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石田国務大臣 少々参議院の方の
審議がございまして、おくれて大変に恐縮に存じております。
狩野先生お尋ねでございますので、まず私が
総務庁長官に就任をした当時、やはりこの
規制緩和の問題がかなり大きなテーマとして挙げられておりました。前
長官の当時つくられたのが、いわゆる一割
削減というようなことで始まっておったわけでございます。
しかし、子細に検討してみますと、一割
削減は
削減の
意味では
それなりの
効果があろうかなと思いまして、私
どもも引き継いだ残余の
期間の中でそれは
推進をしておったわけでございますが、やはり一
国会、一
国会考えてみますと、さまざまな
経済社会の進展なり、あるいは
社会状況の
変化によりまして新しい
法律あるいは
法律を
改正する、そういうような動きがございまして、大体、
通常国会一
国会で四十本から六十本ぐらいの
法律が制定されているわけでございます。そうしますと、それに伴う
規制というのががんとふえるわけでございまして、プラスマイナスしてみますとむしろ
規制がふえていく、こういうような現象にぶつかりまして、このままではこれはどうにもならぬなということで、
規制緩和の新しい
方針をつくるときにどうしようかというようなことをいろいろ考えてみたわけでございます。
そこら辺は
それなりに省内でも
打ち合わせをしまして、まず
一つ考えましたのが、
法律ができる、その
法律は特別な場合を除いて、そういう
規制がかかるものの
法律については
一定の
期間、五年なら五年を
経過した時点では必ず
見直しをするという
見直し条項をつけたらどうかということを考えまして、なかなか最初は
法制局の
理解を得られませんでしたけれ
ども、しかしこのままでは
規制はどんどんふえていくわけだから、これは
政府の大
方針としてはうまくいかない、そういうようなことで話を詰めて、
法制局の方も
理解をして、
原則それでは
見直し条項を入れましようというようなことが
一つございました。
それからもう
一つ問題であったのは、やはり
報告、
届け出の問題でございます。一例を申し上げますと、今でも話題になるのでございますが、
デパート等におきまして
売り場を
変更する場合に、個々の問題、
食料品なら
食料品の中の、例えば酒なら酒の
売り場を
変更するときにはそれはそれで出さなければならない、ほかの
売り場を
変更するときまた届けなければならないというようなことで、あるいはお盆、お中元のそういうような問題についても
一つ一つ届け出を出さなければならない。そうしますと、許認可問題だけではなくて、やはり
一つの大きな問題として
報告、
届け出の問題を
緩和していかなければ、これは役所の方も手間がかかりますけれ
ども、それぞれの
経済活動をやっている
人たちは大変に経費の点でも
負担になっているわけでございます。あるいは
運送会社等も同じでございますけれ
ども、いろいろな
報告事項があるわけでございます。そこら辺を積極的に
緩和しようというようなことでございました。そこら辺を踏まえて、
規制緩和に取り組んだわけでございます。
もう既に
先生御存じのとおり、
行革審あるいは
経済改革研究会報告等でも
規制緩和が当面これからの新しい
経済社会を再構築するためにどうしても必要な
事項である。確かに三十年、四十年の
経過を考えますと、それだけの長い年月の中にはもうそろそろ必要でないのではないかというような
規制もあるわけでございますので、そういうものを
見直ししよう。三十年前にそれぞれの産業を振興させるために必要であった
規制というものも、三十年
経過してみますれば、その
必要性はいかがかという
見直しができる
状況も生まれているわけでございますから、そういった
意味で新しい
経済社会を再構築するために
規制緩和を積極的にやろう、こういうようなことで、
経済的規制は
原則自由、
例外規制、
社会的規制は本来の
政策目的に沿ったものというような形で
方針が示されました。
それを受けて、
細川政権として、前
政権としましてこの
規制緩和に真剣に取り組んだわけでございます。
対外経済改革等の問題を含めて、そういった問題を今この
一括法でお願い申し上げておるわけでございますが、
個別法二十四
法律、
一括法四十本、こうなっておりますが、その立て分けの基準は、やはり共通的に処理できるものは
一括法でやろう、それから政策的に大きな
変更になるものは
個別法でやる以外にないというようなことで、
法制局等がそこら辺をかなり厳しく審査をしてくれまして、そういう
方針でお願いを現在いたしておるというところでございます。
さらに、
細川政権に引き続いて
羽田政権におきましても、
法律五百そのものを全般的に見直すのは当然なわけでございますが、そういうような横並びの形でずっと進んでいってもなかなか結果が出ないだろうというようなことで、
細川政権のときにいわゆる
専門部会、三
専門部会を設置して個別に話を詰めてきた。それで、これが今
最終段階になっておりまして、六月末までの間に土地、住宅それから
情報関係、
市場、
流通、それから
大蔵関係の
保険、
証券等の問題についても今
大蔵の方で特別にやってもらっておりますので四
部会、そういった問題が六月末に
一つの結果を出そうというので、これはかなり大幅になりますが、その
成果をお示しできるのではないか。明日から各
大臣と、
主要大臣との折衝を始めることにいたしておるわけでございます。そして、これで
一つの
成果を出して対外的な問題も
理解を求めるようにする。それからまた、新しい
市場経済の
活性化のためのさまざまな
規制緩和をここで
国民の皆さんにぜひ御
理解をいただいて実施し、
市場の
活性化につなげてまいりたい、こう思っているところでございます。
したがいまして、今までの
法律をつくった部分が第一
段階といたしますれば、六月末に出す三
部会、四
部会の話の結果は第二
段階ということになります。これはまた新しく
法律の
改正等をお願いしなければならないわけでございますが、それだけではまだ
規制緩和全体に及ぶわけではございませんので、それが終わりましてから第三
段階として五カ年の
規制緩和の
計画を立てまして、そして順次やってまいりたい。ここまで進みますれば、かなり
規制緩和は進んでくるだろうというふうに思っております。したがいまして、単に数字を追うのではなくて、やはり
規制緩和の
原理原則をしっかりと踏まえて、実質的に
効果が上がるようにいたしたい、このように考えているところでございます。