思います。ただ、この問題は
平成
三年から話し合いをしておりまして、シンポジウム、円卓
会議
というような姿をとってずっと反対同盟と話をしてまいりました。地域の方の御参画も得ております。私は、話し合いの要請は相互理解と信頼であろうと思いますが、次第次第にそういうお互いの気持ちが通じ合う状況になってきておると思います。しかし、それでもまだ隔たりは多うございまして、現時点でいつ完成をするのかという目標を口に出すことができない状況でございます。まことに申しわけないと思いますが、やはりこれは相手のあることでございますので、とにかく粘り強く誠意を持って話し合いをしながら一日も早く解決を目指したい、ここまでしか申し上げられませんが、そういう気持ちで
努力
をいたしておりますので、いましばらく見守っていただければと思います。
久保哲司
52
○久保
分科員
私なんかは生まれてこの方ずっと関西、大阪で生まれ育った人間なものですから、ある意味でひがみととられるかもわかりませんが、大阪のある種の人間からいわせますと、
東京
に住んでおられる方々あるいは
東京
で中心に仕事をなさっておられる方々は、どうしても
東京
中心といいますか、これはもうやむを得ないことでありますけれども、そういう物の見方というのは強い。そういった意味では逆に、変な言い方でありますが、かつて、毎年春夏、全国の野球ファンを熱狂させます甲子園の野球、あれを
東京
ないしは
東京
近辺に持ってくればこれで
東京
にないものはないんだ、こんなことを言っておる人がおるよ、こんなお話も伺ったことがあります。 そういううがった見方からいたしますと、日本を代表する成田が二本目の滑走路すら満足にできない状況なのに、なぜ
東京
以外のところに二本目、三本目なんてつくらぬといかぬのや、こんなお話も、まさに折れて曲がっての話かもわかりませんが、耳にする場合がございます。 だけれども、先ほど来申し上げましたように、日本の世界における地位等を考えたときに、まさに、あれは
平成
何年だったですか、日米、今の包括協議の前の構造協議の出始めのときにも、日本は滑走路が少ない、だから物の輸出入だって少ないんだ、こういった御
指摘
がアメリカからもあり、日本もそうだというようなお答えをなさったことがあったように記憶をしておるのですが、
航空
の需要というのま、正直申し上げて予測は非常に難しいですよね。 電車とかの場合だったら、混雑率一八〇%だ、二五〇%だという数字は出るわけでありますけれども、また、道路だと何キロ渋滞というのが出るわけでありますけれども、飛行機の場合は、座席数以上に切符は売りませんから、だから過去のトレンドを見てみて、大阪国際
空港
、成田、羽田、すべての
空港
は伸びていってはおりますけれども、結局これは提供している座席数がふえただけの話であって、本当に需要がどれだけあったんだというのはほとんどリサーチできないというふうに聞いています。 というのは、我々が例えば旅行会社へ電話をする、切符はありますか、いやこの日はもう満席ですよと言われたらそのまま電話を切っちゃう。それをすべて受けとめているようなリサーチの方法というのはないものですから、経済成長率等々を掛けた過去のトレンドによるしかないのかなと思いますが、そういう意味では、正確な需要予測というのは非常に難しいかな。そういう意味では、今日このような社会状況の中では相当な隠れた需要というのがあるのではなかろうか。 この間も、かつての六空整の
審議
のときに出された需要予測はもうちょっと先倒しになるんだというようなことが大阪の方で読んだ新聞に出てはおりました。もちろん、これは専門家の領域に属することではございますけれども、そういった点も含めて考えたときに、やはり僕は、成田がどうしても今おっしゃったようにそのめどが立たないということであれば、日本全体として諸外国をもっと受け入れられるそのためにも、完全
空港
というものをつくる必要があるんじゃないか。 あわせて、この間の中華
航空
機事故、あれはたまたま滑走路の横へぼちよんと落ちたから、ちょっと
整備
したらここはまた使えるようになりましたけれども、この上で、もし滑走路の上で事故が起こっておったとすれば、そんなことを想定しますと、成田にしても、あるいは大阪
空港
にしても、今度の関西
空港
にしたって、もう不安で仕方がないというのも実感でございますし、そういった意味からは、関西
空港
というのは、ぜひ一日も早くいわゆる全体構想というものをやっていただきたい。 成田の場合には、お聞きするところによりますと、あの全体そのものが政府の
計画
として決定されておる。それで、今使っておるところは、厳密に言うと一期
計画
とかいうのじゃなくて現供用区域という表現になっています。関西の場合は、政府が意思決定なさっているのは今のまさに一期
計画
だけで、これはまさに構想ですよ、こういうお話になっているわけでございまして、この実際のアプローチに当たってはさまざまな障害があろうと思いますし、収支問題もございます。だけれどもそれを一刻も早く、まずは政府の
計画
として位置づけをいただきたいな、そんな思いをしております。 またあわせて、先ほど
局長
御自身の方からもお話がございましたように、この
空港
は、まさに世界でも例を見ない本格的な海上
空港
でありますし、また、世界の
空港
としての水準を備えた二十四時間オープンの
空港
でもございます。 この前、実はダラスの
空港
へ参りまして、向こうの
空港
当局
の方々とお話をしたのですが、あそこは御承知のように一九七四年にオープンをした
空港
ですが、面積七千八十ヘクタールほどあります。話をしていたらもう本当に気が遠くなりました。将来の
計画
は滑走路十本だ、こう言っていました。滑走路十本で百万回飛ばすんだ。何でこんなごつつい面積をつくったんだと言ったら、その滑走路十本で百万回飛ばしたものをシミュレーションをやったときのいわゆるうるささ指数、WECPNLというものがひっかかるエリアを全部用地買収したのだ、このようにおっしゃっておられました。それが今まだ十本にはいかずに滑走路六本で供用、年間七十八万回くらい飛んでおられるようであります。もう聞いただけで気が遠くなるような回数でありますけれども、横から見ていたら本当に蚊トンボが飛ぶように、ぼんぼこぼんぼこ飛ぶわおりるわという状況でありました。 その
空港
ですらも今騒音問題が起こってきているんだ、アメリカという大きな国土ですからとにかく
空港
がなければ仕事にならない、したがって
空港
にちょっとでも近いところへ人は住もうとする、その人たちがやかましいやないかと言って最近訴訟が何件か起こっています、こうおつしゃつていました。 そのときに、私は実は、
関西国際空港
は、確かにおまえさんのところの
空港
に比べれば、滑走路一本だし、面積は五百ヘクタールで十四分の一の
空港
だ、けれども海の中にあるよ、大阪湾というのは南北七十キロあるのだ、東西三十キロあるのだと、そういう意味ではバッファーゾーンを含めたら世界で一番大きい
空港
やで、こんなことを申し上げましたら、それはもうベリーグッドだ、すばらしい、こんなことを言っていました。 まさに世界の
空港
というのはすべてが騒音問題に悩んでおりますし、そういった点から考えますと、関西である方、何人かの方がおっしゃっておられましたけれども、ある意味で拡張するということに関してベストな条件を備えているのは、今の日本の
空港
の中では関西
空港
ではないか、このような御意見をおっしゃる方もおいででございました。 こういった点から考えまして、さまざまな課題はあろうかと思いますけれども、この
関西国際空港
の全体構想というのは、構想という言葉をいつまでも続けるのじゃなくて、
計画
という政府の意思をあらわしたものにし、一日も早く着工していただく。そして日本として世界に誇れる
空港
を、関西
空港
をつくり上げる。それは関西の、関西の
空港
ではなくて日本の
空港
だということでもってそれをやっていただきたい。そのことを切望するものでありますが、この点についての御所見をお伺いし、私の質問を終えたいと思います。よろしくお願いします。
土坂泰敏
53
○土坂
政府委員
関西
空港
は、仰せのように今の、九月四日に開港する分以外の分はまだ構想段階でございます。ただ、構想段階ではありながら、これについては、その構想を
推進
する、そのための調査をしよう、そして健全な経営と円滑な
事業
の
実施
ができる方策を確立しよう、それをこの現空整
計画
の中でやろう、こういうことでございまして、念願のボーリング調査も今
年度
から始めることができるようになりました。 こういう結果を踏まえまして、これは国だけではできません。地域の御協力を得て、
建設
費の節減とか財源の
確保
とかいろいろな難しい問題がございますが、これを乗り越えまして、七次空整の中で実現を図っていく、そういう目途のもとに引き続き
努力
をしたいと思います。ぜひ御理解と御支援を賜りたいと思います。
久保哲司
54
○久保
分科員
ぜひとも最大限の御
努力
をよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
田端正広
55
○
田端主査
これにて
久保哲司
君の質疑は終了いたしました。 次に、
田野瀬良太郎
君。
田野瀬良太郎
56
○田野瀬
分科員
自民党の田野瀬でございます。よろしくお願いいたしたいと思います。 早速質問に入らせていただきたいと思いますが、まず第一に、リニア中央
新幹線
に関して質問をさせていただきたいと思います。 このリニア中央
新幹線
については、いただいておる資料によりますと、昭和四十八年に基本
計画
路線として決定されて、その後ずっと推移をしておる。その意義、
目的
は、特に関東、東海、近畿の内陸部の地域開発の
促進
、特に多極分散型国土の形成を
推進
という意味での内陸部の地域開発の
促進
、これが大きな意義、目標。あるいはまた東海道
新幹線
は継続的、恒常的に使用されており、大規模な修繕
工事
が近い将来に必要である、その場合の混乱を防ぐための大変大事な路線である。また、神奈川の一部から静岡県にかけまして大型の災害が発生する可能性がこの地域にはある、もしそういう不測の
事態
が起こったときに、代替機能を果たすためこも非常に大事であるということで、特にこの中央
新幹線
にはリニアモーターカーを採用するということで、これはもう一大国家
事業
として、沿線の都道府県はもちろんですけれども、国民的に非常にこれを期待されておるところでございます。 そんなことで、このリニア中央
新幹線
の
計画
とその進捗状況、特に
計画
どおり進んでおるのかどうか、非常に早期の完成が待たれるところでありますけれども、
計画
どおり進んでおるのかどうか、その辺のところをまずお聞きをしたい、かように思います。
秦野裕
57
○秦野
政府委員
新幹線
につきましては、先生既に御案内のとおり、大きく申しまして、全国新
幹線鉄道
整備
法によりましていわゆる
整備新幹線
と称されるもの、それから今先生お話しの基本
計画
に載っております基本
計画
線、この二種類があるわけでございます。 現在、政府といたしましては、まず
整備新幹線
につきまして、いわゆる三線五区間を鋭意
建設
を進め、また、さらにその他の区間につきましても、財源問題あるいは並行在来線の問題等々、いろいろな問題がございますので、
平成
九年を目途に一つの検討をし、成案を得ようということで今勉強をしている段階であるわけでございます。 お話しの基本
計画
線、特に中央
新幹線
でございますが、その公表につきましては今先生からお話のあったとおりでございます。昭和四十八年に基本
計画
路線として定められまして、四十九年から調査を開始いたしております。当時、国鉄でございまして、その後
鉄道
建設
公団
の方へ移りましたけれども、四十九年からは甲府市あるいは名古屋市付近、特に山岳トンネルになりますので、その付近につきましての地形・地質調査を行っておりまして、これが六十二年に報告書が既に出ております。さらに、
平成
二年に、今度は全体、
東京
から大阪まで全体をつなぐわけでございますけれども、その全体につきましての地形一地質調査を
鉄道
建設
公団
とJR東海の方に
指示
をいたしておりまして、現在調査を継続しているという段階でございます。 したがいまして、中央
新幹線
を含めました基本
計画
線の
整備
につきましては、今後の経済社会の動向ですとか、あるいはただいま先生お話しのような東海道
新幹線
の輸送状況等を勘案しながら、少し長期的な課題になりますけれども、検討を進めていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。 それから、リニアのお話がございました。このリニアにつきましては、御案内のとおり、現在山梨の方に実験線を
建設
中でございます。基礎的な研究は宮崎の方でかなり進んでおるわけでございますが、やはり実際に実験線をつくって実験をしてみないとなかなか採用できるかどうかわからないということで、現在山梨実験線の
建設
を鋭意進めておるわけでございまして、ただいまの
計画
ですと
平成
八年には実験用の車両が実際に走行ができるという見通しでございます。その実験に約二年ほどかかると思われますが、そのうちに、果たして技術的にあるいは経済的に実用化できるかどうかというめどを立てたいというふうに考えておりますので、中央
新幹線
がそのままリニアになるかどうかということは、現時点でまだ申し上げる段階ではないということでございます。
田野瀬良太郎
58
○田野瀬
分科員
今の御
説明
からいきますと、今はこの中央
新幹線
は基本
計画
路線ですね。
整備
計画
路線になるのは、そうすると
平成
九年というふうに見ていいのでしょうか。今御
説明
あったと思うのですが、もう一遍それを確認したいことと、大体どれぐらいの完成をめどにしておるのかということもあわせてお聞かせいただきたいと思います。
秦野裕
59
○秦野
政府委員
先ほど申し上げましたのは、
平成
九年以降に検討すると申し上げましたが、現在の
整備
五線のうちのまだ
工事
が決まっていない部分の取り扱いをどういうふうにするかということを
平成
九年以降に検討して成案を得るということが現在の政府の関係大臣の間の了解
事項
になっているわけでございまして、したがって、その中にまだ基本
計画
線をどうするかということについては特に触れられておりません。 したがって、常識的に考えますと、
整備
計画
線がどうなるかということがある程度めどがついた段階でさらにその次のステップへ進むんじゃないかというふうには考えますけれども、まだ現時点でいつどういうふうになるかということはちょっと申し上げられないということを御理解いただきたいと思います。
田野瀬良太郎
60
○田野瀬
分科員
それで、今申し上げたように、大体いつごろ完成を目標にしておるのかということですね。 ということは、私も
計画
に入っておる沿線の一人として非常にその完成が待たれるところでして、過去、以前に、二〇〇〇年の一月一日に走らすんだということも、十五年あるいは二十年ぐらい前、ちょっとその記憶は定かではありませんけれども、私そんな記憶があるのです。二〇〇〇年の一月一日に走らすんだということですね。それも含めて、大体どれぐらいを
計画
しておるのか、いつごろ完成予定なのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
秦野裕
61
○秦野
政府委員
先ほど来御
説明
しておりますように、どの段階でどういうふうにその
計画
を決定するかというところはまだはっきりしておりませんものですから、いつまでにというのは申し上げるのが非常に難しいわけでございます。もちろん、地形とか地質その他によっていろいろ違いますけれども、着手いたしましてからおおむね十年程度はかかっておるのが通例でございます。 特に中央
新幹線
の場合には山岳部が非常に多いわけでございますので、かなり
工事
も難しいんじゃないかという感じがいたしておりますので、あるいはそれよりかなり長くなるかもしれませんけれども、まずそれも含めまして、現時点でいつまでに完成ということはちょっと申し上げられないのでお許しいただきたいと思う次第でございます。
田野瀬良太郎
62
○田野瀬
分科員
そうしたら、おおよそ
平成
九年以降に基本路線が
整備
路線になっていくということになりますと、
平成
十年あたりからでしょうか。それから約十年ということになりますと
平成
二十年。そうしたら、今これからまだ十五年、六年、最短コースで十五、六年から二十年というようなところでしょうかね。もっと先になる話なんでしょうか。もうちょっと夢のあるお答えをいただけませんでしょうかね。
秦野裕
63
○秦野
政府委員
財源問題その他を含めまして、非常に現在の
整備
計画
線でもいろいろな議論が実はありまして、いまだ明確な結論が得られていないという状況でございますので、
平成
九年以降に現在の
整備
計画
線をどういうふうにするかということについての検討が行われるわけでございます。 したがって、そこで一定の方向が出ますと、それでは次はどうなるかという話に進むわけでございますので、その期間がどれくらいかによっていろいろ変わってくるわけでございますが、やはり一番最短コースで今先生が言われたようなぐらいだと思いますけれども、今までの
整備
計画
線の経緯を考えますと、結果としてかなり長期間を要しているという実態もあることもあわせて申し上げておきたいと思います。
田野瀬良太郎
64
○田野瀬
分科員
なかなかそれを想定するのは難しいと思いますので、これぐらいにしておきますけれども、少なくとも二〇〇〇年の一月一日は到底無理ですね。それよりさらに十年、十五年ぐらい先になるんでしょうかね。我々よく聞かれるときに答えるんですが、大体二〇〇〇年、二〇一〇年ぐらいだということでしょうか。もう一度、えらいしつこいですけれども。
秦野裕
65
○秦野
政府委員
繰り返しのお答えで大変恐縮でございますが、ちょっといつまでという時期を申し上げる段階ではないということで、お許しいただきたいと思います。
田野瀬良太郎
