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石田国務大臣 吉岡
先生にお答えを申し上げたいと存じます。
規制緩和の今までの
成果という
一つの観点があろうかと存じますが、まあ前
大臣のときもかなりこれは熱心にお取り組みいただいておったわけでございます。それを引き継いでおるわけでございますが、本格的に取り組みを始めたのは、まさに
細川政権になってからじゃないかというような気がいたします。と申しますのは、今までの分は一律カットというような、そういうやり方であったわけでございますけれ
ども、それではなかなか
国民の皆さんに御
理解いただけないだろうというようなことで、緊急
経済対策とか、そういう中で目玉になりそうなものを拾い上げてやってまいりました。さらにまた、その
考え方に立って、今専門三部会あるいは大蔵省を
中心にして金融保険等のことをやっておるわけでございますので、そこで何とか目につく、
国民の皆さんにも御
理解いただける
成果を上げたいと、懸命になって今やっておるわけでございます。
それからもう
一つの問題は、今までの
規制緩和のあり方についてどういうふうになっていたのかというのは、実は私も
総務庁長官になるまでよくわからなかったのでございます。それで、いろいろ
考えてみますと、一割削減はいいのですけれ
ども、その
方針が制定されてから私は
総務庁長官になったわけでございますから、これはまあ一生懸命やってみました。ところが、よくよく計算をしてみますと、毎年毎年
法律が四、五十本国会を通過するわけでございますので、その四、五十本通過するごとに
規制ががんとふえてくる。数の上だけではなかなかこれが減らない。しかもその中で、
経済的規制もあり、
社会的規制もありでございますから、ふえた分を悪いと言うわけにはいかないわけでございます。
そこで
考えましたのは、この今までのシステムだけではだめだから、基本的にまず、
法律をつくるときに五年なら五年という見直しの条項を設けることを
原則にできないかということを、随分法制局の間でも詰めてみました。なかなか難しい
状況があったのでございますけれ
ども、じゃ
原則そういうことにしましょうということになりました。この
法律の見直しの問題については、今現在の
行政の機構の中には
法律見直しをするセクションというのはないのでございますね。法制局が新しい提案を法制化する場合に、どういうところに
問題点があるか、そういうものを、だめなものは削って、そしてきちっとそれを
整備していくわけでございますけれ
ども、
法律そのものを見送るという話は全くないわけでございます。
一度社会党の、もうやめられましたけれ
ども、堀昌雄
先生が日銀法の問題を取り上げられて、あれは片仮名で書かれているわけでございますが、例えば帝国憲法から来ている、その
時代につくった
法律でございますから、そういう問題はもう
時代に合わない分だけでもいいから削ったらどうだ、変えたらどうだといって随分迫ったそうでございますけれ
ども、依然として変わっていない。要するに、
法律を見直すセクションというのは今の
行政の中にないわけですね それでまた全体を見直すとなりますと、物すごい手間暇がかかってどうも効率的じゃないというような面もありまして、それならばやはり、せめてこれからつくる
法律について見直し条項をどうしても入れるべきだという
議論をしてまいったところでございます。
これが
一つあるわけでございまして、それからもう
一つ、私が
規制緩和懇話会等に
出席をしてみて、いろいろな御注文を受けた中で特に特例として申し上げられることは、例えばデパートならデパートで、酒の売り場が一階なり地下にございます。そういうものを、お中元のときに売り場を上へ上げようとしますと、膨大な書類をつくって一々許可を受けに行かなければならない。これはやはり許可、認可というような問題よりも報告、届け出の方の問題なんですね。だからここら辺は、それを手直しをすれば即
経済効果が上がってくるわけでございますから、この報告、届け出の分をぜひ
行政改革の
一つに、
規制緩和の
一つに加えてもらいたいということで随分省内で討議をしまして、それはもっともな話だから入れましようというふうになりました。そうしうような
改革を重ねていく必要があるんだろうというふうに思います。
特にこれからコンピューター
時代でございますから、いろいろな届け出の問題あるいは
業界の報告事項というような問題が、例えば毎年毎年ある事業者が営業成績について報告をしなければならないというようなことも、これは営業成績というのは
企業が自主的にやっていることですから、
役所に報告をもらったとしても、それを見たところで直せとかどうしようとかいうことは言いようがないわけでございますから、そういう種類のものもできるだけ削る。それから、半年あるいは一年で報告義務があるものをさらに期限を二倍に延ばすとか、そういうような細かいことも非常に必要だなということを痛感をして、
そこら辺を一生懸命今改善をしようといたしておるところでございます。
これはまさに
規制のあり方、
社会的規制は
社会的規制で
原則はこれは外してはならないわけでございますが、しかし十年も二十年もたってそのままそれが生きているとも
考えられませんので、
そこら辺もまた定期的に見直しをする必要があるだろう。そういう幾つかの問題を
考えながら、着実に進めていくべき問題だろうと思っております。