66
○田野瀬
分科員
さてそこで、一つお聞きしたいのですが、昭和四十八年十一月十五日に中央
新幹線
が告示されました。そのときのルートによりますと、
東京
都、大阪市、甲府市付近、名古屋市付近、奈良市付近、ちょっと逆になりましたけれども、
東京
、甲府、名古屋市、奈良市そして大阪市、こういうことですね。これにはおおむね間違いございませんか。
秦野裕
67
○秦野
政府委員
四十八年の基本
計画
では、起点が
東京
都、終点が大阪市、主要な経過地は、甲府市付近、名古屋市付近、奈良市付近、このようになっております。
田野瀬良太郎
68
○田野瀬
分科員
そこで、実は我々奈良県民にとって、よく言われることなんですが、現在の東海道
新幹線
ですね、
東京
、静岡、名古屋、そして京都、大阪、こういうルートになっておりますが、この
計画
を立てる段階においても、名古屋から大阪間は、最短コースである奈良を通って大阪ということになっておったんだ、
計画
の段階では。 すなわち、
東京
、静岡、名古屋、奈良、大阪と最短コースなんですよ、地形的に見ても。それが当時岐阜県には偉大な政治家と言われた大野伴睦さんがおられまして、急遽、にわかにルート変更してしまって、名古屋から急に北上し始めて、岐阜羽島駅をつくった。ということになると、今度は京都府に前尾繁三郎さんという偉い政治家がおって、とうとう名古屋から奈良へ行くはずのものが、岐阜を通って京都へ行ってしまった。そしてまた大阪に南下する。しかも、岐阜から京都にかけての伊吹山のほとりは雪が多くて、決して
新幹線
にはよくないコースであったにもかかわらず、政治力によってそういうルート変更をしてしまった、こういうことを我々はよく言われるわけですよ。これは本当か、一遍調べたらわかることかもわかりませんが、それを私きょうはあえて問うつもりはないのですが、これについても政治的にルートがにわかに変更するというようなことは、恐らく今度はないでしょうね。
秦野裕
69
○秦野
政府委員
具体的なルートの決定までにはいろいろな御議論が当然あるわけでございまして、各方面から当然御意見があると思いますが、私どもとしては、それを厳正と申しますか、真剣に検討した上で最も適切と思われる結論を出すということでございますが、今のところ、特にこのルートについて変更することは考えておりません。
田野瀬良太郎
70
○田野瀬
分科員
そんなことで、ぜひ今度再びそんなことにならないように、ひとつ銘記をしておいていただきたい、こんなふうに思うわけでございます。 そこで、その四十八年に告示されたルート、私は決してこれを変更しろと言っておるのではない。この基本は守っていただきたいのですが、この大阪市から逆にコースを言いますと、大阪市、奈良市、そして名古屋市、こういうことになるのですが、先ほどから質問ありましたように、関西新
空港
、これはできるだけ関西新
空港
に終点というのでしょうか、あるいは起点というのでしょうか、それを近づけることが非常に賢明である、こういうふうに私は考えるのですね。大阪市の北の方の非常に混雑したところよりは、できるだけ南のところへ近づける方が賢明ではないかなと私は思うのですが、それも的確な答弁はなかなか難しいかもわかりませんが、私はそれをぜひひとつきょうは提言をさせていただきたい、このように思うのです。 できるだけ関西新
空港
、南の方に近づけていただくことが、この中央
新幹線
の趣旨、
目的
の重要な一つである関東、東海、近畿の内陸部の地域開発ということになりますと、近畿地区においてもそのルートができるだけ南へ行くことがその
目的
に合ってくるわけですね。そういうことで、しかも関西新
空港
に近づくということで、ぜひそういうふうにすべきではないか。奈良市付近が、できるだけ奈良市より南の方でルートを決めるということが非常に大事ではないか、こんなふうに思うのですけれども、ちょっとお考えいただきたいと思います。
秦野裕
71
○秦野
政府委員
これから基本
計画
なり
整備
計画
なりあるいはルートの公表というようなステップがいずれかの段階かでは行くかと思いますが、その検討の中で、ただいまの先生の御提言を受けとめておきたい、このように考えております。
田野瀬良太郎
72
○田野瀬
分科員
よろしくお願いいたします。 そうしたら、リニアの
新幹線
はこれぐらいにさせていただいて、さらにまたちょっとローカルな質問になって恐縮でございますけれども、実は私、奈良県は五条市というところの出身でございます。この五条と、和歌山県はもう最南端の地方都市であります新宮市と結ぼうという
鉄道
計画
がもう戦後間もなくからございまして、すなわち、よく我々は五新
鉄道
、五新
鉄道
といって、本当にそれを幼少のころから夢としながら育ったという記憶は、もう本当にきのうのようでございますし、まだまだ鮮明に持っておるところでございます。 私のみならず、五条から以南の沿線の住民は、五新
鉄道
というのは、もう幻になってしまいましたが、いずれはこれは実現するんじゃないかなというような夢をまだなくさない状況にあるのではないかと私推察をするのですが、ちょっとその資料によりますと、それが今、私から言うまでもなく、
工事
を凍結してしまって、保留線として国鉄の清算
事業
団に承継されておると聞いております。戦後間もなく昭和二十七年四月に
鉄道
建設
審議
会によってそれの
工事
が答申されて、それを受けて、昭和三十九年この基本
計画
が
指示
された、昭和四十二年一月に
工事
の
実施
計画
の認可があった、そして昭和四十二年三月
工事
着手。それから以後二十三年間、ずっと我々はその実現をもう待ちに待ちわびたわけでございます。昭和五十五年まで
工事
をされた。五十五年に凍結になって、そして
平成
元年に国鉄清算
事業
団に承継された、こういう経緯を経ておるわけでございます。 今その路線は、もう惨たんたる状況でございまして、毎年毎年莫大な国費を投じて、山岳地帯ですから、橋をつくり、トンネルをつくり、約二十三キロ、ほぼ完成をしておるにもかかわらず、
工事
が凍結になった。我々にとっては、実に残念至極なことでございました。これを何とか夢をなくさない状態の中で有効利用の方法がないのかどうかということであります。 そんなことで、きょうは急にこんなことを申し上げてもなかなか、そうしたらこういうふうにしましょうという結論は得ないと思うのですけれども、これの善処方について、ひとつ
局長
さんの前向きな御答弁をいただければ、かように思うわけでございます。
秦野裕
73
○秦野
政府委員
ただいま先生の御
指摘
で、私どもでは阪本線というふうに申しております、五条から阪本に至る区間でございますが、ただいま先生からお話ございましたように、国鉄時代に
工事
を凍結して、一部バスの専用自動車道として使っておりますけれども、その残りにつきましては、清算
事業
団の方に所有が帰属しているということでございます。 これはやはり、私どもとしましては、基本的には地元の市町村の方にお譲りをして有効に利用していくということが一番いいのではないかということで、県を通じまして各市の方とお話し合いを進めておりまして、一部の市の方からは取得したいという御意向もあるように伺っております。 ただ、そういう意味で、これからいろいろ購入の要請をしていくに当たって、やはりどういうふうに使っていくのかという点について、
事業
団の方でもこれまでほかにいろいろ土地を持っておりますので、いろいろと活用方策についてノウハウを持っております。したがって、その有効活用の具体的な方策とあわせまして、地元の市町村の方と十分御相談をしていきたい、できる限り早い時期に有効活用を図れるように結論を出していきたいというふうに思っておりまして、そういう趣旨で
事業
団を
指導
していきたいというふうに考えておるところでございます。
田野瀬良太郎
74
○田野瀬
分科員
急にはいかないと思いますが、しかし、あれだけの長期間にわたって国費をどんどんどんどんと投下をしていって、そして五新
鉄道
約六十キロのうちの二十三キロまでほぼ完成を見た。いまだこ、まだまだ鮮明な、真っ赤な橋げたが随所に、山と山の間の谷間に橋がかかっておる。ああいうさまを見たときに、実に情けない思いをするわけでございまして、これが欲しい人に切り売りをしてしまうとか、ばらばらに売ってしまうとかいうようなことになりますと、これは余りにも国として無
計画
であったのじゃないか。行政に対する信頼がやはりそこで地に落ちてしまう。これは二十年も前の話でございますので、お互いだれを責める、責めないの話は到底昔の話になってしまうのですが、やはり無
計画
だったということは免れないことだと思います。 そんなことで、私は、これはもう凍結したんだから国の方が適当にどこかへ売ろうと勝手だというような情のない行政ではなくて、やはりその夢にちょっとでも近づけていただくような後の利用方法を、できれば地元のスタッフも入れてもいいですから、あるいはコンサルにかけてでもいいですから、こういう利用方法が最適ですよ、しかしその実費はいただきますよじゃなくて、これは民間だったら我々どんな後の利用をしょうが我慢ができると思うのですが、これはあくまでも国の
事業
としてやってきた
事業
ですから、後どうしようと我々の勝手だというのは余りにも情がなさ過ぎる、こういうふうに思うわけでございます。せっかくの公費を費やしての二十三キロですから、公的に有効な利用方法をぜひ考えていただきますようによろしくお願いを申し上げたい、かように思います。 時間が来てしまいましたので、最後に、同じ政治家として政務次官から、そういうのがほかに二十路線ほどあると聞いているのですが、草ぼうぼう、沿線にとっては実に情けない状態になっておりますので、ひとつ感想を聞かせていただいて、私、質問を終えたいと思います。
星野行男
75
○
星野
(行)
政府委員
今ほど来、田野瀬先生から熱心なお話を承ってまいりました。私も実は昭和五十年から十四年余り新潟県の小千谷市というところで市長をさせていただいておりまして、例の
特定地方交通線
、これは赤字路線、魚沼線の廃止を経験をしてまいりました。時代の流れとはいいながら、まことに残念だな、こう思い、また、いまだに代替する道路
整備
が完成をしていないという状況の中で責任を感じている、こういう立場でございます。 まず、今お話がございました、
建設
中であったものが凍結された路線が二十路線くらいあるということでございますが、凍結されたというのはそれなりの理由があるとは思いますけれども、今ここで私の立場でそれをどうする、こうするということは申し上げかねますが、それこそ一人の政治家として十分勉強してみたい、そう考えております。 今の阪本線につきましても、できればまた現地なども見てみたいものだ、六十キロの沿線の中二十三キロできたものが凍結されてそのままになっているという、その事情を篤と現地で見てみたい、そのように思っております。
田野瀬良太郎
76
○田野瀬
分科員
政務次官から、現場を見てあげようという大変ありがたい、これはもう勇気百倍でございます。ぜひ御案内をさせていただきたいと思います。トンネルあたりもコウモリの巣になっているという話ですので、一遍その実態も、何十億という国費を費やしてコウモリの巣をつくったみたいだな、こう地元で言っておる状況でございまして、ぜひひとつ見ていただきたいものだ、かように思います。よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、私の質問を終えたいと思います。
田端正広
77
○
田端主査
これにて
田野瀬良太郎
君の質疑は終了いたしました。 午後一時から本
分科会
を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十五分休憩 ————◇————— 午後一時
開議
田端正広
78
○
田端主査
休憩前に引き続き
会議
を開きます。
運輸省所管
について質疑を続行いたします。
小森龍邦
君。
小森龍邦
79
○
小森
分科員
本日は、船舶振興会のことに関係をいたしまして、
運輸省
の方にお尋ねをいたしたいと思います。 まず冒頭に、船舶振興会、もう一つそれに関係をして全モ連などのことからして、最近いろいろと全国各地に不祥事が起きております。その不祥事について、細かいことはよろしいですけれども、全国的にどの辺に不祥事と言われる、新聞で報道されるようなことが起きておるか、その概略を御
説明
いただきたいと思います。
小川健兒
80
○小川(健)
政府委員
専用場外発売場の
設置
に関します不祥事といたしまして、贈収賄事件が広島県、高知県及び佐賀県で発生しております。それから、青少年保護育成条例違反事件が高知県で発生しております。 そのほか、モーターボート競走の
実施
、運営に係る事案といたしまして、住之江競走場におけるコンピューターの操作ミスによる事案、平和島競走場において地元の反対運動によりナイターレース開催を断念した事案、それから、常滑競走場において発生した紛争処理の不手際に対し一カ月の開催停止処分を行った事案がございます。
小森龍邦
81
○
小森
分科員
全国的に見ましてもそういった数々の問題が起きておりまして、また先ほどお話しにならなかったことにつきましても、別の角度からあえて
指摘
すれば、私の頭の中にはまだあるわけでございます。しかし、それは全部が全部網羅しなくても本日の議論ができるわけでありますから、さらに次のような質問をしてみたいと思います。 どうしてこのような警察、検察の捜査の手が入るようなことになるのか。それは犯罪の容疑があるからだということでしょうけれども、そういった社会的不正義の方向に物事が展開をするようなことになるのは、
運輸省
の行政
指導
、監督の足りないことにかなり大きい原因があるのではないか、こう私は思いますので、その側面から、反省すべき点があったら述べていただきたいと思います。
星野行男
82
○
星野
(行)
政府委員
お答えを申し上げます。 尊敬申し上げる
小森
先生にこういう立場でお答えをすることになりまして、大変光栄に存じております。 ただいまの御質問でございますが、どうしてこういうふうになったのかということでございますが、御案内のように、このモーターボート競走法、これは競馬、競輪等と同じで一種の賭博でございますが、公益
事業
の
推進
とかあるいは地方財政に充てるとかいうような公益的な
目的
のためにこの違法性を解除しているわけでございます。しかし、それだけにやはりモーターボート競走の厳正、公正な
実施
が
確保
されなければならないということは当然のことでございますし、あるいはまた大きなお金が動くわけでございますので、役職員がそれこそ公正な対応をしなければならないということも当然のことでございます。 そういう意味から、このモーターボート競走法につきましては行政的な、運輸大臣あるいはまた
運輸省
の強い監督権が規定されておるわけでございますし、あるいはまた今お話がございましたようなモーターボート競走の公正を
確保
するための刑事罰、あるいはまた役職員の公正を担保するための収賄罪等の規定がなされているわけであります。 そういうことでございますが、そういう中でこういう不祥事がいろいろと起きているということについて、
運輸省
の監督が十分でなかったのではないか、こういう立場からの御質問かと思うのでございまして、結果的にはそういうことになったことについてはまことに遺憾であって、必ずしも十分でなかったということも認めざるを得ないのではないかという気もするのでございますが、いずれにいたしましても、今後こういうことのないように厳正な監督を行ってまいりたいと、
運輸省
の私ども、大臣含めて一同心に期しているところでございます。 以上でございます。
小森龍邦
83
○
小森
分科員
厳重な監督の上にも監督を行って、正しい
指導
のもとに適正な運営ができるように努めてもらいたいと思います。 しかし、言葉でそういうやりとりをするということは極めて簡単なことでありますが、相当長い歴史というものがありまして、なかなかその体質が変わらないのではないか、こういうことを私は危惧いたしているわけでありまして、そういう観点から、ここでさらにお尋ねをしたいと思います。 いつのことですか、余り遠くない時期のことだと思いますが、
運輸省
の中村前事務次官ほか
局長
が数名、その他世間で言われるところの高級官僚、全体で十一名ぐらいのように言われておりますが、船舶振興会からゴルフに招かれておる。何か、私は雑誌でちょっと読みましたけれども、いやこれはほんのつき合い程度だ。それはつき合いであるには違いないのですけれども、監督しなければならない者が監督される者からそういう招待を受けて、そしてそれなりのもてなしを受ける。そういうようなことを厳正に反省をされて、厳格なる一つの綱紀というか、そういうものに対する反省がなければ、先ほど
星野
政務次官が決意を述べられたことは単なる言葉として終わるのじゃないか、私はこういうふうに思いますので、私の
指摘
いたしましたそのゴルフ接待の旅行といいますか、それに対する反省が、いやあれはちょっとしたつき合いの程度ですよというぐらいのことなのか、きょうの時点ではそれよりももう少し突っ込んだ反省が行われるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
星野行男
84
○
星野
(行)
政府委員
担当がお答えする前に私の方から一言申し上げておきたいと思いますが、私も去る五月十日、
運輸政務次官
に就任をさせていただきまして、いろいろと多少勉強させていただきました。 この船舶振興会の関係につきましても、いろいろとマスコミの記事等も拝見をする中で、やはりよほど思い切った考え方でこれから対応していかなければならないよということで官吏諸君と話し合いをいたしまして、これからの、今お話のございました接待ゴルフというようなことはもちろん論外でございますが、船舶振興会との、あるいはまたモーターボート競走会連合会との関係は、いやしくも国民の皆様方から疑いを持たれることのないように、ひとつ厳正に規律を正していきたい、そんなふうにお話を申し上げたところでございます。 あと詳細は
局長
から。
小川健兒
85
○小川(健)
政府委員
理事長の招待ゴルフにつきましては、個人的、儀礼的なものであったと聞いておりますが、
運輸省
としては、監督官庁の公正中立性について社会的に誤解を招くことのないよう、今後みずからも厳正に対処していく必要があるというふうに考えております。
小森龍邦
86
○
小森
分科員
政務次官のかたい決意は私の胸には響いてくるのですけれども、今答弁されたおたくの言葉には、言葉じりという意味でなくて、ちょっと響くものがないのです。なぜか言うたら、疑惑を持たれないようにというような、疑惑を持たれるとか持たれぬとかという問題じゃなくて、厳正なる職務を
執行
するためにはどうあるべきかという
基準
がなければいかぬでしょう。だから、そういうなまぬるいことを言うたんでは私はまだ疑念はぬぐい切れませんよ。どうですか、その点。
小川健兒
87
○小川(健)
政府委員
みずから反省して、今後厳正に対処していきたいと思います。
小森龍邦
88
○
小森
分科員
その反省を本物にするために、もう少しそのことについて続けてみたいと思うのです。 私の入手しております資料によれば、
運輸省
の高級官僚中村前事務次官以下十一名か十二名の者が行くについて、最初、車の配車をしていますわな。私は、これは配車ですから招待する者がやったんだと、もちろんそうだと思いますよ。けれども、よく資料に目を通しておれば、その配車
計画
の
計画
書なるものが
運輸省
の用紙に書き込まれておるのです。これは
運輸省
が
計画
したんじゃないかというふうに私は思うんです。 反省してもらうということは大事ですから、反省は今の再度の答弁で反省してもらうものというふうに思いますよ。思いますけれども、やはりある程度中身に入ったところの議論、国民を代表して物を言う国
会議
員の立場からすれば、簡単にだまされてはいかぬわけですから
指摘
したいと思うのであります。当日の運転手とか、いやどの車とか、いやハイヤーを頼むのはだれとか、何時何十分にどこへどういうふうに車を回してというのは、これは
運輸省
自体の
計画
だったんですか。
小川健兒
89
○小川(健)
政府委員
詳細については承知しておりませんが、
運輸省
の
計画
であったとは思っておりません。
小森龍邦
90
○
小森
分科員
運輸省
の
計画
でないものが、それは振興会の方が
計画
されたんなら振興会の方の
計画
の、あっちの書類にあるべきなんであります。もちろんあっちの書類にもあるんですけれども、
運輸省
の方が企画したものを向こうがワープロで打ったんではないか。だから、振興会の書類ももちろん私の
手元
には来てますよ。風に乗ってふわっと来ますよ。しかし、おかしいことにおたくの用紙に書いたものも私のところへふわっと来た。そうすると、運輸
審議
官の寺嶋さんがどうじゃとか、官房長の豊田さんがどうじゃとかいうような、住所がどこだからこの車がどこを回っていけば何分かかるからというようなことは、おたくらが計算せなんだらできぬのじゃないですか。どうですか、その辺。
小川健兒
91
○小川(健)
政府委員
運輸省
の用紙に、書類を私見ておりませんが、私の想像でございますが、多分参加者の住所、それを知らせるために書いたものではないかと思います。
小森龍邦
92
○
小森
分科員
そうなると、つき合いのために牛に引かれて善光寺参りというよりは、おたくらのかなり積極的な姿勢というものがうかがえる、こう私は思うのです。ですから、そこらを含めて、やはり痛いほど頭に焼きつけられなければ本当の反省にならぬと私は思いますよ。 これは単なる役所と役所との関係のある団体とのそういう癒着関係というよりは、
改善
しなければならないことがいっぱいあるのですよ。吉国答申はそのために十五年前に出たわけでしょう。そういう、どちらかというと、
運輸省
のすきをねろうとるというか、
運輸省
の手ぬるい態度に乗じてくるような状況のところへ招待されるのに、幾らかおたくらがこの企画にかかわっておるというこれは証拠じゃないですか。これは「
運輸省
」と書いてありますよ。これは
運輸省
発、船舶振興会行きの文書ですよ。まあそこはひとつ
徹底
的に反省してください。 それから、吉国答申が一九七九年の六月二十一日に出ておりまして、「振興団体の役員が交付金の配分を受ける団体の役員となることは避けること」これはもう十五年も前に出ておるのでありますが、たったこの間でしょう、それに対して通達を出して、何とかええようにしなさい。で、まあ何とか取り急ぎばばっとやったのでしょう。私の調べたところによると、笹川陽平理事長の関係では、四十四団体の辞表を彼は出しておる。それから笹川良一さんの方は、数十団体あるんだろうけれども、そのうちの十二団体。私が調べた範囲ですから多少違うかもわかりませんが、十二団体の辞表を出しておる。こういうことのようでありますが、どうして十五年間もこれだけの明々白々たることがけじめがつかなかったのでしょうか。
小川健兒
93
○小川(健)
政府委員
船舶振興会の役員と助成団体の役員との兼職につきましては、昭和五十四年六月二十一日の吉国答申を受けまして、兼職をやめるよう
指導
いたしました。その結果、笹川良一会長については、一部の団体を除き名誉職的なものとの兼職となっております。 一方、その他の役員につきましては、船舶振興会の助成を行うに当たって、助成
事業
が適切に行われておるか否かを船舶振興会としてもチェックする必要がある場合、あるいは船舶振興会の役員が学識経験者として役員就任を求められる場合もありまして、また、これらまいずれも代表権のない役員にとどまるものでありまして、兼職による実態上の問題も生じていなかったことから、兼職の実態がそれ以降も続いておりました。 しかしながら、昨年春以来、日本船舶振興会の交付金の使用、役員の兼職等に関し多くの報道がなされて、さまざまな憶測を招く状況になったことから、社会的疑念を招くことのないように、昨年十月に通達を発出し、兼職を解くよう
指導
したところでございます。
小森龍邦
94
○
小森
分科員
そういうなまぬるいことを言うんでなくて、十五年間も吉国答申に対してきちっとした整理ができなかった、簡単に言うと。その
運輸省
の体質、その体質とは、要するに船舶振興会との癒着関係、こういうものがあったからできなかったんじゃないんですか。それでようやく世論が高まると、国会でもこうして、さきに
楢崎弥之助
先生が質問書を出されたり、私どももこうやって質問の具体的な項目に挙げるようになるという雰囲気が伝わってきて、マスコミも取り上げて、だからあなた方が渋々やったということじゃないのですか。先ほどの反省を本物の反省にしなさい。もう一度答えてください。
小川健兒
95
○小川(健)
政府委員
十分反省いたしまして、これから監督については厳しくやっていきたいというふうに思います。
小森龍邦
96
○
小森
分科員
それは、言葉として抽象的な反省ということを言われたわけですが、船舶振興会から金を出していく、助成金というのか
補助
金というのか、多少またその言葉の使い方によって性質が異なるのかしりませんが、第一号交付金というのと第二号交付金というのとはどういう性格上の違いがあるか。これは事務的なことですから、簡単に答えてください。
小川健兒
97
○小川(健)
政府委員
第一号交付金は、造船、海運、そういった
事業
の振興に充てる資金でございます。 それから、第二号交付金は、体育
事業
とか観光
事業
とか社会福祉
事業
、そういった分野に使うお金でございます。
小森龍邦
98
○
小森
分科員
それで、この間私が
運輸省
に資料請求をいたしましたら、いわゆる天下り人事ですね、これが私のところへは四十八人とか四十九人とかいう書類が来ておるのです。何か、日本新党へ出しておる書類は百十九名という書類がまた私の
手元
に届いていますが、私のところはどうしてそういうふうに少ない人数で来るのかな。少しでも矛盾を私に感づかれまいと思ってやったのですか。どうですか、その点。簡単に答えてください、時間が余りないから。
豊田実
99
○豊田(実)
政府委員
私ども、四十八人という数字を提出いたしましたのは、当該職員、やめてから十年以内ということで、具体的には昭和五十八年四月以降に退職した者、なおかついわゆる幹部職員ということで、本省課長相当職以上という定義を置きました上で、
平成
六年一月一日現在における常勤役員の数をお示ししたわけです。 また、別途百十九人という数字をお出ししておるのは、
平成
五
年度
に船舶振興会から
補助
または助成を受けている団体であって、
平成
五年十月一日現在における常勤役員となっている
運輸省
退職者ということで、この場合、特に本省課長相当職以上というような範囲とか、あるいは先ほど申しました、退職してから十年以内というような枠組みを外した数字でございます。
小森龍邦
100
○
小森
分科員
そういうような後から注釈をつけても、来た資料によれば、四十八という数字が来たのと、それから別個日本新党の方へは百十九という数字が行けば、私の判断をちょっと狂わすでしょう。それは、あたな方がやはり多少意図的なものがあると私は思いますよ。そういうこともきちっと、どの党の議員が資料を要求するからといって、そこを後から
説明
して、あれはこういう
基準
でやったのですよというようなことを言わずに、同じ
基準
で出しなさい、これから。いや、もうそれはよろしい。 それで結局、
指摘
をしておきますが、これからまだ、きょう皆さんが反省をすると言ったから、それで反省を完全にできると私は思わぬので、まだまだこれは奥深いところがあるのですよ。 だから、きょうなりの
指摘
をしておきますと、要するに船舶振興会そのものが、金を出す団体とそれを受ける団体と、これは役員がかなり重複しておるということだけでも、物事が近代的な合理的な感覚でできないような、なれ合い的な、どんぶり
勘定
的な、そういうものになる可能性がありますね。これは、だから吉国答申が言っておるところですね。 それから、大体それを監督する
運輸省
からたくさんの人がそこへ行っておる。そうしたら、大体それは
運輸省
の今日からいえば、先輩が行っておるのでありますから、後輩はそれをいろいろとチェックをして
指導
することはできにくい。こういう問題があって変なことになっておると私は思うのですよ。 しかももう一つ、私は続いてやりますけれども、競馬とか競輪とかに対する一つの法的な裏打ちよりも、これは随分緩いですよ。船舶振興会とか全モ連の問題は緩いですよ。
法律
的にはちょっと異質になっていますよ。そういう問題があってこういうことになっているということを言わざるを得ないと思うのです。 ところで、簡単に答えてくださいよ。そういう緩みがあるから、基金の運用をめぐって、これも内部にいろいろ規定があって、そんなことをしちやいかぬということができておるのに、船舶振興会は、先般、一時含み損を見込めば二十一億円というときがありましたね。これは何にも責任をとってないね。つくば科学万博記念財団は、十四億の損をしたときには、これは理事長も会長も
辞任
していますよ。これはどうですか。簡単に答えてください、時間がないですから。
豊田実
101
○豊田(実)
政府委員
御
指摘
のお話は平和財団の特金運用ということだろうと思いますが、財団の基本財産の運用に当たりまして、
特定
金銭信託の運用については、従来、昭和六十二年の当時は、その株式の運用が一部でありますので、運用の
対象
にして差し支えないということが、これは
運輸省
だけではなくて各省の一般的な
指導
でございました。その後、
平成
五年六月に、状況を踏まえまして、一部にしろ株式が入っております
特定
金銭信託についての運用については行わないという方針で対応してきております。 お話のように、ほかの団体においてその処理の方法についていろいろ対応がありましたが、私どもは、平和財団の特金運用につきましては、含み損益を顕在化するということについて、やはり時期を見きわめて解約するということで、今
努力
をしている最中でございます。
小森龍邦
102
○
小森
分科員
あなたの答弁は長いから困るのですけれども、株式などに使うな、株式など価値の変動が著しい財産、美術品、骨とう品などにはそういうものは運用しちゃいかぬ、こういうことは、これは昭和六十一年ですよ。六十一年にそういうことを、公益法人に対する
指導
監督の
基準
を決めておるわけでしょう。それ以後のことですよ。 だから、きょう、それは手のひらをぱっと返したような反省の答弁をせいと言っても無理かもわからぬけれども、反省というような抽象的な——次官も、それから
局長
も出てきたけれども、まだきょうの段階であなたは前の答弁の続きをやりおる。だめですよ、そういうことじゃ。きょう逮捕されておるでしょう、きょう。あれはどういうふうな、だれが逮捕されたのですか。
小川健兒
103
○小川(健)
政府委員
このたびの事件の詳細については詳しくは承知しておりませんが、この事件は、
平成
三
年度
に行われた船舶振興会の本部ビル改修
工事
をめぐって、振興会の幹部職員が
工事
を受注した
建設
会社からわいろを受け取った容疑で逮捕されたと先ほどニュースで知りました。
小森龍邦
104
○
小森
分科員
今、私が
指摘
したようなことは、もっと細かくわかりやすく言わなければならぬのだけれども、一こま三十分ですからできないですけれども、先ほど申し上げましたようなことが続く限りは、一度あることは二度あるのですよ。中身の本質が変わらなんだら、同じような現象が出てきますよ。厳重にひとつこれからやってください。 終わります。
田端正広
105
○
田端主査
これにて
小森龍邦
君の質疑は終了いたしました。 次に、
楢崎弥之助
君。
楢崎弥之助
106
○楢崎
分科員
小森
委員の質問、それを受け継ぐ形で、わずかな時間ですが、質問いたしたいと思います。 実は、私は四月十九日に、この笹川一族のモーターボート競走会の問題について質問主意書を出しましたところが、どういう理由か知りませんけれども、大体一週間ないし十日で来るものが、やっときょう来たのですね、きょう。だから、そのことについてはきょう、質問はその中の一つだけしますけれども、時間がないから。どうしてそんなに時間がかかるのか、これは非常に意味があるのですよ。この次の締めくくり総括か、あるいは
予算
の
分科会
でも私はばっちりやりますからね。覚悟しておいてください。 大体、あなただれか知らぬが、ぼそぼそ声を出すというのは、胸を張ってこれが答弁できないからでしょう。私はそう思いますよ。あなた、きょうの捜査事件、テレビであれしました、全然、それまで知らなかったのですか。私は知っておったですよ。名刺がここにあるのだな、思い出したから探してみたら。日本船舶振興会吉松昌彦でしょう、受けた側は。これは、船舶振興会の役は今何をやっていますか。
小川健兒
107
○小川(健)
政府委員
前事務
局長
でございますが、現在は嘱託でございます。
楢崎弥之助
108
○楢崎
分科員
理事になっているはずですね、まだあなた方承認していないが。調べてみてごらんなさい。それは宿題として与えておきます。 先ほど
小森
君も言いましたが、この種の問題は後起こる可能性がありますよ。もう既に週刊誌等でも出ていますね。「すぱーく」ですか、屋内ゲートボール場、それから総合老人福祉施設のケアポート、もう既に問題になっていますね。どこに一体原因があるのか、これは二つあると思うのですよ。一つは、失礼ながら、
運輸省
とこの振興会の癒着の状態ですね。もう一つは、モーターボート関係、すべて笹川一族で何もかにもやられておるというところにやはり問題があるのですね。 最近、良一氏は全モ連の会長をやめられて、名誉会長ですか、そして陽平氏が会長になられた。それも随分ペンディングになっていましたね。どうしてすぐ承認できなかったのですか。やはり理由はあるのですね。これは世襲的な様相を呈しておるからでしょう。今度はあれでしょう。振興会、これももうお年だから、全モ連ができぬのなら振興会もできぬのだ、同じことですね。そうすると、後に理事長の陽平さんが控えておる。この人が、会長になる。まだ、承認をされておらぬが。そして良一さんの方は、大阪府モーターボート競走会の会長ですね。それから、次男の衆議院議員笹川堯さんは、群馬県モーターボート競走会の会長。陽平さんは三男ですね。この陽平さんは、
東京
都モーターボート競走会の会長、こういう仕掛けになっておるわけですね。 きょうはできませんけれども、例のポートピア
建設
をやっている富士レックスですね。この関係でいっても、陽平氏は富士レックスの元管財人で、代表ですね。現在の富士レックスの代表取締役社長は西村鉄三、昨年まで陽平氏の実質上の会社である東洋開発の取り締まりでございましたね。それから、陽平氏が代表取締役で、蔭山
幸夫
氏、この人は近代化センター会長、大阪競走会副会長、陽平氏とは姻戚関係になりますが、この蔭山氏が取締役を務めております日本飛行船は、富士レックスの株主であります。 要するに、ポートピアの開設、運営に当たって、許可をする者、資金の貸し付けをする者、運営をする者、そして施設のオーナー、すべて同一人物、あるいはその影響は極めて強い方がその責任者である。これが国が行う公営競技の仕組みの中にあっていいのでしょうか。もう旧知の事実じゃないですか、こういう一族で、これだけ何もかも占める。 それで、実はきょうは時間が短いから、本格的な質問は、私の質問主意書に基づくものは別の機会にやりますけれども、きのうからビッグイベントと言われている笹川賞記念レース、戸田のレース場で笹川賞記念レースが始まっておるでしょう。どうですか。何日間ですか。
小川健兒
109
○小川(健)
政府委員
始まっておりまして、三十日までやる予定になっております。
楢崎弥之助
110
○楢崎
分科員
ちょうどいい機会ですから、きょうはこっちの方を取り上げてみたいと思っております。 この全モ連、全国モーターボート競走会連合会、全モ連がいかに競艇ファンを裏切り、不公正なインチキを陰でこっそり行っているか。行っているのですね。その代表的な事例を私は今から、時間が少ないから二、三挙げて、全モ連と監督官庁の
運輸省
の反省を促したいと思っておるのです。これをもし競艇ファンが知ったら暴動が起こりますよ、きょうもし報道されたら。まず、全モ連という組織の中に褒賞懲戒
審議
会という組織がありますね。
小川健兒
111
○小川(健)
政府委員
ございます。
楢崎弥之助
112
○楢崎
分科員
もし不公正なやり方、行為を審判員や
整備
員や選手など、そういう方々が行った場合は、その
審議
会に諮りますね。そして、その不公正行為が事実であれば
運輸省
に報告する仕組みになっておるでしょう。どうですか。
小川健兒
113
○小川(健)
政府委員
そのとおりでございます。
楢崎弥之助
114
○楢崎
分科員
もし報告があっておって、それを
運輸省
が見逃しておったとすれば、言葉は悪いが、ぐるで詐欺の共犯ですよね。どういう
指導
を実際に行っていらっしゃるのでしょうか。今から実例を挙げてみたいと思います。 例のポートピア、場外舟券売り場は全国にありますよね。全国にある。戸田の笹川賞記念レースの札も全国で買われるのですよ。これが問題になったら、あなた、全国でどんなことになりますか。ファンがもう大ごとになりますよ。 そこで、この場外の舟券発売場の
設置
について、競馬や競輪では大臣の許可、あるいはオートレースでは大臣の承認が必要であるのに、競艇だけは大臣が確認することになっておるのですね。この理由はどういう理由ですか。
小川健兒
115
○小川(健)
政府委員
ポートピアの施設については、最終的に施設やなんか含めてそれが
基準
に合っているかどうかを
運輸省
が確認し、認めるということになっているわけです。
楢崎弥之助
116
○楢崎
分科員
それは私が言っておるとおりでしょうが。ところが、競馬や競輪では大臣の許可ないしオートレースでは大臣の承認になっておるのに、どうして競艇だけが確認になっているかと理由を聞いているのに、あなた、確認することになっておる、そういう答弁がありますか。もういいです、時間がないから。 そこも甘いのです。首根っこ押さえられておるからですよ。厳しい
指導
ができないのだ。だから競艇は、競馬や競輪と扱いが違う。おかしいですよ、これは。 それで、本論に入りますけれども、戸田の笹川賞記念レースのことを冒頭言いましたが、ちょっと時期は古いですけれども、昭和四十七年九月二十五日、この戸田レース場の場合に、そのときの審判長は伊集院という人でありました。スタート時における不正レースがあったと言われております。 例えば、正しい時刻前にスタートすることをフライングといいますね。私は水泳の選手をしておったから、ピストルを撃つ前にプールに出たらフライングといいます。あれと同じですね。このフライングにまつわる問題があった。正常にスタートしたにもかかわらず、フライングした扱いにされて、選手と客に多大な被害をもたらした事件がありました。 競艇レースはそのとき六艇で行われた。この六艇が出走したうちの一つがフライング、あとの五艇が正常なスタートをした。審判ではフライングしたその一艇を正常なスタートとみなし、残りの正常なスタートをした五艇のうち三艇、選手の名前もわかっております。三島、小沢、神ノ口という人をフライングとみなした。ファンには正常なスタートをしたと発表して、その不正なレースを強行したのです。 それで、正常なスタートをしたのにフライングしたと言われた選手三名が抗議をした。ところが、本部の方はどう言ったかというと、レースを成立させてしまったのでどうしようもないと言って、強引に選手たちにお金を握らせたという話もありますけれども、罰則的な訓練を受けさせて、フライングのためのレース出場停止まで押しつけていますね。フライングしたら何カ月か出られないんですよね。 要するに業界の圧力によって、この戸田レースの場合はレース場と選手会と全モ連、三者一体になって偽装工作をしたんですね、インチキを。フライングをしていないのにしたと言ってみたり。それで狂うわけです、結果が。私は一度も見たことございませんけれども、つまり、大穴が出たり狂ったりするわけでしょう。 これはほかのところもあっておるんですよ。これは福井県の三国の競艇場、昭和五十四年七月三十一日、第四レースにおきまして、そのときの審判長は大和という人です。二号艇の岡山県出身の向井という選手、この選手が、フライングを犯していないのにもかかわらずフライングと発表した。それで、そのレーススタート直後に電子スリット写真で、これは誤審と判明したのです。判明したにもかかわらずだんまりを決め込んで、ファンが騒ぎ出すからそのまま成立させたという例がある。これはさっき言った褒賞懲戒
審議
会において
業務
停止の処分になっております。これは知っておりますね、報告が出る仕組みになっているとさつきあなたが言うたんやから。
小川健兒
117
○小川(健)
政府委員
戸田のケースと三国のケースについてはちょっと今承知しておりませんが、制度としては報告することになっております。
楢崎弥之助
118
○楢崎
分科員
することになっておるが、あなた方御存じない。おかしいじゃないですか。どっちが悪いんですかな。隠しておるんですか。さっきは報告をしなければならない仕組みになっておると言ったじゃないですか。だから私は言うんだ。これはぐるになって隠している、結果的には。そう言わざるを得ないのですよ。 それで、今言ったこの三国の不正レースは、今月の二十三日、モーターボート連合会に、あるマスコミが問いただした。そうしたら、今月二十五日の回答で、その連合会側の顧問弁護士の三浦雅生という人が、ルール上では過ちはあるでしょうが、ルールに従ってレースを成立させたと思います、ファンには申しわけないが、関係者を処分してあるので納得してもらうしかない。こんなことやってファンが了承しますか。おかしいじゃないですか。ルール上過ちはあるでしょうがと認めておって、ルールに従ってレースは行った。何言っておるかさっぱりわからないですよ。僕がファンやったらどなり込みますね。こういうことやったら。全く八百長でしょう。 まだありますよ。今度は、いいですか、いい選手はもう決まっているんですね、私はよく知りませんが。そして大穴が出ますね。狂いができる。それは、倉庫へ行って、選手なりほかの人が合いかぎつくって無断で入り込んで、そしてそのいい選手のボートの出力をわざと落とす、夜中に入っていって。そして、人気のない選手のボートの出力をこっそり速める。結果はどうなりますか。いい選手がおくれて、人気のない選手が勝つ。どうしてこうなっておるんだろうかと二人とも思うのですね、逆の意味で、これで大穴ができる。 それで、これは夜中に戸田で起こったケースです。どうして入ったかというやりとりをある人が電話でやっておるのですね、実際に中へ入ってインチキした人が。それで、ここにテープがあります。だから、これをあれしておるとまた時間がございませんけれども、中身は大体こういうことですよ。かけてみればわかります。 ある選手がもう一人の選手に、入った方の選手に電話で問い合わせしているのですね。ずっと前によ、戸田の
整備
室に夜中に二人で入り込んだことがあるだろう、自分らは中ではなかったですけれどもね、
整備
室だろう、そうです、どういうふうに入ったか教えてくれよ。それで、うん、と考える。それで、宿舎の方から出てきて歩いできますよね、門があるでしょう、そこの隣に金網が張ってあるでしょう、その水面のところに、あそこを乗り越えて云々と、実況がそのまま載っておるんですわ。そういうふうにして無断で夜中に入っていって、合いかぎを使って、それで今言ったような操作をやるんですね。これは全くもう八百長もいいところだ。 それで、こういうものは
運輸省
は全然知らない。ばかを見るのはファンばかりですよ。何で
運輸省
はそんなに弱いのかと、さっきも
小森
君が一部言いました。私も冒頭言いました。私の質問書で、あそこだけ見たよ、私は、天下りのところだけ。昼もらったものだから。そうしたら、「
平成
六
年度
において振興会から
補助
又は助成を受けている
運輸省
関係団体に御
指摘
のような再就職を行っている
運輸省
出身の常勤役員数は、
平成
六年一月一日現在、四十七名である。」私はこんなこと聞いておらぬです。
運輸省
からどれだけ天下っておるかを聞いておるんでしょう、質問書では。それは役付じゃない人も入れて百十九という数字はさっきも言ったでしょう。そのうち九十五名が一号交付金ですよね。それで、二号交付金が二十四名。あと一名振興会に下っているでしょう。それを入れると百二十名になる。大塚正名という人、おったでしょう。元
審議
官ですか。
小川健兒
119
○小川(健)
政府委員
元
運輸省
の海上保安庁次長でございます。
楢崎弥之助
120
○楢崎
分科員
それが今振興会の常務理事になっておりますね。だから、これは振興会から
補助
とか何かを受けているということを私は聞いているけれども、振興会自体に一名天下っているから、天下り者を全部入れれば、振興会まで入れれば百二十名になりますね。これは間違いないですね。
小川健兒
121
○小川(健)
政府委員
振興会を入れればそうなります。
楢崎弥之助
122
○楢崎
分科員
そして、さっきもちょっと話があったとおり、一号の方は人件費やら運営費やらですよ。二号の方は本物ですよ。それが、私が調べたところでは、一号交付金の助成金と
補助
金の比率が、助成金が今言った管理とか給料とかの分です。
補助
金の方が
事業
費ですね。大体なら交付金は
事業
費の方が多くなくちゃいけない。ところが、人件費関係の方が多いんですね。
平成
元
年度
は助成金が七一に対して
補助
金が二九%ですよ。
平成
二
年度
は助成金が八一に対して
補助
金が一九、
平成
三
年度
は八八に対して
補助
金はたったの一二ですよ。 つまり、あなた方の関係の役人さんが天下っていっておるから、そっちの方へたくさん銭を出さないかぬ。お抱えになっているということでしょうから。こういう状態だから、失礼ながら、あなた方の答弁の声が小さくなるんですね。堂々と胸を張って言えない。それで私は、ちょうど
決算
委員長もお見えですから、これは私が調べたやつですが、時間がございませんから、これを出しますから、違っておるところは違っておる、この
分科会
が終わったらどうせ締めくくり総括になるでしょうから、それまでに御返答をいただきたい。 それで、一号と二号の関係は、公益法人の運営に関する
指導
監督
基準
というのがありますね。これを読んでみると、こうなっているんですね。「公益
事業
費の規模がどの程度であれば適切かということは明確には言えないが、最低でも管理費及び財産運用費の経費への支出額を超えていることが望ましい。」つまり、
事業
費は「超えていることが望ましい。」となっておるのですよ。超えておるところか、あなた、五分の一ぐらいになっておるでしょうが、大事な
事業
費の方が。これは通達ですか、これにも反しておるでしょう。一体あなた方はどういう
指導
をしているんですか。
小川健兒
123
○小川(健)
政府委員
助成金と
補助
金の比率については先生の言われたとおりでございますけれども、助成金はすべて人件費、管理費になるわけではございませんで、そのかなりの部分が
事業
費になることがございます。
補助
金というのは大体
事業
費の八割を
補助
し、二割がその
事業者
からの負担になっておりますが、
事業者
の負担のできないような分野、例えばいろいろな
基準
をつくったり、そういった国がやるべき
事業
については一〇〇%振興会から助成金として出ているわけで、そういった面でそれらはそういった
事業
に使われておりまして、その助成金のすべてが人件費になるわけじゃございません。
楢崎弥之助
124
○楢崎
分科員
大方そう答えるやろうと思うとったですな。それ以外に答えようがない。特別な場合の答弁をしているんです、あなたは。そうしたらあなた、こんな通達を出す必要ないじゃないですか。 それで、もう時間がなくなりましたから、私の質問主意書に正しく答えていないから、もう一遍注文しておきますよ、いいですか。それもさっきと同じ締めくくり総括の前に出してください。つまり、
運輸省
出身の全役員の名前と数を、一号交付金関係及び二号交付金関係に分けて、天下り先ほどこか、そこに何年行っているか、天下り先別に人数を出してください。さっき百二十名まで承認なさいましたから、その百二十名の方がどこに行っているか。それと、それを一号、二号に分けて。 それではこれで終わります。よろしくお願いします。
田端正広
125
○
田端主査
これにて
楢崎弥之助
君の質疑は終了いたしました。 次に、
水野
清君。
水野清
126
○
水野
分科員
きょうは
航空
行政、二、三の問題について承りたいと思います。簡明にやりますから、ひとつ簡明にお答えを願います。 日本
航空
という会社は、御承知のとおり、
航空
局長
さん、何か飛行機を買った際に、為替の先物をやって大変大きな赤字を抱えておられる。その赤字の金額は千三百億円とも千四百億円とも言われているということなんですが、このことについて、
航空
局で把握している内容を少し御
説明
いただきたい。
土坂泰敏
127
○土坂
政府委員
日本
航空
では
航空
機購入にドルを使うわけでございますが、そのドルの一部につきまして、ドルは為替変動に伴ってレートが変わるわけでございますので、そのリスクを回避するという
目的
を持ちまして、これは一九八六年から九六年の十一年間、その間に三十六億ドルの為替予約を行いました。そのときの予約レートは一ドルが百八十五円でございました。ところがその後、ドルが御承知のように安い、逆に言えば円高に振れたわけでございまして、その結果、今はもう百円近くになっておりますので、百八十五円と実勢レートとの差に相当する分だけ日本
航空
はドルを買うのに円を余計払わなければならないということになりました。その結果、飛行機の支払いに要するお金が日本の円にすると
増加
をする、そういうことになっております。 それを実績で見てみますと、八六年から九三
年度
までの実績で約千四百億円の支払い増になっております。この支払い増になったものにつきましては、機材の支払い増でございますから、固定資産の価額がその分ふえる。そうしますと、それが償却期間中を通じて償却費の増となって出てまいります。その償却費の増が九三
年度
で約三百億円と聞いております。これが私どもの聞いておる実態でございます。 したがいまして、今後九六
年度
分までの為替の予約がまだ残っておりますので、その分についてもなお同様の事情で支払いの増あるいはコストの増が生ずることになる、そういうふうに承知しております。
水野清
128
○
水野
分科員
その償却を九三年ですか、に三百億ばかり出した、こういう話ですね。いわゆる
決算
上の償却だけでこの千四百億円という今の為替差損が埋まるわけですか。
土坂泰敏
129
○土坂
政府委員
航空
機の償却は、十五年ないし十三年でございます。したがいまして、その間に、今申し上げました千四百億円に相当する分が償却費の増となって出ていく。ただ、それも最初の飛行機が入ってから十五年、それから次の年に入ってからまた十五年とずれてまいりますので、最終的には二十数年にわたってこの償却費増となってあらわれるということでございます。したがって、今三百億円というのは大変大きい数字でございますが、九二
年度
でいいますとこれは六十億円でございました。 いずれにしましても、その償却費増を、
航空
機でございますから、当然それを使って収益が上がります、その収益で対応する。さらには、日本
航空
、今会社全体が厳しい
合理化
をやっておりまして、リストラというのをやっておりますが、経費全体の
合理化
あるいは収益力の向上、そういった企業全体の
努力
の中でこれを吸収して対応しようということでやっております。
水野清
130
○
水野
分科員
今、日本
航空
はリストラをやっているということは大変よく存じ上げております。この間からスチュワーデスさんがどんどんやめさせられたり、あるいはもう採用を停止したり、大変恐慌を呈しているわけですが、この経営のリストラだけでこの為替差損が埋まると
航空
局は見ておられますか。
土坂泰敏
131
○土坂
政府委員
日本
航空
は今
年度
約一千億円のコストの削減を考えておりまして、いろいろな格好で血のにじむような
努力
をしておられます。他方、収益力の向上の
努力
もしておられます。それによりまして、今
年度
中には収支とんとんの線に持っていきたいという
計画
でございます。これから、不確定要素もいろいろあると思いますが、私どもとしては、その
努力
が実りあるものになるように期待をいたしているところでございます。
水野清
132
○
水野
分科員
この為替差損で、しかも決済がずれていくわけですね。ですから、今日現在では千四百億である。しかし、円が安くなれば少し助かるということもあるのですか。
土坂泰敏
133
○土坂
政府委員
仰せのとおりでございます。 円が安くなりますと、百八十五円との差の分が余計少なくなるわけでございます。そうすると、その分だけ支払いも少なくなる、支払い増も少なくなる、そういう関係がございます。
水野清
134
○
水野
分科員
日本
航空
が飛行機を買うのにドル建てでお買いになる、これは当然ですが、こういう大きな為替リスクを生んだことについて、
運輸省
としては今、日本
航空
に対する監督権といいますか、といったものはどの範囲まであるのですか。
土坂泰敏
135
○土坂
政府委員
日本
航空
はかつて特殊法人でございました。そのときは、
予算
なり資金
計画
なり役所が認可というような形で関与したこともございますが、このときは既にもう民間会社になっておるときでございました。これは会社の経営判断として行われたものであるというふうに私どもは考えております。 ただ、経営判断とはいっても、これだけの金額の支払い増、あるいは償却期間を通じてのコスト増でございますので、適正な経営判断とは必ずしも言えないというふうに思います。 ただ、だからといって、それではどういう方法があるかということでございますが、為替予約というのは、キャンセルをしようと思いますと残った分を今の円レートで全部清算をしなければなりません。そうすると、結局これは為替予約を実行したのと変わりがございません。 それからまた、今仮にキャンセルをいたしました後で、先ほど先生仰せになりましたように今度は円安に振れますと、別のリスクを負ったことになってしまいまして、そういったようなことを考えると、キャンセルの道もないということでございまして、これを受けとめて
努力
をしていくよりないわけでございます。 したがって、適正な経営判断だとは思いませんが、それを償う
努力
をしているということでございますので、私どもとしては、それをしっかりやっていただきたいという気持ちで見守っているところでございます。
水野清
136
○
水野
分科員
私は選挙区が成田ですから、日本
航空
の社員や何かの多くの人を知っていますが、毎日本当に血の出るような苦労をして会社の再建をしようとしてやっているわけですね。こういうときに、為替リスクをこんなことをやってしまって、一種の一これはあの当時、一九八六年ごろから、しかも九三年まででしょう。そうでしょう。九三年まで円がこんなに高くなるんじゃなくて安くなると思っていたということに対する判断というものは、これは
航空
局が判断したんじゃないだろうけれども、日本
航空
がそういう判断をしたということは普通だとお思いになりますか。八六年ごろならまだあったんですね。しかし、この九三年、九二年、九一年以降は貿易黒字がどんどんふえて、もう我々どうしようかということで、今内閣を挙げて困っている。日米経済交渉なんというのは、そういうところから出てきて苦労しているわけです。サミットの議題も、日本だけがドルをためているじゃないかと言われている。これは何もことしに限ったことではないわけですね。 どうしてこんな為替差損を生むような、先物と言うんですね、こういうのは、こういうことをしたのか、日本
航空
から当然事情をお聞きになったと思います。聞いていなければ、やはり路線の許可とか料金の許可をしていらっしゃるわけですから、今日本
航空
は政府会社じゃありません、純粋な民間会社ですけれども、私は、
航空
局としてはちょっと、事情を聞いてないのかな、聞いてないとすればおかしいなと思っているが、何かお聞きになっておられますか。
土坂泰敏
137
○土坂
政府委員
一九八六年に十一年間分の先物の予約をしたわけでございます。したがいまして、そのときの時点で十一年後の為替レートを予測したということになるわけでございますが、これは大変難しい判断であったろうと思います。ただ、経営者でございますから、為替の変動に伴うリスクをヘッジするというのは当然の責務でございまして、ある意味でリスクを負いながら判断をされたということだと思います。 たまたま残念ながらこういう結果になってしまいましたけれども、当時としては、経営者としてはそれなりに純粋に自分で一生懸命考えてこういう判断をされたということだそうでございまして、私どももそういう事情は伺いました。ただ、残念ながらそれが裏目に出てしまったわけでございますが、当時の経営判断としてこういう判断をみんなで考えてされたというふうに私どもは承知しております。
水野清
138
○
水野
分科員
ちょっと今のお話なんですが、八六年に一ドル百八十五円で先物を決めて、八七年も、八八年も、八九年も、九三年まで同じレートで機材を買ったわけですか。
土坂泰敏
139
○土坂
政府委員
百八十五円というのは平均でございます。正確に言いますと、
年度
ごとに金額は違っておりまして、百八十六円の場合、百八十四円の場合、百七十一円の場合、百九十二円の場合、いろいろばらばらでございます。それぞれ各
年度
ごとに一応会社としての予測をしたということでございます。
水野清
140
○
水野
分科員
今のお話を聞いていると、どうしてこういう円安になるという傾向を想像したか。二百七十円くらいから百二十円になるまでの為替レートの推移というのは、これは我々この十年間ずっと見守ってきた話で、私はどうしてこういう判断をしたかわからない。それについて日航の経営者からちゃんとしたお話を聞かれているのですか。 私は、これは経営上の大変なミスだと思いますよ。一千億のリストラをやるのでどれだけ苦労しているか。本当に苦労しています、日航の社員は。しかし、これだけのことをして、千四百億の為替リスクで赤字を出してやむを得ないということは、私はちょっと通用しないと思うのですが、いかがですか。
土坂泰敏
141
○土坂
政府委員
当時の経営判断というのは、それなりに経済情勢その他を勘案して自分なりに判断をしたものだと思います。ただ、そのことが裏目に出てしまったということでございまして、そして、結果として見れば、決して適正な判断ではございません。 ただ、それを今の時点となってどうするかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、これを回避する手だてというのが、つまりキャンセルすれば別のリスクを負うとか、そういうことになってしまいまして、結局今、予約したとおり先物をきちんと実行していくより手がないというのが現状でございます。それはやはり日本
航空
としてはいい判断ではなかった、その責めを今負っておるということだと思います。 ただ、それを会社を挙げてみんなで収益向上と経費の節減で乗り切ろうということをお決めになって、
努力
しておられるわけでございますから、ほかに手がないし、みんなで一生懸命やるという以上は、それで頑張ってもらいたいというふうに思います。
水野清
142
○
水野
分科員
実はこれだけの、千四百億の為替リスクをしょって、片っ方で一千億のリストラをやってこれを解消していくということについては、私は結局、日航の社員の苦労もあると思いますが、これはやはり顧客、パッセンジャーに対するいろいろな問題が出てくると思うのです。あるいは飛行機の安全の問題も出てくると思うのです。そういう問題について検討されたことがありますか。
土坂泰敏
143
○土坂
政府委員
日本
航空
のリストラというのは、経営者だけで決めてできるものではございません。労働組合を初め全社員の協力があって初めてできるものでございますが、日本
航空
は、今の厳しい国際競争の中で生き残っていくためにはこれをやるよりないということで、全社一丸となってこれに取り組んでおられるというふうに私は聞いております。そういう意味で、経営の判断の失敗というのはありましたけれども、それを償ってとにかく生き残っていこうということで力を合わせておられるのだと思います。 また、安全の問題にお触れになりましたけれども、もちろん安全の問題というのはすべて優先することでございまして、この問題が安全に響くようなことがあってはならないし、そういうつもりで皆さんも
努力
をしておられるものと私は受け取っております。
水野清
144
○
水野
分科員
私の質問とちょっとずれているのですがね。ですから、片っ方で一千億の大変血の出るような御苦労をしていらっしゃる、それは大変多としますし、それは国営、半国営時代のツケも回ってきたわけですから、まあ国鉄の赤字に比べればまだ小さいわけですけれどもね。それはそれとして、片う方でこういう赤字を出して、これを償却とかいろいろなことで消していくというために、いろいろな無理が生じないかということですね。機材の問題は一つあると思います。それからお客さんの問題とか、いろいろな問題があると思うのですね。 私は、はっきり言うと、日本のナショナルキャリアである、今でもナショナルキャリアと言っていいんでしょうね、日本
航空
は。このナショナルキャリアである日本
航空
のこういう体質を抱えているということが、これから国際
航空
の、お互いに国家間の競争が非常に激しいわけですね、その中で、これは大変なことだと思いますよ。そういうことを
運輸省
航空
局として比較をされたことがありますか。 要するに、企業間の体質の問題ですね。アメリカだって、かつてパンナムなんというのは太平洋を制覇しておったのが、いつの間にかパンナムは身売りしてしまったわけですから、御承知のとおり。そういうようなことにならないのかどうか。そんなことになったら大変なことであります。そういうことについて、
航空
局はどう考えておられますか。
土坂泰敏
145
○土坂
政府委員
日本の
航空
会社が国際競争の中で生きていくためには、やはり低コスト体質への
改善
というのが非常に大事でございます。非常に端的に言いまして、日本のエアラインというのは、日本自体が高密度社会でございますから、大変生産性が高い。端的に言えば、大型機でお客さんを運ぶだけの需要がまとまってあるわけでございます。 そういう意味で生産性が高うございますが、残念ながら人件費の単価もまた高い。これは
航空
会社だけでなくて日本全体の問題だと思います。内外価格差、例えば住宅が高い、食べ物が高い、それを反映して人件費の単価が高うございます。そうしますと、結果的に単位生産量当たりのコストは外国より高い。それが一番競争力のネックになっている。そこのところを直していかないと、国際競争の中では生き残れない。こちらでコストに見合う価格を設定しましても、アメリカなりアジアの諸国はそれを下回るコストで価格を設定できます。そうすれば競争に太刀打ちできない。やはり低コスト体質に切りかえていかないといけない。 これが一番の課題でございまして、実はその点につきましては、
航空
審議
会というのがございますが、昨年の九月に「我が国の競争力の向上方策」ということで諮問をいたしまして、今いろいろな論議を尽くして、間もなく答申が出ますが、基本的には、エアラインはリストラをするように、行政はそれを支援するような、例えば規制の見直しであるとかあるいは
空港
の
整備
の面の
努力
であるとか、そういうことをやって、端的に言えば、行政も汗をかき、企業も汗をかいて、日本のエアラインというものがみずからの使命を果たすようにしなければならない、これが答申の骨子でございます。そういう答申を受けてこれからやっていかなきゃいかぬ、そういう厳しい情勢でございます。 いずれにしましても、先生仰せのように大変厳しい状況だ。その中でこれだけのハンディを負っておる。しかし、それも乗り越えてやっていかなければどうにもならないということで、やはりそれをのみ込んで
努力
をしていく、こういう状況であろうと思います。
水野清
146
○
水野
分科員
私は
航空
行政全般のことを最後に伺おうと思ったんですが、ではちょっと角度を変えまして、最近大分議論が出てきたけれども、アジアの全体の拠点
空港
同士の競争の問題。これはまあ日航、今日本の国内
航空
会社の話です。 御承知のとおり、ハブ
空港
、僕はハブという言葉を最近までよく知らなかった。自転車の輪だそうですね。スポークというのが外へこう出る、針金の放射状になっている。ハブとスポークという話を最近盛んに言うようになった。これは、ここに、「きょうのことば」というのにも出ていますが、この日本に本質的にハブ
空港
がないんじゃないか、こういう新聞の解説なんかも書いてあるわけですね。 成田
空港
があるが、滑走路が一本しかない。これは御承知のような、二十何年かかって苦労したが、反対運動があってこういうことであった。関西
空港
も、ことしの九月できるんですか、ことしの九月できるが、開港するんだが、これも滑走路が一本である。関西
空港
の方は二十四時間の使用ができるからまだいいんですが、成田の方は夜の十一時から朝の六時までは使用ができない。非常に不便な
空港
だったわけですね。それで、かつて、私は成田ですから、成田の人たちが喜んでおったんですが、日本の玄関だ玄関だ、こう言って喜んでおったんですね。だんだんどうも玄関じゃなくなってきちゃった。 それが最近、先週でしたか、NHKの「クローズアップ現代」というのがありますね。あれでも取り上げていましたけれども、金浦
空港
、ソウルの金浦
空港
にお客を食われておる。要するに、金浦
空港
を中心に、この間、何か日韓の
航空
協定を、交渉をおやりになったんですね。新しく青森とどこかもう一つ、ちょっと私、記憶忘れました、地方
空港
をお認めになった。そこで、全体で十九地方
空港
ですか、十九ですか、たしか十九かなんか、十七が十九になったんですか、十九が二十一になったか、ちょっと私細かいことは忘れました。とにかく十七
空港
の日本の地方
空港
と金浦が結ばれるようになった。日本は国際線において、金浦が日本の地方
空港
のハブになってしまった、十七地方
空港
がちょうどスポークの先になってしまった、そういう絵がNHKの画像に出ていましたね。 これはやはり問題でして、それは残念ながら、成田は国内線が非常に少ない。これは滑走路が一本ですから。
航空
局長
は私と共通の悩みを持っておられるわけですけれども、関西
空港
も、あれは、関空で国内線はほとんど使わないんでしょう。伊丹を使ってそこをつなごう、こういうわけですね。その間にかなり時間、距離がある。特に成田は非常に不便なわけですね。ともかく羽田でおりて成田へ行くのに一時間では行けないんですから。どうしても、場合によっては二時間近くかかる。最近エクスプレスができましたから、それで行けば一時間かかりますけれども、いずれにしても一時間かかる。乗りかえに非常に不便である。 いろいろなことから、成田がいわゆるハブ
空港
になるような成長をしないでしまった。関西
空港
も関西のハブ
空港
に本来成長させるべきなんだが、これがまたどうも中途半端である。そのすき間をねらって金浦
空港
が出てきた。 これは本当かうそかわからぬけれども、本当かうそなんて言っちゃいけない。さっきどれか読んでましたら、韓国の安い
航空
運賃、この運賃が安いということも一つあるんです。昨年は五十六万もこの金浦を経由して欧米に向かう旅客がある。これは読売新聞の去年の七月二十六日の記事です。それで、いろいろな図式が書いてあります。 そういうことに対する
航空
行政のあり方、日本の
航空
行政のあり方について
航空
局長
はどういうふうにお考えですか。
土坂泰敏
147
○土坂
政府委員
ハブ
空港
は、仰せのように、多くの路線が集まる拠点的な
空港
でございます。成田それから、これから関空が九月に開港するわけでございます。 他方、地方からソウルあるいはそのほかの方へ路線を開設する、こういう動きがあるわけでございますが、これはこれで地域にそれなりの需要があって、地域の方の御要望もあるわけでございますので、それを一概に否定することはできないと思います。 ただ、問題は、今仰せになりましたように、ソウルへ行って、それからまたヨーロッパとかアメリカへ行く、こういう乗り方があるわけでございまして、それがどんどん進んでいきますと、ハブ
空港
というのを日本につくっていっても、それが本来の機能を発揮しないではないか。あるいは、日本の
航空
企業そのものが形骸化するではないか、これは韓国のエアラインがやった場合は。そういう懸念があるわけでございます。その点につきましては、これは大事な問題であろうと思います。 ここは、実は、仰せのように成田は、これは滑走路一本で、いろいろな制約がありまして、国内線も十分入れません。そういう意味で、必ずしも乗り継ぎ機能が発揮できるハブ
空港
ではございませんけれども、関空は、これは滑走路一本ではございますが容量に余裕がございまして、国内線も七十便近く入ります。国際線ももちろん入れるわけでございまして、国際、国内の乗り継ぎが可能である。それから二十四時間運用もできるということで、これは本当に我が国で初めての本格的なハブ
空港
になる、そういう素質を持った
空港
でございます。 したがいまして、この関空が開港した後は、やはりこの関空というものをちゃんと活用していかなければいけない。具体的には地方
空港
から関空経由でヨーロッパやアメリカへ行く、それが非常に乗り継ぎも便利で、最初にチェックインすればあとはずっと進んでいけるとか、それから運賃もやはり韓国の企業に負けないところまでいけば、これはこれで対抗できる。ただし、最終的にそれを選ぶのは利用者でございますので、利用者に選んでもらえるだけの
努力
をエアラインはしなければいけないと私は思います。 そういう意味で、関空というものを開港するのを機会に、先ほど申し上げましたエアラインの
努力
というのも非常に大事だ。
航空
企業が本当にリストラをして強い企業になるというのが
航空
政策のすべての原点でございまして、ハブ
空港
の
整備
と
航空
企業の
努力
と相まって利用者にこたえていけば、今先生の御懸念も解消に向かっていくのではないだろうか、そう思っておりまして、私どもも、そういう意味でエアラインに
努力
をしてもらわなければいかぬ、ハブ
空港
も全体構想も含めて関空をさらに充実させていかなければいかぬ、こういう気持ちで行政に取り組みたいと思います。
水野清
148
○
水野
分科員
要するに、
航空
局長
はその懸念は解消に向かう、こう言われている。まあ向かうでしょうな。向かってもらわなきゃ困る。しかし、完全に私は解消できるだろうかと思っているわけですね。 その一つは、
航空
運賃の問題があるんですね。大韓
航空
というのは何であんなに安いんですか。まず、人の国の飛行機会社のことだけれども、安いことは安いですね。非常に安い。それから、日本の女性をスチュワーデスに乗せていますね。どんどん乗せている。それから、僕はまだ見ていないんですが、人に聞くところによると、金浦で一晩泊まって遊んでいらっしゃい、それからヨーロッパへ行ったっていいではないですか。これはビジネスマンにはない話でしょうけれども、やはり観光客なんかはどんどんそっちへ吸い込まれる。両方見られるわけですからね。韓国の観光をやってさらにヨーロッパの観光に行ける、あるいはアメリカにも行ける、こういうことですから、非常に魅力的なわけですよ、いわゆる観光旅行者にとっては。私は、なかなが解消できないんじゃないか。 特に、この円高によってますます
航空
運賃の格差がついてきてしまった。その上、片っ方、これ以上値下げさせれば、今度は日本
航空
がつぶれてしまいますよ。ほかの
航空
会社だって、全日空だって。あとは国際線ないのですか、アジア
航空
とかいろいろなものがありますね。アジア
航空
というのは大体日本
航空
の子会社でしょう。そういったものだって、私は限界に来ていると思うのです。 それをどういうふうにするか。
航空
審議
会をお開きになっても、何かいい知恵があるのですか。
審議
会を開けば玉手箱で何かいい話が出てくるのなら、皆さん方だってそのぐらいの知恵はあるわけなのですから、それをひとつ聞かせてください。
土坂泰敏
149
○土坂
政府委員
先生の御
指摘
は、一番本質のところをおっしゃっていると私は思います。 結局、韓国のエアラインは運賃が安いし、それからいろいろなことも、乗り継ぎなんかでも便利なわけですが、基本はやはりコストの差というところがございます。先ほど申し上げましたように、内外価格差、これは日本経済全体の負っている宿命のようなものでございまして、日本のエアラインはその中で競争しなければなりません。そこにハンディが確かにあります。 それからもう一つは最近の円高ということでございます。これも、ある意味ではエアラインの責任ではありません。ただ、日本経済全体の問題でありますが、そういうハンディを負って競争しなければならないし、その競争に勝たなければ、先生が今仰せになりましたように、日本のエアラインは存続はできない。日本のエアラインが存続できないというのは、これは国益にかかわることでございまして、そういうことでは困る。こういうのが今の状況だと思います。 したがいまして、これは
航空
審議
会で議論をいたしましたと申し上げましたが、
航空
審議
会で何かいい案があるというような甘い話ではございません。結局、だれが考えようとも、身を削る
努力
をしなさい、これしか答えはないわけでございまして、ハンディを負いながら身を削る
努力
をする、それをやらなければ本当に存続できない、これが今のエアラインの置かれている状況でございます。したがって、
審議
会の答申が出たからどうのということではなくて、
審議
会の答申はむしろスタートでございます。これからというか、今までもやっておりますが、大変厳しい中でさらにリストラをして残っていく。そして行政も、ある意味では規制の見直しなどは身を削る思いでございますが、両方とも身を削って日本のエアラインが立ち行くようにしていかなければいけない、そういう状況であろうと思います。
水野清
150
○
水野
分科員
そこで、私は意見を言っておきたいし、今後の行政に注意をしていただきたいのです。
航空
運賃というのは、要するに許認可制ですね、許認可の
対象
になる。許可ですね、これは申請して許可するのですか、細かいことは知りませんが。国際線は競争ラインがありますから、国際競争がありますから、これはある程度までいったら絶対上げることができない。むしろ、上げるよりは下げなければならない、円高の時代でありますから。そこで、それを全部国内線にしわ寄せするのじゃないか、こういう懸念を私は持っているのですけれども、どうですか。
土坂泰敏
151
○土坂
政府委員
国際線と国内線は、当然のことながら原価計算を別にやっております。国内は国内で、やはり利用者の厳しい御批判の中でやっていかなければいかぬわけでございますし、ほかの輸送機関、例えば
新幹線
などとの競合関係もございます。国際線のツケを国内に回してやっていけるような甘い状況ではこれまたございません。国内も国際も同様に、やはり経営
努力
の中でしか立ち行かない状況になっていると思います。
水野清
152
○
水野
分科員
実は、きのう、そちらから資料を出してもらったのですが、これは
東京
−大阪の
航空
運賃、往復でいきましょうか、二万六千円ですね。それが
新幹線
で行きますと、普通指定席だと、これは「のぞみ」で二万八千八百六十円、グリーン車だと三万七千九百六十円。「ひかり」は、自由席が二万五千九百六十円、普通指定席は二万六千九百六十円となっています。 言ってみると、
航空
運賃より
新幹線
の方がちょっと高くなっているのですな。これはこの前何かの席で僕はあなたに言いましたよね。こういう時代、これはそれなりの理屈があるのですよ。あなた方の理屈があるけれども、こういうことじゃなくて、本当に競争させたらどうかと私は思うのですね。
新幹線
と
航空
運賃だって競争させたらどうだと。まあつぶれるまでと言うとつぶれるとまた困るけれども、ともかくお互いに身を削るということは、もっと競争し合っていったらどうなのだろうと思うのです。 この
東京
−大阪間のバスは、これは往復だな、一万四千九百円。これは随分安いですな。バスで行くと安い。そのかわりこれは時間が必ずしも約束できないのでしょうね。それから輸送力の限界もありますわね、バスでは。 しかし、昔から言われているように、
新幹線
というのは飛行料金よりちょっと高くしてあるのだ。これはもう昔から言われていることですね、ちょっと高いのだよと。本当は
新幹線
の方が、どっちが得なのですかね、私はむしろ
新幹線
の方が今は便利だと思いますよ。
東京
都内から羽田まで行く途中のタクシーなり乗用車の使用料、運転手とかもかかりますし、千円や二千円かかるでしょう。待ち時間が物すごくかかりますね。それから、大阪も、伊丹から大阪の市内に、ビジネスの場合ですよ、これも相当なお金がかかるわけです。そうすると四千円ぐらい、これは私は両方に乗ると思うのですね、
航空
運賃には。そうすると約三万円近いわけですよ。それと
新幹線
の値段。
新幹線
の方が都心から大阪の中心に行きますから、私は便利だと思う。時間がそのかわりちょっと三時間近く、今三時間かからないですが、二時間ぐらいで行くのですか、二時間半ぐらいで行くのですか、時間が少し短縮されますけれども。実際は、
空港
とセンターとの時間を足すとほとんど変わらないのですようまくいって変わらないのです。 どう考えても、この両方を、調整をとっていらっしゃるのが
運輸省
である。これは、料金決定についてはそういうお考えは持っていらっしゃるのでしょう。
土坂泰敏
153
○土坂
政府委員
運賃の規制をどうするかということでございます。
航空
のことで申し上げますと、御承知のように、
東京
とか大阪とか、そういう拠点的な
空港
は今制約がございまして、自由にだれでも入れるという状況ではございません。したがって、参入というのでしょうか、マーケットに入ってくること自体に制約があって、そこは免許制で抑えざるを得ない状況になっております。片っ方で参入を抑えておきながら運賃の方は自由にするというのは、これはまた難しい話でございます。それをやりますと、例えば
東京
−大阪のようにほかと競争の激しいところは、これは運賃を下げるでしょうけれども、逆に、独占をしているような路線は、これは運賃を上げたりあるいは勝手に撤退をしたりというようなことが起こります。したがいまして、やはり企業全体としてコストと収入が見合うようにという意味での運賃規制というのは、私どもは必要であると思います。 そういう意味で、企業の適正原価が償う運賃というのをやはり今の段階ではきちんと見ておく必要があるのではなかろうか。そういう範囲内で運賃というのを、大きな意味では
新幹線
と
航空
というのは競合関係にありますし、当然相手を意識していつもやっておるわけでございますが、やはり完全にフリーにしてしまうというは今の時点では問題があるというふうに思います。
水野清
154
○
水野
分科員
完全にフリーにすることは無理なのですよ。私は無理なことをわかっていて御質問申し上げているのです。無理なのですけれども、そういう時代じゃないのじゃないかということを私は言っているわけですね。 今度、先ほどあなたに来てもらって、
運輸省
の規制緩和の話がありまして、この規制緩和、お出しになりましたけれども、まあ
運輸省
というのはなかなか規制緩和の、規制のある役所としては大株主で、去年までは筆頭株主だった。ことしは通産省がトップで、二番目が
運輸省
。
運輸省
のまだ持っていらっしゃる規制は千八百九十三件。トップが通産省の千九百八十六件。非常に規制の網の縦横にかぶっているお役所なのですね。先ほど楢崎さんがいろいろな何かモーターボートの話をしていましたけれども、ともかく規制の多いお役所なのですね。 もっとこういう問題をひとつ裸になって考えてみる手はないのでしょうかな。すべて規制をしていく。それはお役所にとっては、すべて皆さんが頭を下げて判こをもらいに来るわけですから、大変いいのですけれども、例えば自家用車の六カ月点検を今度は道路運送車両法の改正をやって十二月点検まで延ばした、これは遅きに失しますよ。それから、
航空
運賃の問題でも、家族割引は届け出制によくしましたといって胸を張っておられるけれども、実質的には当然のことでして、これは国際競争をやるのに家族割引から何から全部届け出する必要だってないと私は思うのです。それについてどうお考えになりますか。政務次官いかがですか。
星野行男
155
○
星野
(行)
政府委員
先輩から最後に政務次官に答弁の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。 いろいろとほかの方からも御質問が出たところでございますが、お話のとおり、
運輸省
の方では許認可の件数が今まで圧倒的に多かったわけでございます。今回、鋭意この規制緩和を進めようということで、御案内の今国会提出の許可、認可等の整理及び
合理化
に関する
法律
案、一括法で
運輸省
関係では百一
事項
、改正
事項
数では百七十七
事項
ということでその過半数を占めている、こういうことでございまして、この関係では非常に熱心に真剣に取り組んで、言うなれば優等生ではなかろうか、こんなふうに思うわけであります。また、御案内のように三年以内で二割削減を目標にしている、こういうことで鋭意取り組んでいるところでございます。
航空
運賃等のお話がございましたが、関連いたしまして、先輩からいろいろとお話がございました、日航を初め日本の
航空
企業が今非常に競争力が低下をしている。それは、
局長
からも答弁がございましたように、内外価格差という中あるいはまた円高という中で、非常に苦労しなければならない
環境
に置かれている、こういうことでございます。そういう中で、やはり企業間の提携とかあるいは外貨化さらにまた国際化の中で、国際的な外国企業との提携もこれから進めていくという
環境
条件になってくるのではなかろうかと思いますが、鋭意コスト低減を図り競争力も高めていく
努力
をしていかなければならない。その中で、運賃につきましても行政側の規制緩和を進めて、企業の創意工夫を生かせるようにしていかなきゃならない、そんなふうに考えております。 それから、もう一つまた我々の
努力
でありますが、先ほどお話しの
航空
運賃が高いという中で、ほかの議員さんからもお話がございました、
空港
使用料が世界一高い、こういうことも言われているわけでございますけれども、それはやはり現在の仕組みの中ではやむを得ない、やはり何らかの形で一般財源、真水をもっと投入する
努力
をして、この運賃に転嫁するのを軽くしていくという
努力
がこれからの政治に課された課題ではなかろうか、そんなふうに感じている次第でございますが、今後また御
指導
をよろしくお願い申し上げます。
水野清
156
○
水野
分科員
ともかく規制が運輸行政は非常に多いと私は思うのです。もっともっと解除していいと私は思う。解除すれば天下りする先が減るとか、あなた方の判こを押す数が減ってしまうからというでしょうが、これは勇を鼓してやってもらいたい。 それから、今政務次官がおっしゃったから、私はもう一つ議題があったなと思ったらそのことなんです。
空港
使用料、成田が九十四万ですか、今度の関空が百万超えるのでしょう。ところが、アメリカあたりは何か二十五万とか、金浦が幾らですかね。これは一遍当委員会に総括までに各外国の主要
空港
の、特にアジアの拠点
空港
の
空港
使用料の……。 それから、飛行機の固定資産税というのもあるのですか。何か母港があって、母港に固定資産税を払うのですか。
土坂泰敏
157
○土坂
政府委員
ジャンボ機の例でいいますと、今仰せのように成田が九十四万円程度で、関空はさらにその一割増してございまして、金浦
空港
が大体二十六万ぐらいだったと思います。 それがいわゆる着陸料でございまして、今先生が仰ぜになっている固定資産税というのは、当然飛行機そのものに税金が固定資産税としてかかりますから、それは、我が国の場合は
航空
機の所在の市町村にその税金分を納めなければいけない。これは飛行機に限らずどんな、例えば船でもあるいは建物でもみんな同じことでございまして、税体系でございますので、これは全く別のものでございます。
水野清
158
○
水野
分科員
ついでですから、もうちょっと時間があるので承りたいけれども、この着陸料の問題というのもなかなかばかにならないと私は思うのです。これはどうして解消しますか。結局は飛行場をつくる飛行場のコストの問題なんで、飛行場をつくるのに安い飛行場をつくってやらなければいけない。 ところが、今まで公共
事業
費というものは、どっちかというと
運輸省
で公共
事業
費をもらえるのは
港湾
局なんですね。政務次官、何か大分お考えがあるようですから、じゃ少し時間を上げますから演説をぶってください。ともかく公共
事業
費というものをほとんど特別の省、特別の局で独占しているわけですね。ことしの二月の
予算
のときもそうでしたし、あれは大蔵のキャンペーンも大分あったのだが、漁港なんというのはもう要らない、要らないと言っては怒られるけれども、漁港とか土地改良よりはもっとやるべきことがあるのじゃないか。 確かに生活関連という、これは
空港
なんというのは生活関連の最たるものだと私は思いますね。そういうものにもつと公共
事業
費をたくさん入れて、
空港
の使用料百万前後なんというのは、これは恐らく国際
空港
で世界一高いのじゃないかと思うのですね。それは結局は
航空
会社の負担になる。それは結局は、さっきのようこいろいろな血の出るようなリストラの苦しみをやっているのにお上は取るものは取っていらっしゃる、こういう形になるわけです。これは私は非常にまずいと思いますね。 政務次官は政府・与党の重要人物でいらっしゃるのですから、この
予算
編成が、これからもう間もなくシーリングの問題が出てきますけれども、ひとつ大いに頑張って、空整特会の中でやりくりするだけじゃなくて
空港
建設
には思い切って公共
事業
費を入れる。今ようやく
新幹線
に入るようになったわけです。それをもう一つ頑張ってやっていただけませんか。
星野行男
159
○
星野
(行)
政府委員
大変ありがとうございます。 公共
事業
費が単価が非常に高いということについては、私もこの間地元で関係者と話をいたしましたら、土地改良
事業
、圃場
整備
でございますが、これは大体百万から百数十万かかると言われておりますけれども、自分の方で土建会社のブル頼んでやれば三分の一、三十万ぐらいで上がる、土地改良区に頼んでやると非常に高い。だから
補助
金もらってやるよりも自分でやった方が、かえって同じくらいだ、こういうような話を伺いました。そのあたりが、公共
事業
の内外価格差、アメリカ対日本、日本が何割も高いというのが新聞に出ておりますけれども、一つの問題点ではあろうかと思います。 それからもう一つは、
事業
別の配分の見直しの問題でございましょうが、
空港
の問題、それから後ほども
佐藤
先生からお話があろうかと思いますが、
鉄道
の問題、いずれにしても財投を中心にやっているわけでありますけれども、
鉄道
の場合は
整備
基金ということがございますが、いずれにしても、やはりもう少し一般財源が投入できるような財政の仕組み、財政の構造の
改善
を図っていかないと、これはなかなか容易じゃないなという気がいたします。 したがいまして、ここで逆陳情でありますが、いずれにしても税制改革は避けて通れないものではないか。それだけではありませんけれども、そういうことも考えざるを得ないわけでありますが、いずれにしても
空港
は、今
局長
答弁されましたけれども、日本の場合の着陸料、
空港
使用料が国内線で全体の営業費用の七・六%、それから諸経費を入れると一九・七%、やはり
航空
会社が払わなければならない。お金がかかるんだそうですね。二割近いものが営業コストになる。ところが、国際線の場合は着陸料が、
空港
使用料ですけれども三・一%、こういうことでありますが、いずれにしても、外国企業から見ると日本の
航空
企業はそういう意味で大変大きな負担を強いられているということは事実のようでございます。 そういう意味で、今お話もございましたが、これからの公共
事業
、公共投資の配分の問題につきましては、これから
予算
編成、概算要求の時期が間もなく来るわけでございますが、私ども随分心してやっていかなきゃならない、そのように思っております。
水野清
160
○
水野
分科員
政務次官、今税制改革のお話をしました。公共
事業
費の配分の問題は、税制改革をしなくてもできるのです。ですから、他省庁もわたるかもしれませんが、公共
事業
というのは、今おっしゃったように土地改良にも分けている、漁港にも分けている、あるいは
運輸省
でいえば
港湾
にも分けているわけですね。それから、
建設
省でいえば道路とか河川とか林野とかたくさんあるわけですね。その配分の比率を過去においてほとんど同じにして、全額あって、何か公開財源とかいって八百億ばかり出してそれで分ける。そのまた比率まで決まってしまったわけですね。非常に硬直化してしまったわけですよ。私は、それを見直そうという大蔵省の提案を非常にいい提案だと思います。大蔵省もなかなか陰湿なことを時々やるけれども、これは私はなかなかいい発想だと思います。それも、生活関連に重点的にまず配分しましょうと。 そこで、今私の申し上げているのは、
空港
は生活関連ですよ、こういうことなんですね。公共
事業
費というのは、
予算
がどんなにあれでも赤字公債、
建設
公債を発行して
予算
を成り立たしているわけですから、それでまた景気浮揚策になっているわけですから、それをひとつお願いします。こういうことなんです。 例えば、ちょっと時間が余ったから申しますが、さっきの話でも、飛行機一機、着陸料が平均百万だとしますよね。これが、四百人乗っているとすれば一人が二千五百円かかるわけです。そうでしょう。半分にすれば千二百五十円まかるわけですよ。飛行機運賃を千二百五十円下げるというのはなかなか大変だと思いますよね。易しく言えばそういうこと。 ですから、着陸料を五十万にするためにどうしたらいいか。私は逆算だと思うのですね。とても二十五万なんかできませんよ、金浦みたいに。ですけれども、五十万にするにはどうしたらいいか。逆発想されたらいい。もし企業だったら逆発想するしかないのですね。そして、それをどうしたらいいか。とても空整特会では賄い切れない、空整特会で賄い切れなければどこからか持ってくる、なら公共
事業
費が一番早い、
空港
の
建設
は公共
事業
であってどうして悪いんだ、こういうことでしょう。立派な公共
事業
なんだ、そういう発想を持っていただきたいと私は申し上げているわけであります。これは大変なことだと思うのです。 きのうもここで郵政省のことで申し上げましたが、ともかく円高というのは我々の生活に大変な迷惑をかけていますよ。はがきが一通日本の国内で五十円でしょう。香港から出すと二十四円なんですから。香港へ行って切手を張ると二十四円で日本の国じゅう出せるのです。だから、選挙ではがきを出す人もいますけれども、外国から出したら公選法違反にならないんだろうかね。ともかく、香港へ行ってたくさん出していけないという理屈は今一つもないわけですから。
運輸省
の皆さんは知らないでしょう。香港へ行ってはがきを出すと二十四円で出せるのです。日本の国内に出せる。その
差額
をどうするんだという話が今後出てくるわけです。 電話だってそうですね。日本からかけるよりニューヨークでかけさせたらいい。だから、こっちから合図を送れば向こうからかけてくるようにすればいいんですね、決まった通信は。 それから、このごろはもう
航空
の切符がそうですよ。商社なんかの人に聞いてみると、こっちから切符を買うばかはないというのですね。みんなニューヨークで買わせるわけです。帰国する人が往復買うわけです。片っ方は、オープンで買えばだれでも乗れるわけですから、その切符は庶務か会計に置いておけば、ほかの人が出張するから、ニューヨークヘ、はいニューヨークの切符、これで行けと。そうすると、どのくらい違うのですかね。これもひとつ円高の格差というものを
航空
局で一遍計算してください。目をつぶっていようとするから皆さん余りそういう計算をなさらないけれども、きちっとこれをどうするかという話をひとつ真剣に考えてくださいよ。もう
航空
会社だけにリストラで任せる時代じゃないのですから。 日本に
航空
会社たった三つしかないのでしょう。貨物会社を入れたら、小さい、エアーニッポンとかなんかありますけれども、そういうものを含めて、これは少ない企業ですから
運輸省
が、
航空
局というのはよく把握をしておられると思うのです。だれでも
航空
会社をやられたら迷惑ですからね、おっこったりしたときどうするか。大変迷惑ですから。それは数が少なくていいのですけれども、外国との国際的な比較をおやりになる、円高の問題についても検討をされる。
航空
局、最後に、円高による
航空
運賃の
差額
というものを計算しておられますか。
土坂泰敏
161
○土坂
政府委員
御承知のように、
航空
運賃は発地国建てといいまして、日本発の運賃は円で、アメリカ発の運賃でいえばドルで、こういうふうに表示をされます。その結果、ある時点で均衡いたしておりましても、仮にそれが円高に振れますと日本発の運賃というのは割高になってまいります。そうすると、方向別に見まして、今までは均衡しておったのがこちらからアメリカへ行く方が高い、そういう状況になります。それが為替が変わるたびにそういう状況が起こるわけで、為替は毎日変わりますから、毎日上がったり下がったりする。 ただ、こういうふうに恒常的に円高が続いていきますと、上がる方向にずっと差が出てくる。これを僕らは方向別格差と呼んでおりまして、これが余り差があります場合には、例えば日本発の運賃を一〇〇にしたときにアメリカ発の運賃が八〇とか七〇とか、そういう状況になりますと、やはり方向別格差を是正しなければならない。ということは、日本発の運賃を今まで下げてきたのです。そういうことを今までやってまいりました。 昨年の十月ごろでしたか、やはり円高で方向別格差が随分生じまして問題になったことがございました。そのときに、実は今までと違ってもうエアラインが赤字で、さっき申し上げたように大変厳しい状況になっている。したがって日本発の運賃を下げる余裕がなかった。そのためにそのときは方向別格差は見送らざるを得ない、こういう状況でございました。 ただ、今はだんだん
改善
はされてきております。大体九割ぐらいの線までいっておりまして、さっき申し上げたように毎日変動いたしますので、一割前後の差であれば、これはまあ容認すべきではなかろうか。それが二割、三割となって恒常的になると直していかなきゃいかぬのじゃないかというのが基本線でございます。 ただ、それもエアラインの経営状況によってはできないときもあるということでございまして、やはりいろいろ考えますと、先ほど申し上げましたようにコストを切っていく
努力
というのがこの場合も非常に大事になるなというふうに考えております。
水野清
162
○
水野
分科員
もう時間が少ないからあれですが、今お話しのように、円高の問題というのが、さっき言ったように日本
航空
の為替リスクに、一会社に千四百億もの大きな為替差損を生じさせて、また同時に
航空
運賃は二割とか三割とか高いものになってきてしまって、さらに
空港
は、これは為替の問題だけじゃなくて日本の国内の治安問題とかいろいろな問題が絡んできますけれども、ともかく日本にしっかりしたハブ
空港
がない。国内線とのコネクションも非常に悪い。私は、この十年間といいますか、約十数年間の
航空
行政というのは少しのんき過ぎたんじゃないかと思うのですね。私は
航空
局というのは成田
空港
の問題以外おつき合いが少ないものですから
運輸省
というのはつき合いないのですけれども、いずれにしても、私は、過去十年ぐらいの
航空
行政というのは余り芳しいお仕事をしておいでにならなかった、失礼ですが、そう言わざるを得ない、こういうことです。 これからまた十年、二十年、二〇〇〇年とか何かみんないろいろな議論をしていますけれども、ともかくこれがさらに進んだら、日本の国はもう決定的な格差がついてしまうのですね。御承知のとおりでしょう。香港にも、香港と金浦とはちょっと性格が違うでしょうけれども、いろいろな記事を見ていると、香港だって一千万前後の乗降客があるし、それから台湾のチャン・カイセキというのですか、蒋介石
空港
だって八百万ぐらいのあれで、それからシンガポールのチャンギだって一千万でしょう。成田が二千万、金浦はもう二千万近い、千八百万ぐらいでしたか。大変な乗降客を持っているわけですね。とてもこれはかなわないです。まあ、北京はちょっと国柄が違うからどうかと思いますけれども、非常に安穏としていられない、いわゆるボーダーレスの時代になってきたわけですよ。
航空
行政の政務次官、
航空
局長
、少しふんどしを締め直して、
航空
行政をひとつ立て直していただきたいということを祈念をして、私の質問を終わります。
田端正広
163
○
田端主査
これにて
水野
清君の質疑は終了いたしました。 次に、
佐藤
敬夫
君。
佐藤敬夫
164
○
佐藤
(敬)
分科員
与えられました質問時間が三十分でありますので、要領よく御質問申し上げ、あるいは御意見をお伺いしたいというふうに思います。 昨晩、NHKのテレビを見ておりましたら、これは農業問題でありますが、筑後川のいわゆる改修の
事業
が行われておりました。その時代には、概念として確かにこれからの新しい農業というためにその打ち立てた
事業
が、二十年たってしまって現実にその作業が中途半端になってしまって、今度は、農民の三万世帯の要するに了解が必要だ、こういうことになって、果たしてこれから、農業はもうだめになるんだというときに向かって、農家も、あるいはその間に挟まる土地改良区も、本当にこのまま借金をしてそれを返済していく、あるいはその経費を払っていくということにおいて、いかがなものだろうか。 今
水野
先生からもお話ありましたように、国家五十年の半世紀を超えて、けみしてきて、政官財という一つの大きな共同作業の中でこの国をつくったことは、それは本当に認めざるを得ないだろう。しかし、時代認識がどんどん変わっていく、そういう基本的な概念というものをここに打ち立てていくためには、抜本的な改良、
改善
が必要なんだろう。 公共投資そのものが、配分比率の問題、そういう五十年前と今との、あるいはこれから、二十一世紀にもうあと五年たてば入る、例えば二〇〇五年にテーマを置いて、あと十年という世の中を考えてみても、やはりこの時代認識とか概念というものをきちんともう一回つくり直さないと、なかなか壮大な、七十六兆をも超えるような大きな国の
予算
というものを、公共投資の効率性とか生活関連社会資本の絶対不足している中で、それをどうやって本当にお互いに補っていくのか。あるいは産業関連の社会資本のものだって絶対的に不足をしてくる。あれも欲しい、これも欲しいということで、そうなる。 そういう中において、極めて今、この配分比率と概念と国と地方の関係、この三つが硬直化現象を起こしているということについて、私どもは、政治家としてその認識を基本にして、新しい時代や、新しい時代の政治の枠組みや、政党の枠組みをつくらなきゃならぬ、こう思っておるのでありますが、まず政務次官に、これは質問の申し入れがなかったのでありますが、その基本的な部分について、私と政務次官の認識の違いがあるかないかということについて、お話、御意見を伺いたいと思います。
星野行男
165
○
星野
(行)
政府委員
佐藤
先生の御質問にお答えさせていただきます。 全く同感でございます。 先ほどもほかの議員さんに申し上げましたけれども、戦後半世紀、先輩、先人の御
努力
で今日の経済繁栄を遂げた日本ができ上がりました。しかし、これから二十一世紀の日本が一体どうなっていくのか、その先が見えないために国民のいら立ちがあるのではなかろうか、そんなふうにも思うわけであります。 政治の世界の問題は別といたしまして、これからの政治、行政の仕組みあるいはまた公共投資のあり方、本当に真剣に、何が一番必要か、限られた財源の中で選択をしていかなければならない、そんなふうに痛切に感じております。
佐藤敬夫
166
○
佐藤
(敬)
分科員
私どもは、今考える部分で、一九四五年の団塊の世代という世代がもう五十代になって、そしてその子供たちがもう結婚するような年代になった。その子たちが現実にあと五年、十年たつと、その時代の主役なんだというと、まさに家にいても価値観が全く違うわけですね。その価値観をだめだじゃなくて、本当に生き生きと誇りを持って、この国に住んでいいよというふうに思うことをしてあげなければいけないというのが、今我々政治家やあるいは行政の、行動しなければいけない基本原則であるというふうに思っているわけです。 たまたま三分野について御質問いたしますが、
鉄道
も、私ども自民党にいるときも、ついこの間まで交通部会長をやらせていただいたのですが、実際に
整備新幹線
の問題にしても、ひょっとしたらこのままいっちゃうと筑後川の二の舞になつちやうんじゃないかな。 これは、ことしの政府の中での大蔵大臣、運輸大臣、自治大臣の申し合わせ、こういうことでありますが、「
平成
六
年度
予算
においては、
整備新幹線
建設事業
費を一、八二九億円計上する。」こういうことは、従来自民党でやってきた中身とほとんど変わりませんね。しかし、変わっているのは、四項目の「現行の基本スキームにおける国の財源に充てられる公共
事業
関係費については、他の公共
事業
関係費と同様の取扱いをすることとする。」ということは、ここに十億の真水が投入されるということになったわけですね、百八十七億になったわけですから。 これは今、
水野
先生がさきにお話がありましたけれども、大蔵もやっと、この
整備新幹線
に真水を導入しなければ、相当急がなければこれは基本的なところまでいかないな、こういうふうにお考えになっているんだろうと思うのです。しかし、どうしてもまたそれを詰めていきますと、この七項目の中で、これは少なくとももう三十年かかるのかなという、その三十年かかったときに、やっと九州
新幹線
ぐらいまでなのかなというような雰囲気でしかないのです。 こういうものを、本当に今大蔵がそういう配分比率について大きな見直しをするというときに、ここに
鉄道
局として、この
整備新幹線
の新たな時代認識に立って、最低限度ここまではどんなことでも考えながら、お互いに足りないところは補い合いながらやっていくんだという……。 例えば一つの事例を申し上げますと、
水野
先生と若干違いまして、私は
運輸政務次官
をやっておったわけですから、よく実情は知っておるわけでございます。そのことをなかなか大蔵にも申し上げにくい段階もよく知っておるわけでありますけれども、例えば地方
空港
の
整備
の第六次空整のときでも、新しいカリキュラムが誕生したのですね。それまでは全部すべて国の責任、本来は自治体でやることなんだけれども。現実に成田の問題だってボタンのかけ違いというのは、そういう自治体との、地域住民とのいろいろな問題もある。 それで、第六次空整というのは、ひとつ欲しいところは手を挙げてください、しかしその飛行場を完成するために地方自治体がやるべきことはこういうことですよ、そのことを賄えることを覚悟した上で手を挙げてくださいと言ったら、この第六次空整の部分で何カ所か手が挙がってきた。その中で、要するに、自治体として責任を持つことはここだ、地域住民対策というのは、国のせいじゃなくて全部すべて自分たちがやりますよ、こういうことによって新しい地方
空港
への目覚めというのは出てきたわけですね。 秋田のミニ
新幹線
もそうですね。従来であれば国の、できるだけそれは、政務次官は市長さんを経験しておるから、何が何でも国の財源の方が多いほどいいやと、こういうところは、これは今度
鉄道
の方がコスト計算してみたら合わない。しかし、そうじゃなくて、自治体が本当に覚悟して、これだけ住民が欲しいんだと言っているんだから、自治体でここまで思い切って負担しようと踏み込めば、逆に
事業
の方は経費
積算
をしてみれば、これなら採算がいけるかもしれないな、それならやってみようか、こういうことになるわけですね。 ですから、この配分比率の問題についても、硬直化して、とにかく何が何でも国の財源じゃなくて、そういう新しい発想を幾つか加えることによって着手できる区域というのは広がるかもしれない。こういう可能性を見出してほしいなと。
鉄道
局長
にお願いしたいのですけれども、こういう
事業
があるんだけれども、なぜできないかといったら書類がこんなに来て、どうやればできるんだといったら一枚しか来ないという、そういう雰囲気から、こうすればやれるのではないかという方向に立って、今みたいな発想で、この国家
事業
に基本的に国がやるべき役割というのはこうだということを決めて、そういう方向に向かっていく気概を持ってほしいな、こういうふうに思うのですが、御答弁ください。
秦野裕
167
○秦野
政府委員
佐藤
先生、よくもうその辺の事情御承知でございますから、若干釈迦に説法でございますが、基本的な考え方はただいま先生お話しのとおりだと私どもも思っております。 特に、
鉄道
の場合には、従来国鉄という極めて巨大な組織がございまして、国鉄を中心にすべてが回ってきたということもございますので、どちらかといえば、地方の方々のアイデアというよりは、国鉄の
事業
上の便宜と申しますか、そういうものが優先してきたということも一面において事実だと思っております。 ただ、今後やはり我々としては、
整備新幹線
はもとよりでございますけれども、幹線自体の高速化、ネットワークの強化ということは当然必要だと思いますし、その際には在来線を大いに活用する、あるいはいわゆるミニ
新幹線
も一つの例でございますけれども、そういうものを含めた在来線の強化ということは当然必要だというふうに考えておりまして、その場合には、やはり国ももちろん一生懸命やりますけれども、あわせて今お話しの、地方の方々のアイデアなり、あるいは場合によってはその資金なり、そういうものの御援助をいただく。そのかわり、地方の方々の要望に、極力ニーズにこたえたような形の
鉄道
を
整備
していくというような方向で進まなければならないのじゃないかということで、私どもも一生懸命、どういう背景でそういうものを進めていったらいいのかということについて、今勉強中でございます。 もちろん、個々のケースについては、それに応じてよく御存じのとおりの
整備
を進めておりますけれども、そういうものを全体としてどういうふうに進めていったらいいのかということについては、今先生のお話のような方向で勉強していきたいというふうに考えております。
佐藤敬夫
168
○
佐藤
(敬)
分科員
局長
、実際に
運輸省
のやはり二十一世紀に向かう、そういう
鉄道
事業
というものに対しての基本概念をもう一回組み立てる必要もあるだろうと思いますが、実際そういう在来線の活性化という問題も、この時代というのは非常に必要だと思うのですね。 ない物ねだりするよりも、むしろそういうことで、ジグザグしているいわゆる在来線を真っすぐにしてあげることにおいて、車両はもう二百キロでも三百キロでも出せる普通車両がどんどんできているわけですから、であるとすれば、地球
環境
全体の問題を含めても、やはりこの
新幹線
と、どうしても
新幹線
というものがおくれるのであれば在来線の活性化、それはジグザグして、明治時代につくった
鉄道
でありますから、その町並みを通っていくと確かに大きな曲がりがある。だから、出せる能力があってもスピードを出せないという問題も片一方に控えているわけですから、これも活性化資金で八億ぐらいしか真水がない、こういう発想じゃなくて、本当にどっちなのだ、だったら今とりあえずこの十年、そこまで待つのだったら、我々はそういうことで極力この
環境
問題とあわせ、そういう高速化という認識に立つならば、こういう概念でひとつやっていこうじゃないか。だから、今十億やっと水をつけてもらったのだけれども、もう少し、百億や、本当に二百億ぐらいの財源なら、この問題に向かってやはりかち取るということを、省内の中で、若い人たちを中心に、ひとつどうぞ活発な議論を起こしてほしいな、こういうことをお願いしておきます。 また、同じように、
港湾
の問題なのですね。これは後からもう一つ、十五分ぐらいたって、十五分もうたってしまいましたけれども、先回財政
審議
会でCランクにされて、産業基盤のあれだからということでパーセンテージが減りましたね。私は、とんでもないと思うのですね。 ただ、とんでもないということ以外にもっと申し上げなければならないのは、貿易立国として四面を海に囲まれた日本が、それこそ少なくとも今ほとんど輸入食糧、あるいはそういうものを軸にしているものの九七%ぐらいというのは太平洋側に荷物が入っていますね。そうすると、本来これから、今北朝鮮問題や、あるいは韓国、あるいは新しいASEANの構想という中に立って、日本が、日米と同じように、この東南アジア、特に北アジアの部分の中で新しい外交関係、新しい協力をやはりきちんと示していくことは、日本のこれからの国際社会の中での存在というものを明確に位置づけていくことだということになって、大連なんかもう大変な、四バースつくって、また今度すぐ四バースだ。そして、そこに一つの大きなエリアをつくって、対日本とのいろいろな、あるいは東南アジアとの交流のための産業基盤として、これはちょっと日本だけの工場誘致地帯として二・七ヘクタール、小さいけれども、しかしそういうものまでつくろうとしている。 この日本列島というのは、弓なりになっているわけですね。そのときに、そういうところから来るときに、わざわざ遠くへ船が着いていかなければ食料品の管理一つできないという港だけが、例えば日本海側の方にある。例えば、税関、保税倉庫、あるいは冷凍倉庫、こういうもののすべてがみんな太平洋側に位置していて、そしてそこへ入ったものが高い土地代の上に建った倉庫に預かってもらって、そこから国内の全般の地域まで運んでいくということになったら、それは一つ一つのコストを考えてみたって大変なことだろうと思うのです。 日本列島は弓なりになっているのだ。だったら、やはりその内側に、日本海を湖にするような構想で、少なくとも、全部じゃなくとも、三つか四つくらいの基点というものをきちんと、対岸との交流ができるような位置づけというものにしていくべきだ、こういうことをやはり発想の一つの原点にして、そしていわゆる大蔵省の財政
審議
会の方で言っているような部分の問題というものは、本当にこんなことでいいのですかという、まさに生活関連そのものじゃありませんかということを、もっと強調してしかるべきだと思うし、これは絶対負けないで、やはりこの問題は、
運輸省
の
港湾
局の
予算
をどんどん減らしていく、そうじゃない部分は、幾つかこれは
指摘
がありますね、港のどこが失敗であるとか、会計監査の方からも。失敗はありますけれども、しかし、そうじゃない、トータルで見て、もう一回そういう新しい二十一世紀の日本が、日本海を軸にして、新しい時代をつくるために、
港湾
というものはどれだけ重要なのかということを毅然として主張されるべきだと思うのですが、いかがですか。
坂井順行
169
○坂井
政府委員
今先生御
指摘
の点でございますが、御案内のように、おっしゃるとおり、四方を海に囲まれている我が国におきまして、今エネルギーは約九割、それから食料品、全体では三割ぐらいを海外に依存しております。したがいまして、国民生活がそれによって、貿易によって成り立っているということはもう言うまでもございませんで、特に最近の我が国の貿易貨物は年々
増加
しております。 とりわけ、今先生御
指摘
ございましたように、近年の複合一貫輸送の進展とか、あるいは特に製品の輸入の
増加
等々がございまして、いわゆる外貿コンテナにつきましては、ドライカーゴが主でございますけれども、一億トンをもう超えなんとしておりまして、特に輸入の伸びが非常に大きい、こういう状況でございます。一方、御案内のように、非常に我が国のコンテナバースというのは、やや第三世代といいましょうか、今の船型に必ずしも合っていないということもございまして、今一生懸命やっておるところでございます。 ところが、今先生御
指摘
のように、日本海側の港との関係、今日本海はどこからどこまでとるかというのは非常に議論があるところではございますけれども、特にNIESを初めとします、非常に成長の著しいオセアニア諸国、アジアを含めまして、特に貿易量が拡大しております。一部生産機能が外に出ているということもございますが、その中でも、ロシア、中国、北朝鮮、韓国などとのいわゆる対岸貿易というのは、貨物もふえていますし、シェアもどんどんふえております、高まっておる、こういうことでございます。 全体的に見てみますと、今先生おっしゃいますように、日本海側の外国貿易の施設というのは、全国的に見ましてやや
整備
不足といいましょうか、水準がややおくれておる、立ちおくれておる状況にあるのではないか、今後の東南アジア諸国など、対岸諸国との交易に対応するためにも、特に外貿機能の充実というようなものには力を入れていかなきゃいかぬ。 特に、現象的には高速道路がかなり
整備
されておりますので、日本海側の、例えばある港につきましては、極端なことを言いますと、もう北関東の一部のシェアすら担っておるというようなことで、北関東の一部のゲートウエーにももちろんなっておりますし、これは背後の高速道路の
整備
とあわせてそういう現象がどんどん起こっておりますが、トータルとして見ますと、圧倒的にまだいわゆる日本海側の
整備
水準が、太平洋ベルト地帯と比べますと相当おくれておりますので、かなり重点的に投資をしていかなければいかぬ、こういうふうにも思っておる次第でございます。御
指摘
のとおりではないかと我々も感じておるところでございます。
佐藤敬夫
170
○
佐藤
(敬)
分科員
何もかにもというのは無理なんでしょうけれども、少なくとも主要外貿の港の
整備
というのは、例えば新潟なら新潟を中心にしてみれば、本当に北関東一円を支配できるような道路網もセットされておるわけですし、あるいは、舞鶴からしてみれば、関西方面にしたって日本海を中心にしてそこへ荷物を集めることによって保税倉庫の中で加工されたものが低廉な価格で大消費地に向かう、こういう発想もできるわけですから、ぜひそういう機能充実のためのものは新しい視野に立って御検討いただきたいと思うし、そういうことを我々も一緒にやはり大蔵に向かって、決して省利ではなくて、これはまさに生活関連そのものなんだということを主張していかなければならぬと思うんです。 せっかく土坂
局長
も見えておりますから。今、後ろで聞いていて
水野
先生が全部しゃべってしまって、私は申し上げることがないのですが、実際、おとといですか、成田へ行かれて、今度は熱田派の人たちがまた十一時から十時にしろとかいろいろ言っているようであります。 本当に二十五年間、まさに闘争を繰り返してきた町から、本当に新しい時代の役割を担うための
努力
をこれからしていきたいということを、私がちょうど政務次官をやめて、やめる直前に成田の新しい
空港
の
設備
が開設されたときに行って、彼らと四時間、五時間話をしたのですね。 そして、やはりもう二十五年たって、今まさにそういう時代から、闘争の町から新しいものに変わっていくというふうになってきた。ただ、みんなが納得しないと、自分たちだけ納得してもだめなんだ、こういうことだったんですね。 そういう変化が生まれてきていることは確かでありますから、前の大臣の伊藤大臣の、成田やめてこっちへ何かつくれなんて、そんな発想じゃなくて、本当に、やはりそこを拠点にしていくためにはどうしたらいいのか。千葉県選出の国
会議
員の皆さんとよく我慢強く相談し合って、見事な国際
空港
に仕上げていくための貴重な人材も、人命も幾つか失われているわけですから、その人たちのためにも国際
空港
としての本当に意味あるものにつくり上げていってほしいなという祈りを込めて、まず最初にお聞きしたいと思います。
局長
、本当に大変だろうと思いますが、丹念に丹念に話し合いを続けていく以外に解決の道はないのだろうというふうに思います。 それとまた、確かにそうはいっても、この国際
空港
、
航空
の関係からいきますと、
航空
会社の持つ固定経費、コストみたいなものを今一体どうやって削減してやるかという手法を考えないと、給料一つとってみても、ドルと円との対比考えてみたって、社長より高いパイロットが何十人もいるなんということでは、やはりこれはなかなか大変なことなんだろうと思うし、そしてまた、それらのすべての高いものが全部利用者の要するに運賃というものに転嫁をしていく。 実際に、今国民全体の生活費の中で公共あるいは準公共料金みたいなもので一八%から二〇%を占めている。この後も新しいものをつくることによって全部それが料金に転嫁をされていくというやり方というのが果たしていいのかどうかということは、これはもう抜本的に考え直していかなければいけないことだと思うのです。道路にしてもそうであります。 要するに、
航空
関係の問題にしても、そういうものを本当に新しい形でくみ上げていってもらいたいと思うし、思い切って真水の導入といってみても、これも
鉄道
もコアが若干違うかもしれませんが、
航空
もなかなか真水のものが導入されてこない。そういう中で、その配分率という問題についても、新たな発想を局内でやはり若い人を中心に軸を起こしていただいて、ぜひ前向きの議論を進めていただきたいな。 総論的なお話でありますが、土坂
局長
からもひとつ答弁をいただきたいというふうに思います。
土坂泰敏
171
○土坂
政府委員
成田が残念ながら滑走路一本で、既にオーバーフローしておりますし、いろいろな方々の御要請にも対応できません。なるべく早く立派な
空港
にしていかなければいけませんが、長い長い対立抗争の歴史で、非常に不信感が相互にございまして、話し合いすらできなかったわけでございますが、いろいろな方々の御
努力
で今シンポジウム、円卓
会議
、話し合いを進めております。 相互理解と信頼というのが基盤でございまして、少しずつお互いに心が通うようになってきていると思いますが、現実にはまだまだ隔たりが多い、先の見通しを口にできる状況ではまだございません。ただ、やはり粘り強く、信頼関係の上に立って解決が図られるように引き続き
努力
をしたいと思います。 それから、エアラインの問題、いろいろ問題がありまして、基本的にはやはり大変厳しい中でリストラをやって体質の
改善
をやっていくよりないわけでございまして、例えばある程度新規採用人数を抑制するとか、いろいろな手法で切っていくとか、いろいろなことでエアライン自身が自分の問題として苦労しておられますし、これはエアラインに考えてもらわなきゃできることではない。よそから言ってうまくいくわけでもございません。私どももそれに呼応して、規制の見直しとかあるいは
空港整備
の面でさまざまな
努力
をするとか、そういうことを通じて、一緒になって日本のエアラインが世界の中でやっていけるように
努力
をしなきゃいけない、こんな気持ちでやっておるところでございます。
佐藤
先生にいろいろお世話になってやってまいりましたけれども、引き続きそういうことで頑張ってまいりたいと思います。
佐藤敬夫
172
○
佐藤
(敬)
分科員
三局について、ぜひ政務次官も、この配分比率の問題あるいは時代認識というか概念、こういうものは新しい組み立てをする必要がある。そして国と地方との関係というものをやはり新しい位置づけをしていく。この三つの硬直化されている現象をどうやって新しい時代に向かって組み立て直しをするかということは、これは共同作業だと思うのです。そういう意味で、ぜひ三つの硬直化をやはり立て直していくんだということについての決意表明をひとつお聞かせください。
星野行男
173
○
星野
(行)
政府委員
いろいろと御教示を賜りました。そのとおりだと思いますが、私見を若干申し述べさせていただきますと、一つのキーワードがただいま先生からもお話がありました。現在、国際化とボーダーレス化、こういうことが今また第二の開国とも言われておりますが、やはり日本もそういう時代に来たのではないかな、またそれに対応していかなければ、これからの二十一世紀の日本の繁栄、そしてまた平和を維持することは難しいのではないかな、そう思います。 そういう言うなれば発想の転換の中で、これから、行政改革、地方分権と言われておりますが、この大きな意味でのインフラ
整備
、国づくりでございますが、国づくり、国と地方のそれぞれの役割分担の中で、それこそ国土の均衡ある発展を運輸の面からもぜひ
推進
してまいりたい、そんなふうに考えております。そういう中での公共投資の配分比率の見直しというようなものも出てくると思いますけれども、なかなか難しい問題ではございますが、今後とも御
指導
を賜りたい、そんなふうに考えております。 以上です。
佐藤敬夫
174
○
佐藤
(敬)
分科員
あと三分ぐらいしかありません。 一つは、先ほどこれまた
水野
先生からも言われたのですが、規制緩和の問題というのは、やはり世の中の仕組みを変えていこうということだと思うのです。 やはり、どちらかというと、五五年体制、一体何だったのかというと、自社という大きな対立構造が岩盤のごとくあって、政治の枠組み一つ見たって、協調という名のもとにお互いがいろいろなかけ合いをしながら、最後は結論出ました、かっこよくまとまりました。ところが、国民の目の方から見てみると、協調という美名のもとに事は成ったけれども、何となく不透明だというのが今までずっと続いてきたのだと思うのです。 ところが、今新しい時代というものは、そうじゃなくて、例えば与党の八派七党のレインボーキャビネットと言われて、七色のにじの内閣だ、遠くから見ると美しいけれどもすぐ消えるなんというのは、本当に八カ月で消えちゃったみたいな印象ですが、国民が案外政治に関心を持ってきたというのは、その対立の争点が実ははっきり見えている、むしろ対立という現象をきちんと目の前に見せることが、逆に言うと透明度が増すということなんですね。 そうすると、こういう
審議
会、例えば各省にあります
審議
会の一つのあり方にしても、我々が外国から来ている連中とよく話をすると、どこが決定機能なんだ、政治家なのか、いや政治家は役所にこうして、ここでこういうふうに決めるんだ。じゃ役人なのかというとそうじゃない、
審議
会なんだ。じゃ、
審議
会のメンバーはどうやって選ぶんですか、選挙なんですかと。しかし、それは選挙じゃない、何となく決まっているんです。そして、それは公開型なんですか、いや公開はしない。こういうものが、そこが決めるということは信用できませんね、こういう声が外国の要人の中からもどんどん飛んでくるわけです。 そして、やはりそこの中で何となく皆さんも、どこかというと、
航空
なら
航空
、
審議
会のメンバーで、あるいは
運輸省
全体の話ならば運政
審議
会で、そこから出てきた答弁を軸にして役人が初めて自分の方針を発表できる、しかし、そのプロセスが非常に不透明なんですということを随分聞くようになってきたわけです。私は、もちろん当然その
審議
会のあり方なんというものが、今我々がここで議論して解決するような問題じゃないと思うのですが、皆さんからしてみれば、何となくそういうバラエティーに富むような構想をしてきちんとしていますよと。ところが、だんだん内部告発が激しくなって、内政
審議
室あたりなんかで総まとめをしようというと、そこに選ばれた委員の人に役所が行って、このことは発言しないでくださいと、こういうことを言われましたという、各政党間にどんどん出てきているのです、今。 そうすると、そういうことが今度、何だ、ということは、みんな役所がそこで言わせて、本来そうやって決めていくことじゃないか、不透明じゃないか、こういうことがこれからのこういう一つ一つの国民生活の政策を決める、あるいは担う、そういう役所側にとっていろいろな難解な課題になってくるんじゃないかなと。こういう運び等々についても、これからはひとつ新しい
審議
室のあり方、あるいは役所としての国民・生活者優先というテーマが大きくなってくる時代に向かって、一つ大きな変革をしていかなきゃいけない時代だなということをぜひ認識をいただきたい。これは御答弁要りません。本当は黒野官房長に返事してもらおうと思っていたのですが、もう時間がありませんので、一言だけ、そういう仕組みも大きく変わっていくということになっていますよということにひとつ御理解をいただきたいし、また、ぜひ御
努力
をいただきたいということをお願い申し上げて、一言もし、質問時間終了しましたので、黒野官房長からひとつ。
黒野匡彦
175
○黒野
政府委員
大変大事な問題を御提起いただきまして、我々もそういう問題意識を持っております。ただ、
審議
会の場というのは、いわばボランティアとして委員の先生方にお越しいただいて御意見を賜るわけでございまして、個々の先生方が一番意見を言いやすい雰囲気は何かということが議論のベースに持っております。それを傍聴の方を入れてやるのが一番いいのか、あるいは傍聴者を入れないでやった方がいいのか、これはやはりかなりケース・バイ・ケースの話ではないかと思っておりますが、ただ、仮に傍聴の方々を入れないとしても、その
審議
会の内容、議論のプロセスにつきましては、しかるべきルートを通じて国民の前に常に明らかにするということが大事であろうと思います。 我々もこれからそういう点で
努力
をしなければいけない、かように思っております。
佐藤敬夫
176
○
佐藤
(敬)
分科員
終わります。
田端正広
177
○
田端主査
これにて
佐藤
敬夫
君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして
運輸省所管
の質疑は終了いたしました。 これにて本
分科会
の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
分科員
各位の御協力を賜りまして、本
分科会
の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。 これにて散会いたします。 午後三時三十三分散会